JP2008248147A - 新規ポリマーおよびアニオン重合用カップリング剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ハロゲン化物由来の有機基を含む化合物からなるアニオン重合用カップリング剤から誘導されるコア部に、アニオン重合法によって得られるポリマー鎖からなるアーム部を付加した構造を有するポリマー及び該アニオン重合用カップリング剤。
【選択図】 なし
Description
本発明のポリマーは、エキシマレーザー、EUVおよび電子線用レジスト材料としての利用が期待される化合物である。
また本発明は、新規ポリマーの合成に用いるアニオン重合用カップリング剤に関する。
Z−Y−X−Y'−Z' ・・・(1)
(式中、Xは酸の作用により解裂され得る下記式(4)乃至(7)
で置換されていてもよい炭素原子数1乃至12の直鎖状、分枝状又は環状アルキル基、またはアリール基を表す。)
で表される結合基を表し、Y及びY'はそれぞれ独立して炭素原子数1乃至12のアルキ
レン基を表し、Z及びZ'はそれぞれ独立してハロゲン原子又は式(3)
。)、
で表されるアニオン重合用カップリング剤から誘導されるコア部に、アニオン重合法によって得られるポリマー鎖からなるアーム部を付加した構造を有するポリマーに関する。
また前記式(1)中、Z及び/又はZ’が臭素原子である場合、それに結合するY及び/又はY’は炭素原子数1乃至4のアルキレン基を表すことが望ましい。
また、前記アニオン重合法により得られるポリマー鎖からなるアーム部が、ヒドロキシスチレン誘導体から誘導される繰り返し単位を含むことが望ましい。
また本発明の新規なアニオン重合用カップリング剤は、アーム部となるポリマー鎖との反応も良好であり、本発明のポリマーを容易に得ることができる。
また、本発明は上記アニオン重合用カップリング剤にも関する。
以下、本発明のポリマーにおけるコア部(アニオン重合用カップリング剤)及びアーム部について夫々説明する。
(式中、Xは酸の作用により解裂され得る結合基を表し、Y及びY'はそれぞれ独立して
炭素原子数1乃至12のアルキレン基を表し、Z及びZ'はそれぞれ独立してハロゲン原
子又は式(3)で表されるエポキシ基を表す。)
なお、下記式で表される解裂され得る結合基のうち、好ましくは式(4)および(6)で表される結合基であり、最も好ましくは式(4)で表される結合基である。
キル基、またはアリール基を表す。R8はなくてもよく、ある場合にはハロゲン原子また
はエポキシ基で置換されていてもよい炭素原子数1乃至12の直鎖状、分枝状又は環状アルキル基、またはアリール基を表す。)
このとき、Z及び/又はZ’が塩素原子を表す場合には、それに結合するY及びY’はメチレン基を表すことが望ましく、Z及び/又はZ’が臭素原子を表す場合には、それに結合するY及びY’は炭素原子数1乃至4のアルキレン基を表すことが望ましい。
表す。mは0乃至4の整数であり、mが2以上の時は、Rbは同一又は異なっていても良
く、m+n=1乃至5の整数であり、またその置換位置は特に制限されない。)
ここで保護基とは、当技術分野において、フェノール性水酸基の保護基として使用されることが周知である基であれば特に限定されない。
例えば、メトキシメチル基、2−メトキシエトキシメチル基、ビス(2−クロロエトキシ)メチル基、テトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、トリフェニルメチル基、トリメチルシリル基、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル基、t−ブチルジメチルシリル基、トリメチルシリルメチル基、t−ブチル基、t−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニルメチル基、2−メチル−2−t−ブトキシカルボニルメチル基等が挙げられ、さらに、下記に示す置換基を挙げることができる。
子数5乃至10のシクロアルキル基、又は炭素原子数6乃至20の無置換またはアルコキシ置換のアリール基を表し、Rlは、水素または炭素原子数1乃至3のアルキル基を表し
、Rmは水素、炭素原子数1乃至6のアルキル基、又は炭素原子数1乃至6のアルコキシ
基をあらわす。)で表される基を例示することができる。
このような置換基として、具体的には1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−メトキシプロピル基、1−メチル−1−メトキシエチル基、1−(イソプロポキシ)エチル基等を例示することができる。
れない。)
0乃至4の整数であり、yが2以上の時は、Rgは同一又は異なっていても良く、y+z
=1乃至5の整数であり、またそれらの置換位置は特に制限されない。)
として使用されることが周知である基であれば特に限定されない。
例えば、メトキシメチル基、2−メトキシエトキシメチル基、ビス(2−クロロエトキシ)メチル基、テトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、トリフェニルメチル基、トリメチルシリル基、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル基、t−ブチルジメチルシリル基、トリメチルシリルメチル基、t−ブチル基、t−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニルメチル基、2−メチル−2−t−ブトキシカルボニルメチル基等が挙げられ、さらに、下記に示す置換基を挙げることができる。
子数5乃至10のシクロアルキル基、又は炭素原子数6乃至20の無置換またはアルコキシ置換のアリール基を表し、Rlは、水素または炭素原子数1乃至3のアルキル基を表し
、Rmは水素、炭素原子数1乃至6のアルキル基、又は炭素原子数1乃至6のアルコキシ
基をあらわす。)で表される基を例示することができる。
このような置換基として、具体的には1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−メトキシプロピル基、1−メチル−1−メトキシエチル基、1−(イソプロポキシ)エチル基等を例示することができる。
また、式中、Reで表される基は具体的にはメチル基、エチル基、イソプロピル基、t
−ブチル基等を例示することができる。
xは好ましくは0である。
る。
また式中、Rgで表される基は具体的にはメチル基、エチル基、イソプロピル基、t−
ブチル基等を例示することができる。
また式中、Rjで表される基は、具体的には水素原子、メチル基、エチル基、n−プロ
ピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、メトキシメチル基、2−メトキシエトキシメチル基、ビス(2−クロロエトキシ)メチル基、テトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル機、トリフェニルメチル基、トリメチルシリル基、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル基、t−ブチルジメチルシリル基、トリメチルシリルメチル基などが挙げられる。
例として挙げることができる。
夫々独立してヒドロキシ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、炭素原子数1乃至6のアルキル基、炭素原子数3乃至8のシクロアルキル基、炭素原子数2乃至7のアルケニル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、およびアシル基から選択される基を表す。p、q、rはそれぞれ独立して0及び1乃至3の整数から選択され、p、q又はrが2以上の場合、RO同士、Rp同士及びRq同士は夫々同一又は異なっていてもよい。)
[アクリル酸エステル類]
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−t−オクチル、クロルエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2,2−ジメチル−3−エトキシプロピルアクリレート、5−エトキシペンチルアクリレート、1−メトキシエチルアクリレート、1−エトキシエチルアクリレート、1−メトキシプロピルアクリレート、1−メチル−1−メトキシエチルアクリレート、1−(イソプロポキシ)エチルアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレートなど;、[メタクリル酸エステル類]
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、アミルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、クロルベンジルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、4−メトキシブチルメタクリレート、5−メトキシペンチルメタクリレート、2,2−ジメチル−3−エトキシプロピルメタクリレート、1−メトキシエチルメタクリレート、1−エトキシエチルメタクリレート、1−メトキシプロピルメタクリレート、1−メチル−1−メトキシエチルメタクリレート、1−(イソプロポキシ)エチルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレートなど;
[クロトン酸エステル類]
クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、クロトン酸プロピル、クロトン酸アミル、クロトン酸シクロヘキシル、クロトン酸エチルヘキシル、クロトン酸オクチル、クロトン酸−t−オクチル、クロルエチルクロトネート、2−エトキシエチルクロトネート、2,2−ジメチル−3−エトキシプロピルクロトネート、5−エトキシペンチルクロトネート、1−メトキシエチルクロトネート、1−エトキシエチルクロトネート、1−メトキシプロピルクロトネート、1−メチル−1−メトキシエチルクロトネート、1−(イソプロポキシ)エチルクロトネート、ベンジルクロトネート、メトキシベンジルクロトネート、フルフリルクロトネート、テトラヒドロフルフリルクロトネートなど;および
[イタコン酸エステル類]
イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジプロピル、イタコン酸ジアミル、イタコン酸ジシクロヘキシル、イタコン酸ビス(エチルヘキシル)、イタコン酸ジオクチル、イタコン酸−ジ−t−オクチル、ビス(クロルエチル)イタコネート、ビス(2−エトキシエチル)イタコネート、ビス(2,2−ジメチル−3−エトキシプロピル)イタコネート、ビス(5−エトキシペンチル)イタコネート、ビス(1−メトキシエチル)イタコネート、ビス(1−エトキシエチル)イタコネート、ビス(1−メトキシプロピル)イタコネート、ビス(1−メチル−1−メトキシエチル)イタコネート、ビス(1−(イソプロポキシ)エチル)イタコネート、ジベンジルイタコネート、ビス(メトキシベンジル)イタコネート、ジフルフリルイタコネート、ジテトラヒドロフルフリルイタコネートなど。
用割合によって任意に選択することができる。
例えば、式(I)で表されるヒドロキシスチレン誘導体から誘導される繰り返し単位の含有量は、アーム部全繰り返し単位中1乃至100モル%であり、好ましくは10乃至100モル、さらに好ましくは30乃至100モル%である。
また、式(II)で表されるスチレン誘導体から誘導される繰り返し単位の含有量、式(III)で表されるビニル安息香酸誘導体から誘導される繰り返し単位の含有量、又は式(IV)で表されるアクリレート誘導体から誘導される繰り返し単位の含有量は、アーム部全繰り返し単位中0乃至99モル%であり、好ましくは0乃至90モル%、更に好ましくは0乃至70モル%である。
またこのとき、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は、1.01乃至3.00の範囲にあることが好ましく、より好ましくは1.01乃至2.00、更に好ましくは1.01乃至1.50の範囲にあることが望ましい。
有機アルカリ金属としては、上記アルカリ金属のアルキル化物、アリル化物、アリール化物等を例示することができ、具体的には、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、エチルナトリウム、リチウムビフェニル、リチウムナフタレン、リチウムトリフェニル、ナトリウムナフタレン、α−メチルスチレンナトリウムジアニオン、1,1−ジフェニルヘキシルリチウム、1,1−ジフェニル−3−メチルペンチルリチウム等を挙げることができる。
上記アーム部のポリマーの重合反応は、通常、窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下、有機溶媒中において、−100乃至50℃、好ましくは−100乃至40℃の範囲の温度下で行われる。
媒又は二種以上の混合溶媒として使用することができる。これらのうち、トルエン、n−ヘキサン、THFを好ましい溶媒として例示することができる。
この反応は通常、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で、有機溶媒中において−100℃乃至50℃、好ましくは−70℃乃至40℃の温度で重合反応を行うことにより構造が制御され、且つ分子量分布の狭い重合体を得ることができる。
また、かかるポリマーの生成反応は、アーム部を形成させるのに用いた溶媒中で連続して行うこともできる他、溶媒を添加して組成を変更して、又は溶媒を別の溶媒に置換して行うこともできる。ここで使用され得る溶媒としては、アーム部の合成反応に用いられる溶媒と同様の溶媒を用いることができる。
酸塩などの酸性試剤を触媒として、室温乃至150℃の温度で行われる。この反応において、溶媒の種類と濃度、触媒の種類と添加量、および反応温度と反応時間を適当に組み合わせることにより、フェノール性水酸基の保護基を全部または一部除去することができる。
、ポリマー溶解性の高い溶媒に本発明のポリマーを溶解した後にポリマー溶解性の低い溶媒を添加して該ポリマーを析出させることにより、生成物の精製を行うことができる。
窒素雰囲気下において、パラホルムアルデヒド2.4g、2−ブロモエタノール40.0gに硫酸0.8gを加え、撹拌下100℃にて3時間保持した。
その後、反応混合物を室温に冷却し、トリエチルアミンにて反応混合物を中和した後、反応混合物にクロロホルムを加え、有機層をイオン交換水で3回洗浄した。
その後、有機層に無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥し、続いて減圧下にて濃縮を行った後、濃縮混合物をさらに減圧蒸留することにより、酸分解型アニオン重合用カップリング剤(I)であるホルムアルデヒドビス(2−ブロモエチル)アセタール12.2g(収率:58%)を得た。
窒素雰囲気下において、テトラヒドロフラン(以下、THFとする)425.0gを−60℃に冷却した。撹拌下、−60℃を維持しながらs−ブチルリチウムを20mmol加え、続いてp−エトキシエトキシスチレン(以下、PEESとする)75.0gを40分かけて滴下し、さらに反応を1時間継続した。
この段階で反応系から反応液を少量採取し、メタノールにより反応を停止後、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと称する)により分析を行ったところ、得られたPEESポリマーはポリスチレン換算でMn=3500、Mw/Mn=1.08の単分散ポリマーであった。
次いで、反応系を−60℃に保持したまま、製造例1で得たホルムアルデヒドビス(2−ブロモエチル)アセタール3.0gを10分かけて滴下し、さらに反応を1時間継続した。
その後、反応系にメタノールを加えて反応を停止させた後、GPCによる分析を行い、ポリスチレン換算でMn=5900、Mw/Mn=1.09の単分散ポリマーを得た。
上記[実施例1−1]で得られた重合液にメチルイソブチルケトン(以下、MIBKと称する)を加え、有機層をイオン交換水で2回洗浄した後、有機層を減圧下、濃縮操作によりポリマー分20質量%となるプロピレングリコールモノメチルエーテル(以下、PGMEと称する)溶液で置換した。
この溶液の100質量部に対して、1質量部のシュウ酸2水和物と3質量部のイオン交換水を加えて50℃に加熱した。撹拌下、50℃を保ちながらさらに反応を2時間継続した。
この反応において、反応前後のポリマーの13C−NMRを測定し、結果を比較した。反応後、117ppm付近に観測されたPEESポリマー由来の吸収は消失し、新たに115ppm付近にp−ヒドロキシスチレン由来の吸収が観測された。
また反応後のポリマーについてGPCを測定したところ、ポリスチレン換算でMn=3000、Mw/Mn=1.17の単分散ポリマーが得られ、反応前後でGPCのピーク形状に変化は見られなかった。
以上の結果より、加水分解反応がPEESのエトキシ基において進行し、p−ヒドロキシスチレン(以下、PHSと称する)セグメントをアーム部の主骨格とするアルケニルフェノール形ポリマーが得られ、ポリマーのコア部に導入されている−O−CH2−O−結
合は保持されていることを確認した。
次いで、この反応系にMIBKを加え、有機層をイオン交換水で3回洗浄した。その後、有機層を減圧下で濃縮し、イソプロパノール(以下、IPAと称する)にて希釈し、大量のイオン交換水に投入してポリマーを析出させた。
ろ過後、40℃で100時間減圧乾燥を行い、白色粉末状のポリマー41.9g(収率:89%)を得た。
上記[実施例1−2]で得られたポリマーの酸分解性及び熱安定性を以下の手順に従って試験した。
上記実施例にて得られたポリマーを用いて5.0質量%のTHF溶液を調製した後、ポリマーに対して(±)−カンファースルホン酸(以下CSと称する)2部量を含む試料、及びCSを含まない試料をそれぞれ調製し、130℃、5分間加熱した。
加熱前後の各試料をGPCを用いて分析した。
窒素雰囲気下において、上記[実施例1−2]で得たポリマー30.0gをTHF270.0gにて溶解した。その後、60%水素化ナトリウムを2.6g加え、撹拌下、室温で1時間保持した。その後、2−クロロメトキシアダマンタン12.5gを1時間かけて滴下し、さらに室温で反応を20時間継続した。
反応系にイオン交換水を加えて反応を停止させた後、反応液に酢酸エチルを加え、有機層をシュウ酸水溶液で洗浄し、さらにイオン交換水による洗浄を3回行った。
その後、有機層を減圧下、濃縮操作によりプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMEAと称する)溶液で置換した。
得られたポリマーを13C−NMRによる測定を行ったところ、新たにPHSにメトキシアダマンチル基が導入されたユニット(以下、PHS−MOAdと称する)に由来する吸収が82ppm付近、93ppm付近、並びに116ppm付近に観測された。
また、PHSユニットとPHS−MOAdの割合は75/25であった。
さらに、反応後のポリマーについてGPC測定を行ったところ、ポリスチレン換算でMn=3900、Mw/Mn=1.21の単分散ポリマーであるとする結果が得られ、アダマンチル基導入前後においてGPCピーク形状に変化は見られなかった。
以上の結果より、PHS/PHS−MOAdセグメントをアーム部の主骨格とするアルケニルフェノール形ポリマーが得られ、ポリマーのコア部に導入されているアセタール結合は保持されていることを確認した。
窒素導入口、撹拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEAを入れ、撹拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。次に、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)と、下記化学式で示されるモノマー(1)/モノマー(2)=3/1(モル比)とを仕込んだ単量体PGMEA溶液を、滴下装置を用い、一定速度で6時間かけてフラスコ中へ滴下し、その後、80℃で1時間保持した。その後、反応溶液を室温に戻した。次いで、得られた反応溶液を、約30倍量のメタノール中に撹拌しながら滴下し、無色の析出物の沈殿を得た。得られた沈殿を濾別し、該沈殿を、重合に使用した単量体に対して約30倍量のメタノール中で洗浄した。そして、この沈殿を濾別し、THFに溶解したのち、該溶解液に80質量%ヒドラジン水溶液を滴下し、25℃で1時間撹拌した。反応終了後、大量の水中に滴下して析出物を得た。該析出物を濾別、洗浄、及び減圧下、50℃で約40時間乾燥することにより、ポリマー(A)−2を得た。
GPCにより分析を行ったところ、得られたポリマー(A)−2は、ポリスチレン換算でMn=7000、Mw/Mn=1.7であることを確認した。また、カーボンNMRにより組成比(モル比)を算出した。
10gのポリ−4−ヒドロキシスチレン(Mw=4000,Mw/Mn=1.1)を100 mlのTHFに溶解させ、0.92gの水素化ナトリウムを添加した。その溶液に
4.37gのアダマントキシメチルクロリドを添加し、室温にて20時間、攪拌した。攪拌後、水を添加して反応を止め、濃縮した。その後、400mlの水で希釈し、100mlの酢酸エチルで3回抽出し、塩酸、飽和NaHCO3水溶液、飽和NaCl水溶液で洗
浄した。得られた溶液を濃縮し、酢酸エチル−nヘプタン系にて再沈殿精製を行い、乾燥させ、白色固体を得た。GPCにより分析を行ったところ、得られたポリマー(A)−3は、ポリスチレン換算でMn=4200、Mw/Mn=1.1であることを確認した。また、カーボンNMR、プロトンNMRにより組成比(モル比)を算出した。
次の表1に示す組成に従い、上記実施例1−3、比較製造例1及び2で得られたポリマー(A)−1乃至(A)−3(ベース樹脂)、(B)成分(酸発生剤)、(D)成分(含窒素有機化合物)、(E)成分(有機カルボン酸)及び(S)成分(有機溶剤)を所定の割合で混合、溶解し、実施例2及び比較例1及び2のポジ型レジスト組成物を調製した。
得られたポジ型レジスト組成物を用いて解像性の評価を行った。
各例のポジ型レジスト組成物を、90℃にて36秒間のヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理を施した8インチシリコン基板上にスピンナーを用いて均一にそれぞれ塗布し、表2に示す温度にて90秒間ベーク処理(PAB)を行ってレジスト膜(膜厚100nm)を成膜した。
該レジスト膜に対し、電子線描画機HL−800D(VSB)(Hitachi社製)を用い、加速電圧70kVにて描画(露光)を行い、表2に示す温度にて90秒間のベーク処理(PEB)を行い、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)の2.38質量%水溶液(23℃)を用いて60秒間の現像を行った後、純水にて15秒間リンスして、ラインアンドスペース(L/S)パターンを形成した。
このとき、100nmのL/Sパターンが1:1に形成される露光量(Eop;μC/cm2)を求めた。結果を表2に示す。
上記Eopにおける限界解像度(nm)を、走査型電子顕微鏡S−9220(Hitachi社製)を用いて求めた。その結果を「解像性」として表2に示す。
スト組成物に比べて、解像性に優れることが確認できた。
Claims (5)
- 式(1)
Z−Y−X−Y'−Z' ・・・(1)
(式中、Xは酸の作用により解裂され得る下記式(4)乃至(7)
で置換されていてもよい炭素原子数1乃至12の直鎖状、分枝状又は環状アルキル基、またはアリール基を表す。)
で表される結合基を表し、Y及びY'はそれぞれ独立して炭素原子数1乃至12のアルキ
レン基を表し、Z及びZ'はそれぞれ独立してハロゲン原子又は式(3)
。)、
で表されるアニオン重合用カップリング剤から誘導されるコア部に、アニオン重合法によって得られるポリマー鎖からなるアーム部を付加した構造を有するポリマー。 - 前記式(1)中、Z及び/又はZ’が塩素原子である場合、それに結合するY及び/又はY’はメチレン基を表すことを特徴とする、請求項1記載のポリマー。
- 前記式(1)中、Z及び/又はZ’が臭素原子である場合、それに結合するY及び/又はY’は炭素原子数1乃至4のアルキレン基を表すことを特徴とする、請求項1記載のポリマー。
- 前記アニオン重合法により得られるポリマー鎖からなるアーム部が、ヒドロキシスチレン誘導体から誘導される繰り返し単位を含むことを特徴とする、請求項1乃至3記載のポリマー。
- 請求項1記載の前記式(1)で表されるアニオン重合用カップリング剤。
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