JP2004075785A - 被覆材組成物および物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】異物が存在する基材に硬化被膜を形成しても、該硬化被膜は該異物に起因する外観上の欠陥が発現しないことを特徴とする被覆材組成物を提供する。
【解決手段】1分子内に1個以上のラジカル重合性不飽和二重結合を有するモノマーおよび/またはオリゴマー(A)、数平均分子量が10000〜500000であるアクリルポリマー(B)、およびラジカル性光重合開始剤(C)を含有する組成物であって、該(B)成分の含有量が該(A)成分100質量部に対して1〜30質量部の範囲であり、かつ溶剤に溶解し、固形分90質量%に希釈した時の粘度が2000〜5000mPa・sの範囲であることを特徴とする被覆材組成物。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車用ランプレンズ等の表面の被膜形成に好適に使用される被覆材組成物および該被覆材組成物の硬化被膜を有する物品に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂は、軽量で機械的性質に優れ、成形加工が容易であることから、各産業分野において幅広く利用されている。
ところが、これらの樹脂は、耐擦傷性、耐薬品性、耐熱性等が十分ではないという欠点を有している。そのため、樹脂の利用範囲を広げ、商品価値を高めるために、これら樹脂からなる成形品の表面加工技術が種々開発、実用化されている。
【0003】
表面加工技術としては、アクリル系、メラミン系、ウレタン系、シリコン系等の樹脂が配合された被覆材組成物を基材表面に塗布し、熱あるいは紫外線、電子線等の紫外線を用いて硬化させ被膜を形成する方法が開発されている。なかでも、紫外線を用いる紫外線硬化系は他の方法に比べ生産性に優れている等の利点があることから、本出願人もこれまでに基材に優れた耐摩耗性、耐候性等の性能を付与可能な被覆材組成物を開発してきた(特開平5−179157号公報、特開平5−230397号公報、特開平5−17706号公報、特開平5−275769号公報)。
【0004】
しかしながら、このような被覆材組成物を異物が付着した基材上に塗布、硬化して硬化被膜を形成すると、該異物が原因となって、形成された硬化被膜が異物を中心に盛り上がる状態となり、外観上の欠陥が生じてしまうという課題があった。
このような異物による外観上の欠陥は、硬化被膜を得られた製品の不良率を高める主な原因であり課題であった。
また、このような外観上の欠陥の原因となる異物は、数μm〜40μm程度の大きさであり、基材に異物が付着した段階では目視で判別し難く、被覆材組成物を塗布し硬化被膜を形成した後になって異物が実際より大きく見えて目立つ傾向にある。
【0005】
そのためこのような異物による外観上の欠陥を防ぐため、生産工程で行なわれるエアブローや無塵布による拭き取り等の除塵作業によって、環境中あるいは基材上から異物を除去する方法等の対策がとられているが、このような対策では完全に異物を除去することは困難であった。
また、異物による硬化被膜の盛り上がりを低減すべく、被覆材組成物中にレベリング剤等の添加剤を添加する手法も行われるが、その効果は十分ではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、耐候性、硬度(耐摩耗性)、基材との密着性に優れ、かつ、基材上に付着した異物に起因する外観不良のない硬化被膜を形成可能な被覆材組成物およびこの被覆材組成物の硬化被膜を有する物品を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の被覆材組成物は、1分子内に1個以上のラジカル重合性不飽和二重結合を有するモノマーおよび/またはオリゴマー(A)、
数平均分子量が10000〜500000であるアクリルポリマー(B)、および
ラジカル性光重合開始剤(C)
を含有する組成物であって、該(B)成分の含有量が該(A)成分100質量部に対して1〜30質量部の範囲であり、かつ溶剤に溶解し、固形分90質量%に希釈した時の粘度が2000〜5000mPa・sの範囲であることを特徴とする。
また、本発明の物品は、前記被覆材組成物からなる膜厚3〜40μmの硬化被膜を有することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の被覆材組成物について詳細に説明する。
本発明で使用される1分子内に1個以上のラジカル重合性不飽和二重結合を有するモノマーおよび/またはオリゴマー(A)は、活性エネルギー線により硬化可能であればよく、特に限定されるものではない。
(A)成分としては、例えばウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等や、コロイダルシリカと(メタ)アクリロイルアルコキシシランを縮合して得られる有機無機ハイブリッド(メタ)アクリレート、有機無機ハイブリッドビニル化合物等の単官能(メタ)アクリレート、そして各種多官能(メタ)アクリレート等のモノマーやオリゴマーが挙げられる。
これらは、得られる硬化被膜の要求性能に応じて適宜選択すればよい。
【0009】
単官能(メタ)アクリレートの具体例としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、モルフォリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカン(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等のモノ(メタ)アクリレートや、無水フタル酸と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの付加物等のモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0010】
また、有機無機ハイブリッド(メタ)アクリレートとしては、コロイダルシリカと、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、2−(メタ)アクリロキシエチルトリメトキシシラン、2−(メタ)アクリロキシエチルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等との組み合わせからなるものが挙げられる。さらに、(A)成分としては、コロイダルシリカと、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン等との組み合わせからなる有機無機ハイブリッドビニル化合物も挙げられる。
【0011】
多官能(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば1,4−ブタンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(n=2〜15)ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(n=2〜15)ジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコール(n=2〜15)ジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、トリメチロ−ルプロパンジアクリレート、ビス(2−(メタ)アクリロキシエチル)−ヒドロキシエチル−イソシアヌレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型ジエポキシと(メタ)アクリル酸とを反応させたエポキシジ(メタ)アクリレート等のエポキシポリ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体に2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを反応させたウレタントリ(メタ)アクリレート、イソホロンジイソシアネートと2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートとを反応させたウレタンジ(メタ)アクリレート、イソホロンジイソシアネートとペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートとを反応させたウレタンヘキサ(メタ)アクリレート、ジシクロメタンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとを反応させたウレタンジ(メタ)アクリレート、ジシクロメタンジイソシアネートとポリ(n=6−15)テトラメチレングリコールとのウレタン化反応物に2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとを反応させたウレタンジ(メタ)アクリレート等のウレタンポリ(メタ)アクリレート、トリメチロ−ルエタンとコハク酸および(メタ)アクリル酸とを反応させたポリエステル(メタ)アクリレート、トリメチロ−ルプロパンとコハク酸、エチレングリコ−ル、および(メタ)アクリル酸とを反応させたポリエステル(メタ)アクリレート等のポリエステルポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0012】
これら(A)成分は、1種単独で使用しても2種以上を混合して使用してもよく、硬化被膜の要求性能に応じて適宜選択すればよい。
その中でも、特に2種以上を混合して用いることがより好ましい。
その中でも、耐熱性、耐薬品性、耐候性、基材との密着性に優れた硬化被膜を得ることができることから、1〜2種類の単官能アクリレートまたは多官能アクリレートと、1分子内に少なくとも2個あるいはそれ以上のラジカル重合性不飽和二重結合を有するウレタンポリ(メタ)アクリレートを含む組成物は、自動車用ランプレンズ等の表面に硬化被膜を形成する組成物として好ましい。
より具体的には、(A)成分100質量部中に、モノまたはポリペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート10〜60質量部の範囲、1分子内に少なくとも2個のラジカル重合性不飽和二重結合を有するウレタンポリ(メタ)アクリレート化合物5〜40質量部の範囲、ポリ〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕(イソ)シアヌレート20〜70質量部の範囲からなる組み合わせがより好ましい。
【0013】
モノまたはポリペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレートを10質量部以上とすれば、優れた硬度(耐摩耗性)を有する硬化被膜が得られる傾向がある。一方60質量部以下とすれば、初期の硬化被膜にクラックが生じず、特に耐侯性試験後の硬化被膜にもクラックが生じない傾向にある。
また上記ウレタンポリ(メタ)アクリレート化合物を5質量部以上とすれば、優れた強靭性、耐侯性を有する硬化被膜が得られる傾向にあり、また空気雰囲気下での硬化性が良好となる傾向にある。一方40質量部以下とすれば、硬度(耐摩耗性)が向上する傾向にある。
さらに上記ポリ〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕(イソ)シアヌレートを20質量部以上とすれば、優れた硬度(耐摩耗性)を有する硬化被膜が得られる傾向にあり、一方70質量部以下とすれば硬化性が向上する傾向にある。
【0014】
本発明で使用される、数平均分子量が10000〜500000のアクリルポリマー(B)は、異物が付着している基材上に硬化被膜を形成しても、異物を目視にて見えにくくする効果を発現させる成分である。そのため、硬化被膜の形成工程において必須であった過度な除塵作業を行わずに、効率よく良好な外観を有する硬化被膜を製造することが可能である。
なお、ここでいう異物とは、塵等、数μm〜40μm程度の大きさの物質を意味する。
またここでアクリルポリマー(B)の数平均分子量とは、ゲルパーミネーションカラムクロマトグラフィー(GPC)を用い、ポリスチレン換算によって求められるものである。
(B)成分の数平均分子量は、このような範囲内であれば制限はないが、硬化被膜の外観向上の観点からは高い方が好ましく、被覆材組成物中における(B)成分の相溶性の観点からは低い方が好ましいため、要求される硬化被膜の性能に応じて、この範囲内で適宜設定する。外観向上と相溶性の両立を考慮すると、(B)成分の数平均分子量の下限値は10000であることが好ましく、50000であることがより好ましい。また上限値は500000であることが好ましく、200000であることがより好ましい。
【0015】
(B)成分のアクリルポリマーの具体例としては、例えばスチレン、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、モルフォリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカン(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコ−ルモノ(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等のモノ(メタ)アクリレート、無水フタル酸と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの付加物等のモノ(メタ)アクリレート化合物等から選ばれる少なくとも一種を構成成分とするアクリルポリマーが挙げられる。
その中でも、得られる硬化被膜の耐候性、耐薬品性、耐摩耗性の観点から、スチレン、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコ−ルモノ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートの少なくとも一種を構成成分とするアクリルポリマーが特に好ましい。これらアクリルポリマー(B)は、1種単独で使用しても2種以上を混合して使用してもよく、硬化被膜の要求性能に応じて適宜選択することができる。
【0016】
本発明において、アクリルポリマー(B)の含有量は、(A)成分100質量部に対して1〜30質量部の範囲である必要がある。
この(B)成分の使用量範囲が1質量部未満の場合には、異物が混入することに起因する硬化被膜の外観不良の改善効果が充分に発現しない傾向にある。また30質量部を超える場合には、外観低下の抑制に効果は発現するが、硬化被膜の強靭性、硬度(耐摩耗性)が低下する傾向がある。
なお、本発明において(B)成分の含有量は、用いるアクリルポリマーの種類により数平均分子量が異なるため(A)成分100質量部に対して1〜30質量部の範囲であれば限定されるものではなく、用いるアクリルポリマー(B)の数平均分子量に応じて(B)成分の含有量は適宜選択すればよい。
具体的には、例えば数平均分子量が1万以上8万未満の(B)成分を用いる場合には、好ましくは5〜30質量部の範囲であり、より好ましくは5〜20質量部の範囲である。また、数平均分子量が8万以上15万未満の(B)成分を用いる場合には、2〜10質量部の範囲、数平均分子量が15万以上50万未満の(B)成分を用いる場合には、1〜5質量部の範囲で適宜選択することが好ましい。
【0017】
本発明で使用されるラジカル性光重合開始剤(C)は、被覆材組成物中での溶解性の観点から適宜選択すればよく、特に限定されるものではない。
(C)成分の具体例としては、例えばベンゾイン、ベンゾインモノメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、アセトイン、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、メチルフェニルグリオキシレート、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のカルボニル化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等の硫黄化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド等のリン酸化合物;2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1やカンファーキノン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用しても、2種以上を併用して使用してもよく、要求される被膜性能に応じて、任意に組み合わせることができる。
【0018】
本発明において、ラジカル性光重合開始剤(C)の含有量は、(A)成分100質量部に対して、好ましくは0.1〜10質量部の範囲である。さらにより好ましい下限値は2質量部であり、より好ましい上限値は6質量部である。0.1質量部以上の場合には、被覆材組成物の硬化速度を充分に促進させる効果が発現する傾向にあり、得られる硬化被膜に優れた硬度(耐摩耗性)、基材への密着性および耐候性を付与できる傾向にある。一方10質量部以下の場合には、硬化被膜の着色や、耐侯性の低下を防ぐことができる。
【0019】
また、本発明の被覆材組成物においては、溶剤で固形分90質量%に希釈した際に、その粘度(E型粘度)が2000〜5000m・Paの範囲であることが必要である。
なお、本発明において「粘度」とは、下記方法により測定される粘度を意味する。
まず、(A)成分、(B)成分、および(C)成分を含み、必要に応じて(D)成分および/または(E)成分等を含む各種成分を全て混合した後、攪拌器により30分間攪拌し、均一な固形分100質量%の試料を調製する。ついで、この固形分が90質量%となるようにn−ブタノール等の溶剤で希釈し、攪拌器でさらに30分間攪拌し、得られたものの25℃における粘度を、例えば東機産業(株)製TV−20型粘度計コーンプレートタイプTVE−20H等のE型粘度計で測定する。
【0020】
本発明において、被覆材組成物を溶剤で固形分90質量%に希釈した際の粘度(E型粘度)が2000m・Paより低い場合には、硬化被膜中に異物の付着、混入による外観不良の改善効果が充分に発現せず、異物に起因する外観不良が起こりやすい傾向にある。
一方、粘度(E型粘度)5000m・Paを超える場合にも、異物に起因する外観不良が起こりやすい傾向にある。またさらに他成分との相溶性が低下し、被覆材組成物としての取り扱い性が不良となる傾向にある。
【0021】
[(D)成分、(E)成分]
被覆材組成物は、上述した(A)〜(C)成分に加えて、さらに紫外線吸収剤(D)および/またはヒンダードアミン系光安定剤(E)を含有してもよい。これらを使用することによって、特に基材がポリカーボネート等である場合に、得られる硬化被膜の耐候性試験後の物性を格段に向上させることができる。
(D)成分としては、被覆材組成物中での溶解性に優れ、硬化被膜に耐候性を付与できるものであれば使用可能である。その中でも、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸フェニル系、安息香酸フェニル系から誘導された化合物で、それらの最大吸収波長が240〜380nmの範囲にあるものが好ましく、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系がより好ましく、ベンゾフェノン系とベンゾトリアゾール系との組み合わせが特に好ましい。
【0022】
紫外線吸収剤(D)の具体例としては、例えば2−ヒドロキシベンゾフェノン、5−クロロ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクチロキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、フェニルサリシレート、p−tert−ブチルフェニルサリシレート、p−(1,1,3,3、−テトラメチルブチル)フェニルサリシレート、3−ヒドロキシフェニルベンゾエート、フェニレン−1,3−ジベンゾエート、2−(2−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ3,5−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンとグリシジルアルキル(C12−C13)エーテルとの反応生成物等が挙げられる。
その中でも、ベンゾフェノン系の2−ヒドロキシ4−オクトキシベンゾフェノンや2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール系の2−(2−ヒドロキシ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾールがより好ましく、これらを2種以上組み合わせて用いることが特に好ましい。
【0023】
本発明において、(D)成分の配合量は特に制限がないが、(A)成分100質量部に対して、2〜30質量部の範囲が好ましく、より好ましくは5〜15質量部の範囲である。その(D)成分の配合量を2質量部以上とすることにより、硬化被膜の耐侯性が向上する傾向にあり、また30質量部以下とすることにより被覆材組成物の塗膜の硬化性が十分となる傾向にあるが、一方で得られる硬化被膜の強靭性、耐熱性、硬度(耐摩耗性)が低下する傾向がある。
【0024】
本発明において(E)成分の具体例としては、例えばビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケ−ト、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケ−ト、ビス(1−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケ−ト、ビス(1−エトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−プロポキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−ブトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−ペンチロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−ヘキシロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−ヘプチロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−ノニロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−デカニロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−ドデシロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート等が挙げられる。
その中でも、ビス(1−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートは、硬化被膜の耐候性を向上させる効果に非常に優れることからより好ましい。
【0025】
本発明において(E)成分の配合量は特に制限はないが、(A)成分100質量部に対して0.1〜5質量部の範囲が好ましく、より好ましくは0.5〜2質量部の範囲である。
(E)成分が0.1質量部以上の場合には硬化被膜の耐侯性が十分となる傾向があり、5質量部以下の場合には被覆材組成物の塗膜の硬化が促進され、また得られる硬化被膜の強靭性、硬度(耐摩耗性)が向上する傾向にある。
【0026】
さらに、本発明の被覆材組成物には、必要に応じて粘度調整剤を配合して適宜粘度を調整することができる。粘度調整剤としては、その中でも特に有機溶剤を適宜選択して使用することが好ましい。
例えば、被覆材組成物を塗布する基材がポリカーボネートである場合には、イソブタノール等のアルコ−ル系溶剤、酢酸n−ブチル、酢酸ジエチレングリコール等のエステル系溶剤等を適宜組み合わせて用いるのが良い。
本発明において有機溶剤は、(A)〜(C)成分の他、必要に応じて各種配合剤を含む固形分100質量部に対して、30〜500質量部の範囲で用いることが好ましい。さらにスプレー塗工法や、フローコート法を適用する場合等には、より好ましくは下限値が100質量部であり、上限値が300質量部の範囲である。
有機溶剤の配合量が30質量部以上の場合には、被覆材組成物の塗工性が良好となることから好ましく、500質量部以下の場合には、各種塗工方法に好適な粘度となることから好ましい。
さらに被覆材組成物には、その他必要に応じて、酸化防止剤、黄変防止剤、ブルーイング剤、顔料、レベリング剤、消泡剤、沈降防止剤、帯電防止剤、防曇剤等の各種の添加剤等の成分が含まれていてもよい。
【0027】
本発明の物品は、被覆材組成物を基材に塗布した後、有機溶剤を用いている場合には有機溶剤を揮発させ、その後これに活性エネルギー線の照射および/または加熱することにより架橋硬化し、基材表面に硬化被膜が形成されてなるものである。
このように前記被覆材組成物を各種基材上に塗布し、それを硬化させ硬化被膜を形成することにより、各種基材の表面を改質することができる。
被覆材組成物の基材への塗布方法としては、特に限定されず、例えばスプレーコート法、スピンコート法、シャワーフローコート法、カーテンフローコート法、ディップ法等の公知の方法を適用することが可能である。
前記被覆材組成物の硬化被膜は、各種基材に適用することが可能である。
本発明において、基材の種類には制限はないが、特に硬度(耐摩耗性)や耐侯性等の改善に従来から要望のある、各種の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂に好適に使用できる。
基材の具体例としては、例えばポリメチルメタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ(ポリエステル)カ−ボネ−ト樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリレ−ト樹脂、ポリメタクリルイミド樹脂、ポリアリルジグリコ−ルカ−ボネ−ト樹脂等が挙げられる。
それらのなかでも、特にポリメチルメタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメタクリルイミド樹脂は、透明性に優れることから、優れた外観が要求されること、および硬度(耐摩耗性)の改良要求も強いことから、本発明の被覆材組成物の適用が特に有効である。
さらに、このような基材からなる物品の具体例としては、屋外で使用され、優れた耐候性や硬度(耐摩耗性)が求められる自動車用ランプレンズが挙げられる。
【0028】
なお、本発明の被覆材組成物を用いて形成される硬化被膜の膜厚は適宜設定すればよく、特に制限はない。
その中でも、本発明の被覆材組成物は、基材上に形成される硬化被膜の膜厚が薄いほど、その効果が充分に発揮される傾向にある。
すなわち、一般に硬化被膜の膜厚が薄い場合、基材に付着した異物は目立つ傾向にある。具体的には、例えば本発明の被覆材組成物を使用すると、膜厚3〜40μmの比較的薄い硬化被膜の場合であっても、硬化被膜中に存在する異物に起因する外観上の欠陥を十分に抑制することができる。
ここで硬化被膜の膜厚が3μm以上の場合には、外観上の欠陥を十分に抑制でき、また基材を十分に保護できる傾向にある。一方、硬化被膜の膜厚が40μm以内の場合には、外観上の欠陥の改善効果を維持しつつ、生産性よく低コストで外観向上効果を発現させることができる傾向にある。
また、前記被覆材組成物の硬化方法は、特に限定されるものではなく、例えば紫外線の照射には、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等を用いる。紫外線照射時の雰囲気は、空気中でも良いし、窒素、アルゴン等の不活性ガス中でも良い。
【0029】
【実施例】
以下、実施例および比較例を掲げ、本発明を具体的に説明する。なお、実施例中の「部」は全て「質量部」を、「%」は全て「質量%」を意味する。
[実施例1〜5]
表1に示す配合比で(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、(E)成分および溶剤を混合した後、攪拌器により30分攪拌し、均一な被覆材組成物を調製した。
得られた被覆材組成物を使用し、以下のようにして試験片▲1▼および試験片▲2▼を作製した。各種評価結果は表1に示す。
【0030】
1)外観評価用試験片▲1▼の作製方法
異物を模した30μmのガラスビーズを、厚さ3mmのポリカーボネート樹脂板(商品名「レキサンLS−2」、GE社製)に付着させ、硬化被膜の膜厚が8μmになるように被覆材組成物をスプレー塗装した。その後60℃の加熱炉中にて90秒間の加熱により有機溶剤を揮発させた後、空気中で高圧水銀ランプを用い、波長340〜380nmの積算光量が3000mJ/cmのエネルギーを照射し硬化させ、試験片▲1▼とした。
2)物性評価用試験片▲2▼の作製方法
30μmのガラスビーズを付着させない以外は上記試験片▲1▼と同様の方法で、厚さ3mmのポリカーボネート樹脂板上に膜厚8μmの被膜を形成し、試験片▲2▼とした。
【0031】
一方、以下の方法で粘度測定用試料を調整し、そのE型粘度を測定した。
表1に示す配合比で(A)〜(E)成分を混合した後、攪拌器により30分攪拌し、均一な固形分100%の試料を調整し、ついで固形分がそれぞれ90%となるようにn−ブタノールで希釈し、さらに攪拌器で30分攪拌し、均一な固形分90%の粘度測定用試料を調整した。
粘度測定は東機産業(株)製、TV−20型粘度計コーンプレートタイプTVE−20Hを用い、25℃における粘度を測定した。
【0032】
上述した方法で得られた試験片▲1▼および▲2▼を用いて、硬化被膜の評価を以下記載する評価方法に基づき評価した。評価方法は以下の通りである。
(1)外観評価
試験片▲1▼を偏光型微分干渉顕微鏡((株)ニコン製、OPTIPHOT)を使用して観察すると、図1に示すようにガラスビーズ10の周囲に硬化被膜の盛り上がった様子が干渉縞11となって観察できる。この際の外観欠陥の大きさを図中Lで示した。そして、Lの長さによって、被膜の外観欠陥を判定した。
○・・・30〜150μm
×・・・150μmを超える
【0033】
(2)硬度(耐摩耗性)
テーバー摩耗試験器を使用し、摩耗輪がCS−10であり、500g荷重にて試験片▲2▼を300回転摩耗した後、拡散透過率(ヘイズ値)を測定し、耐摩耗性の判定を行った。判定基準は次の通りである。
○・・・増加ヘイズ値=0〜15
△・・・増加ヘイズ値=16〜20
×・・・増加ヘイズ値=20を超える
【0034】
(3)基材に対する密着性
試験片▲2▼上の硬化被膜に、1mm間隔で基材まで達するクロスカットを入れ、1mmの碁盤目を100個作り、その上にセロハンテ−プ((株)ニチバン製、商品名:セロテープ(登録商標))を貼り付け急激にはがし、剥離した碁盤目の数を数えた。判定基準は、以下の通りである。
○・・・0(全く剥離せず)
△・・・1〜50個
×・・・51〜100個
【0035】
(4)耐侯性
試験片▲2▼をサンシャインカーボンウエザオメーター(商品名「WEL−SUN−HC−B型」、スガ試験機社製)を用いて耐候性試験(ブラックパネル温度63±3℃、降雨12分間、照射48分間のサイクル)を行なった。2000時間暴露後、2500時間曝露後の硬化被膜の変化をそれぞれ観察し、外観、基材との密着性、およびクラックの発生について調べた。判定基準は、以下の通りである。
外観については、初期に比べて殆ど変色がないか、若干黄変があったものを○とし、黄変が大きかったものを×とした。
基材に対する密着性については、上記の(3)基材への密着性と同様の方法で評価した。
クラックの発生は、無かったものを○とし、あったものを×とする。
【0036】
【表1】
Figure 2004075785
なお、表1中の記号は以下の通りである。
DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
TAIC:トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート
UA1:ジシクロヘキシルメタンジオールジイソシアネート2mol、ノナブチレングリコール1molおよび2−ヒドロキシエチルアクリレート2molから合成した分子量2500のウレタンアクリレート
THFA:テトラヒドロフルフリルアクリレート
Polymer A:2−エチルヘキシルアクリレートのホモポリマー(数平均分子量約100000)
HBPB:2−(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール
BOTS:ビス(1−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート
BNP:ベンゾフェノン
Irg.651:ベンジルジメチルケタール
【0037】
表1から明らかなように、実施例1〜5の被覆材組成物から形成された硬化被膜を有する試験片▲1▼は、異物が見えにくく、外観上の欠陥が認められなかった。また、同じく試験片▲2▼は、耐摩耗性、基材に対する密着性、耐候性はいずれも優れていた。
【0038】
[比較例1〜10]
表2に示す配合比で被覆材組成物を調製し、実施例と同様に各種の評価を行った。結果を表2および表3に示す。
【0039】
【表2】
Figure 2004075785
【0040】
【表3】
Figure 2004075785
表2および表3中の記号は以下の通りである。
また、表1と同じ記号は表1と同じ内容を示す。
UA2:イソホロンジイソシアネート1mol、ペンタエリスリトールトリアクリレート2molから合成した分子量800のウレタンアクリレート
TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート
Polymer B:スチレン、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタアクリレートからなるポリマー(数平均分子量8000)
Polymer C:スチレン、メチルメタアクリレート、イソボルニルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタアクリレートからなるポリマー(数平均分子量21000)
Polymer D:2−エチルヘキシルアクリレートのホモポリマー(数平均分子量約70000)
MPG:メチルフェニルグリオキシレート
Irg.184:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
【0041】
表2および表3から明らかなように、比較例1〜3の被覆材組成物は、アクリルポリマー(B)が含有されていないか、または、含有量が少なく、かつ、固形分90%時のE型粘度がいずれも2000mPa・s未満であるため、得られた試験片▲1▼は、実施例のものに比べて異物が目立ち外観上の欠陥が見られた。
比較例4の被覆材組成物は、アクリルポリマー(B)が添加されていなかったため、得られた試験片▲1▼は、実施例のものに比べて異物が目立ち外観上の欠陥が見られた。
比較例5〜8で製造された被覆材組成物の固形分90%時のE型粘度が2000mPa・s以下であったため、得られた試験片▲1▼は異物が目立った。
比較例9で製造された被覆材組成物は、使用したアクリルポリマー(B)の数平均分子量が10000以下であり、また、固形分90%時のE型粘度が2000mPa・s未満であったため、形成された試験片▲1▼は、異物が目立ち外観上の欠陥が見られた。
比較例10で製造された被覆材組成物は、アクリルポリマー(B)の数平均分子量が10000以下であったため、得られた試験片▲1▼は、異物が目立ち外観上の欠陥が見られた。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の被覆材組成物は、例えば自動車用ランプレンズに用いると、基材上に異物が付着したまま塗装しても、得られる硬化被膜に外観上の欠陥が目視にて観察されないという優れた効果を発現するものである。
そこで、本発明の被覆材組成物を用いれば、塗装工程前に過度の防塵作業を行わなくても外観に優れた硬化被膜を有する物品を得ることができることから、特に透明基材に硬化被膜を形成する自動車用ランプレンズ等の透明基材の物品に硬化被膜を形成する際における不良品率を大幅に低減でき、生産性を高めることができる。よって本発明は、その産業上の利用度は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における外観評価の方法を説明する平面図である。

Claims (4)

  1. 1分子内に1個以上のラジカル重合性不飽和二重結合を有するモノマーおよび/またはオリゴマー(A)、
    数平均分子量が10000〜500000であるアクリルポリマー(B)、および
    ラジカル性光重合開始剤(C)
    を含有する組成物であって、該(B)成分の含有量が該(A)成分100質量部に対して1〜30質量部の範囲であり、かつ溶剤に溶解し、固形分90質量%に希釈した時の粘度が2000〜5000mPa・sの範囲であることを特徴とする被覆材組成物。
  2. 紫外線吸収剤(D)および/またはヒンダードアミン系光安定剤(E)をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の被覆材組成物。
  3. 請求項1または2に記載の被覆材組成物の塗膜を硬化してなる、膜厚3〜40μmの範囲の硬化被膜を有することを特徴とする物品。
  4. 自動車用ランプレンズであることを特徴とする請求項3に記載の物品。
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