JP5907726B2 - 星型ポリマー及び原子移動ラジカル重合開始剤 - Google Patents
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Description
本発明の星型ポリマーは、エキシマレーザーおよび電子線用レジスト材料としての利用が期待される化合物である。
また本発明は、新規な星型ポリマーの合成に用いる原子移動ラジカル重合用開始剤に関する。
で表される結合基を表し、A2は炭素原子数1乃至12のアルキレン基又はアリーレン基を表し、A3は下記式(6)乃至(8)
を含む有機基を表す。)
で表される原子移動ラジカル重合開始剤に由来するコア部から、原子移動ラジカル重合法によって得られるポリマー鎖からなるアーム部を伸張させた構造を有する星型ポリマーに関する。
また本発明の新規な原子移動ラジカル重合開始剤は、アーム部となるポリマー鎖との反応も良好であり、本発明の星型ポリマーを容易に得ることができる。
また、本発明は上記原子移動ラジカル重合開始剤にも関する。
以下、本発明の星型ポリマーにおけるコア部(原子移動ラジカル重合開始剤)及びアーム部について夫々説明する。
で表される結合基を表し、A2は炭素原子数1乃至12のアルキレン基又はアリーレン基を表し、A3は下記式(6)乃至(8)
を含む有機基を表す。)
該有機基としては、たとえば脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基が挙げられ、また有機基中にケイ素原子を含んでいてもよい。
脂肪族炭化水素基としては、鎖状、環状又はこれらの組合せであってもよく、また、飽和又は不飽和のいずれであってもよい。
芳香族炭化水素基としては、芳香族炭化水素環を有する炭化水素基が挙げられ、たとえば芳香族炭化水素環からなるもの、又は芳香族炭化水素環と脂肪族炭化水素基との組合せからなるもの等であってよい。
Rのアルキル基としては、炭素原子数1乃至5の低級アルキル基が挙げられる。
該有機基の水素原子が置換されていてもよいアルキル基としては、炭素原子数1乃至5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが好ましい。
該有機基の水素原子が置換されていてもよいアルコキシ基としては、炭素原子数1乃至5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基であることがより好ましく、メトキシ基、エトキシ基が特に好ましい。
該有機基の水素原子が置換されていてもよいハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子であることが好ましい。
なお、下記式で表される解裂され得る結合基のうち、好ましくは式(2)及び(4)で表される結合基であり、最も好ましくは式(2)で表される結合基である。
炭素原子数1乃至12の直鎖状、分枝状又は環状アルキル基としては、直鎖状又は分枝状のアルキル基であることが好ましく、特にエチル基又はメチル基がより好ましい。炭素原子数1乃至12の直鎖状、分枝状又は環状アルコキシ基としては、直鎖状又は分枝状のアルコキシ基であることが好ましく、特にエトキシ基又はメトキシ基がより好ましい。また炭素原子数1乃至12の直鎖状、分枝状又は環状アルキレン基としては、直鎖状又は分枝状のアルキレン基であることが好ましく、特にエチレン基又はメチレン基がより好ましい。さらにアリール基としては、炭素原子数6乃至20のアリール基が好ましく、たとえばフェニル基又はナフチル基等が挙げられる。またアリーレン基としては炭素原子数6乃至20のアリーレン基が好ましく、たとえばフェニレン基又はナフチレン基等が挙げられる。
なかでも、R1、R2、R3及びR4は、水素原子であることが好ましい。
ここで、A2で表されるアルキレン基は、直鎖状又は分枝状であることが好ましい。
また該アルキレン基の炭素原子数は1乃至12であり、1乃至10が好ましく、1乃至5がより好ましく、1又は2(メチレン基又はエチレン基)が特に好ましく、a個のA2がいずれもメチレン基又はエチレン基であることが最も好ましい。
該アルキレン基は、当該アルキレン基における水素原子の一部又は全部が置換基(水素原子以外の基又は原子)で置換されていてもよい。当該アルキレン基の水素原子が置換されていてもよい置換基としては、炭素原子数1乃至4のアルキル基、炭素数原子数1乃至4のアルコキシ基、ヒドロキシ基等が挙げられる。
を含む有機基を表す。
また式中、Rjで表される基は、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、メトキシメチル基、2−メトキシエトキシメチル基、ビス(2−クロロエトキシ)メチル基、テトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル機、トリフェニルメチル基、トリメチルシリル基、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル基、t−ブチルジメチルシリル基、トリメチルシリルメチル基などが挙げられる。
例として挙げることができる。
夫々独立してヒドロキシ基、ハロゲン原子、カルボキシル基、炭素原子数1乃至6のアルキル基、炭素原子数3乃至8のシクロアルキル基、炭素原子数2乃至7のアルケニル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、およびアシル基から選択される基を表す。p、q、rはそれぞれ独立して0及び1乃至3の整数から選択され、p、q又はrが2以上の場合、Ro同士、Rp同士及びRq同士は夫々同一又は異なっていてもよい。)
表す。mは0乃至4の整数であり、mが2以上の時は、Rbは同一又は異なっていても良
く、m+o=1乃至5の整数であり、またその置換位置は特に制限されない。)
ここで保護基とは、当技術分野において、フェノール性ヒドロキシ基の保護基として使用されることが周知である基であれば特に限定されない。
例えば、メトキシメチル基、2−メトキシエトキシメチル基、ビス(2−クロロエトキシ)メチル基、テトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、トリフェニルメチル基、トリメチルシリル基、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル基、t−ブチルジメチルシリル基、トリメチルシリルメチル基、t−
ブチル基、t−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニルメチル基、2−メチル−2−t−ブトキシカルボニルメチル基等が挙げられ、さらに、下記に示す置換基を挙げることができる。
子数5乃至10のシクロアルキル基、又は炭素原子数6乃至20の無置換又はアルコキシ置換のアリール基を表し、Rlは、水素又は炭素原子数1乃至3のアルキル基を表し、Rmは水素、炭素原子数1乃至6のアルキル基、又は炭素原子数1乃至6のアルコキシ基をあらわす。)で表される基を例示することができる。
このような置換基として、具体的には1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−メトキシプロピル基、1−メチル−1−メトキシエチル基、1−(イソプロポキシ)エチル基等を例示することができる。
又は水素原子又は炭素原子数1乃至6のアルキル基を表し、xは0乃至5の整数を表し、xが2以上の場合、Reは同一又は異なっていてもよく、その置換位置は特に制限されな
い。)
0乃至4の整数であり、yが2以上の時は、Rgは同一又は異なっていても良く、y+z
=1乃至5の整数であり、またそれらの置換位置は特に制限されない。)
として使用されることが周知である基であれば特に限定されない。
例えば、メトキシメチル基、2−メトキシエトキシメチル基、ビス(2−クロロエトキシ)メチル基、テトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、トリフェニルメチル基、トリメチルシリル基、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル基、t−ブチルジメチルシリル基、トリメチルシリルメチル基、t−ブチル基、t−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニルメチル基、2−メチル−2−t−ブトキシカルボニルメチル基等が挙げられ、さらに、下記に示す置換基を挙げることができる。
子数5乃至10のシクロアルキル基、又は炭素原子数6乃至20の無置換又はアルコキシ
置換のアリール基を表し、Rlは、水素又は炭素原子数1乃至3のアルキル基を表し、Rmは水素、炭素原子数1乃至6のアルキル基、又は炭素原子数1乃至6のアルコキシ基をあらわす。)で表される基を例示することができる。
このような置換基として、具体的には1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−メトキシプロピル基、1−メチル−1−メトキシエチル基、1−(イソプロポキシ)エチル基等を例示することができる。
例えば、式(9)で表される(メタ)アクリル酸エステルに由来する繰り返し単位の含有量は、アーム部全繰り返し単位中1乃至100モル%であり、好ましくは10乃至100モル、さらに好ましくは30乃至100モル%である。
また、式(10)で表されるヒドロキシスチレン誘導体から誘導される繰り返し単位の含有量式(11)で表されるスチレン誘導体から誘導される繰り返し単位の含有量、又は式(I12)で表されるビニル安息香酸誘導体から誘導される繰り返し単位の含有量は、アーム部全繰り返し単位中0乃至99モル%であり、好ましくは0乃至90モル%、更に好ましくは0乃至70モル%である。
[ペンタエリスリトール−テトラ(2−ブロモイソ酪酸エチル2−オキシメチル)エーテルの合成]
窒素雰囲気下にて、ペンタエリスリトール13.0gにアセトン247.0gとジイソプロピルエチルアミン80.2gと2−クロロエチルクロロメチルエーテル80.1gを加え、攪拌下30℃にて4時間保持した。その後、反応混合物に酢酸エチルを加え、有機層をシュウ酸水溶液とイオン交換水で4回洗浄を行なった。得られた有機層を減圧下、濃縮をおこなうことでペンタエリスリトール−テトラ(2−クロロエトキシメチル)エーテルを47.4g(収率98%)を得た。窒素雰囲気下、得られたペンタエリスリトール−テトラ(2−クロロエトキシメチル)エーテル47.4gとギ酸ナトリウム25.46g、ジエチレングリコールジメチルエーテル426.6g、および臭化テトラブチルアンモニウム1.50gを混合し、100℃にて5時間撹拌を継続した。その後、混合反応液を室温まで冷却し、50%水酸化ナトリウム水溶液8.25gを15分かけてゆっくりと滴下する。反応混合液に酢酸エチルを加え、有機層をシュウ酸水溶液とイオン交換水で4回洗浄を行った。得られた有機層を減圧下、濃縮を行なうことで、ペンタエリスリトール−テトラ(2−ヒドロキシエトキシメチル)エーテルを39.1g(収率93%)得た。得られたペンタエリスリトール−テトラ(2−ヒドロキシエトキシメチル)エーテル39.1gに、トリエチルアミン11.0gとエチレングリコールジメチルエーテル351.9gを加え40℃にて30分撹拌を継続した。2−ブロモイソブチリルブロミド166.3gを30分かけて滴下し、40℃にて撹拌を継続した。5時間後、反応混合液に酢酸エチルを加え、有機層を3%シュウ酸水溶液で4回、イオン交換水で4回洗浄を行った。得られた有機層を減圧下、濃縮を行う事で、ペンタエリスリトール−テトラ(2−ブロモイソ酪酸エチル−2−オキシメチル)エーテルを77.2g(収率83%)得た。
窒素雰囲気下にてN,N−ジメチルホルムアミド(以下DMFと称する)2gに臭化第一銅40.0mgとN,N,N’,N”,N”−ペンタジエチレントリアミン116.0mgを加え、減圧脱気したのち窒素ガスでよく置換し、30℃で1時間撹拌した。この後、反応混合液全量を、別容器でジエチレングリコールジメチルエーテル12.0gにγ−ブチロラクトンメタクリレート2.12gと2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート2.93g、3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレート2.95gおよび、ペンタエリスリトール−テトラ(2−ブロモイソ酪酸エチル−2−オキシメチル)エーテル2.4gを加え、減圧脱気したのち窒素ガスで置換し、よく撹拌した混合溶液に加え、30℃で72時間加熱撹拌した。混合物に酢酸エチルを加え希釈後、精製した不溶固体を濾過した後、濾液を3%シュウ酸水溶液で4回、イオン交換水で4回洗浄した。得られた有機層の揮発分を減圧下留去し、星型ポリマー8.2g(収率91.0%)を得た。生成した重合体の数平均分子量はGPC測定(ポリスチレン換算)により5500、分子量分布は1.5であった。
窒素雰囲気下にてDMF3gに塩化第一銅60.0mgとN,N,N’,N”,N”−ペンタジエチレントリアミン174.0mgを加え、減圧脱気したのち窒素ガスでよく置換し、30℃で1時間撹拌した。この後、反応混合液全量を、別容器でジエチレンジメチルグリコール18.0gにγ−ブチロラクトンメタクリレート5.48g、メチルメタクリレート2.93g、3−ヒドロキシ−1−アダマンタンメタクリレート3.59gおよび、ペンタエリスリトール−テトラ(2−ブロモイソ酪酸エチル−2−オキシメチル)エーテル1.4gを加え、減圧脱気したのち窒素ガスで置換し、撹拌した混合溶液に加え、30℃で96時間加熱撹拌した。反応混合物に酢酸エチルを加え希釈後、精製した不溶固体を濾過した後、濾液を3%シュウ酸水溶液で4回、イオン交換水で4回洗浄した。得られた有機層の揮発分を減圧下留去し、星型ポリマー11.6g(収率89%)を得た。生成した重合体の数平均分子量はGPC測定(ポリスチレン換算)により12500、分子量分布は1.6であった。
上記実施例で得られた星型ポリマーの酸分解性を以下の手順に従って試験した。実施例1、2の星型ポリマーの5.0質量%THF溶液を調整した後、ポリマーに対して(±)−カンファースルホン酸(以下CSと称する)2部量を含む試料を調製し、130℃、5分間加熱した。
加熱前後の各試料をGPCを用いて分析した。
Claims (5)
- 式(1)
のいずれかで表される結合基を表し、A2は炭素原子数1乃至12のアルキレン基又はアリーレン基を表し、A3は下記式(6)乃至(8)
のいずれかを含む有機基を表す。)
で表される原子移動ラジカル重合開始剤に由来するコア部から、原子移動ラジカル重合法によってポリマー鎖からなるアーム部を伸張させることを特徴とする星型ポリマーの製造方法。 - 前記式(1)中、Xが2級又は3級の炭素原子に結合するハロゲン原子であることを特徴とする、請求項1記載の星型ポリマーの製造方法。
- 前記ポリマー鎖からなるアーム部が、(メタ)アクリル酸エステルに由来する繰り返し単位を含むことを特徴とする、請求項1又は2記載の星型ポリマーの製造方法。
- 請求項1記載の前記式(1)で表される原子移動ラジカル重合開始剤。
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