JP2008248147A - 新規ポリマーおよびアニオン重合用カップリング剤 - Google Patents

新規ポリマーおよびアニオン重合用カップリング剤 Download PDF

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Abstract

【課題】高感度・高解像性に優れるレジスト材料として有用である新規なポリマー及びポリマーの合成に用いられる新規なアニオン重合用カップリング剤の提供を課題とする。
【解決手段】ハロゲン化物由来の有機基を含む化合物からなるアニオン重合用カップリング剤から誘導されるコア部に、アニオン重合法によって得られるポリマー鎖からなるアーム部を付加した構造を有するポリマー及び該アニオン重合用カップリング剤。
【選択図】 なし

Description

本発明は新規なポリマー、すなわち、酸の作用により解裂され得る結合基を有するハロゲン化物由来の有機基をコア部とするポリマー、より詳細には該コア部にヒドロキシスチレンから誘導される繰り返し単位をアーム部を付加した構造を有するポリマーに関する。
本発明のポリマーは、エキシマレーザー、EUVおよび電子線用レジスト材料としての利用が期待される化合物である。
また本発明は、新規ポリマーの合成に用いるアニオン重合用カップリング剤に関する。
近年レジスト材料においては、年々微細となるレジストパターンの形成性に優れる点が重要な特性として求められている。このような要求を満たす材料の一つとしてスターポリマーが提案されている。このうち代表的なものであるアルケニルフェノール系スターポリマーとしては、例えば、ジビニルベンゼン重合体をコア部とし、p−ヒドロキシスチレン−スチレン共重合体、または、p−ヒドロキシスチレン−ブタジエン共重合体などをアーム部とするスターポリマーが既に開示されている(特許文献1)。
また、ジビニルベンゼン重合体以外のコア部を有するアルケニルフェノール系スターポリマーとして、ジアクリレートから誘導される繰り返し単位を含むポリマー鎖をコア部とし、アルケニルフェノールから誘導される繰り返し単位および脂環式炭化水素基のアクリル酸エステル誘導体から誘導される繰り返し単位とを含む(さらにアルケニルフェニルから誘導される繰り返し単位を含んでいてもよい)ポリマー鎖をアーム部とするアクリル酸系スターポリマーが提案されている(特許文献2)。
しかしながら、これまでに提案されたスターポリマーを用いたレジストパターンの形成技術では、感度及び解像度等の点で改善の余地を大いに残すものであった。例えば、特許文献2のスターポリマーは、コア部がポリアクリレート誘導体から形成されていることから酸分解性となり、このためレジスト材料として用いた際に感度に優れる材料が得られるとして期待されているが、解像度等の観点からは課題を残すものであった。
特開2002−226513号公報 特開2006−225605号公報
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであって、新規なポリマーの提供を目的とし、詳細には、高感度・高解像性に優れるレジスト材料として有用である新規なポリマー及び該ポリマーの合成に用いられる新規なアニオン重合用カップリング剤の提供を課題とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するべく鋭意研究を行った結果、ポリマーのアーム部だけでなくコア部も酸分解性とすることによって、且つ、ハロゲン化物由来の有機基を含む化合物をコア部として採用することにより酸分解させたときに分子量分布が単分散となるようにすることによって、そのポリマーを化学増幅型レジスト材料として用いた場合、光酸発生剤(PAG)由来の酸によって分子量を著しく変化させることができ、高感度・高解像レジスト材料として有用なポリマーが提供されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、式(1)
Z−Y−X−Y'−Z' ・・・(1)
(式中、Xは酸の作用により解裂され得る下記式(4)乃至(7)
Figure 2008248147
(上記式中、R4、R5、R6及びR7それぞれ独立して水素原子、又はハロゲン原子またはエポキシ基で置換されていてもよい炭素原子数1乃至12の直鎖状、分枝状又は環状アルキル基、またはアリール基を表す。R8は直接結合又はハロゲン原子若しくはエポキシ基
で置換されていてもよい炭素原子数1乃至12の直鎖状、分枝状又は環状アルキル基、またはアリール基を表す。)
で表される結合基を表し、Y及びY'はそれぞれ独立して炭素原子数1乃至12のアルキ
レン基を表し、Z及びZ'はそれぞれ独立してハロゲン原子又は式(3)
Figure 2008248147
(式中、R1、R2、R3は水素原子又はメチル基を表す。)で表されるエポキシ基を表す
。)、
で表されるアニオン重合用カップリング剤から誘導されるコア部に、アニオン重合法によって得られるポリマー鎖からなるアーム部を付加した構造を有するポリマーに関する。
前記式(1)中、Z及び/又はZ’が塩素原子である場合、それに結合するY及び/又はY’はメチレン基を表すことが望ましい。
また前記式(1)中、Z及び/又はZ’が臭素原子である場合、それに結合するY及び/又はY’は炭素原子数1乃至4のアルキレン基を表すことが望ましい。
また、前記アニオン重合法により得られるポリマー鎖からなるアーム部が、ヒドロキシスチレン誘導体から誘導される繰り返し単位を含むことが望ましい。
さらに本発明は、前記式(1)で表されるアニオン重合用カップリング剤に関する。
本発明のポリマーは分子量分布が狭く、コア部において酸分解性であり且つ分解個所を制御できることから、酸分解後にも分子量分布が単分散となる。
また本発明の新規なアニオン重合用カップリング剤は、アーム部となるポリマー鎖との反応も良好であり、本発明のポリマーを容易に得ることができる。
そして、本発明のポリマーを化学増幅型レジスト材料(ベース樹脂)として用いた場合、露光工程後、レジスト中に配合された光酸発生剤(PAG)から発生した酸によって、本発明のポリマーのコア部に存在する上記式(4)乃至(7)で表される基が解裂することとなる。この解裂に伴い、ポリマー(ベース樹脂)の分子量が大きく変化することとなり、それによって現像液への溶解性も大きく変化することとなる。このため、本発明のポリマーは、高感度、高解像度を実現する優れたレジスト材料となることが期待される。
本発明は上記式(1)で表されるアニオン重合用カップリング剤から誘導されるコア部に、アニオン重合法によって得られるポリマー鎖からなるアーム部を付加した構造を有するポリマーである。
また、本発明は上記アニオン重合用カップリング剤にも関する。
以下、本発明のポリマーにおけるコア部(アニオン重合用カップリング剤)及びアーム部について夫々説明する。
本発明のポリマーにおけるコア部は、下記式(1)表されるアニオン重合用カップリング剤より誘導される。
Z−Y−X−Y'−Z' ・・・(1)
(式中、Xは酸の作用により解裂され得る結合基を表し、Y及びY'はそれぞれ独立して
炭素原子数1乃至12のアルキレン基を表し、Z及びZ'はそれぞれ独立してハロゲン原
子又は式(3)で表されるエポキシ基を表す。)
Figure 2008248147
(式中、R1、R2、R3は水素原子又はメチル基を表す。)
上記式(1)で表されるアニオン重合用カップリング剤において、酸の作用により解裂され得る結合基を表すXは、下記式(4)乃至(7)で表される。
なお、下記式で表される解裂され得る結合基のうち、好ましくは式(4)および(6)で表される結合基であり、最も好ましくは式(4)で表される結合基である。
Figure 2008248147
(上記式中、R4、R5、R6及びR7それぞれ独立して水素原子、又はハロゲン原子またはエポキシ基で置換されていてもよい炭素原子数1乃至12の直鎖状、分枝状又は環状アル
キル基、またはアリール基を表す。R8はなくてもよく、ある場合にはハロゲン原子また
はエポキシ基で置換されていてもよい炭素原子数1乃至12の直鎖状、分枝状又は環状アルキル基、またはアリール基を表す。)
また前記式(1)中、Z及びZ’で表されるハロゲン原子とは、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子をさす。
このとき、Z及び/又はZ’が塩素原子を表す場合には、それに結合するY及びY’はメチレン基を表すことが望ましく、Z及び/又はZ’が臭素原子を表す場合には、それに結合するY及びY’は炭素原子数1乃至4のアルキレン基を表すことが望ましい。
上記式(1)で表されるアニオン重合用カップリング剤としては、例えば以下の式(1−1)で表される化合物を挙げることができ、具体的には(1−1−1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2008248147
(上記式中、Y、Y’、Z及びZ’は上述に定義したとおりである。)
Figure 2008248147
上記式(1)で表されるアニオン重合用カップリング剤の製造方法としては特に限定はされない。例えばパラホルムアルデヒドとハロゲン置換アルコールとの反応によって上記式(4)の結合を有するアニオン重合用カップリング剤を製造することができる。
また本発明のポリマーは、前述の式(1)で表されるアニオン重合用カップリング剤(コア部)とともに、アニオン重合法によって得られるポリマー鎖からなるアーム部によって構成される。
前記アーム部は、式(I)で表されるヒドロキシスチレン誘導体から誘導される繰り返し単位を含む。
Figure 2008248147
(式中、Raは水素原子又は炭素原子数1乃至4のアルキル基を表し、Rbは水素原子、ハロゲン原子又は炭素原子数1乃至12の炭化水素基を表し、Rcは水素原子又は保護基を
表す。mは0乃至4の整数であり、mが2以上の時は、Rbは同一又は異なっていても良
く、m+n=1乃至5の整数であり、またその置換位置は特に制限されない。)
上記式(I)において、Rcは水素原子又は保護基を表す。
ここで保護基とは、当技術分野において、フェノール性水酸基の保護基として使用されることが周知である基であれば特に限定されない。
例えば、メトキシメチル基、2−メトキシエトキシメチル基、ビス(2−クロロエトキシ)メチル基、テトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、トリフェニルメチル基、トリメチルシリル基、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル基、t−ブチルジメチルシリル基、トリメチルシリルメチル基、t−ブチル基、t−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニルメチル基、2−メチル−2−t−ブトキシカルボニルメチル基等が挙げられ、さらに、下記に示す置換基を挙げることができる。
Figure 2008248147
(式中、kは0又は1を表す。)。さらに、次式
Figure 2008248147
(式中、Rkは炭素原子数1乃至20の無置換又はアルコキシ置換のアルキル基、炭素原
子数5乃至10のシクロアルキル基、又は炭素原子数6乃至20の無置換またはアルコキシ置換のアリール基を表し、Rlは、水素または炭素原子数1乃至3のアルキル基を表し
、Rmは水素、炭素原子数1乃至6のアルキル基、又は炭素原子数1乃至6のアルコキシ
基をあらわす。)で表される基を例示することができる。
このような置換基として、具体的には1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−メトキシプロピル基、1−メチル−1−メトキシエチル基、1−(イソプロポキシ)エチル基等を例示することができる。
上記式(I)で表されるヒドロキシスチレン誘導体の具体例としては、下記に示すヒドロキシスチレン誘導体を挙げることができる。
Figure 2008248147
なお、上記式(I)で表されるヒドロキシスチレン誘導体から誘導される繰り返し単位は、以下の式(I−1)で表される繰り返し単位を意味する。
Figure 2008248147
(式中、Ra、Rb、Rc、m、n、は前述に定義したものと同義である。)。
また、前記アーム部は、式(I)で表されるヒドロキシスチレン誘導体から誘導される繰り返し単位に加え、下記式(II)で表されるスチレン誘導体から誘導される繰り返し単位、下記式(III)で表されるビニル安息香酸誘導体から誘導される繰り返し単位、及び/又は下記式(IV)で表されるアクリレート誘導体から誘導される繰り返し単位を含んでいてもよい。
Figure 2008248147
(式中、Rdは水素原子又は炭素原子数1乃至4のアルキル基を表し、Reはハロゲン原子または水素原子または炭素原子数1乃至6のアルキル基を表し、xは0乃至5の整数を表し、xが2以上の場合、Reは同一又は異なっていてもよく、その置換位置は特に制限さ
れない。)
Figure 2008248147
(式中、Rfは水素原子又は炭素原子数1乃至4のアルキル基を表し、Rgはハロゲン原子又は炭素原子数1乃至12の炭化水素基を表し、Rhは水素原子又は保護基を表す。yは
0乃至4の整数であり、yが2以上の時は、Rgは同一又は異なっていても良く、y+z
=1乃至5の整数であり、またそれらの置換位置は特に制限されない。)
上記式中、Rhで表される保護基とは、当技術分野において、カルボキシル基の保護基
として使用されることが周知である基であれば特に限定されない。
例えば、メトキシメチル基、2−メトキシエトキシメチル基、ビス(2−クロロエトキシ)メチル基、テトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、トリフェニルメチル基、トリメチルシリル基、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル基、t−ブチルジメチルシリル基、トリメチルシリルメチル基、t−ブチル基、t−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニルメチル基、2−メチル−2−t−ブトキシカルボニルメチル基等が挙げられ、さらに、下記に示す置換基を挙げることができる。
Figure 2008248147
(式中、kは0又は1を表す。)。さらに、次式
Figure 2008248147
(式中、Rkは炭素原子数1乃至20の無置換又はアルコキシ置換のアルキル基、炭素原
子数5乃至10のシクロアルキル基、又は炭素原子数6乃至20の無置換またはアルコキシ置換のアリール基を表し、Rlは、水素または炭素原子数1乃至3のアルキル基を表し
、Rmは水素、炭素原子数1乃至6のアルキル基、又は炭素原子数1乃至6のアルコキシ
基をあらわす。)で表される基を例示することができる。
このような置換基として、具体的には1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−メトキシプロピル基、1−メチル−1−メトキシエチル基、1−(イソプロポキシ)エチル基等を例示することができる。
Figure 2008248147
(式中、Riは水素原子又は炭素原子数1乃至4のアルキル基であり、Rjは水素原子、炭素原子数1乃至12のアルキル基、置換基を有してもよい炭素原子数3以上の脂環式骨格を有する炭化水素基(但し、炭素数に置換基の炭素は含まない)、該脂環式骨格を有する炭化水素基を有するアルキル基又はヘテロ基を表す。)。
なお、式(II)で表されるスチレン誘導体から誘導される繰り返し単位は、以下の式(II−1)で表される繰り返し単位を意味し、式(III)で表されるビニル安息香酸誘導体から誘導される繰り返し単位は、下記式(III−1)で表される繰り返し単位を意味し、式(IV)で表されるアクリレート誘導体から誘導される繰り返し単位は、以下の式(IV−1)で表される繰り返し単位を意味する。
Figure 2008248147
(式中、Rd乃至Rjは及びx乃至zは前述に定義したものと同義である。)。
上記式(II)及び(II−1)中、Rdは好ましくは水素原子又はメチル基である。
また、式中、Reで表される基は具体的にはメチル基、エチル基、イソプロピル基、t
−ブチル基等を例示することができる。
xは好ましくは0である。
上記式(III)及び(III−1)中、Rfは好ましくは水素原子又はメチル基であ
る。
また式中、Rgで表される基は具体的にはメチル基、エチル基、イソプロピル基、t−
ブチル基等を例示することができる。
上記式(IV)及び(IV−1)中、Riは好ましくは水素原子又はメチル基である。
また式中、Rjで表される基は、具体的には水素原子、メチル基、エチル基、n−プロ
ピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、メトキシメチル基、2−メトキシエトキシメチル基、ビス(2−クロロエトキシ)メチル基、テトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル機、トリフェニルメチル基、トリメチルシリル基、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル基、t−ブチルジメチルシリル基、トリメチルシリルメチル基などが挙げられる。
また、上記脂環式骨格としては、下記に示す骨格を具体的に例示することができる。
Figure 2008248147
jとしては、特に、下記式(V)で表される2−置換アダマンチル基を最も好ましい
例として挙げることができる。
Figure 2008248147
(式中、Rnは水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表し、Ro乃至Rq
夫々独立してヒドロキシ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、炭素原子数1乃至6のアルキル基、炭素原子数3乃至8のシクロアルキル基、炭素原子数2乃至7のアルケニル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、およびアシル基から選択される基を表す。p、q、rはそれぞれ独立して0及び1乃至3の整数から選択され、p、q又はrが2以上の場合、RO同士、Rp同士及びRq同士は夫々同一又は異なっていてもよい。)
本発明のポリマーのアーム部には、上述の式(IV)で表されるアクリレート誘導体から誘導される繰り返し単位以外にも、必要に応じて下記に示すその他のアクリレート類から誘導される繰り返し単位を含んでいてもよい。
[アクリル酸エステル類]
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−t−オクチル、クロルエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2,2−ジメチル−3−エトキシプロピルアクリレート、5−エトキシペンチルアクリレート、1−メトキシエチルアクリレート、1−エトキシエチルアクリレート、1−メトキシプロピルアクリレート、1−メチル−1−メトキシエチルアクリレート、1−(イソプロポキシ)エチルアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレートなど;、[メタクリル酸エステル類]
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、アミルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、クロルベンジルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、4−メトキシブチルメタクリレート、5−メトキシペンチルメタクリレート、2,2−ジメチル−3−エトキシプロピルメタクリレート、1−メトキシエチルメタクリレート、1−エトキシエチルメタクリレート、1−メトキシプロピルメタクリレート、1−メチル−1−メトキシエチルメタクリレート、1−(イソプロポキシ)エチルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレートなど;
[クロトン酸エステル類]
クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、クロトン酸プロピル、クロトン酸アミル、クロトン酸シクロヘキシル、クロトン酸エチルヘキシル、クロトン酸オクチル、クロトン酸−t−オクチル、クロルエチルクロトネート、2−エトキシエチルクロトネート、2,2−ジメチル−3−エトキシプロピルクロトネート、5−エトキシペンチルクロトネート、1−メトキシエチルクロトネート、1−エトキシエチルクロトネート、1−メトキシプロピルクロトネート、1−メチル−1−メトキシエチルクロトネート、1−(イソプロポキシ)エチルクロトネート、ベンジルクロトネート、メトキシベンジルクロトネート、フルフリルクロトネート、テトラヒドロフルフリルクロトネートなど;および
[イタコン酸エステル類]
イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジプロピル、イタコン酸ジアミル、イタコン酸ジシクロヘキシル、イタコン酸ビス(エチルヘキシル)、イタコン酸ジオクチル、イタコン酸−ジ−t−オクチル、ビス(クロルエチル)イタコネート、ビス(2−エトキシエチル)イタコネート、ビス(2,2−ジメチル−3−エトキシプロピル)イタコネート、ビス(5−エトキシペンチル)イタコネート、ビス(1−メトキシエチル)イタコネート、ビス(1−エトキシエチル)イタコネート、ビス(1−メトキシプロピル)イタコネート、ビス(1−メチル−1−メトキシエチル)イタコネート、ビス(1−(イソプロポキシ)エチル)イタコネート、ジベンジルイタコネート、ビス(メトキシベンジル)イタコネート、ジフルフリルイタコネート、ジテトラヒドロフルフリルイタコネートなど。
上記その他のアクリレート類の中でも、特にt−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレート、1,1−ジメチルプロピルアクリレート、1,1−ジメチルメタクリレート等のエステル酸素α位に3級炭素を有するアルキル基であるアクリレート、またはメタクリレートを好ましいものとして例示することができる。
本発明のポリマーのアーム部中、各繰り返し単位の比率は、反応に用いる各単量体の使
用割合によって任意に選択することができる。
例えば、式(I)で表されるヒドロキシスチレン誘導体から誘導される繰り返し単位の含有量は、アーム部全繰り返し単位中1乃至100モル%であり、好ましくは10乃至100モル、さらに好ましくは30乃至100モル%である。
また、式(II)で表されるスチレン誘導体から誘導される繰り返し単位の含有量、式(III)で表されるビニル安息香酸誘導体から誘導される繰り返し単位の含有量、又は式(IV)で表されるアクリレート誘導体から誘導される繰り返し単位の含有量は、アーム部全繰り返し単位中0乃至99モル%であり、好ましくは0乃至90モル%、更に好ましくは0乃至70モル%である。
本発明のポリマーのアーム部を構成するポリマー(アームポリマー)鎖の数平均分子量Mnは、GPC法(ポリスチレン換算)により、好ましくは1,000乃至300,000、より好ましくは1,000乃至100,000、更に好ましくは2,000乃至20,000の範囲である。
またこのとき、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は、1.01乃至3.00の範囲にあることが好ましく、より好ましくは1.01乃至2.00、更に好ましくは1.01乃至1.50の範囲にあることが望ましい。
本発明のポリマーの製造方法としては特に限定はされないが、例えば、アニオン重合開始剤の存在下、式(I)で表されるヒドロキシスチレン誘導体化合物をアニオン重合し、所望によりさらにアニオン重合可能なモノマー(例えば式(IV)で表されるアクリレート誘導体など)を反応させてアーム部を形成し、次に、コア部となる上記式(1)で表されるアニオン重合用カップリング剤と反応させてポリマーを形成し、得られた共重合体からフェノール性ヒドロキシ基等の保護基を全部または一部脱離させる方法が、反応の制御が容易であり、構造を制御したポリマーを製造することができるため望ましい。
上記アニオン重合法に用いられるアニオン重合開始剤としては、アルカリ金属又は有機アルカリ金属を例示することができ、アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム等を例示することができる。
有機アルカリ金属としては、上記アルカリ金属のアルキル化物、アリル化物、アリール化物等を例示することができ、具体的には、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、エチルナトリウム、リチウムビフェニル、リチウムナフタレン、リチウムトリフェニル、ナトリウムナフタレン、α−メチルスチレンナトリウムジアニオン、1,1−ジフェニルヘキシルリチウム、1,1−ジフェニル−3−メチルペンチルリチウム等を挙げることができる。
上述の方法において、アーム部のポリマーを合成する重合反応としては、モノマー(混合)溶液中にアニオン重合開始剤を滴下する方法や、アニオン重合開始剤を含む溶液にモノマー(混合)液を滴下する方法のいずれの方法でも行うことができるが、分子量及び分子量分布を制御することができることから、アニオン重合開始剤を含む溶液にモノマー(混合)液を滴下する方法が好ましい。
上記アーム部のポリマーの重合反応は、通常、窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下、有機溶媒中において、−100乃至50℃、好ましくは−100乃至40℃の範囲の温度下で行われる。
上記アームポリマーの合成反応に用いられる有機溶媒としては、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、シクロペンタン等の脂環族炭化水素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン等のエーテル類の他、アニソール、ヘキサメチルホスホルアミド等のアニオン重合において通常使用される有機溶媒を挙げることができ、これらは一種単独溶
媒又は二種以上の混合溶媒として使用することができる。これらのうち、トルエン、n−ヘキサン、THFを好ましい溶媒として例示することができる。
アーム部のポリマーが共重合体である場合、ランダム共重合体、部分ブロック共重合体、完全ブロック共重合体のいずれの重合形態も可能である。これらは、重合に用いるモノマーの添加方法を選択することにより、適宜合成することができる。
このようにして得られたアーム部をコア部に連結させることによりポリマーを生成させる反応は、アーム部の重合反応終了後、反応液中ヘさらに上記式(1)で表されるアニオン重合用カップリング剤を添加することにより行うことができる。
この反応は通常、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で、有機溶媒中において−100℃乃至50℃、好ましくは−70℃乃至40℃の温度で重合反応を行うことにより構造が制御され、且つ分子量分布の狭い重合体を得ることができる。
また、かかるポリマーの生成反応は、アーム部を形成させるのに用いた溶媒中で連続して行うこともできる他、溶媒を添加して組成を変更して、又は溶媒を別の溶媒に置換して行うこともできる。ここで使用され得る溶媒としては、アーム部の合成反応に用いられる溶媒と同様の溶媒を用いることができる。
上述の方法にて生成するポリマーの重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.01乃至3.00の範囲にあることが好ましく、1.01乃至2.00、さらには1.01乃至1.50の範囲が好ましい。生成するポリマーの数平均分子量は、1,000乃至1,000,000であるのが好ましく、より好ましくは3,000乃至1,000,000、更に好ましくは4,000乃至500,000の範囲である。
このようにして得られた共重合体からフェノール性ヒドロキシ基等の保護基を除去する反応は、前記重合反応で例示した溶媒の他、メタノール、エタノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブなどの多価アルコール誘導体類、または水などの一種単独または二種以上の混合溶媒の存在下、塩酸、硫酸、シュウ酸、塩化水素ガス、臭化水素酸、p−トルエンスルホン酸、1,1,1−トリフルオロ酢酸、LiHSO4、NaHSO4又はKHSO4で示される重硫
酸塩などの酸性試剤を触媒として、室温乃至150℃の温度で行われる。この反応において、溶媒の種類と濃度、触媒の種類と添加量、および反応温度と反応時間を適当に組み合わせることにより、フェノール性水酸基の保護基を全部または一部除去することができる。
また、本発明のポリマーのアーム部に式(IV)で表されるアクリレート誘導体から誘導される繰り返し単位が含まれる場合、当該繰り返し単位のエステル基を加水分解することによりカルボキシル基に誘導することができる。加水分解は、当該技術分野において知られた方法で行うことができ、例えば、上述の保護基を除去するための条件と同様の条件による酸加水分解により行うことができる。好ましくは、当該エステル基の加水分解は、フェノール性水酸基の除去と同時に行われる。このようにして得られるアクリル酸系の繰り返し単位を分子内に有するポリマーは、高いアルカリ溶解性を有するためレジスト材料として特に好ましい。
以上の製造方法により得られる本発明のポリマーは、特に精製することなく利用することもできるが、必要であれば精製してもよい。当該精製は、当該技術分野において通常用いられる方法により行うことができるが、例えば、分別再沈法により行うことができる。分別再沈法においては、ポリマー溶解性の高い溶媒と低い溶媒の混合溶媒を用いて再沈を行うのが好ましく、例えば、混合溶媒中で本発明のポリマーを加熱溶解し冷却する方法や
、ポリマー溶解性の高い溶媒に本発明のポリマーを溶解した後にポリマー溶解性の低い溶媒を添加して該ポリマーを析出させることにより、生成物の精製を行うことができる。
以下、本発明を実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は下記実施例によりなんら制限を受けるものではない。
[製造例1:酸分解型アニオン重合用カップリング剤(I)の合成]
窒素雰囲気下において、パラホルムアルデヒド2.4g、2−ブロモエタノール40.0gに硫酸0.8gを加え、撹拌下100℃にて3時間保持した。
その後、反応混合物を室温に冷却し、トリエチルアミンにて反応混合物を中和した後、反応混合物にクロロホルムを加え、有機層をイオン交換水で3回洗浄した。
その後、有機層に無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥し、続いて減圧下にて濃縮を行った後、濃縮混合物をさらに減圧蒸留することにより、酸分解型アニオン重合用カップリング剤(I)であるホルムアルデヒドビス(2−ブロモエチル)アセタール12.2g(収率:58%)を得た。
[実施例1−1:アーム部(ポリマー鎖)の合成 及び 酸分解型ポリマーの合成]
窒素雰囲気下において、テトラヒドロフラン(以下、THFとする)425.0gを−60℃に冷却した。撹拌下、−60℃を維持しながらs−ブチルリチウムを20mmol加え、続いてp−エトキシエトキシスチレン(以下、PEESとする)75.0gを40分かけて滴下し、さらに反応を1時間継続した。
この段階で反応系から反応液を少量採取し、メタノールにより反応を停止後、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと称する)により分析を行ったところ、得られたPEESポリマーはポリスチレン換算でMn=3500、Mw/Mn=1.08の単分散ポリマーであった。
次いで、反応系を−60℃に保持したまま、製造例1で得たホルムアルデヒドビス(2−ブロモエチル)アセタール3.0gを10分かけて滴下し、さらに反応を1時間継続した。
その後、反応系にメタノールを加えて反応を停止させた後、GPCによる分析を行い、ポリスチレン換算でMn=5900、Mw/Mn=1.09の単分散ポリマーを得た。
[実施例1−2:PEESの加水分解(保護基の除去)]
上記[実施例1−1]で得られた重合液にメチルイソブチルケトン(以下、MIBKと称する)を加え、有機層をイオン交換水で2回洗浄した後、有機層を減圧下、濃縮操作によりポリマー分20質量%となるプロピレングリコールモノメチルエーテル(以下、PGMEと称する)溶液で置換した。
この溶液の100質量部に対して、1質量部のシュウ酸2水和物と3質量部のイオン交換水を加えて50℃に加熱した。撹拌下、50℃を保ちながらさらに反応を2時間継続した。
この反応において、反応前後のポリマーの13C−NMRを測定し、結果を比較した。反応後、117ppm付近に観測されたPEESポリマー由来の吸収は消失し、新たに115ppm付近にp−ヒドロキシスチレン由来の吸収が観測された。
また反応後のポリマーについてGPCを測定したところ、ポリスチレン換算でMn=3000、Mw/Mn=1.17の単分散ポリマーが得られ、反応前後でGPCのピーク形状に変化は見られなかった。
以上の結果より、加水分解反応がPEESのエトキシ基において進行し、p−ヒドロキシスチレン(以下、PHSと称する)セグメントをアーム部の主骨格とするアルケニルフェノール形ポリマーが得られ、ポリマーのコア部に導入されている−O−CH2−O−結
合は保持されていることを確認した。
次いで、この反応系にMIBKを加え、有機層をイオン交換水で3回洗浄した。その後、有機層を減圧下で濃縮し、イソプロパノール(以下、IPAと称する)にて希釈し、大量のイオン交換水に投入してポリマーを析出させた。
ろ過後、40℃で100時間減圧乾燥を行い、白色粉末状のポリマー41.9g(収率:89%)を得た。
<酸分解性試験及び熱安定性試験>
上記[実施例1−2]で得られたポリマーの酸分解性及び熱安定性を以下の手順に従って試験した。
上記実施例にて得られたポリマーを用いて5.0質量%のTHF溶液を調製した後、ポリマーに対して(±)−カンファースルホン酸(以下CSと称する)2部量を含む試料、及びCSを含まない試料をそれぞれ調製し、130℃、5分間加熱した。
加熱前後の各試料をGPCを用いて分析した。
上記実施例にて得られたポリマーは、CSの存在により、加熱前の段階で既にアームポリマーに分解されており、酸により一部生じた高分子量ポリマーも含めて、加熱5分後には、良好にアームポリマーへ分解されることが確認された。分解後のポリマーについてGPC測定を行ったところ、ポリスチレン換算でMn=1700、Mw/Mn=1.22であった。
[実施例1−3:メトキシアダマンチル基の導入]
窒素雰囲気下において、上記[実施例1−2]で得たポリマー30.0gをTHF270.0gにて溶解した。その後、60%水素化ナトリウムを2.6g加え、撹拌下、室温で1時間保持した。その後、2−クロロメトキシアダマンタン12.5gを1時間かけて滴下し、さらに室温で反応を20時間継続した。
反応系にイオン交換水を加えて反応を停止させた後、反応液に酢酸エチルを加え、有機層をシュウ酸水溶液で洗浄し、さらにイオン交換水による洗浄を3回行った。
その後、有機層を減圧下、濃縮操作によりプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMEAと称する)溶液で置換した。
得られたポリマーを13C−NMRによる測定を行ったところ、新たにPHSにメトキシアダマンチル基が導入されたユニット(以下、PHS−MOAdと称する)に由来する吸収が82ppm付近、93ppm付近、並びに116ppm付近に観測された。
また、PHSユニットとPHS−MOAdの割合は75/25であった。
さらに、反応後のポリマーについてGPC測定を行ったところ、ポリスチレン換算でMn=3900、Mw/Mn=1.21の単分散ポリマーであるとする結果が得られ、アダマンチル基導入前後においてGPCピーク形状に変化は見られなかった。
以上の結果より、PHS/PHS−MOAdセグメントをアーム部の主骨格とするアルケニルフェノール形ポリマーが得られ、ポリマーのコア部に導入されているアセタール結合は保持されていることを確認した。
上記実施例[1−3]で得られたポリマー(以降、ポリマー(A)−1と称する)の構造を以下に示す。下記化学式中、( )の右下に付した符号は、当該ポリマー(A)−1のアーム部であるポリマー鎖を構成する全構成単位の合計に対する各構成単位の割合(モル%;組成比)を示し、カーボンNMRによりそれぞれ算出した。
Figure 2008248147
[(a11+a12)/(a21+a22)=75/25(モル比);Mn=3900,Mw/Mn=1.21]
[比較製造例1:ポリマー(A)−2の製造]
窒素導入口、撹拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEAを入れ、撹拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。次に、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)と、下記化学式で示されるモノマー(1)/モノマー(2)=3/1(モル比)とを仕込んだ単量体PGMEA溶液を、滴下装置を用い、一定速度で6時間かけてフラスコ中へ滴下し、その後、80℃で1時間保持した。その後、反応溶液を室温に戻した。次いで、得られた反応溶液を、約30倍量のメタノール中に撹拌しながら滴下し、無色の析出物の沈殿を得た。得られた沈殿を濾別し、該沈殿を、重合に使用した単量体に対して約30倍量のメタノール中で洗浄した。そして、この沈殿を濾別し、THFに溶解したのち、該溶解液に80質量%ヒドラジン水溶液を滴下し、25℃で1時間撹拌した。反応終了後、大量の水中に滴下して析出物を得た。該析出物を濾別、洗浄、及び減圧下、50℃で約40時間乾燥することにより、ポリマー(A)−2を得た。
GPCにより分析を行ったところ、得られたポリマー(A)−2は、ポリスチレン換算でMn=7000、Mw/Mn=1.7であることを確認した。また、カーボンNMRにより組成比(モル比)を算出した。
Figure 2008248147
以上の比較製造例1により製造されたポリマー(A)−2の構造を以下に示す。
Figure 2008248147
[a13/a23=75/25(モル比)]
[比較製造例2:ポリマー(A)−3の製造]
10gのポリ−4−ヒドロキシスチレン(Mw=4000,Mw/Mn=1.1)を100 mlのTHFに溶解させ、0.92gの水素化ナトリウムを添加した。その溶液に
4.37gのアダマントキシメチルクロリドを添加し、室温にて20時間、攪拌した。攪拌後、水を添加して反応を止め、濃縮した。その後、400mlの水で希釈し、100mlの酢酸エチルで3回抽出し、塩酸、飽和NaHCO3水溶液、飽和NaCl水溶液で洗
浄した。得られた溶液を濃縮し、酢酸エチル−nヘプタン系にて再沈殿精製を行い、乾燥させ、白色固体を得た。GPCにより分析を行ったところ、得られたポリマー(A)−3は、ポリスチレン換算でMn=4200、Mw/Mn=1.1であることを確認した。また、カーボンNMR、プロトンNMRにより組成比(モル比)を算出した。
以上の比較製造例2により製造されたポリマー(A)−3の構造を以下に示す。
Figure 2008248147
[a14/a24=75/25(モル比)]
<ポジ型レジスト組成物の調製:化学増幅型レジスト材料としての評価>
次の表1に示す組成に従い、上記実施例1−3、比較製造例1及び2で得られたポリマー(A)−1乃至(A)−3(ベース樹脂)、(B)成分(酸発生剤)、(D)成分(含窒素有機化合物)、(E)成分(有機カルボン酸)及び(S)成分(有機溶剤)を所定の割合で混合、溶解し、実施例2及び比較例1及び2のポジ型レジスト組成物を調製した。
Figure 2008248147
[感度・解像性]
得られたポジ型レジスト組成物を用いて解像性の評価を行った。
各例のポジ型レジスト組成物を、90℃にて36秒間のヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理を施した8インチシリコン基板上にスピンナーを用いて均一にそれぞれ塗布し、表2に示す温度にて90秒間ベーク処理(PAB)を行ってレジスト膜(膜厚100nm)を成膜した。
該レジスト膜に対し、電子線描画機HL−800D(VSB)(Hitachi社製)を用い、加速電圧70kVにて描画(露光)を行い、表2に示す温度にて90秒間のベーク処理(PEB)を行い、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)の2.38質量%水溶液(23℃)を用いて60秒間の現像を行った後、純水にて15秒間リンスして、ラインアンドスペース(L/S)パターンを形成した。
このとき、100nmのL/Sパターンが1:1に形成される露光量(Eop;μC/cm2)を求めた。結果を表2に示す。
上記Eopにおける限界解像度(nm)を、走査型電子顕微鏡S−9220(Hitachi社製)を用いて求めた。その結果を「解像性」として表2に示す。
Figure 2008248147
表2の結果から、本発明のアニオン重合用カップリング剤より得られたポリマーをベース樹脂として含有する実施例2のポジ型レジスト組成物は、比較例1及び2のポジ型レジ
スト組成物に比べて、解像性に優れることが確認できた。

Claims (5)

  1. 式(1)
    Z−Y−X−Y'−Z' ・・・(1)
    (式中、Xは酸の作用により解裂され得る下記式(4)乃至(7)
    Figure 2008248147
    (上記式中、R4、R5、R6及びR7それぞれ独立して水素原子、又はハロゲン原子またはエポキシ基で置換されていてもよい炭素原子数1乃至12の直鎖状、分枝状又は環状アルキル基、またはアリール基を表す。R8は直接結合又はハロゲン原子若しくはエポキシ基
    で置換されていてもよい炭素原子数1乃至12の直鎖状、分枝状又は環状アルキル基、またはアリール基を表す。)
    で表される結合基を表し、Y及びY'はそれぞれ独立して炭素原子数1乃至12のアルキ
    レン基を表し、Z及びZ'はそれぞれ独立してハロゲン原子又は式(3)
    Figure 2008248147
    (式中、R1、R2、R3は水素原子又はメチル基を表す。)で表されるエポキシ基を表す
    。)、
    で表されるアニオン重合用カップリング剤から誘導されるコア部に、アニオン重合法によって得られるポリマー鎖からなるアーム部を付加した構造を有するポリマー。
  2. 前記式(1)中、Z及び/又はZ’が塩素原子である場合、それに結合するY及び/又はY’はメチレン基を表すことを特徴とする、請求項1記載のポリマー。
  3. 前記式(1)中、Z及び/又はZ’が臭素原子である場合、それに結合するY及び/又はY’は炭素原子数1乃至4のアルキレン基を表すことを特徴とする、請求項1記載のポリマー。
  4. 前記アニオン重合法により得られるポリマー鎖からなるアーム部が、ヒドロキシスチレン誘導体から誘導される繰り返し単位を含むことを特徴とする、請求項1乃至3記載のポリマー。
  5. 請求項1記載の前記式(1)で表されるアニオン重合用カップリング剤。
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