JP7168952B2 - レジストパターン形成方法 - Google Patents
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Description
で表される単量体単位(A)と、
下記一般式(II):
で表される単量体単位(B)とを有する共重合体と、溶剤とを含むポジ型レジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する工程と、
前記レジスト膜を極端紫外線で露光する工程と、
露光された前記レジスト膜を現像する工程と、
を含むことを特徴とする。
このように、上記所定の単量体単位(A)および単量体単位(B)を含有する共重合体を含むポジ型レジスト組成物を用いて形成したレジスト膜を極端紫外線で露光すれば、レジストパターンを効率的に形成することができる。
ここで、本発明のレジストパターン形成方法は、電子線等と比較して露光の際の近接効果が少なく、また、微細なパターン形成を可能にする極端紫外線を用いてレジストパターンを形成する方法であり、例えば、LSI(Large Scale Integration)などの半導体デバイス、及び、基板上に遮光層または反射層が形成されてなるマスクブランクスなどの製造プロセスにおいてレジストパターンを形成する際に好適に用いることができる。
本発明のレジストパターン形成方法では、以下に詳述するポジ型レジスト組成物および極端紫外線を用いる。具体的には、本発明のレジストパターン形成方法は、所定の共重合体を含む所定のポジ型レジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する工程(レジスト膜形成工程)と、レジスト膜を極端紫外線で露光する工程(露光工程)と、露光されたレジスト膜を現像する工程(現像工程)とを含み、任意に、現像されたレジスト膜をリンスする工程(リンス工程)を更に含む。
レジスト膜形成工程では、レジストパターンを利用して加工される基板などの被加工物の上に、ポジ型レジスト組成物を塗布し、塗布したポジ型レジスト組成物を乾燥させてレジスト膜を形成する。ここで、基板としては、特に限定されることなく、LSI(Large Scale Integration)などの半導体デバイスの製造等に用いられるシリコン基板、及び、基板上に遮光層または反射層が形成されてなるマスクブランクスなどを用いることができる。
また、ポジ型レジスト組成物の塗布方法および乾燥方法としては、特に限定されることなく、レジスト膜の形成に一般的に用いられている方法を用いることができる。例えば、スピンコート法で基板上にレジスト溶液を塗布し、ホットプレート上でソフトベークを行うことでレジスト膜を形成することができる。ソフトベークの温度は特に限定されないが、100℃以上、200℃以下とすることができる。また、ソフトベーク時間は、例えば30秒以上60分以下とすることができる。
そして、本発明のパターン形成方法では、以下のポジ型レジスト組成物を使用する。
なお、極端紫外線に対する感度を更に向上させる観点からは、レジスト膜形成工程で形成されるレジスト膜の密度は、1.15g/cm3以上であることが好ましく、1.18g/cm3以上であることがより好ましい。ここで、レジスト膜の密度は、共重合体の組成やレジスト膜の形成条件を変更することにより調整することができる。ここで、レジスト膜の密度は、実施例に記載の方法により測定することができる。
ポジ型レジスト組成物は、以下に詳述する所定の共重合体と、溶剤とを含み、任意に、レジスト組成物に配合され得る既知の添加剤を更に含有する。
本発明のレジストパターン形成方法にて使用するポジ型レジスト組成物に含有される共重合体は、下記の一般式(I):
で表される単量体単位(A)と、
下記一般式(II):
で表される単量体単位(B)とを有する。
なお、共重合体は、単量体単位(A)および単量体単位(B)以外の任意の単量体単位を含んでいてもよいが、共重合体を構成する全単量体単位中で単量体単位(A)および単量体単位(B)が占める割合は、合計で90mol%以上であることが好ましく、100mol%(即ち、共重合体は単量体単位(A)および単量体単位(B)のみを含む)ことが好ましい。
最大飽和炭化水素環としては、シクロヘキサン、シクロオクタンが挙げられる。
そして、最大飽和炭化水素環の互いに隣接しない2以上の原子を連結する架橋基としては、2価の基であれば特に限定されないが、アルキレン基であることが好ましく、メチレン基であることがより好ましい。
具体的な架橋環式飽和炭化水素環基としては、例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基が挙げられ、重合体の電離放射線等に対する感度を向上させる観点からは、アダマンチル基が好ましい。アダマンチル基は嵩高い構造であるので、溶解特性が向上(溶解特性にコントラストがつく)し、感度がより向上すると推測される。
共重合体の重量平均分子量は、30,000以上であることが好ましく、50,000以上であることがより好ましく、60,000以上であることが特に好ましく、200,000以下であることが好ましく、150,000以下であることがより好ましく、120,000以下であることが特に好ましい。共重合体の重量平均分子量が上記下限値以上であれば、耐ドライエッチング性に優れるレジストパターンを良好に形成することができる。また、共重合体の重量平均分子量が上記上限値以下であれば、良好な露光感度でレジストパターンを得ることができる。
共重合体の数平均分子量は、15,000以上であることが好ましく、20,000以上であることがより好ましく、30,000以上であることが特に好ましく、150,000以下であることが好ましく、130,000以下であることがより好ましく、110,000以下であることが特に好ましい。共重合体の数平均分子量が上記下限値以上であれば、現像後に良好な残膜率でレジストパターンを得ることができる。また、共重合体の数平均分子量が上記上限値以下であれば、良好な露光感度でレジストパターンを得ることができる。
また、共重合体の分子量分布(共重合体の重量平均分子量を共重合体の数平均分子量で除した値)は、2.5以下であることが好ましく、1.05以上であることが好ましい。共重合体の分子量分布が上記上限値以下であれば、レジストパターン形成方法を経て得られるパターンの明瞭性を高めることができる。また、共重合体の分子量分布が上記下限値以上であれば、共重合体の製造容易性を高めることができる。
なお、共重合体の重量平均分子量及び数平均分子量は、実施例に記載の方法により測定することができる。
共重合体の平均励起エネルギーは、77eV以下であることが好ましく、75eV以下であることがより好ましく、73eV以下であることが特に好ましい。共重合体の平均励起エネルギーが上記上限値以下であれば、極端紫外線照射時にレジスト膜構成原子の外殻の電子が励起しやすいと推定され、極端紫外線に対する感度が更に向上したレジスト膜を形成することができる。なおここで、平均励起エネルギーは、原子の内外殻の電子が全て考慮された原子が励起される平均的なエネルギーを表す量であるが、材料組成に大きな変化がない場合は、極端紫外線(EUV、92.5eV)に対しても、性能指標となりうると推定される。
なお、共重合体の平均励起エネルギーは、実施例に記載の方法により測定することができる。
共重合体のEUV吸収係数は、25000cm-1以上であることが好ましく、28000cm-1以上であることがより好ましく、30000cm-1以上であることが特に好ましい。共重合体のEUV吸収係数が上記下限値以上であれば、露光感度が良好となる。
なお、共重合体のEUV吸収係数は、実施例に記載の方法により測定することができる。
そして、上述した単量体単位(A)および単量体単位(B)を有する共重合体は、例えば、単量体(a)と単量体(b)とを含む単量体組成物を重合させた後、任意に得られた重合物を精製することにより調製することができる。
なお、共重合体の組成、分子量分布、重量平均分子量および数平均分子量は、重合条件および精製条件を変更することにより調整することができる。具体的には、例えば、共重合体の組成は、重合に使用する単量体組成物中の各単量体の含有割合を変更することにより調整することができる。また、重量平均分子量および数平均分子量は、重合温度を高くすれば、小さくすることができる。更に、重量平均分子量および数平均分子量は、重合時間を短くすれば、小さくすることができる。
なお、重合物の精製は、複数回繰り返して実施してもよい。
なお、溶剤としては、上述した共重合体を溶解可能な溶剤であれば、特許第5938536号公報に記載の溶剤などの既知の溶剤を用いることができる。中でも、適度な粘度のポジ型レジスト組成物を得てポジ型レジスト組成物の塗工性を向上させる観点からは、溶剤としては、アニソール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、 シクロペンタノン、シクロヘキサノン、または3-メトキシプロピオン酸メチルを用いることが好ましい。
露光工程では、レジスト膜形成工程で形成したレジスト膜に対し、極端紫外線を照射して、所望のパターンを描画する。
なお、照射する極端紫外線の波長は、特に限定されることなく、例えば、1nm以上30nm以下とすることができ、好ましくは13.5nmとすることができる。
また。極端紫外線の照射には、EQ-10M(ENERGETIQ社製)、NXE(ASML社製)などの既知の露光装置を用いることができる。
現像工程では、露光工程で露光されたレジスト膜と、現像液とを接触させてレジスト膜を現像し、被加工物上にレジストパターンを形成する。
ここで、レジスト膜と現像液とを接触させる方法は、特に限定されることなく、現像液中へのレジスト膜の浸漬やレジスト膜への現像液の塗布等の既知の手法を用いることができる。また、現像液の温度は特に限定されないが、例えば-20℃以上25℃以下とすることができる。さらにまた、現像時間は、例えば、30秒以上10分以下とすることができる。
任意で行いうるリンス工程では、現像工程で現像されたレジスト膜と、所定のリンス液とを接触させて、現像されたレジスト膜をリンスし、被加工物上にレジストパターンを形成する。リンス液としては、炭化水素系溶剤を含むリンス液を好適に用いることができる。
リンス液に含まれる好適な炭化水素系溶剤としては、例えば、炭素数12以下の直鎖又は分岐状の脂肪族炭化水素を挙げることができる。これらは、複数種を併用することもできる。リンス液として炭化水素系溶剤を用いることで、リンス工程にてパターン倒れが生じることを効果的に抑制することができるので、結果的に、現像マージンを向上させることができる。なお、リンス液は、任意で、上記のような炭化水素系溶剤以外に、界面活性剤等として公知の添加剤を更に含有していてもよい。リンス液が任意成分を含む場合には、リンス液中における任意成分の濃度は、例えば、2質量%以下であり得る。
そして、実施例および比較例において、共重合体の重量平均分子量、数平均分子量、分子量分布、平均励起エネルギー、およびEUV吸収係数、並びに、レジスト膜の密度および極端紫外線に対する感度は、下記の方法で測定および評価した。
実施例、比較例で得られた共重合体についてゲル浸透クロマトグラフィーを用いて重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を測定し、分子量分布(Mw/Mn)を算出した。具体的には、ゲル浸透クロマトグラフ(東ソー社製、HLC-8220)を使用し、展開溶媒としてテトラヒドロフランを用いて、共重合体の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を標準ポリスチレン換算値として求めた。そして、分子量分布(Mw/Mn)を算出した。
<吸収係数および平均励起エネルギー>
吸収係数および平均励起エネルギーは、X線反射率法(XRR法)による膜密度の実測値と構成元素から算出した。
X線反射率法(XRR法)は、X線を試料表面に極浅い角度で入射させ、その入射角対鏡面方向に反射したX線強度プロファイルを測定し、この測定で得られた結果をシミュレーション結果と比較し、シミュレーションパラメータを最適化することにより、試料の膜厚や膜密度を決定する手法である。
X線反射率法(XRR法)を用いて膜厚と膜密度を測定することで、正確な吸収係数の算出が可能である。
<密度>
密度測定用のレジスト膜について、全自動多目的X線回折装置(Rigaku社製、SmartLab)を用い、X線反射率法(X-ray Reflectivity)で密度を算出した。
<感度>
得られた感度曲線(横軸:極端紫外線の総照射量の常用対数、縦軸:レジスト膜の残膜率(0≦残膜率≦1.00))について、残膜率0.20~0.80の範囲において感度曲線を二次関数にフィッティングし、得られた二次関数(残膜率と総照射量の常用対数との関数)上の残膜率0の点と残膜率0.50の点とを結ぶ直線(感度曲線の傾きの近似線)を作成した。その後、作成した直線(感度曲線の傾きの近似線)において残膜率が0となる際の、極端紫外線の総照射量Eth(mJ/cm2)を求めた。なお、Ethの値が小さいほど、レジスト膜の極端紫外線に対する感度が高く、レジストパターンの形成効率が高いことを意味する。
<単量体(a-1)の合成>
3つ口フラスコに窒素気流下、アクリル酸-1-アダマンチル30.0g、脱水クロロホルム300mL、脱水ジメチルホルムアミド0.9mLを加えて攪拌を行い、5℃に冷却した。内温を20℃以下に保ちながら、塩素ガス15.7gを導入し、12時間反応を行った。反応液を減圧下で濃縮し、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘプタン/クロロホルム=10/1(体積比))で精製し、減圧濃縮した。濃縮物にヘキサン200mLを加えて0℃に冷却した。次いで、トリエチルアミン50gをゆっくり滴下し、室温まで昇温して5時間反応を行った。析出した塩を桐山ロートでろ過し、塩をヘキサン50mLで2回洗浄した。ろ液及び洗浄液に対し、1M塩酸で2回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2回、飽和食塩水で2回、分液操作を行った。有機層に無水硫酸マグネシウムを加えた後にろ過を行い、ろ液を減圧濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=40/1(体積比))で精製し、濃縮することで、下記式の構造を有する単量体(a-1)を得た。
撹拌子を入れたガラス製のアンプルに、単量体(a-1)40.00gと、単量体(b)としてのα-メチルスチレン46.03gと、重合開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル 0.055gと、溶媒としてのシクロペンタノン21.50gとを加えて密封し、窒素ガスで加圧、脱圧を10回繰り返して系内の酸素を除去した。
そして、系内を78℃に加温し、6時間反応を行った。次に、系内にテトラヒドロフラン100gを加え、得られた溶液をメタノール2.0L中に滴下して重合物を析出させた。その後、析出した重合物をろ過で回収した後、テトラヒドロフラン200gに溶解させ、得られた溶液をメタノール2.0L中に滴下し、生成した沈殿物をろ過により回収して50℃で24時間乾燥させることにより、以下の二種の単量体単位を含む共重合体1を得た。そして、得られた共重合体1について、重量平均分子量、数平均分子量、分子量分布、平均励起エネルギー、およびEUV吸収係数を測定した。結果を表1に示す。
得られた共重合体1の重量平均分子量(Mw)は62000、数平均分子量(Mn)は35000、分子量分布(Mw/Mn)は1.79であった。また1H-NMR測定により算出したモノマー比は、α-メチルスチレン単位が46mol%、α-クロロアクリル酸-1-アダマンチル単位が54mol%であった。
<ポジ型レジスト組成物の調製>
得られた共重合体1を溶剤としてのアニソールに溶解させて、ポアサイズ0.25μmのポリエチレンフィルターでろ過することで、レジスト溶液(EUVリソグラフィ用ポジ型レジスト組成物)(共重合体の濃度:1.5質量%)を得た。
<レジスト膜の形成>
スピンコーター(ミカサ社製、MS-A150)を使用し、ポジ型レジスト組成物を直径4インチのシリコンウェハ上に厚さ40nmになるように塗布した。そして、塗布したポジ型レジスト組成物を温度180℃のホットプレートで3分間加熱して、シリコンウェハ上にレジスト膜(感度曲線作成用)を形成した。
また、ポジ型レジスト組成物を厚さが50nmになるように塗布した以外は上述したのと同様にして、密度測定用のレジスト膜を形成した。そして、共重合体よりなるポジ型レジスト膜の密度を測定した。結果を表1に示す。
<露光、現像およびリンス>
そして、EUV露光装置(ENERGETIQ社製、EQ-10M)を用いて、極端紫外線の照射量が互いに異なるパターン(寸法10mm×10mm)をレジスト膜上に複数描画し、レジスト用現像液としてのジイソアミルエーテル[酸化防止剤としてのジ-tert-ブチルヒドロキシトルエンを2質量%以下含有する](鎖状ジアルキルエーテル)を用いて、温度23℃で1分間の現像処理を行った後、リンス液としてのn-ノナン(炭化水素系溶剤)を用いて10秒間リンスした。
なお、極端紫外線の照射量は、0mJ/cm2から20mJ/cm2の範囲内で2mJ/cm2ずつ異ならせた。
次に、描画した部分のレジスト膜の厚みを光学式膜厚計(SCREENセミコンダクターソリューション社製、ラムダエースVM-1200)で測定し、極端紫外線の総照射量の常用対数と、現像後のレジスト膜の残膜率(=現像後のレジスト膜の膜厚/シリコンウェハ上に形成したレジスト膜の膜厚)との関係を示す感度曲線を作成した。
<共重合体2の合成>
共重合体1の合成で、重合開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリルを 0.055gから0.0018gとした以外は、共重合体1の合成と同様にして共重合体2を得た。
得られた共重合体2の重量平均分子量(Mw)は112000、数平均分子量(Mn)は49000、分子量分布(Mw/Mn)は2.30であった。また1H-NMR測定により算出したモノマー比は、α-メチルスチレン単位が46mol%、α-クロロアクリル酸-1-アダマンチル単位が54mol%であった。
<共重合体3の調製>
5gの共重合体1を50gのテトラヒドロフラン(THF)に溶解させて得られた溶液をTHF337gとメタノール(MeOH)500gとの混合溶媒に滴下した。その後、溶液をキリヤマ漏斗によりろ過し、不溶物を回収した後、50℃で24時間真空乾燥した。
得られた共重合体3の重量平均分子量(Mw)は69000、数平均分子量(Mn)は49000、分子量分布(Mw/Mn)は1.42であった。また1H-NMR測定により算出したモノマー比は、α-メチルスチレン単位が46mol%、α-クロロアクリル酸-1-アダマンチル単位が54mol%であった。
<単量体(a-2)の合成>
ディーンスターク装置を取り付けた3つ口フラスコに窒素気流下、2,3-ジクロロプロピオン酸56.3g、2-アダマンタノール50.0g、ジメシチルアンモニウムペンタフルオロベンゼンスルホナート1.9g、トルエン200mLを加えた後、120℃まで昇温し、生成する水を留去しながら、24時間反応を行った。
反応液を室温まで冷却後、ヘキサン300mLを加えて0℃に冷却した。次いで、トリエチルアミン50gをゆっくり滴下し、室温まで昇温して5時間反応を行った。析出した塩を桐山ロートでろ過し、塩をヘキサン50mLで2回洗浄した。ろ液及び洗浄液に対し、1M塩酸で2回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2回、飽和食塩水で2回、分液操作を行った。有機層に無水硫酸マグネシウムを加えた後にろ過を行い、ろ液をエバポレーターで濃縮した。濃縮物にヘキサンを加えて60℃に加温して溶解させたのちに0℃に冷却することで、結晶を析出させた。結晶を桐山ロートでろ過し、室温で24時間減圧乾燥することで、下記式の構造を有する単量体(a-2)を得た。
撹拌子を入れたガラス製のアンプルに、単量体(a-2)10.00gと、単量体(b)としてのα-メチルスチレン10.51gと、重合開始剤としての2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオン酸)ジメチル0.019gと、溶媒としてのシクロペンタノン5.38gとを加えて密封し、窒素ガスで加圧、脱圧を10回繰り返して系内の酸素を除去した。
そして、系内を78℃に加温し、6時間反応を行った。次に、系内にテトラヒドロフラン20gを加え、得られた溶液をメタノール1.5L中に滴下して重合物を析出させた。その後、析出した重合物をろ過で回収した後、テトラヒドロフラン20gに溶解させ、得られた溶液をメタノール1.5L中に滴下し、生成した沈殿物をろ過により回収して50℃で24時間乾燥させることにより、以下の二種類の単量体単位を含む共重合体4を得た。
得られた共重合体4の重量平均分子量(Mw)は72000、数平均分子量(Mn)は39000、分子量分布(Mw/Mn)は1.87であった。また1H-NMR測定により算出したモノマー比は、α-メチルスチレン単位が46mol%、α-クロロアクリル酸-2-アダマンチル単位が54mol%であった。
<単量体(a-3)の合成>
ディーンスターク装置を取り付けた3つ口フラスコに窒素気流下、2,3-ジクロロプロピオン酸25.3g、1-アダマンタンメタノール24.5g、ジメシチルアンモニウムペンタフルオロベンゼンスルホナート0.7g、トルエン100mLを加えた後、昇温し、80℃で12時間、130℃で4時間、生成する水を留去しながら、16時間反応を行った。
反応液を室温まで冷却後、ヘキサン150mLを加えて0℃に冷却した。次いで、トリエチルアミン22.5gをゆっくり滴下し、室温まで昇温して5時間反応を行った。析出した塩を桐山ロートでろ過し、塩をヘキサン25mLで2回洗浄した。ろ液及び洗浄液に対し、1M塩酸で2回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2回、飽和食塩水で2回、分液操作を行った。有機層に無水硫酸マグネシウムを加えた後にろ過を行い、ろ液をエバポレーターで濃縮した。濃縮物に少量のヘキサンを加えて桐山ロートでろ過し、室温で24時間減圧乾燥することで、下記式の構造を有する単量体(a-3)を得た。
撹拌子を入れたガラス製のアンプルに、単量体(a-3)10.00gと、単量体(b)としてのα-メチルスチレン10.86gと、重合開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル0.015gと、溶媒としてのシクロペンタノン2.60gを加えて密封し、窒素ガスで加圧、脱圧を10回繰り返して系内の酸素を除去した。
そして、系内を78℃に加温し、6時間反応を行った。次に、系内にテトラヒドロフラン20gを加え、得られた溶液をメタノール1.0L中に滴下して重合物を析出させた。その後、析出した重合物をろ過で回収した後、テトラヒドロフラン20gに溶解させ、得られた溶液をメタノール1.0L中に滴下し、生成した沈殿物をろ過により回収して50℃で24時間乾燥させることにより、以下の二種の単量体単位を含む共重合体5を得た。
得られた共重合体5の重量平均分子量(Mw)は58000、数平均分子量(Mn)は33000、分子量分布(Mw/Mn)は1.78であった。また1H-NMR測定により算出したモノマー比は、α-メチルスチレン単位が46mol%、α-クロロアクリル酸メチル-1-アダマンチル単位が54mol%であった。
<共重合体6の調製>
単量体(a)としてのα-クロロアクリル酸メチル(ACAM)3.00gおよび単量体(b)としてのα-メチルスチレン(AMS)6.88gと、溶媒としてのシクロペンタノン12.1gと、重合開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル0.012gとを含む単量体組成物をガラス容器に入れ、ガラス容器を密閉および窒素置換して、窒素雰囲気下、78℃の恒温槽内で48時間撹拌した。その後、室温に戻し、ガラス容器内を大気解放した後、得られた溶液にテトラヒドロフラン(THF)30gを加えた。そして、THFを加えた溶液を、メタノール300g中に滴下し、重合物を析出させた。その後、得られた重合物を100gのTHFに溶解させ、得られた溶液をTHF600gとMeOH400gとの混合溶媒に滴下し、白色の凝固物を析出させた。その後、凝固物を含む溶液を桐山漏斗によりろ過し、凝固物を回収した。そして、凝固物を50℃で24時間真空乾燥した。得られた共重合体6の重量平均分子量(Mw)は72,000であり、数平均分子量(Mn)は51,000あり、分子量分布(Mw/Mn)は1.4であった。また、1H-NMR測定により算出したモノマー比は、α-クロロアクリル酸メチル単位を54mol%、α-メチルスチレン単位を46mol%含んでいた。
「ACA1Ad」は、α-クロロアクリル酸-1-アダマンチル単位を、
「AMS」は、α-メチルスチレン単位を、
「ACA2Ad」は、α-クロロアクリル酸-2-アダマンチル単位を、
「ACAM1Ad」は、α-クロロアクリル酸メチル-1-アダマンチル単位を、
「ACAM」は、α-クロロアクリル酸メチル単位を、
それぞれ示す。
なお、実施例1および比較例1のレジスト膜について、EUV露光装置(ENERGETIQ社製、EQ-10M)に替えて電子線描画装置(エリオニクス社製、ELS-S50)を使用し、電子線の照射量を4μC/cm2から200μC/cm2の範囲内で4μC/cm2ずつ異ならせた以外は上述したのと同様にして、電子線の総照射量の常用対数と、現像後のレジスト膜の残膜率(=現像後のレジスト膜の膜厚/シリコンウェハ上に形成したレジスト膜の膜厚)との関係を示す感度曲線を作成し、感度曲線の傾きの近似線において残膜率が0となる際の、電子線の総照射量Eth’(μC/cm2)を求めた。各レジスト膜について、EthおよびEth’の値を表2に示す。
Claims (1)
- 下記一般式(I):
で表される単量体単位(A)と、
下記一般式(II):
で表される単量体単位(B)とを有する共重合体と、溶剤とを含むポジ型レジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する工程と、
前記レジスト膜を極端紫外線で露光する工程と、
露光された前記レジスト膜を現像する工程と、
を含み、
前記レジスト膜を形成する工程で形成される前記レジスト膜の密度が1.15g/cm3以上であり、
前記単量体単位(A)が、α-クロロアクリル酸メチル-1-アダマンチル単位であり、
前記極端紫外線の波長が1nm以上30nm以下である、レジストパターン形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018105274A JP7168952B2 (ja) | 2018-05-31 | 2018-05-31 | レジストパターン形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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