JP2003082010A - (メタ)アクリル酸系共重合体及びその製造方法 - Google Patents

(メタ)アクリル酸系共重合体及びその製造方法

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JP2003082010A
JP2003082010A JP2001272949A JP2001272949A JP2003082010A JP 2003082010 A JP2003082010 A JP 2003082010A JP 2001272949 A JP2001272949 A JP 2001272949A JP 2001272949 A JP2001272949 A JP 2001272949A JP 2003082010 A JP2003082010 A JP 2003082010A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】反応性が大きく異なる2種以上の(メタ)アク
リル酸エステルを用いたランダム(メタ)アクリル酸系
共重合体の製造においても、分子量制御され、しかも狭
分散共重合体が得られる製造方法を提供すること。 【解決手段】アニオン重合開始剤を重合開始剤とする
(メタ)アクリル酸系共重合体の製造方法において、ア
ニオン重合開始剤対してモル比で0.1当量以上、1.
0当量未満の鉱酸のアルカリ金属塩及び/又はアルカリ
土類金属塩存在下、反応性が大きく異なる2種以上の
(メタ)アクリル酸エステルを共重合させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、(メタ)アクリル
酸系共重合体及びその製造方法に関し、さらに詳しく
は、反応性が大きく異なる2種以上のモノマーを用いた
分子量制御された狭分散ランダム(メタ)アクリル酸系
共重合体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】分子量制御された狭分散(メタ)アクリ
ル酸系重合体を製造する方法として、例えば、特公平7
−42326号公報には、鉱酸のアルカリ金属塩または
アルカリ土類金属塩よりなる添加剤の存在下にアニオン
重合開始剤を用いたアクリルモノマー及び所望によりア
クリルモノマーと非アクリルコモノマーの重合方法が記
載されている。
【0003】さらに、特開平2001−209254号
公報には、反応性が大きく異なる2種以上のモノマー、
例えば、電子供与性の脂環式炭化水素基を有する(メ
タ)アクリル酸エステルと電子吸引性のラクトン環を有
する(メタ)アクリル酸エステルのを主成分とした(メ
タ)アクリル酸系ランダム共重合体を、ラジカル重合方
法を用いて製造したことが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特公平7−4
2326号公報には、2種以上の(メタ)アクリル酸エ
ステルを用いた(メタ)アクリル酸系共重合体の例は未
記載であり、添加する鉱酸のアルカリ金属塩等の量につ
いても、詳細な説明中には、特に記載されておらず、実
施例においては、アニオン重合開始剤に対して1.0当
量以上用いた例しか記載されていない。
【0005】また、特開平2001−209254号公
報に記載されたランダム(メタ)アクリル酸系共重合体
は、いずれも、分子量分布が広いものしかしか記載され
ていない。一方、アニオン重合方法を用いれば、分子量
制御された狭分散共重合体が得られることは一般的に知
られているが、上記したように反応性が大きく異なる2
種以上の(メタ)アクリル酸エステルを用いた場合に
は、その反応性の差異に起因して分子量制御された狭分
散共重合体は得られないとされており、事実そのような
報告例は今までになされていない。本発明は、反応性が
大きく異なる2種以上の(メタ)アクリル酸エステルを
用いたランダム(メタ)アクリル酸系共重合体の製造に
おいても、分子量制御され、しかも狭分散共重合体が得
られる製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、適度な金属ハロゲン化
合物共存下でアニオン重合を行うことにより、上記課題
を解決することができることを見出し、本発明を完成す
るに至った。
【0007】すなわち、本発明は、(1)アニオン重合
開始剤を重合開始剤とする(メタ)アクリル酸系共重合
体の製造方法において、アニオン重合開始剤対してモル
比で0.1当量以上、1.0当量未満の鉱酸のアルカリ
金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩存在下、2種以上
の(メタ)アクリル酸エステルを共重合させることを特
徴とする(メタ)アクリル酸系共重合体の製造方法に関
し、(2)アニオン重合開始剤対してモル比で0.15
〜0.7当量の鉱酸のアルカリ金属塩及び/又はアルカ
リ土類金属塩を用いることを特徴とする(1)に記載の
(メタ)アクリル酸系共重合体の製造方法、(3)用い
る(メタ)アクリル酸エステルの少なくとも2種が、ア
ニオン重合開始剤のみでアニオン重合反応を行った場合
に数平均分子量(Mw)と重量平均分子量(Mn)の比
(Mw/Mn)が1.01〜1.50の範囲内に入るラ
ンダム共重合体が得られない(メタ)アクリル酸エステ
ルであることを特徴とする(1)または(2)に記載の
(メタ)アクリル酸系共重合体の製造方法、(4)(メ
タ)アクリル酸エステルβ位不飽和炭素の13CNMRδ
値の差が1.5〜3.0ppmの範囲である2種以上の
(メタ)アクリル酸エステルを用いることを特徴とする
(1)〜(3)のいずれかに記載の(メタ)アクリル酸
系共重合体の製造方法、(5)(メタ)アクリル酸エス
テルβ位不飽和炭素の13CNMRδ値の差が1.8〜
2.5ppmの範囲である2種以上の(メタ)アクリル
酸エステルを用いることを特徴とする請求項1〜3のい
ずれかに記載の(メタ)アクリル酸系共重合体の製造方
法、(6)反応温度が、−100〜0℃の範囲であるこ
とを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の(メ
タ)アクリル酸系共重合体の製造方法、(7)(メタ)
アクリル酸系共重合体が、ラクトン環を有する(メタ)
アクリル酸エステルから誘導される繰り返し単位を含む
ことを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の
(メタ)アクリル酸系共重合体の製造方法、(8)ラク
トン環を有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導さ
れる繰り返し単位が、式(I)
【化11】 (式中、R1は、水素原子、または置換基を有していて
もよいC1〜C5アルキル基を表し、Aは、単結合、エ
ーテル基、エステル基、カルボニル基、アルキレン基、
又はこれらを組み合わせた2価の基を表し、Bは式(I
−1)〜(I−4)
【化12】 (式中、Xは、酸素原子、硫黄原子または置換基を有し
ていてもよいアルキレン基を表し、R2は、置換基を有
していてもよいアルキル基、シクロアルキル基、またア
ルケニル基を表し、mは、0又は1〜5のいずれかの整
数を表し、mが2以上の場合、R2はそれぞれ同一また
は相異なっていてもよく、また相互に結合して環を形成
してもよい。)で表される置換基を表す。)で表される
繰り返し単位をであることを特徴とする(1)〜(7)
のいずれかに記載の(メタ)アクリル酸系共重合体の製
造方法、(9)(メタ)アクリル酸系共重合体が、さら
に脂環式炭化水素骨格を有する(メタ)アクリル酸エス
テルから誘導される繰り返し単位を含むことを特徴とす
る(7)または(8)に記載の(メタ)アクリル酸系共
重合体の製造方法、(10)脂環式炭化水素骨格を有す
る(メタ)アクリル酸エステルから誘導される繰り返し
単位が、式(II)
【化13】 (式中、R3は、水素原子、または置換基を有していて
もよいC1〜C5アルキル基を表し、Aは、前記と同じ
意味を表し、Cは、式(II−1)〜(II−6)
【化14】 (式中、R11は、C1〜C5アルキル基を表し、Zは、
炭素原子とともに、脂環式炭化水素基を形成するのに必
要な原子団を表し、R12〜R16は、各々独立に、炭化水
素に、直鎖または分枝鎖を有していてもよいC1〜C4
アルキル基、または脂環式炭化水素基を表し、但し、R
12〜R14のうち少なくとも1つ、もしくはR15、R16
いずれかは脂環式炭化水素基を表し、R17〜R21は、各
々独立に、水素原子、直鎖または分枝鎖を有していても
よいC1〜C4アルキル基を表し、但しR17〜R21のう
ち少なくとも1つは脂環式炭化水素基を表し、R19、R
21のいずれかは直鎖または分枝鎖を有するC1〜C4ア
ルキル基、または脂環式炭化水素基を表し、R22〜R25
は、各々独立に、水素原子、直鎖または分枝鎖を有して
いてもよいC1〜C4アルキル基を表し、但しR22〜R
25のうち少なくとも1つは脂環式炭化水素基を表す。)
で表される置換基を表す。)で表される繰り返し単位で
あることを特徴とする(9)に記載の(メタ)アクリル
酸系共重合体の製造方法、(11)式(II)で表される
繰り返し単位が、式(III)
【化15】 (式中、R1は、前記と同じ意味を表し、R30は置換基
を有していてもよいアルキル基を表し、R31〜R32はそ
れぞれ独立に水酸基、ハロゲン原子、カルボキシル基、
アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルコ
キシ基、アルコキシカルボニル基、またはアシル基を表
し、p、q、rはそれぞれ独立に、0または1〜3の整
数を表し、p、q、またはrが、2以上の場合、それぞ
れ同一または相異なっていてもよい。)で表される繰り
返し単位であることを特徴とする(10)に記載の(メ
タ)アクリル酸系共重合体の製造方法、(12)(メ
タ)アクリル酸系共重合体の数平均分子量が1,000
〜100,000であることを特徴とする請求項1〜1
1のいずれかに記載の(メタ)アクリル酸系共重合体の
製造方法、(13)(メタ)アクリル酸系共重合体の重
量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(M
w/Mn)が1.01〜1.50の範囲である(1)〜
(12)のいずれかに記載の(メタ)アクリル酸系共重
合体の製造方法、(14)(メタ)アクリル酸系共重合
体がランダム共重合体であることを特徴とする(1)〜
(13)のいずれかに記載の(メタ)アクリル酸系共重
合体の製造方法に関する。
【0008】(15)式(I)
【化16】 (式中、R1は、水素原子、または置換基を有していて
もよいC1〜C5アルキル基を表し、Aは、単結合、エ
ーテル基、エステル基、カルボニル基、アルキレン基、
又はこれらを組み合わせた2価の基を表し、Bは式(I
−1)〜(I−4)
【化17】 (式中、Xは、酸素原子、硫黄原子または置換基を有し
ていてもよいアルキレン基を表し、R2は、置換基を有
していてもよいアルキル基、シクロアルキル基、またア
ルケニル基を表し、mは、0又は1〜5のいずれかの整
数を表し、mが2以上の場合、R2はそれぞれ同一また
は相異なっていてもよく、また相互に結合して環を形成
してもよい。)で表される置換基を表す。)で表される
繰り返し単位を含み、重量平均分子量(Mw)と数平均
分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.01〜1.5
0の範囲であることを特徴とする(メタ)アクリル酸系
共重合体に関し、(16)さらに、脂環式炭化水素骨格
を有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される繰
り返し単位を含むことを特徴とする(15)に記載の
(メタ)アクリル酸系共重合体、(17)脂環式炭化水
素骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導さ
れる繰り返し単位が、式(II)
【化18】 (式中、R3は、水素原子、または置換基を有していて
もよいC1〜C5アルキル基を表し、Aは、前記と同じ
意味を表し、Cは、式(II−1)〜(II−6)
【化19】 (式中、R11は、C1〜C5アルキル基を表し、Zは、
炭素原子とともに、脂環式炭化水素基を形成するのに必
要な原子団を表し、R12〜R16は、各々独立に、炭化水
素に、直鎖または分枝鎖を有していてもよいC1〜C4
アルキル基、または脂環式炭化水素基を表し、但し、R
12〜R14のうち少なくとも1つ、もしくはR15、R16
いずれかは脂環式炭化水素基を表し、R17〜R21は、各
々独立に、水素原子、直鎖または分枝鎖を有していても
よいC1〜C4アルキル基を表し、但しR17〜R21のう
ち少なくとも1つは脂環式炭化水素基を表し、R19、R
21のいずれかは直鎖または分枝鎖を有するC1〜C4ア
ルキル基、または脂環式炭化水素基を表し、R22〜R25
は、各々独立に、水素原子、直鎖または分枝鎖を有して
いてもよいC1〜C4アルキル基を表し、但しR22〜R
25のうち少なくとも1つは脂環式炭化水素基を表す。)
で表される置換基を表す。)で表される繰り返しである
(16)に記載の(メタ)アクリル酸系共重合体、(1
8)式(II)で表される繰り返し単位が、式(III)
【化20】 (式中、R1は、前記と同じ意味を表し、R30は置換基
を有していてもよいアルキル基を表し、R31〜R32はそ
れぞれ独立に水酸基、ハロゲン原子、カルボキシル基、
アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルコ
キシ基、アルコキシカルボニル基、またはアシル基を表
し、p、q、rはそれぞれ独立に、0または1〜3の整
数を表し、p、q、またはrが、2以上の場合、それぞ
れ同一または相異なっていてもよい。)で表される繰り
返し単位であることを特徴とする(17)に記載の(メ
タ)アクリル酸系共重合体、(19)数平均分子量が
1,000〜100,000の範囲であることを特徴と
する(15)〜(18)のいずれかに記載の(メタ)ア
クリル酸系共重合体、(20)(メタ)アクリル酸系共
重合体がランダム共重合体であることを特徴とする(1
5)〜(19)のいずれかに記載の(メタ)アクリル酸
系共重合体に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法は、アニオン重
合可能な全ての(メタ)アクリル酸エステルから誘導さ
れる(メタ)アクリル酸系共重合体の製造に適用するこ
とが可能であるが、特に、従来アニオン重合方法では狭
分散ランダム共重合体を得ることが困難とされていた
(メタ)アクリル酸系共重合体の製造に好ましく適用す
ることができる。そのような、共重合体として、例え
ば、用いる(メタ)アクリル酸エステルの少なくとも2
種が、アニオン重合開始剤のみでアニオン重合反応を行
った場合には、数平均分子量(Mw)と重量平均分子量
(Mn)の比(Mw/Mn)が1.01〜1.50であ
る特定範囲の狭分散ランダム共重合体が得られない(メ
タ)アクリル酸エステルから誘導される(メタ)アクリ
ル酸系共重合体等を例示することができる。なお、本明
細書中、(メタ)アクリル酸系共重合体とは、メタアク
リル酸エステルおよび/またはアクリル酸エステルから
誘導される共重合体を示すものとする。
【0010】上記したようにアニオン重合方法では、狭
分散の共重合体が得られない理由の一つとして、用いる
2種以上の(メタ)アクリル酸エステルの反応性が大き
く異なることが挙げられる。その反応性の差異を表す値
として色々あるが、具体的には(メタ)アクリル酸エス
テルβ位不飽和炭素の13CNMRδ値を例示することが
できる。以上のことから、本発明の製造方法を好適に用
いることができる場合として、(メタ)アクリル酸エス
テルβ位不飽和炭素の13CNMRδ値の差が1.5〜
3.0ppm、よりこの好ましくは1.8〜2.5pp
mの範囲である2種以上の(メタ)アクリル酸エステル
を用いた(メタ)アクリル酸系共重合体を製造する場合
を例示することができる。
【0011】また、さらにラクトン環を有する(メタ)
アクリル酸エステルから誘導される繰り返し単位、また
はラクトン環を有する(メタ)アクリル酸エステルから
誘導される繰り返し単位および脂環式炭化水素骨格を有
する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される繰り返
し単位を含む(メタ)アクリル酸系共重合体は、従来ラ
ジカル重合法で分子量分布の広い共重合体しか得られて
いないことから、本発明の製造方法をそのような(メ
タ)アクリル酸系共重合体の製造に好ましく適用するこ
とができる。
【0012】ラクトン環を有する(メタ)アクリル酸エ
ステルから誘導される繰り返し単位として、具体的に
は、ブチロラクトンアクリレート、ブチロラクトンメタ
クリレート、メバロニックラクトンメタクリレート、パ
ントラクトンメタクリレート等から誘導される繰り返し
単位を例示することができるが、特に、式(I)で表さ
れる繰り返し単位を有する(メタ)アクリル酸系共重合
体の製造に好適に使用することができる。
【0013】式(I)で表される繰り返し単位中、R
1は、水素原子、または置換基を有していてもよいC1
〜C5アルキル基を表し、Aは、単結合、エーテル基、
エステル基、カルボニル基、アルキレン基、又はこれら
を組み合わせた2価の基を表し、Bは、式(I−1)〜
(I−4)で表される何れかの置換基を表す。R1とし
て、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t
−ブチル基、n−ペンチル基等を例示することができ
る。
【0014】式(I−1)〜(I−4)において、X
は、酸素原子、硫黄原子または置換基を有していてもよ
いアルキレン基を表し、R2は、水素原子、置換基を有
していてもよいアルキル基、シクロアルキル基、またア
ルケニル基を表し、mは、0〜5のいずれかの正数を表
し、mが2以上の場合、R2はそれぞれ同一または相異
なっていてもよく、また相互に結合して環を形成しても
よい。R2におけるアルキル基としては、直鎖状または
分岐状のC1〜C12のアルキル基が好ましく、具体的
には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、
t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−
ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシ
ル基等を例示することができる。
【0015】シクロアルキル基として具体的には、シク
ロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、
シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の炭素数3〜8
個のものを例示することができ、アルケニル基として
は、ビニル基、2−プロペニル基、2−ブテニル基、3
−ヘキセニル基等の炭素数2〜6個のもの等を例示する
ことができる。また、mが2以上の場合、R2内の2つ
が結合して形成する環として具体的には、シクロプロパ
ン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキ
サン環、シクロオクタン環等の3〜8員環を例示するこ
とができる。なお、R2の置換位置は特に限定されず、
環状骨格を構成している炭素原子のうちのいずれに連結
していてもよい。また、Xとして具体的には、酸素原
子、イオウ原子、メチレン基、エチレン基、1,1−ジ
メチルメチレン基、1,2−ジメチルエチレン基、1,
1−ジメチルエチレン基等を例示することができる。
【0016】また、R1およびR2は、適当な炭素上に置
換基を有していてもよく、その置換基としては、C1〜
C4アルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原
子、臭素原子、ヨウ素原子)、アシル基、アシロキシ
基、シアノ基、水酸基、カルボキシ基、アルコキシカル
ボニル基、ニトロ基等を具体的に例示することができ
る。また、Aとして下記式にしめす構造を例示すること
ができる。
【0017】
【化21】
【0018】RaおよびRbはそれぞれ独立に、水素原
子、アルキル基、置換アルキル基、ハロゲン原子、水酸
基、アルコキシ基を表し、具体的には、メチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基
等の低級アルキル基が好ましく例示することができる。
置換アルキル基の置換基としては、水酸基、ハロゲン原
子、アルコキシ基を挙げることができ、アルコキシ基と
しては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブト
キシ基等のC1〜4Cのものを例示することができる。
ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原
子、沃素原子等を例示することができる。r1は1〜1
0のいずれかの整数を表し、mは1〜3のいすれかの整
数を表す。式(I)で表される化合物として具体的な例
を以下に示す。
【0019】
【化22】
【0020】
【化23】
【0021】
【化24】
【0022】
【化25】
【0023】
【化26】
【0024】脂環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エ
ステルから誘導される繰り返し単位として、式(II)で
表される繰り返し単位を好ましく例示することができ
る。式(II)で表される繰り返し単位中、R3は、水素
原子、または置換基を有していてもよいC1〜C5アル
キル基を表し、Aは前記と同じ意味を表し、Cは、式(II
−1)〜(II−6)で表される置換基のいずれかを表
す。
【0025】また、式(II−1)〜(II−6)において
は、R11は、C1〜C5アルキル基を表し、Zは、炭素
原子とともに、脂環式炭化水素基を形成するのに必要な
原子団を表し、R12〜R16は、各々独立に、炭化水素
に、直鎖または分枝鎖を有していてもよいC1〜C4ア
ルキル基、または脂環式炭化水素基を表し、但し、R12
〜R14のうち少なくとも1つ、もしくはR15、R16のい
ずれかは脂環式炭化水素基を表し、R17〜R21は、各々
独立に、水素原子、直鎖または分枝鎖を有していてもよ
いC1〜C4アルキル基を表し、但しR17〜R21のうち
少なくとも1つは脂環式炭化水素基を表し、R19、R21
のいずれかは直鎖または分枝鎖を有するC1〜C4アル
キル基、または脂環式炭化水素基を表し、R22〜R
25は、各々独立に、水素原子、直鎖または分枝鎖を有し
ていてもよいC1〜C4アルキル基を表し、但しR22
25のうち少なくとも1つは脂環式炭化水素基を表す。
【0026】R3として具体的には、R1と同様の具体例
を例示することができ、R11としても、炭素数の違いを
考慮してR1と同様の具体例を例示することができる。
12〜R25におけるアルキル基としては、置換もしくは
非置換のいずれであってもよく、直鎖または分枝鎖を有
していてもよいのC1〜C4アルキル基を表し、具体的
には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロ
ピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル
基、t−ブチル基等を例示することができる。R3、R
11〜R25は、適当な炭素上に更なる置換基を有すること
ができ、その置換基として、C1〜C4アルコキシ基、
ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ
素原子)、アシル基、アシロキシ基、シアノ基、水酸
基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、ニトロ基
等を挙げることができる。
【0027】R11〜R25における脂環式炭化水素基ある
いはZと炭素原子が形成する脂環式炭化水素基として
は、単環式でも、多環式でもよく、具体的には、C5以
上のモノシクロ、ビシクロ、トリシクロ、テトラシクロ
構造等を有する基を挙げることができ、C6〜C30の
脂環式炭化水素基が好ましく、特にC7〜C25の脂環
式炭化水素基が好ましい。これらの脂環式炭化水素基は
適当な炭素上に置換基を有していてもよい。脂環式炭化
水素基のうち、脂環式部分の構造例を以下に示す。
【0028】
【化27】
【0029】上記例示された脂環式骨格のうち、特にア
ダマンチル基、ノルアダマンチル基、デカリン残基、ト
リシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、ノル
ボルニル基、セドロール基、シクロヘキシル基、シクロ
ヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデカニル基、シ
クロドデカニル基等を好ましく例示することができ、ア
ダマンチル基、デカリン残基、ノルボルニル基、セドロ
ール基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロ
オクチル基、シクロデカニル基、シクロドデカニル基を
より好ましく例示することができる。
【0030】これらの脂環式炭化水素基の置換基とし
て、具体的にはアルキル基、置換アルキル基、シクロア
ルキル基、アルケニル基、アシル基、ハロゲン原子、水
酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカル
ボニル基等を例示することができる。より具体的に、ア
ルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イ
ソプロピル基、ブチル基等の低級アルキル基が好まし
く、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、
イソプロピル基である。置換アルキル基の置換基として
は、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基を挙げること
ができる。アルコキシ基(アルコキシカルボニル基のア
ルコキシ基も含む)としてはメトキシ基、エトキシ基、
プロポキシ基、ブトキシ基等のC1〜C4のものを挙げ
ることができる。シクロアルキル基としては、シクロプ
ロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙
げられる。アルケニル基としては、C2〜C6のアルケ
ニル基が挙げられ、具体的にはビニル基、1−プロペニ
ル基、アリル基、2−ブテニル基、2−ペンテニル基、
3−ヘキセニル基等が挙げられる。アシル基としては、
アセチル基、エチルカルボニル基、n−プロピルカルボ
ニル基等が挙げられる。ハロゲン原子としては、塩素原
子、臭素原子、沃素原子、フッ素原子等が挙げられる。
【0031】式(II−1)〜(II−6)で示される構造
のなかでも、好ましくは式(II−1)であり、より好ま
しくは式(III)で示される繰り返し単位である。式(I
II)中のR30のアルキル基、R31〜R33におけるハロゲ
ン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル
基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基
は、前記脂環式炭化水素基の置換基で例示した具体例と
同様の具体例を例示することができる。式(II)(式
(III)を含む)で表される繰り返し単位の具体例とし
て以下に示す。
【0032】
【化28】
【0033】
【化29】
【0034】
【化30】
【0035】
【化31】
【0036】本発明の方法で製造される(メタ)アクリ
ル酸系共重合体は、式(I)、式(II)で表される繰り
返し単位以外にも、更に他の繰り返し単位を含んでいて
もよく、他の繰り返し単位として、下記式(IV)で示さ
れる繰り返し単位を具体的に例示することができる。
【0037】
【化32】
【0038】(式中、R34は、水素原子、または、置換
基を有していてもよい直鎖または分枝鎖を有するC1〜
C5アルキル基を表し、R35〜R37は、それぞれ独立に
水素原子又は置換基を有していてもよいC1〜C5アル
コキシ基を表し、R35〜R37のうち少なくとも1つは置
換基を有していてもよいC1〜C5アルコキシ基を表
す。)式(IV)におけるR34の具体例としては、R1
例示した具体例と同様の具体例を例示することができ
る。R35〜R37として具体的には、メトキシ基、エトキ
シ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブト
キシ基、t−ブトキシ基、メトキシメトキシ基、エトキ
シメトキシ基、メトキシメトキシ基、2−メトキシエト
キシメトキシ基、ビス(2−クロロエトキシ)メトキシ
基、テトラヒドロピラニルオキシ基、4−メトキシテト
ラヒドロピラニルオキシ基、テトラヒドロフラニルオキ
シ基、トリフェニルメトキシ基、トリメチルシリルオキ
シ基、2−(トリメチルシリル)エトキシメトキシ基、
t−ブチルジメチルシリルオキシ基、トリメチルシリル
メトキシ基、t−ブトキシ基、t−ブトキシカルボニル
オキシ基、t−ブトキシカルボニルメトキシ基、1−t
−ブトキシカルボニルエトキシ基、1−メチル−1−t
−ブトキシカルボニルエトキシ基等を例示することがで
き、特に、アニオン重合を阻害せずに酸により分解また
は脱離し水酸基を生成することができるアルコキシ基が
好ましい。さらに、下式
【0039】
【化33】
【0040】(式中、R38はC1〜C20の無置換若し
くはアルコキシ置換のアルキル基、C5〜C10のシク
ロアルキル基、又はC6〜C20の無置換若しくはアル
コキシ置換のアリール基を表し、R39は、水素又はC1
〜C3のアルキル基を表し、R 40は水素、C1〜C6の
アルキル基、又はC1〜C6のアルコキシ基を表す。)
で表される基を例示することができ、このような置換基
として具体的には、1−メトキシエトキシ基、1−エト
キシエトキシ基、1−メトキシプロポキシ基、1−メチ
ル−1−メトキシエトキシ基、1−(イソプロポキシ)
エトキシ基等を例示することができる。R35〜R37のう
ち少なくとも1つは、アルコキシ基であり、好ましくは
ジアルコキシ体、モノアルコキシ体であり、より好まし
くはモノアルコキシ体である。
【0041】本発明の方法で製造される(メタ)アクリ
ル酸系共重合体には、さらに以下のような単量体に相当
する繰り返し単位を含めることができ、具体的には、ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピ
ル、アクリル酸アミル、アクリル酸シクロヘキシル、ア
クリル酸エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリ
ル酸−t−オクチル、クロルエチルアクリレート、2−
エトキシエチルアクリレート、2,2−ジメチル−3−
エトキシプロピルアクリレート、5−エトキシペンチル
アクリレート、1−メトキシエチルアクリレート、1−
エトキシエチルアクリレート、1−メトキシプロピルア
クリレート、1−メチル−1−メトキシエチルアクリレ
ート、1−(イソプロポキシ)エチルアクリレート、ベ
ンジルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、
フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアク
リレート等のアクリル酸エステル類、メチルメタクリレ
ート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレー
ト、イソプロピルメタクリレート、アミルメタクリレー
ト、ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリ
レート、ベンジルメタクリレート、クロルベンジルメタ
クリレート、オクチルメタクリレート、2−エトキシエ
チルメタクリレート、4−メトキシブチルメタクリレー
ト、5−メトキシペンチルメタクリレート、2,2−ジ
メチル−3−エトキシプロピルメタクリレート、1−メ
トキシエチルメタクリレート、1−エトキシエチルメタ
クリレート、1−メトキシプロピルメタクリレート、1
−メチル−1−メトキシエチルメタクリレート、1−
(イソプロポキシ)エチルメタクリレート、フルフリル
メタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレー
ト等のメタクリル酸エステル類、
【0042】クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、ク
ロトン酸プロピル、クロトン酸アミル、クロトン酸シク
ロヘキシル、クロトン酸エチルヘキシル、クロトン酸オ
クチル、クロトン酸−t−オクチル、クロルエチルクロ
トネート、2−エトキシエチルクロトネート、2,2−
ジメチル−3−エトキシプロピルクロトネート、5−エ
トキシペンチルクロトネート、1−メトキシエチルクロ
トネート、1−エトキシエチルクロトネート、1−メト
キシプロピルクロトネート、1−メチル−1−メトキシ
エチルクロトネート、1−(イソプロポキシ)エチルク
ロトネート、ベンジルクロトネート、メトキシベンジル
クロトネート、フルフリルクロトネート、テトラヒドロ
フルフリルクロトネート等のクロトン酸エステル類、イ
タコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジ
プロピル、イタコン酸ジアミル、イタコン酸ジシクロヘ
キシル、イタコン酸ビス(エチルヘキシル)、イタコン
酸ジオクチル、イタコン酸−ジ−t−オクチル、ビス
(クロルエチル)イタコネート、ビス(2−エトキシエ
チル)イタコネート、ビス(2,2−ジメチル−3−エ
トキシプロピル)イタコネート、ビス(5−エトキシペ
ンチル)イタコネート、ビス(1−メトキシエチル)イ
タコネート、ビス(1−エトキシエチル)イタコネー
ト、ビス(1−メトキシプロピル)イタコネート、ビス
(1−メチル−1−メトキシエチル)イタコネート、ビ
ス(1−(イソプロポキシ)エチル)イタコネート、ジ
ベンジルイタコネート、ビス(メトキシベンジル)イタ
コネート、ジフルフリルイタコネート、ジテトラヒドロ
フルフリルイタコネート等のイタコン酸エステル類等を
例示することができる。
【0043】本発明で製造される(メタ)アクリル酸系
共重合体中、各繰り返し単位の比率は、反応に用いる単
量体の比率で任意に選択することができ、例えば、式
(I)で表される繰り返し単位の含有量は、全繰り返し
単位中30〜70モル%であり、好ましくは35〜65
モル%、更に好ましくは40〜60モル%であるアクリ
ル酸共重合体の製造に本発明の方法を用いるのが好まし
い。また、式(II)で表される繰り返し単位の含有量
は、全繰り返し単位中、通常20〜75モル%であり、
好ましくは25〜70モル%、更に好ましくは30〜6
5モル%である。式(IV)で表される繰り返し単位の含
有量は、通常全単量体繰り返し単位中0モル%〜70モ
ル%であり、好ましくは2〜40モル%、更に好ましく
は5〜30モル%である。
【0044】また、式(I)で表される繰り返し単位及
び式(II)で表される繰り返し単位を合計したモル数
は、総モル数に対して99モル%以下が好ましく、より
好ましくは98モル%以下、さらに好ましくは95モル
%以下である。本発明で製造されるアクリル酸共重合体
の数平均分子量Mnは、ゲルパーミネーションクロマト
グラフィー法により、ポリスチレン標準で、好ましくは
1,000〜100,000、より好ましくは1,50
0〜500,000、更に好ましくは2,000〜20
0,000、特に好ましくは2,500〜100,00
0の範囲である。また、本発明の製造方法によって製造
される(メタ)アクリル酸系共重合体の重量平均分子量
(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は、1.0
1〜3.00の範囲であり、1.01〜2.00、さら
には1.01〜1.50の範囲である(メタ)アクリル
酸系共重合体の製造に好適に用いることができる。ま
た、本方法は、従来アニオン重合法では得ることが困難
とされていた、狭分散ランダム共重合体の製造に好適に
用いることができる。本発明の方法で製造される(メ
タ)アクリル酸系共重合体の具体例を以下に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】本発明の(メタ)アクリル酸系共重合体の
製造方法は、アニオン重合開始剤を重合開始剤とし、ア
ニオン重合開始剤対して0.1当量以上、1.0当量未
満の鉱酸のアルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属
塩存在下、2種以上の(メタ)アクリル酸エステルを共
重合させることを特徴とする。
【0048】本発明の製造に用いられる重合溶媒は、重
合反応に関与せず、かつ重合体と相溶性のある溶媒であ
れば、特に制限されず、具体的には、n−ヘキサン、n
−ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、シ
クロペンタン等の脂環族炭化水素類、ベンゼン、トルエ
ン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン(THF)、ジオキサン等のエーテル類の
他、アニソール、ヘキサメチルホスホルアミド等のアニ
オン重合において通常使用される有機溶媒を挙げること
ができる。また、これらの溶媒は、1種単独で、または
2種以上の混合溶媒として用いることができる。
【0049】本発明において用いられるアニオン重合開
始剤として、アルカリ金属又は有機アルカリ金属を例示
することができ、アルカリ金属としては、リチウム、ナ
トリウム、カリウム、セシウム、ナトリウム−カリウム
合金等を例示することができ、有機アルカリ金属として
は、上記アルカリ金属のアルキル化物、アリル化物、ア
リール化物等を使用することができ、具体的には、エチ
ルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチ
ウム、t−ブチルリチウム、エチルナトリウム、リチウ
ムビフェニル、リチウムナフタレン、リチウムトリフェ
ニル、ナトリウムナフタレン、カリウムナフタレン、α
−メチルスチレンナトリウムジアニオン、1,1−ジフ
ェニルヘキシルリチウム、1,1−ジフェニル−3−メ
チルペンチルリチウム、1,1−ジフェニルメチルカリ
ウム、1,4−ジリチオ−2−ブテン、1,6−ジリチ
オヘキサン、ポリスチリルリチウム、クミルカリウム、
クミルセシウム等を挙げることができ、これらの化合物
は、1種単独で、または2種以上を混合して用いること
ができる。
【0050】本発明に用いられるアルカリ金属またはア
ルカリ土類金属の鉱酸塩中、鉱酸としては、硫酸、硝
酸、ホウ酸、塩酸、臭化水素酸、沃化水素酸、弗化水素
酸、過塩素酸、炭酸等を例示することができ、特に、塩
酸、臭化水素酸、沃化水素酸、弗化水素酸、過塩素酸が
好ましく、さらに、塩酸が好ましい。アルカリ金属およ
びアルカリ土類金属として具体的には、ナトリウム、カ
リウム、リチウム、バリウム、マグネシウム等を例示す
ることができる。アルカリ金属またはアルカリ土類金属
の鉱酸塩として、特にアルカリ金属またはアルカリ土類
金属のハロゲン化物が好ましく、具体的には、塩化リチ
ウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、フッ化リチウ
ム、臭化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カリウ
ム、臭化カリウム等を例示することができ、特に塩化リ
チウムを使用することが好ましい。また、バリウムの塩
化物、臭化物、ヨウ化物、ホウ酸リチウム、硝酸マグネ
シウム等を使用することも可能である。
【0051】用いる量は、アニオン重合開始剤に対し
て、モル比で、0.1当量以上、1当量未満の範囲が好
ましく、さらに、0.15〜0.7当量、さらには0.
20〜0.55当量の範囲が特に好ましい。0.1当量
未満では、重合反応を制御できず分子量分布の狭い重合
体を得ることができない。また、1当量以上では、開始
剤効率が著しく低下し、分子量制御が困難になる。アル
カリ金属またはアルカリ土類金属の鉱酸塩は、単量体と
混合して、アニオン重合開始剤に添加することもできる
が、単量体添加前に、アニオン重合開始剤とあらかじめ
混合して用いるのが好ましい。
【0052】反応は、通常、アニオン重合開始剤に、式
(I)または(II)等で表される繰り返し単位に対応す
る(メタ)アクリル酸エステル類の溶液を添加し、アニ
オン重合を行う。これらの反応は、アルゴンまたは窒素
等の不活性ガス下、もしくは高真空下、−100〜0
℃、好ましくは、−78〜−30℃の範囲で行われる。
【0053】以下、本発明を実施例により、更に詳細に
説明するが、本発明の範囲は、下記実施例により何ら制
限を受けるものではない。尚、化合物名の後にカッコ書
で示したppm値は、β位不飽和炭素の13CNMRの値を示
す。
【0054】
【実施例】実施例1 窒素雰囲気下において、塩化リチウム11ミリモルを含
むテトラヒドロフラン(THF)180gを−40℃に
保持し、撹拌下、sec−ブチルリチウム(SBL)2
2ミリモルを加えて、2−メチル−2−アダマンチルメ
タクリレート(2MAdMA)(124.2ppm)65.5
ミリモルとメタクリル酸−5−オキソ−4−オキサトリ
シクロ[4.2.1.03,7]ノナン−2−イル(NLM
A)(126.2ppm)65.5ミリモルを含むTHF溶
液120gを滴下し、更に1時間反応を継続した。反応
系から反応溶液を少量取り出し、ガスクロマトグラフィ
ー(以下GCと略す。)にて、単量体が完全に消費した
ことを確認した後、塩酸を含むメタノール溶液により反
応を停止させた。次いで反応液を多量の水に投入してポ
リマーを析出させ、ろ過、洗浄後、乾燥して白色粉末状
ポリマーを得た。得られた白色粉末状ポリマーをTHF
に再溶解後、多量のメタノール中に投入してポリマーを
析出させ、ろ過、洗浄後、10時間減圧乾燥して白色粉
末状のポリマーを得た。このポリマーのGPC分析を行
ったところ、Mn=5000、Mw/Mn=1.29の
単峰性ポリマーであり、13C-NMR測定からこのポリマー
組成比は、2MAdMA:NLMA=53:47(モル比)であっ
た。
【0055】比較例1 塩化リチウムを用いずに、他は実施例1と同様の手法で
白色粉末状ポリマーを得た。このポリマーのGPC分析
を行ったところ、Mn=6000、Mw/Mn=1.8
2の分子量分布の広いものであった。
【0056】比較例2 塩化リチウムを110ミリモル用いた以外、他は実施例
1と同様の手法で重合を行ったが、GC分析より2MAdMA
モノマーが多量に反応溶液に残存し、更に、1時間−4
0℃を保持しながら反応を継続しても、GC分析より2M
AdMA単量体がそれ以上消費されなかった。このポリマー
のGPC分析を行ったところ、多峰性で分子量分布の広
いものであった。
【0057】実施例2 窒素雰囲気下において、塩化リチウム11ミリモルを含
むTHF186gを−40℃に保持し、撹拌下SBL2
2ミリモルを加えて、2−エチル−2−アダマンチルメ
タクリレート(2EAdMA)(124.2ppm)65.5
ミリモルとNLMA(126.2ppm)65.5ミリモル
を含むTHF溶液120gを滴下した。塩酸を含むメタノ
ール溶液により反応を停止させた後、反応液を多量の水
に投入してポリマーを析出させ、ろ過、洗浄後、乾燥し
て白色粉末状ポリマーを得た。得られた白色粉末状ポリ
マーをTHFに再溶解後、多量のメタノール中に投入し
てポリマーを析出させ、ろ過、洗浄後、10時間減圧乾
燥して白色粉末状のポリマーを得た。このポリマーのG
PC分析を行ったところ、Mn=5290、Mw/Mn
=1.21の単峰性ポリマーであり、13C-NMR測定から
このポリマー組成比は、2EAdMA:NLMA=47:53(モ
ル比)であった。
【0058】実施例3 窒素雰囲気下において、塩化リチウム12ミリモルを含
むTHF 186gを−40℃に保持し、撹拌下SBL 23ミリ
モルを加えて、2MAdMA(124.2ppm) 59.7ミリ
モルとNLMA(126.2ppm) 59.6ミリモルとt−
ブチルメタクリレート(tBMA)(124.2ppm)1
4.8ミリモルを含むTHF溶液120gを滴下し、更に1時間反
応を継続した。反応系から反応液を少量取り出し、GC
分析にて、単量体が完全に消費したことを確認した後、
塩酸を含むメタノール溶液により反応を停止させた。次
いで反応液を多量の水に投入してポリマーを析出させ、
ろ過、洗浄後、乾燥して白色粉末状ポリマーを得た。得
られた白色粉末状ポリマーをTHFに再溶解後、多量の
メタノール中に投入してポリマーを析出させ、ろ過、洗
浄後、10時間減圧乾燥して白色粉末状のポリマーを得
た。このポリマーのGPC分析を行ったところ、Mn=
4300,Mw/Mn=1.30の単峰性ポリマーであり、13C-
NMR測定からこのポリマー組成比は、2MAdMA:NLMA:tBM
A=49:41:11(モル比)であった。
【0059】実施例4 窒素雰囲気下において、塩化リチウム11ミリモルを含
むTHF 186gを−40℃に保持し、撹拌下SBL22ミリ
モルを加えて、2MAdMA(124.2ppm) 61.0ミリ
モルとNLMA (126.2ppm)61.0ミリモルと2-エ
トキシエチルメタクリレート(EEMA) (125.6p
pm)13.3ミリモルを含むTHF溶液113gを滴下し、更に
1時間反応を継続した。反応系から反応溶液を少量取り
出し、GC分析にて、単量体が完全に消費したことを確
認した後、塩酸を含むメタノール溶液により反応を停止
させた。次いで反応液を多量の水に投入してポリマーを
析出させ、ろ過、洗浄後、乾燥して白色粉末状ポリマー
を得た。得られた白色粉末状ポリマーをTHFに再溶解
後、多量のメタノール中に投入してポリマーを析出さ
せ、ろ過、洗浄後、10時間減圧乾燥して白色粉末状の
ポリマーを得た。このポリマーのGPC分析を行ったと
ころ、Mn=5180,Mw/Mn=1.25の単峰性ポリマー
であり、13C-NMR測定からこのポリマー組成比は、2MAdM
A:NLMA:EEMA=50:41:9(モル比)であった。
【0060】実施例5 窒素雰囲気下において、塩化リチウム11ミリモルを含
むTHF 193gを−40℃に保持し、撹拌下SBL22ミリ
モルを加えて、2MAdMA(124.2ppm) 57.3ミリ
モルとNLMA(126.2ppm) 57.3ミリモルと2-メ
トキシブチル-2-アダマンチルメタクリレート(MBAMA)
(124.3ppm)12.6ミリモルを含むTHF溶液10
8gを滴下し、更に1時間反応を継続した。反応系から
反応溶液を少量取り出し、GC分析にて、単量体が完全
に消費したことを確認した後、塩酸を含むメタノール溶
液により反応を停止させた。次いで反応液を多量の水に
投入してポリマーを析出させ、ろ過、洗浄後、乾燥して
白色粉末状ポリマーを得た。得られた白色粉末状ポリマ
ーをTHFに再溶解後、多量のメタノール中に投入して
ポリマーを析出させ、ろ過、洗浄後、10時間減圧乾燥
して白色粉末状のポリマーを得た。このポリマーのGP
C分析を行ったところ、Mn=4600,Mw/Mn=1.28
の単峰性ポリマーであり、13C-NMR測定からこのポリマ
ー組成比は、2MAdMA:NLMA:MBAMA=49:42:10
(モル比)であった。
【0061】実施例6 窒素雰囲気下において、塩化リチウム11ミリモルを含
むTHF 205gを−40℃に保持し、撹拌下SBL22ミリ
モルを加えて、2MAdMA(124.2ppm) 66.0ミリ
モルとNLMA (126.2ppm)66.0ミリモルと2-ブ
トキシエチルメタクリレート(BEMA) (125.6p
pm)14.4ミリモルを含むTHF溶液123gを滴下し、
更に1時間反応を継続した。反応系から反応溶液を少量
取り出し、GC分析にて、単量体が完全に消費したこと
を確認した後、塩酸を含むメタノール溶液により反応を
停止させた。次いで反応液を多量の水に投入してポリマ
ーを析出させ、ろ過、洗浄後、乾燥して白色粉末状ポリ
マーを得た。得られた白色粉末状ポリマーをTHFに再
溶解後、多量のメタノール中に投入してポリマーを析出
させ、ろ過、洗浄後、10時間減圧乾燥して白色粉末状
のポリマーを得た。このポリマーのGPC分析を行った
ところ、Mn=6300,Mw/Mn=1.24の単峰性ポリマ
ーであり、13C-NMR測定からこのポリマー組成比は、2MA
dMA:NLMA:BEMA=49:41:9(モル比)であっ
た。
【0062】実施例7 窒素雰囲気下において、塩化リチウム11ミリモルを含
むTHF 187gを−40℃に保持し、撹拌下SBL22ミリ
モルを加えて、2MAdMA(124.2ppm) 60.8ミリ
モルとNLMA(126.2ppm) 60.8ミリモルとテト
ラヒドロフルフリルメタクリレート(THMA)(125.
7ppm)13.6ミリモルを含むTHF溶液113gを滴下
し、更に1時間反応を継続した。反応系から反応溶液を
少量取り出し、GC分析にて、単量体が完全に消費した
ことを確認した後、塩酸を含むメタノール溶液により反
応を停止させた。次いで反応液を多量の水に投入してポ
リマーを析出させ、ろ過、洗浄後、乾燥して白色粉末状
ポリマーを得た。得られた白色粉末状ポリマーをTHF
に再溶解後、多量のメタノール中に投入してポリマーを
析出させ、ろ過、洗浄後、10時間減圧乾燥して白色粉
末状のポリマーを得た。このポリマーのGPC分析を行
ったところ、Mn=5400,Mw/Mn=1.31の単峰性ポ
リマーであり、13C-NMR測定からこのポリマー組成比
は、2MAdMA:NLMA:THMA=48:43:10(モル比)
であった。
【0063】実施例8 窒素雰囲気下において、塩化リチウム11ミリモルを含
むTHF 186gを−40℃に保持し、撹拌下SBL 23ミリ
モルを加えて、2MAdMA(124.2ppm)58.4ミリモ
ルとNLMA(126.2ppm)58.4ミリモルとジエチレ
ングリコールメチルエーテルメタクリレート(EGMMA)
(125.7ppm)13.6ミリモルを含むTHF溶液120g
を滴下し、更に1時間反応を継続した。反応系から反応
溶液を少量取り出し、GC分析にて、単量体が完全に消
費したことを確認した後、塩酸を含むメタノール溶液に
より反応を停止させた。次いで反応液を多量の水に投入
してポリマーを析出させ、ろ過、洗浄後、乾燥して白色
粉末状ポリマーを得た。得られた白色粉末状ポリマーを
THFに再溶解後、多量のメタノール中に投入してポリ
マーを析出させ、ろ過、洗浄後、10時間減圧乾燥して
白色粉末状のポリマーを得た。このポリマーのGPC分
析を行ったところ、Mn=5570,Mw/Mn=1.29の単
峰性ポリマーであり、13C-NMR測定からこのポリマー組
成比は、2MAdMA:NLMA:EGMMA=49:43:9(モル
比)であった。
【0064】参考例1 窒素雰囲気下において、THF119gを−40℃に保持
し、撹拌下SBL6.1ミリモルを加え、2MAdMA90ミリ
モルを滴下して1時間反応を継続した。反応系から反応
溶液を少量取り出して、GCにて2MAdMA単量体が完全に
消費されていることを確認した後に、反応系を−60℃
に再冷却保持して、NLMA90ミリモルを含むTHF溶液1
36gを滴下し、更に1時間反応を継続した。再び、反
応系から反応溶液を少量取り出し、GCにて、NLMA単量
体が完全に消費したことを確認した後、塩酸を含むメタ
ノール溶液により反応を停止させた。次いで反応液を多
量の水に投入してポリマーを析出させ、ろ過、洗浄後、
10時間減圧乾燥して白色粉末状ブロックコポリマーを
得た。このブロックコポリマーのGPC分析を行ったと
ころ、Mn=5000,Mw/Mn=1.20の単峰性
ポリマーであり、13C-NMR測定からこのポリマー組成比
は、2MAdMA:NLMA=50:50(モル比)であった。
【0065】(溶解性試験)実施例及び参考例で得られ
た各ポリマー2部を、プロピレングリコールモノメチル
エーテルアセテートとγ−ブチロラクトンの重量比で
9:1の混合溶媒8部に添加し、その溶解性を評価し
た。実施例1〜8で得られたポリマーは無色透明の溶液
として溶解したが、比較例1の分散度の広いポリマーで
は白濁溶液となった。また、参考例1のブロックコポリ
マーでは不溶であった。これらの溶解挙動から実施例1
〜8で得られた分子量分布の狭いポリマーが、溶媒不溶
の参考例1のブロックコポリマーと異なる1次配列を有
したランダム共重合体であるといえる。さらに、白濁溶
液となった比較例1の分子量分布の広いポリマーより、
狭分散性である実施例1〜8のポリマーはよりランダム
性が顕著となった共重合体であるといえる。
【0066】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の方法を用い
ることにより、従来得ることが困難であった分子量分布
の狭い(メタ)アクリル酸系共重合体を得ることができ
る。特に、式(I)、及び式(II)で表される繰り返し
単位を含む(メタ)アクリル酸系共重合体は、ArFエ
キシマレーザー用フォトレジストのベース樹脂として有
用な化合物であり、狭分散で分子量制御された共重合体
を用いることで、従来品では満足行かなかった性能を発
揮することが期待できることから、本発明の産業上の利
用価値は高いといえる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J011 PA06 PA07 PA08 PA09 PA14 PB40 PC02 4J100 AL08P AL08Q BA15P BC02Q BC03Q BC04Q BC07Q BC08Q BC09Q BC53P BC83P BC84P CA04 DA01 DA04 FA03

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アニオン重合開始剤を重合開始剤とする
    (メタ)アクリル酸共重合体の製造方法において、アニ
    オン重合開始剤に対してモル比で0.1当量以上、1.
    0当量未満の鉱酸のアルカリ金属塩及び/又はアルカリ
    土類金属塩存在下、2種以上の(メタ)アクリル酸エス
    テルを共重合させることを特徴とする(メタ)アクリル
    酸系共重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】アニオン重合開始剤に対してモル比で0.
    15〜0.7当量の鉱酸のアルカリ金属塩及び/又はア
    ルカリ土類金属塩を用いることを特徴とする請求項1に
    記載の(メタ)アクリル酸系共重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】用いる(メタ)アクリル酸エステルの少な
    くとも2種が、鉱酸のアルカリ金属及び/又はアルカリ
    度類金属塩不在下におけるアニオン重合開始剤のみでア
    ニオン重合反応を行った場合に数平均分子量(Mw)と
    重量平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.01
    〜1.50である特定範囲の狭分散ランダム共重合体が
    得られない(メタ)アクリル酸エステルであることを特
    徴とする請求項1または2に記載の(メタ)アクリル酸
    系共重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】(メタ)アクリル酸エステルβ位不飽和炭
    素の13CNMRδ値の差が1.5〜3.0ppmの範囲
    である2種以上の(メタ)アクリル酸エステルを用いる
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の(メ
    タ)アクリル酸系共重合体の製造方法。
  5. 【請求項5】(メタ)アクリル酸エステルβ位不飽和炭
    素の13CNMRδ値の差が1.8〜2.5ppmの範囲
    である2種以上の(メタ)アクリル酸エステルを用いる
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の(メ
    タ)アクリル酸系共重合体の製造方法。
  6. 【請求項6】反応温度が、−100〜0℃の範囲である
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の(メ
    タ)アクリル酸系共重合体の製造方法。
  7. 【請求項7】(メタ)アクリル酸系共重合体が、ラクト
    ン環を有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導され
    る繰り返し単位を含むことを特徴とする請求項1〜6の
    いずれかに記載の(メタ)アクリル酸系共重合体の製造
    方法。
  8. 【請求項8】ラクトン環を有する(メタ)アクリル酸エ
    ステルから誘導される繰り返し単位が、式(I) 【化1】 (式中、R1は、水素原子、または置換基を有していて
    もよいC1〜C5アルキル基を表し、Aは、単結合、エ
    ーテル基、エステル基、カルボニル基、アルキレン基、
    又はこれらを組み合わせた2価の基を表し、Bは式(I
    −1)〜(I−4) 【化2】 (式中、Xは、酸素原子、硫黄原子または置換基を有し
    ていてもよいアルキレン基を表し、R2は、置換基を有
    していてもよいアルキル基、シクロアルキル基、またア
    ルケニル基を表し、mは、0又は1〜5のいずれかの整
    数を表し、mが2以上の場合、R2はそれぞれ同一また
    は相異なっていてもよく、また相互に結合して環を形成
    してもよい。)で表される置換基を表す。)で表される
    繰り返し単位をであることを特徴とする請求項1〜7の
    いずれかに記載の(メタ)アクリル酸系共重合体の製造
    方法。
  9. 【請求項9】(メタ)アクリル酸系共重合体が、さらに
    脂環式炭化水素骨格を有する(メタ)アクリル酸エステ
    ルから誘導される繰り返し単位を含むことを特徴とする
    請求項7または8に記載の(メタ)アクリル酸系共重合
    体の製造方法。
  10. 【請求項10】脂環式炭化水素骨格を有する(メタ)ア
    クリル酸エステルから誘導される繰り返し単位が、式
    (II) 【化3】 (式中、R3は、水素原子、または置換基を有していて
    もよいC1〜C5アルキル基を表し、Aは、前記と同じ
    意味を表し、Cは、式(II−1)〜(II−6) 【化4】 (式中、R11は、C1〜C5アルキル基を表し、Zは、
    炭素原子とともに、脂環式炭化水素基を形成するのに必
    要な原子団を表し、R12〜R16は、各々独立に、炭化水
    素に、直鎖または分枝鎖を有していてもよいC1〜C4
    アルキル基、または脂環式炭化水素基を表し、但し、R
    12〜R14のうち少なくとも1つ、もしくはR15、R16
    いずれかは脂環式炭化水素基を表し、R17〜R21は、各
    々独立に、水素原子、直鎖または分枝鎖を有していても
    よいC1〜C4アルキル基を表し、但しR17〜R21のう
    ち少なくとも1つは脂環式炭化水素基を表し、R19、R
    21のいずれかは直鎖または分枝鎖を有するC1〜C4ア
    ルキル基、または脂環式炭化水素基を表し、R22〜R25
    は、各々独立に、水素原子、直鎖または分枝鎖を有して
    いてもよいC1〜C4アルキル基を表し、但しR22〜R
    25のうち少なくとも1つは脂環式炭化水素基を表す。)
    で表される置換基を表す。)で表される繰り返し単位で
    あることを特徴とする請求項9に記載の(メタ)アクリ
    ル酸系共重合体の製造方法。
  11. 【請求項11】式(II)で表される繰り返し単位が、式
    (III) 【化5】 (式中、R1は、前記と同じ意味を表し、R30は置換基
    を有していてもよいアルキル基を表し、R31〜R32はそ
    れぞれ独立に水酸基、ハロゲン原子、カルボキシル基、
    アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルコ
    キシ基、アルコキシカルボニル基、またはアシル基を表
    し、p、q、rはそれぞれ独立に、0または1〜3の整
    数を表し、p、q、またはrが、2以上の場合、それぞ
    れ同一または相異なっていてもよい。)で表される繰り
    返し単位であることを特徴とする請求項10に記載の
    (メタ)アクリル酸系共重合体の製造方法。
  12. 【請求項12】(メタ)アクリル酸系共重合体の数平均
    分子量が1,000〜100,000であることを特徴
    とする請求項1〜11のいずれかに記載の(メタ)アク
    リル酸系共重合体の製造方法。
  13. 【請求項13】(メタ)アクリル酸系共重合体の重量平
    均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/
    Mn)が1.01〜1.50の範囲である請求項1〜1
    2のいずれかに記載の(メタ)アクリル酸系共重合体の
    製造方法。
  14. 【請求項14】(メタ)アクリル酸系共重合体がランダ
    ム共重合体であることを特徴とする請求項1〜13のい
    ずれかに記載の(メタ)アクリル酸系共重合体の製造方
    法。
  15. 【請求項15】式(I) 【化6】 (式中、R1は、水素原子、または置換基を有していて
    もよいC1〜C5アルキル基を表し、Aは、単結合、エ
    ーテル基、エステル基、カルボニル基、アルキレン基、
    又はこれらを組み合わせた2価の基を表し、Bは式(I
    −1)〜(I−4) 【化7】 (式中、Xは、酸素原子、硫黄原子または置換基を有し
    ていてもよいアルキレン基を表し、R2は、置換基を有
    していてもよいアルキル基、シクロアルキル基、またア
    ルケニル基を表し、mは、0又は1〜5のいずれかの整
    数を表し、mが2以上の場合、R2はそれぞれ同一また
    は相異なっていてもよく、また相互に結合して環を形成
    してもよい。)で表される置換基を表す。)で表される
    繰り返し単位を含み、重量平均分子量(Mw)と数平均
    分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.01〜1.5
    0の範囲であることを特徴とする(メタ)アクリル酸系
    共重合体。
  16. 【請求項16】さらに、脂環式炭化水素骨格を有する
    (メタ)アクリル酸エステルから誘導される繰り返し単
    位を含むことを特徴とする請求項15に記載の(メタ)
    アクリル酸系共重合体。
  17. 【請求項17】脂環式炭化水素骨格を有する(メタ)ア
    クリル酸エステルから誘導される繰り返し単位が、式
    (II) 【化8】 (式中、R3は、水素原子、または置換基を有していて
    もよいC1〜C5アルキル基を表し、Aは、前記と同じ
    意味を表し、Cは、式(II−1)〜(II−6) 【化9】 (式中、R11は、C1〜C5アルキル基を表し、Zは、
    炭素原子とともに、脂環式炭化水素基を形成するのに必
    要な原子団を表し、R12〜R16は、各々独立に、炭化水
    素に、直鎖または分枝鎖を有していてもよいC1〜C4
    アルキル基、または脂環式炭化水素基を表し、但し、R
    12〜R14のうち少なくとも1つ、もしくはR15、R16
    いずれかは脂環式炭化水素基を表し、R17〜R21は、各
    々独立に、水素原子、直鎖または分枝鎖を有していても
    よいC1〜C4アルキル基を表し、但しR17〜R21のう
    ち少なくとも1つは脂環式炭化水素基を表し、R19、R
    21のいずれかは直鎖または分枝鎖を有するC1〜C4ア
    ルキル基、または脂環式炭化水素基を表し、R22〜R25
    は、各々独立に、水素原子、直鎖または分枝鎖を有して
    いてもよいC1〜C4アルキル基を表し、但しR22〜R
    25のうち少なくとも1つは脂環式炭化水素基を表す。)
    で表される置換基を表す。)で表される繰り返しである
    請求項16に記載の(メタ)アクリル酸系共重合体。
  18. 【請求項18】式(II)で表される繰り返し単位が、式
    (III) 【化10】 (式中、R1は、前記と同じ意味を表し、R30は置換基
    を有していてもよいアルキル基を表し、R31〜R32はそ
    れぞれ独立に水酸基、ハロゲン原子、カルボキシル基、
    アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルコ
    キシ基、アルコキシカルボニル基、またはアシル基を表
    し、p、q、rはそれぞれ独立に、0または1〜3の整
    数を表し、p、q、またはrが、2以上の場合、それぞ
    れ同一または相異なっていてもよい。)で表される繰り
    返し単位であることを特徴とする請求項17に記載の
    (メタ)アクリル酸系共重合体。
  19. 【請求項19】数平均分子量が1,000〜100,0
    00の範囲であることを特徴とする請求項15〜18の
    いずれかに記載の(メタ)アクリル酸系共重合体。
  20. 【請求項20】(メタ)アクリル酸系共重合体がランダ
    ム共重合体であることを特徴とする請求項15〜19の
    いずれかに記載の(メタ)アクリル酸系共重合体。
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