JP7131292B2 - レジストパターン形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、レジストパターン形成方法に関し、特には、ポジ型レジストとして好適に使用し得る共重合体を含むポジ型レジスト組成物を用いたレジストパターン形成方法に関するものである。
従来、半導体製造等の分野において、電子線などの電離放射線や紫外線などの短波長の光(以下、電離放射線と短波長の光とを合わせて「電離放射線等」と称することがある。)の照射により主鎖が切断されて現像液に対する溶解性が増大する重合体が、主鎖切断型のポジ型レジストとして使用されている。
具体的には、例えば特許文献1,2には、現像時にレジストパターンの倒れが発生するのを抑制し得る主鎖切断型のポジ型レジストとして、α-メチルスチレン単位とα-クロロアクリル酸2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル単位とを含有する共重合体などの、フッ素原子を含有する所定の共重合体よりなるポジ型レジストが開示されている。
そして、特許文献1,2では、フッ素原子を含有する共重合体よりなるポジ型レジストを用いて形成したレジスト膜を、露光した後、CF3CFHCFHCF2CF3などのハイドロフルオロカーボンを現像液として用いて現像することにより、レジストパターンを形成している。
特開2018-106065号公報 特開2018-106066号公報
ここで、近年では、パターンの更なる微細化の要求に伴い、ポジ型レジストを用いたレジストパターンの形成においては、解像度に優れるレジストパターンの形成を可能にすることが求められている。しかし、ハイドロフルオロカーボンを現像液として用いた上記従来のレジストパターンの形成方法には、解像度を更に向上させたレジストパターンを形成するという点において改善の余地があった。
そこで、本発明は、フッ素原子を含有する共重合体をポジ型レジストとして使用して解像度に優れるレジストパターンを形成する方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を行った。そして、本発明者は、フッ素原子を含有する共重合体をポジ型レジストとして使用してレジストパターンを形成するに当たり、ハイドロフルオロカーボンと、所定のフッ素系溶剤とを含む現像液を用いて現像を行えば、解像度に優れるレジストパターンを形成可能であることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明のレジストパターン形成方法は、下記一般式(I):
Figure 0007131292000001
〔一般式(I)中、R1は、フッ素原子を含む有機基である。〕
で表される単量体単位(A)と、下記一般式(II):
Figure 0007131292000002
〔式(II)中、R2は、アルキル基であり、R3は、アルキル基、ハロゲン原子またはハロゲン化アルキル基であり、pは、0以上5以下の整数であり、R3が複数存在する場合、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。〕
で表される単量体単位(B)とを有する共重合体、および、溶剤を含むポジ型レジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜を露光する工程と、露光された前記レジスト膜を現像する工程とを含み、前記現像を、ハイドロフルオロカーボンと、前記ハイドロフルオロカーボンとの沸点の差が絶対値で25℃以下であるフッ素系溶剤とを含む現像液を用いて行うことを特徴とする。このように、ハイドロフルオロカーボンと、ハイドロフルオロカーボンとの沸点の差が絶対値で25℃以下であるフッ素系溶剤とを含む現像液を使用すれば、上記単量体単位(A)および単量体単位(B)を有する共重合体をポジ型レジストとして使用して解像度に優れるレジストパターンを形成することができる。
なお、本発明において、「沸点」は、圧力(絶対圧)1atmの環境下、蒸留法で測定することができる。
ここで、本発明のレジストパターン形成方法は、前記ハイドロフルオロカーボンが、CF3CFHCFHCF2CF3であることが好ましい。ハイドロフルオロカーボンとしてCF3CFHCFHCF2CF3を含む現像液を使用すれば、レジストパターンの解像度を更に向上させることができる。
また、本発明のレジストパターン形成方法は、前記フッ素系溶剤が、ハイドロクロロフルオロカーボン、ハイドロフルオロエーテルおよびパーフルオロカーボンからなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。フッ素系溶剤としてハイドロクロロフルオロカーボン、ハイドロフルオロエーテルおよびパーフルオロカーボンからなる群より選択される少なくとも一種を含む現像液を使用すれば、レジストパターンの解像度を更に向上させることができる。
更に、本発明のレジストパターン形成方法は、前記フッ素系溶剤が、CF3CF2CHCl2、CClF2CF2CHClF、CF3CF2CF2CF2OCH3、CF3CF2CF2CF2OC25およびC818からなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。フッ素系溶剤としてCF3CF2CHCl2、CClF2CF2CHClF、CF3CF2CF2CF2OCH3、CF3CF2CF2CF2OC25およびC818からなる群より選択される少なくとも一種を含む現像液を使用すれば、レジストパターンの解像度を更に向上させることができる。
また、本発明のレジストパターン形成方法は、前記現像液は、前記ハイドロフルオロカーボンと前記フッ素系溶剤との含有比(ハイドロフルオロカーボン:フッ素系溶剤)が、質量基準で、40:60~60:40であることが好ましい。ハイドロフルオロカーボンとフッ素系溶剤との含有比が上記範囲内であれば、より明瞭なパターンを効率的に形成することができる。
そして、本発明のレジストパターン形成方法は、前記単量体単位(A)が、α-クロロアクリル酸2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル単位であり、前記単量体単位(B)が、α-メチルスチレン単位または4-フルオロ-α-メチルスチレン単位であることが好ましい。共重合体が上述した単量体単位を有していれば、より明瞭なパターンを効率的に形成することができる。
本発明によれば、フッ素原子を含有する共重合体をポジ型レジストとして使用して解像度に優れるレジストパターンを形成することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
ここで、本発明のレジストパターン形成方法は、電子線などの電離放射線や紫外線などの短波長の光の照射により主鎖が切断されて低分子量化する、主鎖切断型のポジ型レジストを用いるものである。そして、本発明のレジストパターン形成方法は、特に限定されることなく、例えば、半導体、フォトマスク、モールドなどの製造プロセスにおいてレジストパターンを形成する際に用いることができる。
(レジストパターン形成方法)
本発明のレジストパターン形成方法は、以下に詳述するポジ型レジスト組成物を用いる。具体的には、本発明のレジストパターン形成方法は、所定の単量体を用いて形成した、フッ素原子を含有する共重合体を含む所定のポジ型レジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する工程(レジスト膜形成工程)と、レジスト膜を露光する工程(露光工程)と、露光されたレジスト膜を現像する工程(現像工程)とを含み、任意に、現像されたレジスト膜をリンスする工程(リンス工程)を更に含む。さらに、本発明のレジストパターン形成方法は、現像工程を、ハイドロフルオロカーボンと、当該ハイドロフルオロカーボンとの沸点の差が絶対値で25℃以下であるフッ素系溶剤とを含む現像液を用いて行うことを特徴とする。
<レジスト膜形成工程>
レジスト膜形成工程では、レジストパターンを利用して加工される基板などの被加工物の上に、ポジ型レジスト組成物を塗布し、塗布したポジ型レジスト組成物を乾燥させてレジスト膜を形成する。
ここで、ポジ型レジスト組成物の塗布方法及び乾燥方法としては、特に限定されることなく、レジスト膜の形成に一般的に用いられている方法を用いることができる。そして、本発明のパターン形成方法では、以下のポジ型レジスト組成物を使用する。
[ポジ型レジスト組成物]
ポジ型レジスト組成物は、以下に詳述するフッ素原子を含有する所定の共重合体と、溶剤とを含み、任意に、レジスト組成物に配合され得る既知の添加剤を更に含有する。
〔共重合体〕
本発明のレジストパターン形成方法にて使用するポジ型レジスト組成物に含有される共重合体は、下記式(I):
Figure 0007131292000003
〔式(I)中、R1は、フッ素原子を含む有機基である。〕
で表される単量体単位(A)と、
下記式(II):
Figure 0007131292000004
〔式(II)中、R2は、アルキル基であり、R3は、アルキル基、ハロゲン原子またはハロゲン化アルキル基であり、pは、0以上5以下の整数であり、R3が複数存在する場合、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。〕
で表される単量体単位(B)とを有する。
なお、共重合体は、単量体単位(A)および単量体単位(B)以外の任意の単量体単位を含んでいてもよいが、共重合体を構成する全単量体単位中で単量体単位(A)および単量体単位(B)が占める割合は、合計で90mol%以上であることが好ましく、100mol%である(即ち、共重合体は単量体単位(A)および単量体単位(B)のみを含む)ことがより好ましい。
そして、共重合体は、所定の単量体単位(A)および単量体単位(B)を含んでいるので、電離放射線等(例えば、電子線、KrFレーザー、ArFレーザー、EUVレーザーなど)が照射されると、主鎖が切断されて低分子量化する。また、共重合体は、少なくとも単量体単位(A)がフッ素原子を有しているので、レジストとして使用した際に現像時のレジストパターンの倒れの発生を抑制することができる。
-単量体単位(A)-
ここで、単量体単位(A)は、下記式(III):
Figure 0007131292000005
〔式(III)中、R1は、式(I)と同様である。〕で表される単量体(a)に由来する構造単位である。
そして、共重合体を構成する全単量体単位中の単量体単位(A)の割合は、特に限定されることなく、例えば30mol%以上70mol%以下とすることができる。
ここで、電離放射線等を照射した際の共重合体の主鎖の切断性を向上させ、レジストパターンをより効率的に形成し得るようにする観点からは、式(I)および式(III)中のR1に含まれるフッ素原子の数は、4以上であることが好ましく、5以上であることがより好ましい。また、ポジ型レジストとして用いた際に得られるレジストパターンの明瞭性を向上させる観点からは、式(I)および式(III)中のR1に含まれるフッ素原子の数は、7以下であることが好ましく、6以下であることがより好ましい。
また、R1の炭素数は、2以上10以下であることが好ましく、3以上4以下であることがより好ましく、3であることが更に好ましい。炭素数が上記下限値以上であれば、現像液に対する溶解度を十分に向上させることができる。また、炭素数が上記上限値以下であれば、ガラス転移点の低下を抑制し、得られるレジストパターンの明瞭性を十分に担保することができる。
具体的には、式(I)および式(III)中のR1は、フルオロアルキル基、フルオロアルコキシアルキル基またはフルオロアルコキシアルケニル基であることが好ましく、フルオロアルキル基であることがより好ましい。R1が上述した基であれば、電離放射線等を照射した際の共重合体の主鎖の切断性を十分に向上させることができる。
ここで、フルオロアルキル基としては、例えば、2,2,2-トリフルオロエチル基(フッ素原子の数が3、炭素数が2)、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル基(フッ素原子の数が5、炭素数が3)、3,3,4,4,4-ペンタフルオロブチル基(フッ素原子の数が5、炭素数が4)、1H-1-(トリフルオロメチル)トリフルオロエチル基(フッ素原子の数が6、炭素数が3)、1H,1H,3H-ヘキサフルオロブチル基(フッ素原子の数が6、炭素数が4)、2,2,3,3,4,4,4-へプタフルオロブチル基(フッ素原子の数が7、炭素数が4)、および、1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル基(フッ素原子の数が7、炭素数が3)などが挙げられる。中でも、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル基(フッ素原子の数が5、炭素数が3)が好ましい。
また、フルオロアルコキシアルキル基としては、例えば、フルオロエトキシメチル基およびフルオロエトキシエチル基などが挙げられる。
更に、フルオロアルコキシアルケニル基としては、例えば、フルオロエトキシビニル基などが挙げられる。
そして、上述した式(I)で表される単量体単位(A)を形成し得る、上述した式(III)で表される単量体(a)としては、特に限定されることなく、例えば、α-クロロアクリル酸2,2,2-トリフルオロエチル、α-クロロアクリル酸2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル、α-クロロアクリル酸3,3,4,4,4-ペンタフルオロブチル、α-クロロアクリル酸1H-1-(トリフルオロメチル)トリフルオロエチル、α-クロロアクリル酸1H,1H,3H-ヘキサフルオロブチル、α-クロロアクリル酸1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル、α-クロロアクリル酸2,2,3,3,4,4,4-へプタフルオロブチル等のα-クロロアクリル酸フルオロアルキルエステル;α-クロロアクリル酸ペンタフルオロエトキシメチルエステル、α-クロロアクリル酸ペンタフルオロエトキシエチルエステル等のα-クロロアクリル酸フルオロアルコキシアルキルエステル;α-クロロアクリル酸ペンタフルオロエトキシビニルエステル等のα-クロロアクリル酸フルオロアルコキシアルケニルエステル;などが挙げられる。
なお、電離放射線等を照射した際の共重合体の主鎖の切断性を更に向上させる観点からは、単量体単位(A)は、α-クロロアクリル酸フルオロアルキルエステルに由来する構造単位であることが好ましい。更に言えば、単量体単位(A)は、α-クロロアクリル酸フルオロアルキルエステルに由来する構造単位の中でも、α-クロロアクリル酸2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピルに由来する構造単位であることがより好ましい。単量体単位(A)がα-クロロアクリル酸2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピルに由来する構造単位であれば、共重合体の主鎖の切断性を向上させ、レジストパターンをより効率的に形成し得るようにすることができると共に、得られるレジストパターンの明瞭性を向上させることができる。
-単量体単位(B)-
また、単量体単位(B)は、下記式(IV):
Figure 0007131292000006
〔式(IV)中、R2およびR3、並びに、pは、式(II)と同様である。〕で表される単量体(b)に由来する構造単位である。
そして、共重合体を構成する全単量体単位中の単量体単位(B)の割合は、特に限定されることなく、例えば30mol%以上70mol%以下とすることができる。
ここで、式(II)および式(IV)中のR2~R3を構成し得るアルキル基としては、特に限定されることなく、例えば非置換の炭素数1~5のアルキル基が挙げられる。中でも、R2~R3を構成し得るアルキル基としては、メチル基またはエチル基が好ましい。
また、式(II)および式(IV)中のR3を構成し得るハロゲン原子としては、特に限定されることなく、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。中でも、ハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。
更に、式(II)および式(IV)中のR3を構成し得るハロゲン化アルキル基としては、特に限定されることなく、例えば炭素数1~5のフルオロアルキル基が挙げられる。中でも、ハロゲン化アルキル基としては、炭素数1~5のパーフルオロアルキル基が好ましく、トリフルオロメチル基がより好ましい。
そして、共重合体の調製の容易性および電離放射線等を照射した際の主鎖の切断性を向上させる観点からは、式(II)および式(IV)中のR2は、炭素数1~5のアルキル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
また、共重合体の調製の容易性および電離放射線等を照射した際の主鎖の切断性を向上させる観点からは、式(II)および式(IV)中のpは、0または1であることが好ましい。
中でも、レジストパターンの形成効率を向上させる観点からは、式(II)および式(IV)中のpが1であり、R3がフッ素原子または炭素数1~5のフルオロアルキル基であることが好ましく、pが1であり、R3がフッ素原子または炭素数1~5のパーフルオロアルキル基であることがより好ましく、pが1であり、R3がフッ素原子であることが更に好ましい。
そして、上述した式(II)で表される単量体単位(B)を形成し得る、上述した式(IV)で表される単量体(b)としては、特に限定されることなく、例えば、以下の(b-1)~(b-12)等のα-メチルスチレンおよびその誘導体が挙げられる。
Figure 0007131292000007
なお、共重合体の調製の容易性を向上させると共にレジストパターンを更に効率的に形成し得るようにする観点からは、単量体単位(B)は、α-メチルスチレンまたは4-フルオロ-α-メチルスチレンに由来する構造単位であることが好ましく、4-フルオロ-α-メチルスチレンに由来する構造単位であることがより好ましい。即ち、共重合体は、α-メチルスチレン単位または4-フルオロ-α-メチルスチレン単位を有することが好ましく、4-フルオロ-α-メチルスチレン単位を有することがより好ましい。
-共重合体の性状-
そして、共重合体は、重量平均分子量(Mw)が、20000以上であることが好ましく、30000以上であることがより好ましく、45000以上であることが更に好ましく、100000以下であることが好ましく、60000以下であることがより好ましく、50000以下であることが更に好ましい。共重合体の重量平均分子量(Mw)が上記下限値以上であれば、共重合体を用いて形成したポジ型レジストの弾性を向上させることができるので、レジストパターンの倒れの発生を更に抑制することが可能である。また、共重合体の重量平均分子量(Mw)が上記上限値以下であれば、感度を向上させることができる。
なお、共重合体の「重量平均分子量(Mw)」は、ゲル浸透クロマトグラフィーを使用し、標準ポリスチレン換算値として測定することができる。
また、共重合体は、数平均分子量(Mn)が、10000以上であることが好ましく、30000以上であることがより好ましく、35000以上であることが更に好ましく、100000以下であることが好ましく、50000以下であることがより好ましく、40000以下であることが更に好ましい。共重合体の数平均分子量(Mn)が上記下限値以上であれば、共重合体を用いて形成したポジ型レジストの弾性を向上させることができるので、レジストパターンの倒れの発生を更に抑制することが可能である。また、共重合体の数平均分子量(Mn)が上記上限値以下であれば、感度を向上させることができる。
なお、共重合体の「数平均分子量(Mn)」は、上述した「重量平均分子量(Mw)」と同様に、ゲル浸透クロマトグラフィーを使用し、標準ポリスチレン換算値として測定することができる。
そして、共重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、1.20以上であることが好ましく、1.30以上であることがより好ましく、2.00以下であることが好ましく、1.40以下であることがより好ましい。共重合体の分子量分布(Mw/Mn)が上記下限値以上であれば、共重合体の製造容易性を高めることができる。また、共重合体の分子量分布(Mw/Mn)が上記上限値以下であれば、得られるレジストパターンの明瞭性を高めることができる。
なお、本発明において、「分子量分布(Mw/Mn)」とは、数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の比を指す。
-共重合体の調製方法-
そして、上述した単量体単位(A)および単量体単位(B)を有する共重合体は、例えば、単量体(a)と単量体(b)とを含む単量体組成物を重合させた後、得られた共重合体を回収し、任意に精製することにより調製することができる。
なお、共重合体の組成、分子量分布、重量平均分子量および数平均分子量は、重合条件および精製条件を変更することにより調整することができる。具体的には、例えば、共重合体の組成は、重合に使用する単量体組成物中の各単量体の含有割合を変更することにより調整することができる。また、重量平均分子量および数平均分子量は、重合温度を高くすれば、小さくすることができる。更に、重量平均分子量および数平均分子量は、重合時間を短くすれば、小さくすることができる。また、精製を行えば、分子量分布を小さくすることができる。
ここで、共重合体の調製に用いる単量体組成物としては、単量体(a)および単量体(b)を含む単量体成分と、任意で使用可能な溶媒と、重合開始剤と、任意に添加される添加剤との混合物を用いることができる。そして、単量体組成物の重合は、既知の方法を用いて行うことができる。中でも、溶媒を使用する場合には、溶媒としてシクロペンタノンなどを用いることが好ましい。また、重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリルなどのラジカル重合開始剤を用いることが好ましい。
また、単量体組成物を重合して得られた重合物は、特に限定されることなく、重合物を含む溶液にテトラヒドロフラン等の良溶媒を添加した後、良溶媒を添加した溶液をメタノール等の貧溶媒中に滴下して重合物を凝固させることにより回収することができる。
なお、得られた重合物を精製する場合に用いる精製方法としては、特に限定されることなく、再沈殿法やカラムクロマトグラフィー法などの既知の精製方法が挙げられる。中でも、精製方法としては、再沈殿法を用いることが好ましい。
なお、重合物の精製は、複数回繰り返して実施してもよい。
そして、再沈殿法による重合物の精製は、例えば、得られた重合物をテトラヒドロフラン等の良溶媒に溶解した後、得られた溶液を、テトラヒドロフラン等の良溶媒とメタノール等の貧溶媒との混合溶媒に滴下し、重合物の一部を析出させることにより行うことが好ましい。このように、良溶媒と貧溶媒との混合溶媒中に重合物の溶液を滴下して精製を行えば、良溶媒および貧溶媒の種類や混合比率を変更することにより、得られる共重合体の分子量分布、重量平均分子量および数平均分子量を容易に調整することができる。具体的には、例えば、混合溶媒中の良溶媒の割合を高めるほど、混合溶媒中で析出する共重合体の分子量を大きくすることができる。
なお、再沈殿法により重合物を精製する場合、本発明で用いる共重合体としては、良溶媒と貧溶媒との混合溶媒中で析出した重合物を用いてもよいし、混合溶媒中で析出しなかった重合物(即ち、混合溶媒中に溶解している重合物)を用いてもよい。ここで、混合溶媒中で析出しなかった重合物は、濃縮乾固などの既知の手法を用いて混合溶媒中から回収することができる。
〔溶剤〕
溶剤としては、上述した共重合体を溶解可能な溶剤であれば特に限定されることはなく、例えば特許第5938536号公報に記載の溶剤などの既知の溶剤を用いることができる。中でも、適度な粘度のポジ型レジスト組成物を得てポジ型レジスト組成物の塗工性を向上させる観点からは、溶剤としては、アニソール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、酢酸ヘキシルまたは酢酸イソアミルを用いることが好ましい。
<露光工程>
露光工程では、レジスト膜形成工程で形成したレジスト膜に対し、電離放射線や光を照射して、所望のパターンを描画する。
なお、電離放射線や光の照射には、電子線描画装置やレーザー描画装置などの既知の描画装置を用いることができる。
<現像工程>
現像工程では、露光工程で露光されたレジスト膜と、現像液とを接触させてレジスト膜を現像し、被加工物上にレジストパターンを形成する。
ここで、レジスト膜と現像液とを接触させる方法としては、特に限定されることなく、現像液中へのレジスト膜の浸漬やレジスト膜への現像液の塗布等の既知の手法を用いることができる。
[現像液]
本発明のレジストパターン形成方法で使用する現像液は、ハイドロフルオロカーボンと、当該ハイドロフルオロカーボンとの沸点の差が絶対値で25℃以下であるフッ素系溶剤とを含むことを必要とする。なお、現像液は、所望の効果が得られる範囲内であれば、上記ハイドロフルオロカーボンおよびフッ素系溶剤以外の溶剤を含んでいてもよいが、上記ハイドロフルオロカーボンおよびフッ素系溶剤のみからなることが好ましい。
そして、本発明のレジストパターン形成方法では、上述した所定の共重合体を含むポジ型レジスト組成物を用いて形成したレジスト膜に対し、ハイドロフルオロカーボンと、当該ハイドロフルオロカーボンとの沸点の差が絶対値で25℃以下であるフッ素系溶剤とを含む現像液を使用しているので、解像度に優れるレジストパターンを形成することができる。
-ハイドロフルオロカーボン-
ここで、ハイドロフルオロカーボンとしては、特に限定されることなく、例えば、1,1,1,2,3,4,4,5,5,5-デカフルオロペンタン、1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6-トリデカフルオロヘキサン、1,1,1,2,2,3,4,5,5,5-デカフルオロペンタン、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン、1,1,1,2,2,3,3,4,4-ノナフルオロヘキサン等が挙げられる。中でも、得られるレジストパターンの解像度を更に向上させる観点からは、ハイドロフルオロカーボンとしては、炭素数5以上6以下のハイドロフルオロカーボンが好ましく、1,1,1,2,3,4,4,5,5,5-デカフルオロペンタン(CF3CFHCFHCF2CF3)がより好ましい。
なお、上述したようなハイドロフルオロカーボンは、例えば、三井・デュポンフロロケミカル社製のバートレルXF(登録商標)等として市販されている。
また、ハイドロフルオロカーボンは、沸点が、40℃以上であることが好ましく、50℃以上であることがより好ましく、70℃以下であることが好ましく、60℃以下であることがより好ましい。沸点が上記範囲内であれば、得られるレジストパターンの解像度を更に向上させることができる。また、沸点が上記下限値以上であれば、現像液のハンドリングが容易である。
-フッ素系溶剤-
フッ素系溶剤としては、ハイドロフルオロカーボンとの沸点の差が絶対値で25℃以下の任意のフッ素系溶剤を用いることができる。中でも、得られるレジストパターンの解像度を更に向上させる観点からは、フッ素系溶剤としては、ハイドロクロロフルオロカーボン、ハイドロフルオロエーテルおよびパーフルオロカーボンからなる群より選択される少なくとも一種を用いることが好ましく、ハイドロフルオロエーテルを用いることがより好ましい。
ここで、ハイドロクロロフルオロカーボンとしては、特に限定されることなく、例えば、2,2-ジクロロ-1,1,1-トリフルオロエタン、1,1-ジクロロ-1-フルオロエタン、1,1-ジクロロ-2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロパン、1,3-ジクロロ-1,1,2,2,3-ペンタフルオロプロパン等が挙げられる。中でも、得られるレジストパターンの解像度を更に向上させる観点からは、ハイドロクロロフルオロカーボンとしては、炭素数が3以下のハイドロクロロフルオロカーボンが好ましく、1,1-ジクロロ-2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロパン(CF3CF2CHCl2)および1,3-ジクロロ-1,1,2,2,3-ペンタフルオロプロパン(CClF2CF2CHClF)がより好ましい。
なお、上述したようなハイドロクロロフルオロカーボンは、例えば、AGC社製のアサヒクリンAK-225等として市販されている。
また、ハイドロフルオロエーテルとしては、特に限定されることなく、例えば、メチルノナフルオロブチルエーテル、メチルノナフルオロイソブチルエーテル、エチルノナフルオロブチルエーテル、エチルノナフルオロイソブチルエーテル等が挙げられる。中でも、得られるレジストパターンの解像度および明瞭性を更に向上させる観点からは、ハイドロフルオロエーテルとしては、メチルノナフルオロブチルエーテル(CF3CF2CF2CF2OCH3)およびエチルノナフルオロブチルエーテル(CF3CF2CF2CF2OC25)が好ましく、メチルノナフルオロブチルエーテル(CF3CF2CF2CF2OCH3)がより好ましい。
なお、上述したようなハイドロフルオロエーテルは、例えば、3M社製のNovec(登録商標)7100およびNovec(登録商標)7200等として市販されている。
更に、パーフルオロカーボンとしては、特に限定されることなく、例えば、CF4、C26、C38、C48、C410、C512、C612、C614、C714、C716、C818、C920等が挙げられる。中でも、得られるレジストパターンの解像度を更に向上させる観点からは、パーフルオロカーボンとしては、炭素数が6以上10以下のパーフルオロカーボンが好ましく、C818がより好ましい。
なお、上述したようなパーフルオロカーボンは、例えば、3M社製のPF-5052等として市販されている。
上述した中でも、入手容易性、並びに、レジストパターンの解像度の更なる向上の観点からは、フッ素系溶剤としては、CF3CF2CHCl2、CClF2CF2CHClF、CF3CF2CF2CF2OCH3、CF3CF2CF2CF2OC25およびC818からなる群より選択される少なくとも一種を用いることが好ましい。そして、得られるレジストパターンの解像度および明瞭性を更に向上させる観点からは、フッ素系溶剤としては、CF3CF2CF2CF2OCH3を用いることが特に好ましい。
また、フッ素系溶剤は、沸点が、40℃以上であることが好ましく、50℃以上であることがより好ましく、60℃以上であることが更に好ましく、90℃以下であることが好ましく、80℃以下であることがより好ましく、70℃以下であることが更に好ましい。沸点が上記範囲内であれば、得られるレジストパターンの解像度を更に向上させることができる。また、沸点が上記下限値以上であれば、現像液のハンドリングが容易である。
そして、ハイドロフルオロカーボンの沸点αと、フッ素系溶剤の沸点βとの差の絶対値(=|α-β|)は、0℃以上25℃以下であることを必要とし、3℃以上であることが好ましく、5℃以上であることがより好ましく、15℃以下であることが好ましく、10℃以下であることがより好ましい。|α-β|が上記範囲内であれば、得られるレジストパターンの解像度を十分に向上させることができる。
なお、得られるレジストパターンの解像度を更に向上させる観点からは、フッ素系溶剤の沸点βは、ハイドロフルオロカーボンの沸点αよりも大きいことが好ましい。
-含有比-
また、現像液中における、ハイドロフルオロカーボンとフッ素系溶剤との含有比(ハイドロフルオロカーボン:フッ素系溶剤)は、質量基準で、10:90~90:10であることが好ましく、40:60~60:40であることがより好ましい。ハイドロフルオロカーボンとフッ素系溶剤との含有比が上記範囲内であれば、より明瞭なパターンを効率的に形成することができる。
[現像条件]
なお、現像時の現像液の温度は、特に限定されないが、例えば21℃以上25℃以下とすることができる。また、現像時間は、例えば、30秒以上4分以下とすることができる。
<リンス工程>
任意に実施されるリンス工程では、現像工程で現像されたレジスト膜と、リンス液とを接触させて、現像されたレジスト膜をリンスし、被加工物上にレジストパターンを形成する。現像工程の後にリンス工程を実施すれば、現像されたレジスト膜に付着したレジストの残渣を効果的に除去することができる。
ここで、現像されたレジスト膜とリンス液とを接触させる方法としては、特に限定されることなく、リンス液中へのレジスト膜の浸漬やレジスト膜へのリンス液の塗布等の既知の手法を用いることができる。
[リンス液]
リンス液としては、現像されたレジスト膜に付着したレジストの残渣を除去可能なものであれば、特に限定されることなく、任意のリンス液を用いることができる。
具体的には、リンス液としては、例えば、温度25℃において輪環法を用いて測定した表面張力が17mN/m以下であるリンス液を用いることができる。そして、表面張力が17mN/m以下であるリンス液としては、例えば、CF3CFHCFHCF2CF3(表面張力:14.1mN/m)、CF3CF2CHCl2(表面張力16.2mN/m)、CClF2CF2CHClF(表面張力16.2mN/m)、CF3CF2CF2CF2OCH3(表面張力13.6mN/m)、C818(表面張力13.6mN/m)、C49OC25(表面張力13.6mN/m)、C25CF(OCH3)C37(表面張力15.1mN/m)およびこれらの混合物等のフッ素系溶剤が挙げられる。中でも、リンス液としては、CF3CFHCFHCF2CF3またはCF3CF2CF2CF2OCH3(メチルノナフルオロブチルエーテル)が好ましく、CF3CF2CF2CF2OCH3がより好ましい。
[リンス条件]
なお、リンス時のリンス液の温度は、特に限定されないが、例えば21℃以上25℃以下とすることができる。また、リンス時間は、例えば、5秒以上3分以下とすることができる。
以下、本発明について実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、実施例および比較例において、共重合体の重量平均分子量、数平均分子量および分子量分布は、下記の方法で評価した。
<重量平均分子量、数平均分子量および分子量分布>
得られた共重合体についてゲル浸透クロマトグラフィーを用いて重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を測定し、分子量分布(Mw/Mn)を算出した。
具体的には、ゲル浸透クロマトグラフ(東ソー製、HLC-8220)を使用し、展開溶媒としてテトラヒドロフランを用いて、共重合体の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を標準ポリスチレン換算値として求めた。そして、分子量分布(Mw/Mn)を算出した。
(実施例1)
<共重合体の調製>
[重合物の合成]
単量体(a)としてのα-クロロアクリル酸2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル(ACAPFP)3.0gおよび単量体(b)としてのα-メチルスチレン(AMS)3.476gと、重合開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル0.00551gと、溶媒としてのシクロペンタノン1.620gとを含む単量体組成物をガラス容器に入れ、ガラス容器を密閉および窒素置換して、窒素雰囲気下、78℃の恒温槽内で6時間撹拌した。その後、室温に戻し、ガラス容器内を大気解放した後、得られた溶液にテトラヒドロフラン(THF)10gを加えた。そして、THFを加えた溶液を、メタノール300g中に滴下し、重合物を析出させた。その後、析出した重合物を含む溶液をキリヤマ漏斗によりろ過し、白色の凝固物(重合物)を得た。得られた重合物の重量平均分子量(Mw)は46772であり、数平均分子量(Mn)は29853であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.567であった。また、得られた重合物は、α-クロロアクリル酸2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル単位を50mol%、α-メチルスチレン単位を50mol%含んでいた。
[重合物の精製]
次いで、得られた重合物を100gのTHFに溶解させ、得られた溶液をTHF150gとメタノール(MeOH)850gとの混合溶媒に滴下し、白色の凝固物(α-メチルスチレン単位およびα-クロロアクリル酸2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル単位を含有する共重合体)を析出させた。その後、析出した共重合体を含む溶液をキリヤマ漏斗によりろ過し、白色の共重合体を得た。そして、得られた共重合体について、重量平均分子量、数平均分子量および分子量分布を測定した。その結果、重量平均分子量は49486であり、数平均分子量は36136であり、分子量分布は1.369であった。
なお、得られた共重合体は、α-クロロアクリル酸2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル単位とα-メチルスチレン単位とを50モル%ずつ含んでいた。
<ポジ型レジスト組成物の調製>
得られた共重合体を溶剤としての酢酸イソアミルに溶解させ、共重合体の濃度が11質量%および2質量%であるレジスト溶液(ポジ型レジスト組成物)をそれぞれ調製した。
そして、共重合体の濃度が11質量%であるレジスト溶液からなるポジ型レジスト組成物を使用し、以下のようにしてレジストパターンを形成して、共重合体のEthおよびγ値を評価した。また、共重合体の濃度が2質量%であるレジスト溶液からなるポジ型レジスト組成物を使用し、以下のようにしてレジストパターンを形成して、レジストパターンの解像度を評価した。結果を表1に示す。
<レジストパターンの形成および評価>
[Ethおよびγ値]
スピンコーター(ミカサ製、MS-A150)を使用し、濃度11質量%のポジ型レジスト組成物を直径4インチのシリコンウェハ上に厚さ500nmになるように塗布した。そして、塗布したポジ型レジスト組成物を温度160℃のホットプレートで5分間加熱して、シリコンウェハ上にレジスト膜を形成した。そして、電子線描画装置(エリオニクス社製、ELS-S50)を用いて、電子線の照射量が互いに異なるパターン(寸法500μm×500μm)をレジスト膜上に複数描画し、レジスト用現像液として、ハイドロフルオロカーボン(三井・デュポンフロロケミカル社製、バートレルXF(登録商標)、CF3CFHCFHCF2CF3、沸点:55℃)とハイドロフルオロエーテル(3M社製、Novec(登録商標)7100、CF3CF2CF2CF2OCH3、沸点:61℃)との混合溶液(CF3CFHCFHCF2CF3:CF3CF2CF2CF2OCH3(質量比)=80:20)を用いて温度23℃で1分間の現像処理を行った後、リンス液としてメチルノナフルオロブチルエーテル(3M社製、Novec(登録商標)7100、表面張力:13.6mN/m)を用いて10秒間リンスした。なお、電子線の照射量は、4μC/cm2から200μC/cm2の範囲内で4μC/cm2ずつ異ならせた。次に、描画した部分のレジスト膜の厚みを光学式膜厚計(SCREENセミコンダクタソリューション社製、ラムダエース)で測定し、電子線の総照射量の常用対数と、現像後のレジスト膜の残膜率(=現像後のレジスト膜の膜厚/シリコンウェハ上に形成したレジスト膜の膜厚)との関係を示す感度曲線を作成した。
そして、得られた感度曲線(横軸:電子線の総照射量の常用対数、縦軸:レジスト膜の残膜率(0≦残膜率≦1.00))について、残膜率0.20~0.80の範囲において感度曲線を二次関数にフィッティングし、得られた二次関数(残膜率と総照射量の常用対数との関数)上の残膜率0の点と残膜率0.50の点とを結ぶ直線(感度曲線の傾きの近似線)を作成した。また、得られた直線(残膜率と総照射量の常用対数との関数)の残膜率が0となる際の、電子線の総照射量Eth(μC/cm2)を求めた。なお、Ethの値が小さいほど、ポジ型レジストとしての共重合体を少ない照射量で良好に切断して現像液に溶解させることができる(即ち、レジストパターンを効率的に形成し得る)ことを示す。
また、下記の式を用いてγ値を求めた。なお、下記の式中、E0は、残膜率0.20~0.80の範囲において感度曲線を二次関数にフィッティングし、得られた二次関数(残膜率と総照射量の常用対数との関数)に対して残膜率0を代入した際に得られる総照射量の対数である。また、E1は、得られた二次関数上の残膜率0の点と残膜率0.50の点とを結ぶ直線(感度曲線の傾きの近似線)を作成し、得られた直線(残膜率と総照射量の常用対数との関数)に対して残膜率1.00を代入した際に得られる総照射量の対数である。そして、下記式は、残膜率0と1.00との間での上記直線の傾きを表している。なお、γ値の値が大きいほど、感度曲線の傾きが大きく、明瞭なパターンを良好に形成し得ることを示す。
Figure 0007131292000008
[レジストパターンの解像度]
スピンコーター(ミカサ社製、MS-A150)を使用し、濃度2質量%のポジ型レジスト組成物を直径4インチのシリコンウェハ上に塗布した。次いで、塗布したポジ型レジスト組成物を温度160℃のホットプレートで5分間加熱して、シリコンウェハ上に厚さ50nmのレジスト膜を形成した。そして、電子線描画装置(エリオニクス社製、ELS-S50)を用いて、レジスト膜を最適露光量(Eop)で露光して、パターンを描画した。その後、レジスト用現像液として、ハイドロフルオロカーボン(三井・デュポンフロロケミカル社製、バートレルXF(登録商標)、CF3CFHCFHCF2CF3、沸点:55℃)とハイドロフルオロエーテル(3M社製、Novec(登録商標)7100、CF3CF2CF2CF2OCH3、沸点:61℃)との混合溶液(CF3CFHCFHCF2CF3:CF3CF2CF2CF2OCH3(質量比)=80:20)を用いて温度23℃で1分間の現像処理を行った。その後、リンス液としてメチルノナフルオロブチルエーテル(3M社製、Novec(登録商標)7100、表面張力:13.6mN/m)を用いて10秒間リンスしてレジストパターンを形成した。なお、最適露光量(Eop)は、それぞれ、上記で測定したEthの約2倍の値を目安として、適宜設定した。また、レジストパターンのライン(未露光領域)とスペース(露光領域)は、それぞれ18nm、20nm、25nm、30nm(即ち、ハーフピッチ18nm、20nm、25nm、30nm)とした。
そして、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)を用いて倍率100,000倍で観察し、パターンが形成しているハーフピッチを解像度とした。
(実施例2~4)
レジストパターンの形成および評価の際に、レジスト用現像液として、CF3CFHCFHCF2CF3:CF3CF2CF2CF2OCH3(質量比)が、60:40の混合溶液(実施例2)、40:60の混合溶液(実施例3)、および、20:80の混合溶液(実施例4)を用いた以外は実施例1と同様にして、共重合体およびポジ型レジスト組成物の調製、並びに、レジストパターンの形成および評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例5~8)
レジストパターンの形成および評価の際に、ハイドロフルオロエーテルとしてNovec(登録商標)7100に替えてNovec(登録商標)7200(3M社製、CF3CF2CF2CF2OC25、沸点:76℃)を用いた以外はそれぞれ実施例1~4と同様にして、共重合体およびポジ型レジスト組成物の調製、並びに、レジストパターンの形成および評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
レジストパターンの形成および評価の際に、レジスト用現像液として、ハイドロフルオロカーボン(三井・デュポンフロロケミカル社製、バートレルXF(登録商標)、CF3CFHCFHCF2CF3、沸点:55℃)を単独で使用した以外は実施例1と同様にして、共重合体およびポジ型レジスト組成物の調製、並びに、レジストパターンの形成および評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例2)
レジストパターンの形成および評価の際に、レジスト用現像液としてハイドロフルオロエーテル(3M社製、Novec(登録商標)7100、CF3CF2CF2CF2OCH3、沸点:61℃)を単独で使用した以外は実施例1と同様にして、共重合体およびポジ型レジスト組成物の調製、並びに、レジストパターンの形成および評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例3)
レジストパターンの形成および評価の際に、レジスト用現像液としてハイドロフルオロエーテル(3M社製、Novec(登録商標)7200、CF3CF2CF2CF2OC25、沸点:76℃)を単独で使用した以外は実施例1と同様にして、共重合体およびポジ型レジスト組成物の調製、並びに、レジストパターンの形成および評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例4)
レジストパターンの形成および評価の際に、ハイドロフルオロエーテルとしてNovec(登録商標)7100に替えてNovec(登録商標)7300(3M社製、CF3CF2CF(OCH3)C37、沸点:98℃)を用いた以外は比較例2と同様にして、共重合体およびポジ型レジスト組成物の調製、並びに、レジストパターンの形成および評価を行おうとしたが、電子線照射部分が現像液に溶解せず、レジストパターンの形成および評価ができなかった。結果を表1に示す。
(比較例5~8)
レジストパターンの形成および評価の際に、ハイドロフルオロエーテルとしてNovec(登録商標)7100に替えてNovec(登録商標)7300(3M社製、CF3CF2CF(OCH3)C37、沸点:98℃)を用いた以外はそれぞれ実施例1~4と同様にして、共重合体およびポジ型レジスト組成物の調製、並びに、レジストパターンの形成および評価を行った。結果を表1に示す。
なお、比較例8では、電子線照射部分が現像液に溶解せず、レジストパターンの形成および評価ができなかった。
Figure 0007131292000009
(実施例9~16および比較例9~16)
以下のようにして調製した共重合体を使用した以外は、それぞれ実施例1~8および比較例1~8と同様にして、共重合体およびポジ型レジスト組成物の調製、並びに、レジストパターンの形成および評価を行った。結果を表2に示す。
なお、比較例12および比較例16では、電子線照射部分が現像液に溶解せず、レジストパターンの形成および評価ができなかった。
<共重合体の調製>
[重合物の合成]
単量体(a)としてのα-クロロアクリル酸2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル(ACAPFP)3.0gおよび単量体(b)としての4-フルオロ-α-メチルスチレン(4FAMS)3.235gと、重合開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル0.00521gとを含む単量体組成物をガラス容器に入れ、ガラス容器を密閉および窒素置換して、窒素雰囲気下、78℃の恒温槽内で6時間撹拌した。その後、室温に戻し、ガラス容器内を大気解放した後、得られた溶液にテトラヒドロフラン(THF)10gを加えた。そして、THFを加えた溶液を、メタノール300g中に滴下し、重合物を析出させた。その後、析出した重合物を含む溶液をキリヤマ漏斗によりろ過し、白色の凝固物(重合物)を得た。得られた重合物の重量平均分子量(Mw)は38837であり、数平均分子量(Mn)は22658であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.714であった。また、得られた重合物は、α-クロロアクリル酸2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル単位を50mol%、4-フルオロ-α-メチルスチレン単位を50mol%含んでいた。
[重合物の精製]
次いで、得られた重合物を100gのTHFに溶解させ、得られた溶液をTHF50gとメタノール(MeOH)950gとの混合溶媒に滴下し、白色の凝固物(4-フルオロ-α-メチルスチレン単位およびα-クロロアクリル酸2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル単位を含有する共重合体)を析出させた。その後、析出した共重合体を含む溶液をキリヤマ漏斗によりろ過し、白色の共重合体を得た。そして、得られた共重合体について、重量平均分子量、数平均分子量および分子量分布を測定した。その結果、重量平均分子量は47603であり、数平均分子量は36477であり、分子量分布は1.305であった。
なお、得られた共重合体は、α-クロロアクリル酸2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル単位と4-フルオロ-α-メチルスチレン単位とを50モル%ずつ含んでいた。
Figure 0007131292000010
表1より、所定の現像液を用いた実施例1~8では、比較例1~8と比較し、解像度に優れるレジストパターンを形成できることが分かる。
また、表2より、所定の現像液を用いた実施例9~16では、比較例9~16と比較し、解像度に優れるレジストパターンを形成できることが分かる。
本発明によれば、フッ素原子を含有する共重合体をポジ型レジストとして使用して解像度に優れるレジストパターンを形成することができる。

Claims (6)

  1. 下記一般式(I):
    Figure 0007131292000011
    〔一般式(I)中、R1は、フッ素原子を含む有機基である。〕
    で表される単量体単位(A)と、
    下記一般式(II):
    Figure 0007131292000012
    〔式(II)中、R2は、アルキル基であり、R3は、アルキル基、ハロゲン原子またはハロゲン化アルキル基であり、pは、0以上5以下の整数であり、R3が複数存在する場合、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。〕
    で表される単量体単位(B)とを有する共重合体、および、溶剤を含むポジ型レジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する工程と、
    前記レジスト膜を露光する工程と、
    露光された前記レジスト膜を現像する工程と、
    を含み、
    前記現像を、ハイドロフルオロカーボンと、前記ハイドロフルオロカーボンとの沸点の差が絶対値で25℃以下であるフッ素系溶剤とを含む現像液を用いて行う、レジストパターン形成方法。
  2. 前記ハイドロフルオロカーボンが、CF3CFHCFHCF2CF3である、請求項1に記載のレジストパターン形成方法。
  3. 前記フッ素系溶剤が、ハイドロクロロフルオロカーボン、ハイドロフルオロエーテルおよびパーフルオロカーボンからなる群より選択される少なくとも一種である、請求項1または2に記載のレジストパターン形成方法。
  4. 前記フッ素系溶剤が、CF3CF2CHCl2、CClF2CF2CHClF、CF3CF2CF2CF2OCH3、CF3CF2CF2CF2OC25およびC818からなる群より選択される少なくとも一種である、請求項1~3の何れかに記載のレジストパターン形成方法。
  5. 前記現像液は、前記ハイドロフルオロカーボンと前記フッ素系溶剤との含有比(ハイドロフルオロカーボン:フッ素系溶剤)が、質量基準で、40:60~60:40である、請求項1~4の何れかに記載のレジストパターン形成方法。
  6. 前記単量体単位(A)が、α-クロロアクリル酸2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル単位であり、
    前記単量体単位(B)が、α-メチルスチレン単位または4-フルオロ-α-メチルスチレン単位である、請求項1~5の何れかに記載のレジストパターン形成方法。
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