JP4726362B2 - (メタ)アクリル酸系共重合体及びその製造方法 - Google Patents
(メタ)アクリル酸系共重合体及びその製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、(メタ)アクリル酸系共重合体及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、反応性が大きく異なる2種以上のモノマーを用いた分子量制御された狭分散ランダム(メタ)アクリル酸系共重合体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
分子量制御された狭分散(メタ)アクリル酸系重合体を製造する方法として、例えば、特公平7−42326号公報には、鉱酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩よりなる添加剤の存在下にアニオン重合開始剤を用いたアクリルモノマー及び所望によりアクリルモノマーと非アクリルコモノマーの重合方法が記載されている。
【0003】
さらに、特開平2001−209254号公報には、反応性が大きく異なる2種以上のモノマー、例えば、電子供与性の脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルと電子吸引性のラクトン環を有する(メタ)アクリル酸エステルのを主成分とした(メタ)アクリル酸系ランダム共重合体を、ラジカル重合方法を用いて製造したことが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特公平7−42326号公報には、2種以上の(メタ)アクリル酸エステルを用いた(メタ)アクリル酸系共重合体の例は未記載であり、添加する鉱酸のアルカリ金属塩等の量についても、詳細な説明中には、特に記載されておらず、実施例においては、アニオン重合開始剤に対して1.0当量以上用いた例しか記載されていない。
【0005】
また、特開平2001−209254号公報に記載されたランダム(メタ)アクリル酸系共重合体は、いずれも、分子量分布が広いものしかしか記載されていない。
一方、アニオン重合方法を用いれば、分子量制御された狭分散共重合体が得られることは一般的に知られているが、上記したように反応性が大きく異なる2種以上の(メタ)アクリル酸エステルを用いた場合には、その反応性の差異に起因して分子量制御された狭分散共重合体は得られないとされており、事実そのような報告例は今までになされていない。
本発明は、反応性が大きく異なる2種以上の(メタ)アクリル酸エステルを用いたランダム(メタ)アクリル酸系共重合体の製造においても、分子量制御され、しかも狭分散共重合体が得られる製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、適度な金属ハロゲン化合物共存下でアニオン重合を行うことにより、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、
(1)アニオン重合開始剤を重合開始剤とする(メタ)アクリル酸系共重合体の製造方法において、アニオン重合開始剤対してモル比で0.1当量以上、1.0当量未満の鉱酸のアルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩存在下、2種以上の(メタ)アクリル酸エステルを共重合させることを特徴とする(メタ)アクリル酸系共重合体の製造方法に関し、
(2)アニオン重合開始剤対してモル比で0.15〜0.7当量の鉱酸のアルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩を用いることを特徴とする(1)に記載の(メタ)アクリル酸系共重合体の製造方法、
(3)用いる(メタ)アクリル酸エステルの少なくとも2種が、アニオン重合開始剤のみでアニオン重合反応を行った場合に数平均分子量(Mw)と重量平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.01〜1.50の範囲内に入るランダム共重合体が得られない(メタ)アクリル酸エステルであることを特徴とする(1)または(2)に記載の(メタ)アクリル酸系共重合体の製造方法、
(4)(メタ)アクリル酸エステルβ位不飽和炭素の13CNMRδ値の差が1.5〜3.0ppmの範囲である2種以上の(メタ)アクリル酸エステルを用いることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の(メタ)アクリル酸系共重合体の製造方法、
(5)(メタ)アクリル酸エステルβ位不飽和炭素の13CNMRδ値の差が1.8〜2.5ppmの範囲である2種以上の(メタ)アクリル酸エステルを用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の(メタ)アクリル酸系共重合体の製造方法、
(6)反応温度が、−100〜0℃の範囲であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の(メタ)アクリル酸系共重合体の製造方法、
(7)(メタ)アクリル酸系共重合体が、ラクトン環を有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される繰り返し単位を含むことを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の(メタ)アクリル酸系共重合体の製造方法、
(8)ラクトン環を有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される繰り返し単位が、式(I)
【化11】
(式中、R1は、水素原子、または置換基を有していてもよいC1〜C5アルキル基を表し、Aは、単結合、エーテル基、エステル基、カルボニル基、アルキレン基、又はこれらを組み合わせた2価の基を表し、Bは式(I−1)〜(I−4)
【化12】
(式中、Xは、酸素原子、硫黄原子または置換基を有していてもよいアルキレン基を表し、R2は、置換基を有していてもよいアルキル基、シクロアルキル基、またアルケニル基を表し、mは、0又は1〜5のいずれかの整数を表し、mが2以上の場合、R2はそれぞれ同一または相異なっていてもよく、また相互に結合して環を形成してもよい。)で表される置換基を表す。)で表される繰り返し単位をであることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の(メタ)アクリル酸系共重合体の製造方法、
(9)(メタ)アクリル酸系共重合体が、さらに脂環式炭化水素骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される繰り返し単位を含むことを特徴とする(7)または(8)に記載の(メタ)アクリル酸系共重合体の製造方法、
(10)脂環式炭化水素骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される繰り返し単位が、式(II)
【化13】
(式中、R3は、水素原子、または置換基を有していてもよいC1〜C5アルキル基を表し、Aは、前記と同じ意味を表し、Cは、式(II−1)〜(II−6)
【化14】
(式中、R11は、C1〜C5アルキル基を表し、Zは、炭素原子とともに、脂環式炭化水素基を形成するのに必要な原子団を表し、R12〜R16は、各々独立に、炭化水素に、直鎖または分枝鎖を有していてもよいC1〜C4アルキル基、または脂環式炭化水素基を表し、但し、R12〜R14のうち少なくとも1つ、もしくはR15、R16のいずれかは脂環式炭化水素基を表し、R17〜R21は、各々独立に、水素原子、直鎖または分枝鎖を有していてもよいC1〜C4アルキル基を表し、但しR17〜R21のうち少なくとも1つは脂環式炭化水素基を表し、R19、R21のいずれかは直鎖または分枝鎖を有するC1〜C4アルキル基、または脂環式炭化水素基を表し、R22〜R25は、各々独立に、水素原子、直鎖または分枝鎖を有していてもよいC1〜C4アルキル基を表し、但しR22〜R25のうち少なくとも1つは脂環式炭化水素基を表す。)で表される置換基を表す。)で表される繰り返し単位であることを特徴とする(9)に記載の(メタ)アクリル酸系共重合体の製造方法、
(11)式(II)で表される繰り返し単位が、式(III)
【化15】
(式中、R1は、前記と同じ意味を表し、R30は置換基を有していてもよいアルキル基を表し、R31〜R32はそれぞれ独立に水酸基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、またはアシル基を表し、p、q、rはそれぞれ独立に、0または1〜3の整数を表し、p、q、またはrが、2以上の場合、それぞれ同一または相異なっていてもよい。)で表される繰り返し単位であることを特徴とする(10)に記載の(メタ)アクリル酸系共重合体の製造方法、
(12)(メタ)アクリル酸系共重合体の数平均分子量が1,000〜100,000であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の(メタ)アクリル酸系共重合体の製造方法、
(13)(メタ)アクリル酸系共重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.01〜1.50の範囲である(1)〜(12)のいずれかに記載の(メタ)アクリル酸系共重合体の製造方法、
(14)(メタ)アクリル酸系共重合体がランダム共重合体であることを特徴とする(1)〜(13)のいずれかに記載の(メタ)アクリル酸系共重合体の製造方法に関する。
【0008】
(15)式(I)
【化16】
(式中、R1は、水素原子、または置換基を有していてもよいC1〜C5アルキル基を表し、Aは、単結合、エーテル基、エステル基、カルボニル基、アルキレン基、又はこれらを組み合わせた2価の基を表し、Bは式(I−1)〜(I−4)
【化17】
(式中、Xは、酸素原子、硫黄原子または置換基を有していてもよいアルキレン基を表し、R2は、置換基を有していてもよいアルキル基、シクロアルキル基、またアルケニル基を表し、mは、0又は1〜5のいずれかの整数を表し、mが2以上の場合、R2はそれぞれ同一または相異なっていてもよく、また相互に結合して環を形成してもよい。)で表される置換基を表す。)で表される繰り返し単位を含み、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.01〜1.50の範囲であることを特徴とする(メタ)アクリル酸系共重合体に関し、
(16)さらに、脂環式炭化水素骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される繰り返し単位を含むことを特徴とする(15)に記載の(メタ)アクリル酸系共重合体、
(17)脂環式炭化水素骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される繰り返し単位が、式(II)
【化18】
(式中、R3は、水素原子、または置換基を有していてもよいC1〜C5アルキル基を表し、Aは、前記と同じ意味を表し、Cは、式(II−1)〜(II−6)
【化19】
(式中、R11は、C1〜C5アルキル基を表し、Zは、炭素原子とともに、脂環式炭化水素基を形成するのに必要な原子団を表し、R12〜R16は、各々独立に、炭化水素に、直鎖または分枝鎖を有していてもよいC1〜C4アルキル基、または脂環式炭化水素基を表し、但し、R12〜R14のうち少なくとも1つ、もしくはR15、R16のいずれかは脂環式炭化水素基を表し、R17〜R21は、各々独立に、水素原子、直鎖または分枝鎖を有していてもよいC1〜C4アルキル基を表し、但しR17〜R21のうち少なくとも1つは脂環式炭化水素基を表し、R19、R21のいずれかは直鎖または分枝鎖を有するC1〜C4アルキル基、または脂環式炭化水素基を表し、R22〜R25は、各々独立に、水素原子、直鎖または分枝鎖を有していてもよいC1〜C4アルキル基を表し、但しR22〜R25のうち少なくとも1つは脂環式炭化水素基を表す。)で表される置換基を表す。)で表される繰り返しである(16)に記載の(メタ)アクリル酸系共重合体、
(18)式(II)で表される繰り返し単位が、式(III)
【化20】
(式中、R1は、前記と同じ意味を表し、R30は置換基を有していてもよいアルキル基を表し、R31〜R32はそれぞれ独立に水酸基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、またはアシル基を表し、p、q、rはそれぞれ独立に、0または1〜3の整数を表し、p、q、またはrが、2以上の場合、それぞれ同一または相異なっていてもよい。)で表される繰り返し単位であることを特徴とする(17)に記載の(メタ)アクリル酸系共重合体、
(19)数平均分子量が1,000〜100,000の範囲であることを特徴とする(15)〜(18)のいずれかに記載の(メタ)アクリル酸系共重合体、
(20)(メタ)アクリル酸系共重合体がランダム共重合体であることを特徴とする(15)〜(19)のいずれかに記載の(メタ)アクリル酸系共重合体に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法は、アニオン重合可能な全ての(メタ)アクリル酸エステルから誘導される(メタ)アクリル酸系共重合体の製造に適用することが可能であるが、特に、従来アニオン重合方法では狭分散ランダム共重合体を得ることが困難とされていた(メタ)アクリル酸系共重合体の製造に好ましく適用することができる。そのような、共重合体として、例えば、用いる(メタ)アクリル酸エステルの少なくとも2種が、アニオン重合開始剤のみでアニオン重合反応を行った場合には、数平均分子量(Mw)と重量平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.01〜1.50である特定範囲の狭分散ランダム共重合体が得られない(メタ)アクリル酸エステルから誘導される(メタ)アクリル酸系共重合体等を例示することができる。なお、本明細書中、(メタ)アクリル酸系共重合体とは、メタアクリル酸エステルおよび/またはアクリル酸エステルから誘導される共重合体を示すものとする。
【0010】
上記したようにアニオン重合方法では、狭分散の共重合体が得られない理由の一つとして、用いる2種以上の(メタ)アクリル酸エステルの反応性が大きく異なることが挙げられる。その反応性の差異を表す値として色々あるが、具体的には(メタ)アクリル酸エステルβ位不飽和炭素の13CNMRδ値を例示することができる。以上のことから、本発明の製造方法を好適に用いることができる場合として、(メタ)アクリル酸エステルβ位不飽和炭素の13CNMRδ値の差が1.5〜3.0ppm、よりこの好ましくは1.8〜2.5ppmの範囲である2種以上の(メタ)アクリル酸エステルを用いた(メタ)アクリル酸系共重合体を製造する場合を例示することができる。
【0011】
また、さらにラクトン環を有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される繰り返し単位、またはラクトン環を有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される繰り返し単位および脂環式炭化水素骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される繰り返し単位を含む(メタ)アクリル酸系共重合体は、従来ラジカル重合法で分子量分布の広い共重合体しか得られていないことから、本発明の製造方法をそのような(メタ)アクリル酸系共重合体の製造に好ましく適用することができる。
【0012】
ラクトン環を有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される繰り返し単位として、具体的には、ブチロラクトンアクリレート、ブチロラクトンメタクリレート、メバロニックラクトンメタクリレート、パントラクトンメタクリレート等から誘導される繰り返し単位を例示することができるが、特に、式(I)で表される繰り返し単位を有する(メタ)アクリル酸系共重合体の製造に好適に使用することができる。
【0013】
式(I)で表される繰り返し単位中、R1は、水素原子、または置換基を有していてもよいC1〜C5アルキル基を表し、Aは、単結合、エーテル基、エステル基、カルボニル基、アルキレン基、又はこれらを組み合わせた2価の基を表し、Bは、式(I−1)〜(I−4)で表される何れかの置換基を表す。
R1として、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基等を例示することができる。
【0014】
式(I−1)〜(I−4)において、Xは、酸素原子、硫黄原子または置換基を有していてもよいアルキレン基を表し、R2は、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、シクロアルキル基、またアルケニル基を表し、mは、0〜5のいずれかの正数を表し、mが2以上の場合、R2はそれぞれ同一または相異なっていてもよく、また相互に結合して環を形成してもよい。R2におけるアルキル基としては、直鎖状または分岐状のC1〜C12のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等を例示することができる。
【0015】
シクロアルキル基として具体的には、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の炭素数3〜8個のものを例示することができ、アルケニル基としては、ビニル基、2−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ヘキセニル基等の炭素数2〜6個のもの等を例示することができる。また、mが2以上の場合、R2内の2つが結合して形成する環として具体的には、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロオクタン環等の3〜8員環を例示することができる。なお、R2の置換位置は特に限定されず、環状骨格を構成している炭素原子のうちのいずれに連結していてもよい。
また、Xとして具体的には、酸素原子、イオウ原子、メチレン基、エチレン基、1,1−ジメチルメチレン基、1,2−ジメチルエチレン基、1,1−ジメチルエチレン基等を例示することができる。
【0016】
また、R1およびR2は、適当な炭素上に置換基を有していてもよく、その置換基としては、C1〜C4アルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アシル基、アシロキシ基、シアノ基、水酸基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、ニトロ基等を具体的に例示することができる。
また、Aとして下記式にしめす構造を例示することができる。
【0017】
【化21】
【0018】
RaおよびRbはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基を表し、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基等の低級アルキル基が好ましく例示することができる。置換アルキル基の置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基を挙げることができ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のC1〜4Cのものを例示することができる。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子等を例示することができる。r1は1〜10のいずれかの整数を表し、mは1〜3のいすれかの整数を表す。式(I)で表される化合物として具体的な例を以下に示す。
【0019】
【化22】
【0020】
【化23】
【0021】
【化24】
【0022】
【化25】
【0023】
【化26】
【0024】
脂環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される繰り返し単位として、式(II)で表される繰り返し単位を好ましく例示することができる。式(II)で表される繰り返し単位中、R3は、水素原子、または置換基を有していてもよいC1〜C5アルキル基を表し、Aは前記と同じ意味を表し、Cは、式(II−1)〜(II−6)で表される置換基のいずれかを表す。
【0025】
また、式(II−1)〜(II−6)においては、R11は、C1〜C5アルキル基を表し、Zは、炭素原子とともに、脂環式炭化水素基を形成するのに必要な原子団を表し、R12〜R16は、各々独立に、炭化水素に、直鎖または分枝鎖を有していてもよいC1〜C4アルキル基、または脂環式炭化水素基を表し、但し、R12〜R14のうち少なくとも1つ、もしくはR15、R16のいずれかは脂環式炭化水素基を表し、R17〜R21は、各々独立に、水素原子、直鎖または分枝鎖を有していてもよいC1〜C4アルキル基を表し、但しR17〜R21のうち少なくとも1つは脂環式炭化水素基を表し、R19、R21のいずれかは直鎖または分枝鎖を有するC1〜C4アルキル基、または脂環式炭化水素基を表し、R22〜R25は、各々独立に、水素原子、直鎖または分枝鎖を有していてもよいC1〜C4アルキル基を表し、但しR22〜R25のうち少なくとも1つは脂環式炭化水素基を表す。
【0026】
R3として具体的には、R1と同様の具体例を例示することができ、R11としても、炭素数の違いを考慮してR1と同様の具体例を例示することができる。R12〜R25におけるアルキル基としては、置換もしくは非置換のいずれであってもよく、直鎖または分枝鎖を有していてもよいのC1〜C4アルキル基を表し、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等を例示することができる。R3、R11〜R25は、適当な炭素上に更なる置換基を有することができ、その置換基として、C1〜C4アルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アシル基、アシロキシ基、シアノ基、水酸基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、ニトロ基等を挙げることができる。
【0027】
R11〜R25における脂環式炭化水素基あるいはZと炭素原子が形成する脂環式炭化水素基としては、単環式でも、多環式でもよく、具体的には、C5以上のモノシクロ、ビシクロ、トリシクロ、テトラシクロ構造等を有する基を挙げることができ、C6〜C30の脂環式炭化水素基が好ましく、特にC7〜C25の脂環式炭化水素基が好ましい。これらの脂環式炭化水素基は適当な炭素上に置換基を有していてもよい。脂環式炭化水素基のうち、脂環式部分の構造例を以下に示す。
【0028】
【化27】
【0029】
上記例示された脂環式骨格のうち、特にアダマンチル基、ノルアダマンチル基、デカリン残基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、ノルボルニル基、セドロール基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデカニル基、シクロドデカニル基等を好ましく例示することができ、アダマンチル基、デカリン残基、ノルボルニル基、セドロール基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデカニル基、シクロドデカニル基をより好ましく例示することができる。
【0030】
これらの脂環式炭化水素基の置換基として、具体的にはアルキル基、置換アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アシル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基等を例示することができる。より具体的に、アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の低級アルキル基が好ましく、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基である。置換アルキル基の置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基を挙げることができる。アルコキシ基(アルコキシカルボニル基のアルコキシ基も含む)としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のC1〜C4のものを挙げることができる。シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。アルケニル基としては、C2〜C6のアルケニル基が挙げられ、具体的にはビニル基、1−プロペニル基、アリル基、2−ブテニル基、2−ペンテニル基、3−ヘキセニル基等が挙げられる。アシル基としては、アセチル基、エチルカルボニル基、n−プロピルカルボニル基等が挙げられる。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、沃素原子、フッ素原子等が挙げられる。
【0031】
式(II−1)〜(II−6)で示される構造のなかでも、好ましくは式(II−1)であり、より好ましくは式(III)で示される繰り返し単位である。式(III)中のR30のアルキル基、R31〜R33におけるハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基は、前記脂環式炭化水素基の置換基で例示した具体例と同様の具体例を例示することができる。式(II)(式(III)を含む)で表される繰り返し単位の具体例として以下に示す。
【0032】
【化28】
【0033】
【化29】
【0034】
【化30】
【0035】
【化31】
【0036】
本発明の方法で製造される(メタ)アクリル酸系共重合体は、式(I)、式(II)で表される繰り返し単位以外にも、更に他の繰り返し単位を含んでいてもよく、他の繰り返し単位として、下記式(IV)で示される繰り返し単位を具体的に例示することができる。
【0037】
【化32】
【0038】
(式中、R34は、水素原子、または、置換基を有していてもよい直鎖または分枝鎖を有するC1〜C5アルキル基を表し、R35〜R37は、それぞれ独立に水素原子又は置換基を有していてもよいC1〜C5アルコキシ基を表し、R35〜R37のうち少なくとも1つは置換基を有していてもよいC1〜C5アルコキシ基を表す。)
式(IV)におけるR34の具体例としては、R1で例示した具体例と同様の具体例を例示することができる。R35〜R37として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基、メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、メトキシメトキシ基、2−メトキシエトキシメトキシ基、ビス(2−クロロエトキシ)メトキシ基、テトラヒドロピラニルオキシ基、4−メトキシテトラヒドロピラニルオキシ基、テトラヒドロフラニルオキシ基、トリフェニルメトキシ基、トリメチルシリルオキシ基、2−(トリメチルシリル)エトキシメトキシ基、t−ブチルジメチルシリルオキシ基、トリメチルシリルメトキシ基、t−ブトキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルメトキシ基、1−t−ブトキシカルボニルエトキシ基、1−メチル−1−t−ブトキシカルボニルエトキシ基等を例示することができ、特に、アニオン重合を阻害せずに酸により分解または脱離し水酸基を生成することができるアルコキシ基が好ましい。
さらに、下式
【0039】
【化33】
【0040】
(式中、R38はC1〜C20の無置換若しくはアルコキシ置換のアルキル基、C5〜C10のシクロアルキル基、又はC6〜C20の無置換若しくはアルコキシ置換のアリール基を表し、R39は、水素又はC1〜C3のアルキル基を表し、R40は水素、C1〜C6のアルキル基、又はC1〜C6のアルコキシ基を表す。)で表される基を例示することができ、このような置換基として具体的には、1−メトキシエトキシ基、1−エトキシエトキシ基、1−メトキシプロポキシ基、1−メチル−1−メトキシエトキシ基、1−(イソプロポキシ)エトキシ基等を例示することができる。R35〜R37のうち少なくとも1つは、アルコキシ基であり、好ましくはジアルコキシ体、モノアルコキシ体であり、より好ましくはモノアルコキシ体である。
【0041】
本発明の方法で製造される(メタ)アクリル酸系共重合体には、さらに以下のような単量体に相当する繰り返し単位を含めることができ、具体的には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸アミル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−t−オクチル、クロルエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2,2−ジメチル−3−エトキシプロピルアクリレート、5−エトキシペンチルアクリレート、1−メトキシエチルアクリレート、1−エトキシエチルアクリレート、1−メトキシプロピルアクリレート、1−メチル−1−メトキシエチルアクリレート、1−(イソプロポキシ)エチルアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等のアクリル酸エステル類、
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、クロルベンジルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、4−メトキシブチルメタクリレート、5−メトキシペンチルメタクリレート、2,2−ジメチル−3−エトキシプロピルメタクリレート、1−メトキシエチルメタクリレート、1−エトキシエチルメタクリレート、1−メトキシプロピルメタクリレート、1−メチル−1−メトキシエチルメタクリレート、1−(イソプロポキシ)エチルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類、
【0042】
クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、クロトン酸プロピル、クロトン酸アミル、クロトン酸シクロヘキシル、クロトン酸エチルヘキシル、クロトン酸オクチル、クロトン酸−t−オクチル、クロルエチルクロトネート、2−エトキシエチルクロトネート、2,2−ジメチル−3−エトキシプロピルクロトネート、5−エトキシペンチルクロトネート、1−メトキシエチルクロトネート、1−エトキシエチルクロトネート、1−メトキシプロピルクロトネート、1−メチル−1−メトキシエチルクロトネート、1−(イソプロポキシ)エチルクロトネート、ベンジルクロトネート、メトキシベンジルクロトネート、フルフリルクロトネート、テトラヒドロフルフリルクロトネート等のクロトン酸エステル類、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジプロピル、イタコン酸ジアミル、イタコン酸ジシクロヘキシル、イタコン酸ビス(エチルヘキシル)、イタコン酸ジオクチル、イタコン酸−ジ−t−オクチル、ビス(クロルエチル)イタコネート、ビス(2−エトキシエチル)イタコネート、ビス(2,2−ジメチル−3−エトキシプロピル)イタコネート、ビス(5−エトキシペンチル)イタコネート、ビス(1−メトキシエチル)イタコネート、ビス(1−エトキシエチル)イタコネート、ビス(1−メトキシプロピル)イタコネート、ビス(1−メチル−1−メトキシエチル)イタコネート、ビス(1−(イソプロポキシ)エチル)イタコネート、ジベンジルイタコネート、ビス(メトキシベンジル)イタコネート、ジフルフリルイタコネート、ジテトラヒドロフルフリルイタコネート等のイタコン酸エステル類等を例示することができる。
【0043】
本発明で製造される(メタ)アクリル酸系共重合体中、各繰り返し単位の比率は、反応に用いる単量体の比率で任意に選択することができ、例えば、式(I)で表される繰り返し単位の含有量は、全繰り返し単位中30〜70モル%であり、好ましくは35〜65モル%、更に好ましくは40〜60モル%であるアクリル酸共重合体の製造に本発明の方法を用いるのが好ましい。また、式(II)で表される繰り返し単位の含有量は、全繰り返し単位中、通常20〜75モル%であり、好ましくは25〜70モル%、更に好ましくは30〜65モル%である。式(IV)で表される繰り返し単位の含有量は、通常全単量体繰り返し単位中0モル%〜70モル%であり、好ましくは2〜40モル%、更に好ましくは5〜30モル%である。
【0044】
また、式(I)で表される繰り返し単位及び式(II)で表される繰り返し単位を合計したモル数は、総モル数に対して99モル%以下が好ましく、より好ましくは98モル%以下、さらに好ましくは95モル%以下である。本発明で製造されるアクリル酸共重合体の数平均分子量Mnは、ゲルパーミネーションクロマトグラフィー法により、ポリスチレン標準で、好ましくは1,000〜100,000、より好ましくは1,500〜500,000、更に好ましくは2,000〜200,000、特に好ましくは2,500〜100,000の範囲である。また、本発明の製造方法によって製造される(メタ)アクリル酸系共重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は、1.01〜3.00の範囲であり、1.01〜2.00、さらには1.01〜1.50の範囲である(メタ)アクリル酸系共重合体の製造に好適に用いることができる。また、本方法は、従来アニオン重合法では得ることが困難とされていた、狭分散ランダム共重合体の製造に好適に用いることができる。本発明の方法で製造される(メタ)アクリル酸系共重合体の具体例を以下に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
本発明の(メタ)アクリル酸系共重合体の製造方法は、アニオン重合開始剤を重合開始剤とし、アニオン重合開始剤対して0.1当量以上、1.0当量未満の鉱酸のアルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩存在下、2種以上の(メタ)アクリル酸エステルを共重合させることを特徴とする。
【0048】
本発明の製造に用いられる重合溶媒は、重合反応に関与せず、かつ重合体と相溶性のある溶媒であれば、特に制限されず、具体的には、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、シクロペンタン等の脂環族炭化水素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン等のエーテル類の他、アニソール、ヘキサメチルホスホルアミド等のアニオン重合において通常使用される有機溶媒を挙げることができる。また、これらの溶媒は、1種単独で、または2種以上の混合溶媒として用いることができる。
【0049】
本発明において用いられるアニオン重合開始剤として、アルカリ金属又は有機アルカリ金属を例示することができ、アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、ナトリウム−カリウム合金等を例示することができ、有機アルカリ金属としては、上記アルカリ金属のアルキル化物、アリル化物、アリール化物等を使用することができ、具体的には、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、エチルナトリウム、リチウムビフェニル、リチウムナフタレン、リチウムトリフェニル、ナトリウムナフタレン、カリウムナフタレン、α−メチルスチレンナトリウムジアニオン、1,1−ジフェニルヘキシルリチウム、1,1−ジフェニル−3−メチルペンチルリチウム、1,1−ジフェニルメチルカリウム、1,4−ジリチオ−2−ブテン、1,6−ジリチオヘキサン、ポリスチリルリチウム、クミルカリウム、クミルセシウム等を挙げることができ、これらの化合物は、1種単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
【0050】
本発明に用いられるアルカリ金属またはアルカリ土類金属の鉱酸塩中、鉱酸としては、硫酸、硝酸、ホウ酸、塩酸、臭化水素酸、沃化水素酸、弗化水素酸、過塩素酸、炭酸等を例示することができ、特に、塩酸、臭化水素酸、沃化水素酸、弗化水素酸、過塩素酸が好ましく、さらに、塩酸が好ましい。
アルカリ金属およびアルカリ土類金属として具体的には、ナトリウム、カリウム、リチウム、バリウム、マグネシウム等を例示することができる。
アルカリ金属またはアルカリ土類金属の鉱酸塩として、特にアルカリ金属またはアルカリ土類金属のハロゲン化物が好ましく、具体的には、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、フッ化リチウム、臭化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム、臭化カリウム等を例示することができ、特に塩化リチウムを使用することが好ましい。また、バリウムの塩化物、臭化物、ヨウ化物、ホウ酸リチウム、硝酸マグネシウム等を使用することも可能である。
【0051】
用いる量は、アニオン重合開始剤に対して、モル比で、0.1当量以上、1当量未満の範囲が好ましく、さらに、0.15〜0.7当量、さらには0.20〜0.55当量の範囲が特に好ましい。0.1当量未満では、重合反応を制御できず分子量分布の狭い重合体を得ることができない。また、1当量以上では、開始剤効率が著しく低下し、分子量制御が困難になる。アルカリ金属またはアルカリ土類金属の鉱酸塩は、単量体と混合して、アニオン重合開始剤に添加することもできるが、単量体添加前に、アニオン重合開始剤とあらかじめ混合して用いるのが好ましい。
【0052】
反応は、通常、アニオン重合開始剤に、式(I)または(II)等で表される繰り返し単位に対応する(メタ)アクリル酸エステル類の溶液を添加し、アニオン重合を行う。これらの反応は、アルゴンまたは窒素等の不活性ガス下、もしくは高真空下、−100〜0℃、好ましくは、−78〜−30℃の範囲で行われる。
【0053】
以下、本発明を実施例により、更に詳細に説明するが、本発明の範囲は、下記実施例により何ら制限を受けるものではない。尚、化合物名の後にカッコ書で示したppm値は、β位不飽和炭素の13CNMRの値を示す。
【0054】
【実施例】
実施例1
窒素雰囲気下において、塩化リチウム11ミリモルを含むテトラヒドロフラン(THF)180gを−40℃に保持し、撹拌下、sec−ブチルリチウム(SBL)22ミリモルを加えて、2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート(2MAdMA)(124.2ppm)65.5ミリモルとメタクリル酸−5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン−2−イル(NLMA)(126.2ppm)65.5ミリモルを含むTHF溶液120gを滴下し、更に1時間反応を継続した。反応系から反応溶液を少量取り出し、ガスクロマトグラフィー(以下GCと略す。)にて、単量体が完全に消費したことを確認した後、塩酸を含むメタノール溶液により反応を停止させた。次いで反応液を多量の水に投入してポリマーを析出させ、ろ過、洗浄後、乾燥して白色粉末状ポリマーを得た。得られた白色粉末状ポリマーをTHFに再溶解後、多量のメタノール中に投入してポリマーを析出させ、ろ過、洗浄後、10時間減圧乾燥して白色粉末状のポリマーを得た。
このポリマーのGPC分析を行ったところ、Mn=5000、Mw/Mn=1.29の単峰性ポリマーであり、13C-NMR測定からこのポリマー組成比は、2MAdMA:NLMA=53:47(モル比)であった。
【0055】
比較例1
塩化リチウムを用いずに、他は実施例1と同様の手法で白色粉末状ポリマーを得た。
このポリマーのGPC分析を行ったところ、Mn=6000、Mw/Mn=1.82の分子量分布の広いものであった。
【0056】
比較例2
塩化リチウムを110ミリモル用いた以外、他は実施例1と同様の手法で重合を行ったが、GC分析より2MAdMAモノマーが多量に反応溶液に残存し、更に、1時間−40℃を保持しながら反応を継続しても、GC分析より2MAdMA単量体がそれ以上消費されなかった。このポリマーのGPC分析を行ったところ、多峰性で分子量分布の広いものであった。
【0057】
実施例2
窒素雰囲気下において、塩化リチウム11ミリモルを含むTHF186gを−40℃に保持し、撹拌下SBL22ミリモルを加えて、2−エチル−2−アダマンチルメタクリレート(2EAdMA)(124.2ppm)65.5ミリモルとNLMA(126.2ppm)65.5ミリモルを含むTHF溶液120gを滴下した。塩酸を含むメタノール溶液により反応を停止させた後、反応液を多量の水に投入してポリマーを析出させ、ろ過、洗浄後、乾燥して白色粉末状ポリマーを得た。得られた白色粉末状ポリマーをTHFに再溶解後、多量のメタノール中に投入してポリマーを析出させ、ろ過、洗浄後、10時間減圧乾燥して白色粉末状のポリマーを得た。
このポリマーのGPC分析を行ったところ、Mn=5290、Mw/Mn=1.21の単峰性ポリマーであり、13C-NMR測定からこのポリマー組成比は、2EAdMA:NLMA=47:53(モル比)であった。
【0058】
実施例3
窒素雰囲気下において、塩化リチウム12ミリモルを含むTHF 186gを−40℃に保持し、撹拌下SBL 23ミリモルを加えて、2MAdMA(124.2ppm) 59.7ミリモルとNLMA(126.2ppm) 59.6ミリモルとt−ブチルメタクリレート(tBMA)(124.2ppm)14.8ミリモルを含むTHF溶液120gを滴下し、更に1時間反応を継続した。反応系から反応液を少量取り出し、GC分析にて、単量体が完全に消費したことを確認した後、塩酸を含むメタノール溶液により反応を停止させた。次いで反応液を多量の水に投入してポリマーを析出させ、ろ過、洗浄後、乾燥して白色粉末状ポリマーを得た。得られた白色粉末状ポリマーをTHFに再溶解後、多量のメタノール中に投入してポリマーを析出させ、ろ過、洗浄後、10時間減圧乾燥して白色粉末状のポリマーを得た。
このポリマーのGPC分析を行ったところ、Mn=4300,Mw/Mn=1.30の単峰性ポリマーであり、13C-NMR測定からこのポリマー組成比は、2MAdMA:NLMA:tBMA=49:41:11(モル比)であった。
【0059】
実施例4
窒素雰囲気下において、塩化リチウム11ミリモルを含むTHF 186gを−40℃に保持し、撹拌下SBL22ミリモルを加えて、2MAdMA(124.2ppm) 61.0ミリモルとNLMA (126.2ppm)61.0ミリモルと2-エトキシエチルメタクリレート(EEMA) (125.6ppm)13.3ミリモルを含むTHF溶液113gを滴下し、更に1時間反応を継続した。反応系から反応溶液を少量取り出し、GC分析にて、単量体が完全に消費したことを確認した後、塩酸を含むメタノール溶液により反応を停止させた。次いで反応液を多量の水に投入してポリマーを析出させ、ろ過、洗浄後、乾燥して白色粉末状ポリマーを得た。得られた白色粉末状ポリマーをTHFに再溶解後、多量のメタノール中に投入してポリマーを析出させ、ろ過、洗浄後、10時間減圧乾燥して白色粉末状のポリマーを得た。
このポリマーのGPC分析を行ったところ、Mn=5180,Mw/Mn=1.25の単峰性ポリマーであり、13C-NMR測定からこのポリマー組成比は、2MAdMA:NLMA:EEMA=50:41:9(モル比)であった。
【0060】
実施例5
窒素雰囲気下において、塩化リチウム11ミリモルを含むTHF 193gを−40℃に保持し、撹拌下SBL22ミリモルを加えて、2MAdMA(124.2ppm) 57.3ミリモルとNLMA(126.2ppm) 57.3ミリモルと2-メトキシブチル-2-アダマンチルメタクリレート(MBAMA)(124.3ppm)12.6ミリモルを含むTHF溶液108gを滴下し、更に1時間反応を継続した。反応系から反応溶液を少量取り出し、GC分析にて、単量体が完全に消費したことを確認した後、塩酸を含むメタノール溶液により反応を停止させた。次いで反応液を多量の水に投入してポリマーを析出させ、ろ過、洗浄後、乾燥して白色粉末状ポリマーを得た。得られた白色粉末状ポリマーをTHFに再溶解後、多量のメタノール中に投入してポリマーを析出させ、ろ過、洗浄後、10時間減圧乾燥して白色粉末状のポリマーを得た。
このポリマーのGPC分析を行ったところ、Mn=4600,Mw/Mn=1.28の単峰性ポリマーであり、13C-NMR測定からこのポリマー組成比は、2MAdMA:NLMA:MBAMA=49:42:10(モル比)であった。
【0061】
実施例6
窒素雰囲気下において、塩化リチウム11ミリモルを含むTHF 205gを−40℃に保持し、撹拌下SBL22ミリモルを加えて、2MAdMA(124.2ppm) 66.0ミリモルとNLMA (126.2ppm)66.0ミリモルと2-ブトキシエチルメタクリレート(BEMA) (125.6ppm)14.4ミリモルを含むTHF溶液123gを滴下し、更に1時間反応を継続した。反応系から反応溶液を少量取り出し、GC分析にて、単量体が完全に消費したことを確認した後、塩酸を含むメタノール溶液により反応を停止させた。次いで反応液を多量の水に投入してポリマーを析出させ、ろ過、洗浄後、乾燥して白色粉末状ポリマーを得た。得られた白色粉末状ポリマーをTHFに再溶解後、多量のメタノール中に投入してポリマーを析出させ、ろ過、洗浄後、10時間減圧乾燥して白色粉末状のポリマーを得た。
このポリマーのGPC分析を行ったところ、Mn=6300,Mw/Mn=1.24の単峰性ポリマーであり、13C-NMR測定からこのポリマー組成比は、2MAdMA:NLMA:BEMA=49:41:9(モル比)であった。
【0062】
実施例7
窒素雰囲気下において、塩化リチウム11ミリモルを含むTHF 187gを−40℃に保持し、撹拌下SBL22ミリモルを加えて、2MAdMA(124.2ppm) 60.8ミリモルとNLMA(126.2ppm) 60.8ミリモルとテトラヒドロフルフリルメタクリレート(THMA)(125.7ppm)13.6ミリモルを含むTHF溶液113gを滴下し、更に1時間反応を継続した。反応系から反応溶液を少量取り出し、GC分析にて、単量体が完全に消費したことを確認した後、塩酸を含むメタノール溶液により反応を停止させた。次いで反応液を多量の水に投入してポリマーを析出させ、ろ過、洗浄後、乾燥して白色粉末状ポリマーを得た。得られた白色粉末状ポリマーをTHFに再溶解後、多量のメタノール中に投入してポリマーを析出させ、ろ過、洗浄後、10時間減圧乾燥して白色粉末状のポリマーを得た。このポリマーのGPC分析を行ったところ、Mn=5400,Mw/Mn=1.31の単峰性ポリマーであり、13C-NMR測定からこのポリマー組成比は、2MAdMA:NLMA:THMA=48:43:10(モル比)であった。
【0063】
実施例8
窒素雰囲気下において、塩化リチウム11ミリモルを含むTHF 186gを−40℃に保持し、撹拌下SBL 23ミリモルを加えて、2MAdMA(124.2ppm)58.4ミリモルとNLMA(126.2ppm)58.4ミリモルとジエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(EGMMA)(125.7ppm)13.6ミリモルを含むTHF溶液120gを滴下し、更に1時間反応を継続した。反応系から反応溶液を少量取り出し、GC分析にて、単量体が完全に消費したことを確認した後、塩酸を含むメタノール溶液により反応を停止させた。次いで反応液を多量の水に投入してポリマーを析出させ、ろ過、洗浄後、乾燥して白色粉末状ポリマーを得た。得られた白色粉末状ポリマーをTHFに再溶解後、多量のメタノール中に投入してポリマーを析出させ、ろ過、洗浄後、10時間減圧乾燥して白色粉末状のポリマーを得た。
このポリマーのGPC分析を行ったところ、Mn=5570,Mw/Mn=1.29の単峰性ポリマーであり、13C-NMR測定からこのポリマー組成比は、2MAdMA:NLMA:EGMMA=49:43:9(モル比)であった。
【0064】
参考例1
窒素雰囲気下において、THF119gを−40℃に保持し、撹拌下SBL6.1ミリモルを加え、2MAdMA90ミリモルを滴下して1時間反応を継続した。反応系から反応溶液を少量取り出して、GCにて2MAdMA単量体が完全に消費されていることを確認した後に、反応系を−60℃に再冷却保持して、NLMA90ミリモルを含むTHF溶液136gを滴下し、更に1時間反応を継続した。再び、反応系から反応溶液を少量取り出し、GCにて、NLMA単量体が完全に消費したことを確認した後、塩酸を含むメタノール溶液により反応を停止させた。次いで反応液を多量の水に投入してポリマーを析出させ、ろ過、洗浄後、10時間減圧乾燥して白色粉末状ブロックコポリマーを得た。
このブロックコポリマーのGPC分析を行ったところ、Mn=5000,Mw/Mn=1.20の単峰性ポリマーであり、13C-NMR測定からこのポリマー組成比は、2MAdMA:NLMA=50:50(モル比)であった。
【0065】
(溶解性試験)
実施例及び参考例で得られた各ポリマー2部を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとγ−ブチロラクトンの重量比で9:1の混合溶媒8部に添加し、その溶解性を評価した。実施例1〜8で得られたポリマーは無色透明の溶液として溶解したが、比較例1の分散度の広いポリマーでは白濁溶液となった。また、参考例1のブロックコポリマーでは不溶であった。これらの溶解挙動から実施例1〜8で得られた分子量分布の狭いポリマーが、溶媒不溶の参考例1のブロックコポリマーと異なる1次配列を有したランダム共重合体であるといえる。さらに、白濁溶液となった比較例1の分子量分布の広いポリマーより、狭分散性である実施例1〜8のポリマーはよりランダム性が顕著となった共重合体であるといえる。
【0066】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の方法を用いることにより、従来得ることが困難であった分子量分布の狭い(メタ)アクリル酸系共重合体を得ることができる。特に、式(I)、及び式(II)で表される繰り返し単位を含む(メタ)アクリル酸系共重合体は、ArFエキシマレーザー用フォトレジストのベース樹脂として有用な化合物であり、狭分散で分子量制御された共重合体を用いることで、従来品では満足行かなかった性能を発揮することが期待できることから、本発明の産業上の利用価値は高いといえる。
Claims (8)
- アニオン重合開始剤を重合開始剤とする、
式(I)
式(II)
アニオン重合開始剤に対してモル比で0.1当量以上、1.0当量未満の鉱酸のアルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩存在下、2種以上の(メタ)アクリル酸エステルを共重合させることを特徴とする(メタ)アクリル酸系共重合体の製造方法。 - アニオン重合開始剤に対してモル比で0.15〜0.7当量の鉱酸のアルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩を用いることを特徴とする請求項1に記載の(メタ)アクリル酸系共重合体の製造方法。
- 反応温度が、−100〜0℃の範囲であることを特徴とする請求項1又は2に記載の(メタ)アクリル酸系共重合体の製造方法。
- 式(II)で表される繰り返し単位が、式(III)
- (メタ)アクリル酸系共重合体がランダム共重合体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の(メタ)アクリル酸系共重合体の製造方法。
- 式(I)
式(II)
- 式(II)で表される繰り返し単位が、式(III)
- (メタ)アクリル酸系共重合体がランダム共重合体であることを特徴とする請求項6又は7に記載の(メタ)アクリル酸系共重合体。
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