JP2007335760A - 光電変換膜、並びに、該光電変換膜を含む太陽電池、光電変換素子、又は撮像素子 - Google Patents

光電変換膜、並びに、該光電変換膜を含む太陽電池、光電変換素子、又は撮像素子 Download PDF

Info

Publication number
JP2007335760A
JP2007335760A JP2006168085A JP2006168085A JP2007335760A JP 2007335760 A JP2007335760 A JP 2007335760A JP 2006168085 A JP2006168085 A JP 2006168085A JP 2006168085 A JP2006168085 A JP 2006168085A JP 2007335760 A JP2007335760 A JP 2007335760A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photoelectric conversion
layer
group
film
organic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006168085A
Other languages
English (en)
Inventor
Takanori Hioki
孝徳 日置
Satoru Kitamura
哲 北村
Toshiyuki Saiki
利幸 斉木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2006168085A priority Critical patent/JP2007335760A/ja
Publication of JP2007335760A publication Critical patent/JP2007335760A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/549Organic PV cells

Landscapes

  • Solid State Image Pick-Up Elements (AREA)
  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

【課題】光電変換効率が高く、光電変換する吸収波長域が拡大した光電変換膜、及び、該光電変換膜を含む太陽電池、光電変換素子、又は撮像素子を提供する。
【解決手段】
p型半導体層とn型半導体層を有し、該p型半導体層およびn型半導体層の少なくともいずれかが置換基を有するアセン系化合物を含む光電変換膜。
【選択図】 なし

Description

本発明は、光電変換膜、及び、該光電変換膜を含む太陽電池、光電変換素子、又は撮像素子に関する。
光電変換膜は、エネルギー変換機能を利用する太陽電池等の用途、及び、光センサー機能を利用する光通信等のための光電変換素子、並びに、撮像のための撮像素子等の用途に好ましく用いることができる。
太陽電池は、従来その光電変換効率の高さから、シリコン、CdS、CdTe、CdAs、GaAs,InGaAsなどの無機半導体が用いられてきた。これらのエネルギー変換効率は、例えばシリコンを用いた場合には最高25%弱になる。しかし、これらの無機半導体を用いた太陽電池の製造工程においては、単結晶の作成、ドーピング過程、真空装置での膜作成プロセスなどの多くのプロセスが必要であり、生産コストが非常に高くなるという問題点を有している。
一方、有機半導体を用いる太陽電池は、無機半導体を用いた太陽電池に比べ製造工程が単純で容易であり、低コストで大面積化が容易であるという利点を持つが、エネルギー変換効率は低く実用可能なレベルに到達していない。
有機太陽電池の光電変換効率が低い原因として、励起子の移動距離が短く、ショットキー界面やpn接合界面に到達して電荷分離する前に失活してしまうことが挙げられる。有機太陽電池では、光吸収して生成した励起子が、拡散しながら接合界面近傍の活性領域に到達して自由キャリアを生成する必要があるが、励起子の移動距離は通常10nm程度であり、この領域に界面がない層は光を吸収しても電子やホール(自由キャリア)を生成しないデッドレイヤーとなる。また、自由キャリアの移動距離も短く、生成したキャリアの一部しか電極まで到達できないことがある。
従来、例えば、無金属フタロシアニンとアルミニウムの接触を利用したいわゆるショットキー障壁型の素子が報告されている(非特許文献1)が、エネルギー変換効率は1%よりも低い。有機p型半導体のフタロシアニンと有機n型半導体であるペリレン誘導体を接合させた太陽電池(非特許文献2)では、模擬太陽光下で1%のエネルギー変換効率を示すが、実用化には効率をさらに向上させる必要がある。
また、有機p型半導体であるフタロシアニンと有機n型半導体であるペリレン誘導体の混合層を、pn接合型有機太陽電池のp層とn層の間にはさんだ3層型の素子が横山らにより報告されている(非特許文献3)。混合層を有する3層型素子は、混合層のない2層型素子に比べて光電流値が2倍以上の値を示した。しかしながら、混合層で発生した光キャリアを電極に輸送する効率が低下するため、実用化可能なレベルのエネルギー変換効率に到達するにはさらなる効率の向上が求められている。
光電変換素子、撮像素子は、光通信用のセンサーやテレビカメラ等の撮像装置(固体撮像装置)の固体撮像素子(受光素子)として好適に用いられている。撮像装置の固体撮像素子として用いられる光電変換膜の材料としては、Si膜やa−Se膜等の無機材料の膜が主に用いられている。
これら無機材料の膜を用いた従来の光電変換膜は、光電変換膜特性に対して急峻な波長依存性を持たない。このため、光電変換膜を用いた撮像装置は、入射光を赤、緑、青の三原色に分解するプリズムと、プリズムの後段に配置される3枚の光電変換膜とを備えた3板構造のものが主流となっている。
しかしながら、この3板式構造の撮像装置は、構造上、寸法および質量がともに大きくなることを避けることができない。
撮像装置の小型軽量化を実現するには、分光プリズムを設ける必要がなく、受光素子が1枚である単板構造のものが望まれ、例えば、単板受光素子に赤、緑、青のフィルタを配置した構造の撮像装置が検討され、光電変換膜の材料として、種類および特性が多様であり、また、加工形状の自由度が大きい等の利点を有する有機材料を用いることも検討されて、光感度(感度)を高めた光電変換膜、それを用いた受光素子が特開2003−158254号公報(特許文献1)に記載されている。
また、撮像装置の小型軽量化を実現するには、分光プリズムを設ける必要がなく、受光素子が1枚である単板構造のものとして、低解像度の積層型光電変換膜が特開2003−234460号公報(特許文献2)に記載されている。
また、特開2003−332551号公報(特許文献)には前記特開2003−234460号公報と同様な積層型光導電膜が記載されている。
しかし、上記の特許文献1〜3の撮像性能は十分とは言えず、その改良が望まれている。
なお、本発明に好ましく使用できるアセン系化合物の一部は、ジョン・イー・アンソニー(John E.Anthony)等著、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ(J.Am.Chem.Soc)127,4986(2005)(非特許文献4),米国特許第6,690,029B1号(特許文献4)、WO 2005/055248A2号(特許文献5)に記載されている。米国特許第6,690,029B1号、WO 2005/055248A2号には、光起電力デバイスの記載はあるが、デバイス構造が示されているのは米国特許第6,690,029B1号のみであり、アセン系化合物のみからなる単膜のデバイスである。また、その性能についてはなんら記載されていない。
本発明は、p型半導体とn型半導体を有する光電変換膜において、該p型半導体およびn型半導体の少なくともいずれかが置換基を有するアセン系化合物を含む場合に、顕著に光電変換領域が拡大し高効率な光電変換膜を与えることを見出したものである。
R. O. Loutfy et al., J. Chem. Phys. Vol. 71, p1211 C. W. Tang, Appl. Phys. Lett. Vol. 45, p1144 J. Appl. Phys. Vol. 72, p3781 J.Am.Chem.Soc.,127,4986(2005) 特開2003−158254号公報 特開2003−234460号公報 特開2003−332551号公報 米国特許第6,690,029B1号 WO 2005/055248A2号
本発明の目的は、光電変換効率が高く、光電変換する吸収波長域が拡大した光電変換膜、及び、該光電変換膜を含む太陽電池、光電変換素子、又は撮像素子を提供することである。
本発明は下記の解決手段により解決される。
(1)
p型半導体とn型半導体を有し、該p型半導体およびn型半導体の少なくともいずれかが置換基を有するアセン系化合物を含むことを特徴とする光電変換膜。
(2)
請求項1記載のアセン系化合物が下記一般式(I)で表される化合物から選ばれることを特徴とする(1)記載の光電変換膜。
一般式(I)
Figure 2007335760
式(I)中、Z及びZは、アントラセン環に縮合した、置換されていても良い芳香族環を表す。Vは置換基を表し、nは1〜6の整数を表す。
(3)
前記光電変換膜が、p型半導体およびn型半導体を含むバルクヘテロ接合構造層を有することを特徴とする(2)記載の光電変換膜。
(4)(1)〜(3)のいずれか1項に記載の光電変換膜を含む太陽電池。
(5)(1)〜(3)のいずれか1項請求項1〜3に記載の光電変換膜を含む光電変換素子。
(6)(1)〜(3)のいずれか1項に記載の光電変換膜を含む撮像素子。
(7)湿式製膜法で作成されることを特徴とする(1)〜(3)に記載の光電変換膜。
(8)(1)〜(3)のいずれか1項に記載された光電変換膜に10−2V/cm以上1×1010V/cm以下の電場を印加する方法。
(9)前記光電変換膜が前記p型半導体の層とn型半導体の層とで形成されるpn接合層の繰り返し構造の数を2以上有する構造を持つことを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の光電変換膜。
(10)前記p型半導体及びn型半導体のいずれもが有機半導体であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の光電変換膜。
(11)光電変換膜の厚みが、30nm以上300nm以下であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の光電変換膜。
(12)1対の電極間に、(1)〜(3)のいずれかに記載の光電変換膜を有することを特徴とする光電変換素子。
(13)光電変換膜が2層以上積層された光電変換素子又は撮像素子であって、少なくとも1つの光電変換膜が(1)〜(3)のいずれかに記載の光電変換膜であることを特徴とする光電変換素子又は撮像素子。
(14)光電変換膜が3層以上積層され、該3層が、青色光電変換膜、緑色光電変換膜、赤色光電変換膜の3層であることを特徴とする(13)に記載の光電変換素子又は撮像素子。
(15)少なくとも2つの光(電磁波)吸収/光電変換部位を有し、これらのうち少なくとも一つの部位が(1)〜(3)のいずれかに記載の光電変換膜からなることを特徴とする光電変換素子又は撮像素子。
(16)少なくとも2つの光(電磁波)吸収/光電変換部位が少なくとも2層の積層型構造を有することを特徴とする(15)記載の光電変換素子又は撮像素子。
(17)上層が緑光を吸収し光電変換することができる部位からなることを特徴とする(16)記載の光電変換素子又は撮像素子。
(18)少なくとも3つの光(電磁波)吸収/光電変換部位を有し、これらのうち少なくとも一つの部位が(1)〜(3)のいずれかに記載の光電変換膜からなることを特徴とする光電変換素子又は撮像素子。
(19)上層が緑光を吸収し光電変換することができる部位からなることを特徴とする(18)記載の光電変換素子又は撮像素子。
(20)少なくとも2つの光(電磁波)吸収/光電変換部位が無機層からなることを特徴とする(18)又は(19)記載の光電変換素子又は撮像素子。
(21)少なくとも2つの光(電磁波)吸収/光電変換部位がシリコン基盤内に形成されていることを特徴とする(20)記載の光電変換素子又は撮像素子。
(23)(8)により電場を印加された光電変換膜。
本発明の光電変換膜を含む太陽電池は、光電変換する吸収波長域が拡大することにより、エネルギー変換効率が向上する。
本発明の光電変換膜を含む光電変換(撮像)素子は、光電変換する吸収波長域が拡大するという効果があるが、それ以外にも、積層構造をとる場合モアレの発生がない、光学ローパスフィルターが不要のため解像度が高く色にじみがない、信号処理が単純で擬信号が発生しない、CMOSの場合には画素混合が容易で部分読みが容易である、開口率100%マイクロレンズ不要のため撮像レンズに対する射出瞳距離制限がなくシェーデングがない、従ってレンズ交換カメラに適しレンズの薄型化が可能になる、マイクロレンズがないため接着剤充填でガラス封止が可能となり、パッケージの薄型化、歩留まりが上昇しコストダウンになる、高感度なためIRフィルター不要でフレアが低下する等の特徴がある。
本発明は、置換基を有するアセン系化合物を含む光電変換膜に関するものである。
以下で本発明のアセン系化合物について詳細に説明する。アセン系化合物とは、2つ以上の芳香族環が直線に縮合した化合物である。好ましくは直線に縮合した芳香族環が3つ以上の場合であり、さらに好ましくは4つ以上の場合であり、特に好ましくは5つ以上の場合である。上限は特にないが、6つ以下の場合が好ましい。
ベンゼン環が3つ直線に縮合した化合物をアントラセン、4つ直線に縮合した化合物をナフタセン、5つ直線に縮合した化合物をペンタセン、6つ直線に縮合した化合物をヘキサセンと称する。これらの化合物は、固定された共役鎖が直線上にあり、バンドギャップが小さく、有機半導体として優れた特性を示すことが知られている。
アセン系化合物を構成する芳香族環は、炭化水素環でも、ヘテロ原子を含む複素環のいずれでも良い。
炭化水素芳香族環の環員数はいずれでも良いが、好ましくは3〜8員環であり、さらに好ましくは5〜7員環であり、特に好ましくは5、及び6員環である。
炭化水素芳香族環として具体的には、5員のシクロペンタジエニルアニオン環、6員のベンゼン環、7員のシクロヘプタトリエニルカチオン環等が挙げられる。好ましくは、ベンゼン環である。
芳香族複素環について説明する。ヘテロ原子とは、炭素原子、又は水素原子以外の原子を意味する。芳香族複素環とはヘテロ原子を少なくとも一つ持つ芳香族性を示す環状化合物を意味する。多環芳香族複素環も含まれる。ヘテロ原子の数の上限は特にないが、好ましくは3個以下であり、さらに好ましくは2個以下、特に好ましくは1個である。
これらの要件を満たす、いかなる芳香族複素環を用いても良いが、ヘテロ原子として好ましくは、窒素原子、硫黄原子、酸素原子、セレン原子、テルル原子、リン原子、ケイ素原子、及びホウ素原子であり、さらに好ましくは、窒素原子、硫黄原子、酸素原子、セレン原子であり、さらに好ましくは、窒素原子、硫黄原子、酸素原子であり、特に好ましくは、窒素原子、硫黄原子であり、最も好ましくは硫黄原子である。
複素環の環員数はいずれでも良いが、好ましくは3〜8員環であり、さらに好ましくは5〜7員環であり、特に好ましくは5、及び6員環である。
芳香族複素環として具体的には、ピロール環、フラン環、チオフェン環、セレノール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、テトラゾール環が挙げられる。また、テトラアザインデン環、ペンタアザインデン環、プリン環、ピラゾロトリアゾール環等の多環芳香族複素環も挙げられる。好ましくは、ピロール環、フラン環、チオフェン環、ピリジン環であり、さらに好ましくはピロール環、フラン環、チオフェン環であり、特に好ましくはチオフェン環である。
本発明のアセン系化合物の基本骨格として好ましくは、ナフタセン、ペンタセン、又は、アントラジチオフェン(アントラ[2,3−b:7,8−b]ジチオフェン、又は、アントラ[2,3−b:8,7−b]ジチオフェン)であり、さらに好ましくはペンタセン、又は、アントラジチオフェンであり、特に好ましくはアントラジチオフェンである。
以上のアセン系化合物は、特にペンタセンは有機半導体として優れた性能を示すことが知られているが、溶媒に難溶であるため、後述する湿式成膜法で成膜することが困難であった。しかし、これらのアセン系化合物に置換基を付与することで、溶媒に対する溶解度を向上させることができる。本発明は、置換基を有するアセン系化合物を含むことを特徴とする光電変換膜に関するものであり、アセン系化合物を湿式成膜法により成膜可能な点で優れている。
以下に、本発明でアセン系化合物に付与できる置換基について説明する。
本発明において、特定の部分を「基」と称した場合には、当該部分はそれ自体が置換されていなくても、一種以上の(可能な最多数までの)置換基で置換されていても良いことを意味する。例えば、「アルキル基」とは置換または無置換のアルキル基を意味する。また、本発明における化合物に使用できる置換基は、置換の有無にかかわらず、どのような置換基でも良い。
このような置換基をWとすると、Wで示される置換基としては、いかなるものでも良く、特に制限は無いが、例えば、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、複素環基(ヘテロ環基と言う。)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アンモニオ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスホノ基、シリル基、ヒドラジノ基、ウレイド基、ボロン酸基(−B(OH))、ホスファト基(−OPO(OH))、スルファト基(−OSOH)、その他の公知の置換基、が例として挙げられる。
更に詳しくは、Wは、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基[直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基を表す。それらは、アルキル基(好ましくは炭素数1から30のアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2―エチルヘキシル)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3から30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシル)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えばアルキルチオ基のアルキル基)はこのような概念のアルキル基を表すが、さらにアルケニル基、アルキニル基も含むこととする。]、アルケニル基[直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。それらは、アルケニル基(好ましくは炭素数2から30の置換または無置換のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3から30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル)、ビシクロアルケニル基(置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル)を包含するものである。]、アルキニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル、プロパルギル、トリメチルシリルエチニル基)]、アリール基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリール基、例えばフェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル、フェロセニル)、複素環基(好ましくは5または6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳香族の複素環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、更に好ましくは、炭素数3から30の5もしくは6員の芳香族の複素環基である。例えば、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル、なお、1−メチル−2−ピリジニオ、1−メチル−2−キノリニオのようなカチオン性の複素環基でも良い。)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−オクチルオキシ、2−メトキシエトキシ)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3から20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾールー5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシ)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ)、アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアニリノ基、例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N−メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ)、アンモニオ基(好ましくはアンモニオ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキル、アリール、ヘテロ環が置換したアンモニオ基、例えば、トリメチルアンモニオ、トリエチルアンモニオ、ジフェニルメチルアンモニオ)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ、例えば、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ)、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ、例えば、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノ)、メルカプト基、アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールチオ、例えば、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオ)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2から30の置換または無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N‘−フェニルカルバモイル)スルファモイル)、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1から30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6から30の置換または無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニル)、アルキル及びアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1から30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6から30の置換または無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−メチルフェニルスルホニル)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2から30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数4から30の置換もしくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えば、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル、2―ピリジルカルボニル、2―フリルカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−t−ブチルフェノキシカルボニル)、アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイル、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイル)、アリール及びヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3から30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ)、イミド基(好ましくは、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシホスフィノ)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジエトキシホスフィニル)、ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノ)、ホスフォ基、シリル基(好ましくは、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル)、ヒドラジノ基(好ましくは炭素数0から30の置換もしくは無置換のヒドラジノ基、例えば、トリメチルヒドラジノ)、ウレイド基(好ましくは炭素数0から30の置換もしくは無置換のウレイド基、例えばN,N−ジメチルウレイド)、を表わす。
また、2つのWが共同して環(芳香族、又は非芳香族の炭化水素環、又は複素環。これらは、さらに組み合わされて多環縮合環を形成することができる。例えばベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環、トリフェニレン環、ナフタセン環、ビフェニル環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリジン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾフラン環、キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キノキサゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、チアントレン環、クロメン環、キサンテン環、フェノキサチイン環、フェノチアジン環、フェナジン環、が挙げられる。)を形成することもできる。
但し、芳香族環は、本発明のアセン系化合物の溶媒に対する溶解性を改善することは少なく好ましくない
上記の置換基Wの中で、水素原子を有するものは、これを取り去り更に上記の基で置換されていても良い。そのような置換基の例としては、−CONHSO−基(スルホニルカルバモイル基、カルボニルスルファモイル基)、−CONHCO−基(カルボニルカルバモイル基)、−SONHSO−基(スルフォニルスルファモイル基)、が挙げられる。
より具体的には、アルキルカルボニルアミノスルホニル基(例えば、アセチルアミノスルホニル)、アリールカルボニルアミノスルホニル基(例えば、ベンゾイルアミノスルホニル基)、アルキルスルホニルアミノカルボニル基(例えば、メチルスルホニルアミノカルボニル)、アリールスルホニルアミノカルボニル基(例えば、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル)が挙げられる。
アセン系化合物に置換している置換基の数は、いくつでも良いが、好ましくは1〜8個であり、さらに好ましくは1〜4個であり、特に好ましくは1又は2個であり、最も好ましくは2個である。
置換基として好ましくは、アセン系化合物に溶媒に対する溶解性を付与するものである。本発明のアセン系化合物の溶解度としては、0.1重量%以上あることが好ましく、さらに好ましくは0.3重量%以上であり、特に好ましくは0.5重量%以上であり、最も好ましくは1重量%以上の場合である。上限は特にないが、90重量%以下が好ましい。
具体的には、Wとして好ましくは、前述したアルキル基(アルケニル基、アルキニル基を含む)、アリール基、又は複素環基である。さらに、炭素数4〜18の直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基、直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基、置換または無置換のアルキニル基が好ましく、さらに好ましくは、分岐の置換もしくは無置換のアルキル基、分岐の置換もしくは無置換のアルケニル基、置換または無置換のアルキニル基であり、特に好ましくは置換又は無置換のアルキニル基であり、最も好ましくは置換アルキニル基である。
置換アルキニル基の置換基としては、いかなるものでも良いが、前述のWが挙げられ、好ましくはアルキル基、アルケニル基、アリール基、複素環基、シリル基であり、さらに、好ましくはシリル基である。置換アルキニル基のアルキニル基として好ましくは、エチニル基である。
上記のシリル基として好ましくは、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシリル基である。置換シリル基の置換基としては、いかなるものでも良いが、前述のWが挙げられ、好ましくはアルキル基、アルケニル基、アリール基、又は複素環基である。置換シリル基として具体的には、例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリルが好ましく、さらに好ましくはトリエチルシリル、トリイソプロピルシリルである。
シリル置換アルキニル基として、特に好ましくはトリエチルシリルエチニル基、トリイソプロピルシリルエチニル基である。
本発明のアセン系化合物として、好ましくは下記の一般式(I)から選ばれた化合物の場合である。
一般式(I)
Figure 2007335760
式(I)中、Z及びZは、アントラセン環に縮合した、置換されていても良い芳香族環を表す。Vは置換基を表し、nは1〜6の整数を表す。
次に、本発明の一般式(I)で表される化合物について詳細に説明する。
及びZは、アントラセン環に縮合した、置換されていても良い芳香族環を表すが、芳香族環としては前述のアセン系化合物を形成する芳香族環として説明した炭化水素環又は複素環が挙げられ、同様のものが好ましいが、特に複素環が好ましい。特に好ましくは炭化水素環としてはベンゼン環、複素環としてはチオフェン環であり、最も好ましくはチオフェン環である。
またZ及びZには、前述のWで挙げた置換基が置換していても良いが、好ましくは無置換の場合である。
は置換基を表し、いかなるものでも良いが、具体的には、前述のWが挙げられ、同様のものが好ましい。
具体的には、Wとして好ましくは、前述したアルキル基(アルケニル基、アルキニル基を含む)、アリール基、又は複素環基である。さらに、炭素数4〜18の直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基、直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基、置換または無置換のアルキニル基が好ましく、さらに好ましくは、分岐の置換もしくは無置換のアルキル基、分岐の置換もしくは無置換のアルケニル基、置換または無置換のアルキニル基であり、特に好ましくは置換又は無置換のアルキニル基であり、最も好ましくは置換アルキニル基である。
置換アルキニル基の置換基としては、いかなるものでも良いが、前述のWが挙げられ、好ましくはアルキル基、アルケニル基、アリール基、複素環基、シリル基であり、さらに、好ましくはシリル基である。置換アルキニル基のアルキニル基として好ましくは、エチニル基である。
上記のシリル基として好ましくは、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシリル基である。置換シリル基の置換基としては、いかなるものでも良いが、前述のWが挙げられ、好ましくはアルキル基、アルケニル基、アリール基、又は複素環基である。置換シリル基として具体的には、例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリルが好ましく、さらに好ましくはトリエチルシリル、トリイソプロピルシリルである。
シリル置換アルキニル基として、特に好ましくはトリエチルシリルエチニル基、トリイソプロピルシリルエチニル基である。
nが2以上の場合、Vが繰り返されるが同一である必要はない。nとして好ましくは、1,2、3、4であり、さらに好ましくは1、2であり、特に好ましくは2である。
の置換位置として好ましくは、以下の式の位置番号で1,4、5、10位の場合である。nが2の場合、置換位置として好ましくは、(1,4)又は(5,10)であり、さらに好ましくは(5,10)である。
Figure 2007335760
なお、本発明で使用するアセン系化合物は、p型又はn型半導体としての性質を示すことが多いが、好ましくはp型半導体としての性質を示す場合である。
以下に本発明において好ましく用いられる一般式(I)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2007335760
以上の具体例で示した化合物自体は全て公知の化合物であり、ジョン・イー・アンソニー(John E.Anthony)等著、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ(J.Am.Chem.Soc)127,4986(2005),米国特許第6,690,029B1号、WO 2005/055248A2号等を参考にして合成することができる。
また、これらの文献、特許に記載のアセン系化合物を本発明で使用することができる。
我々は、本発明のアセン系化合物を含む光電変換膜において、該光電変換膜がp型半導体層とn型半導体層を有し、該p型半導体層およびn型半導体層の少なくともいずれかが本発明のアセン系化合物を含む場合、光電変換効率が飛躍的に増加し、光電変換する吸収波長域が顕著に拡大することを見出した。
また、前記光電変換膜がp型半導体およびn型半導体を含むバルクヘテロ接合構造層を有する場合に、さらに光電変換効率が飛躍的に増加し、光電変換する吸収波長域が顕著に拡大することを見出した。
さらに、本発明は、該光電変換膜を含む、太陽電池、光電変換素子、及び撮像素子に関するものであり、これらはいずれも高い光電変換効率と光電変換する吸収波長域の拡大を示した。
また、前述したように本発明のアセン系化合物は溶媒に対する溶解性が高く、本発明の光電変換膜、及び、該光電変換膜を含む光電変換素子、又は撮像素子は、湿式製膜法で作成することができる。これにより、大面積の光電変換膜を、高生産性かつ低コストで簡便に製造できる。
以下で、本発明についてさらに詳細に説明する。
[有機層]
本発明の光電変換素子において、有機層とは、前記の一般式(I)で表される化合物から選ばれる化合物を、p型半導体又はn型半導体を含む層に少なくとも含有するものをいう。
本発明における有機層(有機膜)について説明する。本発明の有機層からなる光(電磁波)吸収/光電変換部位は1対の電極に挟まれた有機層からなる。有機層は光を吸収する部位、光電変換部位、電子輸送部位、正孔輸送部位、電子ブロッキング部位、正孔ブロッキング部位、結晶化防止部位、電極ならびに層間接触改良部位等の積み重ねもしくは混合から形成される。
有機層は有機p型半導体(化合物)、又は有機n型半導体(化合物)を含有する。また、可視及び赤外域に吸収を持っていても持っていなくても良いが、好ましくは可視域に吸収を持っている化合物(有機色素)を少なくとも一つ用いる場合である。さらに、無色のp型半導体とn型半導体を用い、これらに有機色素を加えても良い。
p型層/バルクへテロ接合層/n型層の3層構造にする場合、入射光側のp型、又はn型半導体は無色である場合が好ましい。
有機p型半導体は、ドナー性有機半導体(化合物)であり、主に正孔輸送性有機化合物に代表され、電子を供与しやすい性質がある有機化合物をいう。さらに詳しくは2つの有機材料を接触させて用いたときにイオン化ポテンシャルの小さい方の有機化合物をいう。したがって、ドナー性有機化合物は、電子供与性のある有機化合物であればいずれの有機化合物も使用可能である。例えば、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物、ピラゾリン化合物、スチリルアミン化合物、ヒドラゾン化合物、トリフェニルメタン化合物、カルバゾール化合物、ポリビニルカルバゾール化合物、ポリシラン化合物、チオフェン化合物、ポリチオフェン化合物、フタロシアニン化合物、シアニン化合物、メロシアニン化合物、オキソノール化合物、ポリアミン化合物、ポリアニリン化合物、インドール化合物、ピロール化合物、ピラゾール化合物、ポリアリーレン化合物、縮合芳香族炭素環化合物(ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体)、ポリアリールアルカン化合物、スチルベン化合物、ブタジエン化合物、ベンジジン型トリフェニルアミン化合物、スチリルアミン型トリフェニルアミン化合物、ジアミン型トリフェニルアミン化合物、含窒素ヘテロ環化合物を配位子として有する金属錯体等を用いることができる。これらの化合物は、低分子、オリゴマー、及びポリマーのいずれでも良い。好ましくはオリゴマー、ポリマーであり、さらに好ましくはポリマーの場合である。ポリマーを用いる場合、湿式製膜法に特に適している。なお、これに限らず、上記したように、n型(アクセプター性)化合物として用いた有機化合物よりもイオン化ポテンシャルの小さい有機化合物であればドナー性有機半導体として用いてよい。
本発明において、特に太陽電池において使用できる有機p型半導体の中で、さらに効果的な有機p型半導体は、芳香族三級アミンの誘導体、チオフェンの誘導体、及びポリフェニルビニレン(PPV)の誘導体であり、特にチオフェン誘導体を好ましく用いることができる。芳香族三級アミンの誘導体としては、具体的には、トリフェニルアミン、トリトリルアミン、トリルジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD)、4,4‘−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)、N,N,N’,N’−(4−メチルフェニル)−1,1’−フェニル−4,4’−ジアミン、N,N,N’,N’−(4−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジナフチル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−(メチルフェニル)−N,N’−(4−n−ブチルフェニル)−フェナントレン−9,10−ジアミン、N,N−ビス(4−ジ−4−トリルアミノフェニル)−4−フェニル−シクロヘキサン等、またはこれらの芳香族三級アミン骨格を有したオリゴマーまたはポリマー等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
チオフェンの誘導体としては、種々のチオフェン誘導体のオリゴマーやポリマーを用いることができ、特にP3HT(ポリ(3−ヘキシルチオフェン)、レジオレギュラー)を好ましく用いることができる。
ポリフェニルビニレン(PPV)の誘導体としては、種々の誘導体を用いることができ、例えば、ポリ〔2−メトキシ−5−(2‘−エチルヘキシロキシ)−1,4−フェニレンビニレン〕等が挙げられる。
有機n型半導体は、アクセプター性有機半導体(化合物)であり、主に電子輸送性有機化合物に代表され、電子を受容しやすい性質がある有機化合物をいう。さらに詳しくは2つの有機化合物を接触させて用いたときに電子親和力の大きい方の有機化合物をいう。したがって、アクセプター性有機化合物は、電子受容性のある有機化合物であればいずれの有機化合物も使用可能である。例えば、縮合芳香族炭素環化合物(ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体)、窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含有する5ないし7員のヘテロ環化合物(例えばピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、キノキサリン、キナゾリン、フタラジン、シンノリン、イソキノリン、プテリジン、アクリジン、フェナジン、フェナントロリン、テトラゾール、ピラゾール、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、カルバゾール、プリン、トリアゾロピリダジン、トリアゾロピリミジン、テトラザインデン、オキサジアゾール、チアジアゾール、イミダゾピリジン、ピラリジン、ピロロピリジン、チアジアゾロピリジン、ジベンズアゼピン、トリベンズアゼピン等)、ポリアリーレン化合物、フルオレン化合物、フルオレノン化合物、シクロペンタジエン化合物、シリル化合物、アントラキノジメタン化合物、ベンゾキノン化合物、ナフトキノン化合物、マロノニトリル化合物、チオピランジオキシド化合物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド化合物、フルオレニリデンメタン化合物、アントロン化合物、シロール化合物、フラーレン化合物、キノリン等の含窒素ヘテロ環化合物を配位子として有する金属錯体などが挙げられる。これらの化合物は、低分子、オリゴマー、及びポリマーのいずれでも良い。なお、これに限らず、上記したように、ドナー性有機化合物として用いた有機化合物よりも電子親和力の大きな有機化合物であればアクセプター性有機半導体として用いてよい。
本発明において、特に太陽電池において使用できる有機n型半導体の中で、さらに効果的な有機n型半導体は、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノン、テトラシアノキノジメタン、シロール、フラーレン化合物であり、特に種々のフラーレン化合物を好ましく用いることができる。
フラーレン化合物として具体的には、フラーレンC60、フラーレンC70、フラーレンC76、フラーレンC78、フラーレンC82、フラーレンC84、フラーレンC240、フラーレン540、ミックスドフラーレン、フラーレンナノチューブが挙げられる。また、これらに置換基が付加されたフラーレン誘導体が挙げられる。本発明においては、フラーレン誘導体を特に好ましく用いることができる。フラーレン誘導体は溶媒に対する溶解度が高く、湿式製膜法に特に適している。
以下に本発明において好ましく用いられるフラーレン誘導体の例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。最も好ましくは、以下の(F−1)の化合物である。
Figure 2007335760
Figure 2007335760
有機層に用いる有機色素としてはいかなるものでも良いが、p型有機色素、又はn型有機色素を用いる場合が好ましい。有機色素としては、いかなるものを用いても良いが、好ましくは、シアニン色素、スチリル色素、ヘミシアニン色素、メロシアニン色素(ゼロメチンメロシアニン(シンプルメロシアニン)を含む)、3核メロシアニン色素、4核メロシアニン色素、ロダシアニン色素、コンプレックスシアニン色素、コンプレックスメロシアニン色素、アロポーラー色素、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素、スクアリウム色素、クロコニウム色素、アザメチン色素、クマリン色素、アリーリデン色素、アントラキノン色素、トリフェニルメタン色素、アゾ色素、アゾメチン色素、スピロ化合物、メタロセン色素、フルオレノン色素、フルギド色素、ペリレン色素、フェナジン色素、フェノチアジン色素、キノン色素、キノンイミン色素、インジゴ色素、ジフェニルメタン色素、ポリエン色素、アクリジン色素、アクリジノン色素、ジフェニルアミン色素、キナクリドン色素、キノフタロン色素、フェノキサジン色素、フタロペリレン色素、ジケトピロロピロール色素、ジオキサン色素、ポルフィリン色素、クロロフィル色素、フタロシアニン色素、金属錯体色素、縮合芳香族炭素環系色素(ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体)、ジオキサジン色素、アンサンスロン色素、アズレニウム色素、ピリリウム色素、チオピリリウム色素、キサンテン色素、スレン色素、トルイジン色素、ピラゾリン色素が挙げられる。
次に金属錯体化合物について説明する。金属錯体化合物は金属に配位する少なくとも1つの窒素原子または酸素原子または硫黄原子を有する配位子をもつ金属錯体であり、金属錯体中の金属イオンは特に限定されないが、好ましくはベリリウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン、ガリウムイオン、亜鉛イオン、インジウムイオン、または錫イオンであり、より好ましくはベリリウムイオン、アルミニウムイオン、ガリウムイオン、または亜鉛イオンであり、更に好ましくはアルミニウムイオン、または亜鉛イオンである。前記金属錯体中に含まれる配位子としては種々の公知の配位子が有るが、例えば、「Photochemistry and Photophysics of Coordination Compounds」Springer−Verlag社 H.Yersin著1987年発行、「有機金属化学−基礎と応用−」裳華房社山本明夫著1982年発行等に記載の配位子が挙げられる。
前記配位子として、好ましくは含窒素ヘテロ環配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数3〜15であり、単座配位子であっても2座以上の配位子であっても良い。好ましくは2座配位子である。例えばピリジン配位子、ビピリジル配位子、キノリノール配位子、ヒドロキシフェニルアゾール配位子(ヒドロキシフェニルベンズイミダゾール、ヒドロキシフェニルベンズオキサゾール配位子、ヒドロキシフェニルイミダゾール配位子)などが挙げられる)、アルコキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ配位子(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシ、2,4,6−トリメチルフェニルオキシ、4−ビフェニルオキシなどが挙げられる。)、芳香族へテロ環オキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アルキルチオ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ配位子(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環置換チオ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、またはシロキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数3〜25、特に好ましくは炭素数6〜20であり、例えば、トリフェニルシロキシ基、トリエトキシシロキシ基、トリイソプロピルシロキシ基などが挙げられる)であり、より好ましくは含窒素ヘテロ環配位子、アリールオキシ配位子、芳香族へテロ環オキシ基、またはシロキシ配位子であり、更に好ましくは含窒素ヘテロ環配位子、アリールオキシ配位子、またはシロキシ配位子が挙げられる。
本発明に用いる有機色素としては、上記で述べたいかなるものを用いても良く、複数の色素を用いても良い。また、これらの色素は顔料を用いても良い。
有機色素が形成する膜は、アモルファス状態、液晶状態、及び結晶状態のいずれでも良い。結晶状態で用いる場合は、顔料を用いることが好ましい。
有機p型半導体と有機n型半導体の配合比率は、キャリア移動度等を考慮して決定される。例えば、モル比で0.1:99.9〜99.9:0.1の範囲内において適宜設定することができ、好ましく0.5:99.5〜99.5:0.5である。
なお、光電変換膜の中間層(バルクヘテロ接合構造層)中の有機p型半導体と有機n型半導体の配合比率も、同様の範囲で適宜設定することができる。
本発明においてp型半導体相又はn型半導体相中の一般式(I)で表わされる化合物の含有量は、p型半導体及びn型半導体に対して、1質量%以上が好ましく、3〜100質量%がより好ましい。
〔電子輸送性材料〕
我々は、本発明の光電変換膜において、電子輸送性を有する有機材料(n型化合物)として、イオン化ポテンシャルが6.0eVよりも大きい場合が好ましく、さらに下記一般式(X)で表わされる場合が好ましいことを見出した。
一般式(X) L−(A)m
(式中、Aは二つ以上の芳香族へテロ環が縮合したヘテロ環基を表し、Aで表されるヘテロ環基は同一または異なってもよい。mは2以上(好ましくは2〜8)の整数を表す。Lは連結基を表す。)
なお、これらの電子輸送性を有する有機材料の詳細及び好ましい範囲については、特願2004−082002号において詳細に説明されている。
これらの電子輸送性の有機材料を用いるとき、得られる光電変換膜の光電変換効率が著しく高くなる。
〔有機層の配向制御〕
本発明においては、以下に記載の配向制御を適用できる。
本発明においては、有機化合物の配向がランダムな状態に比べて秩序を有していることが好ましい。ランダムでなければ秩序の程度は低くても高くても良いが、好ましくは高秩序の場合である。
1対の電極間にp型半導体とn型半導体を含む層(好ましくは混合・分散(バルクヘテロ接合構造)層)を持つ光電変換膜において、p型半導体及びn型半導体のうちの少なくとも1方に配向制御された有機化合物を含むことを特徴とする光電変換膜の場合が好ましく、さらに好ましくは、p型半導体及びn型半導体の両方に配向制御された(可能な)有機化合物を含む場合である。
光電変換素子の有機層に用いられる有機化合物としては、π共役電子を持つものが好ましく用いられるが、このπ電子平面が、基板(電極基板)に対して垂直ではなく、平行に近い角度で配向しているほど好ましい。基板に対する角度として好ましくは0°以上80°以下であり、さらに好ましくは0°以上60°以下であり、さらに好ましくは0°以上40°以下であり、さらに好ましくは0°以上20°以下であり、特に好ましくは0°以上10°以下であり、最も好ましくは0°(すなわち基板に対して平行)である。
上記のように、配向の制御された有機化合物の層は、有機層全体に対して一部でも含めば良い。好ましくは、有機層全体に対する配向の制御された部分の割合が10%以上の場合であり、さらに好ましくは30%以上、さらに好ましくは50%以上、さらに好ましくは70%以上、特に好ましくは90%以上、最も好ましくは100%である。このような状態は、光電変換膜において、有機層の有機化合物の配向を制御することにより有機層のキャリア拡散長が短いという欠点を補い、光電変換効率を向上させるものである。
有機化合物の配向は、基板の選択・蒸着条件の調整等により制御が可能である。例えば、基板表面にラビング処理を施し、その上に成長させる有機化合物に異方性を付与する方法等が挙げられる。但し、基板結晶に依存した構造は高々十数層の厚さにおいてのみ観察され、膜厚が厚くなるとバルクの結晶構造をとるようになる。本発明の光電変換素子では、光吸収率を高くするために、膜厚100nm以上(分子として100層以上)である場合が好ましく、このような場合、基板に加え有機化合物同士の相互作用を利用して配向を制御する必要がある。
有機化合物同士の相互作用の力としてはいかなるものでも良いが、例えば分子間力として、ファン・デル・ワールス(van der Waals)力(さらに細かくは、永久双極子−永久双極子間に働く配向力、永久双極子−誘起双極子間に働く誘起力、一時双極子−誘起双極子間に働く分散力に分けて表現できる。)、電荷移動力(CT)、クーロン力(静電力)、疎水結合力、水素結合力、配位結合力などが挙げられる。これらの結合力は、1つだけ利用することも、また任意のものを複数組み合わせて用いることもできる。 好ましくは、ファン・デル・ワールス力、電荷移動力、クーロン力、疎水結合力、水素結合力であり、さらに好ましくはファン・デル・ワールス力、クーロン力、水素結合力であり、特に好ましくはファン・デル・ワールス力、クーロン力であり、最も好ましくはファン・デル・ワールス力である。
本発明における有機化合物同士の相互作用の一つとして、共有結合、又は配位結合を用いることも可能であり、好ましくは共有結合で連結されている場合である(なお、配位結合については、分子間力の一つの配位結合力とみなすこともできる)。これらの場合において、共有結合、又は配位結合は予め形成されていても、有機層を形成する過程で形成されていても良い。
上記の分子間力と共有結合のうち、好ましくは分子間力を用いて有機化合物の配向を制御した場合である。
これらの分子間力の引力のエネルギーとして好ましくは15kJ/mol以上、さらに好ましくは20kJ/mol以上、特に好ましくは40kJ/mol以上の場合である。上限は特にないが、好ましくは5000kJ/mol以下、さらに好ましくは1000kJ/mol以下である。
また、有機化合物に誘電異方性や分極を付与しておき、成長中に電場を印加して分子を配向させる方法を用いることも可能である。
有機化合物の配向が制御されている場合において、さらに好ましくはヘテロ接合面(例えばpn接合面)が基板に対して平行ではない場合である。この場合、ヘテロ接合面が、基板(電極基板)に対して平行ではなく、垂直に近い角度で配向しているほど好ましい。基板に対する角度として好ましくは10°以上90°以下であり、さらに好ましくは30°以上90°以下であり、さらに好ましくは50°以上90°以下であり、さらに好ましくは70°以上90°以下であり、特に好ましくは80°以上90°以下であり、最も好ましくは90°(すなわち基板に対して垂直)である。
上記のような、ヘテロ接合面の制御された有機化合物の層は、有機層全体に対して一部でも含めば良い。好ましくは、有機層全体に対する配向の制御された部分の割合が10%以上の場合であり、さらに好ましくは30%以上、さらに好ましくは50%以上、さらに好ましくは70%以上、特に好ましくは90%以上、最も好ましくは100%である。このような場合、有機層におけるヘテロ接合面の面積が増大し、界面で生成する電子、正孔、電子正孔ペア等のキャリア量が増大し、光電変換効率の向上が可能となる。
上記のヘテロ接合層(面)を持つ光電変換膜の具体的な図面の例は、特開2003−298152の図1〜図8に記載されているものが適用できる。
以上の、有機化合物のヘテロ接合面とπ電子平面の両方の配向が制御された光電変換膜において、特に光電変換効率の向上が可能であり好ましく、特にバルクへテロ構造をとる場合に好ましく用いることができる。
(有機層の形成法)
これらの有機化合物を含む層は、乾式成膜法あるいは湿式成膜法により成膜される。乾式成膜法の具体的な例としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、MBE法等の物理気相成長法あるいはプラズマ重合等のCVD法が挙げられる。湿式成膜法は、有機化合物を溶解させることができる溶媒中に溶解させ、その溶液を用いて薄膜化する方法である。塗布方法としては、キャスト法、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法、インクジェット法、スピンコート法、ディッピング法、LB法等の通常の方法を用いることができる。
p型半導体、又は、n型半導体のうちの少なくとも一つとして高分子化合物を用いる場合は、作成の容易な湿式成膜法により成膜することが好ましい。蒸着等の乾式成膜法を用いた場合、高分子を用いることは分解のおそれがあるため難しく、代わりとしてそのオリゴマーを好ましく用いることができる。
湿式成膜法を用いて有機薄膜層を形成する場合、層を形成する材料あるいはその材料とバインダー樹脂を適当な有機溶媒(例えば、ヘキサン、オクタン、デカン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、1−メチルナフタレン、1,2−ジクロロベンゼンなどの炭化水素系溶媒、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミルなどのエステル系溶媒、例えば、メタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコールなどのアルコール系溶媒、例えば、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソールなどのエーテル系溶媒、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチルー2−ピロリドン、1−メチルー2−イミダゾリジノン、ジメチルスルフォキサイドなどの極性溶媒)および/または水に溶解、または分散させて塗布液とし、各種の塗布法により薄膜を形成することができる。
有機薄膜層の樹脂バインダーとしては、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリシロキサン、ポリスルフォン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、セルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン等の絶縁性ポリマーおよびこれらの共重合体、ポリビニルカルバゾール、ポリシラン等の光伝導性ポリマー、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリパラフェニレンビニレン等の導電性ポリマーを挙げることができる。樹脂バインダーは、単独で使用してもよく、あるいは複数併用してもよい。薄膜の機械的強度を考慮するとガラス転移温度の高い樹脂バインダーが好ましく、電荷移動度を考慮すると極性基を含まない構造の樹脂バインダーや光伝導性ポリマー、導電性ポリマーが好ましい。
一方、本発明において、低分子を用いる場合は、乾式成膜法が好ましく用いられ、特に真空蒸着法が好ましく用いられる。真空蒸着法は抵抗加熱蒸着法、電子線加熱蒸着法等の化合物の加熱の方法、るつぼ、ボ−ト等の蒸着源の形状、真空度、蒸着温度、基盤温度、蒸着速度等が基本的なパラメ−タ−である。均一な蒸着を可能とするために基盤を回転させて蒸着することは好ましい。真空度は高い方が好ましく10−4Torr以下、好ましくは10−6Torr以下、特に好ましくは10−8Torr以下で真空蒸着が行われる。蒸着時のすべての工程は真空中で行われることが好ましく、基本的には化合物が直接、外気の酸素、水分と接触しないようにする。真空蒸着の上述した条件は有機膜の結晶性、アモルファス性、密度、緻密度等に影響するので厳密に制御する必要がある。水晶振動子、干渉計等の膜厚モニタ−を用いて蒸着速度をPIもしくはPID制御することは好ましく用いられる。2種以上の化合物を同時に蒸着する場合には共蒸着法、フラッシュ蒸着法等を好ましく用いることができる。
なお、本発明においては、湿式成膜法を用いる場合が好ましい。
〔有機色素の分子量〕
本発明に用いる有機色素、及びアセン系化合物の分子量はいかなるものでも良いが、好ましくは250以上1200以下であり、さらに好ましくは280以上1000以下であり、特に好ましくは280以上800以下である。本発明の有機色素化合物の分子量がこれらの範囲にあるとき、光電変換膜の成膜が容易にできるという長所の他に、得られる光電変換膜の光電変換効率が高く、光吸収率と光電変換効率のバラツキが小さく優れている。
〔親疎水性規定〕
本発明に用いる有機色素、及びアセン系化合物の親疎水性はいかなるものでも良いが、好ましくはClogPとして好ましくは2以上10以下であり、さらに好ましくは3以上8以下であり、特に好ましくは4以上6以下である。本発明の有機色素、及びアセン系化合物の親疎水性がこれらの範囲にあるとき、光電変換膜の成膜が容易にできるという長所の他に、得られる光電変換膜の光電変換効率が高く、光吸収率と光電変換効率のバラツキが小さく優れている。また、本発明の有機色素、及びアセン系化合物の親疎水性がこれらの範囲にあるとき、得られる膜の耐久性、特に高湿条件下での耐久性が向上する。
なお、ClogPは化合物の親疎水性の尺度として用いる。通常、親疎水性は、化合物のオクタノール/水分配係数(logP)により求めることができる。具体的には、下記文献(1)記載のフラスコ・シェーキング法で実測して求めることができる。
文献(1):構造活性相関懇話会(代表)藤田稔夫編、化学の領域増刊122号「薬物の構造活性相関−ドラッグデザインと作用機作研究への指針」、南江堂、1979年刊、第2章第43頁〜203頁。特に第86頁〜89頁にフラスコ・シェーキング(Flask shaking)法が記載されている。
logPが3以上の場合、測定が困難な場合があるので、本発明ではlogPを計算するためのモデルを使用することができ、本発明では、この計算値によるlogP(以下、ClogPと称する)を用いて規定することができる。
本発明の目的では、Hansch−LeoのCLOGPプログラム(米国Daylight ChemicalInformation Systems社)(バージョンはアルゴリズム=4.01、フラグメントデータベース=17(*3))を使用して、logP計算値を算出する。このソフトウェアを入手することができない場合には、本出願人が具体的な全ての化合物について、そのClogP値を提供する。
本発明の有機色素化合物において複数の互変異性体をとり得る場合、これらの各々の異性体についてClogPを計算することができ、これらの値の少なくとも1つが特定の範囲内にあるならば、その化合物は本発明の好ましい範囲内にある。また、上記のプログラムのデータベースに分子のフラグメントがない場合は、上記の親疎水性の実測によりデータを補ってClogPを求めることができる。本発明の有機色素化合物はpH=7での状態を基準としてClogPを計算する。
〔電位〕
本発明に用いる有機色素、及びアセン系化合物の電位はいかなるものでも良いが、酸化電位として好ましくは0.3V以上1.8V以下(vs SCE)であり、さらに好ましくは0.5V以上1.5V以下であり、特に好ましくは0.8V以上1.3V以下である。還元電位として好ましくは−2V以上−0.5V以下(vs SCE)であり、さらに好ましくは−1.6V以上−0.8V以下であり、特に好ましくは−1.4V以上−1V以下である。
本発明の有機色素、及びアセン系化合物の電位がこれらの範囲にあるとき、得られる光電変換膜の光電変換効率が高くなる。
還元電位、及び酸化電位の測定は、種々の方法が可能であるが、好ましくは、位相弁別式第二高調波交流ポーラログラフィーで行う場合であり、正確な値を求めることができる。なお、以上の位相弁別式第二高調波交流ポーラログラフィーによる電位の測定法はジャーナル・オブ・イメージング・サイエンス(Journal of Imaging Science)、第30巻、第27頁(1986年)に記載されている。
〔蛍光〕
本発明に用いる有機色素、及びアセン系化合物の蛍光量子収率と蛍光寿命はいかなるものでも良いが、蛍光量子収率として好ましくは0.1以上1以下であり、さらに好ましくは0.5以上1以下であり、特に好ましくは0.8以上1以下である。蛍光寿命として好ましくは10ps以上であり、さらに好ましくは40ps以上であり、特に好ましくは160ps以上である。上限は特にないが、好ましくは1ms以下である。
本発明の有機色素、及びアセン系化合物の蛍光量子収率と蛍光寿命がこれらの範囲にあるとき、得られる光電変換膜の光電変換効率が高くなる。
蛍光量子収率は、特開昭63−138341号公報に記載の方法で測定することが出来る。以下にその方法を記す。色素の膜中の蛍光量子収率は、溶液の発光量子収率の場合と基本的には同じ方法で測定でき、通常絶対量子収率が既知の標準試料(例えば、ローダミンB、硫酸キニーネ、9、10−ジフェニルアントラセンなど)を参照として、一定の光学配置のもとで入射光強度、試料の発光強度を比較する相対測定を通じて求めることができる。この相対測定法については、例えば、C.A.Parker and W.T.Rees、Analyst、1960年、85巻、587ページに記載されている。本発明における蛍光量子収率は、溶液状態、膜状態いずれの値でも良いが、好ましくは膜状態での値である。
本発明の有機色素化合物の蛍光寿命は、Tadaaki Tani,Takeshi Suzumoto,Klaus Kemnitz,Keitaro Yoshihara著、The Journal of Physical Chemistry,1992年,96巻,2778ページ記載の方法で測定することが出来る。
〔吸収波長規定〕
本発明の光電変換膜を撮像素子に用いる場合、本発明に用いる有機色素には好ましい分光吸収波長及び分光感度領域の範囲がある。
本発明においては、色再現良好なBGR光電変換膜、即ち青色光電変換膜、緑色光電変換膜、赤色光電変換膜の3層を積層した光電変換素子(好ましくは撮像素子)を好ましく用いることができる。各光電変換膜は、以下の分光吸収及び/または分光感度特性を有する場合が好ましい。
分光吸収極大値を、BGRの順に各々λmax1、λmax2、λmax3、分光感度極大値をBGRの順に各々Smax1、Smax2、Smax3としたとき、λmax1、Smax1 として好ましくは400nm以上500nm以下、さらに好ましくは420nm以上480nm以下、特に好ましくは430nm以上470nm以下の範囲にある場合である。λmax2、Smax2として好ましくは500nm以上600nm以下、さらに好ましくは520nm以上580nm以下、特に好ましくは530nm以上570nm以下の範囲にある場合である。λmax3、Smax3として好ましくは600nm以上700nm以下、さらに好ましくは620nm以上680nm以下、特に好ましくは630nm以上670nm以下の範囲にある場合である。
また、本発明の光電変換膜が3層以上の積層構造をとる場合、λmax1、λmax2、λmax3の分光極大吸収とSmax1、Smax2、Smax3の分光極大感度のそれぞれ50%を示す最も短波長と最も長波長の間隔は、好ましくは120nm以下であり、さらに好ましくは100nm以下であり、特に好ましくは80nm以下、最も好ましくは70nm以下である。
また、λmax1、λmax2、λmax3の分光極大吸収とSmax1、Smax2、Smax3の分光極大感度の80%を示す最も短波長と最も長波長の間隔は、好ましくは20nm以上で、好ましくは100nm以下、さらに好ましくは80nm以下、特に好ましくは50nm以下である。
また、λmax1、λmax2、λmax3の分光極大吸収とSmax1、Smax2、Smax3の分光極大感度の20%を示す最も短波長と最も長波長の間隔は、好ましくは180nm以下、さらに好ましくは150nm以下、特に好ましくは120nm以下、最も好ましくは100nm以下である。
また、λmax1、λmax2、λmax3とSmax1、Smax2、Smax3の長波側で、λmax1、λmax2、λmax3の分光極大吸収とSmax1、Smax2、Smax3の分光極大の50%の分光吸収率を示す最も長波長は、λmax1、Smax1として好ましくは460nm以上510nm以下、λmax2、Smax2として好ましくは560nm以上610nm以下、λmax3、Smax3として好ましくは640nm以上730nm以下である。
本発明で用いる有機色素の分光吸収波長及び分光感度領域の範囲がこれらの範囲にあるとき、撮像素子により得られるカラー画像の色再現性を向上させることができる。
[光電変換層の膜厚規定]
本発明の光電変換膜を太陽電池として用いる場合は光電変換層の光吸収率を、又は撮像素子として用いる場合はB、G、R層各々の有機色素層の光吸収率を、好ましくは50%以上、さらに好ましくは70%以上、特に好ましくは90%(吸光度=1)以上、最も好ましくは99%以上にすることが光電変換効率を向上させために好ましい。撮像素子の場合は、さらに、下層に余分な光を通さず色分離を良くするためにも好ましい。従って、光吸収の点では光電変換層の膜厚は厚いほど好ましいが、厚すぎると膜の電気抵抗が高くなり、電荷分離に寄与する割合が減り光電流が減少するため、本発明における光電変換層の膜厚として好ましくは、30nm以上300nm、さらに好ましくは50nm以上250nm以下、特に好ましくは60nm以上200nm以下、最も好ましくは80nm以上130nm以下である。なお、膜厚は薄すぎると、電気的短絡を起こす点でも好ましくない。
[電圧印加]
本発明の光電変換膜を光電変換素子や撮像素子の光センサー用途として用いる場合、光電変換膜に電圧を印加することで光電変換効率が向上する点で好ましい。印加電圧としては、いかなる電圧でも良いが、光電変換膜の膜厚により必要な電圧は変わってくる。すなわち、光電変換効率は、光電変換膜に加わる電場が大きいほど向上するが、同じ印加電圧でも光電変換膜の膜厚が薄いほど加わる電場は大きくなる。従って、光電変換膜の膜厚が薄い場合は、印加電圧は相対的に小さくでも良い。光電変換膜に加える電場として好ましくは、10−2V/cm以上であり、さらに好ましくは10V/cm以上、さらに好ましくは1×10V/cm以上、特に好ましくは1×10V/cm以上、最も好ましくは1×10V/cm以上である。上限は特にないが、電場を加えすぎると暗所でも電流が流れ好ましくないので、1×1010V/cm以下が好ましく、さらに1×10V/cm以下が好ましい。
〔一般的要件〕
本発明の光電変換膜を含む太陽電池、光電変換素子、又は撮像素子として好ましくは、1対の電極間にp型半導体の層とn型半導体の層が積層構造を持つ光電変換膜を有する場合である。また、好ましくは、p型及びn型半導体のうち少なくとも一方は有機化合物を含む場合であり、さらに好ましくはp型及びn型半導体の両方とも有機化合物を含む場合である。
本発明の光電変換膜を撮像素子として用いる場合、好ましくは少なくとも光電変換膜が2層以上、さらに好ましくは3層又は4層、特に好ましくは3層積層した構成を用いる場合である。
〔バルクへテロ接合構造〕
本発明においては、1対の電極間に、p型半導体層とn型半導体層とを有し、該p型半導体とn型半導体の少なくともいずれかが有機半導体であり、かつ、それらの半導体層の間に、該p型半導体およびn型半導体を含むバルクヘテロ接合構造層を有する光電変換膜(感光層)を含有する場合が好ましい。このような場合、光電変換膜において、有機層にバルクへテロ接合構造を含有させることにより有機層のキャリア拡散長が短いという欠点を補い、光電変換効率を向上させることができる。
なお、バルクへテロ接合構造については、特願2004−080639号において詳細に説明されている。
〔タンデム構造〕
本発明において、1対の電極間にp型半導体の層とn型半導体の層で形成されるpn接合層の繰り返し構造(タンデム構造)の数を2以上有する構造を持つ光電変換膜(感光層)を含有する場合が好ましい。また、前記繰り返し構造の間に、導電材料の薄層を挿入しても良い。導電材料としては銀または金が好ましく、銀が最も好ましい。pn接合層の繰り返し構造(タンデム構造)の数はいかなる数でもよいが、光電変換効率を高くするために好ましくは2以上100以下であり、さらに好ましくは2以上50以下であり、特に好ましくは5以上40以下であり、最も好ましくは10以上30以下である。
本発明において、タンデム構造をもつ半導体としては無機材料でもよいが有機半導体が好ましく、さらに有機色素が好ましい。なお、タンデム構造については、特願2004−079930号において詳細に説明されている。
[撮像素子構造]
本発明の一つの好ましい態様である光電変換膜を撮像素子として用いる場合、少なくとも2つの光電変換膜が積層している場合が好ましい。積層撮像素子は特に制限はなく、この分野で用いられているものは全て適用できるが好ましくは、BGR3層積層構造であり、BGR積層構造の実施態様の好ましい例を図1に示す。
図1の撮像素子において、101はPウェル層、102,104,106は高濃度不純物領域、103,105,107はMOS回路、108はゲート絶縁膜、109,110は絶縁膜、111,114,116,119,121,124は透明電極膜、112,117,122は電極、113,118,123は光電変換膜であり、それぞれ入射光(白色光)の赤色の波長の光(R光)を吸収するR膜、緑色の波長の光(G光)を吸収するG膜、青色の光(B光)を吸収するB膜である。113,118及び123から選ばれる少なくとも1層、好ましくは全ての層が本発明の一般式(I)で表わされる化合物を含有する。
110,115,120,125は透明絶縁膜であり、R光、G光、B光のそれぞれの光に対応した、光電変換膜を有して光電変換部位を構成する一対の電極に挟まれた有機層を、互いに絶縁している。126は遮光膜、150は半導体基板である。
は外部電源に接続されており、バイアスを印加することで光電変換膜に電圧をかけることができる。
以下に上記の図1の撮像素子を適宜参照して、撮像素子全般について、その動作、変更態様などについて説明する。
本発明に係る固体撮像素子は、例えば上記の図1の実施の態様で示されるような光電変換膜を有する。そして、図1に示されるような固体撮像素子は、走査回路部の上に積層型光電変換膜(図1の113,118,123)が設けられる。走査回路部は、半導体基板上にMOSトランジスタが各画素単位に形成された構成や、あるいは、撮像素子としてCCDを有する構成を適宜採用することができる。
例えばMOSトランジスタを用いた固体撮像素子の場合、透明電極膜(図1、124,121,119,116,114,111)を透過した入射光によって光電変換膜の中に電荷が発生し、電極に電圧を印加することにより電極膜と電極膜との間に生じる電界によって電荷が光電変換膜の中を電極(図1、112,117,122)まで走行し、さらにMOSトランジスタの電荷蓄積部まで移動し、電荷蓄積部に電荷が蓄積される。電荷蓄積部に蓄積された電荷は、MOSトランジスタのスイッチングにより電荷読出し部に移動し、さらに電気信号として出力される。これにより、フルカラーの画像信号が、信号処理部を含む固体撮像装置に入力される。
これらの積層撮像素子については、特開昭58−103165号公報の第2図及び特開昭58−103166号公報の第2図等で代表される固体カラー撮像素子も適用できる。
上記の積層型撮像素子好ましくは3層積層型撮像素子の製造工程については特開2002−83946号公報記載の方法(同公報の図7〜23及び段落番号0026〜0038参照)が適用できる。
本発明の一つの好ましい態様である光電変換膜を撮像素子として用いる場合、撮像素子は光(電磁波)吸収/光電変換部位と光電変換により生成した電荷の電荷蓄積/転送/読み出し部位よりなる。
本発明において電磁波吸収/光電変換部位は、少なくとも青光、緑光、赤光を各々吸収し光電変換することができる少なくとも2層の積層型構造を有する。青光吸収層(B)は少なくとも400nm以上500nm以下の光を吸収することができ、好ましくはその波長域でのピ−ク波長の吸収率は50%以上である。緑光吸収層(G)は少なくとも500nm以上600nm以下の光を吸収することができ、好ましくはその波長域でのピ−ク波長の吸収率は50%以上である。赤光吸収層(R)は少なくとも600nm以上700nm以下の光を吸収することができ、好ましくはその波長域でのピ−ク波長の吸収率は50%以上である。これらの層の序列はいずれの序列でも良く、3層積層型構造の場合は上層(光入射側)からBGR、BRG、GBR、GRB、RBG、RGBの序列が可能である。好ましくは最上層がGである。2層積層型構造の場合は上層がR層の場合は下層が同一平面状にBG層、上層がB層の場合は下層が同一平面状にGR層、上層がG層の場合は下層が同一平面状にBR層が形成される。好ましくは上層がG層で下層が同一平面状にBR層である。このように下層の同一平面状に2つの光吸収層が設けられる場合には上層の上もしくは上層と下層の間に色分別できるフィルタ−層(図1には図示していない。)を例えばモザイク状に設けることが好ましい。場合により4層目以上の層を新たな層としてもしくは同一平面状に設けることが可能である。
本発明における電荷蓄積/転送/読み出し部位は電磁波吸収/光電変換部位の下に設ける。下層の電磁波吸収/光電変換部位が電荷蓄積/転送/読み出し部位を兼ねることは好ましい。
本発明において電磁波吸収/光電変換部位は有機層または有機層と無機層の混合よりなる。有機層がB/G/R層全てを形成していても良いし無機層がB/G/R層の一部であっても良い。好ましくは有機層と無機層の混合である。この場合、基本的には有機層が1層の時は無機層は1層または2層であり、有機層が2層の時は無機層は1層である。有機層と無機層が1層の場合には無機層が同一平面状に2色以上の電磁波吸収/光電変換部位を形成する。好ましくは上層が有機層でG層であり、下層が無機層で上からB層、R層の序列である。場合により4層目以上の層を新たな層として、もしくは同一平面状に設けることが可能である。有機層がB/G/R層を形成する場合には、その下に電荷蓄積/転送/読み出し部位を設ける。電磁波吸収/光電変換部位として無機層を用いる場合には、この無機層が電荷蓄積/転送/読み出し部位を兼ねる。
本発明において、上記で説明した撮像素子のなかで特に好ましい一つの態様は以下の通りである。
少なくとも2つの電磁波吸収/光電変換部位を有し、これらのうち少なくとも一つの部位が本発明の撮像素子の場合である。
さらに、少なくとも2つの電磁波吸収/光電変換部位が少なくとも2層の積層型構造を有する素子の場合が好ましい。さらに、上層が緑光を吸収し光電変換することができる部位からなる素子である場合が好ましい。
また、特に好ましくは、少なくとも3つの電磁波吸収/光電変換部位を有し、これらのうち少なくとも一つの部位が本発明の撮像素子の場合である。
さらに、上層が緑光を吸収し光電変換することができる部位からなる素子である場合が好ましい。さらに、3つのうち少なくとも2つの電磁波吸収/光電変換部位が無機層(好ましくはシリコン基盤内に形成されている)の場合である。
(電極)
本発明の光電変換膜は通常1対の電極に挟まれており、撮像素子の場合は画素電極と対向電極を形成している。好ましくは下層が画素電極である。
電極は、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、又はこれらの混合物などを用いることができる材料であるあり、隣接する光電変換膜の層との密着性や電子親和力、イオン化ポテンシャル、安定性等を考慮して選ばれる。これらの具体例としては酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)等の導電性金属酸化物、あるいは金、銀、クロム、ニッケル等の金属、さらにこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物または積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなどの有機導電性材料、シリコン化合物およびこれらとITOとの積層物などが挙げられ、好ましくは、導電性金属酸化物であり、特に、生産性、高導電性、透明性等の点からITO、IZO(酸化インジウム亜鉛)が好ましい。膜厚は材料により適宜選択可能であるが、通常10nm以上1μm以下の範囲のものが好ましく、より好ましくは30nm以上500nm以下であり、更に好ましくは50nm以上300nm以下である。
本発明の光電変換膜が太陽電池として用いられる場合、光電変換膜を仕事関数の大きな電極と仕事関数の小さな電極ではさんだ構造が好ましく用いられる。仕事関数の大きな電極材料としては金、白金、スズがドープされた酸化インジウム(ITO)、フッ素がドープされた酸化スズ、オスミウム、パラジウムなどが使用でき、仕事関数の小さな電極材料としてはアルミニウム、インジウム、マグネシウム−銀の合金、カルシウム、リチウム、マグネシウム、フッ化リチウム(LiF)などが使用できる。仕事関数の大きな電極と仕事関数の小さな電極ではさんだ構造にすることによって、有機薄膜に内蔵電界を与えることができる。
電極の作製には材料によって種々の方法が用いられる。例えば、金属電極は、真空蒸着、イオンスパッタリングなどの方法で5〜1000nm程度の薄膜として形成することができる。膜厚は、薄すぎると電極のシート抵抗が大きくなりすぎ、発生した光電荷を十分に外部回路へ伝達できないし、厚すぎると照射光の透過率が悪くなるので実用上の変換効率が悪くなる。また、例えばITOの場合、電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着法、化学反応法(ゾルーゲル法など)、酸化インジウムスズの分散物の塗布などの方法で膜形成される。ITOの場合、UV−オゾン処理、プラズマ処理などを施すことができる。
本発明においては透明電極膜をプラズマフリーで作製することが好ましい。プラズマフリーで透明電極膜を作成することで、プラズマが基板に与える影響を少なくすることができ、光電変換特性を良好にすることができる。ここで、プラズマフリーとは、透明電極膜の成膜中にプラズマが発生しないか、またはプラズマ発生源から基体までの距離が2cm以上、好ましくは10cm以上、更に好ましくは20cm以上であり、基体に到達するプラズマが減ずるような状態を意味する。
本発明の光電変換膜が撮像素子として用いられる場合の電極についてさらに詳細に説明する。光電変換膜は、画素電極膜、対向電極膜により挟まれ、電極間材料等を含むことができる。画素電極膜とは、電荷蓄積/転送/読み出し部位が形成された基板上方に作成された電極膜のことで、通常1ピクセルごとに分割される。これは、光電変換膜により変換された信号電荷を電荷蓄積/転送/信号読出回路基板上に1ピクセルごとに読み出すことで、画像を得るためである。
対向電極膜とは、光電変換膜を画素電極膜と共にはさみこむことで信号電荷と逆の極性を持つ信号電荷を吐き出す機能をもっている。この信号電荷の吐き出しは各画素間で分割する必要がないため、通常、対向電極膜は各画素間で共通にすることができる。そのため、共通電極膜(コモン電極膜)と呼ばれることもある。
光電変換膜は、画素電極膜と対向電極膜との間に位置する。光電変換機能は、この光電変換膜と画素電極膜及び対向電極膜により機能する。
光電変換膜積層の構成例としては、まず基板上に積層される有機層が一つの場合として、基板から画素電極膜(基本的に透明電極膜)、光電変換膜、対向電極膜(透明電極膜)を順に積層した構成が挙げられるが、これに限定されるものではない。
さらに、基板上に積層される有機層が2つの場合、例えば、基板から画素電極膜(基本的に透明電極膜)、光電変換膜、対向電極膜(透明電極膜)、層間絶縁膜、画素電極膜(基本的に透明電極膜)、光電変換膜、対向電極膜(透明電極膜)を順に積層した構成が挙げられる。
透明電極膜の光透過率は、その透明電極膜を含む光電変換素子に含まれる光電変換膜の光電変換光吸収ピーク波長において、60%以上が好ましく、より好ましくは80%以上で、より好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上である。また、透明電極膜の表面抵抗は、画素電極であるか対向電極であるか、さらには電荷蓄積/転送・読み出し部位がCCD構造であるかCMOS構造であるか等により好ましい範囲は異なる。対向電極に使用し電荷蓄積/転送/読み出し部位がCMOS構造の場合には10000Ω/□以下が好ましく、より好ましくは、1000Ω/□以下である。対向電極に使用し電荷蓄積/転送/読み出し部位がCCD構造の場合には1000Ω/□以下が好ましく、より好ましくは、100Ω/□以下である。画素電極に使用する場合には1000000Ω/□以下が好ましく、より好ましくは、100000Ω/□以下である。
透明電極膜成膜時の条件について触れる。透明電極膜成膜時の基板温度は500℃以下が好ましく、より好ましくは、300℃以下で、さらに好ましくは200℃以下、さらに好ましくは150℃以下である。また、透明電極膜成膜中にガスを導入しても良く、基本的にそのガス種は制限されないが、Ar、He、酸素、窒素などを用いることができる。また、これらのガスの混合ガスを用いても良い。特に酸化物の材料の場合は、酸素欠陥が入ることが多いので、酸素を用いることが好ましい。
(無機層)
本発明の光電変換膜が撮像素子として用いられる場合の光(電磁波)吸収/光電変換部位としての無機層について説明する。この場合、上層の有機層を通過した光を無機層で光電変換することになる。無機層としては結晶シリコン、アモルファスシリコン、GaAsなどの化合物半導体のpn接合またはpin接合が一般的に用いられる。積層型構造として米国特許第5965875号に開示されている方法を採用することができる。すなわちシリコンの吸収係数の波長依存性を利用して積層された受光部を形成し、その深さ方向で色分離を行う構成である。この場合、シリコンの光進入深さで色分離を行っているため積層された各受光部で検知するスペクトル範囲はブロードとなる。しかしながら、前述した有機層を上層に用いることにより、すなわち有機層を透過した光をシリコンの深さ方向で検出することにより色分離が顕著に改良される。特に有機層にG層を配置すると有機層を透過する光はB光とR光になるためにシリコンでの深さ方向での光の分別はBR光のみとなり色分離が改良される。有機層がB層またはR層の場合でもシリコンの電磁波吸収/光電変換部位を深さ方向で適宜選択することにより顕著に色分離が改良される。有機層が2層の場合にはシリコンでの電磁波吸収/光電変換部位としての機能は基本的には1色で良く、好ましい色分離が達成できる。
無機層は好ましくは、半導体基板内の深さ方向に、画素毎に複数のフォトダイオードが重層され、前記複数のフォトダイオードに吸収される光によって各フォトダイオードに生じる信号電荷に応じた色信号を外部に読み出す構造である。好ましくは、前記複数のフォトダイオードは、B光を吸収する深さに設けられる第1のフォトダイオードと、R光を吸収する深さに設けられる第2のフォトダイオードの少なくとも1つとを含み、前記複数のフォトダイオードの各々に生じる前記信号電荷に応じた色信号を読み出す色信号読み出し回路を備えることが好ましい。この構成により、カラーフィルタを用いることなく色分離を行うことができる。又、場合によっては、負感度成分の光も検出することができるため、色再現性の良いカラー撮像が可能となる。又、本発明においては、前記第1のフォトダイオードの接合部は、前記半導体基板表面から約0.2μmまでの深さに形成され、前記第2のフォトダイオードの接合部は、前記半導体基板表面から約2μmまでの深さに形成されることが好ましい。
無機層についてさらに詳細に説明する。無機層の好ましい構成としては、光伝導型、p−n接合型、ショットキー接合型、PIN接合型、MSM(金属−半導体−金属)型の受光素子やフォトトランジスタ型の受光素子が挙げられる。本発明では、単一の半導体基板内に、第1導電型の領域と、前記第1導電型と逆の導電型である第2導電型の領域とを交互に複数積層し、前記第1導電型及び第2導電型の領域の各接合面を、それぞれ異なる複数の波長帯域の光を主に光電変換するために適した深さに形成してなる受光素子を用いることが好ましい。単一の半導体基板としては、単結晶シリコンが好ましく、シリコン基板の深さ方向に依存する吸収波長特性を利用して色分離を行うことができる。
無機半導体として、InGaN系、InAlN系、InAlP系、又はInGaAlP系の無機半導体を用いることもできる。InGaN系の無機半導体は、Inの含有組成を適宜変更し、青色の波長範囲内に極大吸収値を有するよう調整されたものである。すなわち、InGaN(0<X<1)の組成となる。
このような化合物半導体は、有機金属気相成長法(MOCVD法)を用いて製造される。Gaと同じ13族原料のAlを用いる窒化物半導体のInAlN系についても、InGaN系と同様に短波長受光部として利用することができる。また、GaAs基板に格子整合するInAlP、InGaAlPを用いることもできる。
無機半導体は、埋め込み構造となっていてもよい。埋め込み構造とは、短波長受光部部分の両端を短波長受光部とは異なる半導体で覆われる構成のものをいう。両端を覆う半導体としては、短波長受光部のバンドギャップ波長より短い又は同等のバンドギャップ波長を有する半導体であることが好ましい。
有機層と無機層とは、どのような形態で結合されていてもよい。また、有機層と無機層との間には、電気的に絶縁するために、絶縁層を設けることが好ましい。
接合は、光入射側から、npn、又はpnpnとなっていることが好ましい。特に、表面にp層を設け表面の電位を高くしておくことで、表面付近で発生した正孔、及び暗電流をトラップすることができ暗電流を低減できるため、pnpn接合とすることがより好ましい。
このようなフォトダイオードは、p型シリコン基板表面から順次拡散される、n型層、p型層、n型層、p型層をこの順に深く形成することで、pn接合ダイオードがシリコンの深さ方向にpnpnの4層が形成される。ダイオードに表面側から入射した光は波長の長いものほど深く侵入し、入射波長と減衰係数はシリコン固有の値を示すので、pn接合面の深さが可視光の各波長帯域をカバーするように設計する。同様に、n型層、p型層、n型層の順に形成することで、npnの3層の接合ダイオードが得られる。ここで、n型層から光信号を取り出し、p型層はアースに接続する。
また、各領域に引き出し電極を設け、所定のリセット電位をかけると、各領域が空乏化し、各接合部の容量は限りなく小さい値になる。これにより、接合面に生じる容量を極めて小さくすることができる。
(補助層)
本発明においては、好ましくは光電変換層の最上層に紫外線吸収層を用いる場合である。また、撮像素子として用いられる場合は、光電変換層の最上層に赤外線吸収層を有する場合が好ましい。紫外線吸収層は少なくとも400nm以下の光を吸収または反射することができ、好ましくは400nm以下の波長域での吸収率は50%以上である。赤外線吸収層は少なくとも700nm以上の光を吸収または反射することができ、好ましくは700nm以上の波長域での吸収率は50%以上である。
これらの紫外線吸収層、赤外線吸収層は従来公知の方法によって形成できる。例えば基板上にゼラチン、カゼイン、グリューあるいはポリビニルアルコールなどの親水性高分子物質からなる媒染層を設け、その媒染層に所望の吸収波長を有する色素を添加もしくは染色して着色層を形成する方法が知られている。さらには、ある種の着色材が透明樹脂中に分散されてなる着色樹脂を用いた方法が知られている。例えば、特開昭58−46325号公報、特開昭60−78401号公報、特開昭60−184202号公報、特開昭60−184203号公報、特開昭60−184204号公報、特開昭60−184205号公報等に示されている様に、ポリアミノ系樹脂に着色材を混合した着色樹脂膜を用いることができる。感光性を有するポリイミド樹脂を用いた着色剤も可能である。
特公平7−113685記載の感光性を有する基を分子内に持つ、200℃以下にて硬化膜を得ることのできる芳香族系のポリアミド樹脂中に着色材料を分散すること、特公平7−69486記載の含量を分散着色樹脂を用いることも可能である。
本発明においては好ましくは誘電体多層膜が用いられる。誘電体多層膜は光の透過の波長依存性がシャ−プであり、好ましく用いられる。
本発明の光電変換膜が撮像素子として用いられる場合、各光(電磁波)吸収/光電変換部位は絶縁層により分離されていることが好ましい。絶縁層は、ガラス、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリプロピレン等の透明性絶縁材料を用いて形成することができる。窒化珪素、酸化珪素等も好ましく用いられる。プラズマCVDで製膜した窒化珪素は緻密性が高く透明性も良いために本発明においては好ましく用いられる。
本発明の光電変換膜には、酸素や水分等との接触を防止する目的で保護層あるいは封止層を設けることもできる。保護層としては、ダイヤモンド薄膜、金属酸化物、金属窒化物等の無機材料膜、フッ素樹脂、ポリパラキシレン、ポリエチレン、シリコン樹脂、ポリスチレン樹脂等の高分子膜、さらには、光硬化性樹脂等が挙げられる。また、ガラス、気体不透過性プラスチック、金属などで素子部分をカバーし、適当な封止樹脂により素子自体をパッケージングすることもできる。この場合吸水性の高い物質をパッケージング内に存在させることも可能である。
更に、マイクロレンズアレイを受光素子の上部に形成することにより、集光効率を向上させることができるため、このような態様も好ましい。
有機薄膜層と電極との密着性を向上させるために、必要に応じて両者の間に接着層を設けることができる。接着層に用いられる樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、カゼイン、共重合ナイロン、ポリウレタン、ニトロセルロース、ポリイミド、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)等が挙げられる。接着層の膜厚は、通常1〜5000nm、好ましくは10〜1000nmである。
(電荷蓄積/転送/読み出し部位)
本発明の光電変換膜が光電素子、撮像素子等の光センサー用途として用いられる場合、電荷転送/読み出し部位については特開昭58−103166、特開昭58−103165、特開2003−332551等を参考にすることができる。半導体基板上にMOSトランジスタが各画素単位に形成された構成や、あるいは、素子としてCCDを有する構成を適宜採用することができる。例えばMOSトランジスタを用いた光電変換素子の場合、電極を透過した入射光によって光導電膜の中に電荷が発生し、電極に電圧を印加することにより電極と電極との間に生じる電界によって電荷が光導電膜の中を電極まで走行し、さらにMOSトランジスタの電荷蓄積部まで移動し、電荷蓄積部に電荷が蓄積される。電荷蓄積部に蓄積された電荷は、MOSトランジスタのスイッチングにより電荷読出し部に移動し、さらに電気信号として出力される。これにより、フルカラーの画像信号が、信号処理部を含む固体撮像装置に入力される。
一定量のバイアス電荷を蓄積ダイオードに注入して(リフレッシュモード)おき、一定の電荷を蓄積(光電変換モード)後、信号電荷を読み出すことが可能である。受光素子そのものを蓄積ダイオードとして用いることもできるし、別途、蓄積ダイオードを付設することもできる。
信号の読み出しについてさらに詳細に説明する。信号の読み出しは、通常のカラー読み出し回路を用いることができる。受光部で光/電気変換された信号電荷もしくは信号電流は、受光部そのものもしくは付設されたキャパシタで蓄えられる。蓄えられた電荷は、X−Yアドレス方式を用いたMOS型撮像素子(いわゆるCMOSセンサ)の手法により、画素位置の選択とともに読み出される。他には、アドレス選択方式として、1画素づつ順次マルチプレクサスイッチとデジタルシフトレジスタで選択し、共通の出力線に信号電圧(または電荷)として読み出す方式が挙げられる。2次元にアレイ化されたX−Yアドレス操作の撮像素子がCMOSセンサとして知られる。これは、X−Yの交点に接続された画素に儲けられたスイッチは垂直シフトレジスタに接続され、垂直操走査シフトレジスタからの電圧でスイッチがオンすると同じ行に儲けられた画素から読み出された信号は、列方向の出力線に読み出される。この信号は水平走査シフトレジスタにより駆動されるスイッチを通して順番に出力端から読み出される。
出力信号の読み出しには、フローティングディフュージョン検出器や、フローティングゲート検出器を用いることができる。また画素部分に信号増幅回路を設けることや、相関二重サンプリング(Correlated Double Sampling)の手法などにより、S/Nの向上をはかることができる。
信号処理には、ADC回路によるガンマ補正、AD変換機によるデジタル化、輝度信号処理や、色信号信号処理を施すことができる。色信号処理としては、ホワイトバランス処理や、色分離処理、カラーマトリックス処理などが挙げられる。NTSC信号に用いる際は、RGB信号をYIQ信号の変換処理を施すことができる。
電荷転送・読み出し部位は電荷の移動度が100cm/volt・sec以上であることが必要であり、この移動度は、材料をIV族、III−V族、II−VI族の半導体から選択することによって得ることができる。その中でも微細化技術が進んでいることと、低コストであることからシリコン半導体(Si半導体共記す)が好ましい。電荷転送・電荷読み出しの方式は数多く提案されているが、何れの方式でも良い。特に好ましい方式はCMOS型あるいはCCD型のデバイスである。更に本発明の場合、CMOS型の方が高速読み出し、画素加算、部分読み出し、消費電力などの点で好ましいことが多い。
(接続)
本発明の光電変換膜が光電変換素子、撮像素子等の光センサー用途として用いられる場合、電磁波吸収/光電変換部位と電荷転送/読み出し部位を連結する複数のコンタクト部位はいずれの金属で連結してもよいが、銅、アルミ、銀、金、クロム、タングステンの中から選択するのが好ましく、特に銅が好ましい。複数の電磁波吸収/光電変換部位に応じて、それぞれのコンタクト部位を電荷転送・読み出し部位との間に設置する必要がある。青・緑・赤光の複数感光ユニットの積層構造を採る場合、青光用取り出し電極と電荷転送/読み出し部位の間、緑光用取り出し電極と電荷転送/読み出し部位の間および赤光用取り出し電極と電荷転送/読み出し部位の間をそれぞれ連結する必要がある。
(プロセス)
本発明の光電変換膜が撮像素子として用いられる場合、本発明の積層光電変換素子は、公知の集積回路などの製造に用いるいわゆるミクロファブリケーションプロセスにしたがって製造することができる。基本的には、この方法は活性光や電子線などによるパターン露光(水銀のi,g輝線、エキシマレーザー、さらにはX線、電子線)、現像及び/又はバーニングによるパターン形成、素子形成材料の配置(塗設、蒸着、スパッタ、CVなど)、非パターン部の材料の除去(熱処理、溶解処理など)の反復操作による。
(用途)
本発明の光電変換膜が撮像素子として用いられる場合、デバイスのチップサイズは、ブローニーサイズ、135サイズ、APSサイズ、1/1.8インチ、さらに小型のサイズでも選択することができる。本発明の積層光電変換素子の画素サイズは複数の光(電磁波)吸収/光電変換部位の最大面積に相当する円相当直径で表す。いずれの画素サイズであっても良いが、2〜20マイクロメーターの画素サイズが好ましい。さらに好ましくは2〜10マイクロメーターであるが、3〜8マイクロメーターが特に好ましい。
画素サイズが20マイクロメーターを超えると解像力が低下し、画素サイズが2マイクロメーターよりも小さくてもサイズ間の電波干渉のためか解像力が低下する。
本発明の光電変換膜が光電変換素子、撮像素子等の光センサー用途に用いられる場合、デジタルスチルカメラに利用することが出来る。また、TVカメラに用いることも好ましい。その他の用途として、デジタルビデオカメラ、下記用途などでの監視カメラ(オフィスビル、駐車場、金融機関・無人契約機、ショッピングセンター、コンビニエンスストア、アウトレットモール、百貨店、パチンコホール、カラオケボックス、ゲームセンター、病院)、その他各種のセンサー(テレビドアホン、個人認証用センサー、ファクトリーオートメーション用センサー、家庭用ロボット、産業用ロボット、配管検査システム)、医療用センサー(内視鏡、眼底カメラ)、テレビ会議システム、テレビ電話、カメラつきケータイ、自動車安全走行システム(バックガイドモニタ、衝突予測、車線維持システム)、テレビゲーム用センサーなどの用途に用いることが出来る。
中でも、本発明の撮像素子は、テレビカメラ用途としても適するものである。その理由は、色分解光学系を必要としないためにテレビカメラの小型軽量化を達成することが出来るためである。また、高感度で高解像力を有することから、ハイビジョン放送用テレビカメラに特に好ましい。この場合のハイビジョン放送用テレビカメラとは、デジタルハイビジョン放送用カメラを含むものである。
更に、本発明の撮像素子においては、光学ローパスフィルターを不要とすることが出来、更なる高感度、高解像力が期待できる点で好ましい。
更に、本発明の撮像素子においては厚みを薄くすることが可能であり、かつ色分解光学系が不要となる為、「日中と夜間のように異なる明るさの環境」、「静止している被写体と動いている被写体」など、異なる感度が要求される撮影シーン、その他分光感度、色再現性に対する要求が異なる撮影シーンに対して、本発明の撮像素子を交換して撮影する事により1台のカメラにて多様な撮影のニーズにこたえることが出来、同時に複数台のカメラを持ち歩く必要がない為、撮影者の負担も軽減する。交換の対象となる光電変換素子としては、上記の他に赤外光撮影用、白黒撮影用、ダイナミックレンジの変更を目的に交換撮像素子を用意することが出来る。
本発明のTVカメラは、映像情報メディア学会編、テレビジョンカメラの設計技術(1999年8月20日、コロナ社発行、ISBN 4−339−00714−5)第2章の記述を参考にし、例えば図2.1テレビカメラの基本的な構成の色分解光学系及び撮像デバイスの部分を、本発明の撮像素子と置き換えることにより作製することができる。
上述の積層された受光素子は、配列することで撮像素子として利用することができるだけでなく、単体としてバイオセンサや化学センサなどの光センサやカラー受光素子としても利用可能である。
[本発明の別の好ましい撮像素子の実施態様]
本発明の光電変換膜を撮像素子として用いる場合に特に好ましい態様について図2により説明する。13はシリコン単結晶基盤でありB光とR光の電磁波吸収/光電変換部位と光電変換により生成した電荷の電荷蓄積/転送/読み出し部位を兼ねている。通常、p型のシリコン基盤が用いられる。21、22、23はシリコン基盤中に設けられたn層、p層、n層を各々示す。21のn層はR光の信号電荷の蓄積部でありpn接合により光電変換されたR光の信号電荷を蓄積する。蓄積された電荷は26に示したトランジスタを介して19のメタル配線により27の信号読み出しパッドに接続される。23のn層はB光の信号電荷の蓄積部でありpn接合により光電変換されたB光の信号電荷を蓄積する。蓄積された電荷は26に類似のトランジスタ28を介して19のメタル配線により27の信号読み出しパッドに接続される。ここでp層、n層、トランジスタ、メタル配線等は模式的に示したが、それぞれが前に詳述したように、構造等は適宜最適なものが選ばれる。
B光、R光はシリコン基盤の深さにより分別しているのでpn接合等のシリコン基盤からの深さ、ドープ濃度の選択などは重要である。12はメタル配線を含む層であり酸化珪素、窒化珪素等を主成分とする層である。12の層の厚みは薄いほど好ましく5μ以下、好ましくは3μ以下、さらに好ましくは2μ以下である。11も同様に酸化珪素、窒化珪素等を主成分とする層である。11と12の層にはG光の信号電荷をシリコン基盤に送るためのプラグが設けられている。プラグは11と12の層の間でパッド16により接続されている。プラグはタングステンを主成分としたものが好ましく用いられる。パッドはアルミニウムを主成分としたものが好ましく用いられる。前述したメタル配線も含めてバリア層が設けられていることが好ましい。
15のプラグを通して送られるG光の信号電荷はシリコン基盤中の25に示したn層に蓄積される。25に示したn層は24に示したp層により分離されている。蓄積された電荷は26に類似のトランジスタを介して19のメタル配線により27の信号読み出しパッドに接続される。24と25のpn接合による光電変換は雑音となるために11の層中に17に示した遮光膜が設けられる。遮光膜は通常、タングステン、アルミニウム等を主成分としたものが用いられる。12の層の厚みは薄いほど好ましく3μ以下、好ましくは2μ以下、さらに好ましくは1μ以下である。信号読み出しパッド27はB、G、R信号別に設ける方が好ましい。以上のプロセスは従来公知のプロセス、いわゆるCMOSプロセスにより調製できる。
G光の電磁波吸収/光電変換部位は、透明対向電極6、電子ブロッキング層7、p層8、n層9、正孔ブロッキング層10、透明画素電極14により示される。P層8及び/又はn層9に本発明の前記一般式(I)で表わされるアセン系化合物を含有する。
これらの6と14は透明電極であり、各々、対向電極、画素電極に相当する。画素電極14は透明電極であるが、15のプラグと電気的接続を良好にするために接続部にアルミニウム、モリブデン等の部位が必要な場合が多い。これらの透明電極間には18の接続電極、20の対向電極パッドからの配線を通じてバイアスがかけられる。透明対向電極6に対して画素電極14に正又は負のバイアスをかけて25に電子又は正孔が蓄積できる構造が好ましい。画素電極14に正のバイアスをかける場合、7は電子ブロッキング層、8がp層、9がn層、10が正孔ブロッキング層であり、有機層の代表的な層の構成を示した。画素電極14に負のバイアスをかける場合は、層構成は逆になる。7、8、9、10から成る有機層の厚みは好ましくは合わせて0.5μ以下、より好ましくは0.4μ以下、特に好ましくは0.3μ以下である。6の透明対向電極、14の透明画素電極の厚みは特に好ましくは0.2μ以下である。3、4、5は窒化珪素等を主成分とする保護膜である。これらの保護膜により、有機層を含む層の製造プロセスが容易となる。特にこれらの層は18等の接続電極作成時のレジストパタ−ン作成、エッチング時等の有機層に対するダメ−ジを低減させることができる。また、レジストパタ−ン作成、エッチング等を避けるために、マスクによる製造も可能である。3、4、5の保護膜の厚みは上述した条件を満足する限りにおいて、好ましくは0.5μ以下である。3は18の接続電極の保護膜である。2は赤外カット誘電体多層膜である。1は反射防止膜である。1、2、3の層の厚みは合わせて1μ以下が好ましい。
以上の図2で説明した光電変換素子はG画素が4画素に対してB画素とR画素が1画素の構成となっている。G画素が1画素に対してB画素とR画素が1画素の構成となっていても良いし、G画素が3画素に対してB画素とR画素が1画素の構成となっていても良いし、G画素が2画素に対してB画素とR画素が1画素の構成となっていても良い。さらには任意の組み合わせでも良い。以上は本発明の好ましい態様を示すものであるが、これに限定されるものではない。
次に本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例中の太陽電池特性の測定は、キセノンランプ(浜松ホトニクス製、L2195)を光源とした白色光(0.05mW/cm2)を、光電変換膜のITO電極側から直径1.5mmの照射範囲で照射しながら、無バイアス、あるいは直流電圧を印加し、ソースメータ(Keithley製、6430)を備えた分光感度測定装置(住友重機械アドバンストマシナリー製)を用いて行った。
[実施例1]
ITO電極(100nm)がパターニングされたガラス基板を、イソプロピルアルコール中で超音波洗浄した後、乾燥した。さらに、ITO電極表面の有機汚染物質を除去するためにUVオゾン処理を行なった。このITO電極の入射光透過率は80%であった。
次に、ITO基板上にPEDOT(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/PSS(ポリスチレンスルホン酸)水溶液(商品名:BaytronP(標準品))をスピンコート(4000rpm、30秒間)により塗布した。120℃で1時間乾燥させた後、p型有機半導体としてP3HT(ポリ(3−ヘキシルチオフェン)、レジオレギュラー、M〜87000、Aldrich製)(0.5重量%)、n型有機半導体としてPCBM([6,6]−フェニル−C61−酪酸メチルエステル)(0.5重量%)、さらに本発明の明細書中で具体例に挙げた化合物(1)(p型)(0.5重量%)を1,2−ジクロロベンゼンに溶解させ、この混合溶液をスピンコート(1000rpm、30秒間)することにより有機光電変換層を形成させた。触針式膜厚計(Dektak 6M)より求めた有機光電変換層の膜厚は、47nmであった。こうして得られた均一混合膜たる有機薄膜層の上に、LiFを6nm、アルミニウムを80nmの厚さになるように順次真空蒸着することにより金属電極を形成させた。真空を保ったままグローブボックスへと移し、窒素雰囲気下で金属の封止缶とUV硬化樹脂を用いて封止することにより、有効面積0.04cm2の光電変換膜(素子)を得て、これを試料(A)とした。
また、化合物(1)の替わりに化合物(2)(p型)を用いた以外は、上記試料(A)と全く同様に作製して得られた光電変換膜(素子)を試料(B)とした。この場合、有機光電変換層の膜厚は41nmであった。
さらに、化合物(1)及び(2)を追加で加えない以外は上記試料(A)と全く同様にして比較の試料(C)を作製した。この場合、有機光電変換層の膜厚は25nmであった。
以上の方法で得られた試料(A)、(B)、(C)の光電変換スペクトルを図3に示す。ここで用いた外部量子効率(IPCE)は、光電流値から暗電流値を差し引いた値より求めたものである。これらは、試料(C)の光電変換光電変換スペクトルと比べて、長波側まで光電変換領域が拡大している。また,試料(A)及び(B)に直流電圧を印加したときの光電変換スペクトルを図4および図5に示す。直流電場の印加により、光電変換特性が顕著に向上することが分かる。さらに、試料(A)は試料(B)よりも、印加電圧の高い(−0.5V)時に光電変換特性の向上がより顕著であることも分かる。
[実施例2]
図2の光電変換部位の7,8,9,10の層の替わりに、実施例1の本発明の試料(A)の光電変換膜部位を用いることで、光電変換効率の高いカラー撮像素子を作製することができる。


本発明によるBGR3層積層の光電変換膜積層撮像素子の1画素分の断面模式図である。 本発明による好ましい撮像素子の断面模式図である。 実施例1で得られた試料の光電変換スペクトルである。 実施例1で得られた試料(A)の直流電圧の印加と外部量子効率との関係を示すグラフである。 実施例1で得られた試料(B)の直流電圧の印加と外部量子効率との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 反射防止膜
2 赤外カット誘電体多層膜
3、4、5 保護膜
6 透明対向電極
7 電子ブロッキング層
8 p層
9 n層
10 正孔ブロッキング層
11,12 メタル配線を含む層
13 シリコン単結晶基盤
14 透明画素電極
15 プラグ
16 パッド
17 遮光膜
18 接続電極
19 メタル配線
20 対向電極パッド
21 n層
22 p層
23 n層
24 p層
25 n層
26 トランジスタ
27 信号読み出しパッド
101 Pウェル層
102,104,106 高濃度不純物領域
103,105,107 MOS回路
108 ゲート絶縁膜
109,110 絶縁膜
111,114,116,119,121,124, 透明電極膜
112,117,122, 電極
113,118,123 光電変換膜
110,115、120、125 透明絶縁膜
126 遮光膜
150 半導体基板


Claims (8)

  1. p型半導体とn型半導体を有し、該p型半導体およびn型半導体の少なくともいずれかが置換基を有するアセン系化合物を含むことを特徴とする光電変換膜。
  2. 請求項1記載のアセン系化合物が下記一般式(I)で表される化合物から選ばれることを特徴とする請求項1記載の光電変換膜。
    一般式(I)
    Figure 2007335760
    式(I)中、Z及びZは、アントラセン環に縮合した、置換されていても良い芳香族環を表す。Vは置換基を表し、nは1〜6の整数を表す。
  3. 前記光電変換膜が、p型半導体およびn型半導体を含むバルクヘテロ接合構造層を有することを特徴とする請求項2記載の光電変換膜。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の光電変換膜を含む太陽電池。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の光電変換膜を含む光電変換素子。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の光電変換膜を含む撮像素子。
  7. 湿式製膜法で作成されることを特徴とする請求項1〜3に記載の光電変換膜。
  8. 請求項1〜3のいずれか1項に記載された光電変換膜に10−2V/cm以上1×1010V/cm以下の電場を印加する方法。
JP2006168085A 2006-06-16 2006-06-16 光電変換膜、並びに、該光電変換膜を含む太陽電池、光電変換素子、又は撮像素子 Pending JP2007335760A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006168085A JP2007335760A (ja) 2006-06-16 2006-06-16 光電変換膜、並びに、該光電変換膜を含む太陽電池、光電変換素子、又は撮像素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006168085A JP2007335760A (ja) 2006-06-16 2006-06-16 光電変換膜、並びに、該光電変換膜を含む太陽電池、光電変換素子、又は撮像素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007335760A true JP2007335760A (ja) 2007-12-27

Family

ID=38934914

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006168085A Pending JP2007335760A (ja) 2006-06-16 2006-06-16 光電変換膜、並びに、該光電変換膜を含む太陽電池、光電変換素子、又は撮像素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007335760A (ja)

Cited By (35)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009212106A (ja) * 2008-02-29 2009-09-17 Konica Minolta Holdings Inc 光電変換デバイスおよびその製造方法、並びに、放射線画像検出装置
WO2009119557A1 (ja) * 2008-03-25 2009-10-01 住友化学株式会社 組成物及びそれを用いた光電変換素子
JP2009260134A (ja) * 2008-04-18 2009-11-05 Konica Minolta Holdings Inc 光電変換デバイスおよびその製造方法、並びに、放射線画像検出装置
JP2009259978A (ja) * 2008-04-15 2009-11-05 Konica Minolta Holdings Inc 光電変換デバイスおよび放射線画像検出装置
JP2009290114A (ja) * 2008-05-30 2009-12-10 Fujifilm Corp 有機光電変換材料および有機薄膜光電変換素子
JP2009302247A (ja) * 2008-06-12 2009-12-24 Idemitsu Kosan Co Ltd 有機薄膜太陽電池用材料及びそれを用いた有機薄膜太陽電池
JP2010004022A (ja) * 2008-06-18 2010-01-07 Korea Advanced Inst Of Science & Technology 有機太陽電池及びその製造方法
WO2010013520A1 (ja) 2008-07-30 2010-02-04 出光興産株式会社 インデノピレン化合物、並びにそれを用いた有機薄膜太陽電池用材料および有機薄膜太陽電池
JP2010053109A (ja) * 2008-08-29 2010-03-11 Japan Science & Technology Agency フラーレンを内外壁表面に有し光電導特性をチューニングした自己組織化ナノチューブ
JP2010520241A (ja) * 2007-03-07 2010-06-10 ユニバーシティ オブ ケンタッキー リサーチ ファウンデーション シリルエチニル化されたヘテロアセン類およびそれで作製された電子装置
JP2010270084A (ja) * 2009-05-25 2010-12-02 Idemitsu Kosan Co Ltd インドール誘導体及びそれを用いた有機薄膜太陽電池
WO2010137449A1 (ja) * 2009-05-25 2010-12-02 コニカミノルタホールディングス株式会社 有機光電変換素子、それを用いた太陽電池及び光センサアレイ
JP2011119577A (ja) * 2009-12-07 2011-06-16 Konica Minolta Holdings Inc 有機光電変換素子、それを用いた太陽電池及び光センサアレイ
JP2011171513A (ja) * 2010-02-18 2011-09-01 Fujifilm Corp 光電変換素子及び撮像素子並びにその製造方法
JP2011204883A (ja) * 2010-03-25 2011-10-13 Lintec Corp フラーレン誘導体、それを含む組成物及び有機光電変換素子
WO2011138935A1 (ja) * 2010-05-07 2011-11-10 住友化学株式会社 有機光電変換素子
WO2012014460A1 (ja) 2010-07-27 2012-02-02 出光興産株式会社 インデノペリレン化合物、インデノペリレン誘導体を含有してなる有機薄膜太陽電池用材料、及びそれを用いた有機薄膜太陽電池
JP2012031143A (ja) * 2010-06-30 2012-02-16 Adeka Corp 新規化合物、光電変換材料及び光電変換素子
CN102576770A (zh) * 2009-07-08 2012-07-11 道达尔股份有限公司 制造具有多结和多电极的光伏电池的方法
WO2012128384A1 (ja) * 2011-03-24 2012-09-27 シャープ株式会社 発光装置、照明装置および前照灯
JP2012204071A (ja) * 2011-03-24 2012-10-22 Sharp Corp 照明装置及び前照灯
WO2013031471A1 (ja) * 2011-09-01 2013-03-07 富士フイルム株式会社 光電変換素子の製造方法、および撮像素子の製造方法
US8541858B2 (en) 2010-05-06 2013-09-24 Kabushiki Kaisha Toshiba Solid state imaging device
KR20140066702A (ko) 2011-08-16 2014-06-02 후지필름 가부시키가이샤 광전 변환 소자 및 그 사용 방법, 촬상 소자, 그리고, 광 센서
US8822808B2 (en) 2010-03-31 2014-09-02 Fujifilm Corporation Photoelectric conversion device, method for manufacturing the same, photo sensor and imaging device
WO2015008797A1 (ja) * 2013-07-18 2015-01-22 富士フイルム株式会社 イメージセンサー及びその製造方法
JP2016014138A (ja) * 2014-06-24 2016-01-28 アルモール 半導体有機フィルムの製造方法
WO2016111140A1 (ja) * 2015-01-09 2016-07-14 東レ株式会社 光電変換素子およびこれを用いたイメージセンサ
JP2016531441A (ja) * 2013-08-23 2016-10-06 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se ヘテロ接合型有機太陽電池用の新規吸収体
WO2016194717A1 (ja) * 2015-06-05 2016-12-08 ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 固体撮像素子、光電変換膜、電子ブロック層、撮像装置、および電子機器
JP2017028234A (ja) * 2015-07-21 2017-02-02 五十嵐 五郎 多接合型の光起電力素子
JP2019506733A (ja) * 2015-12-23 2019-03-07 コミサリヤ・ア・レネルジ・アトミク・エ・オ・エネルジ・アルテルナテイブ 上部透明電極を有する光電子アレイデバイス
US10559629B2 (en) 2016-08-05 2020-02-11 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Imaging device including at least one unit pixel cell
CN111063702A (zh) * 2019-11-13 2020-04-24 北京大学 一种utbb光电探测器像素单元、阵列和方法
US10998380B2 (en) 2016-08-05 2021-05-04 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Imaging device including at least one unit pixel cell and voltage application circuit

Cited By (61)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010520241A (ja) * 2007-03-07 2010-06-10 ユニバーシティ オブ ケンタッキー リサーチ ファウンデーション シリルエチニル化されたヘテロアセン類およびそれで作製された電子装置
JP2014193861A (ja) * 2007-03-07 2014-10-09 Univ Kentucky Res Found シリルエチニル化されたヘテロアセン類およびそれで作製された電子装置
JP2009212106A (ja) * 2008-02-29 2009-09-17 Konica Minolta Holdings Inc 光電変換デバイスおよびその製造方法、並びに、放射線画像検出装置
WO2009119557A1 (ja) * 2008-03-25 2009-10-01 住友化学株式会社 組成物及びそれを用いた光電変換素子
JP2009260324A (ja) * 2008-03-25 2009-11-05 Sumitomo Chemical Co Ltd 組成物およびそれを用いた光電変換素子
US8871847B2 (en) 2008-03-25 2014-10-28 Sumitomo Chemical Company, Limited Composition and photo-electric converting element obtained using the same
JP2009259978A (ja) * 2008-04-15 2009-11-05 Konica Minolta Holdings Inc 光電変換デバイスおよび放射線画像検出装置
JP2009260134A (ja) * 2008-04-18 2009-11-05 Konica Minolta Holdings Inc 光電変換デバイスおよびその製造方法、並びに、放射線画像検出装置
JP2009290114A (ja) * 2008-05-30 2009-12-10 Fujifilm Corp 有機光電変換材料および有機薄膜光電変換素子
JP2009302247A (ja) * 2008-06-12 2009-12-24 Idemitsu Kosan Co Ltd 有機薄膜太陽電池用材料及びそれを用いた有機薄膜太陽電池
JP2010004022A (ja) * 2008-06-18 2010-01-07 Korea Advanced Inst Of Science & Technology 有機太陽電池及びその製造方法
WO2010013520A1 (ja) 2008-07-30 2010-02-04 出光興産株式会社 インデノピレン化合物、並びにそれを用いた有機薄膜太陽電池用材料および有機薄膜太陽電池
EP2316816A4 (en) * 2008-07-30 2012-12-19 Idemitsu Kosan Co INDENOPYRENE COMPOUND, MATERIAL FOR ORGANIC THIN-FILM SOLAR CELL USING THE SAME, AND ORGANIC THIN-FILM SOLAR CELL
EP2316816A1 (en) * 2008-07-30 2011-05-04 Idemitsu Kosan Co., Ltd. Indenopyrene compound, organic thin film solar cell material using the same, and organic thin film solar cell
JP2010053109A (ja) * 2008-08-29 2010-03-11 Japan Science & Technology Agency フラーレンを内外壁表面に有し光電導特性をチューニングした自己組織化ナノチューブ
JP5447513B2 (ja) * 2009-05-25 2014-03-19 コニカミノルタ株式会社 有機光電変換素子、それを用いた太陽電池及び光センサアレイ
WO2010137449A1 (ja) * 2009-05-25 2010-12-02 コニカミノルタホールディングス株式会社 有機光電変換素子、それを用いた太陽電池及び光センサアレイ
JPWO2010137449A1 (ja) * 2009-05-25 2012-11-12 コニカミノルタホールディングス株式会社 有機光電変換素子、それを用いた太陽電池及び光センサアレイ
JP2010270084A (ja) * 2009-05-25 2010-12-02 Idemitsu Kosan Co Ltd インドール誘導体及びそれを用いた有機薄膜太陽電池
JP2015092642A (ja) * 2009-07-08 2015-05-14 トタル マルケタン セルヴィス 多接合及び多電極を有する光起電性電池の製造方法
CN102576770A (zh) * 2009-07-08 2012-07-11 道达尔股份有限公司 制造具有多结和多电极的光伏电池的方法
JP2012533171A (ja) * 2009-07-08 2012-12-20 トタル ソシエテ アノニム 多接合及び多電極を有する光起電性電池の製造方法
JP2011119577A (ja) * 2009-12-07 2011-06-16 Konica Minolta Holdings Inc 有機光電変換素子、それを用いた太陽電池及び光センサアレイ
JP2011171513A (ja) * 2010-02-18 2011-09-01 Fujifilm Corp 光電変換素子及び撮像素子並びにその製造方法
JP2011204883A (ja) * 2010-03-25 2011-10-13 Lintec Corp フラーレン誘導体、それを含む組成物及び有機光電変換素子
US8822808B2 (en) 2010-03-31 2014-09-02 Fujifilm Corporation Photoelectric conversion device, method for manufacturing the same, photo sensor and imaging device
US8541858B2 (en) 2010-05-06 2013-09-24 Kabushiki Kaisha Toshiba Solid state imaging device
JP2011254071A (ja) * 2010-05-07 2011-12-15 Sumitomo Chemical Co Ltd 有機光電変換素子
WO2011138935A1 (ja) * 2010-05-07 2011-11-10 住友化学株式会社 有機光電変換素子
JP2012031143A (ja) * 2010-06-30 2012-02-16 Adeka Corp 新規化合物、光電変換材料及び光電変換素子
WO2012014460A1 (ja) 2010-07-27 2012-02-02 出光興産株式会社 インデノペリレン化合物、インデノペリレン誘導体を含有してなる有機薄膜太陽電池用材料、及びそれを用いた有機薄膜太陽電池
JP2012204071A (ja) * 2011-03-24 2012-10-22 Sharp Corp 照明装置及び前照灯
WO2012128384A1 (ja) * 2011-03-24 2012-09-27 シャープ株式会社 発光装置、照明装置および前照灯
US9412952B2 (en) 2011-08-16 2016-08-09 Fujifilm Corporation Photoelectric conversion element and method of using the same, image sensor, and optical sensor
KR20140066702A (ko) 2011-08-16 2014-06-02 후지필름 가부시키가이샤 광전 변환 소자 및 그 사용 방법, 촬상 소자, 그리고, 광 센서
JP2013055117A (ja) * 2011-09-01 2013-03-21 Fujifilm Corp 光電変換素子の製造方法、および撮像素子の製造方法
WO2013031471A1 (ja) * 2011-09-01 2013-03-07 富士フイルム株式会社 光電変換素子の製造方法、および撮像素子の製造方法
JP2018110270A (ja) * 2013-07-18 2018-07-12 富士フイルム株式会社 イメージセンサー及びその製造方法
WO2015008797A1 (ja) * 2013-07-18 2015-01-22 富士フイルム株式会社 イメージセンサー及びその製造方法
JP2015038979A (ja) * 2013-07-18 2015-02-26 富士フイルム株式会社 イメージセンサー及びその製造方法
JP2016531441A (ja) * 2013-08-23 2016-10-06 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se ヘテロ接合型有機太陽電池用の新規吸収体
JP2016014138A (ja) * 2014-06-24 2016-01-28 アルモール 半導体有機フィルムの製造方法
JP5988001B1 (ja) * 2015-01-09 2016-09-07 東レ株式会社 光電変換素子およびこれを用いたイメージセンサ
WO2016111140A1 (ja) * 2015-01-09 2016-07-14 東レ株式会社 光電変換素子およびこれを用いたイメージセンサ
KR102190596B1 (ko) 2015-01-09 2020-12-14 도레이 카부시키가이샤 광전 변환 소자 및 이것을 사용한 이미지 센서
KR20170104999A (ko) * 2015-01-09 2017-09-18 도레이 카부시키가이샤 광전 변환 소자 및 이것을 사용한 이미지 센서
US10199589B2 (en) 2015-01-09 2019-02-05 Toray Industries, Inc. Photoelectric conversion element and image sensor using same
WO2016194717A1 (ja) * 2015-06-05 2016-12-08 ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 固体撮像素子、光電変換膜、電子ブロック層、撮像装置、および電子機器
KR20180015132A (ko) * 2015-06-05 2018-02-12 소니 세미컨덕터 솔루션즈 가부시키가이샤 고체 촬상 소자, 광전 변환막, 전자 블록층, 촬상 장치 및 전자 기기
CN107636830A (zh) * 2015-06-05 2018-01-26 索尼半导体解决方案公司 固态成像元件、光电转换膜、电子阻挡层、摄像装置及电子设备
JPWO2016194717A1 (ja) * 2015-06-05 2018-03-22 ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 固体撮像素子、光電変換膜、電子ブロック層、撮像装置、および電子機器
KR102607472B1 (ko) * 2015-06-05 2023-11-29 소니 세미컨덕터 솔루션즈 가부시키가이샤 고체 촬상 소자, 광전 변환막, 전자 블록층, 촬상 장치 및 전자 기기
US11088207B2 (en) 2015-06-05 2021-08-10 Sony Semiconductor Solutions Corporation Solid-state image sensor, photoelectric conversion film, electron blocking layer, imaging apparatus, and electronic device
JP2017028234A (ja) * 2015-07-21 2017-02-02 五十嵐 五郎 多接合型の光起電力素子
JP2019506733A (ja) * 2015-12-23 2019-03-07 コミサリヤ・ア・レネルジ・アトミク・エ・オ・エネルジ・アルテルナテイブ 上部透明電極を有する光電子アレイデバイス
JP7019577B2 (ja) 2015-12-23 2022-02-15 コミサリヤ・ア・レネルジ・アトミク・エ・オ・エネルジ・アルテルナテイブ 上部透明電極を有する光電子アレイデバイス
US10861904B2 (en) 2016-08-05 2020-12-08 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Imaging device including a photoelectric converter and a voltage application circuit
US10998380B2 (en) 2016-08-05 2021-05-04 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Imaging device including at least one unit pixel cell and voltage application circuit
US11456337B2 (en) 2016-08-05 2022-09-27 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Imaging device including at least one unit pixel cell and voltage application circuit
US10559629B2 (en) 2016-08-05 2020-02-11 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Imaging device including at least one unit pixel cell
CN111063702A (zh) * 2019-11-13 2020-04-24 北京大学 一种utbb光电探测器像素单元、阵列和方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007335760A (ja) 光電変換膜、並びに、該光電変換膜を含む太陽電池、光電変換素子、又は撮像素子
JP4914597B2 (ja) 光電変換素子及び撮像素子、並びに、これらに電場を印加する方法
JP5022573B2 (ja) 光電変換素子、及び撮像素子、並びに、これらに電場を印加する方法
JP4951224B2 (ja) 光電変換膜、光電変換素子、及び撮像素子、並びに、これらに電場を印加する方法
JP5581116B2 (ja) 光電変換素子、撮像素子及び光電変換素子の駆動方法
JP5108806B2 (ja) 光電変換素子及び撮像素子
JP5376963B2 (ja) 光電変換素子及び撮像素子
US7888759B2 (en) Photoelectric conversion device, imaging device, and process for producing the photoelectric conversion device
JP2007059517A (ja) 光電変換膜、光電変換素子、及び撮像素子、並びに、これらに電場を印加する方法
JP5244287B2 (ja) 撮像素子、及び撮像素子に電場を印加する方法
JP5683059B2 (ja) 撮像素子
JP2005303266A (ja) 撮像素子、その電場印加方法および印加した素子
JP2009088292A (ja) 光電変換素子、撮像素子及び光センサー
JP2009135318A (ja) 光電変換素子、撮像素子及び光センサー
US20060273362A1 (en) Photoelectric conversion layer, photoelectric conversion device and imaging device, and method for applying electric field thereto
JP5108930B2 (ja) 光電変換素子及び撮像素子
JP2007059483A (ja) 光電変換素子、撮像素子、並びに、光電変換素子および撮像素子に電場を印加する方法
JP2008258421A (ja) 有機光電変換素子及びその製造方法
WO2018020871A1 (ja) 光電変換素子、撮像素子、光センサ、化合物
JPWO2018105269A1 (ja) 光電変換素子、光センサ、及び、撮像素子
JP2009054605A (ja) 光電変換素子及び撮像素子
JP2009188337A (ja) 光電変換素子
JP2007013123A (ja) 光電変換膜、光電変換素子、及び撮像素子、並びに、これらに電場を印加する方法
WO2018020835A1 (ja) 光電変換素子、撮像素子、光センサ、化合物
JP2007059467A (ja) 光電変換膜、光電変換素子、及び撮像素子、並びに、これらに電場を印加する方法