JPWO2008155973A1 - 光電変換素子、光電変換素子の製造方法、イメージセンサおよび放射線画像検出器 - Google Patents

光電変換素子、光電変換素子の製造方法、イメージセンサおよび放射線画像検出器 Download PDF

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Abstract

本発明は、有機材料を用いながら暗電流の少ない光電変換素子、光電変換素子の製造方法、イメージセンサおよび放射線画像検出器を提供する。かかる光電変換素子の製造方法は、支持基板の上に透明電極を形成する工程と、溶媒に有機半導体材料を溶解させて有機半導体溶液を作製する工程と、有機半導体溶液を塗布する工程と、光電変換素子が形成された支持基板を一定時間加熱するアニール処理工程と、を有し、有機半導体溶液の溶解度をB(質量%)、アニール処理工程で加熱するアニール温度をT(℃)とすると、溶解度Bとアニール温度Tは、0.05≦B≦2.0、100≦T≦180または、2.0≦B≦2.9、100+55.56×(B−2.0)≦T≦180を満たす。

Description

光電変換素子、光電変換素子の製造方法、イメージセンサおよび放射線画像検出器に関する。
グレッツェルらは酸化チタンなどの透明電極上に光電変換機能を有する有機色素の膜を形成することにより、アモルファスシリコン光電変換素子に近い性能を有する色素増感型光電変換素子(グレッツェルセル)を報告している(非特許文献1参照。)。
また、近年、ナノテクノロジーの手法を用いて、フラーレンを有する単分子膜を用いた色素増感型光電変換素子についても報告されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
これら色素増感型光電変換素子は、対電極との電気的接合を液体レドックス電解質によって行う湿式太陽電池であるため、長期にわたって使用すると電解液の枯渇により光電変換機能が著しく低下してしまい、光電変換素子として機能しなくなってしまうことが懸念される。また電解液を用いない有機材料による光電変換素子として、透明電極と対電極との間に電子供与体と電子受容体を混合した層を形成したバルクへテロ接合型光電変換素子、あるいは透明電極と対電極との間に電子供与体層と電子受容体層を挟んだヘテロ接合型(積層型)光電変換素子が提案されている(特許文献3参照。)。
これらの光電変換素子の動作原理は、光励起により電子供与体(あるいは電子供与体層)から電子受容体(あるいは電子受容体層)への電子の移動により正孔と電子が発生し、内部電界により正孔は電子供与体間(あるいは電子供与体層)を通り一方の電極に運ばれ、電子は電子受容体間(あるいは電子受容体層)を通りもう一方の電極へ運ばれ、光電流が観測されるというものである。しかしながら、前者の透明電極と対電極との間に電子供与体と電子受容体を一様に混合した層を形成した光電変換素子では、電子受容体と電子供与体が均一に混在しているため、電荷分離後により発生した電子と正孔が電荷輸送中に再結合し易く、これが光電変換効率を下げる要因となっている。また後者の透明電極と対電極との間に電子供与体層と電子受容体層を挟んだ光電変換素子では、電子供与体層と電子受容体層の界面でのみ、電荷分離を行うため、電荷発生量が非常に少なく、光電変換効率が低い。
次に前記光電変換素子を応用したX線画像検出器について説明する。アモルファスシリコン光電変換素子は、太陽電池や複写機の感光ドラムとしての応用以外に、フラットパネル型の放射線ディテクタ(FPD)として医療分野でも応用されている。また有機材料による光電変換素子においても、FPDへの応用が提案されている(特許文献4参照。)。
FPDとはデジタル式X線画像検出器の一種で、放射線画像をデジタル信号として読み出し、放射線写真フィルム(レントゲンフィルムなど)を用いずに、パソコンなどのモニターで診断することができるといったシステムである。FPDには、光電変換素子がX線を直接吸収し光電変換するもの(直接型FPD)と、蛍光体によってX線を蛍光に変換し、その蛍光を光電変換素子が吸収して光電変換するもの(間接型FPD)があり、前記アモルファスシリコン光電変換素子や有機材料による光電変換素子は、後者の間接型FPDに用いられる。
アモルファスシリコン光電変換素子を用いた間接型FPDの利点は、従来のアナログシステムに匹敵するほどの高画質の画像が得られることであるが、アモルファスシリコン光電変換素子は、アモルファスシリコンなどの無機半導体物質を薄膜トランジスタ(TFT)上に微細加工する必要があり、非常に高度な技術と設備を要するため、製品価格が非常に上昇してしまうという問題がある。
一方、有機材料を用いた光電変換素子は、有機物を用いるため加工が非常に容易であり、製品価格が非常に安くなるといった利点があり、近年注目されている。
特開2000−261016号公報 特開2002−94146号公報 特表2002−502129号公報 特開2003−50280号公報 Journal of the American Chemical Society 115(1993)6382
しかしながら、有機材料を用いた光電変換素子はアモルファスシリコン光電変換素子と比べて暗電流が多く、より高画質の画像を得るためには暗電流を低減する必要がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、有機材料を用いながら光電流が多く暗電流の少ない光電変換素子、光電変換素子の製造方法、イメージセンサおよび放射線画像検出器を提供することを目的とする。
上記目的は、下記の1乃至4のいずれか1項に記載の発明によって達成される。
1.少なくとも支持基板の上に透明電極と、
有機半導体からなる光電変換層と、
前記光電変換層を挟んで前記透明電極と反対側に設けられた対電極と、
を有する光電変換素子の製造方法において、
前記支持基板の上に前記透明電極を形成する工程と、
溶媒に有機半導体材料を溶解させて有機半導体溶液を作製する工程と、
前記有機半導体溶液を塗布する工程と、
前記有機半導体溶液を塗布した前記支持基板を乾燥させて前記光電変換層を形成する工程と、
前記光電変換層の上に前記対電極を形成する工程とを行った後、
前記支持基板を一定時間加熱するアニール処理工程と、
を有し、
前記有機半導体溶液の溶解度をB(質量%)、前記アニール処理工程で加熱するアニール温度をT(℃)とすると、
溶解度Bとアニール温度Tは、
0.05≦B≦2.0
100≦T≦180
または、
2.0≦B≦2.9
100+55.56×(B−2.0)≦T≦180
を満たすことを特徴とする光電変換素子の製造方法。
2.前記1に記載の光電変換素子の製造方法を用いて製造したことを特徴とする光電変換素子。
3.前記2に記載の光電変換素子を含む画素が、支持基板の上にマトリクス状に複数形成されていることを特徴とするイメージセンサ。
4.前記3に記載のイメージセンサと、
放射線を可視光に変換する蛍光体からなるシンチレータ層と、を有し、
前記シンチレータ層は、前記イメージセンサの前記画素に前記可視光が入射するように配設されていることを特徴とする放射線画像検出器。
本発明によれば、製造に用いる有機半導体溶液の溶解度と、アニール処理工程のアニール温度を最適な条件に設定するので、光電流が多く暗電流の少ない光電変換素子、光電変換素子の製造方法、イメージセンサおよび放射線画像検出器を提供することができる。
本発明の実施形態に係わるバルクへテロ接合型の光電変換素子の製造工程を説明するための支持基板の断面図である。 本発明の実施形態に係わる光電変換素子81の特性評価方法を説明するための説明図である。 実施例の光電変換素子81を製造するための、溶解度Bとアニール温度Tの設定条件を説明するグラフである。 本発明の実施形態に係わる放射線画像検出器22の構造の一例を示す説明図である。 本発明の実施形態に係わる放射線画像検出器22を模式的に示す回路図である。 本発明の実施形態に係わるイメージセンサ20の製造工程を説明するための支持基板断面図。 実施例1、比較例1の実験結果のグラフである。 実施例2、比較例2の実験結果のグラフである。 実施例3、比較例3の実験結果のグラフである。 実施例4、比較例4の実験結果のグラフである。
符号の説明
1 支持基板
2 ゲート電極
5 活性層
7 ゲート絶縁層
8 ソース
9 ドレイン
20 イメージセンサ
22 放射線画像検出器
40 筐体
100 透明電極
101 光電変換層
102 上部電極
103 保護膜
104 正孔輸送層
112 パッシベーション層
131 シンチレータ
133 保護膜
以下、本発明の実施形態を図1を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係わるバルクへテロ接合型の光電変換素子の製造工程を説明するための支持基板の断面図である。
図1(1−a)、図1(2−a)、図1(3−a)、図1(4−a)は、支持基板1を上面から見た平面図である。図1(1−b)、図1(2−b)、図1(3−b)、図1(4−b)は、それぞれ支持基板1を図1(1−a)、図1(2−a)、図1(3−a)、図1(4−a)の断面A−A’で切断した断面図である。
図1(4−a)、図1(4−b)は、本発明の光電変換素子81の断面構成を示している。図1の1は透明な絶縁性の支持基板、100はITO、SnO2等の透明導電性材料からなる透明電極、104は有機材料からなる正孔輸送層、101は有機半導体材料からなる光電変換層、102はアルミなど金属材料からなる対電極、である。
図1(4−b)の矢印Lは光電変換素子81に入射する光束の方向を示している。
本発明に係る光電変換素子81の製造方法の一例として、次の工程S1〜S8を説明する。
S1・・・・・透明電極100を形成する工程。
S2・・・・・正孔輸送層104を形成する工程。
S3・・・・・溶媒に有機半導体材料を溶解させ有機半導体溶液を作製する工程。
S4・・・・・有機半導体溶液を塗布する工程。
S5・・・・・有機半導体溶液を塗布した支持基板1を乾燥させて光電変換層を形成する工程。
S6・・・・・対電極102を形成する工程。
S7・・・・・支持基板1を一定時間加熱するアニール処理工程。
以下、各工程について順に説明する。
S1・・・・・透明電極100を形成する工程。
図1(1−a)、図1(1−b)に示すように、支持基板1上に透明電極100を形成する。本発明において、支持基板1は透明な絶縁性の材料であれば特に材料を限定されない。例えば低融点ガラスやPEN、PES、PC、TACなどのフィルム基板を用いることができる。
透明電極100とは、光電変換される光を透過する電極を言い、好ましくは300〜800nmの光を透過する電極である。材料としては、例えば、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO2、ZnO等の透明導電性金属酸化物、金、銀、白金などの金属薄膜、導電性高分子を用いることが好ましいが、これに限定されるものではない。
透明電極100の膜厚t1はシンチレータ131の発光する光を70%以上透過するよう500nm以下が望ましい。一方、透明電極100の導電性を確保するため10nm以上の厚みは必要である。したがって、透明電極100の膜厚t1は10nm≦t1≦500nmにすることが望ましい。
また、ITO、IZO、SnO、ZnOなどの透明電極を用いることもできる。製造方法は、目的の形状にパターニングすることのできるマスク蒸着法、フォトリソグラフィー法、各種印刷法が利用できる。
S2・・・・・正孔輸送層104を形成する工程。
図1(2−a)、図1(2−b)に示すように、例えば、PEDOT/PSS(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリスチレンスルホネート)などの有機導電材料を材料として、スピンコート法を用いて支持基板1上に形成する。その後、オーブンで加熱し乾燥させる。
S3・・・・・溶媒に有機半導体材料を溶解させ有機半導体溶液を作製する工程。
電子受容性有機材料と電子供与性有機材料を混合した有機材料を溶媒の入った容器に混合し、超音波振動を与えて溶解させ所定の溶解度Bの有機半導体溶液を作製する。電子受容性有機材料として例えば、PCBM(ブチリックアシッドメチルエステル)、PCBNB(Pheny C61−butyric acid n−butyl ester)、電子供与性有機材料としてP3HT(ポリ−3−ヘキシルチオフェン)などを用いることができる。溶媒は、例えばPEGMEA(Poly(ethylene glycol monomethy ether acrylate))、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、クロロホルム、またはこれらの溶媒の混合液などを用いることができる。
所定の溶解度Bの条件については後に詳しく説明する。所定の溶解度Bの有機半導体溶液は例えば下記の工程で作製できる。
S3−1・・・所望の質量比N:Mの割合で電子受容性有機材料と電子供与性有機材料を混合する。
S3−2・・・溶媒の入った容器に、所定の溶解度Bの質量比で工程S3−1で混合した有機半導体材料を混合する。例えば所定の溶解度Bが5質量%、溶媒の質量100gとすると、溶媒の入った容器に有機半導体材料を5g投入する。
S3−4・・・常温の環境下で、溶媒に超音波振動を5分間印加し、その後60分間放置する。
S3−5・・・溶媒に有機半導体材料が溶解しているか、否かを確認する。溶解していれば溶解度は所定の5質量%である。
溶解していない場合は、溶媒を変更して所定の5質量%で溶解するまで同じ手順を繰り返す。
溶媒に有機半導体材料が溶解していない場合、その溶媒の溶解度の最大値は次の手順で求めることができる。
A1・・・・・溶媒に有機半導体材料が溶解していない場合は、溶媒中の有機半導体材料が0.01質量%減少する割合で溶媒を加えた後、常温の環境下で、溶媒に超音波振動を5分間印加し、その後60分間放置する。
A2・・・・・溶媒に有機半導体材料が溶解しているか、否かを確認する。溶解していればそのときの溶解度が最大値である。
S4・・・・・有機半導体溶液を塗布する工程。
例えば、スピンコート、インクジェット法などを用いて有機半導体溶液を正孔輸送層104の上に塗布する。
S5・・・・・有機半導体溶液を塗布した支持基板1を乾燥させて光電変換層101を形成する工程。
有機半導体溶液を塗布した支持基板1を、窒素雰囲気下で乾燥温度P℃に設定したオーブンで30分加熱し、有機半導体溶液を乾燥させて図1(3−a)、(3−b)のように光電変換層101を形成する。乾燥温度P℃は溶媒を十分に揮発できる温度であれば、半導体が溶解しない範囲で何℃でも良い。例えば、溶媒を十分に揮発できるのであれば室温でも良い。
なお、電子受容性有機材料と電子供与性有機材料は、これらの例に限定されるものではなく、例えば特開2005−32793号公報に開示されている各種材料を用いることができる。また、本実施形態では平坦化と正孔を輸送する目的で正孔輸送層104を形成する例を説明したが、必ずしも必須ではなく正孔輸送層104を形成しない光電変換素子にも本発明を適用できる。
さらに、本発明の適用はバルクへテロ型の光電変換層に限定されるものではなく、例えば特開2005−32793号公報に開示されている電子受容性有機材料からなる層と電子供与性有機材料からなる層を積層したスタック型の光電変換層を形成しても良い。
S6・・・・対電極102を形成する工程。
光電変換層101の上に図1(4−a)、(4−b)のように対電極102を形成する。対電極102は、メタルマスクを用いて、例えばAl、Ag、Au、Ptなどの金属材料を蒸着して形成する。
S7・・・・・支持基板1を一定時間加熱するアニール処理工程。
工程S6の対電極102を形成する工程で光電変換層の上に蒸着した金属材料は、光電変換層との界面で十分な接合界面になっていない。第2のアニール処理を行うことにより対電極102と光電変換層101の接合界面を改善する。
S6までの工程を終えた支持基板1を、窒素雰囲気下でアニール温度T℃に設定したオーブンで30分加熱し、第2のアニール処理を行う。アニール温度T℃の設定条件は後に詳しく説明する。
これまでの工程で透明電極100、正孔輸送層104、光電変換層101、対電極102から構成される光電変換素子81が作製できた。
この後、上部電極102の上層に保護膜として、例えばポリイミドをスピンコート法で形成する。
以上でバルクへテロ接合型の光電変換素子81の製造工程は終了である。
次に、このようにして製造した光電変換素子81の特性評価方法について説明する。図2は、本発明の実施形態に係わる光電変換素子81の特性評価方法を説明するための説明図である。
特性評価時は、図2のように対電極102を接地し、対電極102と透明電極100との間に電流計200と電源210を直列に接続する。透明電極100には負の電圧が印加される。矢印Lは光束であり、一定の光量を透明電極100から照射して光電流iを測定する。また、同じバイアス条件で遮光して暗電流idを測定する。
イメージセンサや放射線画像検出器などに用いる光電変換素子81の光電変換特性は、一定の光量を照射したときの光電流iが多く、遮光時の暗電流が少ない特性が要求されている。具体的には下記の測定条件で、光電流iは10(μA/cm2)以上、光電流iと暗電流idの比Xが104を満たす光電変換素子81が求められている。
光電流を測定する条件は次の通りである。
光電変換素子81に印加する電圧は、対電極102の電位を0Vとし、透明電極100の電圧を−2Vに設定する。
光源:主波長550nmのLEDを用い図2の矢印L方向から照射する。
光量:1.69×10-4[W/cm2
電流計200により光電流iを測定する。
暗電流idの測定時も、対電極102の電位を0Vとし、透明電極100の電圧を−2Vに設定する。光電変換素子81を遮光し、暗電流idを測定する。
次に、上述のような特性を満足する光電変換素子81の製造条件について説明する。
図3は、上述のような特性の光電変換素子81を製造するための、溶解度Bとアニール温度Tの設定条件を説明するグラフである。
図3の横軸は工程S3で作製する有機半導体溶液の溶解度B(質量%)、縦軸は工程S7のアニール処理工程で設定するアニール温度T(℃)である。図3の斜線で示す範囲内の条件で製造することにより、光電流iは10(μA/cm2)以上、光電流iと暗電流idの比Xが104を満たす光電変換素子81を製造することができる。
すなわち、下記の条件を満たす溶解度B、アニール温度T(℃)に設定することにより、光電流が多く暗電流の少ない光電変換素子を製造することができる。
式(1)と式(2)を満たす条件に設定する。
0.05≦B≦2.0・・・・・(1)
100≦T≦180・・・・・・(2)
または、式(3)と式(4)を満たす条件に設定する。
2.0≦B≦2.9・・・・・・・・・・・・・・・・・・(3)
100+55.56×(B−2.0)≦T≦180・・・・・(4)
次に、透明な支持基板の上にシンチレータを形成し、その上に2次元マトリックス状に読み出し用薄膜トランジスタ(以下、薄膜トランジスタはTFTと称する。)とバルクへテロ接合型の光電変換素子を形成したイメージセンサを有する放射線画像検出器について説明する。
図4は、本発明の実施形態に係わる放射線画像検出器22の構造の一例を示す説明図である。
放射線画像検出器22は、イメージセンサ20、ゲートドライバIC6、読み出しIC87、制御回路30、メモリ部31、操作部32、表示部33、コネクタ35、筐体40を有している。イメージセンサ20は、照射された放射線の強度に応じて蓄積された電気エネルギーを生成するものであり、生成された電気エネルギーはゲートドライバIC6により読み出され、読み出しIC87により画像信号として出力される。出力された画像信号は、書き換え可能な読み出し専用メモリ(例えばフラッシュメモリ)等を用いてメモリ部31に記憶される。また放射線画像検出器22の動作は、制御回路30で制御され、操作部32により動作が切り替えられる。
表示部33は、画像の撮影準備が完了したことと、メモリ部31に所定量の画像信号が書き込まれたことを示すものである。また、イメージセンサ20を駆動して画像信号を得るために必要とされる電力を供給する図示せぬ電源部を有している。コネクタ35は、放射線画像検出器22と画像処理部51間で通信を行うためのものである。筐体40の内部やゲートドライバIC6、読み出しIC87、制御回路30、メモリ部31等は、図示していない放射線遮蔽部材で覆われている。放射線遮蔽部材により筐体40の内部で放射線の散乱、各回路へ放射線照射が防止される。
また筐体40としては、外部からの衝撃に耐え、かつ質量ができるだけ軽い素材、例えば、アルミニウムあるいはその合金であることが好ましい。筐体40の放射線入射面側は、放射線を透過し易い非金属例えばカーボン繊維などを用いて構成する。また、放射線入射面とは逆である背面側においては、放射線が放射線画像検出器22を透過してしまうことを防ぐ目的、あるいは放射線画像検出器22を構成する素材が放射線を吸収することで生ずる2次放射線からの影響を防ぐために、放射線を効果的に吸収する材料、例えば鉛板などを用いることは好ましい実施態様である。
次に、図5を用いてイメージセンサ20の回路動作について説明する。
図5(a)において、81は光電変換素子、82は読み出し用のTFTであり、読み出し用のTFT82のソースはソースバス4a,4b,・・・4cへ接続され、ドレインは光電変換素子81のカソードに接続され、ゲートはゲートバス3a,3b,・・・3cへ接続されている。光電変換素子81のアノードはバイアス線5に接続され、バイアス線5はバイアス電源8に接続され、負のバイアス電圧が印加されている。ゲートバス3a,3b,・・・3cは、それぞれゲートドライバIC6の出力端子G1,G2,・・・GNに接続され、ソースバス4a,4b,・・・4cは、それぞれ読み出しIC87の出力端子S1,S2,・・・SMに接続されている。このイメージセンサ20は、光電変換素子81および読み出し用のTFT82のそれぞれ1個の組み合わせで1つの画素を形成し、合わせてN行×M列の画素を有している。
図5には図示せぬシンチレータ層131は、放射線を変換した可視光がこれらの各画素に入射するように配設されている。シンチレータ層131については後に詳しく説明する。
ゲートドライバIC6はその出力端子G1,G2,・・・GNにゲートバス3a,3b,・・・3cが接続されており、正の電圧を順に出力しゲートバス3a,3b,・・・3cを走査する。読み出しIC87はその出力端子S1,S2,・・・SMにソースバス4a,4b,・・・4cが接続されており、正の電圧を出力する。また、読み出しIC87の出力端子S1,S2,・・・SMには、それぞれ電荷−電圧変換回路を備えており、ソースバス4a,4b,・・・4cに流れ出した電荷の量を電圧に変換する機能を有している。
放射線画像検出器22の動作を、図5(a)に示す回路図、及び図5(b)に示すタイミングチャートを用いて説明する。図5(b)で11,12,13は、それぞれゲートドライバIC6の出力端子G1,G2,・・・GNの電圧を示す。ゲートバス3a,3b,・・・3cがハイになるとそのゲート線に接続されているTFT82がすべてオン状態となる。
このとき、読み出しIC87の出力端子S1,S2,・・・SMからは正の電圧がソースバス4a,4b,・・・4cに出力されているため、オンしたTFT82に接続されている光電変換素子81は逆バイアスされ、光電変換素子81の容量には電荷が充電される。
このとき光電変換素子81に流れ込む充電電流、すなわち読み出しIC87の出力端子S1,S2,・・・SMからソースバス4a,4b,・・・4cに流れ込む電荷は、読み出しIC87で電荷−電圧変換され、電圧として読み出される。ゲートバス3a,3b,・・・3cがロウになると、そのゲート線に接続されているTFT82はすべてオフし、そのTFT82に接続されている光電変換素子81の充電された電荷は保持される。
図5(b)で初期化走査と示された期間は、放射線像の撮影に備えて、すべての光電変換素子81を充電するための走査期間である。図5(b)の14は放射線の曝射を示し、ハイになっている期間が放射線の曝射が行われている期間を示す。図5(b)に示すように、放射線の曝射は、放射線画像検出器22の初期化走査の終了後に行われる。放射線が曝射されると、放射線の照射を受けたシンチレータ131が蛍光を発し、この蛍光を受光した光電変換素子81は、その中で電子−ホール対が発生し、充電されていた電荷を放電する。このため、光電変換素子81に充電されていた電荷は、受光量に応じて発生した電子−ホール対の分だけ減少する。
放射線の曝射に続いて、図5(b)に示す読み出し走査が行われる。読み出し走査の時、読み出しIC87から読み出される電荷−電圧変換された電圧は、放射線曝射の時、光電変換素子81から放電により消滅した電荷に相当する。従って、蛍光体層に入射した放射線による画像が、電圧として二次元的に読み出すことができる。
図5(b)のTiは積分期間を示しており、シンチレータ131から発生した可視光による電子−ホール対がこの期間において光電変換素子81で積分される。従って、積分期間Tiは、放射線の曝射期間および蛍光体層の発光期間を含むようにするのが好ましい。
次に、図6を用いて本発明の実施形態に係わるイメージセンサ20の製造工程について順を追って説明する。なお、図1と同じ工程には同番号を付し、説明を省略する。
図6(a)〜図6(c)は、支持基板1の2画素を形成する部分の断面図である。本実施形態のイメージセンサ20では、支持基板1の上にシンチレータ131を形成し、さらにその上に図1で説明した光学素子81とTFT82を形成している。
本発明に係わるイメージセンサ20の製造方法の実施形態として、次の工程を説明する。図1で説明した工程S1〜S7については同じ工程番号を付し、説明を省略する。
P1・・・・・シンチレータ131を形成する工程。
P2・・・・・保護膜133を形成する工程。
S1・・・・・透明電極100を形成する工程。
P3・・・・・ゲート電極2、ソース線8bを形成する工程。
P4・・・・・ゲート絶縁層7を形成する工程。
P5・・・・・ソース電極8a、ドレイン電極9を形成する工程。
P6・・・・・活性層5を形成する工程。
P7・・・・・パッシベーション層112を形成する工程。
S2・・・・・正孔輸送層104を形成する工程。
S3・・・・・溶媒に有機半導体材料を溶解させ有機半導体溶液を作製する工程。
S4・・・・・有機半導体溶液を塗布する工程。
S5・・・・・有機半導体溶液を塗布した支持基板1を乾燥させて光電変換層101を形成する工程。
S6・・・・・対電極102を形成する工程。
S7・・・・・支持基板1を一定時間加熱するアニール処理工程。
P8・・・・保護膜103を形成する工程。
本実施形態に用いる支持基板は、放射線を透過する材料であれば特に限定されない。例えば低融点ガラスやPEN、PES、PC、TACなどのフィルム基板を用いることができるが、後に形成するTFTなどに不要な光が入射しないようガラスなど透明な材料は着色して光を透過しないようにすることが望ましい。
以下、各工程について順に説明する。
P1・・・・・シンチレータ131を形成する工程。
図6(a)のように、シンチレータ131を支持基板1の面に例えばCsIを材料として蒸着法を用いて形成する。シンチレータ131には第1の実施形態と同様にその他の材料を用いることができる。
P2・・・・・保護膜133を形成する工程。
シンチレータ131の上層およびシンチレータ131の層の側面を覆うように保護膜133を形成する。保護膜133は例えばSiNxをCVD法により形成する。
S1・・・・・透明電極100を形成する工程。
透明電極100を支持基板1の上に例えばスパッタ法を用いて形成する。透明電極100の材料は図1で説明した実施形態と同様である。
P3・・・・・ゲート電極2、ソース線8bを形成する工程。
支持基板1の上にゲート電極2、ソース線8bを形成する。ゲート電極2、ソース線8bには各種金属薄膜を利用できる。例えばAl、Cr、Au、Ag等の低抵抗金属材料やこれら金属の積層構造、また、金属薄膜の耐熱性向上、支持基板への密着性向上、欠陥防止のために他の材料のドーピングしたものを用いることができる。また、ITO、IZO、SnO、ZnOなどの透明電極を用いることもできる。製造方法は、目的の形状にパターニングすることのできるマスク蒸着法、フォトリソグラフィー法、各種印刷法が利用できる。
P4・・・・・ゲート絶縁層7を形成する工程。
図6(b)に示すように、ゲート絶縁層7を形成する。
ゲート絶縁層7は、例えばスピンコート法で形成する。ゲート絶縁層7としては、特にフレキシブル性を確保するためには、アクリル系、ウレタン系、エポキシ系、ポリイミド系などの樹脂が望ましい。樹脂には、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂があるが、いずれも用いることができる。また、無機膜の絶縁膜を用いることもできる。
P5・・・・・ソース電極8a、ドレイン電極9を形成する工程。
ゲート絶縁層7の上に、ソース電極8a、ドレイン電極9を形成する。ソース電極8a、ドレイン電極9は、例えば、金をスパッタにより成膜することにより形成する。なお、ここでは金を例示したが、特に金に材料を限定されることなく、白金、銀、銅、アルミニウム等種々の材料を用いることができる。または、塗布材料としてPEDOT/PSSに代表される導電性有機材料、金属ナノ粒子を分散させた塗布材料を用いることもできる。
P6・・・・・活性層5を形成する工程。
活性層5の材料は有機半導体材料に限定されるものではないが、印刷、塗布などの製造方法により形成できるので有機半導体材料の方が望ましい。有機半導体材料の場合もその材料について問わない。有機高分子材料はもちろんのこと、ペンタセンなどの低分子材料も使用可能である。
塗布できる材料の代表例としては、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)などのポリチオフェン類、チオフェンの6量体を基本に側鎖を有するオリゴチオフェンなどの芳香族オリゴマー類、ペンタセンに置換基を持たせ溶解性を高めたペンタセン類、フルオレンとバイチオフェンとの共重合体(F8T2)、ポリチエニレンビニレンまたはフタロシアニンなどのいかなる可溶性の半導体でも使用できる。
これまでのP3〜P6の工程で、ゲート電極2、ゲート絶縁層7、ソース電極8a、ドレイン電極9、活性層5から構成されるTFT82を作製できた。
P7・・・・・パッシベーション層112を形成する工程。
パッシベーション層112は、例えばポリイミドをスピンコート法により形成する。
S2・・・・・正孔輸送層104を形成する工程。
例えば、PEDOT/PSS(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリスチレンスルホネート)を材料としてスピンコート法を用いて支持基板1上に形成する。その後、オーブンで加熱し乾燥させる。
S3・・・・・溶媒に有機半導体材料を溶解させ有機半導体溶液を作製する工程。
電子受容性有機材料と電子供与性有機材料とを所定の割合で混合した有機半導体材料を、式(1)と式(2)または、式(3)と式(4)を満たす溶解度Bで溶媒に溶解する。
S4・・・・・有機半導体溶液を塗布する工程。
有機半導体溶液を工程S2までの処理を終えた支持基板1の所望の領域に、スピンコート法などを用いて塗布する。
S5・・・・・有機半導体溶液を塗布した支持基板1を乾燥させて光電変換層を形成する工程。
窒素雰囲気下で、乾燥温度Pを例えば100℃に設定しオーブンで30分加熱する。乾燥後、図6(c)のように光電変換層101が形成される。
S6・・・・対電極102を形成する工程。
光電変換層101の上に対電極102を形成する。対電極102は、メタルマスクを用いて、例えばAl、Ag、Au、Ptなどの金属材料を蒸着して形成する。
S7・・・・・支持基板1を一定時間加熱するアニール処理工程。
次に、窒素雰囲気下で、S4までの工程を終えた支持基板1を式(1)と式(2)または、式(3)と式(4)を満たすアニール温度Tに設定し、オーブンで30分加熱する。
これまでの工程で図6(c)のように、透明電極100、正孔輸送層104、光電変換層101、電極酸化膜105、対電極102から構成される光電変換素子81が作製できた。
P8・・・・保護膜103を形成する工程。
対電極102の上層に保護膜103として、例えばポリイミドをスピンコート法で形成する。
以上でイメージセンサ20の製造工程は終了である。
このように、対電極102と光電変換層101の間に電極酸化膜105を有する光電変換素子81をマトリクス状に複数形成したイメージセンサ20を作製することができる。
以下、本発明の効果を確認するために行った実施例について説明する。
[実施例1]
実施例1では、溶解度Bによる性能の変化を確認するため、アニール温度Tは100℃一定とし、溶解度Bを0.05〜2.0までの9種の値に設定し、工程S1〜S7を用いて9枚の支持基板1上に光電変換素子81を作製した。作製した図1(4−b)に示す断面の光電変化素子を、図1(4−a)のように支持基板1上に6つ作製し、それぞれの性能を確認した。
実施例で設定した溶解度B(質量%)は、0.05、0.06、0.08、0.4、0.5、1.5、1.7、1.8、2.0であり、図3のグラフのaとbの間に相当する。それぞれの条件で試作した光電変換素子81を実施例1−1、1−2、1−3、1−4、1−5、1−6、1−7、1−8、1−9とする。
以下、試作した各工程について順に説明する。
S1・・・・・透明電極100を形成する工程。
支持基板1の上に、ITO膜をスパッタにより200nmの厚みで形成した後、フォトリソグラフィー法を用いてパターニングを行った。支持基板1には厚さ0.7mmのガラスを用いた。1つの光電変換素子81が透明電極100から受光する部分の面積が5×5mmになるようにパターニングした。
S2・・・・・正孔輸送層104を形成する工程。
PEDOT/PSS(スタルクヴィテック社製:BaytronP)をスピンコート(回転数1000rpm、フィルタ径:1.2μm)で塗布し、支持基板1上に形成した。その後、オーブンで100℃で30分加熱した。正孔輸送層104の厚みは90nmである。
S3・・・溶媒に有機半導体材料を溶解させ有機半導体溶液を作製する工程。
窒素雰囲気中においてPCBMまたはPCBNBとP3HTを溶解度Bで溶媒に溶解させ有機半導体溶液を作製した。実施例1−1〜1−9の実験条件を表1に示す。表1は、各実施例で使用した溶解度B、有機半導体溶液に用いた電子受容性有機材料と電子供与性有機材料、溶媒の種類の組み合わせを比較表にしたものである。
S4・・・・・・有機半導体溶液を塗布する工程。
大気中でスピンコート(回転数1500rpm、フィルタ径:0.8μm)を用いて有機半導体溶液の溶液を正孔輸送層104の上に塗布した。
S5・・・・・有機半導体溶液を塗布した支持基板1を乾燥させて光電変換層を形成する工程。
窒素雰囲気中で支持基板1をオーブンを用い乾燥温度P=100℃で30分加熱し第1のアニール処理を行って有機半導体溶液を乾燥させ、70nmの光電変換層101を形成した。
S6・・・・対電極102を形成する工程。
メタルマスクを用いてAlを加熱蒸着し、厚さ50nmの所望のパターン形状になるまで蒸着を行った。
S7・・・・・支持基板1を一定時間加熱するアニール処理工程。
窒素雰囲気中で支持基板1を、オーブンを用いてアニール温度T=100℃で30分加熱し、第2のアニール処理を行った。
[比較例1]
比較例1では、溶解度B(質量%)を0.03、2.4、2.9、3.3、3.8に設定した比較例1−A、1−B、1−C、1−D、1−Eを試作した。試作条件は表2に示す通りである。
それ以外の工程は、実施例1と全く同じ条件で光電変換素子81を作製した。
[実施例2]
実施例2では、溶解度Bによる性能の変化を確認するため、アニール温度Tは180℃一定とし、溶解度Bを0.05〜2.4までの11種の値に設定し、工程S1〜S7を用いて11枚の支持基板1上に光電変換素子81を作製した。また、乾燥温度Pも180℃に設定した。作製した図1(4−b)に示す断面の光電変化素子を、図1(4−a)のように支持基板1上に6つ作製し、それぞれの性能を確認した。
実施例で設定した溶解度B(質量%)は、0.05、0.06、0.08、0.4、0.5、1.5、1.7、1.8、2.0、2.4、2.9であり、図3のグラフのeとdの間に相当する。それぞれの条件で試作した光電変換素子81を実施例2−1、2−2、2−3、2−4、2−5、2−6、2−7、2−8、2−9、2−10、2−11とする。
実施例2の工程S3の溶媒に有機半導体材料を溶解させ有機半導体溶液を作製する工程の実験条件を表3に示す。
それ以外の工程は、実施例1と全く同じ条件で光電変換素子81を作製した。
[比較例2]
比較例2では、溶解度B(質量%)を0.03、3.3、3.8に設定した比較例2−A、2−B、2−Cを試作した。試作条件は表4に示す通りである。
それ以外の工程は、実施例2と全く同じ条件で光電変換素子81を作製した。
[実施例3]
実施例3では、アニール温度Tによる性能の変化を確認するため、溶解度Bは0.05の一定とし、アニール温度Tを100〜180までの4種の値に設定し、工程S1〜S7を用いて4枚の支持基板1上に光電変換素子81を作製した。また、乾燥温度Pもアニール温度Tと同じ温度に設定した。作製した図1(4−b)に示す断面の光電変化素子を、図1(4−a)のように支持基板1上に6つ作製し、それぞれの性能を確認した。
実施例で設定したアニール温度Tは、100、140、150、180℃であり、図3のグラフのaとeの間に相当する。それぞれの条件で試作した光電変換素子81を実施例3−1、3−2、3−3、3−4とする。
実施例3における工程S3の実験条件は、実施例1−1と同じである。それ以外の工程も実施例1と全く同じ条件で光電変換素子81を作製した。
[比較例3]
比較例3では、アニール温度Tを50、90、190、200℃に設定した比較例3−A、3−B、3−C、3−Dを試作した。
それ以外の工程は、実施例3と全く同じ条件で光電変換素子81を作製した。
[実施例4]
実施例4では、アニール温度Tによる性能の変化を確認するため、溶解度Bは2.9の一定とし、アニール温度Tを100〜180℃までの4種の値に設定し、工程S1〜S7を用いて4枚の支持基板1上に光電変換素子81を作製した。また、乾燥温度Pもアニール温度Tと同じ温度に設定した。作製した図1(4−b)に示す断面の光電変化素子を、図1(4−a)のように支持基板1上に6つ作製し、それぞれの性能を確認した。
実施例で設定したアニール温度Tは、150、180℃であり、図3のグラフのcとdの間に相当する。それぞれの条件で試作した光電変換素子81を実施例4−1、4−2とする。
実施例4における工程S3の実験条件は、実施例2−11と同じである。それ以外の工程も実施例2と全く同じ条件で光電変換素子81を作製した。
[比較例4]
比較例4では、アニール温度Tを50、100、140、190、200℃に設定した比較例4−A、4−B、4−C、4−D、4−Eを試作した。
それ以外の工程は、実施例3と全く同じ条件で光電変換素子81を作製した。
[測定条件]
このようにして作製した実施例1〜4、比較例1〜4の光電変換素子81を以下の条件で測定した。
支持基板1の上に形成された6つの光電変換素子81の光照射時の電流(光電流)と光未照射時の電流(暗電流)を電流計200で測定し、平均値を算出した。光電流と暗電流は図1(4−a)に点線で示す102aの部分を測定した。光電変換素子81に印加する電圧は、対電極102の電位を0Vとし透明電極100の電圧を−2Vに設定した。
光電流を測定する条件は次の通りである。
光源:主波長550nmのLEDを用いた。
光量:1.69×10-4[W/cm2
光入射面は図1(4−b)に矢印Lで示す面である。
[実験結果]
図7は、実施例1、比較例1の実験結果のグラフ、図8は、実施例2、比較例2の実験結果のグラフである。横軸は溶解度B(質量%)、右側の縦軸は光電流i(μA/cm2)、左側の縦軸は光電流iと暗電流idの比Xである。図から溶解度Bが少ない場合は光電流iと暗電流idの比Xが大きくなるが、光電流が少なくなってしまう。また、溶解度Bが大きくなると光電流は増すが、暗電流も増え光電流iと暗電流idの比Xが小さくなってしまうことがわかる。
表5は実施例1、表6は比較例1の実験結果の比較表、表7は実施例2、表8は比較例2の実験結果の比較表である。
前述のように光電変換素子81の光電流iは10(μA/cm2)以上、光電流iと暗電流idの比Xが104を満たす必要がある。表3、表4に判定の行を設け、このような特性条件を満たす場合を○、満たさない場合は×で記している。表5、表7および図7、図8のグラフからわかるように実施例は全て特性条件を満たしている。一方、表6、表8および図7、図8のグラフからわかるように比較例は特性条件を満たさず判定は×である。
図9は、実施例3、比較例3の実験結果のグラフ、図10は、実施例4、比較例4の実験結果のグラフである。横軸はアニール温度T(℃)、右側の縦軸は光電流i(μA/cm2)、左側の縦軸は光電流iと暗電流idの比Xである。図からアニール温度Tが低い場合は光電流はまた、アニール温度Tが180℃を超えると急激に光電流iが減ることがわかる。
表9は実施例3、表10は比較例3の実験結果の比較表、表11は実施例6、表12は比較例6の実験結果の比較表である。表3、表4と同様に判定を○、×で記している。表9、表10および図9、図10のグラフからわかるように実施例は全て特性条件を満たしている。一方、比較例は表10、表12および図9、図10のグラフからわかるように特性条件を満たさず判定は×である。
このように実施例のアニール温度T、溶解度Bの条件で作製した有機半導体素子81は、所望の光電流iと光電流iと暗電流idの比Xを満足することがわかった。
以上このように、本発明によれば、有機材料を用いながら光電流が多く暗電流の少ない光電変換素子、光電変換素子の製造方法、イメージセンサおよび放射線画像検出器を提供することができる。

Claims (4)

  1. 少なくとも支持基板の上に透明電極と、
    有機半導体からなる光電変換層と、
    前記光電変換層を挟んで前記透明電極と反対側に設けられた対電極と、
    を有する光電変換素子の製造方法において、
    前記支持基板の上に前記透明電極を形成する工程と、
    溶媒に有機半導体材料を溶解させて有機半導体溶液を作製する工程と、
    前記有機半導体溶液を塗布する工程と、
    前記有機半導体溶液を塗布した前記支持基板を乾燥させて前記光電変換層を形成する工程と、
    前記光電変換層の上に前記対電極を形成する工程とを行った後、
    前記支持基板を一定時間加熱するアニール処理工程と、
    を有し、
    前記有機半導体溶液の溶解度をB(質量%)、前記アニール処理工程で加熱するアニール温度をT(℃)とすると、
    溶解度Bとアニール温度Tは、
    0.05≦B≦2.0
    100≦T≦180
    または、
    2.0≦B≦2.9
    100+55.56×(B−2.0)≦T≦180
    を満たすことを特徴とする光電変換素子の製造方法。
  2. 請求の範囲第1項に記載の光電変換素子の製造方法を用いて製造したことを特徴とする光電変換素子。
  3. 請求の範囲第2項に記載の光電変換素子を含む画素が、支持基板の上にマトリクス状に複数形成されていることを特徴とするイメージセンサ。
  4. 請求の範囲第3項に記載のイメージセンサと、
    放射線を可視光に変換する蛍光体からなるシンチレータ層と、を有し、
    前記シンチレータ層は、前記イメージセンサの前記画素に前記可視光が入射するように配設されていることを特徴とする放射線画像検出器。
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