JP2001114916A - ポリカーボネート基材用ハードコート剤組成物、ハードコート層付きポリカーボネートフィルム及びハードコート層付きポリカーボネート成形品 - Google Patents

ポリカーボネート基材用ハードコート剤組成物、ハードコート層付きポリカーボネートフィルム及びハードコート層付きポリカーボネート成形品

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JP2001114916A
JP2001114916A JP2000235226A JP2000235226A JP2001114916A JP 2001114916 A JP2001114916 A JP 2001114916A JP 2000235226 A JP2000235226 A JP 2000235226A JP 2000235226 A JP2000235226 A JP 2000235226A JP 2001114916 A JP2001114916 A JP 2001114916A
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polycarbonate
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solvent
layer
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English (en)
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Chieko Yamada
千恵子 山田
Kiminori Tamai
公則 玉井
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TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面硬度及び耐擦傷性に優れると共に基材と
の密着性にも優れるポリカーボネート基材用ハードコー
ト剤組成物を提供する。 【解決手段】 ハードコート剤組成物は、ハードコート
剤と有機溶剤とを含む。前記有機溶剤は、25℃で前記
ポリカーボネートを侵す溶剤(S)を全有機溶剤中70
重量%以上含有し、且つ前記溶剤(S)は、溶剤(S)
を基準として、沸点100℃以上の高沸点溶剤10〜5
0重量%と、沸点80℃以下の低沸点溶剤50〜90重
量%とを含む。高沸点溶剤としてはトルエン、低沸点溶
剤としては酢酸エチル及び/又はメチルエチルケトンが
好ましい。ハードコート剤としては紫外線硬化型アクリ
ル系のものが好ましい。ハードコート層付きポリカーボ
ネートフィルム、ハードコート層付きポリカーボネート
成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハードコート層の
硬度及びポリカーボネート基材との密着性に優れるポリ
カーボネート基材用ハードコート剤組成物に関する。特
に、本発明は、ポリカーボネートフィルムに連続的にハ
ードコート層を設けるために好適なハードコート剤組成
物に関する。さらに、本発明は、このハードコート剤組
成物を用いてハードコート層付きポリカーボネートフィ
ルムを製造する方法、及び得られたハードコート層付き
ポリカーボネートフィルムにも関する。さらに、本発明
は、このハードコート層付きポリカーボネートフィルム
を用いて、射出成形により製造されたハードコート層付
きポリカーボネート成形品にも関する。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネートは、透明性に優れ、軽
量で耐衝撃性が良いことから、ガラスに代わる材料とし
て各種工業材料、建築材料、装飾材料、光学材料、家庭
材料用に広く検討されている。しかしながら、ポリカー
ボネートはガラスに比べ表面硬度が低く、耐擦傷性が劣
るという欠点がある。そのため、ポリカーボネートの表
面にハードコート層を付与することで表面硬度を高める
ことが行われている。
【0003】例えば、特開平6−100799号公報に
は、ポリカーボネート板に紫外線硬化型アクリル系ハー
ドコート剤を塗布、硬化させ、ハードコート層を形成す
ることが開示されている。また、特開平9−48934
号公報には、プラスチックフィルムとしてポリエステル
フィルムに紫外線硬化型アクリル系ハードコート剤を塗
布、硬化させ、ハードコート層を形成することが開示さ
れている。しかし、これら公報に記載の技術では、ポリ
カーボネート基材に対して高い密着性を有し、かつ高い
表面硬度と耐擦傷性を有するハードコート層を得ること
は困難である。一般にポリカーボネートへのハードコー
ト剤の密着性は悪く、ハードコート剤の硬度を上げると
密着性は悪くなる傾向にある。そのため、ハードコート
剤のみの組成の検討によって、硬度及び密着性の両特性
を高めることは困難である。
【0004】また、特開平10−7939号公報には、
光硬化型帯電防止塗料組成物が開示され、アクリル板、
ポリ塩化ビニル板、ポリカーボネート板のいずれに対し
ても密着性の良い帯電防止塗膜を得るために、溶剤とし
てポリカーボネートを溶解する有機溶剤を0.1〜10
重量%含む混合溶剤を用いることが開示されている。
【0005】ところで、ハードコート層を形成する方式
には、ポリカーボネートフィルム1枚毎にハードコート
層を形成する枚葉式と、長尺のポリカーボネートフィル
ムに連続的にハードコート層を形成しロール状に巻き取
る連続式などがある。
【0006】枚葉式でハードコート層を形成する場合、
塗布方式としてディップコート、スピンコート、スプレ
ー方式等がある。これらの方法では、ハードコート剤の
塗布から乾燥までポリカーボネートが溶液状態のハード
コート剤と接する時間が長いため、ポリカーボネートが
可溶な溶剤を用いると、ポリカーボネートの膨潤による
白濁、溶剤乾燥不足によるハードコート剤の硬化不良等
の問題が生ずる。そのため、通常は、ポリカーボネート
が不溶な溶剤が用いられるか、または無溶剤系のハード
コート剤が主として使用される。また、枚葉式は連続性
に欠けるため生産性が悪く、作業性の面でもポリカーボ
ネートフィルムの膜厚は500μm以上必要とされ、コ
スト的にも不利である。
【0007】一方、連続式においては、生産性の向上、
ポリカーボネートフィルムの薄膜化によるコストダウン
効果が期待される。更に、ハードコート層の連続形成で
あるため、溶液状態のハードコート剤にポリカーボネー
トフィルムが接している状態が短く、ハードコート剤の
希釈溶剤としてポリカーボネートが可溶な溶剤も使用で
きる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、上記従来技術の欠点を解決し、表面硬度及び耐擦傷
性に優れると共に基材との密着性にも優れるポリカーボ
ネート基材用ハードコート剤組成物を提供することにあ
る。特に、本発明の目的は、ポリカーボネートフィルム
に連続的にハードコート層を設けるために好適なハード
コート剤組成物を提供することにある。
【0009】さらに、本発明の目的は、このハードコー
ト剤組成物を用いてハードコート層付きポリカーボネー
トフィルムを製造する方法、及びハードコート層付きポ
リカーボネートフィルムを提供することにもある。
【0010】さらに、本発明の目的は、このハードコー
ト層付きポリカーボネートフィルムを用いて、射出成形
によってハードコート層付きポリカーボネート成形品を
提供することにもある。
【0011】本発明者らは鋭意検討した結果、ポリカー
ボネートが侵される特定組成の溶剤を使用し、ポリカー
ボネート基材とハードコート剤との界面を多少溶剤で荒
らすことによって密着性が向上することを見出し、本発
明を完成した。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、ハ
ードコート剤と有機溶剤とを含むポリカーボネート基材
用のハードコート剤組成物であって、前記有機溶剤は、
25℃で前記ポリカーボネートを侵す溶剤(S)を全有
機溶剤中70重量%以上含有し、且つ前記ポリカーボネ
ートを侵す溶剤(S)は、溶剤(S)を基準として、沸
点100℃以上の高沸点溶剤10〜50重量%と、沸点
80℃以下の低沸点溶剤50〜90重量%とを含む、ポ
リカーボネート基材用ハードコート剤組成物である。
【0013】本発明において、前記高沸点溶剤の沸点
は、100℃以上130℃以下であることが好ましい。
本発明において、例えば、前記高沸点溶剤はトルエンで
あり、前記低沸点溶剤は酢酸エチル及び/又はメチルエ
チルケトンである。
【0014】本発明において、ハードコート剤は、紫外
線硬化型アクリル系ラジカル重合性ハードコート剤であ
ることが好ましい。
【0015】本発明のハードコート剤組成物を適用すべ
きポリカーボネート基材は、例えば、ポリカーボネート
フィルムであり、膜厚100μm〜500μmのポリカ
ーボネートフィルムであることが好ましい。
【0016】本発明のハードコート剤組成物は、長尺の
ポリカーボネートフィルムに連続的にハードコート層を
形成する際に、特に好ましく適用される。
【0017】また、本発明は、前記ハードコート剤組成
物を、長尺のポリカーボネートフィルム上に連続的に塗
布し、50〜120℃の温度範囲で、10秒〜5分間の
乾燥を行い、その後、紫外線照射を行い硬化させハード
コート層を形成し、得られたフィルムをロール状に巻き
取ることを含む、ハードコート層付きポリカーボネート
フィルムの製造方法である。
【0018】さらに、本発明は、前記ハードコート剤組
成物を、スリットダイコーターを用いて、長尺のポリカ
ーボネートフィルム上に連続的に塗布することを含む、
ハードコート層付きポリカーボネートフィルムの製造方
法である。
【0019】また、本発明は、前記ハードコート剤組成
物を用いて製造されたハードコート層付きポリカーボネ
ートフィルムにも関する。すなわち、本発明は、少なく
とも片面にハードコート層を有するハードコート層付き
ポリカーボネートフィルムであって、前記ハードコート
層には、25℃で前記ポリカーボネートを侵す溶剤
(S)が含まれており、その溶剤含量は前記ハードコー
ト層において0.3〜60μg/0.015 cm3 の範囲で
ある、ハードコート層付きポリカーボネートフィルムで
ある。ここで、前記ハードコート層には、溶剤(S)と
して、沸点100℃以上の高沸点溶剤が0.2〜50μ
g/0.015 cm3 の範囲で含まれ、沸点80℃以下の低
沸点溶剤が0.1〜30μg/0.015 cm3 の範囲で含
まれている。前記ハードコート層に含まれる溶剤(S)
は、ハードコート層形成時に用いられた溶剤(S)に由
来する。
【0020】本発明は、少なくとも片面にハードコート
層を有するハードコート層付きポリカーボネートフィル
ムであって、前記ポリカーボネートフィルムの前記ハー
ドコート層と接している側の表層部には、ハードコート
層形成時に用いた25℃で前記ポリカーボネートを侵す
溶剤(S)によってポリカーボネートが変質した変質層
が形成されている、ハードコート層付きポリカーボネー
トフィルムである。前記ポリカーボネートフィルムの表
層部が、前記溶剤(S)によって侵され、変質ないしは
膨潤し、結果として、ハードコート層との密着性が向上
する。
【0021】さらに、本発明は、前記ハードコート層付
きポリカーボネートフィルムを用いて射出成形により製
造されたハードコート層付きポリカーボネート成形品に
も関する。すなわち、本発明は、成形品の少なくともい
ずれかの面にハードコート層を有するハードコート層付
きポリカーボネート成形品であって、前記ハードコート
層には、25℃で前記ポリカーボネートを侵す溶剤
(S)が含まれており、その溶剤含量は前記ハードコー
ト層において0.1〜35μg/0.015 cm3 の範囲で
ある、ハードコート層付きポリカーボネート成形品であ
る。ここで、前記ハードコート層には、溶剤(S)とし
て、沸点100℃以上の高沸点溶剤が0.06〜25μ
g/0.015 cm3 の範囲で含まれ、沸点80℃以下の低
沸点溶剤が0.03〜20μg/0.015 cm3 の範囲で
含まれている。
【0022】本発明は、成形品の少なくともいずれかの
面にハードコート層を有するハードコート層付きポリカ
ーボネート成形品であって、前記ポリカーボネートの前
記ハードコート層と接している側の表層部には、ハード
コート層形成時に用いた25℃で前記ポリカーボネート
を侵す溶剤(S)によってポリカーボネートが変質した
変質層が形成されている、ハードコート層付きポリカー
ボネート成形品である。
【0023】
【発明の実施の形態】ハードコート剤としては、シリコ
ーン系、メラミン系等の熱硬化型ハードコート剤もある
が、硬化反応性等の製造性の点から、紫外線硬化型ハー
ドコート剤の方が好ましい。紫外線硬化型ハードコート
剤としては、不飽和ポリエステル樹脂系、アクリル系等
のラジカル重合性ハードコート剤、エポキシ系、ビニル
エーテル系等のカチオン重合性ハードコート剤を用いる
ことができる。硬化反応性、表面硬度を考慮すると、ア
クリル系のラジカル重合性ハードコート剤が望ましい。
【0024】アクリル系のラジカル重合性ハードコート
剤は、分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有
する多官能(メタ)アクリレート及び光重合開始剤を主
たる構成成分とする。
【0025】多官能(メタ)アクリレートとしては、例
えば、1,6−ヘキサンジ(メタ)アクリレート、(ポ
リ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポ
リ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネ
オペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等の2官
能(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アク
リレート、トリス−(2−ヒドロキシエチル)−イソシ
アヌル酸エステル(メタ)アクリレート等の3官能(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メ
タ)アクリレート等の4官能以上の(メタ)アクリレー
トが挙げられる。
【0026】さらに、多官能(メタ)アクリレートとし
て、分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物に
(メタ)アクリル酸を反応させて得られるエポキシ(メ
タ)アクリレート、多価アルコールと多価カルボン酸及
び/又はその無水物と(メタ)アクリル酸とをエステル
化させて得られるポリエステルアクリレート、多価アル
コールと多価イソシアネートと水酸基含有アクリレート
とを反応させて得られるウレタンアクリレート等も挙げ
られる。
【0027】これらのうち、例えば、ペンタエリスリト
ールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトー
ルヘキサ(メタ)アクリレート等が高い硬度が得られる
点から好ましい。これらのうち1種を単独で用いてもよ
く、2種以上を併用してもよい。上記多官能(メタ)ア
クリレートの使用量は、ハードコート剤中(固形分換
算)20〜80重量%程度である。
【0028】また、上記多官能(メタ)アクリレートの
他に、光重合性オリゴマーあるいはポリマーを用いるこ
ともできる。例えば、末端に(メタ)アクリロイル基を
有するオリゴマーあるいはポリマーであって、重量平均
分子量Mwが例えば2000〜50000程度のもので
ある。オリゴマーあるいはポリマー部としては、例え
ば、スチレン重合体、スチレン/アクリロニトリル共重
合体、スチレン/(メタ)アクリレート共重合体、(メ
タ)アクリレート重合体、ブタジエン重合体、シリコー
ン重合体から形成されるもの等が挙げられる。光重合性
オリゴマーあるいはポリマーとしては、例えば、ポリス
チリルメタクリレート、ポリブタジエンアタクリレート
等が挙げられる。
【0029】光重合開始剤は、公知の種々のものを用い
ることができる。例えば、ケトン類(アセトフェノン、
プロピオフェノン、アントラキノン、チオキサントン、
ベンゾフェノン又はそれらの誘導体)、安息香酸エステ
ル類(例えばp−ジメチルアミノ安息香酸メチル)、ベ
ンゾインエーテル又はその誘導体(例えばベンゾインメ
チルエーテル、ベンゾインエチルエーテル)、アシルホ
スフィンオキシド等から選択するとよい。もちろん、こ
れら以外のものを用いてもよい。光重合開始剤の使用量
は、例えば、前記多官能(メタ)アクリレート(A)1
00重量部に対して0.1〜20重量部、好ましくは1
〜10重量部程度の範囲から選択できる。
【0030】次に、前記ハードコート剤を希釈する有機
溶剤について説明する。この有機溶剤は、25℃で前記
ポリカーボネートを侵す溶剤(S)を全有機溶剤中70
重量%以上含有する。
【0031】ここで、25℃でポリカーボネートを侵す
か侵さないかの判断は、25℃の雰囲気中でハードコー
ト層を形成すべきポリカーボネートフィルム上に溶剤を
一滴たらし30秒放置した後溶剤を乾燥した布でふき取
り、ポリカーボネートフィルム表面の様子を目視観察す
ることによって行う。すなわち、25℃でポリカーボネ
ートを侵す溶剤(S)とは、25℃の雰囲気中でハード
コート層を形成すべきポリカーボネートフィルム上に溶
剤を一滴たらし30秒放置した後溶剤をふき取った場合
に、ポリカーボネートフィルム表面が白濁する溶剤であ
る。ポリカーボネートフィルム表面が白濁しないが表面
にシミが残る溶剤は、ポリカーボネートを浸食する度合
いが小さい。ポリカーボネートフィルム表面が白濁せず
シミも残らない溶剤は、ポリカーボネートを浸食する度
合いがほとんどない。本発明においては、前記条件下
で、ポリカーボネートフィルム表面が白濁する溶剤を、
ポリカーボネートを侵す溶剤(S)とする。ポリカーボ
ネートの溶解度が高い溶剤ほど、ポリカーボネートを浸
食する度合いが大きい。
【0032】25℃でポリカーボネートを侵す溶剤
(S)としては、特に限定されることなく、例えば、酢
酸エチル(bp.:77℃)、メチルエチルケトン(M
EK、bp.:79.6℃)、トルエン(bp.:11
0℃)等が挙げられる。
【0033】本発明においては、前記溶剤(S)が全有
機溶剤中70重量%以上、好ましくは80重量%以上、
より好ましくは90重量%以上含有される。70重量%
以上の含有量とすることによって、ポリカーボネート表
面が侵され、ポリカーボネートとハードコート層との密
着性が向上する。70重量%未満の含有量では、ポリカ
ーボネート表面の浸食が不十分であり、密着性に欠け
る。
【0034】前記溶剤(S)以外のハードコート剤の希
釈有機溶剤としては、ハードコート剤を構成する材料が
可溶なものであれば、制限なく使用できる。例えば、エ
チルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピ
ルアルコール、n−ブチルアルコール等のアルコール
類、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2−
メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、エチレ
ングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジ
エチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル、キシレン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等
が挙げられる。
【0035】前記ポリカーボネートを侵す溶剤(S)
は、溶剤(S)を基準として、沸点100℃以上の高沸
点溶剤10〜50重量%と、沸点80℃以下の低沸点溶
剤50〜90重量%とを含む。溶剤(S)として前記高
沸点溶剤を10〜50重量%の範囲で使用することによ
り、ハードコート剤組成物の塗布後の乾燥時に、ポリカ
ーボネート表面が侵されポリカーボネートとハードコー
ト層との密着性が良くなる。また、ハードコート層の硬
度と密着性のバランスを取るために、溶剤(S)として
前記低沸点溶剤を50〜90重量%の範囲で併用する。
【0036】前記高沸点溶剤を50重量%を超えて使用
すると、良好な密着性は得られるが、乾燥後の残留溶剤
が多くなりハードコートの表面硬度が劣る。一方、前記
低沸点溶剤を90重量%を超えて使用すると、溶剤の乾
燥が早すぎ、ポリカーボネート表面が適度に侵されるこ
となく乾燥してしまうため、ポリカーボネートとの密着
性が劣る。従って、本発明では、上記特定組成の溶剤
(S)を使用する。また、前記高沸点溶剤の沸点は13
0℃以下であることが好ましい。沸点があまり高すぎる
と、乾燥後の残留溶剤が多くなる傾向にある。
【0037】本発明において、特に限定される訳ではな
いが、前記高沸点溶剤はトルエンであり、前記低沸点溶
剤は酢酸エチル及び/又はメチルエチルケトンであるこ
とが好ましい態様である。ここで、数種の有機溶剤のポ
リカーボネートの浸食度について、表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】ハードコート剤組成物における紫外線硬化
型ハードコート剤と有機溶剤の配合割合は、組成物全体
を基準として、通常、紫外線硬化型ハードコート剤20
〜80重量%、有機溶剤20〜80重量%程度である。
ハードコート剤の良好な分散性あるいは溶解性、適切な
粘度が得られるように決定すればよい。
【0040】また、ハードコート剤組成物には、必要に
応じて、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、熱
重合禁止剤等の各種公知の添加剤を含ませてもよい。
【0041】ハードコート剤組成物は、多官能(メタ)
アクリレート及び光重合開始剤等のハードコート剤成分
を上記特定の有機溶剤に、常法により分散又は溶解して
得ることができる。
【0042】本発明のハードコート剤組成物は、長尺の
ポリカーボネートフィルムに連続的にハードコート層を
形成し、その後、ロール状に巻き取る方法に好適であ
る。まず、ハードコート剤組成物を、グラビアシリンダ
ー、リバース、メイヤーバー等のロールコーター、スリ
ットダイコーター等公知の方法で、ポリカーボネートフ
ィルム上に連続的に塗布する。
【0043】塗布後、50〜120℃の温度範囲、好ま
しくは55〜90℃の温度範囲で、10秒〜5分間、好
ましくは30秒〜2分間の乾燥を行う。このような乾燥
条件で、溶剤(S)の高沸点溶剤が乾燥後期まで残り、
ポリカーボネート表面が適度に侵され、かつ乾燥後に残
存することも少ない。従って、表面硬度と密着性を両立
させることができる。
【0044】乾燥後、紫外線照射を行い、硬化させる。
紫外線照射は、キセノンランプ、低圧水銀灯、中圧水銀
灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドラン
プ、カーボンアーク灯、タングステンランプ等のランプ
を用いて、紫外線を200〜2000mJ/cm2 程度
照射するとよい。硬化後、ハードコート層が形成された
フィルムをロール状に巻き取る。
【0045】ハードコート層の厚さは、ポリカーボネー
トフィルムの使用目的にもよるが、硬化後0.5μm〜
20μm程度、好ましくは2μm〜5μm程度になるよ
うにすればよい。
【0046】ポリカーボネートフィルムとしては、膜厚
100μm〜500μmのものが好ましく、膜厚200
μm〜500μmのものがより好ましい。100μmよ
りも薄いフィルムでは、ハードコート層を形成した後に
成形等の加工を行う場合の作業性が悪く、500μmよ
りも厚いフィルムでは、ロール状での巻き取りが困難と
なる。
【0047】このようにして、本発明のポリカーボネー
トフィルム(1a)片面にハードコート層(1b)を有するハー
ドコート層付きポリカーボネートフィルム(1) (図1)
が得られる。
【0048】特定組成の溶剤(S)を用いたので、得ら
れた本発明のハードコート層付きポリカーボネートフィ
ルムには、通常、わずかの残留溶剤(S)が含まれる。
その溶剤(S)含量は、前記ハードコート層において
0.3〜60μg/0.015 cm 3 の範囲である。溶剤
(S)の内、沸点100℃以上の高沸点溶剤が0.2〜
50μg/0.015 cm3 の範囲で含まれ、沸点80℃以
下の低沸点溶剤が0.1〜30μg/0.015 cm3 の範
囲で含まれている。これらの残留溶剤量は、少ない方が
好ましい。
【0049】得られた本発明のハードコート層付きポリ
カーボネートフィルムにおいて、前記ポリカーボネート
フィルムの前記ハードコート層と接している側の表層部
には、ハードコート層形成時に用いた前記溶剤(S)に
よってポリカーボネートが侵され、変質ないしは膨潤し
たと見られる変質層が形成されている。この変質層の厚
みは、用いた前記溶剤(S)の組成や、ハードコート層
形成操作によっても変わるが、例えば0.2〜2μm程
度である。変質層が厚すぎると、フィルムの透明性に悪
影響を及ぼす可能性がある。一方、変質層が薄い場合
は、透明性の点では望ましいが、ハードコート層との密
着性が不十分となる可能性がある。
【0050】次に、図2、3、4及び5を参照して、本
発明のハードコート層付きポリカーボネートフィルムを
用いて、射出成形によりハードコート層付きポリカーボ
ネート成形品を製造する方法について説明する。
【0051】図2は、射出成形用金型を型締めした状態
を示す断面図であり、図3は、図2の射出成形により得
られたハードコート層が付与された成形品の層構成を示
す断面図である。図4は、射出成形用金型を型締めした
状態を示す断面図であり、図5は、図4の射出成形によ
り得られた両面にハードコート層が付与された成形品の
層構成を示す断面図である。
【0052】図2において、本発明のハードコート層付
きポリカーボネートフィルム(1) を、ハードコート層(1
b)が射出成形用金型の可動型(3) 面を向くようにセット
し、前記フィルムベース面(1a)と固定型(4) 面との間に
キャビティー(5) が形成されるように型締めする。その
後、常法によりゲート(6) から前記キャビティー(5)内
に溶融ポリカーボネート樹脂を射出して、冷却する。
【0053】この操作により、図3に示すように、成形
品本体(2) が成形されると同時に、成形品本体(2) の表
面に前記ポリカーボネートフィルム(1) が積層一体化さ
れて、ハードコート層(1b)が付与された成形品が得られ
る。射出成形時の熱により、ベースフィルム(1a)のキャ
ビティー(5) 側の表面が溶けて、射出された溶融樹脂と
溶着し、フィルム(1) と成形品本体(2) とが強固に一体
化される。成形後、両金型(3) (4) を開けて成形品を取
り出し、必要部分をトリミングして完成品を得る。射出
すべき溶融樹脂として、ポリカーボネート以外にも、ポ
リカーボネートフィルムと相溶化しやすい樹脂であれ
ば、この成形法を適用できる。
【0054】図4は、両面にハードコート層が付与され
た成形品を製造する場合を示し、2枚の本発明のハード
コート層付きポリカーボネートフィルムを用いる。図4
において、ハードコート層付きポリカーボネートフィル
ム(1) (1) を、それぞれハードコート層(1b)(1b)が射出
成形用金型の可動型(7) 面及び固定型(8)面を向くよう
に、可動型(7) 、固定型(8) とスライド型(9) との間に
挟んでセットし、前記フィルムベース面(1a)(1a)同士の
間にキャビティー(10)が形成されるように型締めする。
その後、常法によりゲート(11)から前記キャビティー(1
0)内に溶融樹脂を射出して、冷却する。
【0055】この操作により、図5に示すように、成形
品本体(2) が成形されると同時に、成形品本体(2) の両
表面に前記ポリカーボネートフィルム(1) (1) が積層一
体化されて、両面にハードコート層(1b)(1b)が付与され
た成形品が得られる。成形後、金型(7) (8) (9) を開け
て成形品を取り出し、必要部分をトリミングして完成品
を得る。
【0056】このようにして、両面にハードコート層が
付与された成形品を得ることができる。この方法は、板
状の射出成形品、例えば、自動車の窓ガラス代替プラス
チック品の製造に適する。
【0057】得られた本発明のハードコート層付きポリ
カーボネート成形品には、ハードコート層付きポリカー
ボネートフィルムを用いたので、通常、わずかの残留溶
剤(S)が含まれる。その溶剤(S)含量は、前記ハー
ドコート層において0.1〜35μg/0.015 cm3
範囲である。溶剤(S)の内、沸点100℃以上の高沸
点溶剤が0.06〜25μg/0.015 cm3 の範囲で含
まれ、沸点80℃以下の低沸点溶剤が0.03〜20μ
g/0.015 cm3 の範囲で含まれている。これらの残留
溶剤量は、少ない方が好ましい。
【0058】また、本発明のハードコート層付きポリカ
ーボネートフィルムを用いたので、射出成形により得ら
れたハードコート層付きポリカーボネート成形品におい
て、前記ハードコート層と接している側の前記ポリカー
ボネートの表層部には、前記溶剤(S)によってポリカ
ーボネートが変質した変質層が見られる。
【0059】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。 [実施例1]支持体として、幅100mm、厚さ300
μmのポリカーボネートフィルムを用意した。ポリカー
ボネートフィルム表面は傷がつき易いため、ハードコー
ト非塗布面側には厚み20μmのポリエチレンシートが
傷防止保護シートとして貼られているものであった。
【0060】下記原材料(1)〜(4)を混合し、ハー
ドコート塗布液とした。 (ハードコートの組成) (1)ポリスチリルメタクリレート(Mw=約13,000) 20重量部 (2)ペンタエリスリトールトリアクリレート 30重量部 (3)光重合開始剤(イルガキュアIRG184) 3重量部 (4)希釈溶剤 (MEK/トルエン=50/50) 50重量部
【0061】上記ハードコート塗布液をスリットダイコ
ーターにて、乾燥硬化後の膜厚が3μmとなるように塗
布し、乾燥温度80℃で1分間乾燥した。この塗布面
に、高圧水銀灯により紫外線照射を500mJ/cm2
で行い硬化させ、ハードコート層を形成した。これをロ
ール状に巻き取った。このようにして、ハードコート層
付きポリカーボネートフィルムを得た。
【0062】(ハードコート層の評価) 1.ハードコート層の硬度の評価 得られたハードコート層付きフィルムについて、テーバ
ー摩耗試験機にて摩耗試験 (荷重500g、500回
転)を行った。摩耗試験前後それぞれのヘーズを、ヘー
ズメーター(TC−H3 DPK型:東京電色製)にて
測定し、摩耗試験前後のヘーズ差(△H)を求めた。こ
のヘーズ差(△H)が16%以下であれば、優れた硬度
を有すると判断される。 2.密着性の評価 得られたハードコート層付きフィルムを、80℃−80
%の高温高湿槽内に1000時間放置した後、クロスカ
ットによる剥離試験を行い、剥離の有無を確認した。す
なわち、ハードコート層面に縦横各1mm間隔で直線状
の切れ目を入れて100個の碁盤目を形成し、この上か
らセロテープ(登録商標)を張りつけ、1kg/cm2
の荷重を与えたまま30分間放置した。放置後、セロテ
ープを引き剥がして、剥離した碁盤目の有無を調べた。
1個でも剥離があれば、剥離有りとした。
【0063】[実施例2〜6、比較例1〜7]実施例1
において、希釈溶剤を表2に示すものにそれぞれ代えた
以外は実施例1と同様にして、ハードコート層付きポリ
カーボネートフィルムを得た。実施例1と同様の評価を
行った。
【0064】
【表2】
【0065】表2より、実施例1〜6のものは、いずれ
も表面硬度に優れると共に、高温高湿条件下での密着性
にも優れていた。一方、比較例1、2のものは、密着性
は優れるが表面硬度が劣っていた。比較例3、4のもの
は、表面硬度は優れるが、密着性は劣っていた。比較例
5、6、7のものは、ポリカーボネートを侵す溶剤が7
0重量%未満であり、密着性がかなり劣っていた。
【0066】次に、実施例2のハードコート層付きポリ
カーボネートフィルムについて、ハードコート層中の残
留溶剤量を測定したところ、MEKは2.1μg/0.01
5 cm3 であり、トルエンは5.4μg/0.015 cm3
であった。
【0067】残留溶剤量の測定は、ヘッドスペースガス
クロマトグラフィーにて行った。装置:島津製作所製H
SS−2B、ガスクロマトグラフGC−14Bサンプル
の加熱及び測定条件:25mlバイアルビンにハードコ
ート層の体積が0.015cm3 になるように入れ、1
20℃で1時間加熱した。加熱によりガス化した溶剤を
0.4mlサンプリングし、このサンプルにつき、カラ
ムとしてPEG−20Mを使用し測定した。検量線は、
別途同一条件で加熱しガス化させたMEK及びトルエン
の既知量を含むサンプルから作成した。
【0068】また、実施例2のハードコート層付きポリ
カーボネートフィルムについて、電子顕微鏡でその断面
を観察した。電子顕微鏡写真(×10,000倍)を図
6に示す。図6に示すように、ポリカーボネートフィル
ム(1a)のハードコート層(1b)と接している側の表層部に
は、ハードコート層形成時に用いた溶剤(MEK/トル
エン)によってポリカーボネートが変質した変質層(1c)
が観察された。ハードコート層(1b)の厚さ:約2.3μ
m、変質層(1c)の厚さ:約1.2μmであった。
【0069】[実施例7:射出成形品の作製]実施例2
のハードコート層付きポリカーボネートフィルムを10
cm×20cmに裁断した。このフィルムを、図2を参
照して、ハードコート層(1b)が上側になるように射出成
形用金型(3) (4) に装着し、型締めした。次に、溶融ポ
リカーボネート樹脂温度315℃、金型温度80℃、溶
融ポリカーボネート樹脂充填時間と冷却時間を含めた成
形時間1分間で射出成形を行ない、片面にハードコート
層が付与された成形品基板を得た。得られた成形品基板
について、ハードコート層中の残留溶剤量を測定したと
ころ、MEKは0.55μg/0.015 cm3 であり、ト
ルエンは4.0μg/0.015 cm3 であった。得られた
成形品基板について、電子顕微鏡でハードコート層付近
の断面を観察したところ、図6と同様に、ポリカーボネ
ートの変質層が観察された。
【0070】
【発明の効果】本発明によれば、ポリカーボネートが侵
される特定組成の溶剤を使用することにより、表面硬度
及び耐擦傷性に優れると共に基材との密着性にも優れる
ポリカーボネート基材用ハードコート剤組成物が提供さ
れる。特に、このハードコート剤組成物は、ポリカーボ
ネートフィルムに連続的にハードコート層を設けるため
に好適である。本発明のハードコート層付きポリカーボ
ネートフィルムにより、従来困難であった表面硬度及び
基材との密着性の両立を達成することができた。本発明
のハードコート層付きポリカーボネートフィルムを用い
て、射出成形によりハードコート層付きポリカーボネー
ト成形品を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のハードコート層付きポリカーボネー
トフィルムの一例の断面図である。
【図2】 本発明のハードコート層付きポリカーボネー
トフィルムの用途を説明するための図であり、射出成形
用金型を型締めした状態を示す断面図である。
【図3】 図2の射出成形により得られたハードコート
層が付与された成形品の層構成を示す断面図である。
【図4】 本発明のハードコート層付きポリカーボネー
トフィルムの用途を説明するための図であり、射出成形
用金型を型締めした状態を示す断面図である。
【図5】 図4の射出成形により得られた両面にハード
コート層が付与された成形品の層構成を示す断面図であ
る。
【図6】 本発明のハードコート層付きポリカーボネー
トフィルムの断面の電子顕微鏡写真である。
【符号の説明】
(1) :ハードコート層付きポリカーボネートフィルム (1a):ポリカーボネートベースフィルム (1b):ハードコート層 (1c):ポリカーボネートの変質層 (2) :成形品本体 (3)(4)(7)(8)(9) :金型 (5)(10) :キャビティー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 4/02 C09D 4/02 5/00 5/00 Z 201/00 201/00 // C08L 69:00 C08L 69:00

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハードコート剤と有機溶剤とを含むポリ
    カーボネート基材用のハードコート剤組成物であって、 前記有機溶剤は、25℃で前記ポリカーボネートを侵す
    溶剤(S)を全有機溶剤中70重量%以上含有し、且つ
    前記ポリカーボネートを侵す溶剤(S)は、溶剤(S)
    を基準として、沸点100℃以上の高沸点溶剤10〜5
    0重量%と、沸点80℃以下の低沸点溶剤50〜90重
    量%とを含む、ポリカーボネート基材用ハードコート剤
    組成物。
  2. 【請求項2】 前記高沸点溶剤の沸点は、100℃以上
    130℃以下である、請求項1に記載のポリカーボネー
    ト基材用ハードコート剤組成物。
  3. 【請求項3】 前記高沸点溶剤がトルエンであり、前記
    低沸点溶剤が酢酸エチル及び/又はメチルエチルケトン
    である、請求項1又は2に記載のポリカーボネート基材
    用ハードコート剤組成物。
  4. 【請求項4】 ハードコート剤が、紫外線硬化型アクリ
    ル系ラジカル重合性ハードコート剤である、請求項1〜
    3のうちのいずれか1項に記載のポリカーボネート基材
    用ハードコート剤組成物。
  5. 【請求項5】 ポリカーボネート基材が、ポリカーボネ
    ートフィルムである、請求項1〜4のうちのいずれか1
    項に記載のポリカーボネート基材用ハードコート剤組成
    物。
  6. 【請求項6】 ポリカーボネート基材が、膜厚100μ
    m〜500μmのポリカーボネートフィルムである、請
    求項1〜4のうちのいずれか1項に記載のポリカーボネ
    ート基材用ハードコート剤組成物。
  7. 【請求項7】 長尺のポリカーボネートフィルムに連続
    的にハードコート層を形成するための請求項1〜6のう
    ちのいずれか1項に記載のハードコート剤組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のうちのいずれか1項に記
    載のハードコート剤組成物を、長尺のポリカーボネート
    フィルム上に連続的に塗布し、50〜120℃の温度範
    囲で、10秒〜5分間の乾燥を行い、その後、紫外線照
    射を行い硬化させハードコート層を形成し、得られたフ
    ィルムをロール状に巻き取ることを含む、ハードコート
    層付きポリカーボネートフィルムの製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7のうちのいずれか1項に記
    載のハードコート剤組成物を、スリットダイコーターを
    用いて、長尺のポリカーボネートフィルム上に連続的に
    塗布することを含む、ハードコート層付きポリカーボネ
    ートフィルムの製造方法。
  10. 【請求項10】 少なくとも片面にハードコート層を有
    するハードコート層付きポリカーボネートフィルムであ
    って、前記ハードコート層には、25℃で前記ポリカー
    ボネートを侵す溶剤(S)が含まれており、その溶剤含
    量は前記ハードコート層において0.3〜60μg/0.
    015 cm3 の範囲である、ハードコート層付きポリカー
    ボネートフィルム。
  11. 【請求項11】 前記ハードコート層には、溶剤(S)
    として、沸点100℃以上の高沸点溶剤が0.2〜50
    μg/0.015 cm3 の範囲で含まれ、沸点80℃以下の
    低沸点溶剤が0.1〜30μg/0.015 cm3 の範囲で
    含まれている、請求項10に記載のハードコート層付き
    ポリカーボネートフィルム。
  12. 【請求項12】 少なくとも片面にハードコート層を有
    するハードコート層付きポリカーボネートフィルムであ
    って、前記ポリカーボネートフィルムの前記ハードコー
    ト層と接している側の表層部には、ハードコート層形成
    時に用いた25℃で前記ポリカーボネートを侵す溶剤
    (S)によってポリカーボネートが変質した変質層が形
    成されている、ハードコート層付きポリカーボネートフ
    ィルム。
  13. 【請求項13】 成形品の少なくともいずれかの面にハ
    ードコート層を有するハードコート層付きポリカーボネ
    ート成形品であって、前記ハードコート層には、25℃
    で前記ポリカーボネートを侵す溶剤(S)が含まれてお
    り、その溶剤含量は前記ハードコート層において0.1
    〜35μg/0.015 cm3 の範囲である、ハードコート
    層付きポリカーボネート成形品。
  14. 【請求項14】 前記ハードコート層には、溶剤(S)
    として、沸点100℃以上の高沸点溶剤が0.06〜2
    5μg/0.015 cm3 の範囲で含まれ、沸点80℃以下
    の低沸点溶剤が0.03〜20μg/0.015 cm3 の範
    囲で含まれている、請求項13に記載のハードコート層
    付きポリカーボネート成形品。
  15. 【請求項15】 成形品の少なくともいずれかの面にハ
    ードコート層を有するハードコート層付きポリカーボネ
    ート成形品であって、前記ポリカーボネートの前記ハー
    ドコート層と接している側の表層部には、ハードコート
    層形成時に用いた25℃で前記ポリカーボネートを侵す
    溶剤(S)によってポリカーボネートが変質した変質層
    が形成されている、ハードコート層付きポリカーボネー
    ト成形品。
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