JP5040057B2 - 光電変換素子の製造方法および放射線画像検出器の製造方法 - Google Patents

光電変換素子の製造方法および放射線画像検出器の製造方法 Download PDF

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Description

光電変換素子および光電変換素子を用いた放射線画像検出器に関する。
グレッツェルらは酸化チタンなどの透明電極上に光電変換機能を有する有機色素の膜を形成することにより、アモルファスシリコン光電変換素子に近い性能を有する色素増感型光電変換素子(グレッツェルセル)を報告している(非特許文献1参照。)。
また、近年、ナノテクノロジーの手法を用いて、フラーレンを有する単分子膜を用いた色素増感型光電変換素子についても報告されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
これら色素増感型光電変換素子は、対電極との電気的接合を液体レドックス電解質によって行う湿式太陽電池であるため、長期にわたって使用すると電解液の枯渇により光電変換機能が著しく低下してしまい、光電変換素子として機能しなくなってしまうことが懸念される。また電解液を用いない有機色素による光電変換素子として、透明電極と対電極との間に電子供与体と電子受容体を混合した層を形成したバルクへテロ接合型光電変換素子、あるいは透明電極と対電極との間に電子供与体層と電子受容体層を挟んだヘテロ接合型(積層型)光電変換素子が提案されている(特許文献3参照。)。
これらの光電変換素子の動作原理は、光励起により電子供与体(あるいは電子供与体層)から電子受容体(あるいは電子受容体層)への電子の移動により正孔と電子が発生し、内部電界により正孔は電子供与体間(あるいは電子供与体層)を通り一方の電極に運ばれ、電子は電子受容体間(あるいは電子受容体層)を通りもう一方の電極へ運ばれ、光電流が観測されるというものである。しかしながら、前者の透明電極と対電極との間に電子供与体と電子受容体を一様に混合した層を形成した光電変換素子では、電子受容体と電子供与体が均一に混在しているため、電荷分離後により発生した電子と正孔が電荷輸送中に再結合し易く、これが光電変換効率を下げる要因となっている。また後者の透明電極と対電極との間に電子供与体層と電子受容体層を挟んだ光電変換素子では、電子供与体層と電子受容体層の界面でのみ、電荷分離を行うため、電荷発生量が非常に少なく、光電変換効率が低い。
次に前記光電変換素子を応用したX線画像検出器について説明する。アモルファスシリコン光電変換素子は、太陽電池や複写機の感光ドラムとしての応用以外に、フラットパネル型の放射線ディテクタ(FPD)として医療分野でも応用されている。また有機色素による光電変換素子においても、FPDへの応用が提案されている(特許文献4参照。)。
FPDとはデジタル式X線画像検出器の一種で、放射線画像をデジタル信号として読み出し、放射線写真フィルム(レントゲンフィルムなど)を用いずに、パソコンなどのモニターで診断することができるといったシステムである。FPDには、光電変換素子がX線を直接吸収し光電変換するもの(直接型FPD)と、蛍光体によってX線を蛍光に変換し、その蛍光を光電変換素子が吸収して光電変換するもの(間接型FPD)があり、前記アモルファスシリコン光電変換素子や有機色素による光電変換素子は、後者の間接型FPDに用いられる。
アモルファスシリコン光電変換素子を用いた間接型FPDの利点は、従来のアナログシステムに匹敵するほどの高画質の画像が得られることであるが、アモルファスシリコン光電変換素子は、アモルファスシリコンなどの無機半導体物質を薄膜トランジスタ(TFT)上に微細加工する必要があり、非常に高度な技術と設備を要するため、製品価格が非常に上昇してしまう。
一方、有機色素による光電変換素子は、有機物を用いるため加工が非常に容易であり、製品価格が非常に安くなるといった利点があるが、アナログシステムに匹敵する程の高画質の画像を得るには、光電変換効率の面で不十分である。
特開2000−261016号公報 特開2002−94146号公報 特表2002−502129号公報 特開2003−50280号公報 Journal of the American Chemical Society 115(1993)6382
そこで本発明は、電解液を用いない光電変換素子において、これまでの課題であった電荷分離後の正孔と電子の再結合の問題及び電荷発生量が少ないといった問題を解決し、高効率な光電変換素子を提供することを目的としている。
また前記光電変換素子を用いた医療用の放射線画像検出器において、高画質のデジタル放射線画像が得られる放射線画像検出器を提供することを目的とする。
上記課題は、以下の構成により解決することができた。
(請求項1)
透明電極と、前記透明電極を透過した光を吸収し電荷分離を行う光電変換層と、前記光電変換層を挟んで前記透明電極と反対側に設けられた対電極を有し、該光電変換層は、電子受容体および電子供与体を混合した複数の光電変換層を有する光電変換素子の製造方法において、前記複数の光電変換層は、それぞれ電子受容体と電子供与体の混合比が異なり、何れも電子受容体あるいは電子供与体を飽和濃度の50%以上の濃度で有機溶媒に溶解した溶液を塗布して形成することを特徴とする光電変換素子の製造方法
(請求項
前記電子受容体は、π共役系化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子の製造方法
(請求項
前記電子供与体は、導電性高分子化合物を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の光電変換素子の製造方法
(請求項
前記導電性高分子化合物は、ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリ(チオフェンビニレン)およびその誘導体、ポリアセチレンおよびその誘導体、ポリピロールおよびその誘導体、ポリフルオレンおよびその誘導体、ポリ(p−フェニレン)およびその誘導体、あるいはポリアニリンおよびその誘導体のうち、少なくとも1つを含有することを特徴とする請求項に記載の光電変換素子の製造方法
(請求項
前記π共役系化合物は、フラーレンおよびその誘導体、カーボンナノチューブおよびその誘導体、ポルフィリンおよびその誘導体、フタロシアニンおよびその誘導体のうち、少なくとも1つを含有することを特徴とする請求項の何れか1項に記載の光電変換素子の製造方法
(請求項
前記導電性高分子化合物は、ポリチオフェンおよびその誘導体のうち、少なくとも1つを含み、且つ前記π共役系化合物は、フラーレンおよびその誘導体のうち、少なくとも1つを含有することを特徴とする請求項に記載の光電変換素子の製造方法
(請求項
入射した放射線の強度に応じた発光を行う第1層と、前記第1層から出力された光エネルギーを電気エネルギーに変換する第2層と、前記第2層で得られた電気エネルギーの蓄積および蓄積された電気エネルギーに基づく信号を出力する第3層と、前記第1層から第3層を保持する第4層を有する放射線画像検出器の製造方法において、前記第2層は透明電極と光電変換層を有し、前記光電変換層は、電子受容体および電子供与体を混合した複数の光電変換層を有し、前記複数の光電変換層は、それぞれ電子受容体と電子供与体の混合比が異なり、何れも電子受容体あるいは電子供与体を飽和濃度の50%以上の濃度で有機溶媒に溶解した溶液を塗布して形成されことを特徴とする放射線画像検出器の製造方法
(請求項
前記電子受容体は、π共役系化合物を含有することを特徴とする請求項に記載の放射線画像検出器の製造方法
(請求項9)
前記電子供与体は、導電性高分子化合物を含有することを特徴とする請求項7又は8に記載の放射線画像検出器の製造方法
(請求項1
前記導電性高分子化合物は、ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリ(チオフェンビニレン)およびその誘導体、ポリアセチレンおよびその誘導体、ポリピロールおよびその誘導体、ポリフルオレンおよびその誘導体、ポリ(p−フェニレン)およびその誘導体、あるいはポリアニリンおよびその誘導体のうち、少なくとも1つを含有することを特徴とする請求項に記載の放射線画像検出器の製造方法
(請求項1
前記π共役系化合物は、フラーレンおよびその誘導体、カーボンナノチューブおよびその誘導体、ポルフィリンおよびその誘導体、フタロシアニンおよびその誘導体のうち、少なくとも1つを含有することを特徴とする請求項〜1の何れか1項に記載の放射線画像検出器の製造方法
(請求項1
前記導電性高分子化合物は、ポリチオフェンおよびその誘導体のうち、少なくとも1つを含み、且つπ共役系化合物は、フラーレンおよびその誘導体のうち、少なくとも1つを含有することを特徴とする請求項11に記載の放射線画像検出器の製造方法
以上のように、透明電極と、前記透明電極を透過した光を吸収し電荷分離を行う光電変換層と、前記光電変換層を挟んで前記透明電極と反対側に設けられた対電極を有する光電変換素子において、光電変換層は、電子受容体および電子供与体を混合した複数の層を有し、前記複数の層は、それぞれ電子受容体と電子供与体の混合比が異なることにより、これまでの課題であった電荷分離後の正孔と電子の再結合の問題及び電荷発生量が少ないといった問題を解決し、高効率な光電変換素子を提供できる。また、入射した放射線の強度に応じた発光を行う第1層と、第1層から出力された光エネルギーを電気エネルギーに変換する第2層と、第2層で得られた電気エネルギーの蓄積および蓄積された電気エネルギーに基づく信号を出力する第3層と、支持体である第4層を有する放射線画像検出器において、第2層は、電子受容体および電子供与体を混合した複数の層を有し、前記複数の層は、それぞれ電子受容体と電子供与体の混合比が異なることにより、光電感度が向上し、高画質のデジタル放射線画像が得られる放射線画像検出器を提供できる。
次に、本発明の光電変換素子の実施の形態について詳細に説明するが、本発明はこの実施の形態または図面に示したものに限られるものではない。
図1に本実施形態の光電変換素子の断面図を示す。図1の光電変換素子は、透明電極と対電極との間に光電変換層を挟んだ電解液を用いない構成となっている(対電極は透明電極を用いても良い)。また光電変換層は、電子受容体と電子供与体を混合した複数の層(電子受容体/電子供与体混合層212c2〜4)、電子受容体層212c1及電子供与体層212c5で構成されている。ここで電子供与体及び電子受容体は、“光を吸収した際に、電子供与体から電子受容体に電子が移動し、正孔と電子のペア(電荷分離状態)を形成する電子供与体及び電子受容体”であり、電極のように単に電子を供与あるいは受容するものではなく、前述のような光反応によって、電子を供与あるいは受容するものである。電子受容体層とは、電子受容体を有し、電子供与体を含まない層であり、電子供与体層とは、電子供与体を有し、電子受容体を含まない層である。電子受容体/電子供与体混合層の数は3つに限るものではない。また電子受容体層及び電子供与体層は必須ではない。
図1で、透明電極あるいは対電極から入射された光は、光電変換層の電子受容体あるいは電子供与体で吸収され、電子供与体から電子受容体に電子が移動し、正孔と電子のペア(電荷分離状態)を形成する。発生した電荷は、内部電界、例えば透明電極と対電極との電位差(透明電極と対電極の仕事関数が異なる場合)により、電子は電子受容体間を通り、また正孔は電子供与体間を通り、それぞれ異なる電極へ運ばれ、光電流が検出される。図1では、電子は透明電極へ、正孔は対電極へ輸送されるが、これは透明電極の仕事関数が、対電極の仕事関数よりも大きい場合であり、仕事関数の大小が逆転すれば電子と正孔は、それぞれ図1とは逆方向に輸送される。また電極間に電位をかけることにより、電子と正孔の輸送方向を制御することができる。したがって電子と正孔の輸送方向は、この図に限るものではない。
従来の素子(特許文献3)の様に、透明電極と対電極との間に電子供与体と電子受容体を混合した層を形成した光電変換素子では、電子受容体と電子供与体が均一に混在しているため、電荷分離後により発生した電子と正孔が電荷輸送中に再結合してしまい易く、これが光電変換効率を下げる要因となっていた。また透明電極と対電極との間に電子供与体層と電子受容体層を挟んだ光電変換素子では、電子供与体層と電子受容体層の界面でしか、電荷分離ができないため、電荷発生量が小さく、これが光電変換効率を下げる原因であった。そこで本発明の特徴は、光電変換層に、電子受容体および電子供与体を混合した複数の層を用い、それぞれの層の電子受容体と電子供与体の混合比を変えることにより、素子性能を低下させる原因である電荷発生量の問題および電荷分離後の電荷輸送の問題を解決することである。例えば、電子を捕集する電極側に電子受容体の混合比高い層を配置し、また、正孔を捕集する電極側には、電子供与体の混合比の高い層を配置することにより、発生電荷量を大きく保ったまま、電荷輸送中の再結合確率を下げることができる。
透明電極とは、光電変換される光を透過する電極を言い、好ましくは300〜800nmの光を透過する電極である。材料としては、例えば、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO2、ZnO等の透明導電性金属酸化物、金、銀、白金などの金属薄膜、導電性高分子を用いることが好ましい、これに限らない。
透明電極は、ガラス基板や樹脂基板の上に形成しても良いが、基板は必須ではなく、例えば光電変換層など他の層上に形成しも良い。
また対電極の材料としては、金属(例えば金、銀、銅、白金、ロジウム、ルテニウム、アルミニウム、マグネシウム、インジウム等)、炭素、あるいは前記透明電極材料などが好ましいが、これに限らない。対電極ついては、ガラス基板や樹脂基板や金属基板の上に形成しても良いが、基板は必須ではなく、例えば光電変換層など他の層の上に形成して良い。
また光電流を生じさせるために、透明電極と対電極との電位差は、例えば外部から電圧をかけて発生させても良いし、透明電極材料と対電極材料とで仕事関数の異なる材料を用いることによって生じさせても良い。
図2に光電変換層の構成例を示す。図2では光電変換層は電子受容体層、複数の電子受容体/供与体混合層、電子供与体層で構成される。ここで電子受容体/供与体混合層は、電子受容体/電子供与体=5/1(当量比)の層、電子受容体/電子供与体=1/1の層および電子受容体/電子供与体=1/5の層で構成されるが、これらの混合比、層の数に限るものではない。また光電変環層の配置については、図2に示すように、電子を捕集する電極(ここでは透明電極)に近いほど電子受容体密度の高い層を、正孔を捕集する電極(ここでは対電極)に近いほど電子供与体密度の高い層を配置することが好ましい。また電子受容体層、電子供与体層は単分子膜であることが好ましいが、これに限らない。また電子受容体層、電子供与体層は必須ではない。
また電子受容体/供与体混合膜層の形成方法としては蒸着法、塗布法(キャスト法、スピンコート法を含む)などがあるが、特に塗布法が好ましい。また、電子受容体あるいは電子供与体を飽和濃度の50%以上の濃度で有機溶媒に溶解した溶液を調整して、塗布することにより、すでに形成させた塗布膜への侵食が抑えられ、ムラのない多層膜を形成することができる。
電子受容体材料としては、π共役系化合物が好ましい。π共役系化合物とは、芳香族π電子を7つ以上有する化合物を意味する。したがって、例えば、化1に示したピロメリットイミド誘導体(化合物1−5)は、芳香族π電子を6つしか持たないのでπ共役系化合物ではなく、ナフトイミド誘導体(化合物1−6)については、芳香族π電子を10個有するのでπ共役系化合物である。
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またπ共役系化合物の中でも、化2に示したフラーレンカーボンナノチューブ、ポルフィリン、フタロシアニンの基本骨格をもつ電子受容体が好ましい。化3にフラーレンおよびその誘導体の好ましい具体例を示す。化4にカーボンナノチューブおよびその誘導体の好ましい具体例を示す(化4で、nは1以上の整数である。)。化5にポルフィリンおよびその誘導体の好ましい具体例を示す(化5で、nは0以上の整数、mは1以上の整数である。)。化6にフタロシアニンおよびその誘導体の好ましい具体例を示す(化6で、nは0以上の整数である。)。π共役系化合物については、化3〜6に示した具体例に限らない。
Figure 0005040057
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また電子供与体材料は、光吸収により生じた電荷を輸送するため、導電性材料を含有して形成されることが好ましい。例えば、導電性材料としては、p型無機半導体(GaP、NiO、CoO、FeO、Bi23、MoO2、Cr23、一価の銅を含む化合物等)や導電性高分子化合物が好ましい。
導電性高分子化合物としては、化7に示したポリフェニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリ(チオフェンビニレン)、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリ(p−フェニレン)、ポリアニリンの基本骨格を持つものが好ましい(化7で、xは1以上の整数であることが好ましい。)。
化8にポリフェニレンビニレンおよびその誘導体の好ましい具体例を示す(化8で、n、m、k、jは0以上の整数、xは2以上の整数である。)。
化9にポリチオフェンおよびその誘導体の好ましい具体例を示す(化9で、n、mは0以上の整数、kは1以上の整数、xは2以上の整数である。)。
化10にポリ(チオフェンビニレン)およびその誘導体の好ましい具体例を示す(化10で、n、m、k、jは0以上の整数、xは2以上の整数である。)。
化11にポリアセチレンおよびその誘導体の好ましい具体例を示す(化11で、n、mは0以上の整数、xは2以上の整数である。)。
化12にポリピロールおよびその誘導体の好ましい具体例を示す(化12で、nは0以上の整数、kは1以上の整数、xは1以上の整数である。)。
化13にポリフルオレンおよびその誘導体の好ましい具体例を示す(化13で、n、mは0以上の整数、xは1以上の整数である。)。
化14にポリ(p−フェニレン)およびその誘導体の好ましい具体例を示す(化14で、n、mは0以上の整数、x、yは1以上の整数である。)。
化15にポリアニリンおよびその誘導体の好ましい具体例を示す(化15で、nは0以上の整数、xは2以上の整数である。)。
導電性高分子化合物は、化8〜15に示した具体例に限られない。
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また光電変換層全体の膜厚は、光吸収量を稼ぐといった観点から、50nm以上(特に100nm以上)が好ましく、また電気抵抗が大きく成り過ぎないといった観点から1μm以下(特に300nm以下)が好ましい。
前記光電変換素子は、透明電極を含む2つの電極と、光電変換層のみで構成されるものに限られず、例えば電極と光電変換層の間に絶縁層、あるいは下引き層などの他の層を有しても良い。
次に前述した光電変換素子を応用した放射線画像検出器を用いたシステムの実施の一形態について詳細に説明するが、本発明はこの実施の形態の説明または図面に示したものに限られない。
図3に本実施形態の放射線画像検出器を用いたシステムを示す。図3において、放射線発生器10から放射された放射線は、被写体(医療施設では例えば患者)15を通して放射線画像検出器20に照射される。放射線画像検出器20では、照射された放射線の強度に基づいて画像信号DFEを生成する。この生成された画像信号DFEは、放射線画像検出器20に接続されている画像処理部51によって読み出される。あるいは放射線画像検出器20に装着された例えば半導体メモリカード等の携帯可能な記録媒体に蓄積されたのち、この記録媒体が放射線画像検出器20から取り外されて画像処理部51に装着されることにより、画像処理部51に供給される。
画像処理部51では、放射線画像検出器20で生成された画像信号DFEに対して、シェーディング補正やゲイン補正、階調補正、エッジ強調処理、周波数処理、ダイナミックレンジ圧縮処理などの画像処理を施して、診断等に適した画像信号を出力する。また画像処理部51には、画像表示部52が接続されており、この画像表示部52は、画像処理部51から出力された画像処理された画像信号に基づいて画像を表示する。
また、画像処理部51は、画像の拡大や縮小も行えるとともに画像信号の蓄積や転送を容易とするために画像信号の圧縮や伸長処理も行える。このため、画像表示部52に表示されている画像を拡大したり縮小することで、撮影部位の確認や処理状態を容易に行うことができる。また、表示された画像や表示された画像の領域を指定させて、指定された画像や指定された領域に対して適切な画像処理を自動的に行うこともできる。
また、画像処理部51には、キーボード、マウス、ポインターなどを有する操作入力部53が接続されており、この操作入力部53によって患者情報などを入力し、付加情報を画像信号に付け加えることができる。また画像処理の指定や画像信号の保存や読み出し、ネットワークを介した画像信号の送受信を行う際の指示等も操作入力部53から行われる。
画像処理部51には、さらに画像出力部54や画像保存部55及びコンピュータ支援画像自動診断部(CAD)56が接続されている。
画像出力部54は、記録紙やフィルム等に放射線画像を記録して出力する。例えば、銀塩写真フィルムに対して、画像信号に基づき露光し、この露光された銀塩写真フィルムの現像処理を行うことで放射線画像を銀画像として記録して出力するイメージャであっても良い。また、画像信号に基づいてインクジェット法によりインクを記録紙又はフィルムに印刷するインクジェットプリンタであっても良いし、画像信号に基づいてインクを溶融あるいは昇華させて記録紙又はフィルムに画像を転写するサーマルプリンタであっても良いし、画像信号に基づきレーザ光で感光体上を走査して、感光体上に付着したトナーを紙に転写してから熱と圧力で定着させることにより記録紙に画像を形成する電子写真プリンタであっても良い。
画像保存部55では、放射線画像の画像信号を必要に応じて適宜読み出すことができるようにハードディスクなどの情報記録媒体に保存する。
CAD56は、診断に有用な情報を医師に提供することで病変の見落としがないように診断支援すべく、撮影された放射線画像のコンピュータ処理やコンピュータ解析を行い診断に有用な情報を放射線画像の画像信号に付加する。
画像処理部51は、放射線画像の画像信号を、上述の画像出力部54や画像保存部55及びCAD56だけでなく、いわゆるLANやインターネット及びPACS(医療画像ネットワーク)等のネットワーク60を介して、病院施設内のほかの部署あるいは遠隔地にも送付することができる。また、画像処理部51は、このネットワークを介して、CT61やMRI62から得られた画像信号あるいはCRや他のFPD63から得られた画像信号、及びその他の検査情報等も受信でき、放射線画像検出器20で得られた放射線画像と比較検討するため、ネットワーク60を介して送付されてきた画像信号や検査情報等を画像表示部52で表示したり画像出力部54から出力させることもできる。また、画像処理部51は、送付されてきた画像信号や検査情報等を画像保存部55に保存させることもできる。また、画像処理部51は、放射線画像検出器20で得られた放射線画像の画像信号等を外部画像保存装置64に保存させるたり、外部画像表示装置65の画面上に、放射線画像検出器20で得られた放射線画像を表示させたりすることもできる。
次に、放射線画像検出器20の構造の一例を図4に示す。放射線画像検出器20は、撮像パネル21、走査駆動回路25、信号選択回路27、制御回路30、メモリ部31、操作部32、表示部33、電源部34、コネクタ35、筐体40を有している。撮像パネル21は、照射された放射線の強度に応じて蓄積された電気エネルギーを生成するものであり、生成された電気エネルギーは走査駆動回路25により読み出され、信号選択回路27により画像信号として出力される。出力された画像信号は、書き換え可能な読み出し専用メモリ(例えばフラッシュメモリ)等を用いてメモリ部31に記憶される。また放射線画像検出器20の動作は、制御回路30で制御され、操作部32により動作が切り替えられる。
表示部33は、画像の撮影準備が完了したとメモリ部31に所定量の画像信号が書き込まれたことを示すものであり、また電源部34は、撮像パネル21を駆動して画像信号を得るために必要とされる電力を供給するものであり、コネクタ35は、放射線画像検出器20と画像処理部51間で通信を行うためのものである。筐体40の内部や走査駆動回路25、信号選択回路27、制御回路30、メモリ部31等は、図示していない放射線遮蔽部材で覆われている。放射線遮蔽部材により筐体40の内部で放射線の散乱、各回路へ放射線照射が防止される。
また筐体40としては、外部からの衝撃に耐えかつ重量ができるだけ軽い素材、例えば、アルミニウムあるいはその合金であることが好ましい。筐体40の放射線入射面側は、放射線を透過し易い非金属例えばカーボン繊維などを用いて構成する。また、放射線入射面とは逆である背面側においては、放射線が放射線画像検出器20を透過してしまうことを防ぐ目的、あるいは放射線画像検出器20を構成する素材が放射線を吸収することで生ずる2次放射線からの影響を防ぐために、放射線を効果的に吸収する材料、例えば鉛板などを用いることは好ましい実施態様である。
図5は撮像パネル21の回路構成を示す図である。撮像パネル21には照射された放射線の強度に応じて蓄積された電気エネルギーを読み出すための収集電極220が2次元配置されており、この収集電極220がコンデンサ221の一方の電極とされて、電気エネルギーがコンデンサ221に蓄えられる。ここで、1つの収集電極220は放射線画像の1画素に対応するものである。
画素間には走査線223−1〜223−mと信号線224−1〜224−nが例えば直交するように配設される。コンデンサ221−(1,1)には、シリコン積層構造あるいは有機半導体で構成されたトランジスタ222−(1,1)が接続されている。このトランジスタ222−(1,1)は、例えば電界効果トランジスタであり、ドレイン電極あるいはソース電極が収集電極220−(1,1)に接続されるとともに、ゲート電極は走査線223−1と接続される。ドレイン電極が収集電極220−(1,1)に接続されるときにはソース電極が信号線224−1と接続され、ソース電極が収集電極220−(1,1)に接続されるときにはドレイン電極が信号線224−1と接続される。また、他の画素の収集電極220やコンデンサ221及びトランジスタ222も同様に走査線223や信号線224が接続される。
図6は、撮像パネル21の一部断面図を示しており、放射線の照射面側には、入射された放射線の強度に応じて発光を行う第1層211が設けられている。放射線としては例えばX線が挙げられる。この場合、例えば、波長が0.1nm(1×10-10m)程度であって、人体や船舶そして航空機の部材等を透過する電磁波であるX線が照射される。このX線は、放射線発生器10から出力されるものであり、放射線発生器10は、一般に固定陽極あるいは回転陽極X線管が用いられる。また、X線管は、通常、陽極の負荷電圧が10kVから300kVであり、医療用に用いられる場合は20kVから150kVである。
第1層211は、蛍光体を主たる成分とするシンチレータであり、入射した放射線により、波長が300nmから800nmの蛍光を発する。
この第1層211で用いられる蛍光体は、CaWO4、CaWO4:Pb、MgWOなどのタングステン酸塩系蛍光体、Y22S:Tb、Gd22S:Tb、La22S:Tb、(Y,Gd)22S:Tb、(Y,Gd)22S:Tb,Tmなどのテルビウム賦活希土類酸硫化物系蛍光体、YPO4:Tb、GdPO4:Tb、LaPO4:Tbなどのテルビウム賦活希土類燐酸塩系蛍光体、LaOBr:Tb、LaOBr:Tb,Tm、LaOCl:Tb、LaOCl:Tb,Tm、GdOBr:Tb、GdOBr:Tb,Tm、GdOCl:Tb、GdOCl:Tb,Tmなどのテルビウム賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体、LaOBr:Tm、LaOCl:Tmなどのツリウム賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体、LaOBr:Gd、LuOCl:Gdなどのガドリニウム賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体、GdOBr:Ce、GdOCl:Ce、(Gd,Y)OBr:Ce、(Gd,Y)OCl:Ceなどのセリウム賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体、BaSO4:Pb、BaSO4:Eu2+、(Ba,Sr)SO4:Eu2+などの硫酸バリウム系蛍光体、Ba3(PO4)2:Eu2+、(Ba2PO42:Eu2+、Sr3(PO42:Eu2+、(Sr2PO42:Eu2+などの2価のユーロピウム賦活アルカリ土類金属燐酸塩系蛍光体、BaFCl:Eu2+、BaFBr:Eu2+、BaFCl:Eu2+,Tb、BaFCl:Eu2+,Tb、BaF2・BaCl2・KCl:Eu2+、(Ba,Mg)F2・BaCl2・KCl:Eu2+の2価のユーロピウム賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体、CsI:Na、CsI:Tl、NaI、KI:Tlなどの沃化物系蛍光体、ZnS:Ag、(Zn,Cd)S:Ag、(Zn,Cd)S:Cu、(Zn,Cd)S:Cu,Agなどの硫化物系蛍光体、HfP27、HfP27:Cu、Hf3(PO44などの燐酸ハフニウム系蛍光体、YTaO4、YTaO4:Tm、YTaO4:Nb、(Y,Sr)TaO4:Nb、LuTaO4、LuTaO4:Tm、LuTaO4:Nb、(Lu,Sr)TaO4:Nb、GdTaO4:Tm、Mg4Ta29:Nb、Gd23・Ta25・B23:Tbなどのタンタル酸塩系蛍光体、他に、Gd22S:Eu3+、(La,Gd,Lu)2Si27:Eu、ZnSiO4:Mn、Sr227:Euを用いることができる。
特に、X線吸収及び発光効率が高いことよりセシウムアイオダイド(CsI:X、Xは賦活剤)やガドリニウムオキシサルファイド(Gd22S:X、Xは賦活剤)が好ましく、これらを用いることで、ノイズの低い高画質の画像を得ることができる。
また、シンチレータは、柱状結晶構造であることが、柱状結晶では光ガイド効果、すなわち結晶内での発光が柱状結晶の側面より外に放射されてしまうことを少なくできる効果を得られるので、鮮鋭性の低下を抑制することが可能であり、蛍光体層膜厚を厚くすることによりX線吸収が増加し粒状性を向上できるので、好ましい。
ただし、本発明に用いられる蛍光体はこれらに限定されるものではなく、放射線の照射によって可視又は紫外または赤外領域などの、受光素子が感度を持つ領域の電磁波を出力する蛍光体であれば良い。また、本発明で用いられる蛍光体粒子の直径は7μm以下、特に4μm以下であることが好ましい。蛍光体粒子の直径が小さいほどシンチレータ層内での光の散乱を防ぐことが可能となり、高い鮮鋭度を得られるからである。そして、この蛍光体粒子はバインダーに分散されても良い。このようなバインダーとしては、例えば、ポリウレタン、塩化ビニル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、セルロース誘導体、スチレン−ブタジエン共重合体、各種合成ゴム系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラニン樹脂、フェノキシ樹脂、シリコン樹脂、アクリル系樹脂、尿素ホルムアミド樹脂等があげられる。中でもポリウレタン、ポリエステル、塩化ビニル系共重合体、ポリビニルブチラール、ニトロセルロースを使用することが好ましい。このような好ましいバインダーを用いることで、蛍光体の分散性を高め、蛍光体の充填率を高くすることが可能となり、粒状性の向上に寄与するからである。
上記バインダー中に分散される蛍光体の重量含有量は90〜99%であることが好ましい。また第1層の厚さは、粒状性を良くする観点から、20μm以上(特に50μm以上)が好ましく、鮮鋭性を良くする観点から1mm以下(特に300μm以下)が好ましい。
なお、本発明で用いられる蛍光体は一部を除き吸湿性であるので、環境の湿気に影響されないように封止することが好ましい。このため、例えば特開平11−223890、特開平11−249243、特開平11−344598、特開2000−171597に開示されている方法を用いることで、撮像パネル21の全体を封止することができる。
次に、第1層211の放射線照射面側とは逆の面側に、第1層から出力された電磁波(光)を電気エネルギーに変換する第2層212が形成される。この第2層212は、第1層211側から、隔膜212a、透明電極212b、光電変換層212c、導電層212dが設けられている。ここで用いられる光電変換層212cは前述した光電変換素子における光電変換層と同等の役割を示すものである。
隔膜212aは、第1層211と他の層を分離するためのものであり、例えばOxi−nitrideなどが用いられる。透明電極212bは、蒸着やスパッタリング等の方法を用いて薄膜を形成できる。また、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、あるいは高いパターン精度を必要としない場合(100μm以上程度)は、上記電極物質の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。この透明電極は透過率を5%より大きくすることが望ましい。さらに膜厚は材料にもよるが、膜の均一性を良くする観点から、10nm以上が好ましく、作製時間を短くする観点から、1μm以下(特に200nm)が好ましい。
光電変換層212cは、図1及び図2と同様の構成をしており、第1層211から出力された電磁波(光)を吸収することにより、電子と正孔を発生される。ここで発生した正孔は導電層212dに集められ、電子は透明電極212bに集められる。なお、本構造において、透明電極212bと光電変換層212cの間あるいは導電層212dと光電変換層212cの間に正孔伝導層や電子伝導層を形成しても良いが、必ずしも必須なものではない。
導電層(対電極)212dは、例えばクロムなどで生成されている。また、一般の金属電極若しくは前記透明電極の中から選択可能であるが、良好な特性を得るためには仕事関数の小さい(4.5eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましい。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、アルミニウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al23)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類全属などが挙げられる。この導電層212dは、これらの電極物質を原料として蒸着やスパッタリング等の方法を用いて生成できる。また、導電層212dのシートの膜厚は、膜の均一性を良くする観点から、10nm以上(特に50nm以上)が好ましく、作製時間を短くする観点から、1μm以下(特に500nm)が好ましい。
第2層212の放射線照射面側とは逆の面側には、第2層212で得られた電気エネルギーの蓄積および蓄積された電気エネルギーに基づく信号の出力を行う第3層213が形成されている。第3層213は、第2層212で生成された電気エネルギーを画素毎に蓄えるコンデンサ221と、蓄えられた電気エネルギーを信号として出力するためのスイッチング素子であるトランジスタ222を用いて構成されている。なお第3層は、スイッチング素子を用いるものに限られるものではなく、例えば蓄えられた電気エネルギーのエネルギーレベルに応じた信号を生成して出力する構成とすることもできる。
トランジスタ222は、例えばTFT(薄膜トランジスタ)を用いるものとする。このTFTは、液晶ディスプレイ等に使用されている無機半導体系のものでも、有機半導体を用いたものでも良く、好ましくはプラスチックフィルム上に形成されたTFTである。プラスチックフィルム上に形成されたTFTとしては、アモルファスシリコン系のものが知られているが、その他、米国Alien Technology社が開発しているFSA(Fluidic Self Assembly)技術、即ち、単結晶シリコンで作製した微小CMOS(Nanoblocks)をエンボス加工したプラスチックフィルム上に配列させることで、フレキシブルなプラスチックフィルム上にTFTを形成するものとしても良い。さらに、Science283,822(1999)やAppl.Phys.Lett,771488(1998)、Nature,403,521(2000)等の文献に記載されているような有機半導体を用いたTFTであってもよい。
このように、本発明に用いられるスイッチング素子としては、上記FSA技術で作製したTFT及び有機半導体を用いたTFTが好ましく、特に好ましいものは有機半導体を用いたTFTである。この有機半導体を用いてTFTを構成すれば、シリコンを用いてTFTを構成する場合のように真空蒸着装置等の設備が不要となり、印刷技術やインクジェット技術を活用してTFTを形成できるので、製造コストが安価となる。さらに、加工温度を低くできることから熱に弱いプラスチック基板状にも形成できる。
また、有機半導体を用いたTFTの内、電界効果型トランジスタ(FET)が特に好ましく、具体的には図7A〜図7Cに示す構造の有機TFTが好ましい。図7Aに示す有機TFTは、基板上にゲート電極,ゲート絶縁層,ソース・ドレイン電極,有機半導体層を順に形成したものである。図7Bに示す有機TFTは、基板上にゲート電極,ゲート絶縁層,有機半導体層,ソース・ドレイン電極を順に形成したものであり、図7Cに示す有機TFTは、有機半導体単結晶上にソース・ドレイン電極,ゲート絶縁層,ゲート電極を順に形成したものである。
有機半導体層を形成する化合物は、単結晶材科でもアモルファス材料でもよく、低分子でも高分子でもよいが、特に好ましいものとしては、ペンタセンやトリフェニレン、アントラセン等に代表される縮環系芳香族炭化水素化合物の単結晶や、前記π共役系高分子が挙げられる。
ソース電極、ドレイン電極及びゲート電極は、金属でも導電性無機化合物でも導電性有機化合物でも何れでもよいが、作製の容易さの観点から導電性有機化合物であることが好ましく、その代表例としては、前記π共役系高分子化合物にルイス酸(塩化鉄、塩化アルミニウム、臭化アンチモン等)やハロゲン(ヨウ素や臭素など)、スルホン酸塩(ポリスチレンスルホン酸のナトリウム塩(PSS)、p−トルエンスルホン酸カリウム等)などをドープしたものが挙げられ、具体的にはPEDOTにPSSを添加した導電性高分子が代表例として挙げられる。有機TFTの具体例としては、図8で示したものが挙げられる。
スイッチング素子であるトランジスタ222には、図5及び図6に示すように、第2層212で生成された電気エネルギーを蓄積するとともに、コンデンサ221の一方の電極となる収集電極220が接続されている。このコンデンサ221には第2層212で生成された電気エネルギーが蓄積されるとともに、この蓄積された電気エネルギーはトランジスタ222を駆動することで読み出される。すなわちスイッチング素子を駆動することで放射線画像を画素毎の信号を生成することができる。なお図6において、トランジスタ222は、ゲート電極222a、ソース電極(ドレイン電極)222b、ドレイン電極(ソース電極)222c、有機半導体層222d、絶縁層222eで構成されている。
第4層214は、撮像パネル21の基板である。この第4層214として好ましく用いられる基板は、プラスチックフィルムであり、プラスチックフィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ボリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等のフィルムが挙げられる。このように、プラスチックフィルムを用いることで、ガラス基板を用いる場合に比べて軽量化を図ることができるとともに、衝撃に対する耐性を向上できる。
更にこれらのプラスチックフィルムには、トリオクチルホスフェートやジブチルフタレート等の可塑剤を添加してもよく、ベンゾトリアゾール系やベンゾフェノン系等の公知の紫外線吸収剤を添加してもよい。また、テトラエトキシシラン等の無機高分子の原料を添加し、化学触媒や熱、光等のエネルギーを付与することにより高分子量化する、いわゆる有機−無機ポリマーハイブリッド法を適用して作製した樹脂を原料として用いることもできる。
更に第4層214の第3層側面とは反対面側に、電源部34例えばマンガン電池、ニッケル・カドミウム電池、水銀電池、鉛電池などの一次電池、充電可能な二次電池を設けるものとしても良い。この電池の形態としては、放射線画像検出器を薄型化できるように平板状の形態が好ましい。
また、撮像パネル21では、信号線224−1〜224−nに、例えばドレイン電極が接続された初期化用のトランジスタ232−1〜232−nが設けられている。このトランジスタ232−1〜232−nのソース電極は接地されている。また、ゲート電極はリセット線231と接続される。
撮像パネル21の走査線223−1〜223−mとリセット線231は、図5に示すように走査駆動回路25と接続されている。走査駆動回路25から走査線223−1〜223−mのうちの1つ走査線223−p(pは1〜mのいずれかの値)に読出信号RSが供給されると、この走査線223−pに接続されたトランジスタ222−(p,1)〜222−(p,n)がオン状態とされて、コンデンサ221−(p,1)〜221−(p,n)に蓄積された電気エネルギーが信号線224−1〜224−nにそれぞれ読み出される。信号線224−1〜224−nは、信号選択回路27の信号変換器271−1〜271−nに接続されており、信号変換器271−1〜271−nでは信号線224−1〜224−n上に読み出された電気エネルギー量に比例する電圧信号SV−1〜SV−nを生成する。この信号変換器271−1〜271−nから出力された電圧信号SV−1〜SV−nはレジスタ272に供給される。
レジスタ272では、供給された電圧信号が順次選択されて、A/D変換器273で(例えば、12ビットないし14ビットの)1つの走査線に対するデジタルの画像信号とされ、制御回路30は、走査線223−1〜223−m各々に、走査駆動回路25を介して読出信号RSを供給して画像走査を行い、走査線毎のデジタル画像信号を取り込んで、放射線画像の画像信号の生成を行う。この画像信号は制御回路30に供給される。なお、走査駆動回路25からリセット信号RTをリセット線231に供給してトランジスタ232−1〜232−nをオン状態とするとともに、走査線223−1〜223−mに読出信号RSを供給してトランジスタ222−(1,1)〜222−(m,n)をオン状態とすると、コンデンサ221−(1,1)〜221−(m,n)に蓄えられた電気エネルギーがトランジスタ232−1〜232−nを介して放出して、撮像パネル21の初期化を行うことができる。
制御回路30にはメモリ部31や操作部32が接続されており、操作部32からの操作信号PSに基づいて放射線画像検出器20の動作が制御される。操作部32は複数のスイッチが設けられており、操作部32からのスイッチ操作に応じた操作信号PSに基づき、撮像パネル21の初期化や放射線画像の画像信号の生成が行われる。また放射線画像の画像信号の生成は、放射線発生器10から放射線照射終了信号がコネクタ35を介して供給されたときに行うものとすることもできる。さらに、生成した画像信号をメモリ部31に記憶させる処理等も行う。
ここで、図4に示すように、放射線画像検出器20に電源部34を設けるとともに放射線画像の画像信号を記憶するメモリ部31を設け、コネクタ35を介して放射線画像検出器20を着脱自在にすれば、放射線画像検出器20を持ち運びできるシステムを構築できる。さらに、不揮発性メモリを用いてメモリ部31を着脱可能に構成すれば、放射線画像検出器20と画像処理部51を接続しなくとも、メモリ部31を画像処理部51に装着するだけで画像信号を画像処理部51に供給できることから、更に放射線画像の撮影及び画像処理が容易となり、操作性を向上できる。なお、放射線画像検出器20を据置き型として用いる場合には、コネクタ35を介して電力の供給や画像信号の読み出しを行うことで、メモリ部31や電源部34を設けなくとも、放射線画像の画像信号を得られることは勿論である。
このように、上述の実施の形態では、基板となる第4層214を樹脂で構成したことにより、ガラス基板を用いた従来の放射線画像検出器に比べて軽量化を図ることができる。また、第4層214を樹脂で構成したことにより、第4層214上に形成される第3層213は、分割されたシリコン積層構造の素子を用いたり有機半導体で形成される。このため、ガラス基板を用いた従来の放射線画像検出器のように、シリコンを主体とする薄膜トランジスタをガラス基板上に形成する高価で特殊な製造装置を用いる必要がないことから、放射線画像検出器を安価に製造できる。
さらに第3層213の上に構成される第2層212は、導電性高分子化合物並びにπ共役系有機化合物からなるものであることから、シリコンを用いる光半導体の製造装置を用いる必要がなく、この点に於いても放射線画像検出器を安価に製造できる。
本発明における光電変換素子の実施例を詳述する。実施例に用いた電子供与体および電子受容体の構造を化1に示した。
[比較例1]
1)素子の作製
ガラス基板上に形成されたITO透明電極(縦1cm、横1cm、厚さ0.5mm)上に、電子受容体層としてピロメリットイミド誘導体(化合物1−5)の膜を厚さ75nmで蒸着法により形成した。さらに、電子受容体層上に電子供与体層としてオリゴチオフェン(化合物1−1)の膜を厚さ75nmで蒸着法により形成した。その後電子供与体層上に蒸着法によりアルミニウム対電極を厚さ100nmで形成し、エポキシ樹脂接着剤により素子を封止した。
2)素子の評価
マスキングテープを用いて上記光電変換素子の露出面を0.5cm×0.5cmとし、素子の作製直後と、素子を作製してから1カ月後に、ハロゲンランプを用いて、照射波長550nm、光量1mW/cm2および電圧0Vの条件で白色光を光電変換素子の露出面全体に照射し、電流計により光電流の測定を行った。表1に比較例1,2および実施例1〜7における作製直後の相対光電流値と1ヵ月後の相対光電流値を示した(尚、相対光電流値とは、比較例1の作製直後に測定した光電流値を1とした光電流の相対値である。尚、光電流値は、光電変換効率に比例するものである。)。
[比較例2]
ガラス基板上に形成されたITO透明電極(縦1cm、横1cm、厚さ0.5mm)上に、ピロメリットイミド誘導体(化合物1−5)とオリゴチオフェン(化合物1−1)を1:1の割合(当量比)で混合蒸着し、厚さ150nmの均一な膜を形成した。その後、光電変換層上に蒸着法によりアルミニウム対電極を厚さ100nmで形成し、エポキシ樹脂接着剤により素子を封止した。素子評価は比較例1と同様に行い、結果を表1に示した。
[実施例1]
ガラス基板上に形成されたITO透明電極(縦1cm、横1cm、厚さ0.5mm)上に、電子受容体層としてピロメリットイミド誘導体(化合物1−5)膜を厚さ30nmで蒸着法により形成した。さらに、電子受容体層上に、ピロメリットイミド誘導体(化合物1−5)とオリゴチオフェン(化合物1−1)をそれぞれ1:5、1:1、5:1の割合(当量比)で順に混合蒸着し、それぞれの膜厚を30nmとした。さらに、これらの層上に、電子供与体層としてオリゴチオフェン(化合物1−1)の膜を厚さ30nmで蒸着法により形成した。その後電子供与体層上に蒸着法によりアルミニウム対電極を厚さ100nmで形成し、エポキシ樹脂接着剤により素子を封止した。素子評価は比較例1と同様に行い、結果を表1に示した。
[実施例2]
ガラス基板上に形成されたITO透明電極(縦1cm、横1cm、厚さ0.5mm)上に、電子受容体層としてピロメリットイミド誘導体(化合物1−5)の膜を厚さ30nmで蒸着法により形成した。さらに、電子受容体層上に、ピロメリットイミド誘導体(化合物1−5)とポリカルバゾール(化合物1−2)をそれぞれ1:5、1:1、5:1の割合(当量比)でジクロロベンゼンに溶解し、順にスピンコートし、それぞれの膜厚を30nmとした。さらに、これらの層上に、電子供与体層として、ポリカルバゾール(化合物1−2)をジクロロベンゼンに溶解し、スピンコートし、膜厚を30nmとした。すべてのスピンコートにおいて、ジクロロベンゼン中のポリマー濃度は、飽和濃度の80%とした。その後、電子供与体層上に蒸着法によりアルミニウム対電極を厚さ100nmで形成し、エポキシ樹脂接着剤により素子を封止した。素子評価は比較例1と同様に行い、結果を表1に示した。
[実施例3]
ガラス基板上に形成されたITO透明電極(縦1cm、横1cm、厚さ0.5mm)上に、電子受容体層としてナフトイミド誘導体(化合物1−6)の膜を厚さ30nmで蒸着法により形成した。さらに、電子受容体層上に、ナフトイミド誘導体(化合物1−6)とポリカルバゾール(化合物1−2)をそれぞれ1:5、1:1、5:1の割合(当量比)でジクロロベンゼンに溶解し、順にスピンコートし、それぞれの膜厚を30nmとした。さらに、これらの層上に、電子供与体層として、ポリカルバゾール(化合物1−2)をジクロロベンゼンに溶解し、スピンコートし、膜厚を30nmとした。すべてのスピンコートにおいて、ジクロロベンゼン中のポリマー濃度は、飽和濃度の80%とした。その後、電子供与体層上に蒸着法によりアルミニウム対電極を厚さ100nmで形成し、エポキシ樹脂接着剤により素子を封止した。素子評価は比較例1と同様に行い、結果を表1に示した。
[実施例4]
ガラス基板上に形成されたITO透明電極(縦1cm、横1cm、厚さ0.5mm)上に、電子受容体層としてナフトイミド誘導体(化合物1−6)の膜を厚さ30nmで蒸着法により形成した。さらに、電子受容体層上に、ナフトイミド誘導体(化合物1−6)とポリフェニレンビニレン(化合物1−3)をそれぞれ1:5、1:1、5:1の割合(当量比)でジクロロベンゼンに溶解し、順にスピンコートし、それぞれの膜厚を30nmとした。さらに、これらの層上に、電子供与体層として、ポリフェニレンビニレン(化合物1−3)をジクロロベンゼンに溶解し、スピンコートし、膜厚を30nmとした。すべてのスピンコートにおいて、ジクロロベンゼン中のポリマー濃度は、飽和濃度の80%とした。その後、電子供与体層上に蒸着法によりアルミニウム対電極を厚さ100nmで形成し、エポキシ樹脂接着剤により素子を封止した。素子評価は比較例1と同様に行い、結果を表1に示した。
[実施例5]
ガラス基板上に形成されたITO透明電極(縦1cm、横1cm、厚さ0.5mm)上に、電子受容体層としてポルフィリン誘導体(化合物1−7)の膜を厚さ30nmで蒸着法により形成した。さらに、電子受容体層上に、ポルフィリン誘導体(化合物1−7)とポリフェニレンビニレン(化合物1−3)をそれぞれ1:5、1:1、5:1の割合(当量比)でジクロロベンゼンに溶解し、順にスピンコートし、それぞれの膜厚を30nmとした。さらに、これらの層上に、電子供与体層として、ポリフェニレンビニレン(化合物1−3)をジクロロベンゼンに溶解し、スピンコートし、膜厚を30nmとした。すべてのスピンコートにおいて、ジクロロベンゼン中のポリマー濃度は、飽和濃度の80%とした。その後、電子供与体層上に蒸着法によりアルミニウム対電極を厚さ100nmで形成し、エポキシ樹脂接着剤により素子を封止した。素子評価は比較例1と同様に行い、結果を表1に示した。
[実施例6]
ガラス基板上に形成されたITO透明電極(縦1cm、横1cm、厚さ0.5mm)上に、電子受容体層としてポルフィリン誘導体(化合物1−7)の膜を厚さ30nmで蒸着法により形成した。さらに、電子受容体層上に、ポルフィリン誘導体(化合物1−7)とポリチオフェン(化合物1−4)をそれぞれ1:5、1:1、5:1の割合(当量比)でジクロロベンゼンに溶解し、順にスピンコートし、それぞれの膜厚を30nmとした。さらに、これらの層上に、電子供与体層として、ポリチオフェン(化合物1−4)をジクロロベンゼンに溶解し、スピンコートし、膜厚を30nmとした。すべてのスピンコートにおいて、ジクロロベンゼン中のポリマー濃度は、飽和濃度の80%とした。その後、電子供与体層上に蒸着法によりアルミニウム対電極を厚さ100nmで形成し、エポキシ樹脂接着剤により素子を封止した。素子評価は比較例1と同様に行い、結果を表1に示した。
[実施例7]
ガラス基板上に形成されたITO透明電極(縦1cm、横1cm、厚さ0.5mm)上に、電子受容体層としてフラーレン誘導体(化合物1−8)の膜を厚さ30nmで蒸着法により形成した。さらに、電子受容体層上に、フラーレン誘導体(化合物1−8)とポリチオフェン(化合物1−4)をそれぞれ1:5、1:1、5:1の割合(当量比)でジクロロベンゼンに溶解し、順にスピンコートし、それぞれの膜厚を30nmとした。さらに、これらの層上に、電子供与体層として、ポリチオフェン(化合物1−4)をジクロロベンゼンに溶解し、スピンコートし、膜厚を30nmとした。すべてのスピンコートにおいて、ジクロロベンゼン中のポリマー濃度は、飽和濃度の80%とした。その後、電子供与体層上に蒸着法によりアルミニウム対電極を厚さ100nmで形成し、エポキシ樹脂接着剤により素子を封止した。素子評価は比較例1と同様に行い、結果を表1に示した。
Figure 0005040057
表1で、比較例1と比較例2を比較すると、電子受容体と電子供与体の2層構造の膜を、電子受容体と電子供与体の混合膜にすることにより、作製直後の光電流値が1.4倍と多少増加したが、また1ヵ月後の光電流値は、比較例1,2ともに作製直後の光電流値と比べ、大きな減少が見られた。比較例1,2と実施例1を比べると、濃度勾配を有する多層膜にすることで、作製直後の光電流値が8〜11倍と著しい増加が見られた(光電流値は光電変換率と比例関係にあるため、光電変換効率も8〜11倍増加)。
さらに実施例2では光電変換層の安定性を上げるために、電子供与体材料を低分子化合物ではなく導電性高分子化合物を用いて素子評価を行った。実施例1と実施例2を比較すると、電子供与体材料を低分子化合物であるオリゴチオフェン(化合物1−1)から導電性高分子化合物であるポリカルバゾール(化合物1−2)にすることにより、作製直後の光電流値は1.2倍と増加し、特に1ヵ月後の光電流値に関しては、8.4倍と著しく増加し、作製直後の光電流値と同じ値となり全く劣化がみられなくなった。
次に実施例2と実施例3を比較すると、電子受容体材料をπ共役系化合物(ここで言うπ共役系化合物とは芳香族π電子を7以上有する有機化合物)であるナフトイミド誘導体(化合物1−6)にすることにより、作製直後の光電流値は1.7倍に増加した。また、実施例3と実施例4を比較すると、電子供与体材料である導電性高分子化合物をポリカルバゾール(化合物1−2)からポリフェニレンビニレン(化合物1−3)にすることにより、作製直後の光電流値は3.1倍に増加した。実施例には特に示さなかったが、ポリフェニレンビニレン誘導体(化合物1−3)以外に、化8〜15に示したポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリ(チオフェンビニレン)およびその誘導体、ポリアセチレンおよびその誘導体、ポリピロールおよびその誘導体、ポリフルオレンおよびその誘導体、ポリアニリンおよびその誘導体についても同様に作製直後の光電流値の増加傾向が観測された。
次に実施例4と実施例5を比較すると、電子受容体材料をナフトイミド誘導体(化合物1−6)からさらにπ共役系の大きな(芳香族π電子の多い)化合物であるポルフィリン誘導体(化合物1−7)にすることにより、作製直後の光電流値は1.3倍に増加した。ここで実施例には特に示しめしていないものも多いが、ポルフィリン誘導体(化合物1−7)以外に、化3〜6に示したポルフィリンおよびその誘導体、フラーレンおよびその誘導体、カーボンナノチューブおよびその誘導体、フタロシアニンおよびその誘導体についても同様に作製直後の光電流値の増加傾向が観測された。また実施例5と実施例6を比較すると、電子供与体材料をポリフェニレンビニレン(化合物1−3)から光照射波長550nmにより感度をもつポリチオフェン(化合物1−4)にすることにより、作製直後の光電流値は1.3倍に増加した。実施例には特に示さなかったが、実施例に用いたポリチオフェン(化合物1−4)以外に、化9に示したポリチオフェンおよびその誘導体についても、同様に光電流値の増加傾向が観測された。
さらに実施例6と実施例7を比較すると、電子受容体材料をポルフィリン誘導体(化合物1−7)から、より広いπ共役系を有し、且つ剛直な3次元構造をもつフラーレン誘導体(化合物1−8)にすることにより、電荷分離状態がより安定化され、素子作製直後の光電流値は2.1倍に増加した。ここで実施例には特に示さなかったが、フラーレン誘導体(化合物1−8)以外に、化3に示したフラーレンおよびその誘導体についても同様に素子作製直後の光電流値の増加が観測された。
次に本発明における放射線画像検出器の実施例を詳述する。実施例に用いた電子供与体および電子受容体の構造を化7に示した。
[比較例3]
1)素子について
実施例に用いた放射線画像検出器の一部断面図を図6に示した。第1層のシンチレータには、セシウムアイオダイド(CsI:Tl)を用い、厚さを400μmとした。第2層の光電変換層については、透明電極にITOを用い、厚さを100nmとした。透明電極上に電子受容体層としてピロメリットイミド誘導体(化合物1−5)の膜を厚さ75nmで蒸着法により形成した。さらに、電子受容体層上に電子供与体層としてオリゴチオフェン(化合物1−1)の膜を厚さ75nmで蒸着法により形成した。導電層にはアルミニウムを用い厚さ250nmとした。第3層については、アモルファスシリコンを用い、前述の薄膜トランジスタ(TFT)を形成した。第4層については、ポリエチレンテレフタレート(PET)を用いた。
2)素子の評価
図6に示すように、前記素子の第1層のシンチレータ側からX線(50kV)照射を行い、第3層の薄層トランジスタからの信号値を素子の作製直後と、素子を作製してから1カ月後に測定した。表2に比較例および実施例8〜14における作製直後の相対信号値と1ヵ月後の相対信号値を示した(尚、相対信号値とは、比較例3の作製直後に測定した信号値を1とした相対値である。)。
[比較例4]
実施例に用いた放射線画像検出器の一部断面図を図6に示した。第1層のシンチレータには、セシウムアイオダイド(CsI:Tl)を用い、厚さを400μmとした。第2層の光電変換層については、透明電極にITOを用い、厚さを100nmとした。透明電極上にピロメリットイミド誘導体(化合物1−5)とオリゴチオフェン(化合物1−1)を1:1の割合(当量比)で混合蒸着し、厚さ150nmの均一な膜を形成した。導電層にはアルミニウムを用い厚さ250nmとした。第3層については、アモルファスシリコンを用い、前述の薄膜トランジスタ(TFT)を形成した。第4層については、ポリエチレンテレフタレート(PET)を用いた。
[実施例8]
実施例に用いた放射線画像検出器の一部断面図を図6に示した。第1層のシンチレータには、セシウムアイオダイド(CsI:Tl)を用い、厚さを400μmとした。第2層の光電変換層については、透明電極にITOを用い、厚さを100nmとした。透明電極上に電子受容体層としてピロメリットイミド誘導体(化合物1−5)膜を厚さ30nmで蒸着法により形成した。さらに、電子受容体層上に、ピロメリットイミド誘導体(化合物1−5)とオリゴチオフェン(化合物1−1)をそれぞれ1:5、1:1、5:1の割合(当量比)で順に混合蒸着し、それぞれの膜厚を30nmとした。さらに、これらの層上に、電子供与体層としてオリゴチオフェン(化合物1−1)の膜を厚さ30nmで蒸着法により形成した。導電層にはアルミニウムを用い、厚さ250nmとした。第3層については、アモルファスシリコンを用い、前述の薄膜トランジスタ(TFT)を形成した。第4層については、ポリエチレンテレフタレート(PET)を用いた。素子評価は比較例3と同様に行い、結果を表2に示した。
[実施例9]
実施例に用いた放射線画像検出器の一部断面図を図6に示した。第1層のシンチレータは、セシウムアイオダイド(CsI:Tl)を用い、厚さを400μmとした。第2層の光電変換層については、透明電極にITOを用い、厚さを100nmとした。透明電極上に電子受容体層としてピロメリットイミド誘導体(化合物1−5)の膜を厚さ30nmで蒸着法により形成した。さらに、電子受容体層上に、ピロメリットイミド誘導体(化合物1−5)とポリカルバゾール(化合物1−2)をそれぞれ1:5、1:1、5:1の割合(当量比)でジクロロベンゼンに溶解し、順にスピンコートし、それぞれの膜厚を30nmとした。さらに、これらの層上に、電子供与体層として、ポリカルバゾール(化合物1−2)をジクロロベンゼンに溶解し、スピンコートし、膜厚を30nmとした。すべてのスピンコートにおいて、ジクロロベンゼン中のポリマー濃度は、飽和濃度の80%とした。導電層にはアルミニウムを用い、厚さ250nmとした。第3層については、アモルファスシリコンを用い、前述の薄膜トランジスタ(TFT)を形成した。第4層については、ポリエチレンテレフタレート(PET)を用いた。素子評価は比較例3と同様に行い、結果を表2に示した。
[実施例10]
実施例に用いた放射線画像検出器の一部断面図を図6に示した。第1層のシンチレータは、セシウムアイオダイド(CsI:Tl)を用い、厚さを400μmとした。第2層の光電変換層については、透明電極にITOを用い、厚さを100nmとした。透明電極上に電子受容体層としてナフトイミド誘導体(化合物1−6)の膜を厚さ30nmで蒸着法により形成した。さらに、電子受容体層上に、ナフトイミド誘導体(化合物1−6)とポリカルバゾール(化合物1−2)をそれぞれ1:5、1:1、5:1の割合(当量比)でジクロロベンゼンに溶解し、順にスピンコートし、それぞれの膜厚を30nmとした。さらに、これらの層上に、電子供与体層として、ポリカルバゾール(化合物1−2)をジクロロベンゼンに溶解し、スピンコートし、膜厚を30nmとした。すべてのスピンコートにおいて、ジクロロベンゼン中のポリマー濃度は、飽和濃度の80%とした。導電層にはアルミニウムを用い、厚さ250nmとした。第3層については、アモルファスシリコンを用い、前述の薄膜トランジスタ(TFT)を形成した。第4層については、ポリエチレンテレフタレート(PET)を用いた。素子評価は比較例3と同様に行い、結果を表2に示した。
[実施例11]
実施例に用いた放射線画像検出器の一部断面図を図6に示した。第1層のシンチレータは、セシウムアイオダイド(CsI:Tl)を用い、厚さを400μmとした。第2層の光電変換層については、透明電極にITOを用い、厚さを100nmとした。透明電極上に電子受容体層としてナフトイミド誘導体(化合物1−6)の膜を厚さ30nmで蒸着法により形成した。さらに、電子受容体層上に、ナフトイミド誘導体(化合物1−6)とポリフェニレンビニレン(化合物1−3)をそれぞれ1:5、1:1、5:1の割合(当量比)でジクロロベンゼンに溶解し、順にスピンコートし、それぞれの膜厚を30nmとした。さらに、これらの層上に、電子供与体層として、ポリフェニレンビニレン(化合物1−3)をジクロロベンゼンに溶解し、スピンコートし、膜厚を30nmとした。すべてのスピンコートにおいて、ジクロロベンゼン中のポリマー濃度は、飽和濃度の80%とした。導電層にはアルミニウムを用い、厚さ250nmとした。第3層については、アモルファスシリコンを用い、前述の薄膜トランジスタ(TFT)を形成した。第4層については、ポリエチレンテレフタレート(PET)を用いた。素子評価は比較例3と同様に行い、結果を表2に示した。
[実施例12]
実施例に用いた放射線画像検出器の一部断面図を図6に示した。第1層のシンチレータは、セシウムアイオダイド(CsI:Tl)を用い、厚さを400μmとした。第2層の光電変換層については、透明電極にITOを用い、厚さを100nmとした。透明電極上に電子受容体層としてポルフィリン誘導体(化合物1−7)の膜を厚さ30nmで蒸着法により形成した。さらに、電子受容体層上に、ポルフィリン誘導体(化合物1−7)とポリフェニレンビニレン(化合物1−3)をそれぞれ1:5、1:1、5:1の割合(当量比)でジクロロベンゼンに溶解し、順にスピンコートし、それぞれの膜厚を30nmとした。さらに、これらの層上に、電子供与体層として、ポリフェニレンビニレン(化合物1−3)をジクロロベンゼンに溶解し、スピンコートし、膜厚を30nmとした。すべてのスピンコートにおいて、ジクロロベンゼン中のポリマー濃度は、飽和濃度の80%とした。導電層にはアルミニウムを用い、厚さ250nmとした。第3層については、アモルファスシリコンを用い、前述の薄膜トランジスタ(TFT)を形成した。第4層については、ポリエチレンテレフタレート(PET)を用いた。素子評価は比較例3と同様に行い、結果を表2に示した。
[実施例13]
実施例に用いた放射線画像検出器の一部断面図を図6に示した。第1層のシンチレータは、セシウムアイオダイド(CsI:Tl)を用い、厚さを400μmとした。第2層の光電変換層については、透明電極にITOを用い、厚さを100nmとした。透明電極上に電子受容体層としてポルフィリン誘導体(化合物1−7)の膜を厚さ30nmで蒸着法により形成した。さらに、電子受容体層上に、ポルフィリン誘導体(化合物1−7)とポリチオフェン(化合物1−4)をそれぞれ1:5、1:1、5:1の割合(当量比)でジクロロベンゼンに溶解し、順にスピンコートし、それぞれの膜厚を30nmとした。さらに、これらの層上に、電子供与体層として、ポリチオフェン(化合物1−4)をジクロロベンゼンに溶解し、スピンコートし、膜厚を30nmとした。すべてのスピンコートにおいて、ジクロロベンゼン中のポリマー濃度は、飽和濃度の80%とした。導電層にはアルミニウムを用い、厚さ250nmとした。第3層については、アモルファスシリコンを用い、前述の薄膜トランジスタ(TFT)を形成した。第4層については、ポリエチレンテレフタレート(PET)を用いた。素子評価は比較例3と同様に行い、結果を表2に示した。
[実施例14]
実施例に用いた放射線画像検出器の一部断面図を図6に示した。第1層のシンチレータは、セシウムアイオダイド(CsI:Tl)を用い、厚さを400μmとした。第2層の光電変換層については、透明電極にITOを用い、厚さを100nmとした。透明電極上に電子受容体層としてフラーレン誘導体(化合物1−8)の膜を厚さ30nmで蒸着法により形成した。さらに、電子受容体層上に、フラーレン誘導体(化合物1−8)とポリチオフェン(化合物1−4)をそれぞれ1:5、1:1、5:1の割合(当量比)でジクロロベンゼンに溶解し、順にスピンコートし、それぞれの膜厚を30nmとした。さらに、これらの層上に、電子供与体層として、ポリチオフェン(化合物1−4)をジクロロベンゼンに溶解し、スピンコートし、膜厚を30nmとした。すべてのスピンコートにおいて、ジクロロベンゼン中のポリマー濃度は、飽和濃度の80%とした。導電層にはアルミニウムを用い、厚さ250nmとした。第3層については、アモルファスシリコンを用い、前述の薄膜トランジスタ(TFT)を形成した。第4層については、ポリエチレンテレフタレート(PET)を用いた。素子評価は比較例3と同様に行い、結果を表2に示した。
Figure 0005040057
表2で、比較例3と比較例4を比較すると、電子受容体と電子供与体の2層構造の膜を、電子受容体と電子供与体の混合膜にすることにより、作製直後の信号値が1.4倍と多少増加したが、また1ヵ月後の信号値は、比較例3,4ともに作製直後の信号値と比べ、大きな減少が見られた。比較例3,4と実施例8を比べると、濃度勾配を有する多層膜にすることで、作製直後の信号値が8〜11倍と著しい増加が見られた。
実施例9では光電変換層の安定性を上げるために、電子供与体層を低分子化合物ではなく導電性高分子化合物を用いて素子評価を行った。実施例8と実施例9を比較すると、電子供与体層を低分子化合物であるオリゴチオフェン(化合物1−1)から導電性高分子化合物であるポリカルバゾール(化合物1−2)にすることにより、作製直後の信号値は1.4倍と増加し、特に1ヵ月後の信号値に関しては、9.7倍と著しく増加し、作製直後の信号値と同じ値となり全く劣化がみられなくなった。
次に実施例9と実施例10を比較すると、電子受容体層をπ共役系化合物(ここで言うπ共役系化合物とは芳香族π電子を7以上有する有機化合物)であるナフトイミド誘導体(化合物1−6)にすることにより、作製直後の信号値は1.7倍に増加した。また、実施例10と実施例11を比較すると、電子供与体層をポリカルバゾール(化合物1−2)からポリフェニレンビニレン(化合物1−3)にすることにより、作製直後の信号値は2.8倍に増加した。実施例には特に示さなかったが、電子供与体層をポリフェニレンビニレン誘導体(化合物1−3)以外に、化8〜15に示したポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリ(チオフェンビニレン)およびその誘導体、ポリアセチレンおよびその誘導体、ポリピロールおよびその誘導体、ポリフルオレンおよびその誘導体、ポリ(p−フェニレン)およびその誘導体、ポリアニリンおよびその誘導体についても同様に作製直後の信号値の増加傾向が観測された。
次に実施例11と実施例12を比較すると、電子受容体層をナフトイミド誘導体(化合物1−6)からさらにπ共役系の大きな(芳香族π電子の多い)化合物であるポルフィリン誘導体(化合物1−7)にすることにより、作製直後の信号値は1.3倍に増加した。ここで実施例には特に示しめしていないが、電子受容体層をポルフィリン誘導体(化合物1−7)以外に、化3〜6に示したポルフィリンおよびその誘導体、フラーレンおよびその誘導体、カーボンナノチューブおよびその誘導体、フタロシアニンおよびその誘導体についても同様に作製直後の信号値の増加傾向が観測された。
また実施例12と実施例13を比較すると、電子供与体層をポリフェニレンビニレン(化合物1−3)からシンチレータの蛍光により感度をもつポリチオフェン(化合物1−4)にすることにより、作製直後の信号値は1.3倍に増加した。実施例には特に示さなかったが、電子供与体層を実施例に用いたポリチオフェン(化合物1−4)以外に、化9に示したポリチオフェンおよびその誘導体についても、同様に信号値の増加の傾向が観測された。
さらに実施例13と実施例14を比較すると、電子受容体層をポルフィリン誘導体(化合物1−7)から、より広いπ共役系を有し、且つ剛直な3次元構造をもつフラーレン誘導体(化合物1−8)にすることにより、電荷分離状態がより安定化され、素子作製直後の信号値は2.1倍に増加した。ここで実施例には特に示さなかったが、電子受容体層をフラーレン誘導体(化合物1−8)以外に、化3に示したフラーレンおよびその誘導体についても同様に素子作製直後の信号値の増加が観測された。
光電変換素子の断面図を示す図である。 光電変換素子の構成の一例を示す図である。 放射線画像検出器を用いたシステムの一例を示す図である。 放射線画像検出器の構造の一例を示す図である。 放射線画像検出器の回路構成を示す図である。 撮像パネルの一部断面図である。 有機TFTの構造を示す図である。 有機TFTの具体例を示す図である。
符号の説明
2 光電変換層
10 放射線発生器
20 射線画像検出器
21 撮像パネル
25 走査駆動回路
27 信号選択回路
30 制御回路
31 メモリ部
32 操作部
33 表示部
34 電源部
35 コネクタ
40 筐体
51 画像処理部
52 画像表示部
53 操作入力部
54 画像出力部
55 画像保存部
211 第1層
212 第2層
212a 隔膜
212b 透明電極
212c 光電変換層
212d 対電極(導電層)
213 第3層
214 第4層
220 収集電極
221 コンデンサ
222,232 トランジスタ
223 走査線
224 信号線
231 リセット線
271 信号変換器
272 レジスタ
273 A/D変換器

Claims (12)

  1. 透明電極と、前記透明電極を透過した光を吸収し電荷分離を行う光電変換層と、前記光電変換層を挟んで前記透明電極と反対側に設けられた対電極を有し、該光電変換層は、電子受容体および電子供与体を混合した複数の光電変換層を有する光電変換素子の製造方法において、前記複数の光電変換層は、それぞれ電子受容体と電子供与体の混合比が異なり、何れも電子受容体あるいは電子供与体を飽和濃度の80%以上の濃度で有機溶媒に溶解した溶液を塗布して形成することを特徴とする光電変換素子の製造方法。
  2. 前記電子受容体は、π共役系化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子の製造方法。
  3. 前記電子供与体は、導電性高分子化合物を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の光電変換素子の製造方法。
  4. 前記導電性高分子化合物は、ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリ(チオフェンビニレン)およびその誘導体、ポリアセチレンおよびその誘導体、ポリピロールおよびその誘導体、ポリフルオレンおよびその誘導体、ポリ(p−フェニレン)およびその誘導体、あるいはポリアニリンおよびその誘導体のうち、少なくとも1つを含有することを特徴とする請求項3に記載の光電変換素子の製造方法。
  5. 前記π共役系化合物は、フラーレンおよびその誘導体、カーボンナノチューブおよびその誘導体、ポルフィリンおよびその誘導体、フタロシアニンおよびその誘導体のうち、少なくとも1つを含有することを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載の光電変換素子の製造方法。
  6. 前記導電性高分子化合物は、ポリチオフェンおよびその誘導体のうち、少なくとも1つを含み、且つ前記π共役系化合物は、フラーレンおよびその誘導体のうち、少なくとも1つを含有することを特徴とする請求項3に記載の光電変換素子の製造方法。
  7. 入射した放射線の強度に応じた発光を行う第1層と、前記第1層から出力された光エネルギーを電気エネルギーに変換する第2層と、前記第2層で得られた電気エネルギーの蓄積および蓄積された電気エネルギーに基づく信号を出力する第3層と、前記第1層から第3層を保持する第4層を有する放射線画像検出器の製造方法において、前記第2層は透明電極と光電変換層を有し、前記光電変換層は、電子受容体および電子供与体を混合した複数の光電変換層を有し、前記複数の光電変換層は、それぞれ電子受容体と電子供与体の混合比が異なり、何れも電子受容体あるいは電子供与体を飽和濃度の80%以上の濃度で有機溶媒に溶解した溶液を塗布して形成されことを特徴とする放射線画像検出器の製造方法。
  8. 前記電子受容体は、π共役系化合物を含有することを特徴とする請求項7に記載の放射線画像検出器の製造方法。
  9. 前記電子供与体は、導電性高分子化合物を含有することを特徴とする請求項7又は8に記載の放射線画像検出器の製造方法。
  10. 前記導電性高分子化合物は、ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリ(チオフェンビニレン)およびその誘導体、ポリアセチレンおよびその誘導体、ポリピロールおよびその誘導体、ポリフルオレンおよびその誘導体、ポリ(p−フェニレン)およびその誘導体、あるいはポリアニリンおよびその誘導体のうち、少なくとも1つを含有することを特徴とする請求項9に記載の放射線画像検出器の製造方法。
  11. 前記π共役系化合物は、フラーレンおよびその誘導体、カーボンナノチューブおよびその誘導体、ポルフィリンおよびその誘導体、フタロシアニンおよびその誘導体のうち、少なくとも1つを含有することを特徴とする請求項8〜10の何れか1項に記載の放射線画像検出器の製造方法。
  12. 前記導電性高分子化合物は、ポリチオフェンおよびその誘導体のうち、少なくとも1つを含み、且つπ共役系化合物は、フラーレンおよびその誘導体のうち、少なくとも1つを含有することを特徴とする請求項11に記載の放射線画像検出器の製造方法。
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