JP4725533B2 - シンチレータパネル - Google Patents

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Description

本発明は、被写体の放射線画像を形成する際に用いられるシンチレータパネルに関する。
従来、X線画像のような放射線画像は医療現場において病状の診断に広く用いられている。特に、増感紙−フィルム系による放射線画像は、長い歴史のなかで高感度化と高画質化が図られた結果、高い信頼性と優れたコストパフォーマンスを併せ持った撮像システムとして、今なお、世界中の医療現場で用いられている。しかしながらこれら画像情報はいわゆるアナログ画像情報であって、近年発展を続けているデジタル画像情報のような、自由な画像処理や瞬時の電送が出来ない。
そして、近年ではコンピューテッドラジオグラフィ(computed radiography:CR)やフラットパネル型の放射線ディテクタ(flat panel detector:FPD)等に代表されるデジタル方式の放射線画像検出装置が登場している。これらは、デジタルの放射線画像が直接得られ、陰極管や液晶パネル等の画像表示装置に画像を直接表示することが可能なので、必ずしも写真フィルム上への画像形成が必要なものではない。その結果、これらのデジタル方式のX線画像検出装置は、銀塩写真方式による画像形成の必要性を低減させ、病院や診療所での診断作業の利便性を大幅に向上させている。
X線画像のデジタル技術の一つとしてコンピューテッド・ラジオグラフィ(CR)が現在医療現場で受け入れられている。しかしながら鮮鋭性が十分でなく空間分解能も不十分であり、スクリーン・フィルムシステムの画質レベルには到達していない。そして、更に新たなデジタルX線画像技術として、例えば、薄膜トランジスタ(TFT)を用いた平板X線検出装置(FPD)が開発されて(例えば、非特許文献1、2参照)いる。
放射線を可視光に変換するために、放射線により発光する特性を有するX線蛍光体で作られたシンチレータパネルが使用されるが、低線量の撮影においてのSN比を向上するためには、発光効率の高いシンチレータパネルを使用することが必要になってくる。一般にシンチレータパネルの発光効率は、シンチレータ層(蛍光体層)の厚さ、蛍光体のX線吸収係数によって決まるが、蛍光体層の厚さは厚くすればするほど、蛍光体層内での発光光の散乱が発生し、鮮鋭性は低下する。そのため、画質に必要な鮮鋭性を決めると、膜厚が決定する。
なかでもヨウ化セシウム(CsI)はX線から可視光に対する変更率が比較的高く、蒸着によって容易に蛍光体を柱状結晶構造に形成出来るため、光ガイド効果により結晶内での発光光の散乱が抑えられ、蛍光体層の厚さを厚くすることが可能であった。
しかしながらCsIのみでは発光効率が低いために、例えば、CsIとヨウ化ナトリウム(NaI)を任意のモル比で混合したものを、蒸着を用いて基板上にナトリウム賦活ヨウ化セシウム(CsI:Na)として堆積、又近年ではCsIとヨウ化タリウム(TlI)を任意のモル比で混合したしたものを、蒸着を用いて基板上にタリリウム賦活ヨウ化セシウム(CsI:Tl)として堆積したものに、後工程としてアニールを行うことで可視変換効率を向上させ、X線蛍光体として使用している。
また他の光出力を増大する手段として、シンチレータを形成する基板を反射性とする方法(例えば特許文献1参照)、基板上に反射層を設ける方法(例えば特許文献2参照)、基板上に設けられた反射性金属薄膜と、金属薄膜を覆う透明有機膜上にシンチレータを形成する方法(例えば特許文献3参照)などが提案されているが、これらの方法は得られる光量は増加するが、鮮鋭性が著しく低下するという欠点がある。
またシンチレータパネルを平面受光素子面上に配置する方法(例えば、特許文献4、5参照)があるが生産効率が悪く、シンチレータパネルと平面受光素子面での鮮鋭性の劣化は避けられない。
従来、気体層法によるシンチレータの製造方法としては、アルミやアモルファスカーボンなど剛直な基板上に蛍光体層を形成し、その上にシンチレータの表面全体を保護膜で被覆させる(例えば特許文献6参照)ことが一般的である。しかしながら、自由に曲げることのできないこれらの基板上に蛍光体層を形成した場合、シンチレータパネルと平面受光素子面を貼り合せる際に、基板の変形や蒸着時の反りなどの影響を受け、フラットパネルデテイクタの受光面内で均一な画質特性が得られないという欠点がある。この問題は近年のフラットパネルデテイクタの大型化に伴い深刻化してきている。
この問題を回避するために撮像素子上に直接、蒸着でシンチレータを形成する方法や、鮮鋭性の低いが、可とう性を有する医用増感紙などをシンチレータパネルの代用として用いることが一般的に行われている。また、保護層としてポリパラキシリレン等の柔軟な保護層を使用した例が示されて(例えば特許文献7参照)いる
しかしながら、基板として使用しているアルミやアモルファスカーボンなどは剛直であり、基板の凹凸や反りなどの影響により、シンチレータパネル面と平面受光素子面の均一接触は達成し難い。
この様な状況から、放出される光量や鮮鋭性に優れ、シンチレータパネルと平面受光素子面間での鮮鋭性の劣化が少ない放射線フラットパネルデテイクタを開発することが望まれている。
特公平7−21560号公報 特公平1−240887号公報 特開2000−356679号公報 特開平5−312961号公報 特開平6−331749号公報 特許第3566926号公報 特開2002−116258号公報 Physics Today,1997年11月号24頁のジョン・ローランズ論文"Amorphous Semiconductor Usher in Digital X−ray Imaging" SPIEの1997年32巻2頁のエル・イー・アントヌクの論文"Development of aHigh Resolution,Active Matrix,Flat−Panel Imager with Enhanced Fill Factor"
本発明は、上記状況に鑑み成されたものであり、その課題はシンチレータの発光取り出し効率、鮮鋭性が高く、平面受光素子面間での鮮鋭性の劣化が少ないシンチレータパネルを提供することである。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
1.基板上に反射層及びヨウ化セシウムと少なくとも1種類以上のタリウムを含む添加剤を原材料として気相法にて形成されたシンチレータ層を有するシンチレータパネルであって、該反射層がアルミナ、酸化イットリウム、酸化ジルコニウムおよび酸化チタンから選ばれる少なくとも一種の白色顔料及びバインダー樹脂からなることを特徴とするシンチレータパネル。
2.前記反射層表面がカレンダー処理により平滑化されていることを特徴とする前記1記載のシンチレータパネル。
.前記白色顔料が、平均粒径0.1〜3.0μmの白色顔料であることを特徴とする前記1又は2記載のシンチレータパネル。
4.前記平均粒径0.1〜3.0μmの白色顔料が、二酸化チタンであることを特徴とする前記記載のシンチレータパネル。
.前記基板が、厚さ50μm以上500μm以下の可とう性を有する高分子フィルムからなることを特徴とする前記1〜のいずれか1項記載のシンチレータパネル。
.前記高分子フィルムがポリイミド(PI)またはポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムであることを特徴とする前記記載のシンチレータパネル。
.前記反射層の厚さが0.2〜3.0μmであることを特徴とする前記1〜のいずれか1項に記載のシンチレータパネル。
本発明の上記手段により、シンチレータの発光取り出し効率、鮮鋭性が高く、平面受光素子面間での鮮鋭性の劣化が少ないシンチレータパネルを提供することができる。
本発明のシンチレータパネルは、基板上に反射層及びシンチレータ層を設けて成るシンチレータパネルであって、該反射層が白色顔料及びバインダー樹脂からなる。
なお、本発明に係る「シンチレータ」とは、X線等の入射された放射線のエネルギーを吸収して、波長が300nmから800nmの電磁波、すなわち、可視光線を中心に紫外光から赤外光にわたる電磁波(光)を発光する蛍光体をいう。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討を加えた結果、上記特徴的技術手段により、反射層を白色顔料及びバインダー樹脂で形成することで、高い発光取り出し効率を殆ど減じることなく、鮮鋭性が飛躍的に向上することを見出した。
以下、本発明とその構成要素等について詳細な説明をする。
(シンチレータパネルの構成)
本発明のシンチレータパネルは、基板上に反射層及びシンチレータ層を設けて成るシンチレータパネルであって、反射層を平均粒径0.1〜3.0μmを中心にした白色顔料及びバインダー樹脂で形成することが好ましい。
本発明においては、反射層、及びシンチレータ層の他に後述する保護層を設けることが好ましい。以下、各構成層及び構成要素等について説明する。
(反射層)
本発明に係る反射層は、基板とシンチレータ層の間に存在し、アルミナ、酸化イットリウム、酸化ジルコニウムおよび酸化チタンから選ばれる少なくとも一種の白色顔料及びバインダー樹脂からなる。
当該反射層の厚さは、0.2〜3.0μmであることが、発光光取り出し効率の観点から好ましい。
以下、反射層の構成要素について説明する。
〈白色顔料〉
白色顔料としては、Al、ZrO、TiO 、Y 挙げることができる。これらの物質は単独で用いてもよいし、あるいは組み合わせて用いてもよい。これらの高い屈折率を有する物質は、その高い屈折率によって本発明の効果を高めることができる。特にTiOが好ましい。
〈バインダー樹脂〉
本発明において白色顔料は、バインダー樹脂中に分散されて用いられる。分散剤は、用いるバインダーと白色顔料とに合わせて種々のものを用いることができる。バインダーとしては、ガラス転位温度(Tg)が30〜100℃のポリマーであることが、蒸着結晶と基板との膜付の点で好ましく、特にポリエステル樹脂であることが好ましい。
分散剤としては、フタル酸、ステアリン酸、カプロン酸、親油性界面活性剤などを挙げることができる。
白色顔料をバインダー中へ分散する方法としては、インク製造やトナー製造時に用いられる公知の分散技術が使用できる。分散機としては、サンドミル、アトライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、インペラー、デスパーサー、KDミル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986)に記載がある。
本発明に係る反射層は、溶剤に溶解した樹脂を塗布、乾燥して形成することが好ましい。前記樹脂としては、具体的には、ポリウレタン、塩化ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、ポリエステル、セルロース誘導体(ニトロセルロース等)、スチレン−ブタジエン共重合体、各種の合成ゴム系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノキシ樹脂、シリコン樹脂、アクリル系樹脂、尿素ホルムアミド樹脂等が挙げられる。なかでもポリウレタン、ポリエステル、塩化ビニル系共重合体、ポリビニールブチラール、ニトロセルロースを使用することが好ましい。特にガラス転位温度が30〜100℃のバインダー樹脂を含有することが好ましい。通常、蒸着によるシンチレータを形成するにあたっては、基板温度は150℃〜250℃で実施されるが、反射層にガラス転位温度が30〜100℃を含有しておくことで、光反射層が接着層としても有効に機能するようになる。
反射層作製に用いる溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノールなどの低級アルコール、メチレンクロライド、エチレンクロライドなどの塩素原子含有炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン、トルエン、ベンゼン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、キシレンなどの芳香族化合物、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの低級脂肪酸と低級アルコールとのエステル、ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエステル、エチレングリコールモノメチルエステルなどのエーテル及びそれらの混合物を挙げることができる。
(シンチレータ層)
シンチレータ層(「蛍光体層」ともいう。)を形成する材料としては、種々の公知の蛍光体材料を使用することができるが、X線から可視光に対する変更率が比較的高く、蒸着によって容易に蛍光体を柱状結晶構造に形成出来るため、光ガイド効果により結晶内での発光光の散乱が抑えられ、シンチレータ層(蛍光体層)の厚さを厚くすることが可能であることから、ヨウ化セシウム(CsI)が好ましい。
但し、CsIのみでは発光効率が低いために、各種の賦活剤が添加される。例えば、特公昭54−35060号の如く、CsIとヨウ化ナトリウム(NaI)を任意のモル比で混合したものが挙げられる。また、例えば特開2001−59899号公報に開示されているようなCsIを蒸着で、インジウム(In)、タリウム(Tl)、リチウム(Li)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、ナトリウム(Na)などの賦活物質を含有するCsIが好ましい。
なお、本発明においては、特に、1種類以上のタリウム化合物を含む添加剤とヨウ化セシウムとを原材料とすることが好ましい。すなわち、タリリウム賦活ヨウ化セシウム(CsI:Tl)は400nmから750nmまでの広い発光波長をもつことから好ましい。
本発明に係る1種類以上のタリウム化合物を含有する添加剤のタリウム化合物としては、種々のタリウム化合物(+Iと+IIIの酸化数の化合物)を使用することができる。
本発明において、好ましいタリウム化合物は、臭化タリウム(TlBr)、塩化タリウム(TlCl)、又はフッ化タリウム(TlF,TlF3)等である。
また、本発明に係るタリウム化合物の融点は、400〜700℃の範囲内にあることが好ましい。700℃以内を超えると、柱状結晶内での添加剤が不均一に存在してしまい、発光効率が低下する。なお、本発明での融点とは、常温常圧下における融点である。
また、タリウム化合物の分子量は206〜300の範囲内にあることが好ましい。
本発明のシンチレータ層において、当該添加剤の含有量は目的性能等に応じて、最適量にすることが望ましいが、ヨウ化セシウムの含有量に対して、0.001mol%〜50mol%、更に0.1〜10.0mol%であることが好ましい。
ここで、ヨウ化セシウムに対し、添加剤が0.001mol%未満であると、ヨウ化セシウム単独使用で得られる発光輝度と大差なく、目的とする発光輝度を得ることができない。また、50mol%を超えるとヨウ化セシウムの性質・機能を保持することができない。
(保護層)
本発明に係る保護層は、シンチレータ層の保護を主眼とするものである。すなわち、ヨウ化セシウム(CsI)は、吸湿性が高く露出したままにしておくと空気中の水蒸気を吸湿して潮解してしまうため、これを防止することを主眼とする。
当該保護層は、種々の材料を用いて形成することができる。例えば、CVD法によりポリパラキシリレン膜を形成する。即ち、シンチレータ及び基板の表面全体にポリパラキシリレン膜を形成し、保護層とすることができる。
また、別の態様の保護層として、シンチレータ層上に高分子保護フィルムを設けることもできる。
上記高分子保護フィルムの厚さは、空隙部の形成性、シンチレータ(蛍光体)層の保護性、鮮鋭性、防湿性、作業性等を考慮し、12μm以上、60μm以下が好ましく、更には20μm以上、40μm以下が好ましい。また、ヘイズ率が、鮮鋭性、放射線画像ムラ、製造安定性、作業性等を考慮し、3%以上40%以下が好ましく、更には3%以上、10%以下が好ましい。ヘイズ率は、日本電色工業株式会社NDH 5000Wにより測定した値を示す。必要とするヘイズ率は、市販されている高分子フィルムから適宜選択し、容易に入手することが可能である。
保護フィルムの光透過率は、光電変換効率、シンチレータ発光波長等を考慮し、550nmで70%以上あることが好ましいが、99%以上の光透過率のフィルムは工業的に入手が困難であるため実質的に99%〜70%が好ましい。
保護フィルムの透湿度は、シンチレータ層の保護性、潮解性等を考慮し50g/m2・day(40℃・90%RH)(JIS Z0208に準じて測定)以下が好ましく、更には10g/m2・day(40℃・90%RH)(JIS Z0208に準じて測定)以下が好ましいが、0.01g/m2・day(40℃・90%RH)以下の透湿度のフィルムは工業的に入手が困難であるため実質的に、0.01g/m2・day(40℃・90%RH)以上、50g/m2・day(40℃・90%RH)(JIS Z0208に準じて測定)以下が好ましく、更には0.1g/m2・day(40℃・90%RH)以上、10g/m2・day(40℃・90%RH)(JIS Z0208に準じて測定)以下が好ましい。
(基板)
本発明のシンチレータパネルの作製に際しては、種々多様な基板を使用することができる。すなわち、X線等の放射線を透過させることが可能な、各種のガラス、高分子材料、金属等を用いることができるが、例えば、石英、ホウ珪酸ガラス、化学的強化ガラスなどの板ガラス、サファイア、チッ化珪素、炭化珪素などのセラミック基板、シリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素、ガリウム燐、ガリウム窒素など半導体基板、又、セルロースアセテートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、トリアセテートフィルム、ポリカーボネートフィルム、炭素繊維強化樹脂シート等の高分子フィルム(プラスチックフィルム)、アルミニウムシート、鉄シート、銅シート等の金属シート或いは該金属酸化物の被覆層を有する金属シートなどを用いることができる。
特に、ポリイミド又はポリエチレンナフタレートを含有する高分子フィルム等が、ヨウ化セシウムを原材料として気相法にて柱状シンチレータを形成する場合に、好適である。特に基板が厚さ50〜500μmの可とう性を有する高分子フィルムであることが好ましい。
ここで、「可とう性を有する基板」とは、120℃での弾性率(E120)が1000〜6000N/mm2である基板をいい、かかる基板としてポリイミド又はポリエチレンナフタレートを含有する高分子フィルムが好ましい。
なお、「弾性率」とは、引張試験機を用い、JIS−C2318に準拠したサンプルの標線が示すひずみと、それに対応する応力が直線的な関係を示す領域において、ひずみ量に対する応力の傾きを求めたものである。これがヤング率と呼ばれる値であり、本発明では、かかるヤング率を弾性率と定義する。
本発明に用いられる基板は、上記のように120℃での弾性率(E120)が1000N/mm2〜6000N/mm2であることが好ましい。より好ましくは1200N/mm2〜5000N/mm2である。
具体的には、ポリエチレンナフタレート(E120=4100N/mm2)、ポリエチレンテレフタレート(E120=1500N/mm2)、ポリブチレンナフタレート(E120=1600N/mm2)、ポリカーボネート(E120=1700N/mm2)、シンジオタクチックポリスチレン(E120=2200N/mm2)、ポリエーテルイミド(E120=1900N/mm2)、ポリアリレート(E120=1700N/mm2)、ポリスルホン(E120=1800N/mm2)、ポリエーテルスルホン(E120=1700N/mm2)等からなる高分子フィルムが挙げられる。
これらは単独で用いてもよく積層あるいは混合して用いてもよい。中でも、特に好ましい高分子フィルムとしては、上述のように、ポリイミド又はポリエチレンナフタレートを含有する高分子フィルムが好ましい。
なお、シンチレータパネルと平面受光素子面を貼り合せる際に、基板の変形や蒸着時の反りなどの影響を受け、フラットパネルデテイクタの受光面内で均一な画質特性が得られないという点に関して、該基板を、厚さ50μm以上500μm以下の高分子フィルムとすることでシンチレータパネルが平面受光素子面形状に合った形状に変形し、フラットパネルデテイクタの受光面全体で均一な鮮鋭性が得られる。
(シンチレータパネルの作製方法)
本発明のシンチレータパネルの作製方法の典型的例について、図を参照しながら説明する。なお、図1は、放射線用シンチレータパネル10の概略構成を示す断面図である。図2は、放射線用シンチレータパネル10の拡大断面図である。図3は、蒸着装置61の概略構成を示す図面である。
〈蒸着装置〉
図3に示す通り、蒸着装置61は箱状の真空容器62を有しており、真空容器62の内部には真空蒸着用のボート63が配されている。ボート63は蒸着源の被充填部材であり、当該ボート63には電極が接続されている。当該電極を通じてボート63に電流が流れると、ボート63がジュール熱で発熱するようになっている。放射線用シンチレータパネル10の製造時においては、ヨウ化セシウムと賦活剤化合物とを含む混合物がボート63に充填され、そのボート63に電流が流れることで、上記混合物を加熱・蒸発させることができるようになっている。
なお、被充填部材として、ヒータを巻回したアルミナ製のるつぼを適用してもよいし、高融点金属製のヒータを適用してもよい。
真空容器62の内部であってボート63の直上には基板1を保持するホルダ64が配されている。ホルダ64にはヒータ(図示略)が配されており、当該ヒータを作動させることでホルダ64に装着した基板1を加熱することができるようになっている。基板1を加熱した場合には、基板1の表面の吸着物を離脱・除去したり、基板1とその表面に形成されるシンチレータ層(蛍光体層)2との間に不純物層が形成されるのを防止したり、基板1とその表面に形成されるシンチレータ層2との密着性を強化したり、基板1の表面に形成されるシンチレータ層2の膜質の調整をおこなったりすることができるようになっている。
ホルダ64には当該ホルダ64を回転させる回転機構65が配されている。回転機構65は、ホルダ64に接続された回転軸65aとその駆動源となるモータ(図示略)から構成されたもので、当該モータを駆動させると、回転軸65aが回転してホルダ64をボート63に対向させた状態で回転させることができるようになっている。
蒸着装置61では、上記構成の他に、真空容器62に真空ポンプ66が配されている。真空ポンプ66は、真空容器62の内部の排気と真空容器62の内部へのガスの導入とをおこなうもので、当該真空ポンプ66を作動させることにより、真空容器62の内部を一定圧力のガス雰囲気下に維持することができるようになっている。
〈シンチレータパネル〉
次に、本発明に係るシンチレータパネル10の作製方法について説明する。
当該放射線用シンチレータパネル10の作製方法においては、上記で説明した蒸発装置61を好適に用いることができる。蒸発装置61を用いて放射線用シンチレータパネル10を作製する方法について説明する。
《反射層の形成》
反射層3は、上記の有機溶剤に上述した白色顔料及びバインダー樹脂を分散・溶解した組成物を塗布、乾燥して形成する。バインダー樹脂としては接着性の観点でポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等の疎水性樹脂が好ましい。
《シンチレータ層の形成》
上記のように反射層3を設けた基板1をホルダ64に取り付けるとともに、ボート63にヨウ化セシウムとヨウ化タリウムとを含む粉末状の混合物を充填する(準備工程)。この場合、ボート63と基板1との間隔を100〜1500mmに設定し、その設定値の範囲内のままで後述の蒸着工程の処理をおこなうのが好ましい。
準備工程の処理を終えたら、真空ポンプ66を作動させて真空容器62の内部を排気し、真空容器62の内部を0.1Pa以下の真空雰囲気下にする(真空雰囲気形成工程)。ここでいう「真空雰囲気下」とは、100Pa以下の圧力雰囲気下のことを意味し、0.1Pa以下の圧力雰囲気下であるのが好適である。
その後。アルゴン等の不活性ガスを真空容器62の内部に導入し、当該真空容器62の内部を0.1Pa以下の真空雰囲気下に維持する。次に、ホルダ64のヒータと回転機構65のモータとを駆動させ、ホルダ64に取付け済みの基板1をボート63に対向させた状態で加熱しながら回転させる。
この状態において、電極からボート63に電流を流し、ヨウ化セシウムとヨウ化タリウムとを含む混合物を700℃〜800℃程度で所定時間加熱してその混合物を蒸発させる。その結果、基板1の表面に無数の柱状結晶体2aが順次成長して所望の厚さのシンチレータ層2が形成される(蒸着工程)。これにより、本発明に係る放射線用シンチレータパネル10を製造することができる。
(放射線画像検出器)
以下に、上記放射線用シンチレータパネル10の一適用例として、図4及び図5を参照しながら、当該放射線用シンチレータプレート10を具備した放射線画像検出器100の構成について説明する。なお、図4は放射線画像検出器100の概略構成を示す一部破断斜視図である。また、図5は撮像パネル51の拡大断面図である。
図4に示す通り、放射線画像検出器100には、撮像パネル51、放射線画像検出器100の動作を制御する制御部52、書き換え可能な専用メモリ(例えばフラッシュメモリ)等を用いて撮像パネル51から出力された画像信号を記憶する記憶手段であるメモリ部53、撮像パネル51を駆動して画像信号を得るために必要とされる電力を供給する電力供給手段である電源部54、等が筐体55の内部に設けられている。筐体55には必要に応じて放射線画像検出器100から外部に通信を行うための通信用のコネクタ56、放射線画像検出器100の動作を切り換えるための操作部57、放射線画像の撮影準備の完了やメモリ部53に所定量の画像信号が書き込まれたことを示す表示部58、等が設けられている。
ここで、放射線画像検出器100に電源部54を設けるとともに放射線画像の画像信号を記憶するメモリ部53を設け、コネクタ56を介して放射線画像検出器100を着脱自在にすれば、放射線画像検出器100を持ち運びできる可搬構造とすることができる。
図5に示すように、撮像パネル51は、放射線用シンチレータパネル10と、放射線用シンチレータパネル10からの電磁波を吸収して画像信号を出力する出力基板20と、から構成されている。
放射線用シンチレータパネル10は、放射線照射面側に配置されており、入射した放射線の強度に応じた電磁波を発光するように構成されている。
出力基板20は、放射線用シンチレータパネル10の放射線照射面と反対側の面に設けられており、放射線用シンチレータパネル10側から順に、隔膜20a、光電変換素子20b、画像信号出力層20c及び基板20dを備えている。
隔膜20aは、放射線用シンチレータパネル10と他の層を分離するためのものである。
光電変換素子20bは、透明電極21と、透明電極21を透過して入光した電磁波により励起されて電荷を発生する電荷発生層22と、透明電極21に対しての対極になる対電極23とから構成されており、隔膜20a側から順に透明電極21、電荷発生層22、対電極23が配置される。
透明電極21とは、光電変換される電磁波を透過させる電極であり、例えばインジウムチンオキシド(ITO)、SnO2、ZnOなどの導電性透明材料を用いて形成される。
電荷発生層22は、透明電極21の一面側に薄膜状に形成されており、光電変換可能な化合物として光によって電荷分離する有機化合物を含有するものであり、電荷を発生し得る電子供与体及び電子受容体としての導電性化合物をそれぞれ含有している。電荷発生層22では、電磁波が入射されると、電子供与体は励起されて電子を放出し、放出された電子は電子受容体に移動して、電荷発生層22内に電荷、すなわち、正孔と電子のキャリアが発生するようになっている。
ここで、電子供与体としての導電性化合物としては、p型導電性高分子化合物が挙げられ、p型導電性高分子化合物としては、ポリフェニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリ(チオフェンビニレン)、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリフルオレン、ポリ(p−フェニレン)又はポリアニリンの基本骨格を持つものが好ましい。
また、電子受容体としての導電性化合物としては、n型導電性高分子化合物が挙げられ、n型導電性高分子化合物としては、ポリピリジンの基本骨格を持つものが好ましく、特にポリ(p−ピリジルビニレン)の基本骨格を持つものが好ましい。
電荷発生層22の膜厚は、光吸収量を確保するといった観点から、10nm以上(特に100nm以上)が好ましく、また電気抵抗が大きくなりすぎないといった観点から、1μm以下(特に300nm以下)が好ましい。
対電極23は、電荷発生層22の電磁波が入光される側の面と反対側に配置されている。対電極23は、例えば、金、銀、アルミニウム、クロムなどの一般の金属電極や、透明電極21の中から選択して用いることが可能であるが、良好な特性を得るためには仕事関数の小さい(4.5eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするのが好ましい。
また、電荷発生層22を挟む各電極(透明電極21及び対電極23)との間には、電荷発生層22とこれら電極が反応しないように緩衝地帯として作用させるためのバッファー層を設けてもよい。バッファー層は、例えば、フッ化リチウム及びポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン):ポリ(4−スチレンスルホナート)、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル[1,10]フェナントロリンなどを用いて形成される。
画像信号出力層20cは、光電変換素子20bで得られた電荷の蓄積および蓄積された電荷に基づく信号の出力を行うものであり、光電変換素子20bで生成された電荷を画素毎に蓄積する電荷蓄積素子であるコンデンサ24と、蓄積された電荷を信号として出力する画像信号出力素子であるトランジスタ25とを用いて構成されている。
トランジスタ25は、例えばTFT(薄膜トランジスタ)を用いるものとする。このTFTは、液晶ディスプレイ等に使用されている無機半導体系のものでも、有機半導体を用いたものでもよく、好ましくはプラスチックフィルム上に形成されたTFTである。プラスチックフィルム上に形成されたTFTとしては、アモルファスシリコン系のものが知られているが、その他、米国Alien Technology社が開発しているFSA(Fluidic Self Assembly)技術、即ち、単結晶シリコンで作製した微小CMOS(Nanoblocks)をエンボス加工したプラスチックフィルム上に配列させることで、フレキシブルなプラスチックフィルム上にTFTを形成するものとしても良い。さらに、Science,283,822(1999)やAppl.Phys.Lett,771488(1998)、Nature,403,521(2000)等の文献に記載されているような有機半導体を用いたTFTであってもよい。
このように、本発明に用いられるトランジスタ25としては、上記FSA技術で作製したTFT及び有機半導体を用いたTFTが好ましく、特に好ましいものは有機半導体を用いたTFTである。この有機半導体を用いてTFTを構成すれば、シリコンを用いてTFTを構成する場合のように真空蒸着装置等の設備が不要となり、印刷技術やインクジェット技術を活用してTFTを形成できるので、製造コストが安価となる。さらに、加工温度を低くできることから熱に弱いプラスチック基板上にも形成できる。
トランジスタ25には、光電変換素子20bで発生した電荷を蓄積するとともに、コンデンサ24の一方の電極となる収集電極(図示せず)が電気的に接続されている。コンデンサ24には光電変換素子20bで生成された電荷が蓄積されるとともに、この蓄積された電荷はトランジスタ25を駆動することで読み出される。すなわちトランジスタ25を駆動させることで放射線画像の画素毎の信号を出力させることができる。
基板20dは、撮像パネル51の支持体として機能するものであり、基板1と同様の素材で構成することが可能である。
次に、放射線画像検出器100の作用について説明する。
まず、放射線画像検出器100に対し入射された放射線は、撮像パネル51の放射線用シンチレータパネル10側から基板20d側に向けて放射線を入射する。
すると、放射線用シンチレータパネル10に入射された放射線は、放射線用シンチレータパネル10中のシンチレータ層2が放射線のエネルギーを吸収し、その強度に応じた電磁波を発光する。発光された電磁波のうち、出力基板20に入光される電磁波は、出力基板20の隔膜20a、透明電極21を貫通し、電荷発生層22に到達する。そして、電荷発生層22において電磁波は吸収され、その強度に応じて正孔と電子のペア(電荷分離状態)が形成される。
その後、発生した電荷は、電源部54によるバイアス電圧の印加により生じる内部電界により正孔と電子はそれぞれ異なる電極(透明電極膜及び導電層)へ運ばれ、光電流が流れる。
その後、対電極23側に運ばれた正孔は画像信号出力層20cのコンデンサ24に蓄積される。蓄積された正孔はコンデンサ24に接続されているトランジスタ25を駆動させると、画像信号を出力すると共に、出力された画像信号はメモリ部53に記憶される。
以上の放射線画像検出器100によれば、上記放射線用シンチレータパネル10を備えているので、光電変換効率を高めることができ、放射線画像における低線量撮影時のSN比を向上させるとともに、画像ムラや線状ノイズの発生を防止することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1
(反射層試料1の作製)
厚さ125μmのポリイミドフィルム(宇部興産製UPILEX−125S)基板に下記の手順にて反射層試料1を作製した。
平均粒径0.2μmのルチル型二酸化チタン40質量部、ポリエステル樹脂を10質量部(バイロン630:東洋紡社製)、溶剤としてトルエン25質量部とメチルエチルケトン(MEK)25質量部を添加した後、サンドミルにて分散して反射層用塗料を作製した。この反射層用塗料をマイクログラビアコーターで、500mm幅のポリイミドフィルム基板上に塗工、乾燥した後、カレンダー装置を用いて総荷重2000kg、上側ロール温度40℃、下側ロール温度40℃、速度0.1m/分にて圧縮処理した。これにより光反射層の表面性を向上し、表1に示した厚さの反射層試料1を作製した。
(反射層試料2〜10の作製)
反射層試料1と同様にして、白色顔料、その平均粒径を表1のように変えた反射層用塗料を作製し、この塗料を反射層試料1と同様にポリイミドフィルム基板上に塗工、乾燥した後、カレンダー処理して表1に示した厚さの反射層試料2〜10を作製した。
(反射層試料11の作製)
基板を厚さ300μmのアルミ板にした以外は、反射層試料1と同様にして反射層試料11を作製した。
(反射層試料12の作製)
乾燥した後、カレンダー装置をしないこと以外は、反射層試料1と同様にして反射層試料12を作製した。
(反射層試料13の作製)
厚さ125μmのポリイミドフィルム(宇部興産製UPILEX−125S)にアルミをスパッタして反射層(0.10μm)を形成したのち、二酸化チタンを含まない反射層用塗料を用いた以外は反射層試料1と同様にして、反射層上に表1に示した厚さの反射層試料13を作製した。
(シンチレータ層の形成)
上述した反射層試料1〜13を形成した基板の反射層側にシンチレータ蛍光体(CsI:TlI(0.3mol%))を、図3に示す蒸着装置を使用して蒸着させシンチレータ(蛍光体)層をそれぞれ形成した。
すなわち、まず、上記蛍光体原料を蒸着材料として抵抗加熱ルツボに充填し、また回転する支持体ホルダに支持体を設置し、支持体と蒸発源との間隔を400mmに調節した。
続いて蒸着装置内を一旦排気し、Arガスを導入して0.5Paに真空度を調整した後、10rpmの速度で支持体を回転しながら基板の温度を150℃に保持した。次いで、抵抗加熱ルツボを加熱して蛍光体を蒸着しシンチレータ層の膜厚が500μmとなったところで蒸着を終了させ表1に示すシンチレータパネル(放射線像変換パネル)を得た。
尚、表1において、シンチレータパネルNo.11は基材がアルミである。
〈評価〉
得られた各試料を封止した後、CMOSフラットパネル(ラドアイコン社製X線CMOSカメラシステムShad−o−Box4KEV)にセットし、12bitの出力データより鮮鋭性を以下に示す方法で測定し、以下に示す方法により評価した。
尚、放射線入射窓のカーボン板とシンチレータパネルの放射線入射側(蛍光体のない側)にスポンジシートを配置し、平面受光素子面とシンチレータパネルを軽く押し付けることで両者を固定化した。
〈鮮鋭性の評価方法〉
鉛製のMTFチャートを通して管電圧80kVpのX線を各試料の裏面(シンチレータ層が形成されていない面)から照射し、画像データをシンチレータを配置したCMOSフラットパネルで検出しハードディスクに記録した。その後、ハードディスク上の記録をコンピュータで分析して当該ハードディスクに記録されたX線像の変調伝達関数MTF(空間周波数1サイクル/mmにおけるMTF値)を鮮鋭性の指標とした。表中、MTF値が高いほど鮮鋭性に優れていることを示す。MTFはModulation Transfer Functionの略号を示す。
上記評価結果を表1に示す。
Figure 0004725533
表1に示した結果から明らかなように、本発明に係る実施例は比較例に比べ鮮鋭性が優れていることが分かる。
放射線用シンチレータパネル10の概略構成を示す断面図 放射線用シンチレータパネル10の拡大断面図 蒸着装置61の概略構成を示す図 放射線画像検出器100の概略構成を示す一部破断斜視図 撮像パネル51の拡大断面図
符号の説明
1 基板
2 シンチレータ(蛍光体)層
3 反射層
10 放射線用シンチレータパネル
61 蒸着装置
62 真空容器
63 ボート(被充填部材)
64 ホルダ
65 回転機構
66 真空ポンプ
100 放射線画像検出器

Claims (7)

  1. 基板上に反射層及びヨウ化セシウムと少なくとも1種類以上のタリウムを含む添加剤を原材料として気相法にて形成されたシンチレータ層を有するシンチレータパネルであって、該反射層がアルミナ、酸化イットリウム、酸化ジルコニウムおよび酸化チタンから選ばれる少なくとも一種の白色顔料及びバインダー樹脂からなることを特徴とするシンチレータパネル。
  2. 前記反射層表面がカレンダー処理により平滑化されていることを特徴とする請求項1記載のシンチレータパネル。
  3. 前記白色顔料が、平均粒径0.1〜3.0μmの白色顔料であることを特徴とする請求項1又は2記載のシンチレータパネル。
  4. 前記平均粒径0.1〜3.0μmの白色顔料が、二酸化チタンであることを特徴とする請求項記載のシンチレータパネル。
  5. 前記基板が、厚さ50μm以上500μm以下の可とう性を有する高分子フィルムからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のシンチレータパネル。
  6. 前記高分子フィルムがポリイミド(PI)またはポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムであることを特徴とする請求項5記載のシンチレータパネル。
  7. 前記反射層の厚さが0.2〜3.0μmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のシンチレータパネル。
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