JP2006070229A - アルケニルフェノール系スターポリマー - Google Patents

アルケニルフェノール系スターポリマー Download PDF

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Abstract

【課題】分子量分布が狭く構造が制御された酸分解性のあるアルケニルフェノール系スターポリマーの提供。
【解決手段】アーム部が特定のアルケニルフェノール誘導体から誘導される繰り返し単位を含むポリマー鎖であり;コア部が、式(II):
Figure 2006070229

[式中、R4およびR5は、それぞれ独立に、水素原子およびC1〜C4アルキル基から選択され、R6は4級炭素原子を含まない炭素数2以上の2価以上の炭化水素基であり、xは1以上の整数であり、xが2以上のときはR4は同一または相異なっていてもよい]で表されるアクリレート誘導体から誘導される重合体であるスターポリマー。
【選択図】なし

Description

本発明は、アルケニルフェノール系スターポリマーに関し、さらに詳細には、アクリレート誘導体から誘導される繰り返し単位をコア部とし、アルケニルフェノール誘導体から誘導される繰り返し単位をアーム部として含むスターポリマーに関する。
ポリ−p−ヒドロキシスチレンに代表されるアルケニルフェノールのホモポリマーやコポリマーは、化学増幅型エキシマレーザーレジスト材料として有用であり、中でも、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル[以下「(メタ)アクリル酸エステル」と略す]としてt−ブチル(メタ)アクリレートをコモノマーとするコポリマーを用いたレジストは、高解像化が可能ないわゆるESCAP型レジストとして知られている。そして、p−ヒドロキシスチレンとt−ブチル(メタ)アクリレートとのコポリマーとして、ビニルフェノールモノマーとt−ブチル(メタ)アクリレートとを熱重合することにより得られたものや、p−アセトキシスチレンとt−ブチル(メタ)アクリレートとをラジカル重合法により共重合させた後、微量の酸性試剤又はアルカリ性試剤を用いてアセトキシ基のみを選択的に加水分解させて得られたものが、既に市販されている。
アルケニルフェノール系スターポリマーに関しては、例えば、特開2002−226513において、p−ヒドロキシスチレン−スチレン共重合体またはp−ヒドロキシスチレン−ブタジエン共重合体などをアーム部とするスターポリマーが開示されているが、そのコア部分はすべての合成例においてジビニルベンゼン重合体であった。
一方、ジビニルベンゼン重合体以外のコア部を有するスターポリマーとしては、メチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレートをアニオン重合させることにより得られるポリマー鎖を、ジクミルアルコール ジメタクリレート、または2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール ジメタクリレートを反応させることにより得られるスター型のポリマーの合成例が報告されている(非特許文献1を参照)。しかし、アーム部にヒドロキシスチレン骨格を有するスターポリマーで、アクリル酸誘導体からなるコア部を有するものはこれまで知られていなかった。
特開2002−226513号公報 L.Kilianら、J.Polymer Science、Part A、2003年、第3083頁。
本発明の目的は、レジスト材料用として好ましい特性を有する、アルケニルフェノール系スターポリマーを提供することである。また、本発明の別の目的は、新規な高分子化合物である当該スターポリマーの合成方法を提供することである。さらに本発明の別の目的は、当該スターポリマーを含むレジスト組成物を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、コア部にアクリル酸誘導体の重合体を用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の1つの側面によれば、中心核としてのコア部、および中心核に連結するポリマー鎖としてのアーム部を含むスターポリマーであって、
アーム部が、式(I):
Figure 2006070229
[式中、R1は水素原子またはC1〜C4アルキル基であり、R2はハロゲン原子またはC1〜C12炭化水素基であり、R3は水素原子または保護基であり、mは0〜4の整数であり、mが2以上のときR2は同一または相異なっていてもよく、nは1または2であり、nが2のときR3は同一または相異なっていてもよく、m+nは1〜5の整数である]
で表されるアルケニルフェノール誘導体から誘導される繰り返し単位を含むポリマー鎖であり;
コア部が、式(II):
Figure 2006070229
[式中、R4およびR5は、水素原子またはC1〜C4アルキル基であり、R6は4級炭素原子を含まない炭素数2以上の2価以上の炭化水素基であり、xは1以上の整数であり、xが2以上のときはR4は同一または相異なっていてもよい]
で表されるアクリレート誘導体から誘導される重合体である、前記スターポリマーが提供される。
本発明の別の側面によれば、アーム部が、上記式(I)で表されるアルケニルフェノール誘導体から誘導される繰り返し単位;および
式(III):
Figure 2006070229
[式中、R7は水素原子またはC1〜C4アルキル基を表し、R8はハロゲン原子または有機基を表し、yは0〜5の整数を表す]
で表されるスチレン誘導体から誘導される繰り返し単位、または式(IV):
Figure 2006070229
[式中、R9は水素原子またはC1〜C4アルキル基であり、R10は水素原子または有機基である]
で表されるアクリレート誘導体から誘導される繰り返し単位を有する共重合体のポリマー鎖であるスターポリマーが提供される。本発明の一つの実施態様において、本発明のスターポリマーのアーム部は、式(I)のアルケニルフェノール誘導体から誘導される繰り返し単位からなるポリマー鎖、または式(I)のアルケニルフェノール誘導体から誘導される繰り返し単位および式(IV)のアクリレート誘導体から誘導される繰り返し単位からなる共重合体のポリマー鎖である。さらに一つの実施態様において、アーム部は、コア部に結合する式(IV)のアクリレート誘導体から誘導される繰り返し単位およびその末端に結合する式(I)のアルケニルフェノール誘導体から誘導される繰り返し単位からなるブロック共重合体のポリマー鎖である。
また、一つの実施態様において、式(II)のxは1であり、R6は−(CHR11p−基であり、pは2〜6の整数であり、R11はそれぞれ独立して水素原子またはC1〜C4のアルキル基である。また、式(IV)のR10が、水素原子、脂環式骨格を有する有機基、ラクトン環を有する有機基、またはC1〜C12のアルキル基であってもよい。
本発明のスターポリマーにおいて、上記数平均分子量は、例えば、1,000〜1,000,000であり、分子量分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、例えば、1.01〜3.00である。また、コア部の重合体とアーム部のポリマー鎖の組成比(コア部/アーム部)は、例えば、1/1,000〜1/0.1である。
本発明のさらに別の側面によれば、上記のスターポリマーを含有するレジスト組成物もまた提供される。
本発明のさらに別の側面によれば:
a)上記式(I)で表されるアルケニルフェノール誘導体を重合することによりポリマー鎖を得る工程;および
b)当該ポリマー鎖を、上記式(II)で表されるアクリレート誘導体と共重合させる工程;
を含み、式(I)のR3が保護基の場合は、さらに当該保護基を除去する工程を含んでいてもよい、本発明のスターポリマーの製造方法もまた提供される。
本発明のさらに別の側面によれば:
a)請求項1に記載の式(I)で表されるアルケニルフェノール誘導体を重合することによりポリマー鎖を得る工程;
b)当該ポリマー鎖を、請求項2に記載の式(III)で表されるスチレン誘導体または式(IV)で表されるアクリレート誘導体と重合させ、共重合体を得る工程;および
c)当該共重合体を、請求項1に記載の式(II)で表されるアクリレート誘導体と共重合させる工程;
を含み、式(I)のR3が保護基の場合は、さらに当該保護基を除去する工程を含んでいてもよい、本発明のスターポリマーの製造方法もまた提供される。
本発明のスターポリマーを構成するコア部は、式(II)で表されるポリアクリレートから誘導される重合体であることを特徴とする。なお、アクリレートと記載した場合、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの両方を含むものとする。
式(I)中、R1は、水素原子またはC1〜C4アルキル基であり、好ましくは水素原子またはメチル基である。R2は、ハロゲン原子またはC1〜C12炭化水素基である。ここで炭化水素基とは炭素原子及び水素原子からなる官能基を意味し、例えば、メチル基、エチル基、−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t −ブチル基、s −ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、s −ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、s −ヘキシル基、1,1−ジメチルーn−ヘキシル基、n−へプチル基、n−デシル基、n−ドデシル基等のCl〜C20のアルキル基、ビニル基、アリル基、2−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基、4−オクテニル基等のC2〜C20のアルキニル基、エチニル基、プロパルギル基、1−メチループロピニル基等のC2〜C20のアルキニル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、1−メチルシクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−アダマンチル基、1 −メチルアダマンチル基、2−アダマンチル基、2−メチル−2−アダマンチル基、ノルボルニル基等のC3〜C20の脂環式炭化水素基、フェニル基、1−ナフチル基、9−アントラセニル基等のC6〜C20の芳香族炭化水素基などが含まれる。
式(I)中、R3は水素原子または保護基である。ここで、保護基とはフェノール性水酸基の保護基として使用されうることが当該技術分野において知られた基であれば特に限定されない。当該保護基には、例えば、メトキシメチル基、2−メトキシエトキシメチル基、ビス(2−クロロエトキシ)メチル基、テトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、トリフェニルメチル基、トリメチルシリル基、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル基、t−ブチルジメチルシリル基、トリメチルシリルメチル基、又は下式に示すような置換基を例示することができる。
Figure 2006070229
(式中、kは0又は1を表す。)。さらに、下式:
Figure 2006070229
(式中、R31はC1〜C20の無置換又はアルコキシ置換のアルキル基、C5〜C10のシクロアルキル基、又はC6〜C20の無置換又はアルコキシ置換のアリール基を表し、R32は、水素又はC1〜C3のアルキル基を表し、R33は水素、C1〜C6のアルキル基、又はC1〜C6のアルコキシ基を表す。)で表される基を例示することができ、このような置換基として具体的には、1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−メトキシプロピル基、1−メチル−1−メトキシエチル基、1−(イソプロポキシ)エチル基等を例示することができる。
式(I)で表されるアルケニルフェノール誘導体から誘導される繰り返し単位は、以下の式(Ia):
Figure 2006070229
[式中、R1、R2、R3、mおよびnは既に定義したとおりである]
で表される繰り返し単位を意味する。
式(II)中、R4およびR5は、水素原子またはC1〜C4アルキル基であり、好ましくは水素原子またはメチル基である。R6は4級炭素原子を含まない炭素数2以上の2価以上の炭化水素基であり、好ましくは4級炭素原子を含まない炭素数2〜20の2価以上の炭化水素基である。xは1以上の整数であり、好ましくは1〜6の整数である。xが1〜6の整数のとき、R6は2〜7価の炭化水素基になる。好ましいR6の例としては、アルキレン基、フェニレン基、フェニレン基を含むアルキレン基などが挙げられ、また基−(CHR11p−(ここで、pは2〜6の整数であり、R11は水素原子またはC1〜C4のアルキル基である)も含まれる。特に好ましいR6の例には、エチレン、プロピレン、ブチレン、フェニレン、シクロヘキシレンなどが含まれ、中でもエチレンが好ましい。なお、本明細書における「4級炭素原子」とは、当業者に一般的に理解されているとおり、4個の炭素原子に結合している炭素原子を意味する。
式(II)で表されるアクリレート誘導体としては、以下に示す化合物を具体的に例示することができる。
Figure 2006070229
式(III)中、R7は、水素原子またはC1〜C4アルキル基であり、好ましくは水素原子またはメチル基である。R8は、ハロゲン原子または有機基である。ここで有機基とは、少なくとも1つの炭素原子を有する官能基を総称をあらわし、例えばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基などが含まれる。好ましいR8としては、例えば、アルキル基などが挙げられる。yは、好ましくは0である。
式(III)で表されるスチレン誘導体から誘導される繰り返し単位は、以下の式(IIIa):
Figure 2006070229
[式中、R7、R8およびyは既に定義したとおりである]
で表される繰り返し単位を意味する。
式(IV)中、R9は、水素原子またはC1〜C4アルキル基であり、好ましくは水素原子またはメチル基であり、R10は有機基である。式(IV)で表されるアクリレート誘導体から誘導される繰り返し単位は、以下の式(IVa):
Figure 2006070229
[式中、R9およびR10は既に定義したとおりである]
で表される繰り返し単位を意味する。ここで有機基とは、少なくとも1つの炭素原子を有する官能基を総称をあらわし、脂環式炭化水素骨格を有する有機基、ラクトン環を有する有機基を好ましく例示することができる。
脂環式炭化水素骨格を有する有機基として、下記式(V):
−A−B (V)
で表される有機基を具体的に例示することができ、式中、Aは、単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CO−、アルキレン基またはこれらを組み合わせた2価の基を表し、Bは、下記式(V−1)〜(V−6)のいずれかを表す:
Figure 2006070229
[上記式(V−1)〜(V−6)中、R111は、水素原子またはC1〜C5アルキル基を表し、Zは、炭素原子とともに、脂環式炭化水素基を形成するのに必要な原子団であり、R112〜R116は、各々独立に、水素原子、C1〜C4アルキル基または脂環式炭化水素基であり、ただしR112〜R114のうち少なくとも1つ、およびR115またはR116のいずれかは脂環式炭化水素基であり、R117〜R121は、各々独立に、水素原子、C1〜C4アルキル基、または脂環式炭化水素基であり、ただしR117〜R121のうち少なくとも1つは脂環式炭化水素基であり、R119またはR121のいずれかはC1〜C4アルキル基または脂環式炭化水素基であり、R122〜R125は、各々独立に、水素原子、直鎖または分枝鎖を有していてもよいC1〜C4アルキル基、または脂環式炭化水素基であり、ただしR122〜R125のうち少なくとも1つは脂環式炭化水素基である]。
脂環式炭化水素基としては、下記式に示す骨格を具体的に例示することができる:
Figure 2006070229
特に、下記式(VI)で表される2−置換アダマンチル基を好ましく例示することができる。
Figure 2006070229
式(VI)中、R130は水素原子または置換基を有していてもよいアルキル基であり、R131〜R133はそれぞれ独立に、水酸基、ハロゲン原子、カルボキシル基、C1〜C6アルキル基、C3〜C8シクロアルキル基、C2〜C7アルケニル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、およびアシル基から選択され、p、q、rはそれぞれ独立に、0および1〜3の整数の整数から選択され、p、q、またはrが、2以上の場合、R131同士、R132同士、及びR133同士は、それぞれ同一または相異なっていてもよい。
また、Aとして、下記式に表される2価の基を具体的に例示することができる:
Figure 2006070229
[上記式中、RaおよびRbはそれぞれ独立に、水素原子、C1〜C6アルキル基、置換C1〜C6アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、C1〜C6アルコキシ基を表し、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基等のアルキル基を好ましく例示することができる。置換C1〜C6アルキル基の置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、C1〜C6アルコキシ基を挙げることができ、C1〜C6アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のC1〜C4アルコキシ基を例示することができる。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、ヨウ素原子等を例示することができる。r1は1〜10の整数から選択され、mは1〜3の整数から選択される。
10が脂環式炭化水素基である式(IV)のアクリレート誘導体として下記式に示す化合物を例示することができる。
Figure 2006070229
Figure 2006070229
Figure 2006070229
Figure 2006070229
ラクトン環を有する有機基を有するアクリレートとして、具体的には、ブチロラクトンアクリレート、ブチロラクトンメタクリレート、メバロニックラクトンメタクリレート、パントラクトンメタクリレート等を例示することができるが、下記式(VII)で表される有機基を好ましく例示することができる。
−A−C (VII)
式中、Aは、上記した2価の基と同様の意味を表し、Cは、下記式(VIII−1)〜(VIII−5)のいずれかを表す:
Figure 2006070229
[式(VIII−1)〜(VIII−5)中、Xは、酸素原子、硫黄原子または置換基を有していてもよいアルキレン基であり、R201は、置換基を有していてもよいC1〜C6アルキル基、C3〜C8シクロアルキル基、またはC2〜C7アルケニル基であり、m1は、0および1〜5の整数から選択され、m1が2以上の場合、R201同士はそれぞれ同一または相異なっていてもよく、また相互に結合して環を形成してもよい]。
ラクトン環を有するアクリレートとして、下記式に示す化合物を具体的に例示することができる。
Figure 2006070229
Figure 2006070229
Figure 2006070229
Figure 2006070229
Figure 2006070229
本発明のスターポリマーのアーム部には、上記したアクリレートから誘導される繰り返し単位以外にも、必要に応じて、下記に示すアクリレートから誘導される繰り返し単位を含めることができる:
アクリル酸エステル類:アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−t−オクチル、クロルエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2,2−ジメチル−3−エトキシプロピルアクリレート、5−エトキシペンチルアクリレート、1−メトキシエチルアクリレート、1−エトキシエチルアクリレート、1−メトキシプロピルアクリレート、1−メチル−1−メトキシエチルアクリレート、1−(イソプロポキシ)エチルアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレートなど;、
メタクリル酸エステル類:メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、アミルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、クロルベンジルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、4−メトキシブチルメタクリレート、5−メトキシペンチルメタクリレート、2,2−ジメチル−3−エトキシプロピルメタクリレート、1−メトキシエチルメタクリレート、1−エトキシエチルメタクリレート、1−メトキシプロピルメタクリレート、1−メチル−1−メトキシエチルメタクリレート、1−(イソプロポキシ)エチルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレートなど;
クロトン酸エステル類:クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、クロトン酸プロピル、クロトン酸アミル、クロトン酸シクロヘキシル、クロトン酸エチルヘキシル、クロトン酸オクチル、クロトン酸−t−オクチル、クロルエチルクロトネート、2−エトキシエチルクロトネート、2,2−ジメチル−3−エトキシプロピルクロトネート、5−エトキシペンチルクロトネート、1−メトキシエチルクロトネート、1−エトキシエチルクロトネート、1−メトキシプロピルクロトネート、1−メチル−1−メトキシエチルクロトネート、1−(イソプロポキシ)エチルクロトネート、ベンジルクロトネート、メトキシベンジルクロトネート、フルフリルクロトネート、テトラヒドロフルフリルクロトネートなど;および
イタコン酸エステル類:イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジプロピル、イタコン酸ジアミル、イタコン酸ジシクロヘキシル、イタコン酸ビス(エチルヘキシル)、イタコン酸ジオクチル、イタコン酸−ジ−t−オクチル、ビス(クロルエチル)イタコネート、ビス(2−エトキシエチル)イタコネート、ビス(2,2−ジメチル−3−エトキシプロピル)イタコネート、ビス(5−エトキシペンチル)イタコネート、ビス(1−メトキシエチル)イタコネート、ビス(1−エトキシエチル)イタコネート、ビス(1−メトキシプロピル)イタコネート、ビス(1−メチル−1−メトキシエチル)イタコネート、ビス(1−(イソプロポキシ)エチル)イタコネート、ジベンジルイタコネート、ビス(メトキシベンジル)イタコネート、ジフルフリルイタコネート、ジテトラヒドロフルフリルイタコネートなど。
特に、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレート、1,1−ジメチルプロピルアクリレート、1,1−ジメチルメタクリレート等のエステル酸素α位に3級炭素を有するアルキル基であるアクリレート、またはメタクリレートを好ましく例示することができる。
本発明には、式(I)〜(IV)で表される2種類以上の化合物から誘導される2種類以上の繰り返し単位が含まれていてもよい。例えば、式(I)で表されるアルケニルフェノール誘導体から誘導される繰り返し単位の場合は、式(I−1)および式(I−2)で表されるアルケニルフェノール誘導体から誘導される繰り返し単位の両方を含んでいてもよい。
Figure 2006070229
[式中、R1、R2、mおよびnは既に定義したとおりであり、R31は水素原子でありかつR32は保護基であるか、またはR31は保護基でありかつR32は別の保護基である]。
本発明スターポリマーのアーム部中、各繰り返し単位の比率は、反応に用いる単量体の比率で任意に選択することができる。例えば、式(I)で表されるアルケニルフェノール誘導体から誘導される繰り返し単位の含有量は、アーム部全繰り返し単位中1〜100モル%であり、好ましくは10〜100モル%、更に好ましくは30〜100モル%である。また、式(III)で表されるスチレン誘導体から誘導される繰り返し単位の含有量は、アーム部全繰り返し単位中0〜99モル%であり、好ましくは0〜90モル%、更に好ましくは0〜70モル%である。また、式(IV)で表されるアクリレート誘導体から誘導される繰り返し単位の含有量は、アーム部全繰り返し単位中0〜99モル%であり、好ましくは0〜90モル%、更に好ましくは0〜70モル%である。
アーム部の数平均分子量Mnは、ゲルパーミネーションクロマトグラフィー法により、ポリスチレン標準で、好ましくは1,000〜300,000、より好ましくは1,000〜100,000、更に好ましくは2,000〜20,000の範囲であり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は、1.01〜3.00の範囲が好ましく、1.01〜2.00、さらには1.01〜1.50の範囲が好ましい。
本発明のスターポリマーの製造方法としては:
(1)アニオン重合開始剤の存在下、式(I)で表されるアルケニルフェノール誘導体などのアニオン重合によりアーム部を合成し、次に、式(II)で表されるアクリレート誘導体を反応させ、コア部を形成する方法;
(2)アニオン重合開始剤の存在下、式(II)で表されるアクリレート誘導体のアニオン重合により多官能性のコア部を形成した後、式(I)で表されるアルケニルフェノール誘導体などのアニオン重合により当該コア部に連結するアーム部を形成する方法;および
(3)アニオン重合開始剤の存在下、式(I)で表されるアルケニルフェノール誘導体などのアニオン重合によりアーム部を合成し、次に、式(II)で表されるアクリレート誘導体を反応させ、コア部を形成し、さらに、アニオン重合可能なモノマーを反応させる方法、などを例示することができる。上記(1)、(3)の方法が、反応の制御が容易であり、構造を制御したスターポリマーを製造する上で好ましい。
上記アニオン重合法に用いられるアニオン重合開始剤としては、アルカリ金属又は有機アルカリ金属を例示することができ、アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム等を例示することができ、有機アルカリ金属としては、上記アルカリ金属のアルキル化物、アリル化物、アリール化物等を例示することができ、具体的には、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、エチルナトリウム、リチウムビフェニル、リチウムナフタレン、リチウムトリフェニル、ナトリウムナフタレン、α−メチルスチレンナトリウムジアニオン、1,1−ジフェニルヘキシルリチウム、1,1−ジフェニル−3−メチルペンチルリチウム等を挙げることができる。
上記(1)又は(3)の方法におけるアームポリマーを合成する重合反応としては、モノマー(混合)溶液中にアニオン重合開始剤を滴下する方法や、アニオン重合開始剤を含む溶液にモノマー(混合)液を滴下する方法のいずれの方法でも行うことができるが、分子量及び分子量分布を制御することができることから、アニオン重合開始剤を含む溶液にモノマー(混合)液を滴下する方法が好ましい。このアームポリマーの合成反応は、通常、窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下、有機溶媒中において、−100〜50℃、好ましくは−100〜40℃の範囲の温度下で行われる。
上記アームポリマーの合成反応に用いられる有機溶媒としては、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、シクロペンタン等の脂環族炭化水素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン等のエーテル類の他、アニソール、ヘキサメチルホスホルアミド等のアニオン重合において通常使用される有機溶媒を挙げることができ、これらは一種単独溶媒又は二種以上の混合溶媒として使用することができる。これらのうち、トルエン、n−ヘキサン、THFを好ましく例示することができる。
アーム部が共重合体である場合の重合形態としては、各成分がコポリマー鎖全体に統計的に分布しているランダム共重合体、部分ブロック共重合体、完全ブロック共重合体を挙げることができ、これらは、重合に用いるモノマーの添加方法を選択することによりそれぞれ合成することができる。
このようにして得られたアーム部をコア部に連結させることによりスターポリマーを生成せしめる反応は、アーム部の合成反応終了後、反応液中ヘさらに式(II)で表されるアクリレート誘導体を添加することにより行うことができる。この反応は通常、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で、有機溶媒中において−100℃〜50℃、好ましくは−70℃〜40℃の温度で重合反応を行うことにより構造が制御され、且つ分子量分布の狭い重合体を得ることができる。また、かかるスターポリマーの生成反応は、アーム部を形成させるのに用いた溶媒中で連続して行うこともできる他、溶媒を添加して組成を変更して、又は溶媒を別の溶媒に置換して行うこともできる。かかる溶媒としては、アーム部の合成反応に用いられる溶媒と同様の溶媒を用いることができる。
本発明のスターポリマーの製造方法において、式(II)で表されるアクリレート誘導体(P)と、アーム部のポリマー鎖の活性末端(D)のモル比[(P)/(D)]を0.1〜10とするのが好ましく、より好ましくは1〜10である。アームポリマー鎖とポリアクリレートとの反応は、活性末端を有するアームポリマー鎖にポリアクリレートを添加する方法、ポリアクリレートに活性末端を有するアームポリマー鎖を添加する方法のいずれの方法も採用することができる。
スターポリマーのアーム数は、ポリアクリレートの添加量と反応温度、反応時間により決定されるが、通常はリビングポリマー末端と式(II)で表されるアクリレート誘導体のビニル基との反応性差や立体障害等の影響を受けてアーム数の異なる複数の星型ブロックコポリマーが同時に生成する。また、生成するスターポリマーの重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.01〜3.00の範囲にあることが好ましく、1.01〜2.00、さらには1.01〜1.50の範囲が好ましい。生成するスターポリマーの数平均分子量は、1,000〜1,000,000であるのが好ましく、より好ましくは3,000〜1,000,000、更に好ましくは5,000〜500,000の範囲であり、コア部の重合体とアーム部のポリマー鎖の組成比(コア部/アーム部)が、1/1,000〜1/0.1であるのが好ましく、より好ましくは1/100〜1/0.5、更に好ましくは1/50〜1/1の範囲である。
予め調製されたアームポリマー鎖と式(II)で表されるアクリレート誘導体を反応させることにより形成される活性末端を有するコア部(多官能性コア)に対して、アニオン重合可能なモノマーを反応させ新たなアームポリマー鎖を形成させる上記(3)の製造方法では、異なる種類のアームポリマー鎖有するスターポリマーを製造することができる。中心核に存在する活性末端に対して、直接重合可能なモノマーを反応させることもできるが、ジフェニルエチレン、スチルベン等の化合物を反応させた後、また、塩化リチウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の鉱酸塩を添加した後、モノマーを反応させた方が、アクリルレート誘導体のように反応性の高いモノマーを反応させる場合、ゆっくりと重合反応を進行させることができ、生成するスターポリマーの全体の構造を制御する上で有利となる場合がある。また、上記反応は、活性末端を有する中心核を形成させるのに用いた溶媒中で連続して行うこともできる他、溶媒を添加して組成を変更して、又は溶媒を別の溶媒に置換して行うこともできる。かかる溶媒としては、アームポリマーの合成に用いた溶媒と同様の溶媒を例示することができる。また、上記(3)の方法におけるコア部に存在する活性末端に対して新たにアーム部として導入されたポリマー鎖、または上記(2)の方法におけるアームポリマー鎖として、2種のモノマーを混合して反応させることにより、ランダム共重合したポリマー鎖とすることも、また、2種のモノマーを順次添加することでブロックポリマー鎖とすることも可能である。また、反応終了後、二酸化炭素、エポキシ等を添加することにより、末端に官能基を導入することも可能である。
このようにして得られた共重合体からフェノール性水酸基の保護基を除去する反応は、前記重合反応で例示した溶媒の他、メタノール、エタノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブなどの多価アルコール誘導体類、または水などの一種単独または二種以上の混合溶媒の存在下、塩酸、硫酸、塩化水素ガス、臭化水素酸、p−トルエンスルホン酸、1,1,1−トリフルオロ酢酸、式XHSO4(式中、XはLi、Na、Kなどのアルカリ金属を表す)で示される重硫酸塩などの酸性試剤を触媒として、室温〜150℃の温度で行われる。この反応において、溶媒の種類と濃度、触媒の種類と添加量、および反応温度と反応時間を適当に組み合わせることにより、フェノール性水酸基の保護基を全部または一部除去することができる。
また、本発明のスターポリマーのアーム部に式(IV)で表されるアクリレート誘導体から誘導される繰り返し単位が含まれる場合、当該繰り返し単位のエステル基を加水分解することによりカルボキシル基に誘導することができる。加水分解は、当該技術分野において知られた方法で行うことができ、例えば、上述の保護基を除去するための条件と同様の条件による酸加水分解により行うことができる。好ましくは、当該エステル基の加水分解は、フェノール性水酸基の除去と同時に行われる。このようにして得られるアクリル酸系の繰り返し単位を分子内に有するスターポリマーは、高いアルカリ溶解性を有するためレジスト材料として特に好ましい。
以上の製造方法により得られる本発明のスターポリマーは、特に精製することなく利用することもできるが、必要であれば精製してもよい。当該精製は、当該技術分野において通常用いられる方法により行うことができるが、例えば、分別再沈法により行うことができる。分別再沈法においては、ポリマー溶解性の高い溶媒と低い溶媒の混合溶媒を用いて再沈を行うのが好ましく、例えば、混合溶媒中で本発明のスターポリマーを加熱溶解し冷却する方法や、ポリマー溶解性の高い溶媒に本発明のスターポリマーを溶解した後にポリマー溶解性の低い溶媒を添加して該ポリマーを析出させることにより、生成物の精製を行うことができる。
本発明により、レジスト材料等に有用であり、分子量分布が狭く、かつ構造の制御されたスターポリマーが提供される。
以下、本発明を実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明の範囲は、実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
窒素雰囲気下において、テトラヒドロフラン(以下、THFと略す)180gを−40℃に保持し、s−ブチルリチウムの11%シクロヘキサン溶液(以下、SBLと略す)7.7g(10ミリモル)を加え、撹拌下、4−(2‐エトキシエトキシ)スチレン(以下、PEESと略す)44.0g(0.23モル)を30分かけて滴下し、さらに反応を30分間継続し、ガスクロマトグラフィー(以下、GCと略す)により反応完結を確認した。この段階で反応系から少量を採取し、メタノールにより反応を停止させた後、ゲル浸透クロマトグラフィー(以下、GPCと略す)により分析したところ、得られたポリPEESはMn=5,100、Mw/Mn=1.06の単分散ポリマーであった。
次いで、反応系を−60℃に冷却し、塩化リチウム0.1モルを含むTHF120gを添加後、ジメタクリル酸エチレン(以下、EDMAと略す)5.9g(29ミリモル)を滴下し、さらに反応を1時間継続して、GCにより反応完結を確認した。反応液を大量のメタノール中に投入してポリマーを析出させ、濾過および洗浄後、60℃で5時間減圧乾燥して白色粉体状のポリマー49gを得た。用いたモノマー総量に対する重合収率は、99%であった。
このポリマーをGPCにより分析したところ、目的のスターポリマーは、Mn=42,000、Mw/Mn=1.11であった。また、未反応のアームポリマー部分はMn=5,100、Mw/Mn=1.15であった。
次に、得られたポリマー49gをTHFに溶解して30%溶液とし、濃塩酸2gを加えて室温で1時間反応を行った後、反応液を大量の水中に投入してポリマーを析出させ、濾過および洗浄後、60℃で5時間減圧乾燥して白色粉体状ポリマー33gを得た。
このポリマーのGPC分析を行ったところ、目的のスターポリマーは、Mn=36,000、Mw/Mn=1.37であった。また、アームポリマー部分はMn=3,600、Mw/Mn=1.15であった。
13C−NMR(溶媒:アセトン−d6)により、155ppm付近にp−ヒドロキシスチレン単位の芳香環のパラ位炭素のシグナル、176ppm付近にEDMA単位のカルボニル炭素のシグナルが観察せれ、それぞれの積分比からp−ヒドロキシスチレンとEDMAの組成比が9/1であることが確認された。
以上のことから、反応およびその後の脱離反応は目的通り行われ、p−ヒドロキシスチレン−EDMAスターポリマーが生成したことを確認した。
[実施例2]
窒素雰囲気下において、THF200gを−40℃に保持し、SBL7.7g(10ミリモル)を加え、撹拌下、PEES44.0g(0.23モル)を30分かけて滴下し、さらに反応を30分間継続し、GCにより反応完結を確認した。この段階で反応系から少量を採取し、メタノールにより反応を停止させた後、GPCにより分析したところ、得られたポリPEESはMn=4900、Mw/Mn=1.06の単分散ポリマーであった。
次いで、反応系を−60℃に冷却し、塩化リチウム0.1モルを含むTHF120gを添加後、t−ブチルメタクリレート(tBMA)6.1g(43ミリモル)を30分かけて滴下し、さらに反応を30分間継続し、GCにより反応完結を確認した。この段階で反応系から少量を採取し、メタノールにより反応を停止させた後、GPCにより分析したところ、得られたPEES/tBMA共重合体はMn=5,500、Mw/Mn=1.07の単分散ポリマーであった。
次いで、EDMA5.9g(0.03モル)を滴下し、さらに反応を1時間継続して、GCにより反応完結を確認した。反応液を大量のメタノール中に投入してポリマーを析出させ、濾過および洗浄後、60℃で5時間減圧乾燥して白色粉体状のポリマー55gを得た。用いたモノマー総量に対する重合収率は、99%であった。
このポリマーをGPCにより分析したところ、目的のスターポリマーは、Mn=38000、Mw/Mn=1.08であった。また、未反応のアームポリマー部分はMn=5500、Mw/Mn=1.14の混合物であった。
次に、得られたポリマー55gをTHFに溶解して30%溶液とし、濃塩酸2gを加えて室温で1時間反応を行った後、反応液を大量の水中に投入してポリマーを析出させ、濾過および洗浄後、60℃で5時間減圧乾燥して白色粉体状ポリマー33gを得た。
このポリマーのGPC分析を行ったところ、目的のスターポリマーは、Mn=32000、Mw/Mn=1.27であった。また、アームポリマー部分はMn=3300、Mw/Mn=1.36であった。
13C−NMRにより、155ppm付近にp−ヒドロキシスチレン単位の芳香環のパラ位炭素のシグナル、176ppm付近にEDMA単位のカルボニル炭素のシグナル、80ppm付近にtBMA単位のt−ブチル基の3級炭素のシグナルが観察せれ、それぞれの積分比からp−ヒドロキシスチレン、tBMA、EDMAの組成比が75/15/10であることが確認された。
以上のことから、反応およびその後の脱離反応は目的通り行われ、p−ヒドロキシスチレン−tBMA−EDMAスターポリマーが生成したことを確認した。
[実施例3]
窒素雰囲気下において、THF260gとn−ヘキサン30gの混合溶媒を−40℃に保持し、n−ブチルリチウム(以下、NBLと略す)8.5g(20ミリモル)を加え、撹拌下、p−t−ブトキシスチレン(以下、PTBSTと略す)43.7g(0.25モル)を30分かけて滴下し、さらに反応を30分間継続し、GCにより反応完結を確認した。この段階で反応系から少量を採取し、メタノールにより反応を停止させた後、GPCにより分析したところ、得られたポリPTBSTはMn=2600、Mw/Mn=1.09の単分散ポリマーであった。
次いで、反応系を−60℃に冷却し、塩化リチウム0.1モルを含むTHF150gを添加後、1−エチルシクロヘキシルメタクリレート(ECHMA)6.5g(33ミリモル)を30分かけて滴下し、さらに反応を30分間継続し、GCにより反応完結を確認した。この段階で反応系から少量を採取し、メタノールにより反応を停止させた後、GPCにより分析したところ、得られたPTBST/ECHMA共重合体はMn=2700、Mw/Mn=1.09の単分散ポリマーであった。
次いで、EDMA9.8g(50ミリモル)を滴下し、さらに反応を1時間継続して、GCにより反応完結を確認した。反応液を大量のメタノール中に投入してポリマーを析出させ、濾過、洗浄後、60℃で5時間減圧乾燥して白色粉体状のポリマー59gを得た。用いたモノマー総量に対する重合収率は、99%であった。
このポリマーをGPCにより分析したところ、目的のスターポリマーはMn=21000、Mw/Mn=1.15であった。また、未反応のアームポリマー部分はMn=2700、Mw/Mn=1.18であった。
次に、得られたポリマー59gをトルエン/エタノール(1/1)に溶解して30%溶液とし、濃硫酸3gを加えて70℃で3時間反応を行った後、反応液を大量の水中に投入してポリマーを析出させ、濾過、洗浄後、60℃で5時間減圧乾燥して白色粉体状ポリマー43gを得た。
このポリマーのGPC分析を行ったところ、目的のスターポリマーはMn=17,000、Mw/Mn=1.16であった。また、アームポリマー部分はMn=2,700、Mw/Mn=1.16であった。
13C−NMRにより、155ppm付近にp−ヒドロキシスチレン単位の芳香環のパラ位炭素のシグナル、176ppm付近にEDMA単位のカルボニル炭素のシグナルが観察せれ、85ppm付近のECHMA単位のシグナルが消失した。
以上のことから、反応およびその後の脱離反応は目的通り行われ、p−ヒドロキシスチレン−メタクリル酸−EDMAスターポリマーが生成したことを確認した。


Claims (12)

  1. 中心核としてのコア部、および中心核に連結するポリマー鎖としてのアーム部を含むスターポリマーであって、
    アーム部が、式(I):
    Figure 2006070229
    [式中、R1は水素原子またはC1〜C4アルキル基であり、R2はハロゲン原子またはC1〜C12炭化水素基であり、R3は水素原子または保護基であり、mは0〜4の整数であり、mが2以上のときR2は同一または相異なっていてもよく、nは1または2であり、nが2のときR3は同一または相異なっていてもよく、m+nは1〜5の整数である]
    で表されるアルケニルフェノール誘導体から誘導される繰り返し単位を含むポリマー鎖であり;
    コア部が、式(II):
    Figure 2006070229
    [式中、R4およびR5は、それぞれ独立に、水素原子およびC1〜C4アルキル基から選択され、R6は4級炭素原子を含まない炭素数2以上の2価以上の炭化水素基であり、xは1以上の整数であり、xが2以上のときはR4は同一または相異なっていてもよい]
    で表されるアクリレート誘導体から誘導される重合体である、前記スターポリマー。
  2. アーム部が、請求項1に記載した式(I)で表されるアルケニルフェノール誘導体から誘導される繰り返し単位;および
    式(III):
    Figure 2006070229
    [式中、R7は水素原子またはC1〜C4アルキル基を表し、R8はハロゲン原子または有機基を表し、yは0〜5の整数を表す]
    で表されるスチレン誘導体から誘導される繰り返し単位、または式(IV):
    Figure 2006070229
    [式中、R9は水素原子またはC1〜C4アルキル基であり、R10は水素原子または有機基である]
    で表されるアクリレート誘導体から誘導される繰り返し単位を有する共重合体のポリマー鎖である、請求項1に記載のスターポリマー。
  3. アーム部が、式(I)のアルケニルフェノール誘導体から誘導される繰り返し単位からなるポリマー鎖、または式(I)のアルケニルフェノール誘導体から誘導される繰り返し単位および式(IV)のアクリレート誘導体から誘導される繰り返し単位からなる共重合体のポリマー鎖である、請求項2に記載のスターポリマー。
  4. アーム部が、コア部に結合する式(IV)のアクリレート誘導体から誘導される繰り返し単位およびその末端に結合する式(I)のアルケニルフェノール誘導体から誘導される繰り返し単位からなるブロック共重合体のポリマー鎖である、請求項2または3に記載のスターポリマー。
  5. 式(II)のxが1であり、R6が−(CHR11p−基であり、pは2〜6の整数であり、R11はそれぞれ独立して水素原子またはC1〜C4のアルキル基である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のスターポリマー。
  6. 式(IV)のR10が、水素原子、脂環式骨格を有する有機基、ラクトン環を有する有機基、またはC1〜C12のアルキル基である請求項2〜5のいずれか1項に記載のスターポリマー。
  7. 数平均分子量が1,000〜1,000,000であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のスターポリマー。
  8. 分子量分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が1.01〜3.00であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のスターポリマー。
  9. コア部の重合体とアーム部のポリマー鎖の組成比(コア部/アーム部)が、1/1,000〜1/0.1である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のスターポリマー。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のスターポリマーを含有するレジスト組成物。
  11. a)請求項1に記載の式(I)で表されるアルケニルフェノール誘導体を重合することによりポリマー鎖を得る工程;および
    b)当該ポリマー鎖を、請求項1に記載の式(II)で表されるアクリレート誘導体と共重合させる工程;
    を含み、式(I)のR3が保護基の場合は、さらに当該保護基を除去する工程を含んでいてもよい、請求項1〜9のいずれか1項に記載のスターポリマーの製造方法。
  12. a)請求項1に記載の式(I)で表されるアルケニルフェノール誘導体を重合することによりポリマー鎖を得る工程;
    b)当該ポリマー鎖を、請求項2に記載の式(III)で表されるスチレン誘導体または式(IV)で表されるアクリレート誘導体と重合させ、共重合体を得る工程;および
    c)当該共重合体を、請求項1に記載の式(II)で表されるアクリレート誘導体と共重合させる工程;
    を含み、式(I)のR3が保護基の場合は、さらに当該保護基を除去する工程を含んでいてもよい、請求項2〜9のいずれか1項に記載のスターポリマーの製造方法。


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