JP2008135479A - 光電変換素子、光センサアレイ及び放射線画像検出器 - Google Patents

光電変換素子、光センサアレイ及び放射線画像検出器 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の光電変換層を有する光電変換素子において、光電変換効率を高効率化し、大きな光電流を取り出せるようにする。
【解決手段】光電変換素子は、光入射側からZ方向へ順に、所定の第1波長帯域λB1に光吸収領域を備える第1光電変換層101と、第1波長帯域λB1と一部重複する第2波長帯域λB2に光吸収領域を備える第2光電変換層102とが積層されてなる。第1、第2光電変換層101、102は共役系高分子で構成され、分子軸を揃える配向処理が互いに異なる方向に施されている。すなわち、第1光電変換層101には、X方向(基板面内(Z方向と直交する平面内)方向における所定の第1方向)に配向処理が与えられている。一方、第2光電変換層102には、Y方向(第2方向)に配向処理が与えられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、光電変換素子、この光電変換素子を用いた光センサアレイ及び放射線画像検出器に関する。
グレッツェルらは、酸化チタンなどの透明電極上に光電変換機能を有する有機色素の膜を形成することにより、アモルファスシリコン光電変換素子に近い性能を有する色素増感型光電変換素子(グレッツェルセル)を報告している(非特許文献1参照)。また、近年、ナノテクノロジーの手法を用いて、フラーレンを有する単分子膜を用いた色素増感型光電変換素子についても報告されている(例えば、特許文献1、2参照)。
これら色素増感型光電変換素子は、対電極との電気的接合を液体レドックス電解質によって行う湿式太陽電池であるため、長期にわたって使用すると電解液の枯渇により光電変換機能が著しく低下してしまい、光電変換素子として機能しなくなってしまうことが懸念される。
また、電解液を用いない有機色素による光電変換素子として、透明電極と対電極との間に電子供与体と電子受容体とを一様に混合した層を形成したバルクへテロ接合型光電変換素子、あるいは透明電極と対電極との間に電子供与体層と電子受容体層とを挟んだヘテロ接合型(積層型)光電変換素子が提案されている(特許文献3参照)。
これらの光電変換素子の動作原理は、光励起により電子供与体(あるいは電子供与体層)から電子受容体(あるいは電子受容体層)への電子の移動により正孔と電子が発生し、内部電界により正孔は電子供与体間(あるいは電子供与体層)を通り一方の電極に運ばれ、電子は電子受容体間(あるいは電子受容体層)を通りもう一方の電極へ運ばれ、光電流が観測されるというものである。しかしながら、バルクへテロ接合型光電変換素子では、電子受容体と電子供与体が均一に混在しているため、電荷分離により発生した電子と正孔が電荷輸送中に再結合し易く、これが光電変換効率を下げる要因となっている。また、ヘテロ接合型光電変換素子では、電子供与体層と電子受容体層の界面でのみ電荷分離を行うため、電荷発生量が非常に少なく、光電変換効率が低いという問題がある。
光電変換素子において、電荷輸送機能を向上させるために、光電変換層に配向処理を施すことが知られている(特許文献4、5参照)。特許文献4には、光電変換層をホッピング伝導による電荷輸送機能を有し、且つ配向が可能な高分子液晶材料で構成することが開示されている。また、特許文献4には、光電変換層を構成する共役系高分子層を一方向に配向させ、その配向方向と同方向に電界を印加することで、光電流の二色比を大きくすることが開示されている。これらは、いずれも単層の光電変換層に対する配向処理についての開示に止まる。
ところで、電極間に複数の光電変換層を積層させた光電変換素子が知られている。例えば特許文献6、7には、緑、青、赤の波長の光に各々感度を持つ3つの光電変換層を積層させることが開示されている。また、特許文献7には、電子を捕集する電極側に電子受容体の混合比が高い層を配置し、正孔を捕集する電極側に電子供与体の混合比が高い層を配置することで、光電変換効率を高効率化することが開示されている。しかし、電極間に複数の光電変換層を有する光電変換素子において、より一層、光電変換効率を高効率化し、大きな光電流を取り出せるようにすることが望まれているのが現状である。
特開2000−261016号公報 特開2002−94146号公報 特表2002−502129号公報 特開平11−87064号公報 特開2004−301827号公報 特開2005−303266号公報 特開2006−73856号公報 Journalof theAmerican Chemical Society 115(1993)6382
本発明は、上記の現状に鑑みてなされたものであって、複数の光電変換層を有する光電変換素子において、光電変換効率を高効率化し、大きな光電流を取り出せる光電変換素子を提供し、さらに該光電変換素子を用いた光センサアレイ及び放射線画像検出器を提供することを目的とする。
本発明の一局面に係る光電変換素子は、複数の光電変換層が積層されてなる光電変換素子において、所定の第1波長帯域に光吸収領域を備え、その面内方向における所定の第1方向に配向処理が与えられた第1光電変換層と、前記第1波長帯域と一部重複する第2波長帯域に光吸収領域を備え、その面内方向であって前記第1方向とは異なる第2方向に配向処理が与えられた第2光電変換層と、を含むことを特徴とする(請求項1)。
本発明の他の局面に係る光電変換素子は、複数の光電変換層が積層されてなる光電変換素子において、所定の第3波長帯域に光吸収領域を備え、その面内方向における所定の第3方向に配向処理が与えられた第3光電変換層と、前記第3波長帯域と重複しない第4波長帯域に光吸収領域を備え、その面内方向であって前記第3方向と実質的に同一の第4方向に配向処理が与えられた第4光電変換層と、を含むことを特徴とする(請求項2)。
本発明のさらに他の局面に係る光電変換素子は、複数の光電変換層が積層されてなる光電変換素子において、青色領域に吸収ピークを有し、可視光波長帯域の一部の第5波長帯域に光吸収領域を備え、その面内方向における所定の第5方向に配向処理が与えられた第5光電変換層と、赤色領域に吸収ピークを有し、可視光波長帯域の一部であって前記第5波長帯域と実質的に重複しない第6波長帯域に光吸収領域を備え、その面内方向であって前記第5方向と実質的に同一の第6方向に配向処理が与えられた第6光電変換層と、緑色領域に吸収ピークを有し、可視光波長帯域の一部又は略全域であって前記第5、第6波長帯域と重複する第7波長帯域に光吸収領域を備え、その面内方向であって前記第5、第6方向と異なる第7方向に配向処理が与えられた第7光電変換層と、を含むことを特徴とする(請求項3)。
上記いずれかの構成において、前記配向処理が、ラビング法、光配向法、シェアリング法、引き上げ塗布法、若しくは斜方蒸着法のいずれかにより実行されたものであることが望ましい(請求項4)。
上記いずれかの構成において、前記第1〜第7光電変換層は、それぞれ電子受容体あるいは電子供与体を飽和濃度の50%以上の濃度で有機溶媒に溶解した溶液を塗布して形成されたものであることが望ましい(請求項5)。
この場合、前記電子受容体は、π共役系化合物を含有することが望ましい(請求項6)。また、前記π共役系化合物は、フラーレンおよびその誘導体、カーボンナノチューブおよびその誘導体、ポルフィリンおよびその誘導体、フタロシアニンおよびその誘導体のうち、少なくとも1つを含有することが望ましい(請求項7)。
前記電子供与体は、導電性高分子化合物を含有することが望ましい(請求項8)。また、前記導電性高分子化合物は、ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリ(チオフェンビニレン)およびその誘導体、ポリアセチレンおよびその誘導体、ポリピロールおよびその誘導体、ポリフルオレンおよびその誘導体、ポリ(p−フェニレン)およびその誘導体、あるいはポリアニリンおよびその誘導体のうち、少なくとも1つを含有することが望ましい(請求項9)。
また、前記電子受容体がπ共役系化合物を含有すると共に、前記電子供与体が導電性高分子化合物を含有し、前記導電性高分子化合物は、ポリチオフェンおよびその誘導体のうち、少なくとも1つを含み、且つ前記π共役系化合物は、フラーレンおよびその誘導体のうち、少なくとも1つを含有する構成とすることが望ましい(請求項10)。
本発明の他の局面に係る光センサアレイは、請求項1〜10のいずれかに記載の光電変換素子が、アレイ状に配置されてなることを特徴とする(請求項11)。
本発明のさらに他の局面に係る放射線画像検出器は、入射した放射線の強度に応じた発光を行う第1層と、前記第1層から出力された光エネルギーを電気エネルギーに変換する第2層と、前記第2層で得られた電気エネルギーの蓄積および蓄積された電気エネルギーに基づく信号を出力する第3層と、前記第1層から第3層を保持する第4層を有する放射線画像検出器において、前記第2層は透明電極層と光電変換層とを有し、前記光電変換層が、請求項1〜10のいずれかに記載の光電変換素子の層からなることを特徴とする(請求項12)。
請求項1に係る光電変換素子によれば、光吸収領域が一部重複する第1、第2光電変換層につき、それぞれ面内方向に配向処理が施されているので各層の光電変換効率が向上する。さらに、互いに異なる第1方向及び第2方向に配向処理が与えられているので、光吸収領域が一部重複していても、優れた光電変換効率を得ることができる。
請求項2に係る光電変換素子によれば、光吸収領域が重複しない第3、第4光電変換層につき、それぞれ面内方向に配向処理が施されているので各層の光電変換効率が向上する。さらに、実質的に同一の第3方向及び第4方向に配向処理が与えられているので、第3、第4光電変換層で吸収されず透過した光の偏向方向が、第3波長帯域の光と第4波長帯域の光とで同方向になる状態を形成できる。このため、第3、第4光電変換層を透過した光を、次段に配置する他の光電変換層で効率良く吸収させ易いという利点がある。
請求項3に係る光電変換素子によれば、光吸収領域が重複しない第5、第6光電変換層にて、各々青色光、赤色光を吸収させ、配向処理が施されていることに伴い効率良く光電変換させることができる。さらに、第5、第6光電変換層が実質的に同一の第5、第6方向に配向処理が与えられているので、第5、第6光電変換層で吸収されず透過した光の偏向方向が、第5波長帯域の光と第6波長帯域の光とで同方向になる状態を形成できる。このため、第5、第6光電変換層を透過した光を、第5、第6方向とは異なる方向に配向処理が与えられている第7光電変換層で効率良く吸収させることができる。すなわち、緑色光を効率良く吸収させることができる。結果として、RGBの三色の光に対して高感度な光電変換素子を提供することができる。
請求項4に係る光電変換素子によれば、光電変換層に対して簡単且つ的確に配向処理を与えることができる。
請求項5〜10に係る光電変換素子によれば、光電変換層の構成材料が適正化され、光電変換効率、生産性等に優れた光電変換素子を提供できるようになる。
請求項11に係るセンサアレイによれば、光電変換特性に優れたセンサアレイを提供することができる。
請求項12に係る放射線画像検出器によれば、光電変換特性に優れ、高画質のデジタル放射線画像を得ることができる放射線画像検出器を提供できる。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明に係る光電変換素子は、基板(省略可)と、この基板上に形成された複数の光電変換層及び該光電変換層で生成された光電流を取り出す電極とを基本構成として備えている。図1〜図3は、この基本構成のうちの、複数の光電変換層についての各種実施形態を示す模式図である。これらの図は、主に各光電変換層の配向状態と光吸収との関係を説明するための図である。
図1は、光電変換層が2層からなり、互いの光吸収領域が重複する場合の構成を示している。すなわち図1に示す光電変換素子は、光入射側からZ方向へ順に、所定の第1波長帯域λB1に光吸収領域を備える第1光電変換層101と、第1波長帯域λB1と一部重複する第2波長帯域λB2に光吸収領域を備える第2光電変換層102とが積層されてなる。第1、第2光電変換層101、102は共役系高分子を含んで構成され、分子軸を揃える配向処理が互いに異なる方向に施されている。具体的には、第1光電変換層101には、X方向(基板面内(Z方向と直交する平面内)方向における所定の第1方向)に配向処理が与えられている。一方、第2光電変換層102には、Y方向(第2方向)に配向処理が与えられている。
共役系高分子は、分子軸を揃えることで偏光吸収が生じる。例えば、X方向に配向された共役系高分子層にZ方向から光が照射されると、X方向成分の光は吸収され易く、Y方向成分の光は吸収され難い。このような特性と各々の光吸収領域を考慮して、第1、第2光電変換層101、102の配向方向が設定されている。
ここで、第1波長帯域λB1及び第2波長帯域λB2の双方に属する波長λ1の入射光OP1が第1、第2光電変換層101、102へ入射する場合を考える。説明の便宜のため、入射光OP1のX方向成分及びY方向成分にのみ着目する(以下の実施形態でも同じ)。
この場合、第1光電変換層101は波長λ1に感度を有しX方向に配向されているため、第1光電変換層101へ入射した入射光OP1のX方向成分が吸収される。一方、Y方向成分の光は第1光電変換層101を透過し、第2光電変換層102へ入射する。第2光電変換層102は波長λ1に感度を有しY方向に配向されているため、第2光電変換層102で入射光OP1のY方向成分の光は吸収されることになる。従って、光吸収領域が重複している場合でも、2つの光電変換層101、102を有効に活用して、大きな光電流を取り出すことが可能となる。
次に、図2は、光電変換層が2層からなり、互いの光吸収領域が重複しない場合の構成を示している。すなわち図2に示す光電変換素子は、光入射側からZ方向へ順に、所定の第3波長帯域λB3に光吸収領域を備える第3光電変換層103と、第3波長帯域λB3と重複しない第4波長帯域λB4に光吸収領域を備える第4光電変換層104とが積層されてなる。第3、第4光電変換層103、104はいずれも共役系高分子で構成され、第3光電変換層103にはX方向(第3方向)の配向処理が与えられていると共に、第4光電変換層104にもX方向(第4方向)の配向処理が与えられている。
ここで、第3波長帯域λB3に属する波長λ2の入射光OP2と、第4波長帯域λB4に属する波長λ3の入射光OP3とが第3、第4光電変換層103、104へ入射する場合を考える。この場合、第3光電変換層103は波長λ2に感度を有しX方向に配向されているため、第3光電変換層103へ入射した入射光OP2のX方向成分が吸収される。一方、入射光OP2のY方向成分は第3光電変換層103を透過し、第4光電変換層104へ入射する。また、第3光電変換層103は波長λ3に感度を持たないので、入射光OP3のX、Y方向成分の双方とも、第3光電変換層103を透過する。
これに対し、第4光電変換層104は波長λ3に感度を有しX方向に配向されているため、第4光電変換層104へ入射した入射光OP3のX方向成分が吸収される。一方、入射光OP3のY方向成分は第4光電変換層104を透過する。また、第4光電変換層104は波長λ2に感度を持たないので、入射光OP2のY方向成分は第4光電変換層104を透過する。
結果として、入射光OP2、OP3をそれぞれ第3、第4光電変換層103、104にて光電変換し光電流を発生できると共に、第3、第4光電変換層103、104で吸収されず透過した光の偏向方向が、いずれもY方向成分になる状態を形成できる。このため、第3、第4光電変換層103、104を透過した光を、次段に配置する他の光電変換層で効率良く吸収させ易くなる。すなわち、検知すべき光が入射光OP2、OP3である場合、次段に配置する光電変換層として、入射光OP2、OP3に感度を有しY方向に配向された光電変換層を選択することで、第3、第4光電変換層103、104を透過した入射光OP2、OP3のY方向成分を吸収させることができ、結果的に大きな光電流を得ることができる。
続いて、図3は、光電変換層がそれぞれ青色光(B)、赤色光(R)、緑色光(G)吸収用の3層からなり、B吸収層とR吸収層は互いの光吸収領域が重複しないが、G吸収層がB吸収層及びR吸収層の双方と光吸収領域が重複する場合の構成を示している。なお、図4は、B吸収層、R吸収層及びG吸収層の光吸収特性の一例を示すグラフである。
図3に示す光電変換素子は、光入射側からZ方向へ順に、B吸収層としての第5光電変換層105、R吸収層としての第6光電変換層106及びG吸収層としての第7光電変換層107が積層されてなる。
第5光電変換層105は、図4(a)に示すように、青色領域に吸収ピークを有し、可視光波長帯域の一部の第5波長帯域λB5(350nm〜550nm付近)に光吸収領域を備え、X方向(第5方向)に配向処理が与えられている。第6光電変換層106は、図4(b)に示すように、赤色領域に吸収ピークを有し、可視光波長帯域の一部であって第5波長帯域λB5と実質的に重複しない第6波長帯域λB6(550nm〜750nm付近)に光吸収領域を備え、X方向(第6方向)に配向処理が与えられている。第7光電変換層107は、図4(c)に示すように、緑色領域に吸収ピークを有し、可視光波長帯域の略全域であって第5、第6波長帯域λB5、λB6と重複する第7波長帯域λB7(350nm〜750nm付近)に光吸収領域を備え、Y方向(第7方向)に配向処理が与えられている。
ここで、第5波長帯域λB5に属する波長λ4の入射光OP4と、第6波長帯域λB6に属する波長λ5の入射光OP4とが第5、第6、第7光電変換層105、106、107へ入射する場合を考える。この場合、第5光電変換層105は波長λ4に感度を有しX方向に配向されているため、第5光電変換層105へ入射した入射光OP4のX方向成分が吸収される。一方、入射光OP4のY方向成分は第5光電変換層105を透過し、第6光電変換層106へ入射する。また、第5光電変換層105は波長λ5に感度を持たないので、入射光OP5のX、Y方向成分の双方とも、第5光電変換層105を透過する。
これに対し、第6光電変換層106は波長λ5に感度を有しX方向に配向されているため、第6光電変換層106へ入射した入射光OP5のX方向成分が吸収される。一方、入射光OP5のY方向成分は第6光電変換層106を透過し、第7光電変換層107へ入射する。また、第6光電変換層106は波長λ4に感度を持たないので、入射光OP4のY方向成分は第6光電変換層106を透過し、第7光電変換層107へ入射する。
第7光電変換層107は波長λ4、λ5に感度を有しY方向に配向されているため、入射光OP4、OP5のY方向成分がいずれも吸収される。従って、青色光を第5光電変換層105で、赤色光を第6光電変換層106で各々吸収して光電変換できるだけでなく、第7光電変換層107で、第5、第6光電変換層105、106を透過した緑色光及び青色、赤色の残光を吸収して光電変換できる。結果として、RGBの三色の光に対して高感度な光電変換素子を提供することができる。
図5は、図3に示す本発明の実施形態に係る光電変換素子との比較のため、R吸収層の配向方向がY方向とされた第6光電変換層106’(他の構成は図3と同じ)を有する光電変換素子の構成を示している。この場合、第6光電変換層106’では、入射光OP5のY方向成分が吸収されることになる。従って、第6光電変換層106’を透過し第7光電変換層107へ入射する光は、入射光OP4のY方向成分と入射光OP5のX方向成分となる。
しかし、第7光電変換層107はY方向に配向されているため、入射光OP4のY方向成分はこの第7光電変換層107で良好に吸収されるが、入射光OP5のX方向成分の吸収率は小さくなる。なお、第7光電変換層107をX方向に配向にさせた場合は、逆に入射光OP4のY方向成分の吸収率が低下することになる。従って、図5に示す光電変換素子の構成では、図3のものに比較して、可視光全域を対象として大きな光電流を取り出すことができない。
続いて、光電変換素子の詳細構成について説明する。図6は、本発明の実施形態に係る光電変換素子20の一例を示す断面図である。光電変換素子20は、基板21上に、透明電極22、複数の光電変換層24a、24bを有する光電変換部24、及び対電極23が順次積層されてなる。
基板21としては、ガラス基板や樹脂基板等を用いることができる。この基板21は必須ではなく、例えば光電変換部24の両面に透明電極22及び対電極23を形成するようにしても良い。
透明電極22は、光電変換部24において光電変換される光を透過させることが可能な電極であり、好ましくは300〜800nmの光を透過する電極である。材料としては、例えば、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO、ZnO等の透明導電性金属酸化物、金、銀、白金などの金属薄膜、導電性高分子を用いることができる。
対電極23としては、金属(例えば金、銀、銅、白金、ロジウム、ルテニウム、アルミニウム、マグネシウム、インジウム等)、炭素、あるいは透明電極22の材料などを用いることができるが、これに限らない。
なお、図6では光電変換部24を透明電極22と対電極23とでサンドイッチする構成を示しているが、一対の櫛歯状電極を光電変換部24の片面に配置する電極構成としても良い。
光電変換部24は、複数の光電変換層24a、24bが積層されて構成され、その面内方向(層の厚さ方向ではなく、層の平面方向)における所定の方向にそれぞれ配向処理が与えられている。ここでは2層の光電変換層24a、24bを例示しているが、3層以上としても勿論良い。この光電変換部24として、例えば上述の図1〜図3に示した構成を採用することができる。
各光電変換層24a、24bは、電子受容体と電子供与体とを混合した層として構成することができる。ここで電子供与体及び電子受容体は、“光を吸収した際に、電子供与体から電子受容体に電子が移動し、正孔と電子のペア(電荷分離状態)を形成する電子供与体及び電子受容体”であり、電極のように単に電子を供与あるいは受容するものではなく、光反応によって、電子を供与あるいは受容するものである。
図6において、透明電極22から入射された光は、各光電変換層24a、24bの電子受容体あるいは電子供与体で吸収され、電子供与体から電子受容体に電子が移動し、正孔と電子のペア(電荷分離状態)を形成する。発生した電荷は、内部電界、例えば透明電極22と対電極23との電位差(透明電極と対電極の仕事関数が異なる場合)により、電子は電子受容体間を通り、また正孔は電子供与体間を通り、それぞれ異なる電極へ運ばれ、光電流が検出される。例えば電子は透明電極へ、正孔は対電極へ輸送されるが、これは透明電極の仕事関数が、対電極の仕事関数よりも大きい場合であり、仕事関数の大小が逆転すれば電子と正孔は、これとは逆方向に輸送される。また電極22、23間に電位をかけることにより、電子と正孔の輸送方向を制御することができる。
光電変換層24a又は24bは、電子受容体と電子供与体が均一に混在された単一層で構成しても良いが、電子受容体と電子供与体との混合比を変えた複数層で構成しても良い。電極間に電子供与体と電子受容体とを混合した層を形成した光電変換素子において、電子受容体と電子供与体とを均一に混在させると、電荷分離後により発生した電子と正孔が電荷輸送中に再結合してしまい易く、これが光電変換効率を下げる要因となり得る。なお、電極間に電子供与体の単体層と電子受容体の単体層とを挟んだ光電変換素子では、電子供与体層と電子受容体層の界面でしか電荷分離ができないため、電荷発生量が小さく、光電変換効率が低い。
そこで、光電変換層に、電子受容体及び電子供与体を混合した複数の層を用い、それぞれの層の電子受容体と電子供与体の混合比を変えることにより、素子性能を低下させる原因である電荷発生量の問題、及び電荷分離後の電荷輸送の問題を解決することができる。例えば、電子を捕集する電極側に電子受容体の混合比高い層を配置し、また、正孔を捕集する電極側には、電子供与体の混合比の高い層を配置することにより、発生電荷量を大きく保ったまま、電荷輸送中の再結合確率を下げることができる。
図7に、このような光電変換層24a(24b)の構成例を示す。ここでは、光電変換層が、電子受容体層241、複数の電子受容体/供与体混合層242〜244、及び電子供与体層245で構成されている例を示している。図7の例では、電子受容体/供与体混合層242〜244は、電子受容体/電子供与体=5/1(当量比)の層、電子受容体/電子供与体=1/1の層および電子受容体/電子供与体=1/5の層で構成されているが、これらの混合比、層の数に限るものではない。また各層の配置については、図7に示すように、電子を捕集する電極(ここでは透明電極)に近いほど電子受容体密度の高い層を、正孔を捕集する電極(ここでは対電極)に近いほど電子供与体密度の高い層を配置することが好ましい。また電子受容体層241、電子供与体層245は単分子膜であることが好ましいが、これに限らない。また電子受容体層241、電子供与体層245は必須ではない。
電子受容体と電子供与体とが混合された光電変換層の形成方法としては、蒸着法、塗布法(キャスト法、スピンコート法を含む)などを例示することができる。この中で、特に塗布法が好ましい。また、電子受容体あるいは電子供与体を飽和濃度の50%以上の濃度で有機溶媒に溶解した溶液を調整して、塗布することが好ましい。これにより、すでに形成した塗布膜への侵食が抑えられ、ムラのない多層膜を形成することができる。
電子受容体材料としては、π共役系化合物が好ましい。π共役系化合物とは、芳香族π電子を7つ以上有する化合物を意味する。したがって、例えば、化1に示したピロメリットイミド誘導体(化合物1−5)は、芳香族π電子を6つしか持たないのでπ共役系化合物ではなく、ナフトイミド誘導体(化合物1−6)については、芳香族π電子を10個有するのでπ共役系化合物である。
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またπ共役系化合物の中でも、化2に示したフラーレンカーボンナノチューブ、ポルフィリン、フタロシアニンの基本骨格をもつ電子受容体が好ましい。化3にフラーレンおよびその誘導体の好ましい具体例を示す。化4にカーボンナノチューブおよびその誘導体の好ましい具体例を示す(化4で、nは1以上の整数である。)。化5にポルフィリンおよびその誘導体の好ましい具体例を示す(化5で、nは0以上の整数、mは1以上の整数である。)。化6にフタロシアニンおよびその誘導体の好ましい具体例を示す(化6で、nは0以上の整数である。)。π共役系化合物については、化3〜6に示した具体例に限らない。
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また、電子供与体材料は、光吸収により生じた電荷を輸送するため、導電性材料を含有して形成されることが好ましい。例えば、導電性材料としては、p型無機半導体(GaP、NiO、CoO、FeO、Bi、MoO、Cr、一価の銅を含む化合物等)や導電性高分子化合物が好ましい。
導電性高分子化合物としては、化7に示したポリフェニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリ(チオフェンビニレン)、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリ(p−フェニレン)、ポリアニリンの基本骨格を持つものが好ましい(化7で、xは1以上の整数であることが好ましい。)。
化8にポリフェニレンビニレンおよびその誘導体の好ましい具体例を示す(化8で、n、m、k、jは0以上の整数、xは2以上の整数である。)。
化9にポリチオフェンおよびその誘導体の好ましい具体例を示す(化9で、n、mは0以上の整数、kは1以上の整数、xは2以上の整数である。)。
化10にポリ(チオフェンビニレン)およびその誘導体の好ましい具体例を示す(化10で、n、m、k、jは0以上の整数、xは2以上の整数である。)。
化11にポリアセチレンおよびその誘導体の好ましい具体例を示す(化11で、n、mは0以上の整数、xは2以上の整数である。)。
化12にポリピロールおよびその誘導体の好ましい具体例を示す(化12で、nは0以上の整数、kは1以上の整数、xは1以上の整数である。)。
化13にポリフルオレンおよびその誘導体の好ましい具体例を示す(化13で、n、mは0以上の整数、xは1以上の整数である。)。
化14にポリ(p−フェニレン)およびその誘導体の好ましい具体例を示す(化14で、n、mは0以上の整数、x、yは1以上の整数である。)。
化15にポリアニリンおよびその誘導体の好ましい具体例を示す(化15で、nは0以上の整数、xは2以上の整数である。)。
導電性高分子化合物は、化8〜15に示した具体例に限られない。
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本発明においては、このような光電変換層24a、24bの各々に対して、配向処理が与えられる。かかる配向処理の方法としては、液晶の配向手法として知られている各種の方法、例えば「液晶の基礎と応用」(松本正一、角田市良共著、工業調査会1991年)第5章、「強誘電性液晶の構造と物性」(福田敦夫、竹添秀男共著、コロナ社、1990年)第7章、「液晶」第3巻第1号(1999年)3〜16頁等に記載の各種方法を用いることができる。中でもラビング法、光配向法、シェアリング法(ずり応力印加法)や引き上げ塗布法が配向手法として簡便かつ有用で利用しやすく、好ましい。また、斜方蒸着法も好ましく用いることができる。
ラビング法とは、支持基板表面または支持基板上に配向させる材料(共役系高分子)を含む被加工層を形成し、この被加工層を布などで軽く擦る方法である。支持基板としてはガラスや高分子フィルム等を用いることができる。薄膜表面を擦る布としては、ガーゼやポリエステル、コットン、ナイロン、レーヨンなどの布を用いることができる。なお、このような布をローラ上に巻回したラビリングローラを、被加工層に圧接回転させる配向処理とすることが望ましい。また、支持基板と被加工層との間に別途配向膜を形成すると、より配向性能が高くなる。ここで配向膜としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ナイロン等からなる配向膜などがあげられ、市販の液晶用配向膜も用いることができる。配向膜はスピンコート法やフレキソ印刷などで形成することができる。ラビングに用いる布は、用いる配向膜にあわせて適宜選択することができる。
光配向法とは、支持基板上に光反応性を有した材料を含む被加工層を形成し、それに偏光UV光照射あるいはUV光を斜入射照射して配向機能を持たせる方法である。例えば、共役系高分子に光反応性を有した材料を混合する、又は共役系高分子に光反応性の置換基を導入するなどの方法により、光配向法で配向させることもできる。また、光配向法で配向させた配向膜の上に共役系高分子を含む層を形成し、配向させることも可能である。光配向させる配向膜としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルシンナメートなどがあげられ、市販の液晶用配向膜も用いることができる。
ラビング法または光配向法において、共役系高分子を配向させるためには、通常は、支持基板を共役系高分子のTg以上あるいは液晶相または等方相の温度にすることが好ましい。この温度にするのは、共役系高分子を支持基板上に塗布する前でも、あとでもよい。共役系高分子を共役系高分子のTg以上あるいは液晶相または等方相の温度にした後、急冷してもよいし、徐冷してもよい。特に、−1度/分以下の速度で徐冷することが好ましく、より好ましくは−0.2度/分以下の速度である。共役系高分子を含む被加工層の形成には、共役系高分子を支持基板上にのせてTg以上あるいは液晶相または等方相を示す温度に設定し、ロッドなどで一方向にコーティングするか、共役系高分子を有機溶媒に溶解した溶液を調製し、スピンコートやフレキソ印刷などで塗布する方法で行うことができる。
シェアリング法とは、支持基板上にのせた被加工層の上に別の基板をのせ、液晶相または等方相になる温度下で上にのせた基板を一方向にずらす方法である。このとき、上記ラビング法や光配向法で記載したような配向処理を施した支持基板を用いると、より配向度が高いものが得られる。支持基板としては、ガラスや高分子フィルム等を用いることができ、応力でずらすものは支持基板ではなく金属製のロッド等でもよい。
引き上げ塗布法とは、配向させる材料が溶液から塗布できる場合、支持基板を配向させる材料の溶液に浸し、引き上げる手法である。配向させる共役系高分子を溶解させる溶媒や、支持基板の引き上げ速度は特に限定はされないが、共役系高分子の重合度、分子量、溶液の粘度などにあわせて選択、調整することができる。
斜方蒸着法とは、J.L.Janningによって開発された方法であり、配向剤である酸化ケイ素や金(Au)のような金属を、基板面の法線に対して斜め方向から数10〜数100nmの厚みに蒸着することを基本とする方法である。
以上のような配向処理が与えられた1つの光電変換層全体の膜厚は、光吸収量を稼ぐといった観点から、50nm以上(特に100nm以上)が好ましく、また電気抵抗が大きく成り過ぎないといった観点から1μm以下(特に300nm以下)が好ましい。
前記光電変換素子は、透明電極を含む2つの電極と、複数の光電変換層のみで構成されるものに限られず、例えば電極と光電変換層の間に絶縁層、あるいは下引き層などの他の層を有しても良い。
次に、以上説明した光電変換素子を応用した放射線画像検出器を用いたシステムの実施の一形態について詳細に説明する。図8は、本発明の実施形態に係る放射線画像検出器3を用いた画像検出システムSを示すブロック図である。このシステムSは、放射線画像検出器3、放射線発生器4、パーソナルコンピュータ等からなる処理制御部5及びネットワーク機器部6を含んでいる。
処理制御部5は、画像処理部51、画像表示部52、情報入力部53、画像出力部54、画像保存部55及びコンピュータ支援画像自動診断部(CAD)56を具備する。またネットワーク機器部6は、ネットワーク60にCT(computerized tomography)61、MRI(magnetic resonance imaging)62、CR(computed radiography)やFPD(Flat Panel Detector)等のX線撮影装置63、外部画像保存装置64及び外部画像表示装置65が接続されてなる。
図8において、放射線発生器4から放射された放射線は、被写体(医療施設では例えば患者)Hを通して放射線画像検出器3に照射される。放射線画像検出器3では、照射された放射線の強度に基づいて画像信号DFEを生成する。この生成された画像信号DFEは、放射線画像検出器3に接続されている画像処理部51によって読み出される。あるいは画像信号DFEは、放射線画像検出器3に装着された例えば半導体メモリカード等の携帯可能な記録媒体に蓄積されたのち、この記録媒体が放射線画像検出器3から取り外されて画像処理部51に装着されることにより、画像処理部51に供給される。
画像処理部51では、放射線画像検出器3で生成された画像信号DFEに対して、シェーディング補正やゲイン補正、階調補正、エッジ強調処理、周波数処理、ダイナミックレンジ圧縮処理などの画像処理が施される。これにより、診断等に適した画像信号が出力される。また、画像処理部51には画像表示部52が接続されており、この画像表示部52には、画像処理部51から出力された画像処理後の画像信号に基づいて生成された画像が表示される。
また、画像処理部51は、画像の拡大や縮小も行えるとともに画像信号の蓄積や転送を容易とするために画像信号の圧縮や伸長処理も行う。このため、画像表示部52に表示されている画像を拡大/縮小することで、撮影部位の確認や処理状態を容易に行うことができる。また、表示された画像や表示された画像の領域を指定させて、指定された画像や指定された領域に対して適切な画像処理を自動的に行うこともできる。
画像処理部51には、キーボード、マウス、ポインターなどを有する操作入力部53が接続されている。ユーザは、この操作入力部53によって患者情報などを入力し、付加情報を画像信号に付け加えることができる。また、画像処理の指定や画像信号の保存や読み出し、ネットワークを介した画像信号の送受信を行う際の指示等も、操作入力部53から行われる。
画像出力部54は、記録紙やフィルム等に放射線画像を記録して出力する。例えば、銀塩写真フィルムに対して、画像信号に基づき露光し、この露光された銀塩写真フィルムの現像処理を行うことで放射線画像を銀画像として記録して出力するイメージャであっても良い。或いは、画像信号に基づいてインクジェット法によりインクを記録紙又はフィルムに印刷するインクジェットプリンタ、画像信号に基づいてインクを溶融あるいは昇華させて記録紙又はフィルムに画像を転写するサーマルプリンタ、若しくは画像信号に基づきレーザ光で感光体上を走査して感光体上に付着したトナーを紙に転写してから熱と圧力で定着させることにより記録紙に画像を形成する電子写真プリンタであっても良い。
画像保存部55は、ハードディスクなどの情報記録媒体からなり、放射線画像の画像信号を必要に応じて適宜読み出すことができるように保存するものである。
CAD56は、診断に有用な情報を医師に提供することで病変の見落としがないように診断支援すべく、撮影された放射線画像のコンピュータ処理やコンピュータ解析を行い診断に有用な情報を放射線画像の画像信号に付加する。
画像処理部51は、放射線画像の画像信号を、上述の画像出力部54や画像保存部55及びCAD56だけでなく、ネットワーク機器部6に対して送付することができる。すなわち、いわゆるLANやインターネット及びPACS(医療画像ネットワーク)等のネットワーク60を介して、放射線画像の画像信号を病院施設内のほかの部署あるいは遠隔地にも送付することができる。
また、画像処理部51は、このネットワークを介して、CT61やMRI62から得られた画像信号、或いはCRやFPD等のX線撮影装置63から得られた画像信号、及びその他の検査情報等も受信でき、放射線画像検出器3で得られた放射線画像と比較検討するため、ネットワーク60を介して送付されてきた画像信号や検査情報等を画像表示部52で表示したり画像出力部54から出力させたりすることもできる。さらに、画像処理部51は、送付されてきた画像信号や検査情報等を画像保存部55に保存させることもできる。また、画像処理部51は、放射線画像検出器20で得られた放射線画像の画像信号等を外部画像保存装置64に保存させたり、外部画像表示装置65の画面上に、放射線画像検出器3で得られた放射線画像を表示させたりすることもできる。
図9は、放射線画像検出器3の構造の一例を示す一部破断斜視図である。放射線画像検出器3は、撮像パネル31、走査駆動回路32、信号選択回路33、制御回路34、メモリ部35、操作部36、表示部37、電源部38、コネクタ39及び筐体300を有している。
撮像パネル31は、照射された放射線の強度に応じて蓄積された電気エネルギーを生成するものであり、上述の光電変換素子の多数がアレイ状(2次元マトリクス状)に配列された面を含む。撮像パネル31で生成された電気エネルギーは、走査駆動回路32により読み出され、信号選択回路33により画像信号として出力される。出力された画像信号は、書き換え可能な読み出し専用メモリ(例えばフラッシュメモリ)等からなるメモリ部35に記憶される。また放射線画像検出器3の動作は、制御回路34で制御され、操作部36により動作が切り替えられる。
表示部37は、画像の撮影準備が完了したことや、メモリ部35に所定量の画像信号が書き込まれたこと等を表示させるためのものである。電源部38は、撮像パネル31を駆動して画像信号を得るために必要とされる電力を供給するものである。コネクタ39は、放射線画像検出器3と画像処理部51との間で通信を行うためのものである。筐体300の内部や、走査駆動回路32、信号選択回路33、制御回路34及びメモリ部39等は、図示していない放射線遮蔽部材で覆われている。放射線遮蔽部材により、筐体300内部における放射線の散乱、各回路へ放射線照射が防止される。
筐体300は、上記の各構成要素を収納するためのものである。筐体300としては、外部からの衝撃に耐えかつ重量ができるだけ軽い素材、例えば、アルミニウムあるいはその合金であることが好ましい。筐体300の放射線入射面側は、放射線を透過し易い非金属例えばカーボン繊維などを用いて構成する。また、放射線入射面とは逆である背面側においては、放射線が放射線画像検出器3を透過してしまうことを防ぐ目的、あるいは放射線画像検出器3を構成する素材が放射線を吸収することで生ずる2次放射線からの影響を防ぐ目的のために、放射線を効果的に吸収する材料、例えば鉛板などを用いることは好ましい実施態様である。
図10は、撮像パネル31の回路構成を示す回路図である。撮像パネル31は、照射された放射線の強度に応じて蓄積された電気エネルギーを読み出すための収集電極310が2次元配置されている。この収集電極310がコンデンサ311の一方の電極とされて、電気エネルギーがコンデンサ311に蓄えられる。ここで、1つの収集電極310は放射線画像の1画素に対応するものである。
画素間には、走査線313−1〜313−mと信号線314−1〜314−nとが、例えば直交するように配設される。コンデンサ311−(1,1)には、シリコン積層構造あるいは有機半導体で構成されたトランジスタ312−(1,1)が接続されている。このトランジスタ312−(1,1)は、例えば電界効果トランジスタであり、ドレイン電極あるいはソース電極が収集電極310−(1,1)に接続されるとともに、ゲート電極は走査線313−1と接続される。ドレイン電極が収集電極310−(1,1)に接続されるときにはソース電極が信号線314−1と接続され、ソース電極が収集電極310−(1,1)に接続されるときにはドレイン電極が信号線314−1と接続される。また、他の画素の収集電極310やコンデンサ311及びトランジスタ312も同様に走査線313や信号線314が接続される。なお、符号316はリセット線を示す。
図11は、撮像パネル31の一部断面図(1画素)を示している。撮像パネル31の放射線照射面側には、入射された放射線の強度に応じて発光を行う第1層301が設けられている。放射線としては例えばX線が挙げられる。この場合、例えば波長が0.1nm(1×10-10m)程度であって、人体や船舶そして航空機の部材等を透過する電磁波であるX線が照射される。このX線は、放射線発生器4から出力されるものであり、放射線発生器4は、一般に固定陽極あるいは回転陽極X線管が用いられる。また、X線管は、通常、陽極の負荷電圧が10kVから300kVであり、医療用に用いられる場合は20kVから150kVである。
第1層301は、蛍光体を主たる成分とするシンチレータであり、入射した放射線により、波長が300nmから800nmの蛍光を発する。
この第1層301で用いられる蛍光体は、CaWO4、CaWO4:Pb、MgWOなどのタングステン酸塩系蛍光体、Y22S:Tb、Gd22S:Tb、La22S:Tb、(Y,Gd)22S:Tb、(Y,Gd)22S:Tb,Tmなどのテルビウム賦活希土類酸硫化物系蛍光体、YPO4:Tb、GdPO4:Tb、LaPO4:Tbなどのテルビウム賦活希土類燐酸塩系蛍光体、LaOBr:Tb、LaOBr:Tb,Tm、LaOCl:Tb、LaOCl:Tb,Tm、GdOBr:Tb、GdOBr:Tb,Tm、GdOCl:Tb、GdOCl:Tb,Tmなどのテルビウム賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体、LaOBr:Tm、LaOCl:Tmなどのツリウム賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体、LaOBr:Gd、LuOCl:Gdなどのガドリニウム賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体、GdOBr:Ce、GdOCl:Ce、(Gd,Y)OBr:Ce、(Gd,Y)OCl:Ceなどのセリウム賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体、BaSO4:Pb、BaSO4:Eu2+、(Ba,Sr)SO4:Eu2+などの硫酸バリウム系蛍光体、Ba3(PO42:Eu2+、(Ba2PO42:Eu2+、Sr3(PO42:Eu2+、(Sr2PO42:Eu2+などの2価のユーロピウム賦活アルカリ土類金属燐酸塩系蛍光体、BaFCl:Eu2+、BaFBr:Eu2+、BaFCl:Eu2+,Tb、BaFCl:Eu2+,Tb、BaF2・BaCl2・KCl:Eu2+、(Ba,Mg)F2・BaCl2・KCl:Eu2+の2価のユーロピウム賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体、CsI:Na、CsI:Tl、NaI、KI:Tlなどの沃化物系蛍光体、ZnS:Ag、(Zn,Cd)S:Ag、(Zn,Cd)S:Cu、(Zn,Cd)S:Cu,Agなどの硫化物系蛍光体、HfP27、HfP27:Cu、Hf3(PO44などの燐酸ハフニウム系蛍光体、YTaO4、YTaO4:Tm、YTaO4:Nb、(Y,Sr)TaO4:Nb、LuTaO4、LuTaO4:Tm、LuTaO4:Nb、(Lu,Sr)TaO4:Nb、GdTaO4:Tm、Mg4Ta29:Nb、Gd23・Ta25・B23:Tbなどのタンタル酸塩系蛍光体、他に、Gd22S:Eu3+、(La,Gd,Lu)2Si27:Eu、ZnSiO4:Mn、Sr227:Euを用いることができる。
特に、X線吸収及び発光効率が高いことよりセシウムアイオダイド(CsI:X、Xは賦活剤)やガドリニウムオキシサルファイド(Gd22S:X、Xは賦活剤)が好ましく、これらを用いることで、ノイズの低い高画質の画像を得ることができる。
また、シンチレータは、柱状結晶構造であることが好ましい。柱状結晶では光ガイド効果、すなわち結晶内での発光が柱状結晶の側面より外に放射されてしまうことを少なくできる効果を得られるので、鮮鋭性の低下を抑制することが可能であり、蛍光体層膜厚を厚くすることによりX線吸収が増加し粒状性を向上できるからである。
ただし、本実施形態に用いられる蛍光体はこれらに限定されるものではなく、放射線の照射によって可視又は紫外または赤外領域などの、受光素子が感度を持つ領域の電磁波を出力する蛍光体であれば良い。また、本実施形態で用いられる蛍光体粒子の直径は7μm以下、特に4μm以下であることが好ましい。蛍光体粒子の直径が小さいほどシンチレータ層内での光の散乱を防ぐことが可能となり、高い鮮鋭度を得られるからである。そして、この蛍光体粒子はバインダーに分散されても良い。このようなバインダーとしては、例えば、ポリウレタン、塩化ビニル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、セルロース誘導体、スチレン−ブタジエン共重合体、各種合成ゴム系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラニン樹脂、フェノキシ樹脂、シリコン樹脂、アクリル系樹脂、尿素ホルムアミド樹脂等があげられる。中でもポリウレタン、ポリエステル、塩化ビニル系共重合体、ポリビニルブチラール、ニトロセルロースを使用することが好ましい。このような好ましいバインダーを用いることで、蛍光体の分散性を高め、蛍光体の充填率を高くすることが可能となり、粒状性の向上に寄与するからである。
上記バインダー中に分散される蛍光体の重量含有量は90〜99%であることが好ましい。また第1層301の厚さは、粒状性を良くする観点から、20μm以上(特に50μm以上)が好ましく、鮮鋭性を良くする観点から1mm以下(特に300μm以下)が好ましい。
なお、本実施形態で用いられる蛍光体は一部を除き吸湿性であるので、環境の湿気に影響されないように封止することが好ましい。このため、例えば特開平11−223890、特開平11−249243、特開平11−344598、特開2000−171597に開示されている方法を用いることで、撮像パネル31の全体を封止することができる。
第1層301の放射線照射面側とは逆の面側に、第1層301から出力された電磁波(光)を電気エネルギーに変換する第2層302が形成される。この第2層302は、第1層301側から、隔膜302a、透明電極302b、光電変換層302c、導電層302dが設けられている。ここで用いられる光電変換層302cは、前述した光電変換素子における光電変換層と同等の構成、役割を示すものである。
隔膜302aは、第1層301と他の層とを分離するためのものであり、例えばOxi−nitrideなどが用いられる。透明電極302bは、蒸着やスパッタリング等の方法を用いて薄膜を形成できる。また、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、あるいは高いパターン精度を必要としない場合(100μm以上程度)は、上記電極物質の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。この透明電極は透過率を5%より大きくすることが望ましい。さらに膜厚は材料にもよるが、膜の均一性を良くする観点から、10nm以上が好ましく、作製時間を短くする観点から、1μm以下(特に200nm)が好ましい。
光電変換層302cは、図1〜図3、図6、図7に示したような、所定の配向処理が与えられた複数の光電変換層からなる。光電変換層302cは、第1層301から出力された電磁波(光)を吸収することにより、電子と正孔を発生する。ここで発生した正孔は導電層302dに集められ、電子は透明電極302bに集められる。なお、本構造において、透明電極302bと光電変換層302cとの間、あるいは導電層302dと光電変換層302cとの間に正孔伝導層や電子伝導層を形成しても良いが、必ずしも必須なものではない。
導電層(対電極)302dは、例えばクロムなどで生成されている。また、一般の金属電極若しくは前記透明電極の中から選択可能であるが、良好な特性を得るためには仕事関数の小さい(4.5eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましい。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、アルミニウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al23)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類全属などが挙げられる。この導電層302dは、これらの電極物質を原料として蒸着やスパッタリング等の方法を用いて生成できる。また、導電層302dのシートの膜厚は、膜の均一性を良くする観点から、10nm以上(特に50nm以上)が好ましく、作製時間を短くする観点から、1μm以下(特に500nm)が好ましい。
第2層302の放射線照射面側とは逆の面側には、第2層302で得られた電気エネルギーの蓄積、および蓄積された電気エネルギーに基づく信号の出力を行う第3層303が形成されている。第3層303は、第2層302で生成された電気エネルギーを画素毎に蓄えるコンデンサ311と、蓄えられた電気エネルギーを信号として出力するためのスイッチング素子であるトランジスタ312を用いて構成されている。なお第3層303は、スイッチング素子を用いるものに限られるものではなく、例えば蓄えられた電気エネルギーのエネルギーレベルに応じた信号を生成して出力する構成とすることもできる。
トランジスタ312は、例えばTFT(薄膜トランジスタ)を用いるものとする。このTFTは、液晶ディスプレイ等に使用されている無機半導体系のものでも、有機半導体を用いたものでも良く、好ましくはプラスチックフィルム上に形成されたTFTである。プラスチックフィルム上に形成されたTFTとしては、アモルファスシリコン系のものが知られているが、その他、米国AlienTechnology社が開発しているFSA(Fluidic Self Assembly)技術、即ち、単結晶シリコンで作製した微小CMOS(Nanoblocks)をエンボス加工したプラスチックフィルム上に配列させることで、フレキシブルなプラスチックフィルム上にTFTを形成するものとしても良い。さらに、Science283,822(1999)やAppl.Phys.Lett,771488(1998)、Nature,403,521(2000)等の文献に記載されているような有機半導体を用いたTFTであってもよい。
このように、本実施形態に用いられるスイッチング素子としては、上記FSA技術で作製したTFT及び有機半導体を用いたTFTが好ましく、特に好ましいものは有機半導体を用いたTFTである。この有機半導体を用いてTFTを構成すれば、シリコンを用いてTFTを構成する場合のように真空蒸着装置等の設備が不要となり、印刷技術やインクジェット技術を活用してTFTを形成できるので、製造コストが安価となる。さらに、加工温度を低くできることから熱に弱いプラスチック基板状にも形成できる。
また、有機半導体を用いたTFTの内、電界効果型トランジスタ(FET)が特に好ましく、具体的には図12(a)〜図12(c)に示す構造の有機TFTが好ましい。図12(a)に示す有機TFTは、基板上にゲート電極,ゲート絶縁層,ソース・ドレイン電極,有機半導体層を順に形成したものである。図12(b)に示す有機TFTは、基板上にゲート電極,ゲート絶縁層,有機半導体層,ソース・ドレイン電極を順に形成したものである。図12(c)に示す有機TFTは、有機半導体単結晶上にソース・ドレイン電極,ゲート絶縁層,ゲート電極を順に形成したものである。
有機半導体層を形成する化合物は、単結晶材科でもアモルファス材料でもよく、低分子でも高分子でもよいが、特に好ましいものとしては、ペンタセンやトリフェニレン、アントラセン等に代表される縮環系芳香族炭化水素化合物の単結晶や、前記π共役系高分子が挙げられる。
ソース電極、ドレイン電極及びゲート電極は、金属でも導電性無機化合物でも導電性有機化合物でも何れでもよいが、作製の容易さの観点から導電性有機化合物であることが好ましい。その代表例としては、前記π共役系高分子化合物にルイス酸(塩化鉄、塩化アルミニウム、臭化アンチモン等)やハロゲン(ヨウ素や臭素など)、スルホン酸塩(ポリスチレンスルホン酸のナトリウム塩(PSS)、p−トルエンスルホン酸カリウム等)などをドープしたものが挙げられ、具体的にはPEDOTにPSSを添加した導電性高分子が代表例として挙げられる。有機TFTの具体例としては、図13で示したものが挙げられる。
スイッチング素子であるトランジスタ312には、図10及び図11に示すように、第2層302で生成された電気エネルギーを蓄積するとともに、コンデンサ311の一方の電極となる収集電極310が接続されている。このコンデンサ311には、第2層302で生成された電気エネルギーが蓄積されるとともに、この蓄積された電気エネルギーはトランジスタ312が駆動されることで読み出される。すなわち、スイッチング素子を駆動することで、放射線画像についての画素毎の信号を生成することができる。なお図11において、トランジスタ312は、ゲート電極312a、ソース電極(ドレイン電極)312b、ドレイン電極(ソース電極)312c、有機半導体層312d、絶縁層312eで構成されている。
第4層304は、撮像パネル31の基板である。この第4層304として好ましく用いられる基板は、プラスチックフィルムである。かかるプラスチックフィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ボリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等のフィルムが挙げられる。このように、プラスチックフィルムを用いることで、ガラス基板を用いる場合に比べて軽量化を図ることができるとともに、衝撃に対する耐性を向上できる。
更にこれらのプラスチックフィルムには、トリオクチルホスフェートやジブチルフタレート等の可塑剤を添加してもよく、ベンゾトリアゾール系やベンゾフェノン系等の公知の紫外線吸収剤を添加してもよい。また、テトラエトキシシラン等の無機高分子の原料を添加し、化学触媒や熱、光等のエネルギーを付与することにより高分子量化する、いわゆる有機−無機ポリマーハイブリッド法を適用して作製した樹脂を原料として用いることもできる。
更に第4層304の第3層303側の面とは反対面側に、電源部38として、例えばマンガン電池、ニッケル・カドミウム電池、水銀電池、鉛電池などの一次電池、充電可能な二次電池を設けるものとしても良い。この電池の形態としては、放射線画像検出器を薄型化できるように平板状の形態が好ましい。
また、撮像パネル31には、信号線314−1〜314−nに、例えばドレイン電極が接続された初期化用のトランジスタ315−1〜315−nが設けられている(図10)。このトランジスタ315−1〜315−nのソース電極は接地されている。また、ゲート電極はリセット線316と接続されている。
撮像パネル31の走査線313−1〜313−mとリセット線316は、走査駆動回路32と接続されている。走査駆動回路32から走査線313−1〜313−mのうちの1つの走査線313−p(pは1〜mのいずれかの値)に読出信号RSが供給されると、この走査線313−pに接続されたトランジスタ312−(p,1)〜312−(p,n)がオン状態とされて、コンデンサ311−(p,1)〜311−(p,n)に蓄積された電気エネルギーが信号線314−1〜314−nにそれぞれ読み出される。信号線314−1〜314−nは、信号選択回路33の信号変換器331−1〜331−nに接続されており、信号変換器331−1〜331−nでは信号線314−1〜314−n上に読み出された電気エネルギー量に比例する電圧信号SV−1〜SV−nが生成される。この信号変換器331−1〜331−nから出力された電圧信号SV−1〜SV−nはレジスタ332に供給される。
レジスタ332では、供給された電圧信号が順次選択されて、A/D変換器333で(例えば、12ビットないし14ビットの)1つの走査線に対するデジタルの画像信号とされる。制御回路34は、走査線313−1〜313−m各々に、走査駆動回路32を介して読出信号RSを供給して画像走査を行い、走査線毎のデジタル画像信号を取り込んで、放射線画像の画像信号の生成を行う。なお、走査駆動回路32からリセット信号RTをリセット線316に供給してトランジスタ315−1〜315−nをオン状態とするとともに、走査線313−1〜313−mに読出信号RSを供給してトランジスタ312−(1,1)〜312−(m,n)をオン状態とすると、コンデンサ311−(1,1)〜311−(m,n)に蓄えられた電気エネルギーがトランジスタ312−1〜312−nを介して放出して、撮像パネル31の初期化を行うことができる。
制御回路34にはメモリ部35や操作部36が接続されており、操作部36からの操作信号PSに基づいて放射線画像検出器3の動作が制御される。操作部36には複数のスイッチが設けられており、操作部36からのスイッチ操作に応じた操作信号PSに基づき、撮像パネル31の初期化や放射線画像の画像信号の生成が行われる。また放射線画像の画像信号の生成は、放射線発生器4から放射線照射終了信号がコネクタ39を介して供給されたときに行うものとすることもできる。さらに制御回路34は、生成した画像信号をメモリ部35に記憶させる処理等も行う。
ここで、図9に示すように、放射線画像検出器3に電源部38を設けるとともに放射線画像の画像信号を記憶するメモリ部35を設け、コネクタ39を介して放射線画像検出器3を着脱自在にすれば、放射線画像検出器3を持ち運びできるシステムを構築できる。さらに、不揮発性メモリを用いてメモリ部35を着脱可能に構成すれば、放射線画像検出器3と画像処理部51を接続しなくとも、メモリ部35を画像処理部51に装着するだけで画像信号を画像処理部51に供給できることから、更に放射線画像の撮影及び画像処理が容易となり、操作性を向上できる。なお、放射線画像検出器3を据置き型として用いる場合には、コネクタ39を介して電力の供給や画像信号の読み出しを行うことで、メモリ部35や電源部38を設けなくとも、放射線画像の画像信号を得られることは勿論である。
このように、上述の実施形態では、基板となる第4層304を樹脂で構成したことにより、ガラス基板を用いた従来の放射線画像検出器に比べて軽量化を図ることができる。また、第4層304を樹脂で構成したことにより、第4層304上に形成される第3層303は、分割されたシリコン積層構造の素子や有機半導体で形成される。このため、ガラス基板を用いた従来の放射線画像検出器のように、シリコンを主体とする薄膜トランジスタをガラス基板上に形成する高価で特殊な製造装置を用いる必要がないことから、放射線画像検出器を安価に製造できる。
さらに、第3層303の上に構成される第2層302は、導電性高分子化合物並びにπ共役系有機化合物からなるものであることから、シリコンを用いる光半導体の製造装置を用いる必要がなく、この点に於いても放射線画像検出器を安価に製造できる。
[実施例1]
1)素子の作製
図14(a)は、実施例として作成したフォトセンサ基板200の構造を示す上面図、図14(b)は図14(a)のA−A’線断面図である。該フォトセンサ基板200の層構造は、基本的には図6に示したものと同等であり、ここでは6個の光電変換素子部を形成した。このフォトセンサ基板200は、ガラス基板210上に、下部電極としてのITO透明電極220、PEDOT(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン))−PSS(ポリスチレンスルホン酸)導電性高分子(スタルクヴイテック社製、商品名BaytronP)からなる第1光電変換層240aと、P3HT(ポリ−3−ヘキシルチオフェン)とPCBM([6,6]-phenyl C61-butyric acid methyl ester)との混合層からなる第2光電変換層24bとを具備する光電変換部240、及び上部電極(対電極)としてのアルミニウム電極230が順次積層されたものである。かかるフォトセンサ基板200は、次のようにして製作した。
ガラス基板上にスパッタリングによりITO膜を形成し、フォトリソグラフィーにより所定のパターン形状に加工した。ガラス基板の厚さは0.7mm、ITO膜の厚さは200nm、フォトリソグラフィー後のITO膜における測定部面積(受光面積)は5mm×5mmであった。次に、このガラス基板上に、スピンコート法(条件;回転数=1000rpm、フィルター径=1.2μm)によりPEDOT−PSS膜を形成した。その後、該基板を、オーブンで100℃、30分加熱し、乾燥させた。乾燥後のPEDOT−PSS膜の厚さは90nmであった。
次に、上記PEDOT−PSS膜に対して配向処理を行った。ここでは、配向処理法として、図15に示したようなラビング法を採用した。布としてレーヨンを用いたラビングローラを、移動テーブルに支持されたガラス基板に圧接させる方法でラビングを実施した。ラビング条件は次の通りである。
ラビング回数N;10回
押し込み量I;0.25mm
ローラ回転数m;600rpm
ローラ半径r;30mm
テーブル送り速度;1998mm/min
続いて、上記PEDOT−PSS膜の上に、P3HT+PCBM混合膜を、スピンコート法(条件;回転数=1500rpm、フィルター径=0.8μm)により形成した。このスピンコートに際しては、P3HTをクロロホルム溶媒に溶解し(添加量1重量%)超音波攪拌(5分)したものと、PCBMをクロロホルム溶媒に溶解し(添加量1重量%)超音波攪拌(5分)したものとを、混合比率1:1(重量比)で混合し、これを超音波攪拌(5分)して得た混合液を用いた。P3HT+PCBM混合膜の形成後、窒素ガス雰囲気下においてオーブンで100℃、30分加熱しアニール処理を施した。アニール処理後のP3HT+PCBM混合膜の厚さは70nmであった。
その後、所定のパターン開口を備えたメタルマスクを用い、P3HT+PCBM混合膜の上に、上部電極としてのアルミニウム層を蒸着法により形成(厚さ=10nm)して、1枚目のフォトセンサ基板200(第1層200A)を得た。また、上記と同じ手法で、2枚目のフォトセンサ基板200(第2層200B)を得た。この2枚のフォトセンサ基板200を、図16に示すように、ガラス基板210側を光源(LED)に向け、光源の光軸方向に重ねて貼り合わせた。なお、両基板は、光軸回りに相対的に回転可能に貼り合わせた。
2)素子の評価
図14(a)に示した6箇所の測定部について、光源からの光照射時における光電流を測定し、電流密度の平均値を算出した。測定時に、ITO電極とアルミニウム電極との間には電圧を印加しなかった。なお、光電流値は、光電変換効率に比例するものである。光源として用いたLEDは、発光波長=550nm、光量=1.69×10-4[W/cm2]である。言うまでもなく、P3HT+PCBM混合膜は、当該波長の光に感度を有する膜である。
第1層200A及び第2層200Bの配向方向の一致性と、光電変換効率との関係を確認するために、図17に示すように、第1層200Aの光電変換部240の配向方向に対する第2層200Bの光電変換部240の配向方向の角度θを、0度(配向方向が一致)から180度まで15度刻みでズラしながら、光電流を測定した。その測定結果を表1に示す。
Figure 2008135479
表1から明らかな通り、第1層200Aの配向方向と第2層200Bの配向方向とが一致している条件よりも、両者が直交若しくはそれに近い条件のとき、大きな光電流が得られていることがわかる。因みに、1枚のフォトセンサ基板200に対し、同じ光源で光照射したときに得られた光電流は、30μA/cm2であった。また、配向処理を施していない他は同じ条件で作成した1枚のフォトセンサ基板に対し、同じ光源で光照射したときに得られた光電流は、25μA/cm2であった。
[実施例2]
1)素子の作製
本実施例では、各々R(赤)、G(緑)、B(青)波長を吸収する3つのフォトセンサ基板を作成した。具体的には、緑色領域の吸収用(以下、G層という)としては、実施例1で作成したフォトセンサ基板200と同じG層フォトセンサ基板を作製した。また、青色領域の吸収用(以下、B層という)としては、P3HTの代わりにMEH−PPV(ポリ(2−メトキシ−5−(2’−エチル)ヘキシルオキシフェニレンビニレン)(Aldrich社製)を用いた以外は実施例1と同様にしてB層フォトセンサ基板を作製した。さらに、赤色領域の吸収用(以下、R層という)としては、P3HT及びPCBMの代わりに、亜鉛フタロシアニン(ZnPc)及びアルミニウム錯体(Alq)を用い、共蒸着により製膜した以外は実施例1と同様にしてR層フォトセンサ基板を作製した。なお、先に示した図4(a)〜(c)は、これら3つのフォトセンサ基板の光電流の波長依存性を示すグラフである。
2)素子の評価
先ず、B層フォトセンサ基板及びR層フォトセンサ基板を用い、実施例1と同じ方法でB層及びR層の配向方向の一致性と、光電変換効率との関係を確認した。評価に際し、B層を光入射側に、R層をその裏面側に配置した。光源として用いたLEDは、発光波長=650nm、光量=1.77×10-4[W/cm2]である。図4(a)、(b)に示すように、この650nmの光に対し、R層は感度を有するが、B層は感度を有していない。
そして、B層の光電変換部の配向方向に対するR層の光電変換部の配向方向の角度θを、0度(配向方向が一致)から180度まで15度刻みでズラしながら、光電流を測定した。その測定結果を表2に示す。
Figure 2008135479
表2から明らかな通り、B層及びR層の配向方向の組合せに依存せず、ほぼ一定の光電流が得られた。これは、650nmの光にB層が感度を有さないことから、光入射側に配置されたB層において偏光吸収が生じなかったことが要因であると考えられる(図2参照)。
続いて、B層及びR層の光入射方向後段側に、さらにG層を配置した。ここで、B層及びR層の配向方向は一致(θ=0度)させて固定した。そして、実施例1と同じ方法でB層、R層とG層との配向方向の一致性と、光電変換効率との関係を確認した。光源として用いたLEDは、発光波長=500nm、520nm、540nm、560nm、580nm、600nmの6個のLEDである。なお、6個のLEDの光量は、いずれも1.69×10-4[W/cm2]とした。図4(a)〜(c)に示すように、これら6つの波長の光に対し、G層は全て感度を有する。一方、B層は500nm、520nm、540nmに、R層は560nm、580nm、600nmに感度を有する。
そして、B層、R層の光電変換部の配向方向に対するG層の光電変換部の配向方向の角度θを、0度(配向方向が一致)から180度まで15度刻みでズラしながら、光電流を測定した。その測定結果を表3に示す。なお、光電流は、6つの波長の光で得られた光電流の平均値を示している。
Figure 2008135479
表3から明らかな通り、B層、R層の配向方向とG層の配向方向とが一致している条件よりも、両者が直交若しくはそれに近い条件のとき、大きな光電流が得られていることがわかる。
[比較例]
実施例2の、B層及びR層の光入射方向後段側に、さらにG層を配置する構成において、比較のためにB層及びR層の配向方向を直交(θ=90度)させて固定した他は同じ条件として、光電流を測定した。その測定結果を表4に示す。同様に光電流は、6つの波長の光で得られた光電流の平均値を示している。
Figure 2008135479
表4から明らかな通り、B層、R層の配向方向とG層の配向方向との組合せに拘わらず、さほど大きな光電流が得られていないことがわかる。これは、B層により500nm、520nm、540nmの光が、R層により560nm、580nm、600nmの光が各々異なる方向に偏光吸収が生じ、その結果、G層における光吸収効率が低下したものと考えられる(図5参照)。
本発明に係る複数の光電変換層についての一実施形態を示す模式図である。 本発明に係る複数の光電変換層についての他の実施形態を示す模式図である。 本発明に係る複数の光電変換層についての他の実施形態を示す模式図である。 B吸収層、R吸収層及びG吸収層の光吸収特性の一例を示すグラフである。 複数の光電変換層についての比較形態を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る光電変換素子の一例を示す断面図である。 光電変換層の構成例を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る放射線画像検出器を用いた画像検出システムを示すブロック図である。 放射線画像検出器の構造の一例を示す一部破断斜視図である。 撮像パネルの回路構成を示す回路図である。 撮像パネルの一部断面図である。 有機TFTの構造を示す斜視図である。 有機TFTの具体例を示す図である。 (a)は、実施例として作成したフォトセンサ基板の構造を示す上面図、(b)は(a)のA−A’線断面図である。 ラビング法を示す説明図である。 フォトセンサ基板の配置を示す説明図である。 光電流の測定条件を示す説明図である。
符号の説明
101 第1光電変換層
102 第2光電変換層
103 第3光電変換層
104 第4光電変換層
105 第5光電変換層
106 第6光電変換層
107 第7光電変換層
20 光電変換素子
21 基板
22 透明電極
23 対電極
24 複数の光電変換層
3 放射線画像検出器
31 撮像パネル(光センサアレイ)
4 放射線発生器
301 第1層
302 第2層
302b 透明電極
302c 光電変換層
303 第3層
304 第4層

Claims (12)

  1. 複数の光電変換層が積層されてなる光電変換素子において、
    所定の第1波長帯域に光吸収領域を備え、その面内方向における所定の第1方向に配向処理が与えられた第1光電変換層と、
    前記第1波長帯域と一部重複する第2波長帯域に光吸収領域を備え、その面内方向であって前記第1方向とは異なる第2方向に配向処理が与えられた第2光電変換層と、
    を含むことを特徴とする光電変換素子。
  2. 複数の光電変換層が積層されてなる光電変換素子において、
    所定の第3波長帯域に光吸収領域を備え、その面内方向における所定の第3方向に配向処理が与えられた第3光電変換層と、
    前記第3波長帯域と重複しない第4波長帯域に光吸収領域を備え、その面内方向であって前記第3方向と実質的に同一の第4方向に配向処理が与えられた第4光電変換層と、
    を含むことを特徴とする光電変換素子。
  3. 複数の光電変換層が積層されてなる光電変換素子において、
    青色領域に吸収ピークを有し、可視光波長帯域の一部の第5波長帯域に光吸収領域を備え、その面内方向における所定の第5方向に配向処理が与えられた第5光電変換層と、
    赤色領域に吸収ピークを有し、可視光波長帯域の一部であって前記第5波長帯域と実質的に重複しない第6波長帯域に光吸収領域を備え、その面内方向であって前記第5方向と実質的に同一の第6方向に配向処理が与えられた第6光電変換層と、
    緑色領域に吸収ピークを有し、可視光波長帯域の一部又は略全域であって前記第5、第6波長帯域と重複する第7波長帯域に光吸収領域を備え、その面内方向であって前記第5、第6方向と異なる第7方向に配向処理が与えられた第7光電変換層と、
    を含むことを特徴とする光電変換素子。
  4. 前記配向処理が、ラビング法、光配向法、シェアリング法、引き上げ塗布法、若しくは斜方蒸着法のいずれかにより実行されたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光電変換素子。
  5. 前記第1〜第7光電変換層は、それぞれ電子受容体あるいは電子供与体を飽和濃度の50%以上の濃度で有機溶媒に溶解した溶液を塗布して形成されたものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光電変換素子。
  6. 前記電子受容体は、π共役系化合物を含有することを特徴とする請求項5に記載の光電変換素子。
  7. 前記π共役系化合物は、
    フラーレンおよびその誘導体、カーボンナノチューブおよびその誘導体、ポルフィリンおよびその誘導体、フタロシアニンおよびその誘導体のうち、少なくとも1つを含有することを特徴とする請求項6に記載の光電変換素子。
  8. 前記電子供与体は、導電性高分子化合物を含有することを特徴とする請求項5に記載の光電変換素子。
  9. 前記導電性高分子化合物は、
    ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリ(チオフェンビニレン)およびその誘導体、ポリアセチレンおよびその誘導体、ポリピロールおよびその誘導体、ポリフルオレンおよびその誘導体、ポリ(p−フェニレン)およびその誘導体、あるいはポリアニリンおよびその誘導体のうち、少なくとも1つを含有することを特徴とする請求項8に記載の光電変換素子。
  10. 前記電子受容体がπ共役系化合物を含有すると共に、前記電子供与体が導電性高分子化合物を含有し、
    前記導電性高分子化合物は、ポリチオフェンおよびその誘導体のうち、少なくとも1つを含み、且つ前記π共役系化合物は、フラーレンおよびその誘導体のうち、少なくとも1つを含有することを特徴とする請求項5に記載の光電変換素子。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の光電変換素子が、アレイ状に配置されてなることを特徴とする光センサアレイ。
  12. 入射した放射線の強度に応じた発光を行う第1層と、前記第1層から出力された光エネルギーを電気エネルギーに変換する第2層と、前記第2層で得られた電気エネルギーの蓄積および蓄積された電気エネルギーに基づく信号を出力する第3層と、前記第1層から第3層を保持する第4層を有する放射線画像検出器において、
    前記第2層は透明電極層と光電変換層とを有し、
    前記光電変換層が、請求項1〜10のいずれかに記載の光電変換素子の層からなることを特徴とする放射線画像検出器。
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