JP2009212106A - 光電変換デバイスおよびその製造方法、並びに、放射線画像検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造コストを低減しながら、画素サイズの縮小化を図ることが可能であり、かつ、製造工程が複雑化するのを抑制することが可能な光電変換デバイスを提供する。
【解決手段】この光電変換デバイス100は、光電変換膜11を含む光電変換部10とトランジスタ部(有機TFT)20とを備えた画素がガラス基板1上に複数配置された画素アレイにおいて、トランジスタ部(有機TFT)20と光電変換部10とが、ガラス基板1上に並置されて形成されており、光電変換膜11は、溶媒に溶解可能な有機半導体材料からなる有機半導体膜を含むとともに、隣り合う画素の光電変換部10に渡って連続的に形成されている。
【選択図】図1
【解決手段】この光電変換デバイス100は、光電変換膜11を含む光電変換部10とトランジスタ部(有機TFT)20とを備えた画素がガラス基板1上に複数配置された画素アレイにおいて、トランジスタ部(有機TFT)20と光電変換部10とが、ガラス基板1上に並置されて形成されており、光電変換膜11は、溶媒に溶解可能な有機半導体材料からなる有機半導体膜を含むとともに、隣り合う画素の光電変換部10に渡って連続的に形成されている。
【選択図】図1
Description
この発明は、光電変換デバイスおよびその製造方法、並びに、光電変換デバイスを備えた放射線画像検出装置に関する。
従来、複数の画素を有し、イメージセンサとして機能する光電変換デバイスが知られている。
図57は、従来知られている光電変換デバイスの一例を簡略化して示した平面図である。図57を参照して、従来の一例による光電変換デバイス5000では、基板5001上に、複数の画素が二次元アレイ状に配列されている。これらの画素は、それぞれ、スイッチング素子として機能する薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)5010と、画素毎に分離された光電変換膜5020とを備えている。また、上記基板5001上には、上記画素と電気的に接続される行信号線5030および列信号線5040が形成されている。そして、各画素に光が入射されると、それぞれの光電変換膜5020によって、入射された光が電荷に変換され、TFT5010により、変換された電荷が画素毎に電気信号として読み出される。これにより、画像が電気信号として読み取られる。
また、上記した光電変換デバイス5000では、シリコンなどの結晶基板が用いられたCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサと異なり、基板5001として、ガラス基板などを用いることにより、大面積の撮像エリアを有するイメージセンサを得ることができる。
また、近年、医用画像診断などの放射線により取得した画像を利用する医療・検査関連分野では、フィルムレス化を図るために取得画像のデジタル化が急速に進められている。このため、放射線画像を、放射線写真フィルムを介さずに直接電気信号として得ることが可能なフラットパネルディテクタ(Flat Panel Detector:FPD)と呼ばれるデジタル式の放射線画像検出装置が、医療などの分野において普及しつつある。このようなデジタル式の放射線画像検出装置では、大面積の撮像エリアを有するイメージセンサ(撮像パネル)が要求されるため、フラットパネルディテクタには、上記のような光電変換デバイスが搭載されている。
ここで、フラットパネルディテクタなどに搭載される光電変換デバイスでは、光電変換膜がアモルファスシリコンなどの無機半導体材料や、有機半導体材料から構成されている。光電変換膜を有機半導体材料から構成した場合には、無機半導体材料から構成する場合に比べて、製造コストを低減することが可能であるため、近年、有機半導体材料を用いた光電変換デバイスが注目を集めている。特に、有機半導体材料に高分子系材料などの溶媒に溶解可能な材料を用いた場合には、印刷プロセスを用いて光電変換膜を形成することができるので、この場合には、より安価に製品を製造することができる。このため、このような材料を用いた印刷プロセスの開発が盛んに行われている。
一方、上記したフラットパネルディテクタに代表されるデジタル式の放射線画像検出装置では、高解像度化要求に伴い、画素サイズの縮小化が望まれている。また、上記した従来の光電変換デバイス5000において画素サイズの縮小化を図るためには、光電変換膜5020のサイズを縮小する必要がある。光電変換膜5020のサイズを縮小する方法としては、たとえば、インクジェット法を用いて光電変換膜5020を形成する際に、吐出する液滴の大きさを小さくする方法が考えられる。このようにすれば、有機半導体材料の塗布寸法を小さくすることができるので、より高精細な塗り分けが可能となる。これにより、光電変換膜5020のサイズを縮小することが可能になると考えられる。ところが、吐出する液滴の大きさを小さくするのは、技術的に容易なことではない。これは、液滴の塗布寸法に対し、液滴の体積は3乗に比例するため、塗布寸法を1/nに縮小するためには液滴の体積を1/n3にする必要があるからである。このように、図57に示した従来の光電変換デバイス5000では、印刷プロセスを用いて光電変換膜5020を形成する場合、画素サイズの縮小化に対応することが困難であった。すなわち、従来の光電変換デバイス5000では、製造コストを低減しながら、画素サイズの縮小化を図ることが困難であるという不都合があった。
そこで、従来、印刷プロセスを用いて光電変換膜を形成した場合でも、画素サイズの縮小化を図ることが可能なイメージセンサの構造が知られている(たとえば、特許文献1参照)。上記特許文献1には、信号読み出し用のMOS回路が形成されたシリコン基板上に、複数の画素がアレイ状に配列されたイメージセンサ(固体撮像素子)の構造が開示されている。この構造では、基板上に、MOS回路を覆うように絶縁層が形成されており、その絶縁層を介して画素電極が複数形成されている。そして、複数の画素電極を覆うように、全画素に渡って光電変換膜が成膜されている。上記した構造では、光電変換膜を画素毎に塗り分ける必要がないため、印刷プロセスを用いて光電変換膜を形成した場合でも画素サイズの縮小化を図ることが可能となる。
上記特許文献1に記載のイメージセンサは、シリコン基板を用いたものであるが、上記特許文献1の構造より、基板にガラス基板などを用いた光電変換デバイスにおいても上記不都合を解消可能な構造を考え出すことができる。図58は、特許文献1に開示された構造から考え出される光電変換デバイスの断面図である。図58を参照して、この光電変換デバイス6000は、ガラスなどからなる基板6001上に複数の薄膜トランジスタ6010が二次元アレイ状に配列されており、これらの薄膜トランジスタ6010を覆うように、絶縁膜6020が基板6001上に形成されている。また、絶縁膜6020上には、各薄膜トランジスタ6010に対応するように、複数の画素電極6030がアレイ状に配列されている。そして、複数の画素電極6030を覆うように、全画素に渡って光電変換膜6040が形成されている。なお、画素電極6030と薄膜トランジスタ6010とは、絶縁膜6020に設けられたコンタクトホール6020aを介して、互いに電気的に接続されている。
しかしながら、図58に示した光電変換デバイス6000の構成では、上記不都合を解消することが可能であるものの、画素電極6030と薄膜トランジスタ6010とを分離するための絶縁膜6020を形成しなければならないという不都合がある。また、画素電極6030と薄膜トランジスタ6010とを電気的に接続するために、絶縁膜6020にコンタクトホール6020aを設けなければならないという不都合もある。このため、製造工程が複雑化するという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、製造コストを低減しながら、画素サイズの縮小化を図ることが可能であり、かつ、製造工程が複雑化するのを抑制することが可能な光電変換デバイスおよびその製造方法を提供することである。
この発明のもう1つの目的は、製造コストを低減しながら、解像度を向上させることが可能な放射線画像検出装置を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による光電変換デバイスは、光電変換膜を含む光電変換部とトランジスタ部とを備えた画素が基板上に複数配置された画素アレイにおいて、トランジスタ部と光電変換部とが、基板上に並置されて形成されており、光電変換膜が、溶媒に溶解可能な有機半導体材料からなる有機半導体膜を含むとともに、隣り合う画素の光電変換部に渡って連続的に形成されている。
この第1の局面による光電変換デバイスでは、上記のように、光電変換膜を、溶媒に溶解可能な有機半導体材料からなる有機半導体膜を含むように構成することによって、光電変換膜の少なくとも一部を塗布法などの印刷プロセスを用いて形成することができる。このため、光電変換膜の形成に印刷プロセスを用いることによって、光電変換膜を容易に形成することができるので、光電変換デバイスの製造コストを低減することができる。また、上記のように構成することによって、光電変換膜の形成にインクジェット法を用いることができる。そして、インクジェット法を用いて光電変換膜を形成した場合には、真空プロセスが不要であることに加えて、塗布とパターニングとを同時に行うことができるので、短時間で光電変換膜の形成を行うことができるとともに、材料資源の浪費をなくすことができる。これにより、容易に、光電変換デバイスの製造コストを低減することができる。
また、第1の局面による光電変換デバイスでは、上記のように、光電変換膜が隣り合う画素の光電変換部に渡って連続的に形成された構成にすることにより、画素毎に光電変換膜を塗り分ける必要がないため、画素サイズを小さくした場合でも、光電変換膜の形成面積(塗布面積)が微小になるのを抑制することができる。このため、光電変換膜を微小領域に形成する場合に比べて、光電変換膜を良好に(精度よく)形成することができる。これにより、製造コストを低減しながら、画素サイズの縮小化を図ることができる。また、上記のように構成すれば、インクジェット法を用いて光電変換膜を形成する際に、画素の光電変換部よりも大きな塗布面積となる液滴を用いて光電変換膜を形成することができるので、画素サイズを小さくした場合でも、良好な光電変換膜を形成することができる。これにより、容易に、画素サイズの縮小化を図ることができる。
さらに、上記した構成では、トランジスタ部と光電変換部とが、基板上に並置されて形成されているので、絶縁膜を形成することなく、トランジスタ部と光電変換部とを分離することができるとともに、トランジスタ部と光電変換部とをコンタクトホールなどを介さずに、互いに電気的に接続することができる。このため、光電変換デバイスの製造工程において、トランジスタ部と光電変換部とを分離する絶縁膜を形成する工程、および、絶縁膜にコンタクトホールなどを形成する工程を削減することができる。これにより、製造工程が複雑化するのを抑制することができる。
上記第1の局面による光電変換デバイスにおいて、好ましくは、行信号線および列信号線を含む信号線をさらに備えるとともに、複数の画素が縦横にマトリクス状に配置され、かつ、同一の行に属する画素には、その行に対応する行信号線が電気的に接続されているとともに、同一の列に属する画素には、その列に対応する列信号線が電気的に接続され、行信号線および列信号線の少なくとも一方は、信号線、画素、画素、信号線の順に繰り返されて配列されている。このように構成すれば、複数の画素の光電変換部を近接させて配置することができるので、容易に、光電変換膜を隣り合う画素の光電変換部に渡って連続的に形成することができる。
上記行信号線および列信号線を備えた構成において、好ましくは、行信号線および列信号線の一方は、信号線、画素、画素、信号線の順に繰り返されて配列されており、光電変換膜が、行信号線および列信号線の一方に沿って延びるように、複数の画素の光電変換部に渡って連続的に形成されている。このように構成すれば、光電変換膜の形成領域を大きく構成することができるので、画素サイズを小さくした場合でも、印刷プロセスを用いて光電変換膜をより良好に(より精度よく)形成することができる。
上記行信号線および列信号線を備えた構成において、行信号線および列信号線の一方は、信号線、画素、画素、信号線の順に繰り返されて配列されており、光電変換膜が、隣接する2画素の光電変換部に渡って連続的に形成されていてもよい。
上記行信号線および列信号線を備えた構成において、好ましくは、行信号線および列信号線は、それぞれ、信号線、画素、画素、信号線の順に繰り返されて配列されており、光電変換膜が、信号線によって囲まれた4画素の光電変換部に渡って連続的に形成されている。このように構成すれば、信号線によって囲まれた4画素の光電変換部を近接させて配置することができるとともに、信号線を跨がずに比較的広い領域(面積)に光電変換膜を形成することができる。このため、印刷プロセスを用いて光電変換膜をより良好(より精度よく)に形成することができる。
上記第1の局面による光電変換デバイスにおいて、好ましくは、光電変換膜は、溶媒に溶解可能な有機半導体材料から構成されている。このように構成すれば、より容易に、光電変換デバイスの製造コストを低減することができる。
上記第1の局面による光電変換デバイスにおいて、光電変換膜は、無機半導体膜をさらに含んでいてもよい。
上記第1の局面による光電変換デバイスにおいて、好ましくは、基板上には、光電変換膜が形成される領域を露出させる開口部が設けられた絶縁膜が形成されている。このように構成すれば、印刷プロセスを用いて光電変換膜を形成する際に、絶縁膜の開口部の内側の領域に光電変換膜を形成することによって、所定領域に確実に光電変換膜を形成することができるとともに、その領域において光電変換膜の厚みを均一に近付けることができる。このため、印刷プロセスを用いて光電変換膜をさらに良好に(さらに精度よく)形成することができる。これにより、所望のパターン形状を有する光電変換膜を容易に得ることができる。その結果、製造コストを低減しながら、画素サイズの縮小化を図ることが可能な光電変換デバイスを容易に得ることができる。
上記第1の局面による光電変換デバイスにおいて、好ましくは、光電変換膜が形成される領域は、他の領域に比べて、溶媒に対する親液性が大きい。このように構成すれば、印刷プロセスを用いて光電変換膜を形成する際に、容易に、所定領域に光電変換膜を形成することができるとともに、その領域において光電変換膜の厚みを均一に近付けることができる。すなわち、溶媒に対する親液性が大きい領域に有機半導体材料が溶解された溶液を塗布すれば、塗布された溶液は親液性の大きな領域内で濡れ広がるとともに、その領域に留まるので、親液性の大きな領域を所望のパターン形状に形成すれば、所望のパターン形状を有する光電変換膜を容易に得ることができる。その結果、製造コストを低減しながら、画素サイズの縮小化を図ることが可能な光電変換デバイスを容易に得ることができる。
この発明の第2の局面による放射線画像検出装置は、上記第1の局面による光電変換デバイスを備えた放射線画像検出装置である。このように構成すれば、容易に、製造コストを低減しながら、解像度を向上させることが可能な放射線画像検出装置を得ることができる。
この発明の第3の局面による光電変換デバイスの製造方法は、基板上に複数のトランジスタ部をアレイ状に形成する工程と、トランジスタ部とともに画素を構成する光電変換部を、トランジスタ部と並置するように基板上に複数形成する工程とを備えている。そして、光電変換部を形成する工程は、光電変換部を構成する光電変換膜を隣り合う画素に渡って連続的に形成する工程を含み、光電変換膜を形成する工程は、有機半導体材料が溶解された溶液を基板上に塗布する工程を有している。
この第3の局面による光電変換デバイスの製造方法では、上記のように、光電変換膜の少なくとも一部を、有機半導体材料が溶解された溶液を基板上に塗布する方法(塗布法)を用いて形成することによって、光電変換膜を容易に形成することができるので、光電変換デバイスの製造コストを低減することができる。
また、第3の局面による光電変換デバイスの製造方法では、上記のように、光電変換膜を隣り合う画素の光電変換部に渡って連続的に形成することにより、画素毎に光電変換膜を塗り分ける必要がないため、画素サイズを小さくした場合でも、光電変換膜の形成面積(塗布面積)が微小になるのを抑制することができる。このため、光電変換膜を微小領域に形成する場合に比べて、光電変換膜を良好に(精度よく)形成することができる。これにより、製造コストを低減しながら、画素サイズの縮小化を図ることができる。
さらに、第3の局面による光電変換デバイスの製造方法では、上記のように、光電変換部をトランジスタ部と並置するように基板上に形成することによって、光電変換部とトランジスタ部とを分離するための絶縁膜を形成することなく、光電変換部を基板上に形成することができる。このため、光電変換部とトランジスタ部とを分離するための絶縁膜を形成する工程を削減することができる。また、光電変換部とトランジスタ部とを並置することによって、コンタクトホールなどを介さずに光電変換部とトランジスタ部とを互いに電気的に接続することができるので、絶縁膜にコンタクトホールなどを形成する工程を削減することもできる。これにより、製造工程が複雑化するのを抑制することができる。
上記第3の局面による光電変換デバイスの製造方法において、好ましくは、トランジスタ部を形成する工程は、行信号線および列信号線を有する信号線をトランジスタ部と電気的に接続された状態で基板上に形成する工程と、行信号線および列信号線の一方を、信号線、画素、画素、信号線の順に繰り返し配列する工程とを含み、光電変換部を形成する工程は、光電変換部を構成する光電変換膜を行信号線および列信号線の一方に沿って延びるように、複数の画素に渡って連続的に形成する工程を含む。このように構成すれば、複数の画素の光電変換部を近接させて配置することができるとともに、光電変換膜の形成面積(塗布面積)を大きく構成することができる。このため、画素サイズを小さくした場合でも、光電変換膜をより良好に(より精度よく)形成することができる。
上記第3の局面による光電変換デバイスの製造方法において、トランジスタ部を形成する工程は、行信号線および列信号線を有する信号線をトランジスタ部と電気的に接続された状態で基板上に形成する工程と、行信号線および列信号線の一方を、信号線、画素、画素、信号線の順に繰り返し配列する工程とを含み、光電変換部を形成する工程は、光電変換部を構成する光電変換膜を隣接する2画素に渡って連続的に形成する工程を含むように構成してもよい。
上記第3の局面による光電変換デバイスの製造方法において、好ましくは、トランジスタ部を形成する工程は、行信号線および列信号線を有する信号線をトランジスタ部と電気的に接続された状態で基板上に形成する工程と、行信号線および列信号線を、それぞれ、信号線、画素、画素、信号線の順に繰り返し配列する工程とを含み、光電変換部を形成する工程は、光電変換部を構成する光電変換膜を信号線によって囲まれた4画素に渡って連続的に形成する工程を含む。このように構成すれば、信号線によって囲まれた4画素の光電変換部を近接させて配置することができるとともに、信号線を跨がずに比較的広い領域(面積)に光電変換膜を形成することができる。このため、光電変換膜をより良好に(より精度よく)形成することができる。
上記第3の局面による光電変換デバイスの製造方法において、好ましくは、溶液の塗布が、溶液液滴を基板上に付着させる(塗布する)ことで行われる。このように構成すれば、真空プロセスが不要になるとともに、塗布とパターニングとを同時に行うことができるので、短時間で光電変換膜の形成を行うことができるとともに、材料資源の浪費をなくすことができる。これにより、光電変換デバイスの製造コストを容易に低減することができる。
上記第3の局面による光電変換デバイスの製造方法において、好ましくは、有機半導体材料が溶解された溶液を基板上に塗布する工程に先立って、光電変換膜の形成領域に対応する開口部を有する絶縁膜を基板上に形成する工程をさらに備える。このように構成すれば、有機半導体材料が溶解された溶液を絶縁膜の開口部の内側の領域に塗布することにより、所定領域に確実に光電変換膜を形成することができるとともに、その領域において光電変換膜の厚みを均一に近付けることができる。このため、光電変換膜をさらに領域に(さらに精度よく)形成することができる。これにより、所望のパターン形状を有する光電変換膜を容易に形成することができる。その結果、製造コストを低減しながら、画素サイズの縮小化を図ることが可能な光電変換デバイスを容易に製造することができる。
上記第3の局面による光電変換デバイスの製造方法において、好ましくは、有機半導体材料が溶解された溶液を基板上に塗布する工程に先立って、光電変換膜の形成領域に親液処理を施す工程をさらに備える。このように構成すれば、光電変換膜の形成領域を他の領域に比べて親液性の大きな領域とすることができる。そして、このような親液性の大きな領域に有機半導体材料が溶解された溶液を塗布すれば、塗布された溶液は親液性の大きな領域内で濡れ広がるとともに、その領域に留まるので、光電変換膜の形成領域に精度よく光電変換膜を形成することができ、かつ、その領域において光電変換膜の厚みを均一に近付けることができる。これにより、所望のパターン形状を有する光電変換膜を容易に形成することができる。その結果、製造コストを低減しながら、画素サイズの縮小化を図ることが可能な光電変換デバイスを容易に製造することができる。
以上のように、本発明によれば、製造コストを低減しながら、画素サイズの縮小化を図ることが可能であり、かつ、製造工程が複雑化するのを抑制することが可能な光電変換デバイスおよびその製造方法を容易に得ることができる。
また、本発明によれば、製造コストを低減しながら、解像度を向上させることが可能な放射線画像検出装置を容易に得ることができる。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による光電変換デバイスの構造を示した断面図である。図2は、本発明の第1実施形態による光電変換デバイスの一部を示した平面図である。図3は、本発明の第1実施形態による光電変換デバイスの一部を一部省略して示した平面図である。なお、図1は、図2の破線で囲まれた部分のA−A線に沿った断面を示している。まず、図1〜図3を参照して、本発明の第1実施形態による光電変換デバイス100の構造について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態による光電変換デバイスの構造を示した断面図である。図2は、本発明の第1実施形態による光電変換デバイスの一部を示した平面図である。図3は、本発明の第1実施形態による光電変換デバイスの一部を一部省略して示した平面図である。なお、図1は、図2の破線で囲まれた部分のA−A線に沿った断面を示している。まず、図1〜図3を参照して、本発明の第1実施形態による光電変換デバイス100の構造について説明する。
第1実施形態による光電変換デバイス100は、図1および図2に示すように、光透過性を有するガラス基板1上に、複数の画素が二次元マトリクス状に配列された構造を有している。これらの画素は、それぞれ、光を電荷(電気エネルギ)に変換する光電変換部10と、電荷による電気信号を読み出すためのスイッチング素子であるトランジスタ部20とを備えている。また、光電変換部10とトランジスタ部20とは、ガラス基板1上に並置されて形成されている。なお、ガラス基板1は、本発明の「基板」の一例である。
また、トランジスタ部20は、図1および図3に示すように、ボトムゲート型(ボトムコンタクト構造)の有機薄膜トランジスタ(有機TFT)20から構成されている。これらの有機TFT20は、ガラス基板1上に二次元アレイ(二次元マトリクス)状に配置されており、これによって、ガラス基板1上に有機TFTアレイが形成されている。また、有機TFT20は、ゲート電極層21、ソース電極層22、ドレイン電極層23、絶縁層24、および有機半導体層25を含んでいる。
また、ガラス基板1上の画素間には、図2および図3に示すように、ゲート線として機能する第1導電層26が行方向に延びるように形成されているとともに、データ線として機能する第2導電層27が列方向に延びるように形成されている。そして、同一の行に属する画素には、その行に対応する第1導電層26が電気的に接続されており、同一の列に属する画素には、その列に対応する第2導電層27が電気的に接続されている。
具体的には、ガラス基板1の上面上に、図3に示すように、第1導電層26、および第1導電層26と一体的に形成されたゲート電極層21が設けられている。この第1導電層26は、矢印X方向(行方向)に延びるように形成されている一方、ゲート電極層21は、所定の位置において、第1導電層26と直交する方向(矢印Y方向)に延びるように形成されている。なお、第1導電層26およびゲート電極層21は、それぞれ、複数設けられており、同一の行に属するゲート電極層21には、その行に対応する第1導電層26が電気的に接続(一体的に形成)されている。また、ガラス基板1の上面上には、図1に示すように、第1導電層26(図2、図3参照)およびゲート電極層21を覆うように全面に絶縁層24が形成されている。そして、ゲート電極層21上およびガラス基板1上の所定領域に、絶縁層24を介して、ソース電極層22およびドレイン電極層23が形成されている。
また、上記ガラス基板1の上面上には、図3に示すように、絶縁層24(図1参照)を介して第2導電層27が複数形成されている。これらの第2導電層27は、それぞれ、有機TFT20の近傍に第1導電層26と直交する方向(矢印Y方向:列方向)に延びるように形成されている。そして、同一の列に属する有機TFT20のソース電極層22には、その列に対応する第2導電層27が電気的に接続されている。なお、ゲート線として機能する第1導電層26は、本発明の「信号線」および「行信号線」の一例であり、データ線として機能する第2導電層27は、本発明の「信号線」および「列信号線」の一例である。
また、ゲート電極層21の上部には、図1に示すように、有機半導体層25がソース電極層22およびドレイン電極層23の一部を覆うように形成されている。なお、有機半導体層25には、たとえば、ペンタセンなどを構成材料として用いることができる。また、有機半導体層25の構成材料として、溶媒に溶解または分散可能な有機半導体材料を用いることもできる。たとえば、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)などのポリチオフェン類、チオフェンの6量体を基本に側鎖を有するオリゴチオフェンなどの芳香族オリゴマー類、ペンタセンに置換基を持たせ溶解性を高めたペンタセン類、ポリフルオレンとチオフェンとの共重合体(F8T2)、ポリチエニレンビニレンまたはフタロシアニンなどを構成材料として用いることができる。このように、有機半導体層25を溶媒に溶解または分散可能な有機半導体材料から構成した場合には、印刷プロセスを用いて容易に有機半導体層25(有機TFT20)を形成することが可能となる。
光電変換部10は、光電変換可能な有機半導体材料からなる光電変換膜11と、この光電変換膜11を上下に挟む2つの電極層(画素電極層12および共通電極層13)とを含んでいる。なお、光電変換膜11は、本発明の「有機半導体膜」の一例である。
画素電極層12は、ITO(Indium Tin Oxide)などの光透過性を有する導電性材料から構成されている。この画素電極層12は、画素毎に分離されているとともに、図2および図3に示すように、画素領域における有機TFT20が形成されている領域以外の所定領域に、所定の平面積(パターン)で形成されている。そして、各々の画素電極層12は、各画素において、有機TFT20のドレイン電極層23と電気的(直接的)に接続されている。
ここで、第1実施形態では、第2導電層27が、矢印X方向に、第2導電層27、画素、画素、第2導電層27の順に繰り返されて配列されている。このため、画素構造が、奇数列と偶数列とで対称となるように構成されている。そして、画素を構成する有機TFT20が第2導電層27側に配置されていることから、上記構成により、矢印X方向において、隣り合う画素電極層12同士が近接配置された状態となっている。この隣り合う画素電極層12同士が近接配置された2画素の幅W1(図2参照)は、約150μmであり、画素の矢印Y方向の長さL(図2参照)は、約100μmである。
また、第1実施形態では、図3に示すように、隣り合う画素電極層12同士が近接配置された2画素の略中央部に、光電変換膜11(図1および図2参照)が形成される領域である光電変換膜形成領域30が設けられている。この光電変換膜形成領域30は、近接配置された画素電極層12に跨るように約100μmの幅W2を有するとともに、列方向(矢印Y方向)に連続的に延びるように設けられている。このため、光電変換膜形成領域30は、画素の光電変換部10よりも大きい面積を有している。また、ガラス基板1の上面上には、図1に示すように、光電変換膜形成領域30を露出させる開口部が設けられたバンク35が形成されている。このバンク35は、約2μmの厚みを有するとともに、絶縁性を有する感光性有機高分子膜から構成されている。また、バンク35の上面には、撥液処理が施されている。なお、バンク35は、本発明の「絶縁膜」の一例である。また、第1実施形態による光電変換デバイス100では、バンク35は、JSR株式会社製の感光性有機高分子材料(商品名:PC403)を用いて形成されている。
また、第1実施形態では、バンク35の開口部によって囲まれた光電変換膜形成領域30に、約100nmの厚みで上記光電変換膜11が成膜されている。この光電変換膜11は、電子供与体と電子受容体とが混合されたバルクへテロ接合膜から構成されている。具体的には、光電変換膜11は、p型半導体ポリマーであるP3HT(poly(3−hexyl thiophene))とn型有機半導体分子であるPCBM(phenyl C61−butylic acid methyl ester)との混合溶液の液滴が光電変換膜形成領域30に吐出(塗布、付着)されることによって形成されている。
また、上記したバンク35の上面は、撥液処理によって上記混合溶液に対する撥液性が光電変換膜形成領域30に比べて高くなるように表面改質されている。具体的には、バンク35の上面に対する混合溶液の接触角が50°以上となるように構成されている。一方、光電変換膜形成領域30は、材質的に、混合溶液の接触角が20°以下となる親液性を有している。
そして、図2に示すように、ガラス基板1上に形成されたバンク35(ハッチング部分)によって、隣り合う画素電極層12同士が近接配置された2画素の略中央部に、近接配置された画素電極層12に跨るように約100μmの幅を有し、列方向(矢印Y方向)に連続的に延びるように光電変換膜11が形成(パターニング)されている。すなわち、上記光電変換膜11は、図1および図2に示すように、隣り合う画素の光電変換部10(画素電極層12)に渡って連続的に形成されている。
また、光電変換膜11の上面上には、約100nmの厚みを有するAl層からなる共通電極層13が所定の平面形状で形成されている。この共通電極層13は、各画素の光電変換部10にバイアスを印加する機能を有している。
上記のように構成された第1実施形態による光電変換デバイス100では、図1に示すように、ガラス基板1の裏面側から光が入射されると、入射された光は、ガラス基板1および画素電極層12を透過して光電変換膜11に受光される。そして、光電変換膜11中において、光励起により電子供与体から電子受容体に電子が移動し、これによって、受光量に応じた電荷(正孔および電子)が発生する。また、光電変換膜11には、共通電極層13によってバイアスが印加されている。このため、正孔は、印加されているバイアスにより電子供与体間を通り一方の電極(共通電極層13)に運ばれる。その一方、電子は、印加されているバイアスにより電子受容体間を通りもう一方の電極(画素電極層12)に運ばれる。
ここで、第1実施形態による光電変換デバイス100では、光電変換膜11は複数の画素の光電変換部10で共用されているものの、画素電極層12は画素毎に分離されているため、各画素の光電変換部10には、その画素に入射された光の強度に応じた光電流が流れる。そして、有機TFT20の駆動により、入射された光が画素毎に電気信号として第2導電層27から読み出される。これにより、画像が電気信号として読み取られる。
図4〜図11は、本発明の第1実施形態による光電変換デバイスの製造方法を説明するための図である。次に、図1〜図11を参照して、本発明の第1実施形態による光電変換デバイス100の製造方法について説明する。
まず、図3および図4に示すように、ガラス基板1の上面上に、有機TFTアレイを形成する。具体的には、ガラス基板1の上面上に、ゲート線として機能する第1導電層26(図3参照)、およびゲート電極層21を形成する。次に、第1導電層26およびゲート電極層21を覆うように、ガラス基板1上の全面に絶縁層24(図4参照)を形成する。次に、ゲート電極層21上およびガラス基板1上の所定領域に、絶縁層24を介してソース電極層22およびドレイン電極層23を形成する。そして、絶縁層24上の所定領域に、データ線として機能する第2導電層27(図3参照)を形成する。この際、第2導電層27は、ソース電極層22と電気的に接続されるように形成する。続いて、ゲート電極層21の上部に位置する領域に、ソース電極層22およびドレイン電極層23の一部を覆うように、有機半導体層25(図4参照)を形成する。これにより、ガラス基板1上に、ゲート電極層21、ソース電極層22、ドレイン電極層23、絶縁層24および有機半導体層25を含む有機TFT20が複数形成される。また、ガラス基板1上に、有機TFT20と電気的に接続され、信号線として機能する第1導電層26および第2導電層27が形成される。
ここで、第1実施形態では、第2導電層27は、ガラス基板1上に複数の画素が二次元マトリクス状に形成された際に、矢印X方向に、第2導電層27、画素、画素、第2導電層27の順に繰り返し配列されるように形成する。これにより、ガラス基板1上に複数の画素が二次元マトリクス状に形成された際に、有機TFT20および第2導電層27が、平面的に見て、奇数列の画素と偶数列の画素とで対称となるように構成される。
次に、絶縁層24上の画素領域となる領域内に、スパッタリングなどにより、ITOなどの光透過性を有する導電性材料からなる画素電極層12を形成する。この際、画素電極層12は、画素領域における有機TFT20が形成されている領域以外の所定領域に、有機TFT20のドレイン電極層23と電気的(直接的)に接続されるように形成する。また、画素電極層12は、画素毎に分離されるように形成する。さらに、画素電極層12は、奇数列の画素の画素電極層12と偶数列の画素電極層12とが近接するように形成する。
続いて、図5および図6に示すように、ガラス基板1の上面上に、上記光電変換膜形成領域30を露出させる開口部が設けられたバンク35(ハッチング部分)を形成する。具体的には、まず、有機TFTアレイおよび画素電極層12が形成されたガラス基板1上の全面に、スピンコート法を用いて、約2μmの厚みを有する感光性有機高分子膜を形成する。なお、感光性有機高分子膜の形成には、JSR株式会社製の感光性有機高分子材料(型番:PC403)を用いた。また、スピンコータの回転速度は1000rpmとした。
次に、90℃で2分間プリベークを行い、感光性有機高分子膜を固化する。そして、露光量200mJ/cm2でパターン露光を行った後、露光したガラス基板1に専用現像液を塗布する。そして、所定時間経過後に純水で専用現像液を洗い流し、現像を停止させ、水洗(リンス)を行う。これにより、感光性有機高分子膜の光電変換膜形成領域30に対応する部分が除去されて、感光性有機高分子膜に光電変換膜形成領域30を露出させる開口部が形成される。その後、ガラス基板1を220℃で約1分間加熱することによって、感光性有機高分子膜を本硬化させる。これにより、感光性有機高分子膜から構成され、光電変換膜形成領域30を露出させる開口部が設けられたバンク35がガラス基板1の上面上に形成される。
そして、導入ガスにフッ素またはフッ素化合物を含むガスを使用し、フッ素化合物および酸素を含む減圧雰囲気下または大気圧雰囲気下でプラズマ照射を行う減圧プラズマ処理や大気圧プラズマ処理によって、バンク35の表面(上面)に撥液処理を施す。なお、フッ素またはフッ素化合物を含むガスとしては、CF4、SF6、およびCHF3などが挙げられる。
次に、インクジェット法を用いて、画素電極層12上に光電変換膜11を形成する。具体的には、図7および図8に示すように、P3HTとPCBMとの混合溶液の液滴11aをノズル40(図7参照)からバンク35の開口部の内側の領域(光電変換膜形成領域30)に向けて吐出する。吐出された液滴11aは、バンク35の開口部の側壁まで広がるため、バンク35の開口部の内側に混合溶液が塗布(充填)される。なお、ノズル40から混合溶液を吐出させるには、混合溶液の粘度を数cP程度にすればよい。また、インクジェット法における混合溶液の吐出量は、後述する塗布後の加熱処理により体積が減少した際に、光電変換膜11が所望の厚みになるような量とする。さらに、光電変換膜11の厚みが所望の厚みとなるように、乾燥後の重ね合わせ処理を行ってもよい。
ここで、バンク35の表面(上面)には撥液処理が施されているため、混合溶液の液滴11aがバンク35上面に塗布された場合でも、塗布された液滴11aはバンク35の表面(上面)ではじかれて、開口部の内側の領域に流入する。このため、開口部の内側の領域(光電変換膜形成領域30)に確実に混合溶液を塗布(充填)することができる。また、光電変換膜形成領域30は、上記したように、画素の光電変換部10よりも大きい面積に形成されているため、画素の光電変換部10よりも大きな塗布面積となるような比較的大きな体積を有する液滴11aを吐出して、光電変換膜11を形成することができる。なお、上記インクジェット法としては、ピエゾジェット方式および熱による気泡発生により吐出する方式のいずれの方式であってもよいが、加熱によるインク(混合溶液)の変質がない点でピエゾジェット方式が好ましい。
続いて、開口部の内側の領域(光電変換膜形成領域30)に混合溶液が塗布されたガラス基板1を、窒素雰囲気下において、加熱温度100℃で約30分間アニール処理する。このアニール処理により、塗布された混合溶液の溶媒成分が除去されて、混合溶液の体積が減少する。これにより、図9および図10に示すように、約100nmの厚みを有するとともに、近接するように形成された画素電極層12に跨るように約100μmの幅を有し、かつ、列方向(矢印Y方向)に連続的に延びるように形成された光電変換膜11が得られる。また、光電変換膜形成領域30の表面は、材質的に、混合溶液に対して親液性を示すため、良好な密着性を有する光電変換膜11が得られる。
また、上記したP3HTとPCBMとの混合溶液は、以下のようにして作成することができる。すなわち、図11に示すように、クロロホルムからなる溶媒中にP3HTを1wt%添加し、超音波を5分間印加する。これにより、P3HTが溶媒中に溶解し、P3HTが溶解された溶液が得られる。同様に、クロロホルムからなる溶媒中にPCBMを1wt%添加し、超音波を5分間印加する。これにより、PCBMが溶媒中に溶解し、PCBMが溶解された溶液が得られる。そして、これらの溶液を混合比率1:1(重量比)で混合し、さらに、超音波を5分間印加することによって、P3HTが溶解された溶液とPCBMが溶解された溶液とを均一に混合する。なお、混合時に超音波を印加することによって、P3HTまたはPCBMが溶け残っていた場合でも、これらが溶媒中に溶解される。このようにして、P3HTとPCBMとの混合溶液が得られる。なお、第1実施形態では、P3HTは、メルク株式会社製のものを使用し、PCBMは、フロンティアカーボン株式会社製のものを使用した。
最後に、蒸着法を用いて、光電変換膜11の上面上に、図1および図2に示したようなAl層からなる共通電極層13を形成する。具体的には、まず、成膜レート0.05nm/sec、成膜時間2000secで、約100nmの厚みを有する共通電極層13を光電変換膜11上に所定のパターン形状となるように形成する。その後、N2雰囲気下において、加熱温度100℃で30分間アニール処理を行う。これにより、光電変換膜11上に共通電極層13が形成される。また、光電変換膜11と、この光電変換膜11を上下に挟む2つの電極層(画素電極層12、共通電極層13)とを含む光電変換部10が、トランジスタ部(有機TFT)20と並置するようにガラス基板1上に形成される。このようにして、図1に示した本発明の第1実施形態による裏面入射型の光電変換デバイス100が製造される。
第1実施形態では、上記のように、光電変換膜11を、インクジェット法を用いて形成することによって、光電変換膜11の形成に真空プロセスが不要であるとともに、塗布とパターニングとを同時に行うことができる。このため、短時間で光電変換膜11の形成を行うことができるとともに、材料資源の浪費をなくすことができる。これにより、容易に、製造コストを低減することができる。
また、第1実施形態では、ガラス基板1上に、隣り合う画素の光電変換部10(画素電極層12)に渡って連続的に光電変換膜形成領域30を設けるとともに、その光電変換膜形成領域30に、光電変換膜11を形成することによって、光電変換膜形成領域30は、画素の光電変換部10よりも大きい面積に形成されているので、画素の光電変換部10よりも大きな塗布面積となるような比較的大きな体積を有する液滴11aを吐出して、光電変換膜形成領域30に光電変換膜11を形成することができる。このため、画素サイズを小さくした場合でも、良好な光電変換膜11を形成することができる。これにより、容易に、画素サイズの縮小化を図ることができる。
また、上記した第1実施形態の構成では、有機TFT(トランジスタ部)20と光電変換部10とが、ガラス基板1上に並置されて形成されているので、絶縁膜を形成することなく、有機TFT20と光電変換部10とを分離することができるとともに、有機TFT20と光電変換部10とをコンタクトホールなどを介さずに、互いに電気的に接続することができる。このため、製造工程において、有機TFT20と光電変換部10とを分離する絶縁膜を形成する工程、および、絶縁膜にコンタクトホールなどを形成する工程を削減することができる。これにより、製造工程が複雑化するのを抑制することができる。
また、第1実施形態では、データ線として機能する第2導電層27を、第2導電層27、画素、画素、第2導電層27の順に繰り返して配列することによって、矢印X方向において、隣り合う画素電極層12同士を近接配置することができる。このため、容易に、光電変換膜11を隣り合う画素の光電変換部10(画素電極層12)に渡って連続的に形成することができる。
また、第1実施形態では、光電変換膜11を、列方向(矢印Y方向)に連続的に延びるように複数の画素の光電変換部10に渡って連続的に形成することによって、光電変換膜11の形成領域を大きく構成することができるので、画素サイズを小さくした場合でも、インクジェット法を用いて光電変換膜11をより良好に(より精度よく)形成することができる。
また、第1実施形態では、ガラス基板1の上面上に、光電変換膜形成領域30を露出させる開口部が設けられたバンク35を形成することによって、インクジェット法を用いて光電変換膜11を形成する際に、バンク35の開口部の内側の領域(光電変換膜形成領域30)に混合溶液の液滴11aを吐出することにより、光電変換膜形成領域30に確実に光電変換膜11を形成することができるとともに、その領域において光電変換膜11の厚みを均一に近付けることができる。このため、インクジェット法を用いて光電変換膜11をさらに良好に(さらに精度よく)形成することができる。これにより、所望のパターン形状を有する光電変換膜11を容易に得ることができる。その結果、製造コストを低減しながら、画素サイズの縮小化を図ることが可能な光電変換デバイス100を容易に得ることができる。
図12は、第1実施形態の第1変形例による光電変換デバイスの一部を示した平面図であり、図13および図14は、第1実施形態の第1変形例による光電変換デバイスの一部を一部省略して示した平面図である。次に、図1および図12〜図14を参照して、第1実施形態の第1変形例による光電変換デバイス150について説明する。
この第1実施形態の第1変形例による光電変換デバイス150では、上記した第1実施形態と異なり、光電変換膜151が隣接する2画素の光電変換部10(画素電極層12)に渡って連続的に形成されている。具体的には、図13に示すように、矢印X方向に隣接する2画素において、画素電極層12が近接配置されており、図12および図14に示すように、この近接配置された2つの画素電極層12上に連続的に光電変換膜151が形成されている。なお、第1実施形態の第1変形例では、光電変換部10は、光電変換膜11(図1参照)に代えて、光電変換膜151を含んでいる。
また、第1変形例では、図13に示すように、光電変換膜151を上記のようにパターニングするために、矢印X方向に近接配置された2つの画素電極層12(隣接する2画素の光電変換部10)上に光電変換膜形成領域152が設けられており、この光電変換膜形成領域152を露出させるように、ガラス基板1上に形成されたバンク35(図14参照)の開口部がパターニングされている。そして、バンク35の開口部の内側の領域(光電変換膜形成領域152)に、上記した光電変換膜151が形成されている。また、光電変換膜151は、上記第1実施形態と同様、p型半導体ポリマーであるP3HTとn型有機半導体分子であるPCBMとが混合されたバルクへテロ接合膜から構成されている。なお、光電変換膜151は、本発明の「有機半導体膜」の一例である。
第1変形例のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。また、第1変形例の効果は、上記第1実施形態と同様である。なお、第1変形例による光電変換デバイス150は、バンク35の開口部のパターンを変更することによって、上記第1実施形態の製造方法と同様の製造方法を用いて製造することができる。
図15は、第1実施形態の第2変形例による光電変換デバイスの一部を示した平面図であり、図16および図17は、第1実施形態の第2変形例による光電変換デバイスの一部を一部省略して示した平面図である。次に、図1および図15〜図17を参照して、第1実施形態の第2変形例による光電変換デバイス160について説明する。
この第1実施形態の第2変形例による光電変換デバイス160では、図15および図17に示すように、光電変換膜161が、列方向(矢印Y方向)に連結された構造を有している。なお、第1実施形態の第2変形例では、光電変換部10は、光電変換膜11(図1参照)に代えて、光電変換膜161を含んでいる。
また、第2変形例では、光電変換膜161を上記のようにパターニングするために、図16に示すような光電変換膜形成領域162が設けられており、この光電変換膜形成領域162を露出させるように、ガラス基板1上に形成されたバンク35の開口部がパターニングされている。そして、バンク35の開口部の内側の領域(光電変換膜形成領域162)に、上記した光電変換膜161が形成されている。なお、光電変換膜161は、本発明の「有機半導体膜」の一例である。
第2変形例のその他の構成は、上記第1実施形態および第1実施形態の第1変形例と同様である。また、第2変形例の効果は、上記第1実施形態および第1実施形態の第1変形例と同様である。なお、第2変形例による光電変換デバイス160は、上記第1変形例と同様、バンク35の開口部のパターンを変更することによって、上記第1実施形態の製造方法と同様の製造方法を用いて製造することができる。
(第2実施形態)
図18は、本発明の第2実施形態による光電変換デバイスの構造を示した断面図である。図19は、本発明の第2実施形態による光電変換デバイスの一部を示した平面図である。図20は、本発明の第2実施形態による光電変換デバイスの一部を一部省略して示した平面図である。なお、図18は、図19の破線で囲まれた部分のA−A線に沿った断面を示している。続いて、図1および図18〜図20を参照して、本発明の第2実施形態による光電変換デバイス200の構造について説明する。
図18は、本発明の第2実施形態による光電変換デバイスの構造を示した断面図である。図19は、本発明の第2実施形態による光電変換デバイスの一部を示した平面図である。図20は、本発明の第2実施形態による光電変換デバイスの一部を一部省略して示した平面図である。なお、図18は、図19の破線で囲まれた部分のA−A線に沿った断面を示している。続いて、図1および図18〜図20を参照して、本発明の第2実施形態による光電変換デバイス200の構造について説明する。
この第2実施形態による光電変換デバイス200では、図18および図20に示すように、上記第1実施形態の構成において、光電変換膜形成領域30が親液性の高い親液領域(図20の斜線部分)となるように構成されている。すなわち、光電変換膜211が形成される前の光電変換膜形成領域30の表面に親液処理を施すことによって、P3HTとPCBMとの混合溶液に対する光電変換膜形成領域30表面の親液性がさらに高くなるように構成されている。その一方、光電変換膜形成領域30以外の領域は、上記混合溶液に対する親液性が光電変換膜形成領域30よりも小さいことから、親液領域に対して撥液領域となっている。
そして、上記親液領域である光電変換膜形成領域30に、上記した混合溶液の液滴が吐出(塗布、付着)されることによって、図18に示すように、ガラス基板1の上面上に光電変換膜211が形成されている。この光電変換膜211は、図19に示すように、上記第1実施形態と同様の構成を有している。なお、光電変換膜211は、本発明の「有機半導体膜」の一例である。また、第2実施形態では、光電変換部10は、光電変換膜11(図1参照)に代えて、光電変換膜211を含んでいる。また、第2実施形態では、第1実施形態と異なり、ガラス基板1の上面上にバンク35(図1参照)が形成されない構成となっている。
第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
図21〜図24は、本発明の第2実施形態による光電変換デバイスの製造方法を説明するための図である。次に、図3、図4、図7、図8および図18〜図24を参照して、本発明の第2実施形態による光電変換デバイス200の製造方法について説明する。
まず、図3および図4に示した第1実施形態と同様の方法を用いて、ガラス基板1上に複数の有機TFT20が二次元マトリクス状に配置された有機TFTアレイを形成するとともに、画素毎に分離された複数の画素電極層12を形成する。
次に、光電変換膜形成領域30に親液処理を施す。具体的には、図21に示すように、光電変換膜形成領域30に対応する部分に開口部を有するメタルマスク220をガラス基板1の上面上に配置し、UVオゾン装置(図示せず)を用いて、UVオゾン装置の紫外線ランプ(図示せず)が生成するオゾンを照射する。これにより、メタルマスク220の開口部を介して、光電変換膜形成領域30にオゾンが照射されるので、光電変換膜形成領域30の表面が改質されて、光電変換膜形成領域30の親液性が高められる。なお、UVオゾン装置には、ウシオ電機株式会社製のUER20−172を用いた。また、光源には、波長172nm、222nmおよび308nmの3つの紫外線ランプを用いた。さらに、オゾン照射時間は30分間とした。
上記親液処理により、図22に示すように、光電変換膜形成領域30が親液領域となり、光電変換膜形成領域30以外の領域が撥液領域となる。
続いて、図7および図8に示した第1実施形態と同様の方法を用いて、ガラス基板1上の光電変換膜形成領域30に光電変換膜211を形成する。具体的には、図23に示すように、P3HTとPCBMとの混合溶液の液滴11aを光電変換膜形成領域30に向けて吐出する。吐出された液滴11aは、親液領域である光電変換膜形成領域30内で広がる一方、撥液領域に達すると広がりが抑止される。これにより、光電変換膜形成領域(親液領域)30に精度よく混合溶液が塗布される。その後、上記第1実施形態と同様のアニール処理を施すことによって、図24に示すように、光電変換膜形成領域(親液領域)30と同じ平面形状を有する光電変換膜211が得られる。
最後に、上記第1実施形態と同様の方法により、光電変換膜211の上面上に、図18および図19に示したようなAl層からなる共通電極層13を形成する。このようにして、図18に示した本発明の第2実施形態による裏面入射型の光電変換デバイス200が製造される。
第2実施形態では、上記のように、光電変換膜形成領域30に親液処理を施すことによって、光電変換膜形成領域30を他の領域に比べて親液性の大きな領域(親液領域)とすることができる。そして、親液領域である光電変換膜形成領域30にP3HTとPCBMとの混合溶液の液滴11aを塗布すれば、塗布された混合溶液は光電変換膜形成領域30内で濡れ広がるとともに、撥液領域との境界部分で濡れ広がりが抑止される。このため、光電変換膜形成領域30に精度よく光電変換膜211を形成することができるとともに、その領域において光電変換膜211の厚みを均一に近付けることができる。これにより、所望のパターン形状を有する光電変換膜211を容易に形成することができる。その結果、製造コストを低減しながら、画素サイズの縮小化を図ることが可能な光電変換デバイス200を容易に製造することができる。
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
図25は、第2実施形態の第1変形例による光電変換デバイスの一部を示した平面図であり、図26は、第2実施形態の第1変形例による光電変換デバイスの一部を一部省略して示した平面図である。次に、図1、図25および図26を参照して、第2実施形態の第1変形例による光電変換デバイス250について説明する。
この第2実施形態の第1変形例による光電変換デバイス250では、光電変換膜251が上記した第1実施形態の第1実施形態と同様の形状にパターニングされている。すなわち、第2実施形態の第1変形例では、光電変換膜251が隣接する2画素の光電変換部10(画素電極層12)に渡って連続的に形成されている。なお、光電変換膜251は、本発明の「有機半導体膜」の一例である。また、第2実施形態の第1変形例では、光電変換部10は、光電変換膜11(図1参照)に代えて、光電変換膜251を含んでいる。
また、第2実施形態の第1変形例では、光電変換膜251を上記のようにパターニングするために、図26に示すように、矢印X方向に近接配置された2つの画素電極層12(隣接する2画素の光電変換部10)上に光電変換膜形成領域252が設けられている。そして、この光電変換膜形成領域252に第2実施形態と同様の親液処理が施されており、親液処理が施された光電変換膜形成領域252に、図25に示すような光電変換膜251が形成されている。
なお、第2実施形態における第1変形例のその他の構成は、上記第2実施形態と同様である。また、第2実施形態における第1変形例の効果は、上記第2実施形態と同様である。
図27は、第2実施形態の第2変形例による光電変換デバイスの一部を示した平面図であり、図28は、第2実施形態の第2変形例による光電変換デバイスの一部を一部省略して示した平面図である。次に、図1、図27および図28を参照して、第2実施形態の第2変形例による光電変換デバイス260について説明する。
この第2実施形態の第2変形例による光電変換デバイス260では、上記第2実施形態の第1変形例の構成において、光電変換膜261が列方向(矢印Y方向)に連結された構造を有している。なお、光電変換膜261は、本発明の「有機半導体膜」の一例である。また、第2実施形態の第2変形例では、光電変換部10は、光電変換膜11(図1参照)に代えて、光電変換膜261を含んでいる。
また、第2実施形態の第2変形例では、光電変換膜261を上記のようにパターニングするために、図28に示すような光電変換膜形成領域262が設けられている。そして、この光電変換膜形成領域262に第2実施形態と同様の親液処理が施されており、親液処理が施された光電変換膜形成領域262に、光電変換膜261が形成されている。
なお、第2実施形態における第2変形例のその他の構成は、上記第2実施形態と同様である。また、第2実施形態における第2変形例の効果は、上記第2実施形態と同様である。
(第3実施形態)
図29は、本発明の第3実施形態による光電変換デバイスの構造を示した断面図である。図30は、本発明の第3実施形態による光電変換デバイスの一部を示した平面図である。図31は、本発明の第3実施形態による光電変換デバイスの一部を一部省略して示した平面図である。なお、図29は、図30の破線で囲まれた部分のA−A線に沿った断面を示している。次に、図1および図29〜図31を参照して、本発明の第3実施形態による光電変換デバイス300の構造について説明する。
図29は、本発明の第3実施形態による光電変換デバイスの構造を示した断面図である。図30は、本発明の第3実施形態による光電変換デバイスの一部を示した平面図である。図31は、本発明の第3実施形態による光電変換デバイスの一部を一部省略して示した平面図である。なお、図29は、図30の破線で囲まれた部分のA−A線に沿った断面を示している。次に、図1および図29〜図31を参照して、本発明の第3実施形態による光電変換デバイス300の構造について説明する。
この第3実施形態による光電変換デバイス300では、図29に示すように、ガラス基板1の上面上にスクリーン印刷法によって約500nmの厚みを有する光電変換膜311が形成されている。具体的には、図29に示すように、ガラス基板1上に、上記した第1および第2実施形態と同様の光電変換膜形成領域30が設けられており、図27および図28に示すように、その光電変換膜形成領域30(図31参照)に、スクリーン印刷法によってP3HTとPCBMとが混合されたバルクへテロ接合膜からなる光電変換膜311が形成されている。この光電変換膜311は、上記第1および第2実施形態と同様のパターン形状(平面形状)に形成されている。なお、光電変換膜311は、本発明の「有機半導体膜」の一例である。また、第3実施形態では、光電変換部10は、光電変換膜11(図1参照)に代えて、光電変換膜311を含んでいる。また、第3実施形態では、上記第2実施形態と同様、ガラス基板1の上面上にバンク35(図1参照)が形成されない構成となっている。
第3実施形態のその他の構成は、上記第1および第2実施形態と同様である。
図32は、本発明の第3実施形態による光電変換デバイスの製造方法を説明するための平面図である。次に、図3、図4および図29〜図32を参照して、本発明の第3実施形態による光電変換デバイス300の製造方法について説明する。
まず、図3および図4に示した第1実施形態と同様の方法を用いて、ガラス基板1上に複数の有機TFT20が二次元マトリクス状に配置された有機TFTアレイを形成するとともに、画素毎に分離された複数の画素電極層12を形成する。
次に、図32に示すように、光電変換膜形成領域30(図31参照)に、スクリーン印刷法を用いてP3HTとPCBMとの混合溶液を塗布する。そして、窒素雰囲気下において、加熱温度100℃で約30分間アニール処理を行う。これにより、光電変換膜形成領域30に約500nmの厚みを有するとともに、上記第1および第2実施形態と同様のパターン形状(平面形状)を有する光電変換膜311が形成される。
なお、第3実施形態では、線径φ15μmでメッシュ数500のスクリーン版(図示せず)を用いるとともに、乳剤厚を10μmとし、かつ、カレンダーブラスト処理有りの条件でスクリーン印刷を行った。さらに、印刷クリアランス(スクリーン版とガラス基板1との間の間隔)を1.5mmとし、印刷スピードを100mm/secとした。
続いて、上記第1実施形態と同様の方法により、光電変換膜311の上面上に、図29および図30に示したようなAl層からなる共通電極層13を形成する。このようにして、図29に示した本発明の第3実施形態による光電変換デバイス300が製造される。
第3実施形態では、上記のように、光電変換膜311を、スクリーン印刷法を用いて形成することによって、容易に光電変換膜311を形成することができるので、容易に、光電変換デバイス300の製造コストを低減することができる。
なお、第3実施形態のその効果は、上記第1および第2実施形態と同様である。
(第4実施形態)
図33は、本発明の第4実施形態による光電変換デバイスの構造を示した断面図である。次に、図1および図33を参照して、本発明の第4実施形態による光電変換デバイス400の構造について説明する。
図33は、本発明の第4実施形態による光電変換デバイスの構造を示した断面図である。次に、図1および図33を参照して、本発明の第4実施形態による光電変換デバイス400の構造について説明する。
この第4実施形態による光電変換デバイス400では、上記第1〜第3実施形態と異なり、光電変換膜411が、n型無機半導体膜とp型有機半導体膜とが積層されたpn接合膜から構成されている。具体的には、第4実施形態では、光電変換膜411が、ガラス基板1の上面上に形成され、約50nmの厚みを有するZnO層411aと、ZnO層411a上に形成され、約100nmの厚みを有するP3HT層411bとから構成されている。なお、第4実施形態では、光電変換部10は、光電変換膜11(図1参照)に代えて、光電変換膜411を含んでいる。
第4実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
図34〜図39は、本発明の第4実施形態による光電変換デバイスの製造方法を説明するための図である。次に、図3〜図6、図11および図33〜図39を参照して、本発明の第4実施形態による光電変換デバイス400の製造方法について説明する。
まず、図3および図4に示した第1実施形態と同様の方法を用いて、ガラス基板1上に複数の有機TFT20が二次元マトリクス状に配置された有機TFTアレイを形成するとともに、画素毎に分離された複数の画素電極層12を形成する。
次に、n型半導体であるZnOをガラス基板1上の全面に約50nmの厚みで成膜する。なお、第4実施形態では、ZnOの成膜は、rf(13.56MHz)マグネトロンスパッタ装置を用いて、成膜速度10nm/min、rfパワー密度2.3W/cm2の条件で行った。また、使用ガスには、ArとO2との混合ガスを用い、基板温度は250℃とした。さらに、ターゲットには、4インチ径ZnO(純度−5N)を用い、ターゲット−基板間距離を88mmとした。
続いて、プラズマCVD法(平行平板型)を用いて、成膜されたZnO上の全面に約50nmの厚みを有するSiNx層(図示せず)を形成する。なお、プラズマCVD法によるSiNx層の形成には、SiH4/NH3/N2混合ガスを使用し、処理温度250℃で行った。その後、光電変換膜形成領域30に対応する領域以外の領域をエッチングにより除去する。そして、残ったSiNx層をマスクとしてZnOをエッチングにより除去する。これにより、図34に示すようなZnO層411aがガラス基板1上に形成される。
次に、図5および図6に示した第1実施形態と同様の方法を用いて、図35および図36に示すように、ガラス基板1の上面上に、ZnO層411aの表面を露出させる開口部が設けられたバンク35を形成する。次に、インクジェット法を用いて、ZnO層411a上に約100nmの厚みを有するP3HT層411bを形成する。具体的には、図37に示すように、PCBMが溶解された溶液の液滴420をZnO層411aに向けて吐出する。そして、上記第1実施形態と同様のアニール処理を施す。これにより、図33および図38に示すように、ZnO層411a上にP3HT層411bが形成され、ガラス基板1上に、pn接合膜からなる光電変換膜411が形成される。なお、P3HTが溶解された溶液は、図11で示した第1実施形態と同様の方法により作成した。すなわち、クロロホルムからなる溶媒中にPCBMを1wt%添加し、超音波を5分間印加することによってP3HTが溶解された溶液を作成した。
最後に、上記第1実施形態と同様の方法により、光電変換膜411の上面上に、図39に示すようなAl層からなる共通電極層13を形成する。このようにして、図33に示した本発明の第4実施形態による裏面入射型の光電変換デバイス400が製造される。
第4実施形態では、上記のように、光電変換膜411を、ZnO層411aとP3HT層411bとが積層されたpn接合膜から構成することによって、光電変換膜411の一部が有機半導体膜から構成されるので、光電変換膜を無機半導体膜のみからなるpn接合膜から構成する場合に比べて、光電変換膜を容易に形成することができる。
第4実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第5実施形態)
図40は、本発明の第5実施形態による光電変換デバイスの一部を示した平面図である。図41は、図40の破線で囲まれた部分のA−A線に沿った断面図である。図42は、本発明の第5実施形態による光電変換デバイスの一部を一部省略して示した平面図である。次に、図1および図40〜図42を参照して、本発明の第5実施形態による光電変換デバイス500の構造について説明する。
図40は、本発明の第5実施形態による光電変換デバイスの一部を示した平面図である。図41は、図40の破線で囲まれた部分のA−A線に沿った断面図である。図42は、本発明の第5実施形態による光電変換デバイスの一部を一部省略して示した平面図である。次に、図1および図40〜図42を参照して、本発明の第5実施形態による光電変換デバイス500の構造について説明する。
この第5実施形態による光電変換デバイス500では、図42に示すように、データ線として機能する第2導電層27が、矢印X方向に、第2導電層27、画素、画素、第2導電層27の順に繰り返されて配列されているとともに、ゲート線として機能する第1導電層26が、矢印Y方向に、第1導電層26、画素、画素、第1導電層26の順に繰り返されて配列されている。このため、平面的に見て、画素構造が、奇数列と偶数列とで対称となるように構成されているとともに、奇数行と偶数行とでも対称となるように構成されている。また、上記構成により、平面的に見て、第1導電層26および第2導電層27によって、4つの画素が囲まれた状態となっている。そして、第1導電層26および第2導電層27に囲まれた4画素において、各画素の画素電極層12が互いに近接するように配置されている。
また、第1導電層26および第2導電層27によって囲まれた領域には、4つの画素の各々の画素電極層12に跨るように、平面的に見て、四角形状を有する光電変換膜形成領域530が設けられている。
また、ガラス基板1の上面上には、図40および図41に示すように、光電変換膜形成領域530を露出させる開口部が設けられたバンク535が形成されている。このバンク535は、上記第1実施形態と同様、約2μmの厚みを有するとともに、絶縁性を有する感光性有機高分子膜から構成されている。また、バンク535の上面には、上記第1実施形態と同様、撥液処理が施されている。なお、バンク535は、本発明の「絶縁膜」の一例である。
また、バンク535の開口部によって囲まれた光電変換膜形成領域530には、約100nmの厚みを有する光電変換膜511が形成されている。この光電変換膜511は、光電変換膜形成領域530に形成されることによって、第1導電層26および第2導電層27によって囲まれた4画素の画素電極層12上に連続的に形成された状態となっている。すなわち、第5実施形態では、光電変換膜511が、第1導電層26および第2導電層27によって囲まれた4画素の光電変換部10に渡って連続的に形成されている。
なお、上記光電変換膜511は、第1および第2実施形態と同様、電子供与体と電子受容体とが混合されたバルクへテロ接合膜から構成されている。すなわち、光電変換膜511は、p型半導体ポリマーであるP3HTとn型有機半導体分子であるPCBMとの混合溶液の液滴が光電変換膜形成領域530に吐出(塗布、付着)されることによって形成されている。なお、光電変換膜511は、本発明の「有効半導体膜」の一例である。
また、光電変換膜511の上面上には、約100nmの厚みを有するAl層からなる共通電極層513が所定の平面形状で形成されている。なお、第5実施形態では、光電変換部10は、光電変換膜11(図1参照)および共通電極層13(図1参照)に代えて、それぞれ、光電変換膜511および共通電極層513を含んでいる。
第5実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
図43〜図45は、本発明の第5実施形態による光電変換デバイスの製造方法を説明するための平面図である。次に、図3〜図6、図11および図40〜図45を参照して、本発明の第5実施形態による光電変換デバイス500の製造方法について説明する。
まず、図3および図4に示した第1実施形態と同様の方法を用いて、ガラス基板1上に複数の有機TFT20が二次元マトリクス状に配置された有機TFTアレイを形成するとともに、画素毎に分離された複数の画素電極層12を形成する。この際、図42に示したように、ガラス基板1上に複数の画素が二次元マトリクス状に形成されたときに、第2導電層27を、矢印X方向に、第2導電層27、画素、画素、第2導電層27の順に繰り返し配列されるように形成するとともに、第1導電層26を、矢印Y方向に、第1導電層26、画素、画素、第1導電層26の順に繰り返し配列されるように形成する。また、画素電極層12は、第1導電層26および第2導電層27によって囲まれた4画素において、互いに近接配置されるように形成する。
次に、図5および図6に示した第1実施形態と同様の方法を用いて、図43に示すように、ガラス基板1の上面上に、光電変換膜形成領域530を露出させる開口部が設けられたバンク535を形成する。そして、図7および図8に示した第1実施形態と同様の方法を用いて、バンク535の開口部の内側の領域(光電変換膜形成領域530)に、約100nmの厚みを有する光電変換膜511を形成する。具体的には、図44に示すように、インクジェット法により、P3HTとPCBMとの混合溶液の液滴11aを光電変換膜形成領域530に吐出することによって、光電変換膜形成領域530に上記混合溶液を塗布する。なお、P3HTとPCBMとの混合溶液は、図11に示した第1実施形態と同様の方法を用いて作成することができる。この状態で、上記第1実施形態と同様のアニール処理を施すことによって、図45に示すように、上記光電変換膜511が得られる。
その後、上記第1実施形態と同様の方法により、光電変換膜511の上面上に、図40および図41に示すようなAl層からなる共通電極層513を形成する。このようにして、図40および図41に示した本発明の第5実施形態による裏面入射型の光電変換デバイス500が製造される。
第5実施形態では、上記のように、第2導電層27を、第2導電層27、画素、画素、第2導電層27の順に繰り返し配列するとともに、第1導電層26を、第1導電層26、画素、画素、第1導電層26の順に繰り返し配列し、光電変換膜511を、第1導電層26および第2導電層27によって囲まれた4画素の画素電極層12に渡って連続的に形成することにより、第1導電層26または第2導電層27を跨がずに比較的広い領域(面積)に光電変換膜511を形成することができる。このため、インクジェット法(印刷プロセス)を用いて光電変換膜511をより良好(より精度よく)に形成することができる。
なお、第5実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第6実施形態)
図46は、本発明の第6実施形態による放射線画像検出装置の構造を示した斜視図である。図47は、本発明の第6実施形態による放射線画像検出装置の撮像パネルの一部を示した断面図である。図48は、本発明の第6実施形態による放射線画像検出装置の回路構成を示した図である。次に、図46〜図48を参照して、この第6実施形態では、本発明が適用された撮像パネル1100を備えた放射線画像検出装置1000の一例について説明する。
図46は、本発明の第6実施形態による放射線画像検出装置の構造を示した斜視図である。図47は、本発明の第6実施形態による放射線画像検出装置の撮像パネルの一部を示した断面図である。図48は、本発明の第6実施形態による放射線画像検出装置の回路構成を示した図である。次に、図46〜図48を参照して、この第6実施形態では、本発明が適用された撮像パネル1100を備えた放射線画像検出装置1000の一例について説明する。
第6実施形態による放射線画像検出装置1000は、図46に示すように、撮像パネル1100と、放射線画像検出装置1000の動作を制御する制御回路1300と、書き換え可能な読み出し専用メモリ(たとえば、フラッシュメモリ)などを用いて撮像パネル1100から出力された画像信号を記録するメモリ部1400と、放射線画像検出装置1000の動作を切り替えるための操作部1500と、放射線画像の撮影準備の完了やメモリ部1400に所定量の画像信号が書き込まれたことを表示する表示部1600と、撮像パネル1100を駆動して画像信号を得るために必要とされる電力を供給する電源部1700と、放射線画像検出装置1000と外部機器との間で通信を行うための通信用コネクタ1800と、これらを収納する筐体1900とを備えている。
撮像パネル1100は、図46および図47に示すように、入射された放射線を波長が300nm〜800nmの電磁波、すなわち、可視光線を中心に紫外光から赤外光にわたる電磁波(光)に変換するシンチレータ層1110と、シンチレータ層1110によって変換された光を電気エネルギに変換して蓄積する光電変換デバイス1200と、蓄積された電気エネルギを読み出す走査駆動回路1120と、蓄積された電気エネルギを画像信号として出力する信号選択回路1130とを含んでいる。なお、第6実施形態では、光電変換デバイス1200は上面入射型に構成されている。
また、光電変換デバイス1200は、ガラス基板1上に、複数の画素が二次元マトリクス状に配列された構造を有している。具体的には、図47に示すように、ガラス基板1上に、スイッチング素子として機能する有機TFT20と、光電変換部10とが並置されて形成されている。この光電変換部10は、上記第1〜第5実施形態と同様、画素電極層1212と、光電変換膜1211と、共通電極層1213とを含んでいる。また、第6実施形態では、画素電極層1212と光電変換膜1211との間には、たとえば、PEDOT・PSS(poly(3,4−ethylenedioxythiphene)・polystyrene sulphonic acid)やポリアニリンなどからなるホールブロック層1214が設けられており、光電変換膜1211と共通電極層1213との間には、たとえば、BCP、Alq3、BAlq、C60、LiF、TiOxなどからなる電子ブロック層1215が設けられている。なお、光電変換膜1211は、本発明の「有機半導体膜」の一例である。
また、画素電極層1212は、画素毎に分離されているとともに、隣り合う画素電極層1212同士が近接して配置されている。一方、光電変換部10の下層側には、電気エネルギを蓄積するためのコンデンサ1216が画素毎に設けられており、上記画素電極層1212は、コンデンサ1216の一方の電極として機能する収集電極層1216aを介して、有機TFT20のドレイン電極層23と電気的に接続されている。なお、画素電極層1212は、クロムなどから構成されている。
画素電極層1212上には、ホールブロック層1214が形成されており、このホールブロック層1214上には、光電変換膜1211が形成されている。この光電変換膜1211は、上記第1実施形態と同様、p型半導体ポリマーであるP3HTとn型有機半導体分子であるPCBMとが混合されたバルクへテロ接合膜から構成されている。すなわち、光電変換膜1211は、P3HTとPCBMとの混合溶液の液滴を、インクジェット法を用いて吐出(塗布、付着)することによって形成されている。また、光電変換膜1211は、上記第1〜第5実施形態と同様、隣接する画素の光電変換部10に渡って連続的に形成されている。さらに、ガラス基板1上の所定領域には、光電変換膜1211をパターニングするためのバンク35が形成されている。
また、光電変換膜1211の上面上には、電子ブロック層1215が形成されており、この電子ブロック層1215上には、ITOなどの透明導電材料からなる共通電極層1213が形成されている。なお、上記したホールブロック層1214は、画素電極層1212へのキャリア(電子)受け渡し効率を向上させる機能を有しており、電子ブロック層1215は、共通電極層1213へのキャリア(正孔)受け渡し効率を向上させる機能を有している。
また、共通電極層1213上およびバンク35の上面上には、ガラス基板1の上面全面を覆うように、絶縁性の隔膜1217が形成されている。そして、この隔膜1217上に、上記したシンチレータ層1110が設けられている。このシンチレータ層1110は、蛍光体を主たる成分とするものであり、入射した放射線に基づいて、波長が300nm〜800nmの電磁波、すなわち、可視光線を中心に紫外光から赤外光にわたる電磁波(光)を出力する機能を有している。具体的には、シンチレータ層1110は、セシウムアイオダイド(CsI:Tl)やガドリニウムオキシサルファイド(Gd2O2S:Tb)などから構成されている。セシウムアイオダイドやガドリニウムオキシサルファイドは、X線吸収および発光効率が高いため、ノイズの低い高画質の画像を得ることができる。また、セシウムアイオダイドについては、柱状結晶構造のシンチレータ層1110を形成することが可能である。この場合、柱状結晶では光ガイド効果、すなわち、結晶内での発光が柱状結晶の側面より外に放射されてしまうことを少なくできる効果が得られる。このため、鮮鋭性の低下を抑制することが可能であり、蛍光体層膜厚を厚くすることによりX線吸収が増加し粒状性を向上できる。
一方、撮像パネル1100(光電変換デバイス1200)の画素間には、図48に示すように、走査線1220−1〜1220−mと信号線1230−1〜1230−nとが直交するように配設されている。この走査線1220−1〜1220−mには、有機TFT20のゲート電極層21(図47参照)が電気的に接続されており、信号線1230−1〜1230−nには、有機TFT20のソース電極層23(図47参照)が電気的に接続されている。なお、走査線1220−1〜1220−mは、本発明の「行信号線」の一例であり、信号線1230−1〜1230−nは、本発明の「列信号線」の一例である。
また、撮像パネル1100(光電変換デバイス1200)には、信号線1230−1〜1230−nに、たとえばドレイン電極が接続された初期化用のTFT1240−1〜1240−nが設けられている。このTFT1240−1〜1240−nのソース電極は接地されている。また、TFT1240−1〜1240−nのゲート電極はリセット線1241と接続されている。
走査線1220−1〜1220−mおよびリセット線1241は、走査駆動回路1120に接続されている。走査駆動回路1120から走査線1220−1〜1220−mのうちの1つの走査線1220−p(pは1〜mのいずれかの値)に読出信号RSが供給されると、この走査線1220−pに接続された有機TFT20がオン状態にされて、コンデンサ1216−(p,1)〜1216−(p,n)に蓄積された電気エネルギが信号線1230−1〜1230−nにそれぞれ読み出される。信号線1230−1〜1230−nは、それぞれ、信号選択回路1130の信号変換器1131−1〜1131−nに接続されており、信号変換器1131−1〜1131−nにおいて、信号線1230−1〜1230−n上に読み出された電気エネルギ量に比例する電圧信号SV−1〜SV−nが生成される。この信号変換器1131−1〜1131−nから出力された電圧信号SV−1〜SV−nはレジスタ1132に供給される。
レジスタ1132では、供給された電圧信号が順次選択されて、A/D変換器1133で(たとえば、12ビットないし14ビットの)1つの走査線に対するデジタルの画像信号とされる。また、制御回路1300は、走査線1220−1〜1220−mの各々に、上記した走査駆動回路1120を介して読出信号RSを供給し、画像走査を行うとともに、走査線1220−1〜1220−m毎のデジタル画像信号を取り込んで、放射線画像の画像信号の生成を行う。この画像信号は制御回路1300に供給される。
なお、走査駆動回路1120からリセット信号RTをリセット線1241に供給してTFT1240−1〜1240−nをオン状態にするとともに、走査線1220−1〜1220−mに読出信号RSを供給して有機TFT20をオン状態とすると、コンデンサ1216−(1,1)〜1216−(m,n)に蓄積された電気エネルギが有機TFT20を介して放出され、撮像パネル1100の初期化を行うことができる。
制御回路1300には、メモリ部1400、操作部1500、表示部1600および通信用コネクタ1800などが接続されており、操作部1500からの操作信号PSに基づいて放射線画像検出装置1000の動作が制御される。また、操作部1500には複数のスイッチが設けられており、操作部1500からのスイッチ操作に応じた操作信号PSに基づき、撮像パネル1100の初期化や放射線画像の画像信号の生成が行われる。
また、電源部1700は、マンガン電池、ニッケル・カドミウム電池、水銀電池、鉛電池などの一次電池、充電可能な二次電池などからなり、図46に示すように、撮像パネル1100の裏面側に配置されている。また、電源部1700は、放射線画像検出装置1000を薄型化するために、平板状に形成されている。
また、筐体1900は、外部からの衝撃に耐え、かつ重量ができるだけ軽い素材であるアルミニウムまたはその合金から構成されている。筐体1900の放射線入射面側は、放射線を透過し易い非金属(たとえば、カーボン繊維など)を用いて構成されている。また、放射線入射面とは反対側である背面側においては、放射線が放射線画像検出装置1000を透過してしまうのを抑制するために、または、放射線画像検出装置1000を構成する素材が放射線を吸収することで生じる2次放射線からの影響を防ぐために、放射線を効果的に吸収する材料(たとえば、鉛板など)から構成されている。
第6実施形態では、上記のように、光電変換デバイス1200の光電変換膜1211を、隣接する画素の光電変換部10に渡って連続的に形成することによって、容易に、製造コストを低減しながら、解像度を向上させることが可能な放射線画像検出装置1000を得ることができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記第1〜第6実施形態では、基板にガラス基板を用いた例を示したが、本発明はこれに限らず、ガラス基板以外のプラスチックフィルムなどを基板として用いてもよい。プラスチックフィルムとしては、たとえば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ボリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、およびセルロースアセテートプロピオネート(CAP)などからなるフィルムが挙げられる。また、これらのプラスチックフィルムには、トリオクチルホスフェートやジブチルフタレートなどの可塑剤を添加してもよく、ベンゾトリアゾール系やベンゾフェノン系などの紫外線吸収剤を添加してもよい。また、テトラエトキシシランなどの無機高分子の原料を添加し、化学触媒や熱、光などのエネルギを付与することにより高分子量化する、いわゆる有機−無機ポリマーハイブリッド法を適用して作製した樹脂を原料として用いることもできる。
また、上記第1〜第6実施形態では、トランジスタ部を、ボトムコンタクト構造を有する有機TFTから構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、ボトムコンタクト構造以外のトップコンタクト構造を有する有機TFTからトランジスタ部を構成してもよい。また、有機TFT以外のたとえば無機TFTからトランジスタ部を構成してもよい。
また、上記第1〜第6実施形態では、P3HTとPCBMとが混合された混合溶液またはP3HTが溶解された溶液を用いて光電変換膜を構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、溶媒に溶解または分散可能な有機半導体(有機化合物)材料であれば、上記した材料以外のものを用いて光電変換膜を構成してもよい。たとえば導電性高分子材料(π共役系高分子材料やシリコン系高分子材料など)を用いて光電変換膜を構成してもよい。導電性高分子材料としては、たとえば、ポリ(2−メトキシ、5−(2’エチルヘキシロキシ)−p−フェニレンビニレン)そしてポリ(3−アルキルチオフェン)などが挙げられる。また「有機EL材料とディスプレイ(2001年2月28日株式会社シー・エム・シー発行)」の第190頁〜第203頁に記載されている化合物や、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第81頁〜第99頁に記載されている化合物などが挙げられる。また、図50に示すような基本骨格を有する導電性高分子化合物や、図51〜図54に示すようなπ共役系高分子化合物、さらに、図55および図56に示すようなπ共役系以外の導電性化合物を用いて光電変換膜を形成することもできる。なお、光電変換可能な有機化合物として好ましいものは導電性高分子化合物であり、より好ましいものはπ共役系高分子化合物である。また、溶媒に溶解または分散可能であれば、高分子材料以外の低分子系材料を用いることもできる。
また、上記第1〜第6実施形態において、共通電極層は、塗布型電極材料を用いてインクジェット法やディスペンサーなどで塗布することによって形成してもよい。塗布型電極材料としては、たとえば、PEDOT/PSSなどが挙げられる。
また、上記第1〜第5実施形態では、光電変換デバイスを裏面入射型に構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、光電変換デバイスを上面入射型に構成してもよい。この場合、共通電極層は透明であることが必要となるので、共通電極層をITOやZnOなどの透明電極材料を用いて形成すればよい。また、上面入射型に構成することによって、上記第1〜第5実施形態の構成を有する光電変換デバイスを、第6実施形態による放射線画像検出装置の撮像パネルに用いることができる。
なお、上記第1〜第6実施形態において、分光感度の異なる光電変換膜を備えることによって、カラー画像が得られるように構成することもできる。
また、上記第1〜第5実施形態において、必要に応じて、上記第6実施形態に示したようなブロック層を形成してもよい。具体的には、たとえば、画素電極層と光電変換膜との間にPEDOT・PSSやポリアニリンなどからなるホールブロック層を設けるとともに、光電変換膜と共通電極層との間にBCP、Alq3、BAlq、C60、LiF、TiOxなどからなる電子ブロック層を設けてもよい。また、光電変換膜と各電極(画素電極層、共通電極層)との間に、ブロック層以外の機能層が付加されていてもよい。
なお、上記第1〜第4実施形態において、光電変換膜を列方向に沿って連続的に延びるように設ける際に、光電変換膜を列全体に渡って連続的に形成してもよいし、列の一部で分離さるように光電変換膜を形成してもよい。
また、上記第1、第5および第6実施形態では、JSR株式会社製の感光性有機高分子材料(型番:PC403)を用いてバンクを形成した例を示したが、本発明はこれに限らず、たとえば、東レ株式会社製のポリイミド系樹脂(DL−1000)や日本ゼオン株式会社製のノボラッグ系樹脂(WIX−2)などの感光性有機材料を用いてバンクを形成してもよい。また、上記以外の絶縁材料を用いてバンクを形成してもよい。
また、上記第1、第2、第4、第5および第6実施形態では、有機半導体材料が溶解された液滴を塗布する方法として、インクジェット法を用いたが、本発明はこれに限らず、インクジェット法以外の方法を用いて、有機半導体材料が溶解(または分散)された液滴を塗布してもよい。たとえば、ディスペンサーで有機半導体材料が溶解(または分散)された液滴を塗布してもよい。
また、上記第1実施形態では、バンクの表面に撥液処理を施した例を示したが、本発明はこれに限らず、上記処理に加えて、バンクの開口部の内側の領域(光電変換膜形成領域)に親液処理を施してもよい。
また、上記第4実施形態では、n型無機半導体膜をZnOから構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、ZnO以外の材料を用いてn型無機半導体膜を構成してもよい。
また、上記第4実施形態では、光電変換膜を無機半導体膜と有機半導体膜とが積層されたpn接合膜から構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、光電変換膜をn型の有機半導体膜とp型の有機半導体膜とが積層されたpn接合膜から構成してもよい。具体的には、たとえば、図49に示すように、光電変換膜形成領域30に、ガラス基板1側から順にn型有機半導体膜611aおよびp型有機半導体膜611bが積層された光電変換膜611を形成してもよい。このとき、n型有機半導体膜611aとp型有機半導体膜611bとを交互に複数層積層してもよい。
また、上記第5実施形態では、上記第1実施形態と同様、ガラス基板上にバンクを形成した例を示したが、本発明はこれに限らず、上記第2または第3実施形態のように、ガラス基板上にバンクが形成されていない構成にすることもできる。
また、上記第6実施形態では、本発明の光電変換デバイスを放射線画像検出装置に用いた例を示したが、本発明はこれに限らず、上記放射線画像検出装置以外のたとえば密着型画像読取装置(スキャナー)などにも本発明の光電変換デバイスを用いることができる。
また、上記第6実施形態では、画素電極層と光電変換膜との間に、ホールブロック層を設けるとともに、光電変換膜と共通電極層との間に、電子ブロック層を設けた例を示したが、本発明はこれに限らず、ホールブロック層および電子ブロック層を設けない構成にしてもよい。
また、上記第6実施形態では、撮像パネル(光電変換デバイス)の光電変換部10の下層側に、電気エネルギを蓄積するためのコンデンサを設けた例を示したが、本発明はこれに限らず、上記コンデンサを設けない構成にすることもできる。
なお、上記第6実施形態では、シンチレータ層をセシウムアイオダイドやガドリニウムオキシサルファイドなどから構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、上記以外の蛍光体を主たる成分として構成することができる。セシウムアイオダイドやガドリニウムオキシサルファイド以外の蛍光体としては、CaWO4、CaWO4:Pb、MgWOなどのタングステン酸塩系蛍光体、Y2O2S:Tb、Gd2O2S:Tb、La2O2S:Tb、(Y,Gd)2O2S:Tb、(Y,Gd)2O2S:Tb,Tmなどのテルビウム賦活希土類酸硫化物系蛍光体、YPO4:Tb、GdPO4:Tb、LaPO4:Tbなどのテルビウム賦活希土類燐酸塩系蛍光体、LaOBr:Tb、LaOBr:Tb,Tm、LaOCl:Tb、LaOCl:Tb,Tm、GdOBr:Tb、GdOBr:Tb,Tm、GdOCl:Tb、GdOCl:Tb,Tmなどのテルビウム賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体、LaOBr:Tm、LaOCl:Tmなどのツリウム賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体、LaOBr:Gd、LuOCl:Gdなどのガドリニウム賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体、GdOBr:Ce、GdOCl:Ce、(Gd,Y)OBr:Ce、(Gd,Y)OCl:Ceなどのセリウム賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体、BaSO4:Pb、BaSO4:Eu2+、(Ba,Sr)SO4:Eu2+などの硫酸バリウム系蛍光体、Ba3(PO4)2:Eu2+、(Ba2PO4)2:Eu2+、Sr3(PO4)2:Eu2+、(Sr2PO4)2:Eu2+などの2価のユーロピウム賦活アルカリ土類金属燐酸塩系蛍光体、BaFCl:Eu2+、BaFBr:Eu2+、BaFCl:Eu2+,Tb、BaFCl:Eu2+,Tb、BaF2・BaCl2・KCl:Eu2+、(Ba,Mg)F2・BaCl2・KCl:Eu2+などの2価のユーロピウム賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体、CsI:Na、CsI:Tl、NaI、KI:Tlなどの沃化物系蛍光体、ZnS:Ag、(Zn,Cd)S:Ag、(Zn,Cd)S:Cu、(Zn,Cd)S:Cu,Agなどの硫化物系蛍光体、HfP2O7、HfP2O7:Cu、Hf3(PO4)4などの燐酸ハフニウム系蛍光体、YTaO4、YTaO4:Tm、YTaO4:Nb、(Y,Sr)TaO4:Nb、LuTaO4、LuTaO4:Tm、LuTaO4:Nb、(Lu,Sr)TaO4:Nb、GdTaO4:Tm、Mg4Ta2O9:Nb、Gd2O3・Ta2O5・B2O3:Tbなどのタンタル酸塩系蛍光体、および、Gd2O2S:Eu3+、(La,Gd,Lu)2Si2O7:Eu、ZnSiO4:Mn、Sr2P2O7:Eu、などが挙げられる。なお、シンチレータ層を構成する蛍光体は、放射線の照射によって可視、紫外または赤外領域などの受光素子が感度を持つ領域の電磁波を出力する蛍光体であれば、上記以外の蛍光体であってもよい。また、蛍光体粒子の直径は、7μm以下、好ましくは、4μm以下である。蛍光体粒子の直径が小さいほど、シンチレータ層内での光の散乱を防ぐことが可能となるので、高い鮮鋭度を得ることができる。
また、上記した蛍光体粒子は、たとえば、ポリウレタン、塩化ビニル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、セルロース誘導体、スチレン−ブタジエン共重合体、各種合成ゴム系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラニン樹脂、フェノキシ樹脂、シリコン樹脂、アクリル系樹脂、尿素ホルムアミド樹脂などのバインダーに分散される。蛍光体粒子が分散されるバインダーとしては、ポリウレタン、ポリエステル、塩化ビニル系共重合体、ポリビニルブチラール、ニトロセルロースが好ましい。このような好ましいバインダーを用いることで、蛍光体の分散性を高め、蛍光体の充填率を高くすることが可能となり、粒状性の向上に寄与する。
1 ガラス基板(基板)
10 光電変換部
11、151、161、211、251、
261、311、511、1211 光電変換膜(有機半導体膜)
411 光電変換膜
11a 液滴
12、1212 画素電極層
13、513、1213 共通電極層
20 トランジスタ部、有機TFT
21 ゲート電極層
22 ソース電極層
23 ドレイン電極層
26 第1導電層(信号線、行信号線)
27 第2導電層(信号線、列信号線)
30、152、162、252、262、530 光電変換膜形成領域
35、535 バンク(絶縁膜)
40 ノズル
100、150、160、200、250、
260、300、400、500、1200 光電変換デバイス
1000 放射線画像検出装置
1100 撮像パネル
1110 シンチレータ層
1120 走査駆動回路
1130 信号選択回路
1131 信号変換器
1214 ホールブロック層
1215 電子ブロック層
1216 コンデンサ
1216a 収集電極層
1217 隔膜
1220 走査線(行信号線)
1230 信号線(列信号線)
10 光電変換部
11、151、161、211、251、
261、311、511、1211 光電変換膜(有機半導体膜)
411 光電変換膜
11a 液滴
12、1212 画素電極層
13、513、1213 共通電極層
20 トランジスタ部、有機TFT
21 ゲート電極層
22 ソース電極層
23 ドレイン電極層
26 第1導電層(信号線、行信号線)
27 第2導電層(信号線、列信号線)
30、152、162、252、262、530 光電変換膜形成領域
35、535 バンク(絶縁膜)
40 ノズル
100、150、160、200、250、
260、300、400、500、1200 光電変換デバイス
1000 放射線画像検出装置
1100 撮像パネル
1110 シンチレータ層
1120 走査駆動回路
1130 信号選択回路
1131 信号変換器
1214 ホールブロック層
1215 電子ブロック層
1216 コンデンサ
1216a 収集電極層
1217 隔膜
1220 走査線(行信号線)
1230 信号線(列信号線)
Claims (17)
- 光電変換膜を含む光電変換部とトランジスタ部とを備えた画素が基板上に複数配置された画素アレイにおいて、
前記トランジスタ部と前記光電変換部とは、前記基板上に並置されて形成されており、
前記光電変換膜は、溶媒に溶解可能な有機半導体材料からなる有機半導体膜を含むとともに、隣り合う画素の前記光電変換部に渡って連続的に形成されていることを特徴とする、光電変換デバイス。 - 行信号線および列信号線を含む信号線をさらに備えるとともに、前記複数の画素が縦横にマトリクス状に配置され、かつ、同一の行に属する画素には、その行に対応する前記行信号線が電気的に接続されているとともに、同一の列に属する画素には、その列に対応する前記列信号線が電気的に接続され、
前記行信号線および前記列信号線の少なくとも一方は、信号線、画素、画素、信号線の順に繰り返されて配列されていることを特徴とする、請求項1に記載の光電変換デバイス。 - 前記行信号線および前記列信号線の一方は、信号線、画素、画素、信号線の順に繰り返されて配列されており、
前記光電変換膜が、前記行信号線および前記列信号線の一方に沿って延びるように、複数の画素の前記光電変換部に渡って連続的に形成されていることを特徴とする、請求項2に記載の光電変換デバイス。 - 前記行信号線および前記列信号線の一方は、信号線、画素、画素、信号線の順に繰り返されて配列されており、
前記光電変換膜が、隣接する2画素の前記光電変換部に渡って連続的に形成されていることを特徴とする、請求項2に記載の光電変換デバイス。 - 前記行信号線および前記列信号線は、それぞれ、信号線、画素、画素、信号線の順に繰り返されて配列されており、
前記光電変換膜が、前記信号線によって囲まれた4画素の前記光電変換部に渡って連続的に形成されていることを特徴とする、請求項2に記載の光電変換デバイス。 - 前記光電変換膜は、溶媒に溶解可能な有機半導体材料から構成されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光電変換デバイス。
- 前記光電変換膜は、無機半導体膜をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光電変換デバイス。
- 前記基板上には、前記光電変換膜が形成される領域を露出させる開口部が設けられた絶縁膜が形成されていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の光電変換デバイス。
- 前記光電変換膜が形成される領域は、他の領域に比べて、前記溶媒に対する親液性が大きいことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の光電変換デバイス。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の光電変換デバイスを備えることを特徴とする、放射線画像検出装置。
- 基板上に複数のトランジスタ部をアレイ状に形成する工程と、
前記トランジスタ部とともに画素を構成する光電変換部を、前記トランジスタ部と並置するように前記基板上に複数形成する工程とを備え、
前記光電変換部を形成する工程は、前記光電変換部を構成する光電変換膜を隣り合う画素に渡って連続的に形成する工程を含み、
前記光電変換膜を形成する工程は、有機半導体材料が溶解された溶液を前記基板上に塗布する工程を有することを特徴とする、光電変換デバイスの製造方法。 - 前記トランジスタ部を形成する工程は、行信号線および列信号線を有する信号線を前記トランジスタ部と電気的に接続された状態で前記基板上に形成する工程と、前記行信号線および前記列信号線の一方を、信号線、画素、画素、信号線の順に繰り返し配列する工程とを含み、
前記光電変換部を形成する工程は、前記光電変換部を構成する光電変換膜を前記行信号線および前記列信号線の一方に沿って延びるように、複数の画素に渡って連続的に形成する工程を含むことを特徴とする、請求項11に記載の光電変換デバイスの製造方法。 - 前記トランジスタ部を形成する工程は、行信号線および列信号線を有する信号線を前記トランジスタ部と電気的に接続された状態で前記基板上に形成する工程と、前記行信号線および前記列信号線の一方を、信号線、画素、画素、信号線の順に繰り返し配列する工程とを含み、
前記光電変換部を形成する工程は、前記光電変換部を構成する前記光電変換膜を隣接する2画素に渡って連続的に形成する工程を含むことを特徴とする、請求項11に記載の光電変換デバイスの製造方法。 - 前記トランジスタ部を形成する工程は、行信号線および列信号線を有する信号線を前記トランジスタ部と電気的に接続された状態で前記基板上に形成する工程と、前記行信号線および前記列信号線を、それぞれ、信号線、画素、画素、信号線の順に繰り返し配列する工程とを含み、
前記光電変換部を形成する工程は、前記光電変換部を構成する前記光電変換膜を前記信号線によって囲まれた4画素に渡って連続的に形成する工程を含むことを特徴とする、請求項11に記載の光電変換デバイスの製造方法。 - 前記溶液の塗布が、溶液液滴を前記基板上に付着させることで行われることを特徴とする、請求項11〜14のいずれか1項に記載の光電変換デバイスの製造方法。
- 前記有機半導体材料が溶解された溶液を基板上に塗布する工程に先立って、前記光電変換膜の形成領域に対応する開口部を有する絶縁膜を前記基板上に形成する工程をさらに備えることを特徴とする、請求項11〜15のいずれか1項に記載の光電変換デバイスの製造方法。
- 前記有機半導体材料が溶解された溶液を基板上に塗布する工程に先立って、前記光電変換膜の形成領域に親液処理を施す工程をさらに備えることを特徴とする、請求項11〜15のいずれか1項に記載の光電変換デバイスの製造方法。
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