JP4919603B2 - ケテン、アルデヒド共重合体を含有する熱分解性樹脂 - Google Patents

ケテン、アルデヒド共重合体を含有する熱分解性樹脂 Download PDF

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Description

本発明は、新規な熱分解性樹脂に関する。さらに詳しくは、安定性を有するものの、熱により主鎖が切断し、低分子量まで分解して容易に除去可能な熱分解性樹脂に関する。
従来、高分子は、熱、光、放射線、化学試薬、微生物などの作用により分解し、モノマーあるいは低分子化合物を生成することが知られており、使用済みの高分子の廃棄、焼却といった、資源、公害問題に関連し、多くの方法が提案されている。また、熱分解性樹脂には、これを混ぜ込んで熱分解させ、樹脂を取り除き、目的のものを製造する(多孔質膜、セラミック焼成、プラズマディスプレイパネル用途)、熱分解性樹脂を層にして熱分解させ、樹脂を取り除く、熱分解性樹脂を分解させ、発泡させるというような用途もある。
従来の熱分解性樹脂は、非常に高い温度条件を必要としていた。これまでに、式(II)中、rがメトキシ基である化合物においては、熱分解開始温度は約200℃であり、重量減が90%に至る温度は300℃にもなる。また式(II)中、rが水酸基である化合物においては、低い温度で分解するものの、それ自体が不安定であり、実用性には乏しい。
(式中、rは、水酸基、メトキシ基を表す)
一方、国際公開第03/069412号パンフレットには、化1で表されるケテン、アルデヒド共重合体が酸で分解することが記載されている。
国際公開第03/069412号パンフレット Endo、他4名、「マクロモレキュルズ(Macromolecules)」 2002年, 35巻, p. 6149−6153
本発明は安定性を有するものの、酸非存在下に、より低い温度で主鎖が切断し、低分子量まで分解して容易に除去可能で操作性に優れる熱分解性樹脂及又は樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ケテン、置換ベンズアルデヒドから容易に合成することが可能な主鎖にエステル結合を有する重合体において、フェニル基にアセタール基を導入することで、酸非存在下に分解して上記課題を解決することができることを見い出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、次の(1)〜()である。
(1) 式(I)

(式中、R、及びRはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C20の炭化水素基、ヘテロ環基、シアノ基、ニトロ基、C(=O)R7基、S(0)基、P(=O)(R基、M(R基を表し、R、R、及びRはそれぞれ独立に、水素原子、有機基を表し、Rはハロゲン原子、C1〜C20の炭化水素基を表し、X、Yはそれぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子を表し、RはC1〜C20の炭化水素オキシ基、C1〜C20の炭化水素基、C1〜C20の炭化水素チオ基、モノもしくはジC1〜C20の炭化水素アミノ基を表し、Mは、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、スズ原子、鉛原子を表し、mは1〜3のいずれかの整数を表し、nは0または1〜3のいずれかの整数を表し、m+n≦5を表し、mが2以上の場合、R同士、R同士、R同士、X同士、Y同士は同一または相異なっていてもよく、nが2以上の場合、R同士は同一または相異なっていてもよい。pは0、1、または2のいずれかを表す。)で表される繰り返し単位を有する熱分解性樹脂。
(2)式(I)で表される繰り返し単位を有する重合体の数平均分子量が、2,000〜50,000であることを特徴とする熱分解性樹脂。
(3)式(I)で表される繰り返し単位を有する重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が、1.01〜3.00の範囲であることを特徴とする前記(1)〜(2)のいずれかに記載の熱分解性樹脂。
(4)前記(1)〜(3)記載の熱分解性樹脂を含有する樹脂組成物を、酸非存在下で加熱して分解することを特徴とする樹脂組成物の分解方法。

本発明に用いられる式(I)で表される繰り返し単位中、R1、R2はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C20の炭化水素基、ヘテロ環基、シアノ基、ニトロ基、C(=O)R4基、S(0)n4基、P(=O)(R42基、M(R43基を表し、R3はC1〜C20の炭化水素基、ヘテロ環基を表し、R4はC1〜C20の炭化水素オキシ基、C1〜C20の炭化水素基、C1〜C20の炭化水素チオ基、モノもしくはジC1〜C20の炭化水素アミノ基を表し、Mは、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、スズ原子、鉛原子を表し、nは0、1、または2のいずれかを表す。R1、R2として具体的には、水素原子、フッ素原子、クロ原子、ブロム原子、ヨウ素原子であるハロゲン原子、メチル基、エチル基、n−ブロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、s−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、s−ヘキシル基、s−ヘキシル基、1,1−ジメチル−n−ヘキシル基、n−へプチル基、n−デシル基、n−ドデシル基等C1〜C20のアルキル基、ビニル基、アリル基、2−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基、4−オクテニル基等のC2〜C20のアルケニル基、エチニル基、プロパルギル基、1−メチル−プロピニル基等のC2〜C20のアルキニル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、1−メチルシクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−アダマンチル基、1−メチルアダマンチル基、2−アダマンチル基、2−メチル−2−アダマンチル基、ノルボルニル基等のC3〜C20の脂環式炭化水素基、フェニル基、1−ナフチル基、9−アントラセニル基等のC6〜C20の芳香族炭化水素基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−フラニル基、2−チエニル基、3−チエニル基、1−ピロロ基、2−オキサゾリル基、3−イソオキサゾリル基、2−チアゾリル基、3−イソチアゾリル基、1−ピラゾリル基、4−ピラゾリル基、2−イミダゾリル基、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル、1,2,4−チアジアゾール−5−イル、1,3,4−トリアゾール−2−イル、1,2,3−チアジアゾール−5−イル、1,2,3−トリアゾール−4−イル、1,2,3,4−テトラゾール−5−イル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4−イル、ピラジン−2−イル、ピリダジン−3−イル、1,2,4−トリアジン−6−イル、1,3,5−トリアジン−2−イル、1−ピロリジニル基、1−ピペリジル基、4−モルホリニル基、2−テトラヒドロフラニル基、4−テトラヒドロピラニル基等のヘテロ環基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等のC1〜C20のアルコキシカルボニル基、メチルチオカルボニル基等のC1〜C20のアルキルチオカルボニル基、N,N−ジメチルカルバモイル基等の置換または無置換カルバモイル基、メチルスルフェニル基、フェニルスルフェニル基、メチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、メチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、メチルスルフリル基、N,N−ジメチルスルファモイル基等の置換または無置換スルファモイル基、ジメチルホスホリル基、ビスメチルチオホスホニル基、テトラメチルアミノホスホニル基等のホスホニル基、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基、トリメチルスタンニル基、トリフェニルプランバンニル基等を例示することができる。
以上のように、示したR1〜R3の置換基各々は、適当な炭素上の位置さらに置換基を有することができる。その置換基としては、フッ素原子、クロ原子、ブロム原子、ヨウ素原子であるハロゲン原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、ビニル基、アリル基、フェニル基、4−クロロフェニル基、4−メトキシフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基等の置換フェニル基、プロパルギル基、2−ヒドロキシ−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル基、2−(エトキシメトキシ)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル基等の炭化水素基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、フェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、テトラヒドロピラニルオキシ基、フェノキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、トリメチルシリルオキシ基、t−ブトキシカルボニルメトキシ基等のアルコキシ基、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基等のアミノ基、メチルチオ基、フェニルチオ基、2−ピリジルチオ基、メチルスルフィニル基、メチルスルホニル基等のアルキル、アリール、もしくはヘテロ環チオ基またはその酸化体、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等のC1〜C20のアルコキシカルボニル基、アセチル基、プロパノイル基、ベンゾイル基、2−ピリジルカルボニル基等のC2〜C20のアシル基、シアノ基、ニトロ基等を例示することができる。
これら置換基を有するR1〜R3の具体例としては、クロロメチル基、フルオロメチル基、ブロモメチル基、ジクロロメチル基、ジフルオロメチル基、ジブロモメチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、トリブロモメチル基、トリクロロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル基等のハロアルキル基、テトラフルオロエテニル基、2,2−ジフロロエテニル基等のハロアルケニル基、メトキシメチル基、メトキシエチル基、フェノキシメチル基等のアルコキシアルキル基、メチルチオメチル基、フェニルチオメチル基等のアルキルチオアルキル基またはアリールチオアルキル基、ベンジル基、ジフェニルメチル基、トリチル基、フェネチル基等のアラルキル基、ベンゾイルメチル基、アセチルメチル基等のアシルアルキル基、シアノメチル基等を例示することができる。
また、R1〜R3で表される各置換基は、式(I)で表される各繰り返し単位全てにおいて同一である必要はなく、適宜2種以上を混合して用いることができる。
3、R4、R5はそれぞれ独立して、は水素原子、有機基を表す。
有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等のアルキル基;フェニル基、4−クロロフェニル基、4−メチルフェニル基等の置換基を有していてもよいフェニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基;メチルスルホニル基、エチルスルホニル基等のアルキルスルホニル基;フェニルスルホニル基、4−クロロフェニルスルホニル基等のアリールスルホニル基;等が挙げられる。これらの中でも、前記R3〜R5は、それぞれ独立してC1〜C20の炭化水素基であるのが好ましい。
本発明における式(I)で表される繰り返し単位を有する重合体とは、式(I)で表される繰り返し単位のみからなる重合体、並びに式(I)で表される繰り返し単位及び式(I)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位からなる重合体を意味する。
式(I)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位として、具体的には、式(III)で表される繰り返し単位等を例示することができる。
式中、R31、R32、R33は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、C1〜C20直鎖状、分岐状、もしくは環状のアルキル基またはフッ素化されたアルキル基を表し、R34は、水酸基、またはアルコキシ基で置換されていてもよいC6〜C20の芳香族炭化水素基、またはCO235基を表し、R35は、C1〜C20炭化水素基を表し、好ましくは熱不安定基を表す。
この場合、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、2−エチルシクロヘキシル基、n−オクチル基等を例示でき、特に炭素数1〜12、とりわけ炭素数1〜10のものが好ましい。なお、フッ素化されたアルキル基は、上記アルキル基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されたものであり、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル基などが挙げられる。
34は、水酸基、または水素か置換された水素基で置換されていてもよいC6〜C20の芳香族炭化水素基であり、具体的には、下記式(IV)で表される置換基を例示することができる。
式中、R40は炭素数1〜14の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基又はフッ素化されたアルキル基を示し、その具体例は、上記R31で例示した具体例と同様の置換基を例示することができ、Xはフッ素原子、R41はC1〜C20の炭化水素基を表す。a、b、c、dはそれぞれ0または1〜5の整数を表し、a+b+c+dは0〜5いずれかである。
41中、C1〜C20の炭化水素基としては、R1で例示した置換基と同様の置換基を例示することができる。熱不安定基としては種々選定されるが、具体的には下記式(V)、(VI)、もしくは(VII)で表される基、各アルキル基の炭素数1〜6のトリアルキルシリル基、炭素数4〜20のオキソアルキル基等を例示することができる。
式(V)、(VI)においてR51、R54は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基等の1価炭化水素基であり、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、フッ素原子等のヘテロ原子を含んでもよい。
52、R53は水素原子又は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基であり、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、フッ素原子などのヘテロ原子を含んでもよい。また、R52とR53、R52とR54、R53とR54はそれぞれ結合して環を形成してもよい。aは0または1〜10のいずれかの整数を表す。
より好ましくは、R51〜R54は下記の基であることがよい。R51は炭素数4〜20、好ましくは4〜15の三級アルキル基、各アルキル基がそれぞれ炭素数1〜6のトリアルキルシリル基、炭素数4〜20のオキソアルキル基又は上記一般式(VII)で示される基を示し、三級アルキル基として具体的には、tert−ブチル基、tert−アミル基、1,1−ジエチルプロピル基、1−エチルシクロペンチル基、1−ブチルシクロペンチル基、1−エチルシクロヘキシル基、1−ブチルシクロヘキシル基、1−エチル−2−シクロペンテニル基、1−エチル−2−シクロヘキセニル基、2−メチル−2−アダマンチル基等が挙げられ、トリアルキルシリル基として具体的には、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチル−tert−ブチルシリル基等が挙げられ、オキソアルキル基として具体的には、3−オキソシクロヘキシル基、4−メチル−2−オキソオキサン−4−イル基、5−メチル−5−オキソオキソラン−4−イル基等が挙げられる。aは0〜6のいずれかの整数である。
52、R53は水素原子又は炭素数1〜18、好ましくは1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示し、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、2−エチルシクロヘキシル基、n−オクチル基等を例示できる。R9は炭素数1〜18、好ましくは1〜10の酸素原子等のヘテロ原子を有してもよい一価の炭化水素基を示し、直鎖状、分岐状、環状のアルキル基、これらの水素原子の一部が水酸基、アルコキシ基、オキソ基、アミノ基、アルキルアミノ基等に置換されたものを挙げることができ、具体的には、4−ヒドロキシブチル基、2−ブトキシエチル基、4−ヒドロキシメチル−1−シクロヘキシルメチル基、2−ヒドロキシエトキシ−2−エチル基、6−ヒドロキシヘキシル基、1,3−ジオキソラン−2−オン−4−メチル基等の置換アルキル基等が例示できる。
52とR53、R52とR54、R53とR54はそれぞれ結合して環を形成してもよく、環を形成する場合にはR52、R53、R54はそれぞれ炭素数1〜18、好ましくは1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を表す。
上記式(V)としては、具体的にはt−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニルメチル基、t−アミロキシカルボニル基、t−アミロキシカルボニルメチル基、1,1−ジエチルプロピルオキシカルボニル基、1,1−ジエチルプロピルオキシカルボニルメチル基、1−エチルシクロペンチルオキシカルボニル基、1−エチルシクロペンチルオキシカルボニルメチル基、1−エチル−2−シクロペンテニルオキシカルボニル基、1−エトキシエトキシカルボニルメチル基、2−テトラヒドロピラニルオキシカルボニルメチル基、2−テトラヒドロフラニルオキシカルボニルメチル基等が例示できる。
上記式(VI)で示される熱不安的基のうち直鎖状又は分岐状のものとしては、具体的には、メトキシメチル基、エトキシメチル基、n−プロポキシメチル基、n−ブトキシメチル基、1−エトキシ−エチル基、1−メトキシ−プロピル基、1−メトキシ−ブチル基、1−エトキシ−プロピル基、1−n−プロポキシ−エチル基、1−n−プロポキシ−プロピル基、1−n−ブトキシ−ブチル基、1−n−プロポキシ−ブチル基、1−シクロペンチルオキシ−エチル基、1−シクロヘキシルオキシ−エチル基、2−メトキシ−2−プロピル基、2−エトキシ−2−プロピル基等を例示することができる。
上記式(VI)で示される熱不安定基のうち環状のもとしては、具体的にはテトラヒドロフラン−2−イル基、2−メチルテトラヒドロフラン−2−イル基、テトラヒドロピラン−2−イル基、2−メチルテトラヒドロピラン−2−イル基等が例示できる。式(4)としては1−エトキシ−エチル基、1−n−ブトキシ−エチル基、1−エトキシ−n−プロピル基が好ましい。
式(VII)においてR55、R56、R57は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基等の
一価炭化水素基であり、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子、フッ素原子等を含んでもよく、R55とR56、R55とR57、R56とR57とは互いに結合して環を結合してもよい。
式(VII)に示される三級アルキル基としては、t−ブチル基、1,1−ジエチル−n−プロピル基、1−エチルノルボニル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−エチルシクロペンチル基、2−(2−メチル)アダマンチル基、2−(2−エチル)アダマンチル基、tert−アミル基等を挙げることができる。
また、式(VII)で表される三級アルキル基としては、下記に示す官能基を具体的に例示することができる。
ここで、R61、R64は、炭素数1〜6の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示し、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基等を例示できる。R62は水素原子、炭素数1〜6のヘテロ原子を介してもよいアルキル基等の一価炭化水素基を示す。ヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子を挙げることができ、―OH、―OR(Rは炭素数1〜20、特に1〜16のアルキル基、以下同じ)、−O−、−S−。−S(=O)−,−NH2、−NHR、−NR2−、−NH−、−NR−として含有又は介在することができる。
63としては、水素原子、又は炭素数1〜20、特に1〜16のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基又はアルコキシアルキル基などを挙げることができ、これらは直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。具体的には、メチル基、ヒドロキシメチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、メトキシ基、メトキシメトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基等を例示できる。
炭素数4〜20のオキソアルキル基としては、3−オキソシクロヘキシル基、下記式で示される基が挙げられる。
更に、上記R4の熱不安定基は、下記式(VIII)または(IX)で表されるアセタール架橋基であってもよい。
式中、R71、R72は水素原子又は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状、もしくは環状のアルキル基を示す。又は、R71とR72は結合して環を形成していてもよく、環を形成する場合には、R71、R72は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。R73は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、eは1〜7の整数、f、gは0または1〜10の整数である。Aは、(e+1)価の炭素数1〜50の脂肪族もしくは脂環式飽和炭化水素基、芳香族炭化水素基又はヘテロ環基を示し、これらの基はヘテロ原子を介在してもよく、又はその炭素原子に結合する水素原子の一部が水酸基、カルボキシル基、カルボニル基又はフッ素原子によって置換されていてもよい。Bは−CO−O−、−NHCO−O−又は−NHCONH−を示す。
式(VIII)、(IX)に示される架橋形アセタールは、具体的には下記式のものを例示することができる。
式(IV)で表される官能基を有する繰り返し単位(III)として、具体的には、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、1,1−ジフェニルエチレン、スチルベン、4−ヒドロキシスチレン、4−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、4−ヒドロキシ−3−メチル−スチレン、4−tert−ブトキシ−スチレン、4−テトラヒドロピラニルオキシ−スチレン、4−フェノキシエトキシ−スチレン、4−トリメチルシリルオキシ−スチレン、4−トリメチルシリルオキシ−スチレン、4−t−ブトキシカルボニルオキシ−スチレン、4−t−ブトキシカルボニルメトキシ−スチレン、2,3−ジフルオロ−4−ヒドロキシスチレン、2,3−ジフルオロ−4−t−ブトキシ−スチレン、2,6−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−スチレン、2,6−ジフルオロ−4−t−ブトキシ−スチレン、3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−スチレン、3,5−ジフルオロ−4−t−ブトキシ−スチレン、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ヒドロキシ−スチレン、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−t−ブトキシ−スチレン、2−トリフルオロメチル−4−ヒドロキシ−スチレン、2−トリフルオロメチル−4−t−ブトキシ−スチレン、2−トリフルオロメチル−6−フルオロ−4−ヒドロキシ−スチレン、2−トリフルオロメチル−6−フルオロ−4−t−ブトキシ−スチレン、3−トリフルオロメチル−5−フルオロ−4−ヒドロキシ−スチレン、3−トリフルオロメチル−5フルオロ−4−t−ブトキシスチレン、4−(1−エトキシエトキシ)−スチレン、4−(2−ヒドロキシ−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)−スチレン、4−(2−エトキシメトキシ−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)−スチレン、2,3−ジフルオロ−4−ヒドロキシスチレン、2,3−ジフルオロ−4−t−ブトキシ−α−フルオロ−スチレン、2,6−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−α−フルオロ−スチレン、2,6−ジフルオロ−4−t−ブトキシ−α−フルオロ−スチレン、3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−α−フルオロ−スチレン、3,5−ジフルオロ−4−t−ブトキシ−α−フルオロ−スチレン、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ヒドロキシ−α−フルオロ−スチレン、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−t−ブトキシ−α−フルオロ−スチレン、2−トリフルオロメチル−4−ヒドロキシ−α−フルオロ−スチレン、2−トリフルオロメチル−4−t−ブトキシ−α−フルオロ−スチレン、2−トリフルオロメチル−6−フルオロ−4−ヒドロキシ−α−フルオロ−スチレン、2−トリフルオロメチル−6−フルオロ−4−t−ブトキシ−α−フルオロ−スチレン、3−トリフルオロメチル−5−フルオロ−4−ヒドロキシ−α−フルオロ−スチレン、3−トリフルオロメチル−5−フルオロ−4−t−ブトキシ−α−フルオロ−スチレン、4−(1−エトキシエトキシ)−α−メチル−スチレン、4−(2−ヒドロキシ−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)−α−フルオロ−スチレン、4−(2−エトキシメトキシ−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)−α−フルオロ−スチレン等を例示することができる。
さらに、R34が、CO235基の場合において、R35は、R4で例示した置換基と同様の置換基を例示することができる。また、この場合、R31〜R33の組み合わせとして、下記式に示すような組み合わせを好ましく用いることができる。(下記化合物を重合したとき得られる繰り返し単位を表す。)
CO235基を有する繰り返し単位として、具体的には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸アミル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸エチルシクロヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−t−オクチル、クロルエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2,2−ジメチル−3−エトキシプロピルアクリレート、5−エトキシペンチルアクリレート、1−メトキシエチルアクリレート、1−エトキシエチルアクリレート、1−メトキシプロピルアクリレート、1−メチル−1−メトキシエチルアクリレート、1−(イソプロポキシ)エチルアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等のアクリルエステル類、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、クロルベンジルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、4−メトキシブチルメタクリレート、5−メトキシペンチルメタクリレート、2,2−ジメチル−3−エトキシプロピルメタクリレート、1−メトキシエチルメタクリレート、1−メチル−1−メトキシエチルメタクリレート、1−(イソプロポキシ)エチルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類、
クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、クロトン酸プロピル、クロトン酸アミル、クロトン酸シクロヘキシル、クロトン酸エチルヘキシル、クロトン酸オクチル、クロトン酸−t−オクチル、クロルエチルクロトネート、2−エトキシエチルクロトネート、2,2−ジメチル−3−エトキシプロピルクロトネート、5−エトキシペンチルクロトネート、1−メトキシエチルクロトネート、1−エトキシエチルクロトネート、1−メトキプロピルクロトネート、1−メチル−1−メトキシエチルクロトネート、1−(イソプロポキシ)エチルクロトネート、ベンジルクロトネート、メトキシベンジルクロトネート、フルフリルクロトネート、テトラヒドロフルフリルクロトネート等のクロトン酸エステル類、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジプロピル、イタコン酸ジアミル、イタコン酸ジシクロヘキシル、イタコン酸ビス(エチルヘキシル)、イタコン酸ジオクチル、イタコン酸−ジ−t−オクチル、ビス(クロルエチル)イタコネート、ビス(2−エトキシエチル)イタコネート、ビス(2,2−ジメチル−3−エトキシプロピル)イタコネート、ビス(5−エトキシペンチル)イタコネート、ビス(1−メトキシエチル)イタコネート、ビス(1−エトキシエチル)イタコネート、ビス(1−メトキシプロピル)イタコネート、ビス(1−メチル−1−メトキシエチル)イタコネート、ビス(1−(イソプロポキシ)エチル)イタコネート、ジベンジルイタコネート、ビス(メトキシベンジル)イタコネート、ジフルフリルイタコネート、ジテトラヒドロフルフリルイタコネート等のイタコン酸エステル類等から誘導される繰り返し単位を例示することができる。さらに、下記式で表される繰り返し単位を例示することができる。
さらに、式(I)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位として、式(VII)で表される化合物を例示することができる。
式中、R81、及びR82はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、C1〜C20の炭化水素基、ヘテロ環基、シアノ基、ニトロ基、C(=O)R7基、S(=O)p7基、P(=O)(R72基、M(R73基を表し、具体的には、R1で例示した置換基と同様の置換基を例示することができる。
本発明における式(I)で表される繰り返し単位を有する重合体は、先に記載したように、式(I)で表される繰り返し単位のみからなる重合体、並びに式(I)で表される繰り返し単位および式(I)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位からなる重合体を意味しており、式(I)で表され繰り返し単位とそれ以外の繰り返し単位の重合形式は特に限定されず、ランダム重合形式、ブロック重合形式、部分ブロック重合形式、交互重合形式のいずれの形式をもとることができる。
また、式(I)で表され繰り返し単位とそれ以外の繰り返し単位の混合比率は、特に限定されず、モル比で99/1〜1/99の範囲で任意に設定することができる。
式(I)で表される繰り返し単位を有する重合体の数平均分子量は、特に制限されないが、分解前、分解後の物性に顕著な差を見出すことを考慮すると、2,000〜50,000の範囲が好ましい。また重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比である分子量分布も、特に制限はされないが、1.01〜3.00の範囲、さらには1.01〜1.50の範囲が好ましい。
式(I)で表される繰り返し単位を有する重合体の製造方法として、具体的には、下記式(X)で表されるケテンおよび式(XI)で表されるアルデヒドを、アニオン重合開始剤存在下、アニオン重合を行う方法を例示することができる。
式中、R91はR、R92はR、R93

それぞれ対応しており、アニオン重合を行う上で、障害となる置換基、例えば、活性水素原子を有する置換基、アニオン重合開始剤と反応性を有する置換基等を除外した置換基を表す。
アニオン重合に用いられる溶媒は、重合反応に関与せず、かつ重合体と相溶性のある極性溶媒であれば、特に制限されず、具体的には、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、シクロペンタン等の脂環族炭化水素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン等のエーテル類の他、アニソール、ヘキサメチルホスホルアミド等のアニオン重合において通常使用される有機溶媒を挙げることができる。また、これらの溶媒は、1種単独で、または2種以上の混合溶媒として用いることができる。
アニオン重合開始剤として、アルカリ金属又は有機アルカリ金属を例示することができ、アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、ナトリウム−カリウム合金等を例示することができ、有機アルカリ金属としては、上記アルカリ金属のアルキル化物、アリル化物、アリール化物等を使用することができ、具体的には、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、エチルナトリウム、リチウムビフェニル、リチウムナフタレン、リチウムトリフェニル、ナトリウムナフタレン、カリウムナフタレン、α−メチルスチレンナトリウムジアニオン、1,1−ジフェニルヘキシルリチウム、1,1−ジフェニル−3−メチルペンチルリチウム、1,1−ジフェニルメチルカリウム、1,4−ジリチオ−2−ブテン、1,6−ジリチオヘキサン、ポリスチリルリチウム、クミルカリウム、クミルセシウム等を挙げることができこれらの化合物は、1種単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
反応は、通常、アニオン重合開始剤に、(X)および(XI)で表される化合物を添加し、アニオンリビング重合を行う。これらの一連の反応は、アルゴンまたは窒素等の不活性ガス化、もしくは高真空化、−100℃〜0℃、好ましくは、−70℃〜−20℃の範囲で行われる。用いる式(X)で表されるケテンと式(XI)で表されるアルデヒドのモル比は特に制限されないが、99/1〜50/50の範囲で用いるのが好ましい。また、先にも述べたように、式(III)で表されるケテンおよび式(IV)で表されるアルデヒドは、それぞれ一種単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
式(I)で表される繰り返し単位を有する重合体は、実施例において述べるように熱により容易に主鎖が開裂する性質を有することから、熱分解性樹脂として用いることができる。なお本発明の分解性樹脂の分解から生じた成分は、次式(XII)で表される構造である。したがって、分解された成分は二重結合等を利用することができる。
式中、R101はR1、R102はR2、R103はR3にそれぞれ対応しており、R1、R2、R3で例示したのと同様の置換基を例示することができる。
本発明の分解性樹脂はそのままで、もしくは、本発明の効果を損なわない範囲において、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリビニルエーテル樹脂等の汎用熱可塑性樹脂と本発明の分解性樹脂と混合して使用することもできる。
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明の範囲は実施例に限定されるものではない。
本発明の実施例に使用した試薬の精製法について以下に述べる。
ケテン類は、酸クロライドにトリエチルアミンをTHF中室温で反応後、減圧下で蒸留した。アルデヒド類は、CaH2を添加後、減圧下で蒸留した。
n−ブチルリチウム(n−BuLi)は、市販のn−BuLiヘキサン溶液(1.6mol/l)をそのまま用いた。テトラヒドロフランは、市販の脱水溶媒を使用した。
合成例1エチルフェニルケテン(EPK)の合成
窒素雰囲気下において、トリエチルアミン 91g(0.9モル)のテトラヒドロフラン(THF)混合液に、2−フェニルブチリルクロライド55g(0.3モル)のTHF溶液を滴下した。一時間後析出したトリエチルアミン・塩酸塩をろ別除去した後、ろ液を減圧蒸留して、EPKを得た(60〜70℃/4mmHg)。収量 30g (収率70%)。
合成例2 4−(1’−エトキシエトキシ)ベンズアルデヒド(EEBA)の合成
窒素雰囲気下において、4−ヒドロキシベンズアルデヒド 100g(0.82モル)をTHF(500ml)に溶解後、ビニルエチルエーテル236g(3.3モル)、4M HClジオキサン溶液4ml(16mmol)を加え、室温で一夜攪拌した。Na2CO3水溶液を加え中和後、分液し、上層をpH=7になるまで水洗した。有機層をMgSO4で脱水濾過後、減圧濃縮した。得られた残渣を減圧蒸留しEEBA(83〜85℃、0.04mmHg)を無色油状物質として得た。収量129g(収率81%)。
実施例1
重合体(a)の合成(式(I)で、R1=エチル基、R2=フェニル基、R3=水素原子、R4=メチル基、R5=エチル基、X=Y=酸素原子、m=1、n=0、アセタール基はパラ位である熱分解性重合体:EPKとEEBAの共重合体)
窒素雰囲気下、塩化リチウム0.64g(15ミリモル)THF(100ml)溶液を−40℃まで冷却した。更にEEBA32ミリモル とEPK4.4g(30ミリモル)を添加した後、n−BuLiのヘキサン溶液 0.31ml (0.5ミリモル)を加え、−40℃で30分間反応を継続した。メタノールを加えて反応を停止した後、大量のメタノールに加えて再沈殿し、生じた沈殿をろ過、減圧乾燥することにより、白色粉末状のポリマー(a)を得た。ポリマー(a)をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」と略す)分析したところ、Mn=4800、Mw/Mn=1.25の単分散ポリマーであった。
比較例1
重合体(b)の合成(式(II)で、r=メトキシ基である重合体:EPKと4−メトキシベンズアルデヒド(MBA)の共重合体)
窒素雰囲気下、塩化リチウム0.64g(15ミリモル)THF(100ml)溶液を−40℃まで冷却した。更にMBA 4.4g(32ミリモル)とEPK4.4g(30ミリモル)を添加した後、n−BuLiのヘキサン溶液 0.31ml(0.5ミリモル)を加え、−40℃で30分間反応を継続した。メタノールを加えて反応を停止した後、大量のメタノールに加えて再沈殿し、生じた沈殿をろ過、減圧乾燥することにより、白色粉末状のポリマー(b)を8.5g得た。ポリマー(b)をGPCにより分析したところ、Mn=4700、Mw/Mn=1.16の単分散ポリマーであった。
比較例2
重合体(g)の合成
ポリ(p−ヒドロキシスチレン)[日本曹達製VP−8000、Mn=10000、Mw/Mn=1.13]50gを窒素雰囲気下で酢酸エチル200mlに溶解後、エチルビニルエーテル 58gと濃塩酸0.3mlを加えて、室温で1日攪拌した。次いで、反応液に炭酸ナトリウムを加えて分液後、中性になるまで洗浄を繰り返した。有機層を減圧濃縮後、大量のメタノール中に投入してポリマーを析出させ、濾過、洗浄後、真空乾燥してポリマー(g)を得た。ポリマー(g)のGPC分析を行ったところ、Mn=13500、Mw/Mn=1.13であった。
比較例3
重合体(g)の合成(式(II)で、r=水酸基である重合体:ポリマー(b) のアセタール基脱離体)
ポリマー(b)5gをTHF10mlに溶解後、濃塩酸 0.1mlを加えて室温で一時間攪拌した。半応液を大量のメタノールに加えて再沈殿し、生じた沈殿を濾過、減圧乾燥して白色粉末状のポリマー(c)を4g得た。ポリマー(c)をGPC分析したところ、Mn=3200、Mw/Mn=1.25の単分散ポリマーであり、NMR分析よりアセタール基が完全に脱離しフェノール基に変換したことを確認した。
実施例2
ポリマー(a)100mgをTHF2mlに溶解し、キャストし約10μmの膜を得た。得られた膜を190℃で15分間加熱した。分解前のGPCチャート(図1)および分解後のGPCを(図2)に示す。その結果、ポリマー(a)は、Mp=265(ポリスチレン換算)を示す低分子量化合物にまでほぼ完全に低分子量化した。さらにこの分解物のLC/MS(化学イオン化法)測定を行ったところ、主生成物は、M+1=224を示した。この主生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン)で分離し、1H−NMR測定を行った。その結果、このポリマーの分解物は、4−(2−フェニルブテニル)フェノールのE、Z混合物であることを確認した。
試験例1
得られたポリマー(a)、(b)、(g)のTg−DTA測定を行った。測定は、株式会社リガク社製 (TG8120)装置を用い、測定条件を昇温速度;20℃/min、窒素流量;500mlとして行った。その分析結果を表1に示す。
表1の結果から、本発明の熱分解性(a)は、一般的な樹脂(g)と比較し、低い温度で分解させることができ、ポリマー(b)より低い温度で分解することがわかった。
試験例2
ポリマー(a)、(c)のTg−DTA測定を別条件にて行った。測定は、株式会社リガク社製(TG8120)装置を用い、測定条件を昇温速度;10℃/min、窒素流量;500mlとし、200℃まで昇温後、一時間200℃に保ち、重量変化を測定した。その分析結果を図3、図4に示した。
その結果、ポリマー(c、図4)は、昇温中に5%の重量減が観測され、昇温中にある程度分解しており、実用上好ましくない。これに対し、今回発明したポリマー(a、図3)は重量減が観測されず、一度に分解反応が進行していることが明らかとなった。
本発明の熱分解性樹脂及又は樹脂組成物は、一定の温度までは、熱に対し安定であるものの、分解開始温度を超えると瞬時に分解が進行し、その分解温度は一般的な樹脂に比べ、低温である。本発明の熱分解性樹脂及又は樹脂組成物は、安定性を有するものの、酸非存在下に熱により主鎖が切断し、低分子量まで分解して容易に除去可能で操作性に優れるので、解体性接着剤として使用すれば製品のリサイクルに好都合であり、また、これを混ぜ込んで熱分解させ、樹脂を取り除き、目的のものを製造する(多孔質膜、セラミック焼成、プラズマディスプレイパネル用途)、熱分解性樹脂を層にして熱分解させ、樹脂を取り除く、熱分解性樹脂を分解させ、発泡させるというような用途もある。また、本発明の熱分解性ポリマーは、ナノメートルオーダーの微細構造を有する成形体を形成することもできる。すなわち、本発明の熱分解性ポリマーまたはブロックコポリマーのミクロ相分離を利用して、ミクロ相分離構造の特定の1相を選択的に除去して、繊維状構造、薄膜状構造、多孔質構造を有する成形体を形成したり、基板上に成膜したミクロ相分離膜の1相を選択的に除去して多孔質膜やアレイ状に配列したドットとして、この多孔質膜やドットアレイをエッチングマスクとして基板の微細加工などを行うことができる。
実施例1で合成したポリマー(a)の分解前のGPCチャート 実施例1で合成したポリマー(a)の熱分解後のGPCチャート 実施例1で合成したポリマー(a))のTg−DTAチャート 比較例3で合成したポリマー(c)のTg−DTAチャート

Claims (2)

  1. 式(I)

    (式中、R、及びRはそれぞれ独立に、水素原子、C1〜C20の炭化水素基、ヘテロ環基を表し、R、R、及びRはそれぞれ独立に、水素原子、C1〜C20の炭化水素基を表し、RはC1〜C20の炭化水素基を表し、X、Yはそれぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子を表し、mは1〜3のいずれかの整数を表し、nは0または1〜3のいずれかの整数を表し、m+n≦5を表し、mが2以上の場合、R同士、R同士、R同士、X同士、Y同士は同一または相異なっていてもよく、nが2以上の場合、R同士は同一または相異なっていてもよい。で表される繰り返し単位を全体の1〜100モル%有し、数平均分子量が、2,000〜50,000である熱分解性樹脂を、酸非存在下で加熱して分解することを特徴とする熱分解性樹脂の分解方法。
  2. 式(I)で表される繰り返し単位を有する熱分解性樹脂の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が、1.01〜3.00の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の熱分解性樹脂の分解方法。
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