JP3711550B2 - 狭分散アルケニルフェノール系共重合体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、狭分散アルケニルフェノール系共重合体に係り、更に詳しくは、数平均分子量が1,000〜50,000であり、数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)との比がMw/Mn=1.00〜1.50である狭分散アルケニルフェノール系共重合体、及びその製造方法に関する。本発明の共重合体は、エキシマレーザーレジスト材料としての利用が期待される。
【0002】
【従来の技術】
ポリp−ヒドロキシスチレンに代表されるアルケニルフェノールのホモポリマー、コポリマーは、化学増幅型・エキシマレーザーレジスト材料として有用な事が知られている。コポリマーの中で(メタ)アクリル酸エステル類とのコポリマーは、従来は、ビニルフェノールモノマーと(メタ)アクリル酸エステルモノマーとを熱重合させる事により製造されていた。
【0003】
LSIの高集積化は年々進んでおり、それと共にパターンの微細化が要求されている。微細加工には光露光によるフォトリソグラフィー技術が使われており、次世代の技術として、0.25μmルールを要求される256MbDRAMにはKrFエキシマレーザー光を使用するエキシマリソグラフィーが有望視されている。KrFエキシマレーザーレジストのベース樹脂としては、最近、ポリp−ヒドロキシスチレンのホモポリマーやスチレンとのコポリマーが使われ始めている。化学増幅型レジストの潜像形成反応は、酸発生反応(露光時)と触媒反応(post exposure baking−PEB時)の2段階になる事が特徴である。このため触媒酸の安定性が問題であり、露光からPEBまでのインターバルが長くなると、空気中の不純物の影響等によりT−トップを形成したり、パターン形成が不可能となる。従って、いわゆる環境安定型のレジストが必要となり、その有力なものとしてヒドロキシスチレンと、光酸発生剤(PAG)により分解してカルボン酸を生成し易い(メタ)アクリル酸エステル類、例えばアルキルメタクリレートとのコポリマーが注目されている。しかしながら、従来の前記コポリマーは、熱重合法で製造される為、必然的に未反応モノマーや低分子量体、又、各成分のホモポリマーを含む混合物の形で得られ、従って、設定通りの構造を有する狭分散の共重合体を得る事は不可能であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、単峰性で分子量分布が狭く、且つ、構造の制御された、アルケニルフェノールと、PAGにより容易に分解してカルボン酸を生成する(メタ)アクリル酸エステル類との共重合体、及びその製造方法を提供する事をその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意研究した結果、リビングアニオン重合法によりアルケニルフェノールのフェノール性水酸基を飽和脂肪族系保護基により保護した化合物を単独重合又はビニル芳香族化合物とを共重合した後、PAGにより容易に分解してカルボン酸を生成する(メタ)アクリル酸エステル類とブロック共重合を行い、更に特定の(メタ)アクリル酸エステルを共重合し、しかる後酸性試剤を作用させる事により飽和脂肪肪族系保護基のみが脱離して、分子量分布が狭く、且つ構造の制御されたアルケニルフェノールと前記(メタ)アクリル酸エステル類とのブロック共重合体が製造出来る事を見出し、本発明を完成した。
【0006】
即ち、本発明は、一般式(I)、一般式(II)及び一般式(III)
【0007】
【化7】
【0008】
【化8】
【0009】
【化9】
【0010】
(R1 、R2 、R3 は、各々独立に水素原子又はメチル基を表し、
R4 は、置換基を有してもよい炭素数が1〜12のアルキル基、もしくはヘテロ環基を表し、
R5 は、置換基を有してもよい炭素数が7〜15の脂環族基または、該脂環族基を有するアルキル基を表す。)
で表される構造単位からなり、数平均分子量が1,000〜50,000、数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)との比がMw/Mn=1.00〜1.50でかつ、一般式(I)の構造単位の繰り返しと〔一般式(II)の構造単位の繰り返し+一般式(III)の構造単位の繰り返し〕との比が1/9〜9/1である狭分散アルケニルフェノール系共重合体であり、ブロック共重合体である。
【0011】
また、アルカリ金属又は有機アルカリ金属を重合開始剤とするアニオン重合法により、一般式(IV)
【0012】
【化10】
【0013】
(R1 は、水素原子又はメチル基を表し、
R6 は、炭素数が1〜6のアルキル基を表す。)
で表されるフェノール残基の水酸基が飽和脂肪族系保護基により保護された化合物を単独重合あるいはビニル芳香族化合物とを共重合し、次いで一般式(V)
【0014】
【化11】
【0015】
(R2 は、各々独立に水素原子又はメチル基を表し、
R4 は、置換基を有してもよい炭素数が1〜12のアルキル基、またはヘテロ環基を表す。)
で表される(メタ)アクリル酸アルキルエステル類とブロック共重合を行い、次いで、一般式(VI)
【0016】
【化12】
【0017】
(R3 は、各々独立に水素原子又はメチル基を表し、
R5 は、置換基を有してもよい炭素数が7〜15の脂環族基または、該脂環族基を有するアルキル基を表す。)
で表される(メタ)アクリル酸エステル類と共重合を行った後、一般式(IV)の飽和脂肪族系保護基を脱離させることを特徴とする請求項1記載の狭分散アルケニルフェノール系ブロック共重合体の製造方法である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において用いる一般式(IV)で表される化合物としては、p−n−ブトキシスチレン、p−sec−ブトキシスチレン、p−tert−ブトキシスチレン、p−tert−ブトキシ−α−メチルスチレン、m−tert−ブトキシスチレン、m−tert−ブトキシ−α−メチルスチレン等が例示され、これらは一種単独又は2種以上の混合物として使用される。
【0019】
ビニル芳香族化合物としては、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ブチルスチレン等が挙げられ、これらは一種単独又は2種以上の混合物として使用される。
【0020】
一般式(V)で示される(メタ)アクリル酸エステルとしては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソデシルアクリレート、イソデシルメタクリレート、イソオクチルアクリレート、イソオクチルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート等が例示され、炭素数3〜7の脂環族基又はヘテロ環基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、テトラヒドロフラニルアクリレート、テトラヒドロフラニルメタクリレート、テトラヒドロピラニルアクリレート、テトラヒドロピラニルメタクリレート、3−オキソシクロヘキシルアクリレート、3−オキソシクロヘキシルメタクリレート等が例示され、これらは一種単独又は二種以上の混合物として使用される。
【0021】
一般式(VI)で示される(メタ)アクリル酸エステルとしては、1−アダマンチルアクリレート、1−アダマンチルメタクリレート、2−メチルー2−アダマンチルアクリレート、2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート、1−メチレンアダマンチルアクリレート、1−メチレンアダマンチルメタクリレート、1−エチレンアダマンチルアクリレート、1−エチレンアダマンチルメタクリレート、3,7−ジメチル−1−アダマンチルアクリレート、3,7−ジメチル−1−アダマンチルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、トリシクロデカニルアクリレート、トリシクロデカニルメタクリレート、ノルボルナンアクリレート、ノルボルナンメタクリレート、メンチルアクリレート、メンチルメタクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート等が例示され、これらは一種単独又は2種以上の混合物として使用される。
【0022】
本発明の共重合体の製造方法は、アルカリ金属又は有機アルカリ金属を重合開始剤として、前記一般式(IV)で示される化合物、要すればビニル芳香族化合物とを併用してアニオン重合を行い、次いで反応系に前記一般式(V)で示される化合物、前記一般式(VI)で示される化合物を逐次添加してブロック共重合が行われるが、この反応は通常、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下、有機溶媒中において、−100℃〜50℃の温度で行われる。
【0023】
重合開始剤のアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム等が例示され、有機アルカリ金属としては、前記アルカリ金属のアルキル、アリル化物及びアリール化物が使用可能である。これらの化合物として、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、エチルナトリウム、リチウムビフェニル、リチウムナフタレン、リチウムトリフェニル、ナトリウムビフェニル、ナトリウムナフタレン、ナトリウムトリフェニル、1,1−ジフェニルヘキシルリチウム、1,1−ジフェニル−3−メチルペンチルリチウム等が例示される。
【0024】
有機溶媒としては、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、シクロペンタン等の脂環族炭化水素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類の他アニソール、ヘキサメチルホスホルアミド等の通常アニオン重合において使用される有機溶媒の一種単独または2種以上の混合溶媒として使用される。
【0025】
得られた共重合体から飽和脂肪族系保護基を脱離させ、アルケニルフェノール骨格を生成せしめる反応は、前記重合反応で例示した溶媒の他、メタノール、エタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、エチルセロソルブ等のセロソルブ類、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類の存在下、塩酸、塩化水素ガス、硫酸、臭化水素酸、1,1,1−トリフロロ酢酸、p−トルエンスルホン酸等の酸性試剤を触媒として室温〜150℃の温度で反応を行う事が出来る。この反応において、前記一般式(V)で示される(メタ)アクリル酸エステルセグメントのエステル置換基は、前記一般式(VI)で示される(メタ)アクリル酸エステルセグメントのバルキーなエステル置換基の立体障害効果により加水分解を起こさず、前記一般式(IV)で示される化合物の飽和脂肪族系保護基のみが脱離される。その結果、本発明である狭分散且つ構造の制御されたアルケニルフェノール系共重合体が製造される。
【0026】
【実施例】
本発明を実施例、及び比較例により、更に詳細に説明する。但し、本発明の範囲は、下記実施例により何ら制限を受けるものではない。実施例中、mは、アルケニルフェノールの繰り返し単位の総数を、nは、一般式(V)で示される(メタ)アクリル酸エステルが重合した繰り返し単位の総数を、また、pは、一般式(VI)で示される(メタ)アクリル酸エステルが重合した繰り返し単位の総数を示す。
【0027】
実施例1
窒素雰囲気下において、テトラヒドロフラン(以下、THFと略す) 1500g中に、n−ブチルリチウム(以下、NBLと略す)35ミリモルを加え、攪拌下、−40℃に保持しながら、p−tert−ブトキシスチレン(以下、PTBSTと略す)1.03モルを1時間かけて滴下、更に反応を1時間継続し、ガスクロマトグラフィー(以下、GCと略す)により反応完結を確認した。この段階で反応系から少量を採取し、メタノールにより反応を停止させた液についてゲルパーミィエイションクロマトグラフィー(以下、GPCと略す)により分析した所、PTBSTポリマーは、Mn=5200、Mw/Mn=1.08の単分散ポリマーであった。
次いで、反応系に、tert−ブチルメタクリレート(以下、t−BMAと略す)1モルを1時間かけて滴下、更に反応を1時間継続して、GCにより反応完結を確認した。この段階で前記と同様に採取、GPC分析を行った所、Mn=9400、Mw/Mn=1.12の単分散ポリマーであった。
次いで、反応系に、イソボルニルメタクリレート0.2モルを30分かけて滴下、更に反応を1時間継続し、GCにより反応完結を確認した。
つぎに、反応系にメタノールを加えて反応を停止させ、反応液を大量のメタノール中に投入してポリマーを析出させ、濾過、洗浄後、60℃で15時間乾燥して白色粉体状のポリマーを得た。用いたモノマー総量に対する重合収率は、99.5%であった。
このコポリマーをGPC分析を行った所、Mn=10700、Mw/Mn=1.12の単分散ポリマーであった。
つぎに、得られたポリマー10gをエタノールに溶解して30%溶液とし、濃塩酸3gを加えて70℃で3時間反応を行った後、反応液を大量の水中に投入してポリマーを析出させ、濾過、洗浄後、60℃で5時間乾燥して白色粉体状のポリマー8.4gを得た。
この反応において、反応前後におけるポリマーの赤外吸収スペクトル(以下、IRと略す)及び13C NMR(以下、NMRとのみ記す)を比較した。
IR:890cm-1におけるポリPTBSTのt−ブチル基由来の吸収(ポリt−BMAには存在しない)が反応後は消失し、あらたに3300cm-1付近に水酸基由来のブロードな吸収が観察された。
NMR:29ppm付近におけるポリPTBSTのt−ブチル基由来のピークが反応後は消失しており、一方、27ppm付近のポリt−BMAのt−ブチル基由来のピークは、ベンゼン環カーボンに対する面積比が反応前後において変化していなかった。
更に、生成したポリマーの酸価を測定した所、2.8KOHmg/gでポリ−p−ヒドロキシスチレンホモポリマーと殆ど同じ値であった。
また、生成したポリマーについてGPCを測定した所、Mn=9000、Mw/Mn=1.12の単分散ポリマーであリ、NMRにより測定した共重合比率は、m/n/p=29/29/6であった。
以上の事から、共重合及びその後の脱離反応は設定通り行われ、p−ヒドロキシスチレンと、t−BMAとを主構成セグメントとし、末端にイソボルニルメタクリレートセグメントを有する狭分散アルケニルフェノール系ブロック共重合体が生成した事を確認した。
【0028】
実施例2
窒素雰囲気下において、THF1500g中に、NBL50ミリモルを加え、攪拌下、−40℃に保持しながら、PTBST1モルを1時間かけて滴下、更に1時間反応を継続し、GCにより反応完結を確認した。この段階でのPTBSTポリマーは、Mn=3500、Mw/Mn=1.10の単分散ポリマーであった。
次いで、反応系に、メチルメタクリレート0.3モル、t−BMA0.3モルの混合物を1時間かけて滴下、更に反応を1時間継続し、GCにより反応完結を確認した。この段階でのポリマーは、Mn=5000、Mw/Mn=1.13の単分散ポリマーであった。次いで、反応系にトリシクロデカニルメタクリレート0.1モルを30分かけて滴下、更に1時間反応を継続してGCにより反応完結を確認した。
つぎに、反応液を実施例.1におけると同様にしてあと処理を行い、白色粉体状のポリマーを得た。用いたモノマー総量に対する重合収率は、99.0%であった。
このポリマーのGPC分析を行った所、Mn=5500、Mw/Mn=1.13の単分散ポリマーであった。
つぎに、得られたポリマー10gをエタノールに溶解して、濃硫酸0.5gを加えて60℃で3時間反応を行った後、反応液を大量の水中に投入してポリマーを析出させ、濾過、洗浄後、60℃で5時間乾燥して白色粉体状のポリマー 7.9gを得た。
この反応において、反応前後におけるポリマーのIR及びNMRを比較した。
IR:反応後、890cm-1の吸収が消失し、新たに3300cm-1付近にブロードな吸収が観察された。
NMR:反応後、29ppm付近のピークが消失、27ppm付近のピーク及び50ppm付近のポリメチルメタクリレートのメチル基由来のピークは、ベンゼン環カーボンに対する面積比が前後において変化していなかった。
更に、生成したポリマーの酸価は、2.8KOHmg/gであった。
また、生成したポリマーについてGPCを測定した所、Mn=4300、Mw/Mn=1.13であり、NMRにより測定した共重合比率は、m/n/p=20/16/2であった。
以上の事から、共重合及びその後の脱離反応は設定通り行われ、p−ヒドロキシスチレンセグメントと、メチルメタクリレートセグメントと、t−BMAセグメントを主構成単位とし、末端にトリシクロデカニルメタクリレートセグメントを有する狭分散ブロック共重合体が生成した事を確認した。
【0029】
実施例3
窒素雰囲気下において、THF 2500g中に、ナトリウム40ミリモルを含むナトリウム−ケロシン分散体加え、攪拌下、−60℃に保持しながら、p−tert−ブトキシ−α−メチルスチレン(以下、PTBMSTと略す)1モルとスチレン 0.2モルとの混合物を1時間かけて滴下、更に1時間反応を継続して、GCにより反応完結を確認した。この段階でのポリマーは、Mn=11500、Mw/Mn=1.22の単分散ポリマーであった。
ついで、反応系に、テトラヒドロピラニルメタクリレート1モルを1時間かけて滴下し、更に反応を1時間継続して、GCにより反応完結を確認した。この段階でのポリマーは、Mn=21000、Mw/Mn=1.25の単分散ポリマーであった。
ついで、反応系に、ジシクロペンテニルメタクリレート0.1モルを30分かけて滴下、更に1時間反応を継続し、GCにより反応完結を確認した。
つぎに、反応液を実施例.1におけると同様にして後処理を行い、白色粉体状のポリマーを得た。用いたモノマー総量に対する重合収率は、98.7%であった。このポリマーのGPC分析を行った所、Mn=22000、Mw/Mn=1.25の単分散ポリマーであった。
つぎに、得られたポリマー10gをエタノール/トルエン=3/1(重量比)の混合溶媒に溶解して20%溶液とし、濃塩酸3gを加えて70℃で3時間反応を行った後、反応液を大量の水中に投入してポリマーを析出させ、濾過、洗浄後、60℃で5時間乾燥して白色粉体状のポリマー8.6gを得た。
この反応において、反応前後におけるポリマーのIR及びNMRを測定、比較した。その結果、IRにおいて、890cm-1の吸収が消失し、あらたに3300cm-1付近にブロードな吸収が観察され、NMRにおいて29ppm付近のピークが消失している事が確認された。更に、生成したポリマーの酸価は、2.3KOHmg/gであった。
また、生成したポリマーについてGPCを測定した所、Mn=19200、Mw/Mn=1.25の単分散ポリマーであり、NMRにより測定した共重合比率は、m/n/p= 60/50/5であった。
以上の事から、共重合及びその後の脱離反応は設定通り行われ、p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン−スチレンセグメントと、テトラヒドロピラニルメタクリレートセグメントとを主構成単位とし、末端にジシクロペンテニルメタクリレートセグメントを有する狭分散ブロック共重合体が生成した事を確認した。
【0030】
比較例1
実施例1において、第3番目に加えた共重合成分,イソボルニルメタクリレートを用いない他は、実施例1と同様に共重合〜後処理を行い、Mn=9300、Mw/Mn=1.11の単分散コポリマーを得た。得られたポリマー10gをエタノールに溶解して実施例1におけると同様にして脱離反応〜後処理を行い、白色粉体状のポリマー6.4gを得た。
この反応において、反応前後におけるポリマーのIR及びNMRを測定した。
IR:890cm-1の吸収が消失し、あらたに3300cm-1付近にブロードな吸収が観察された。
NMR:反応後、29ppm付近のピークが消失し、27ppm付近のピークは、ベンゼン環カーボンに対する面積比が反応前の15%まで減少していた。
又、生成したポリマーの酸価を測定した所、230KOHmg/gであった。
また、生成したポリマーについてGPCを測定した所、Mn=6200、Mw/Mn=1.12の単分散ポリマーであった。
以上の事から、共重合反応は設定通り進行し、脱離反応時、ポリPTBSTセグメントのブトキシ基は予定通り完全に脱離したが、一方では、ポリt−BMAのエステル部分も殆どが加水分解され、設定通りのp−ヒドロキシスチレンセグメントと、t−BMAセグメントとからなるブロック共重合体は得られなかった。
【0031】
比較例2
実施例3において、第3番目に加えた成分,ジシクロペンテニルメタクリレートを用いない他は、実施例3と同様に共重合〜後処理を行い、Mn=21500、Mw/Mn=1.25の単分散ポリマーを得た。得られたポリマーを実施例3と同様にして脱離反応〜後処理を行い、白色粉体状のポリマー6.2gを得た。
この反応において、反応前後におけるポリマーのIRを測定した所、890cm-1の吸収が消失し、あらたに3300cm-1付近にブロードな吸収が観察され、また、1725cm-1のエステル由来の吸収が著しく減少してショルダーとなり、あらたに1700cm-1にカルボン酸由来の吸収が観察された。また、生成したポリマーの酸価を測定した所、218KOHmg/gであった。また、生成したポリマーについてGPCを測定した所、 Mn=12900、Mw/Mn=1.25の単分散ポリマーであった。
以上の事から、共重合反応は設定通りに進行し、脱離反応において、ポリPTBMSTセグメントのブトキシ基は予定通り完全に脱離したが、一方では、ポリ−テトラヒドロピラニルメタクリレートセグメントのエステル部分も殆どが加水分解され、設定通りのp−ヒドロキシ−α−メチルスチレン−スチレンセグメントと、テトラヒドロピラニルメタクリレートセグメントとからなるブロック共重合体は得られなかった。
【0032】
【発明の効果】
単峰性で分子量分布が狭く、且つ、構造の制御された、アルケニルフェノールと、PAGにより用意に分解してカルボン酸を生成する(メタ)アクリル酸エステル類との共重合体であり、エキシマレーザーレジスト材料としての利用が期待される狭分散アルケニルフェノール系共重合体を得ることが出来た。
Claims (3)
- 一般式(I)、一般式(II)及び一般式(III)
R4 は、置換基を有してもよい炭素数が1〜12のアルキル基、もしくはヘテロ環基を表し、
R5 は、置換基を有してもよい炭素数が7〜15の脂環族基または、該脂環族基を有するアルキル基を表す。)
で表される構造単位からなり、数平均分子量が1,000〜50,000、数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)との比がMw/Mn=1.00〜1.50でかつ、一般式(I)の構造単位の繰り返しと〔一般式(II)の構造単位の繰り返し+一般式(III)の構造単位の繰り返し〕との比が1/9〜9/1である狭分散アルケニルフェノール系共重合体。 - 請求項1記載の共重合体がブロック共重合体である請求項1記載の狭分散アルケニルフェノール系共重合体。
- アルカリ金属又は有機アルカリ金属を重合開始剤とするアニオン重合法により、一般式(IV)
R6 は、炭素数が1〜6のアルキル基を表す。)
で表されるフェノール残基の水酸基が飽和脂肪族系保護基により保護された化合物を単独重合あるいはビニル芳香族化合物とを共重合し、次いで一般式(V)
R4 は、置換基を有してもよい炭素数が1〜12のアルキル基、またはヘテロ環基を表す。)
で表される(メタ)アクリル酸アルキルエステル類とブロック共重合を行い、次いで、一般式(VI)
R5 は、置換基を有してもよい炭素数が7〜15の脂環族基または、該脂環族基を有するアルキル基を表す。)
で表される(メタ)アクリル酸エステル類と共重合を行った後、一般式(IV)の飽和脂肪族系保護基を脱離させることを特徴とする請求項1記載の狭分散アルケニルフェノール系ブロック共重合体の製造方法。
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