JP4246911B2 - 放射線画像形成方法および放射線画像形成材料 - Google Patents

放射線画像形成方法および放射線画像形成材料 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蓄積性蛍光体を利用する放射線画像形成方法、およびその方法に有利に用いられる放射線画像形成材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の放射線写真法に代わる方法として、輝尽性蛍光体を用いる放射線像変換方法(放射線画像形成方法)が知られている。この方法は、輝尽性蛍光体を含有する放射線像変換パネル(蓄積性蛍光体シート)を利用するもので、被検体を透過した、あるいは被検体から発せられた放射線を該パネルの輝尽性蛍光体に吸収させ、その後に輝尽性蛍光体を可視光線、赤外線などの電磁波(励起光)で時系列的に励起することにより、該輝尽性蛍光体中に蓄積されている放射線エネルギーを蛍光(輝尽発光光)として放出させ、この蛍光を光電的に読み取って電気信号を得て、得られた電気信号に基づいて被検体あるいは被検体の放射線画像を可視像として再生するものである。読み取りを終えた該パネルは、残存する画像の消去が行われた後、次の撮影のために備えられる。すなわち、放射線像変換パネルは繰り返し使用される。
【0003】
この放射線像変換方法では、放射線写真フィルムと増感紙との組合せを用いる従来の放射線写真法の場合に比べて、情報量の豊富なデジタル放射線画像を得ることができるという利点がある。さらに、従来の放射線写真法では一回の撮影ごとに放射線写真フィルムを消費するのに対して、この放射線画像形成方法では放射線像変換パネルを繰り返し使用するので、資源保護、経済効率の面からも有利である。
【0004】
放射線像変換方法に用いられる放射線像変換パネルは、基本構造として、支持体とその上に設けられた蛍光体層(輝尽性蛍光体層)とからなるものである。ただし、蛍光体層が自己支持性である場合には必ずしも支持体を必要としない。また、蛍光体層の上面(支持体に面していない側の面)には通常、保護層が設けられていて、蛍光体層を化学的な変質あるいは物理的な衝撃から保護している。
【0005】
蛍光体層は、通常は輝尽性蛍光体とこれを分散状態で含有支持する結合剤とから構成されている。ただし、蛍光体層としては、蒸着法や焼結法によって形成される結合剤を含まないで輝尽性蛍光体の凝集体のみから構成されるものも知られている。また、輝尽性蛍光体の凝集体の間隙に高分子物質が含浸されている蛍光体層を有する放射線像変換パネルも知られている。これらのいずれの蛍光体層でも、輝尽性蛍光体はX線などの放射線を吸収したのち励起光の照射を受けると輝尽発光を示す性質を有するものであるから、被検体を透過したあるいは被検体から発せられた放射線は、その放射線量に比例して放射線像変換パネルの蛍光体層に吸収され、パネルには被検体あるいは被検体の放射線画像が放射線エネルギーの蓄積像として形成される。この蓄積像は、上記励起光を照射することにより輝尽発光光として放出させることができ、この輝尽発光光を光電的に読み取って電気信号に変換することにより、放射線エネルギーの蓄積像を画像化することが可能となる。
【0006】
放射線像変換方法は上述したように数々の優れた利点を有する方法であるが、この方法に用いられる放射線像変換パネルにあっても、できる限り高感度であってかつ画質(鮮鋭度、粒状性など)の良好な画像を与えるものであることが望まれている。
【0007】
上記放射線像変換方法において、これまで数々の輝尽性蛍光体が提案され、実用化されてきたが、いずれの輝尽性蛍光体も放射線を直接吸収してそのエネルギーを蓄積するものであった。言い換えれば、放射線を吸収する蛍光体がエネルギーを蓄積する蛍光体を兼ねているため、蛍光体を選択する際に、放射線吸収性の高さを充分に考慮して最適な蛍光体を選ぶことができなかった。従って、これまでに提案または実用化された輝尽性蛍光体は、必ずしもその放射線吸収が充分に満足できるレベルの蛍光体であるとは言えなかった。
【0008】
また、放射線像変換方法用の輝尽性蛍光体として希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体がよく知られているが、この蛍光体は励起光で励起されて輝尽発光を示す際の応答が、必ずしも全ての用途に対して充分に速いわけではなく、応答性のより優れた輝尽性蛍光体が望まれている。ただし、ラインセンサ読取りなどの複数の画素を同時に読み取る方式を利用すれば、応答性が不充分でも実用上において問題とならない場合もある。
【0009】
特公平6−31904号公報には、放射線像変換方法に用いられる放射線像変換パネルの放射線吸収性を高めるために、波長が250nm未満の放射線と波長範囲が250nm以上で400nm以下の紫外線とを吸収し、そのエネルギーを蓄積し、可視光乃至赤外光の照射を受けることによって該エネルギーを発光として放出する輝尽性蛍光体を含む蛍光体層と、該蛍光体層の下に接して配置された波長範囲が250nm未満の放射線によって励起され波長範囲が250nm以上で400nm以下の紫外線を発光する蛍光体を含む層とからなる放射線像変換パネルが記載されている。すなわち、蛍光体層の輝尽性蛍光体として放射線のみならず、紫外線も吸収しうる蛍光体を用い、同時に下層に紫外発光の蛍光体を含有する層を付設することにより、蛍光体層を透過した放射線をこの紫外発光蛍光体に吸収させ、その紫外発光光を輝尽性蛍光体に吸収蓄積させて、放射線像変換パネルの放射線吸収率を高めるものであり、紫外発光蛍光体は放射線吸収率を高めるための補助的な役割を担っている。
【0010】
放射線像変換方法に用いられる輝尽性蛍光体、すなわち放射線を吸収してそのエネルギーを蓄積する輝尽性蛍光体として、特開昭55−12142号公報にはZnS系蛍光体が開示され、特開平2−692号公報にはCaS、SrSなどアルカリ土類金属硫化物系蛍光体が開示されている。しかしながら、これらの輝尽性蛍光体の放射線吸収率は非常に低く、放射線を直接吸収させる限りにおいて実用的ではない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、検出量子効率の高い新規な放射線画像形成方法を提供することにある。特に本発明は、画質の高い放射線画像を与え、被曝線量の低減が可能な放射線画像形成方法を提供する。また本発明は、高感度の放射線像変換パネルと蛍光スクリーンとからなる放射線画像形成材料を提供することにもある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、放射線画像形成方法の検出量子効率(DQE)、すなわちこの方法に用いられる放射線像変換パネルの放射線吸収率、輝尽発光効率および発光光の取出し効率について総合的に検討した結果、従来の輝尽性蛍光体における放射線吸収機能とエネルギー蓄積機能を分離して、二種類の蛍光体に各機能を分担させることにより、放射線吸収の優れた蛍光体を用いることが可能となり、その結果、上記方法の放射線吸収率を高められることを見い出した。また、エネルギー蓄積機能を担う蓄積性蛍光体として発光の応答性の優れた蛍光体を用いることも可能となり、発光光の取出し効率を高めるられることを見い出した。
さらに、エネルギー蓄積性の蓄積性蛍光体を含む層(または放射線像変換パネル)の両側に放射線吸収性蛍光体を含む層(または蛍光スクリーン)を配置することにより、蓄積性蛍光体層(またはパネル)をその両面から露光して放射線エネルギーを蓄積させることが可能となり、検出量子効率が高く、そして画質の高い放射線画像を得ることが可能となった。
【0013】
本発明は、画像形成用の放射線を吸収して紫外乃至可視領域の発光光を放出する蛍光体を含有する放射線吸収性蛍光体層と、該発光光を吸収してそのエネルギーを蓄積し、可視乃至赤外領域の光で励起されると該エネルギーを発光光として放出する蓄積性蛍光体を含有する蓄積性蛍光体層を有する放射線像変換パネル、および画像形成用の放射線を吸収して紫外乃至可視領域の発光光を放出する蛍光体を含有する放射線吸収性蛍光体層を有する蛍光スクリーンを、パネルの蓄積性蛍光体層側表面にスクリーンを密着状態となるように配置し、パネルまたはスクリーンの側から、被検体を透過した、被検体によって回折または散乱された、或は被検体から放射された放射線を照射して、パネルに該放射線の空間的エネルギー分布情報を潜像として記録させたち、パネルをスクリーンより引き離し、パネルの蓄積性蛍光体層側表面に励起光を照射して、該パネルの潜像から放出される発光光を光電的に読み取って画像信号に変換し、そして該画像信号より放射線の空間的エネルギー分布に対応した画像を形成することからなる放射線画像形成方法にある。
【0014】
本発明はまた、画像形成用放射線を吸収して紫外乃至可視領域の発光光を放出する蛍光体を含有する放射線吸収性蛍光体層をそれぞれ有する二枚の蛍光スクリーンの間に、該発光光を吸収してそのエネルギーを蓄積し、可視乃至赤外領域の光で励起されると該蓄積されたエネルギーを発光光として放出する蓄積性蛍光体を含有する蓄積性蛍光体層を有する放射線像変換パネルを、前記二枚の蛍光スクリーンのそれぞれ密着状態で配置し、いずれか一方のスクリーンの側から、被検体を透過した、被検体により回折または散乱された、或は被検体から放射された放射線を照射して、パネルに該放射線の空間的エネルギー分布情報を潜像として記録させた後、パネルを両方のスクリーンより引き離し、次いでパネルの表面に励起光を照射して、該潜像から放出される発光光を該パネルの片面もしくは両面から光電的に読み取って画像信号に変換し、そして該画像信号より放射線の空間的エネルギー分布に対応した画像を形成することからなる放射線画像形成方法にもある。
【0015】
本発明はさらに、画像形成用放射線を吸収して紫外乃至可視領域の発光光を放出する蛍光体を含有する放射線吸収性蛍光体層を有する蛍光スクリーンを、該発光光を吸収してそのエネルギーを蓄積し、可視乃至赤外領域の光で励起されて該蓄積されたエネルギーを発光光として放出する蓄積性蛍光体を含有する蓄積性蛍光体層を有する放射線像変換パネルの表面に密着状態で配置し、スクリーンもしくはパネルの側から、被検体を透過した、被検体により回折または散乱された、或は被検体から放射された放射線を照射して、パネルに該放射線の空間的エネルギー分布情報を潜像として記録させた後、パネルをスクリーンより引き離し、パネルの表面に励起光を照射して、該潜像から放出される発光光を該パネルの片面もしくは両面から光電的に読み取って画像信号に変換し、そして該画像信号より放射線の空間的エネルギー分布に対応した画像を形成することからなる放射線画像形成方法にもある。
【0016】
本発明はまた、画像形成用放射線を吸収して紫外乃至可視領域の発光光を放出する蛍光体を含有する放射線吸収性蛍光体層と、該発光光を吸収してそのエネルギーを蓄積し、可視乃至赤外領域の光で励起されて該蓄積されたエネルギーを発光光として放出する蓄積性蛍光体を含有する蓄積性蛍光体層とを有し、かつ蓄積性蛍光体層の層厚が放射線吸収性蛍光体層の層厚よりも小さい放射線像変換パネルに、被検体を透過した、被検体により回折または散乱された、或は被検体から放射された放射線を照射して、パネルに該放射線の空間的エネルギー分布情報を潜像として記録させた後、パネルの蓄積性蛍光体層側表面に励起光を照射して、該潜像から放出される発光光を該パネルから光電的に読み取って画像信号に変換し、そして該画像信号より放射線の空間的エネルギー分布に対応した画像を形成することからなる放射線画像形成方法にもある。
【0017】
さらに本発明は、上記の放射線画像形成方法のそれぞれに用いられる放射線像変換パネルと蛍光スクリーンとからなる放射線画像形成材料にもある。
【0018】
また本発明は、上記の蛍光スクリーンであって放射線吸収性蛍光体層の層厚の異なる蛍光スクリーンをそれぞれフロント側に内蔵した複数のカセッテおよび該蛍光スクリーンを内蔵しないカセッテを用意して、放射線画像形成の目的および条件に応じて該カセッテのいずれかを選択して用いることを特徴とする放射線画像形成方法にもある。
【0019】
また本発明は、上記の放射線画像形成方法に用いられる放射線画像形成材料を収納するためのカセッテにもある。
【0020】
また本発明は、上記の放射線画像形成方法に用いられる放射線画像情報記録読取装置にもある。
【0021】
本発明は、下記の構成を有する放射線像変換パネルと蛍光スクリーンとからなる放射線画像形成材料を用いる放射線画像記録再生装置にもある。
(1)被検体が接触する放射線撮影用平面部を外側表面に有する箱体;
(2)箱体の内側で、放射線撮影用平面部に対向する位置に蓄積性蛍光体層が接するようにして固定された放射線像変換パネル;
(3)箱体の内側で、放射線像変換パネルの、放射線撮影用平面部とは反対の側の位置に、放射線像変換パネルと平行に、かつ固定された放射線像変換パネルに対して、密着のための前進と離脱のための後退とが可能なように配置された蛍光スクリーン;そして
(4)放射線像変換パネルに近接する位置に配置され、蛍光スクリーンが後退した際に、放射線像変換パネルと蛍光スクリーンとの間に進入して、放射線像変換パネルの表面に沿って移動しながら、パネルの表面に励起光を照射し、該励起光の照射によって放射線像変換パネルから放出される発光光を読み取る手段。
【0022】
また本発明は、上記の放射線像変換パネルの放射線吸収性蛍光体層と蓄積性蛍光体層とを同時重層塗布により形成することを特徴とする製造方法にもある。
【0023】
本発明において、放射線とは、X線、γ線、β線、α線、紫外線などの電離放射線、および中性子線を意味する。また一般に、紫外乃至可視領域とは200nm乃至600nmの波長範囲を意味し、可視乃至赤外領域とは500nm乃至1600nmの波長範囲を意味する。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の放射線画像形成方法に用いられる放射線画像形成材料の好ましい態様を挙げる。
(1)放射線像変換パネルの蓄積性蛍光体層の層厚が、放射線像変換パネルまたは蛍光スクリーンの放射線吸収性蛍光体層の層厚よりも小さい放射線画像形成材料。
(2)放射線像変換パネルの蓄積性蛍光体層の層厚が、放射線像変換パネルおよび/または蛍光スクリーンの全放射線吸収性蛍光体層の層厚の0.2乃至20%の範囲にある放射線画像形成材料。
(3)放射線吸収性蛍光体層に、該蛍光体層を平面方向に沿って細分区画する隔壁が設けられている放射線画像形成材料。
【0025】
(4)放射線吸収性蛍光体層の蛍光体を針状蛍光体結晶とし、それらを異方性を示すように配列した放射線画像形成材料。
(5)放射線像変換パネルの少なくともいずれかの層が、励起光、および/または蓄積性蛍光体の発光光、および/または放射線吸収性蛍光体からの発光光を吸収する着色剤により着色されている放射線画像形成材料。すなわち、後述のラインセンサを用いて、放射線像変換パネルから放射線画像を検出読みだしする系では、蓄積性蛍光体層からの発光光の一部を吸収した方が、画像の鮮鋭度の向上のために有利な場合もある。
【0026】
[放射線画像形成材料の構成]
次に、本発明の放射線画像形成方法に用いられる放射線画像形成材料について詳細に述べる。
本発明の放射線画像形成材料は、少なくとも蓄積性蛍光体層を有する放射線像変換パネルと、放射線吸収性蛍光体層を有する蛍光スクリーンとから構成される組体である。放射線吸収性蛍光体層は、放射線を吸収して紫外乃至可視領域に発光を示す蛍光体(以下、放射線吸収蛍光体と呼ぶ)を含有する層である。蓄積性蛍光体層は、放射線吸収蛍光体からの発光光を吸収してそのエネルギーを蓄積し、可視乃至赤外領域の光で励起されるとその蓄積エネルギーを発光光として放出する蓄積性蛍光体を含有する層である。なお、蓄積性蛍光体層は、放射線を全く吸収しないわけではないため、その蓄積性蛍光体層が直接吸収した放射線のエネルギーもまた、放射線画像の形成に併せて利用される。
【0027】
上記の本発明の放射線画像形成材料の構成の例を添付図面を参照しながら説明する。
図1〜5はそれぞれ、本発明の放射線画像形成材料の構成の代表的な例を示す概略断面図である。矢印はX線等の放射線の照射方向である。
【0028】
図1において、放射線画像形成材料10は、フロント側の放射線像変換パネル10aとバック側の蛍光スクリーン10bとからなる。フロント側の放射線像変換パネル10aは順に、支持体11a、放射線吸収性蛍光体層12a、蓄積性蛍光体層13、および保護層14aから構成されている。また、バック側の蛍光スクリーン10bは順に、支持体11b、放射線吸収性蛍光体層12b、および保護層14bから構成されている。なお、フロント側に蛍光スクリーンを配置し、バック側に放射線像変換パネルを配置することもできる。
【0029】
フロント側の放射線吸収性蛍光体層12aの層厚は、一般には50乃至200μmの範囲にあり、好ましくは100乃至150μmの範囲にある。また、バック側の放射線吸収性蛍光体層12bの層厚は、フロント側の放射線吸収性蛍光体層12aの層厚と同等もしくはそれよりも大きいことが好ましく、一般には50乃至300μmの範囲にあり、好ましくは100乃至250μmの範囲にある。ただし、放射線吸収性蛍光体層が異方性を持つ場合には、フロント側の場合も、またバック側の場合でも、その蛍光体層の膜厚は600μm程度の厚さ(好ましくは、500μm以下)となってもよい。
【0030】
一方、蓄積性蛍光体層13は、紫外乃至可視領域の光の吸収によってエネルギーが蓄積されるので、その層厚は薄くすることができて、一般には1乃至50μmの範囲にあり、好ましくは5乃至20μmの範囲にある。好ましくは、蓄積性蛍光体層13は放射線吸収性蛍光体層12aよりも薄く、さらに好ましくは、蓄積性蛍光体層13の層厚は、放射線吸収性蛍光体層12aおよび12bの全層厚の0.2乃至20%の範囲にある。
【0031】
また、支持体11a、11bの厚さは、一般には50乃至1000μmの範囲にあり、好ましくは120乃至350μmの範囲にある。支持体は、炭素繊維シートやアルミニウムシートなどの基板に付設されていてもよい。保護層14a、14bの層厚は、一般には約1μm乃至20μmの範囲にあり、好ましくは3乃至15μmの範囲にある。
【0032】
図2において、放射線画像形成材料20は、フロント側の蛍光スクリーン20b、バック側の蛍光スクリーン20c、及びその間のセンターの放射線像変換パネル20aからなる。フロント側スクリーン20bは順に、支持体21b、放射線吸収性蛍光体層22b、および保護層24bから構成されている。バック側スクリーン20cは順に、支持体21c、放射線吸収性蛍光体層22c、および保護層24cから構成されている。センターパネル20aは順に、保護層24a、蓄積性蛍光体層23、および保護層24’aから構成されている。
【0033】
図3において、放射線画像形成材料30は、フロント側の蛍光スクリーン30b、バック側の蛍光スクリーン30c、及びその間のセンターの放射線像変換パネル30aからなる。フロント側スクリーン30bは順に、支持体31b、放射線吸収性蛍光体層32b、および保護層34bから構成されている。バック側スクリーン30cは順に、支持体31c、放射線吸収性蛍光体層32c、及び保護層34cから構成されている。センターパネル30aは順に、保護層34a、蓄積性蛍光体層33、支持体31a、蓄積性蛍光体層33’、および保護層34’aから構成されている。
【0034】
図4において、放射線画像形成材料40はフロント側の放射線像変換パネル40aとバック側の蛍光スクリーン40bとからなる。フロント側パネル40aは順に、支持体41a、蓄積性蛍光体層43、および保護層44aから構成されている。バック側スクリーン40bは順に、支持体41b、放射線吸収性蛍光体層42、および保護層44bから構成されている。
【0035】
図5において、放射線画像形成材料50は、放射線像変換パネルと蛍光スクリーンとが一体化された特別な態様のものであり、順に支持体51、放射線吸収性蛍光体層52、蓄積性蛍光体層53、および保護層54から構成されたパネルである。
【0036】
蓄積性蛍光体層53の層厚は通常、放射線吸収性蛍光体層52の層厚よりも小さく、好ましくは、放射線吸収性蛍光体層52の層厚の0.2乃至20%の範囲にある。蓄積性蛍光体層53の層厚は、一般には1乃至50μmの範囲にあり、好ましくは5乃至20μmの範囲にある。放射線吸収性蛍光体層52の層厚は、一般には50乃至300μmの範囲にあり、好ましくは100乃至250μmの範囲にある。ただし、放射線吸収性蛍光体層が異方性を持つ場合には、フロント側の場合も、またバック側の場合でも、その蛍光体層の膜厚は600μm程度の厚さ(好ましくは、500μm以下)となってもよい。また、支持体51の厚さは、一般には50乃至1000μmの範囲にあり、好ましくは120乃至350μmの範囲にある。支持体は、炭素質シートやアルミニウムシートなどの基板に付設されていてもよい。保護層54の層厚は、一般には約1μm乃至20μmの範囲にあり、好ましくは3乃至15μmの範囲にある。
【0037】
なお、図1〜5において放射線の照射方向を矢印によって示したが、上記のいずれの放射線画像形成材料についても、上下を逆にして、すなわち、組体のバック側スクリーンまたは放射線像変換パネルの支持体側に放射線を照射することが可能である。ただし、その場合でも、フロント側とバック側の放射線吸収蛍光体層の膜厚は、フロント側が小さいことが好ましい。
【0038】
(蓄積性蛍光体)
本発明の画像形成方法において用いられる蓄積性蛍光体は、後述する放射線吸収蛍光体からの発光光(紫外乃至可視領域の光)を吸収してそのエネルギーを蓄積し、可視乃至赤外領域の光で励起されるとそのエネルギーを発光光として放出する蛍光体である。蓄積性蛍光体の代表的なものとして、エネルギーを吸収蓄積した後、励起光で励起されるとそのエネルギーを輝尽発光光として放出する輝尽性蛍光体を挙げることができる。特に、紫外乃至青色領域の光を吸収してそのエネルギーを蓄積する輝尽性蛍光体が好ましい。その例としては、CaS:Eu,Sm、CaS:Ce,Sm、CaS:Ce,Bi、SrS:Eu,Sm、SrS:Ce,Sm、SrS:Ce,Bi、(Ca0.7,Sr0.3)S:Bi,Cu、(Ca,Sr)S:Ce,Bi、ZnS:Cu,Pb等を挙げることができる。また、特公平6−31904号に記載されている波長範囲が250〜400nmの紫外線とともに、波長範囲が250nm未満の放射線を吸収してそれぞれのエネルギーを蓄積することのできるGdOCl:Ceなどの蛍光体も使用することができる。
【0039】
下記の表1に、代表的な蓄積性蛍光体の励起スペクトルのピーク波長および発光スペクトルのピーク波長を示す。表1において、一次励起波長とは当該蓄積性蛍光体にエネルギーを蓄積するための吸収波長に相当し、二次励起波長とは当該蓄積性蛍光体に蓄積されたエネルギーを放射線画像を再生する際に放出させるための励起波長に相当する。
【0040】
【表1】
Figure 0004246911
【0041】
表1に記載の蓄積性蛍光体のうちで応答性の点から特に好ましいのは、CaS:Eu,Sm、CaS:Ce,Sm、CaS:Ce,Bi、SrS:Eu,Sm、SrS:Ce,Sm、SrS:Ce,Bi、(Ca0.7,Sr0.3)S:Bi,Cu、および(Ca,Sr)S:Ce,Bi蛍光体である。ただし、本発明に用いられる蓄積性蛍光体は上記した蛍光体に限定されるものではなく、例えば発光中心が生成するタイプの蛍光体であってもよい。蓄積性蛍光体は一般に粒子状で用いられ、その粒子径は約5μm以下であることが好ましく、2μm以下が特に好ましい。
【0042】
(放射線吸収蛍光体)
本発明の放射線画像形成材料の放射線吸収性蛍光体層および蛍光スクリーンで用いられる放射線吸収蛍光体は、本発明の方法による画像形成に用いられる、X線、γ線、β線、α線、紫外線、中性子線等の放射線を吸収して、通常は瞬時に紫外乃至可視領域に発光を示す蛍光体である。本発明で用いる放射線吸収蛍光体は、母体の主成分として、原子番号が37以上の元素を含む蛍光体であることが好ましく、特に好ましいのは、原子番号が55乃至83の元素を含む蛍光体である。その例としては、LnTaO4:(Nb,Gd)系、Ln2SiO5:Ce系、LnOX:Tm系(Lnは希土類元素)、CsX系(Xはハロゲン)、Gd22S:Tb、Gd22S:Pr,Ce、ZnWO4、LuAlO3:Ce、Gd3Ga512:Cr,Ce、HfO2等を挙げることができる。
下記の表2に、代表的な放射線吸収蛍光体の密度、発光波長、およびその放射線蛍光対に組合わせるのが好ましい輝尽性蛍光体を示す。
【0043】
【表2】
Figure 0004246911
【0044】
ただし、本発明に用いられる放射線吸収蛍光体は、表2に示した蛍光体に限定されるものではない。放射線吸収蛍光体は、蓄積性蛍光体の一次励起特性とのマッチングを考慮して選択される。放射線吸収蛍光体は一般に粒子状で用いられ、その粒子径は約1乃至20μmの範囲にあることが望ましい。
【0045】
マッチングの点から、放射線吸収蛍光体の発光波長領域と蓄積性蛍光体の一次励起波長領域とは70%以上重なっていることが好ましい。この規定において、各波長領域は、発光スペクトルまたは励起スペクトルのピーク値の10%以上の値を有する波長範囲を意味する。
【0046】
放射線吸収蛍光体は、フロント側の放射線吸収性の蛍光体層に含有されるものと、バック側の放射線吸収性の蛍光体層に含有されるものとで、母体の主成分として互いに異なる(原子番号が37以上の)元素を含んでいることが好ましい。より好ましくは、バック側の放射線吸収蛍光体が原子番号が相対的に大きな元素を含んでいることである。このように蛍光体の元素の種類を変えて、放射線に対する吸収特性をずらすことにより、放射線を両蛍光体層に効率良く吸収させることができる。なお、一つの蛍光体層中に二種類以上の放射線吸収蛍光体を含有させてもよい。
【0047】
[放射線画像形成材料の製造法]
(放射線像変換パネル)
次に、本発明の放射線画像形成材料の製造方法を、図1に示した放射線画像形成材料の放射線像変換パネル10aを例にとって、蓄積性蛍光体層および放射線吸収性蛍光体層がそれぞれ、蛍光体粒子とこれを分散状態で含有支持する結合剤とからなる場合について説明する。各蛍光体層は、たとえば次のような公知の方法により支持体上に順に形成することができる。
【0048】
(支持体)
支持体は通常、柔軟な樹脂材料からなる厚みが50μm乃至1mmのシートあるいはフィルムである。支持体は透明であってもよく、あるいは支持体に、励起光(一次、二次)もしくは輝尽発光光を反射させるための光反射性材料(例、アルミナ粒子、二酸化チタン粒子、硫酸バリウム粒子)を充填してもよく、あるいは空隙を設けてもよい。または、支持体に励起光もしくは輝尽発光光を吸収させるため光吸収性材料(例、カーボンブラック)を充填してもよい。支持体の形成に用いることのできる樹脂材料の例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、アラミド樹脂、ポリイミド樹脂などの各種樹脂材料を挙げることができる。必要に応じて、支持体は金属シート、セラミックシート、ガラスシート、石英シートなどであってもよい。
【0049】
(放射線吸収性蛍光体層)
まず、上記の放射線吸収蛍光体粒子と結合剤とを溶剤に加え、これを十分に混合して、結合剤溶液中に放射線吸収蛍光体粒子が均一に分散した塗布液を調製する。蛍光体粒子を分散支持する結合剤については様々な種類の樹脂材料が知られており、本発明の放射線像変換パネルの製造においても、それらの公知の結合剤樹脂を中心とした任意の樹脂材料から適宜選択して用いることができる。塗布液における結合剤と蛍光体との混合比は、目的とする放射線像変換パネルの特性、蛍光体の種類などによって異なるが、一般には結合剤と蛍光体との混合比率(結合体/蛍光体)は、1乃至0.01(重量比)の範囲から選ばれる。なお、塗布液にはさらに、塗布液中における蛍光体の分散性を向上させるための分散剤、形成後の蛍光体層中における結合剤と蛍光体との間の結合力を向上させるための可塑剤、蛍光体層の変色を防止するための黄変防止剤、硬化剤、架橋剤など各種の添加剤が混合されていてもよい。
【0050】
このようにして調製された塗布液を次に、支持体の表面に均一に塗布することにより塗膜を形成する。塗布操作は、通常の塗布手段、たとえばドクターブレード、ロールコータ、ナイフコータなどを用いる方法により行うことができる。この塗膜を乾燥して、支持体上への放射線吸収性蛍光体層の形成を完了する。なお、蛍光体層は、必ずしも上記のように支持体上に塗布液を直接塗布して形成する必要はなく、例えば、別にガラス板、金属板、プラスチックシートなどの仮支持体上に塗布液を塗布し乾燥することにより蛍光体層を形成した後、これを支持体上に押圧するか、あるいは接着剤を用いるなどして支持体上に蛍光体層を接合する方法を利用してもよい。あるいは、特願2000−158213号明細書に記載されているような、針状蛍光体を配向させて異方化した蛍光体層も用いることができる。
【0051】
本発明に係る放射線吸収性蛍光体層は、放射線吸収蛍光体とこれを分散状態で含有支持する結合剤とからなるのものばかりでなく、結合剤を含まないで放射線吸収蛍光体の凝集体のみから構成されるもの、蒸着膜、あるいは放射線吸収蛍光体の凝集体の間隙に高分子物質が含浸されている蛍光体層などでもよい。
【0052】
(隔壁)
また、放射線吸収性蛍光体層には、発光光の散乱を防止して得られる画像の画質を高める目的で、蛍光体層を平面方向に沿って細分区画する隔壁が設けられていてもよい。放射線吸収性蛍光体層は層厚が比較的厚いので、隔壁を設けることにより発光光の拡散を有効に防止することができる。隔壁は縞状、格子状など任意の形状で設けることができ、あるいは円形、六角形など任意の形状の放射線吸収蛍光体が充填された領域を隔壁が囲むように形成されてもよい。また、隔壁の頂部と底部はともに蛍光体層の両表面に露出していてもよいし、あるいは頂部と底部の両方あるいはいずれか一方が蛍光体層に埋没していてもよい。
【0053】
隔壁は、例えばアルミニウム、チタン、ステンレスなど金属製の板、酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウムなどセラミックス製の板、あるいは感光性樹脂など有機高分子物質からなるシートに好適なエッチング処理をすることにより、多数の凹部(穴)もしくは透孔が形成されたハニカム状のシートを用意し、このハニカム状シートの上に上記の蛍光体層を載せたのち加熱圧縮することにより、ハニカム状シートを蛍光体層の中に押し込んで形成することができる。あるいは、蛍光粒子を分散含有する結合剤からなる多数の薄膜状の蛍光体シートと高分子物質からなる多数の薄膜状の隔壁用シートをそれぞれ形成し、蛍光体シートと隔壁用シートを交互に多数枚積層した後、積層方向に垂直に裁断することからなる積層スライス法によっても形成することができる。あるいはまた、上記のように蛍光体層が蒸着膜などのように放射線吸収蛍光体の凝集体からなる場合には、クラックを形成させることにより隔壁とすることができる。そのような蛍光体層の例としては、CsI:Na、CsI:Tl、CsBr:Tlなどの針状結晶膜を挙げることができる。隔壁には、酸化アルミニウム、二酸化チタン等の低光吸収性微粒子が分散含有されていてもよいし、あるいは放射線吸収蛍光体からの発光光を選択的に吸収するような着色剤で着色されていてもよい。
【0054】
あるいは、隔壁を蛍光体層材料(ただし、結合剤:蛍光体の比率および/または粒子サイズは、蛍光体層を形成する場合とは変える)から形成してもよい。一般に放射線吸収蛍光体は高屈折率であるので、平面方向の散乱をより効果的に防止することができる。また、高い放射線吸収を維持しながら、高鮮鋭度の画像を得ることができる。
【0055】
あるいは、放射線吸収性蛍光体層を、図7に示すように、ファイバプレートと放射線吸収蛍光体の針状結晶膜とから構成してもよい。図7において、放射線吸収性蛍光体層12b’は支持体11b側の蛍光体の針状結晶膜12b1と、その上に設けられたファイバプレート12b2とからなる。蛍光体の針状結晶膜12b1は、上記のように隔壁としてクラックを有するものである。一方、ファイバプレート12b2は、直径数μmのファイバを深さ方向に数百万本束にした光学シートであり、蛍光体の針状結晶膜12b1でX線等の放射線から紫外乃至可視領域の光に変換された光は、ファイバプレート12b2を通して平面方向に散乱することなく、かつ光の損失が少なくて蓄積性蛍光体層13に到達することができる。
【0056】
なお、図7では、放射線画像形成材料10’のフロント側の放射線像変換パネル10aではなく、バック側の蛍光スクリーン10b’の放射線吸収性蛍光体層12b’を、蛍光体の針状結晶膜12b1とファイバプレート12b2とから構成した場合を示したが、鮮鋭度向上の点からは、この構成を含めて隔壁は蓄積性蛍光体層よりも層厚の厚い放射線吸収性蛍光体層に設けることが好ましく、より好ましくはバック側の放射線吸収性蛍光体層に設けることであり、特に好ましくは図7に示したようにバック側に配置される蛍光スクリーンの蛍光体層に設けることである。これにより、隔壁を有するバック側スクリーンによる高画質化と、フレキシブルなフロント側パネルの読取装置内での良好な搬送性とを両立させることができる。
【0057】
(蓄積性蛍光体層)
この放射線吸収性蛍光体層の上に、上記と同様にして、蓄積性蛍光体を分散状態で含有支持する結合剤からなる蓄積性蛍光体層を形成する。この蓄積性蛍光体層も、蓄積性蛍光体の凝集体のみから構成されるもの、あるいは蓄積性蛍光体の凝集体の間隙に高分子物質が含浸されているものであってもよいし、あるいは隔壁が設けられていてもよい。
【0058】
放射線吸収性蛍光体層および蓄積性蛍光体層がそれぞれ、上記のように蛍光体粒子と結合剤とから構成される場合に、放射線画像を、より高画質とするためには、放射線吸収性蛍光体層における結合剤と蛍光体の重量比(結合剤B1/蛍光体P1)は、蓄積性蛍光体層における結合剤と蛍光体の重量比(結合剤B2/蛍光体P2)と同等もしくはそれより小さく、かついずれも1以下であることが望ましい(1≧B2/P2≧B1/P1)。すなわち、放射線吸収性蛍光体層中の蛍光体の比率が蓄積性蛍光体層中の蛍光体の比率と同等かそれよりも高いことが望ましい。
【0059】
放射線吸収性蛍光体層のB1/P1比(重量比)は、1/8乃至1/50の範囲にあることが好ましく、より好ましくは1/15乃至1/40の範囲にある。蓄積性蛍光体層のB2/P2比(重量比)は、1/1乃至1/40の範囲にあることが好ましく、より好ましくは1/2乃至1/20の範囲にある。
なお、この結合剤と蛍光体についての関係は、放射線像変換パネルの蓄積性蛍光体層と蛍光スクリーンの放射線吸収性蛍光体層との間においても同様に成り立つことが望ましい。
【0060】
(蛍光体の粒子径)
各蛍光体層に含有される放射線吸収蛍光体および蓄積性蛍光体の平均粒子径は、
(蓄積性蛍光体の平均粒子径)≦(放射線吸収蛍光体の平均粒子径)
なる関係を満たすことが望ましい。特に好ましくは、
(蓄積性蛍光体の平均粒子径)≦(放射線吸収蛍光体の平均粒子径)×0.5
なる関係を満たすことである。この結果、放射線吸収蛍光体の相対的に大きな粒子径によって放射線に対する発光効率を上げて感度を高めることができるとともに、蓄積性蛍光体の相対的に小さな粒子径により画像の鮮鋭度を高めることができる。
【0061】
放射線吸収蛍光体の平均粒子径は、一般には1μm以上、20μm以下であって、好ましくは2μm以上、10μm以下である。一方、蓄積性蛍光体の平均粒子径は、一般には0.2μm以上、20μm以下であり、好ましくは0.5μm以上、5μm以下である。ただし、特願2000−219877号明細書に記載されているように、輝尽性の量子ドット蛍光体のような、より小さな粒子でも、その効率が高ければ、その使用に問題はない。
【0062】
上記放射線吸収蛍光体粒子および蓄積性蛍光体粒子はそれぞれ、例えば特開2000−284097号、同2000−192030号又は特開昭58−182600号公報に記載されているような粒径分布を有していてもよい。
【0063】
(蛍光体層の吸収係数)
放射線画像の画質向上の点から、放射線吸収性蛍光体層の放射線吸収係数と、蓄積性蛍光体層の放射線吸収蛍光体からの発光光(一次励起光)に対する吸収係数とは、以下の関係を満たすことが望ましい。
(蓄積性蛍光体層の一次励起光の吸収係数) >(放射線吸収性蛍光体層の放射線吸収係数)×2
特に好ましくは、
(蓄積性蛍光体層の一次励起光の吸収係数) >(放射線吸収性蛍光体層の放射線吸収係数)×5
なる関係を満たすことである。
【0064】
ここで、一次励起光の吸収係数は、本出願人による特願平11−349633号明細書に記載されているように、見かけの吸収係数であり、以下のようにして規定される値である。蛍光体層を厚さdの均一層とみなし、蛍光体層を空間に孤立して置いた場合のその光反射率をr、光透過率をtとする。光反射率rは、標準白色板との相対比較により求める。蛍光体層の裏側に白色板(反射率rw)を置いた場合と黒色板(反射率rb)を置いた場合の、系全体の反射率をそれぞれRwおよびRbとする。系全体の反射は、蛍光体層による反射と、白色板または黒色板による反射との合計となるので、次式で表される。
w=r+rw×t2
b=r+rb×t2
【0065】
蛍光体層の見かけの吸収係数Kは、吸収が蛍光体層の厚さdに関して指数関数的に減衰すると仮定すると、エネルギー保存則により反射と吸収と透過との合計は1であることから、次式により求められる。
Figure 0004246911
【0066】
一方、放射線吸収係数は、質量エネルギー吸収係数μen/ρに蛍光体層の密度ρを掛けた値として求めることができる。図8及び9はそれぞれ、Gd22SおよびCsI化合物について、X線領域における光子質量減衰係数μ/ρと質量エネルギー吸収係数μen/ρを表すグラフである(http://physics.nist.gov/PhysRefData/XrayMassCoef/cover.htmlより入手)。蛍光体層の密度ρは蛍光体自体の密度に層中の蛍光体充填率を掛けた値として求められ、通常は3〜5程度の値である。
【0067】
これらの式および表を用いて、上記の関係を満たす放射線吸収性蛍光体層と蓄積性蛍光体層の具体例として、以下の組合せを挙げることができる。
1)放射線吸収蛍光体層[Gd22S:Tb蛍光体(平均粒子径5μm)、密度5g/cm3]の40keVでのX線吸収係数=25cm-1
蓄積性蛍光体層[CaS:Eu,Sm蛍光体(平均粒子径2μm)、B2/P2=1/5]の545nmでの光吸収係数=360cm-1
2)放射線吸収蛍光体層[CsI:Tl蛍光体の針状結晶蒸着膜(平均針径5μm)、密度4.5g/cm3]の40keVでのX線吸収係数=42cm-1
蓄積性蛍光体層[CaS:Ce,Sm蛍光体(平均粒子径2μm)、B2/P2=1/5]の450nmでの光吸収係数=580cm-1
【0068】
放射線吸収性蛍光体層は、上記のように放射線吸収係数を高めて高画質の放射線画像を得るためには、含有される放射線吸収蛍光体の密度が6.0g/cm3以上であるか、あるいは蛍光体層の平均密度が4.0g/cm3以上であることが好ましい。
【0069】
(同時重層塗布)
蓄積性蛍光体の粒子が形成しようとする蛍光体層の層厚に対して充分に小さくない場合、すなわち蓄積性蛍光体の平均粒子径をaμm、蛍光体層の層厚をdμmで表したとき、両者が、
d/10<a<d
なる関係を満たす場合には、蓄積性蛍光体層とその下の大きな層厚の放射線吸収性蛍光体層とを同時重層塗布により形成することが好ましい。これにより、5〜20μmという薄い層厚の蛍光体層を均一に形成することができる。
【0070】
同時重層塗布は、別々に調製した塗布液を一緒に二連式ホッパー型塗布装置などを用いて支持体表面に均一に、一度に同時に重層塗布することにより、あるいは放射線吸収性蛍光体層用塗布液を支持体表面に塗布した後直ちに、溶剤が蒸発しないようにして、蓄積性蛍光体層用塗布液を重層塗布することにより行うことができる。その場合に、各塗布液に使用する結合剤は互いに相溶性があることが好ましく、特に同一であることが好ましい。また、溶剤は、重層した塗膜の乾燥速度を一致させる必要から互いに相溶性があることが望ましい。このようにして形成された二層の蛍光体層は、両者の結合剤が互いに相溶性がある場合には、電子顕微鏡等で観察してもその境界面を明確に区別することができない。
【0071】
(保護層)
蓄積性蛍光体層の表面には、蛍光体層を物理的および化学的に保護するために透明な保護層を設けてもよい。保護層は、励起光の入射や輝尽発光光の出射に殆ど影響を与えないように、光吸収を実質的に示さないことが望ましく、また外部から与えられる物理的衝撃や化学的影響から蓄積性蛍光体シートを充分に保護することができるように、化学的に安定でかつ高い物理的強度を持つことが望ましい。保護層としては、セルロース誘導体、ポリメチルメタクリレート、有機溶媒可溶性フッ素系樹脂などのような透明な有機高分子物質を適当な溶媒に溶解して調製した溶液を蛍光体層の上に塗布することで形成されたもの、あるいはポリエチレンテレフタレートなどの有機高分子フィルムや透明なガラス板などの保護層形成用シートを別に形成して蛍光体層の表面に適当な接着剤を用いて設けたもの、あるいは無機化合物を蒸着などによって蛍光体層上に成膜したものなどが用いられる。また、保護層中にはパーフルオロオレフィン樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末等の滑り剤、およびポリイソシアネート等の架橋剤など各種の添加剤が分散含有されていてもよい。
【0072】
形成される放射線画像の鮮鋭度を高めるためには、保護層を一定範囲で光散乱性とすることが望ましい。一般に保護層の光散乱長は、蓄積性蛍光体からの発光光の主発光波長において5乃至80μmの範囲にあり、好ましくは10乃至70μmの範囲にある。光散乱性の保護層は、上記保護層用材料中に光散乱性微粒子を分散、含有させることによって形成することができる。光散乱性微粒子としては、光屈折率が1.6以上であり、粒子径が0.1乃至1.0μmの範囲にあるのが好ましい。特に好ましくは光屈折率は1.9以上であり、粒子径は0.1乃至0.5μmの範囲である。好適な光散乱性微粒子の例としては、ベンゾグアナミン樹脂粒子、メラミンホルムアルデヒド縮合樹脂粒子、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化チタンおよび炭酸鉛の微粒子を挙げることができる。
【0073】
保護層の表面にはさらに、保護層の耐汚染性を高めるためにフッ素樹脂塗布層を設けてもよい。フッ素樹脂塗布層は、フッ素樹脂を有機溶媒に溶解(または分散)させて調製したフッ素樹脂溶液を保護層の表面に塗布し、乾燥することにより形成することができる。フッ素樹脂は単独で使用してもよいが、通常はフッ素樹脂と膜形成性の高い樹脂との混合物として使用する。また、ポリシロキサン骨格を持つオリゴマーあるいはパーフルオロアルキル基を持つオリゴマーを併用することもできる。フッ素樹脂塗布層には、干渉むらを低減させて更に放射線画像の画質を向上させるために、微粒子フィラーを充填することもできる。フッ素樹脂塗布層の層厚は通常は0.5μm乃至20μmの範囲にある。フッ素樹脂塗布層の形成に際しては、架橋剤、硬膜剤、黄変防止剤などのような添加成分を用いることができる。特に架橋剤の添加は、フッ素樹脂塗布層の耐久性の向上に有利である。
【0074】
放射線像変換パネルと蛍光スクリーンの密着性や引き離し易さなど取り扱い性を高めるために、保護層またはフッ素樹脂塗布層はその最大摩擦係数が0.18以下であることが好ましく、特に好ましくは0.12以下である。また、表面の平均粗さが0.05乃至0.5μmの範囲にあることが好ましく、特に好ましくは0.1乃至0.3μmの範囲である。例えば、保護層またはフッ素樹脂塗布層の表面に、エンボス処理を行うことなどにより微小な凹凸を設けてもよい。
【0075】
放射線像変換パネルの帯電、特に蛍光スクリーンからパネルを引き離すときに生じがちな剥離帯電を有効に防止するためには、密着状態で重ね合わされるパネルとスクリーンの対向する両保護層の帯電列が揃っていることが望ましい。両保護層の帯電列は、例えば同一の材料を用いて両保護層を形成することにより揃えることができる。また、放射線撮影に際してはカセッテに両者を挿入する前に除電することが好ましい。
【0076】
あるいは、放射線像変換パネルを構成する層のうちのいずれかの層に、ポリピロールなどの透明導電性ポリマーおよび/または蓄積性蛍光体の発光波長よりも小さい粒子径を持つ導電性微粉末(酸化すず微粉末など)を含有させることが好ましい。粒子径を蓄積性蛍光体の発光波長よりも小さくすることにより、薄層で導電率の高い膜構成が可能となり、発光光の吸収による集光効率の損失を回避することができる。
【0077】
(選択的反射層)
さらに、放射線吸収性蛍光体層と蓄積性蛍光体層との間には、図10に示すように、放射線吸収蛍光体からの発光光を透過し、励起光および蓄積性蛍光体からの発光光を反射するような選択的反射層を設けることが好ましい。これにより、放射線画像情報の読み取り時における集光効率を高めることができると同時に、その結果蓄積性蛍光体層の層厚をより薄くできるので、画像の鮮鋭度を向上させることができる。
【0078】
図10において、放射線像変換パネル10a’は順に、支持体11a、放射線吸収性蛍光体層12a、選択的反射層15、蓄積性蛍光体層13、および保護層14aから構成されている。
【0079】
選択的反射層は例えば、放射線吸収蛍光体の発光波長を含む短波長領域の光を透過し、それよりも長波長領域の光を反射するような特性を有すればよい。選択的反射層は、薄膜フィルムとその上に形成されたこのような特性を有する多層膜とから構成することができる。多層膜は、屈折率の異なる二種類以上の物質が光の波長の1/4程度の厚さ(約50〜200nm)で逐次積層されたものであっって、具体的には、SiO2、MgF2などの低屈折率物質とTiO2、ZrO2、Ta25、ZnSなどの高屈折率物質とが交互に数層乃至数十層積層された総厚約0.1乃至10μmの多層干渉フィルタである。
【0080】
一例として、SiO2とTiO2とが交互に合計17層積層されてなる多層膜について述べる。この多層膜は、図11に概略的に示すように、TiO2の高屈折率層15aとSiO2の低屈折率層15bとからなり、表3に示すような構成を有する。
【0081】
【表3】
Figure 0004246911
【0082】
図12は、上記表3に示した構成を有する多層膜の光透過特性を示すグラフである。この多層膜の透過率(光の入射角0゜)は波長633nmで約97%である。
なお、この多層膜は光の入射角に対しても選択性を有する。図13は、この多層膜の、波長400nmおよび633nmにおける光の入射角と透過率との関係を示すグラフである。多層膜は、波長633nmの光については入射角0゜〜25゜で50%以上の透過率を示し、25゜より大きい入射角では透過率は約5%に減少する。一方、波長400nmの光については入射角0゜〜約70゜にわたって90%以上の透過率を示す。
多層膜の材料や構成を変えることにより、所望の光透過特性を有する多層膜を形成することが可能である。
【0083】
選択的反射層は、高分子物質などからなる薄膜フィルム(厚さ:4乃至20μm)上に、上記多層膜材料を蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングなどの方法により逐次積層することにより形成することができる。次いで、この多層膜を有する薄膜フィルムを、前記放射線吸収性蛍光体層上にカレンダー処理などにより貼り合わせた後、この上に蓄積性蛍光体層を塗布などにより形成するか、あるいは別途形成した蛍光体層を貼り合わせることにより行う。あるいは、先に多層膜を有する薄膜フィルム上に蓄積性蛍光体層を塗布などにより形成した後、得られた薄膜フィルムを放射線吸収性蛍光体層上に貼り合わせてもよい。なお、上記の多層膜形成時および/または蓄積性蛍光体層形成時に、薄膜フィルムの下には剥離可能な仮支持体を接合させておいてもよい。あるいは、選択的反射層として、前述した支持体材料の中から適宜選択した材料を用いて薄層を形成してもよい。
【0084】
(拡散反射層)
また、この放射線像変換パネルがフロント側となる場合には、支持体と放射線吸収性蛍光体層との間に、図14に示すように、拡散反射層を設けることが好ましい。本発明の画像形成材料に用いることのできる拡散反射層は、放射線吸収蛍光体からの発光光を反射する機能を有する層である。この拡散反射層の設置によって、蓄積性蛍光体層に入射する放射線吸収蛍光体からの発光光(一次励起光)の光量を増加させて、高感度の放射線像変換パネルとすることができる。
図14において、放射線像変換パネル10a”は順に、支持体11a、拡散反射層16、放射線吸収性蛍光体層12a、蓄積性蛍光体層13、および保護層14aから構成されている。
【0085】
拡散反射層は、二酸化チタン、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム(アルミナ)などの光反射性物質を含有する層である。光反射性物質は、拡散反射層がフロント側のパネルまたはスクリーンに設けられることを考慮して、X線等の放射線の吸収が小さい必要があるとともに、反射の鮮鋭度の点からは、屈折率が高いことが望ましい。よって、光反射性物質として好ましいのは二酸化チタンであり、特により屈折率の高いルチル型が好ましい。ただし、二酸化チタンは約430nmよりも長波長の領域で高い反射率を示すので、放射線吸収蛍光体がGd22S:Tbなどである場合に適している。放射線吸収蛍光体の発光波長が約430nmよりも短波長である場合には、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウムなどその発光波長領域に吸収のない物質を選択する必要がある。
【0086】
拡散反射層は、感度および鮮鋭度の点から、できるだけ薄い層厚で高い光反射率を達成することが望ましい。拡散反射層が単独で存在する場合に、その層厚と拡散反射率との関係は、図15において斜線で示す領域にあることが好ましい。ここで、拡散反射率は、特開平9−21899号公報に詳細に記載されているように、BaSO4粉末が全面に一様に塗布してある積分球を用いて標準白板に対して求めた反射率である。そのためには光反射性物質の平均粒子径は、一般には0.1乃至0.5μmの範囲にあり、好ましくは0.1乃至0.4μmの範囲にある。光反射性物質の拡散反射層における体積充填率は、一般には25乃至75%の範囲にあり、好ましくは40%以上である。拡散反射層の層厚は一般に15乃至100μmの範囲にある。
【0087】
拡散反射層は、上記微粒子状の光反射性物質および結合剤を溶剤中に混合分散して塗布液を調製した後、これを支持体上に塗布乾燥することにより形成することができる。結合剤および溶剤は、前記蛍光体層に使用することが可能なものの中から適宜選択して用いることができる。
【0088】
支持体上に拡散反射層を設ける代わりに、支持体自体に上記のような光反射性物質を分散含有させて、拡散反射機能を有する支持体としてもよい。また、後述するように、拡散反射層および/または支持体を着色してもよい。
なお、蛍光スクリーンをフロント側に用いる場合にも、拡散反射層または拡散反射機能を有する支持体を設けることが望ましい。また、バック側に用いられるパネルまたはスクリーンに使用すれば、感度的に優れたものが設計しやすい。
【0089】
さらに使用目的に応じて、蛍光体層と支持体との間には光吸収層、接着層、導電層などの補助機能層を設けてもよく、また支持体表面には多数の凹部を形成してもよい。一方、支持体の蛍光体層を設けない側の表面には、搬送性を向上させたり、耐傷性を向上させたりするために、摩擦低減層や耐傷層を設けてもよい。
【0090】
上述のような材料と製法を利用して本発明に係る放射線像変換パネルが得られるが、本発明のパネルの構成は、公知の各種のバリエーションを含むものであってもよい。また、上記においては、支持体および保護層を有するパネルについて説明したが、蛍光体層が自己支持性である場合には、本発明に係るパネルは必ずしも支持体や保護層を備えている必要はない。
【0091】
(着色)
放射線画像の鮮鋭度を高める目的で、上記放射線像変換パネルの少なくともいずれかの層を、放射線吸収蛍光体からの発光光および/または蓄積性蛍光体の二次励起光(潜像(蓄積放射線画像)の読み取り時に用いる)を吸収する着色剤、あるいは場合により、蓄積性蛍光体から放出される発光光の一部を吸収する着色剤によって着色してもよい。具体的には、放射線吸収性蛍光体層、保護層、更に下塗層などの中間層を、放射線吸収蛍光体からの発光光および/または蓄積性蛍光体の二次励起光を吸収する着色剤で着色することが望ましい。着色は、上記の層のいずれか一つだけであってもよいし、あるいは部分的であってもよく、また任意に組み合わせてもよい。着色剤は、後述の光電子倍増管を用いた点検出系では、蓄積性蛍光体からの発光光を吸収しないものであることが望ましい。
【0092】
着色剤としては、例えば放射線吸収蛍光体からの発光光が緑色発光光であり、蓄積性蛍光体が緑色光を吸収し、近赤外光で二次励起されて、赤色の発光光を放出する場合には、緑色領域および近赤外領域の光を吸収し、赤色領域の光を吸収しない着色剤が好ましい(点検出系で用いられる場合)。二種類以上の着色剤を組み合わせて使用してもよい。
【0093】
上記の目的に適した赤色着色剤の例としては、カドミウムレッド、べんがら、モリブデンレッドなどの無機顔料を挙げることができる。ただし、これらの赤色着色剤は近赤外領域の光を殆ど吸収しないので、特開平11−109126号公報に記載されているシアニン色素、インドアニリン色素、スクアリリウム色素などの近赤外吸収材料を併用することが望ましい。
【0094】
また例えば、放射線吸収蛍光体からの発光光が近紫外発光光であり、蓄積性蛍光体が近紫外光を吸収し、赤色光で励起されて、青乃至緑色の発光光を放出する場合には、近紫外領域および赤色領域の光を吸収し、青乃至緑色領域の光を吸収しない着色剤が好ましい(点検出系で用いられる場合)。
【0095】
適した青乃至緑色の有機系着色剤の例としては、ザボンファーストブルー3G(ヘキスト社製)、エストロールブリルブルーN−3RL(住友化学(株)製)、スミアクリルブルーF−GSL(住友化学(株)製)、D&CブルーNo1(ナショナル・アニリン社製)、スピリットブルー(保土谷化学(株)製)、オイルブルーNo603(オリエント(株)製)、キトンブルーA(チバ・ガイギー社製)、アイゼンカチロンブルーGLH(保土谷化学(株)製)、レイクブルーA、F、H(協和産業(株)製)、ローダリンブルー6GX(協和産業(株)製)、ブリモシアニンブルー6GX(稲畑産業(株)製)、ブリルアシッドグリーン6BH(保土谷化学(株)製)、シアニンブルーBNRS(東洋インキ(株)製)、ライオノルブルーSL(東洋インキ(株)製)を挙げることができる。また、無機系着色剤の例としては、群青、コバルトブルー、セルリアンブルー、酸化クロム、TiO2−ZnO−CoO−NiO系顔料を挙げることができる。
【0096】
あるいは、後述するように放射線画像情報の読み取りを光電子増倍管等を用いる点検出の代わりに、ラインセンサ等を用いるライン検出により行う場合には、放射線吸収性蛍光体層、さらに下塗層などの中間層は、放射線吸収蛍光体からの発光光、蓄積性蛍光体の二次励起光、および/または蓄積性蛍光体からの発光光を吸収する着色剤で着色することが望ましい。蓄積性蛍光体からの発光光のうち励起部分よりも広がった分が画像のボケを招くからである。
【0097】
着色剤としては、放射線吸収蛍光体からの発光が緑色発光、蓄積性蛍光体の二次励起光が近赤外光、そして蓄積性蛍光体からの発光が赤色発光である場合には、緑色、赤色および/または近赤外領域の光を吸収する着色剤が好ましい。すなわち、赤色、青乃至緑色または灰色の着色剤であって近赤外吸収を有する着色剤が好ましい。適した赤色着色剤としては、上記の着色剤を用いることができる。青乃至緑色の着色剤であって近赤外吸収を有する着色剤の例としては、チタニルフタロシアニンTiO−Pc(山陽色素(株)製)を挙げることができる。上記の青乃至緑色着色剤と近赤外吸収材料とを組み合わせてもよい。灰色着色剤の例としては、カーボンブラック、Cu−Fe−Mn酸化物を挙げることができる。
【0098】
また、放射線吸収蛍光体からの発光が近紫外発光、蓄積性蛍光体の二次励起光が赤色光、そして蓄積性蛍光体からの発光が青乃至緑色発光である場合には、近紫外、青乃至緑色および/または赤色領域の光を吸収する着色剤が好ましい。すなわち、黄色、赤色、青乃至緑色または灰色の着色剤が好ましい。上記の赤色、青乃至緑色および灰色の着色剤を用いることができる。黄色着色剤の例としては、黄色酸化鉄、チタンイエロー、カドミウムイエローを挙げることができる。
【0099】
なお、着色による放射線像変換パネルの感度の低下は、放射線吸収性蛍光体層の層厚を厚くしたり、あるいは読み取り時の励起光のエネルギーを強くすることにより調整することができ、感度と鮮鋭度との関係でそれらの最適化を図ることができる。
【0100】
(蛍光スクリーン)
バック側の蛍光スクリーン10b、および他の構成の放射線像変換パネルも、上記と同様の材料を用いて同様の方法により製造することができる。なお、蛍光体層に隔壁を設ける場合には、バック側の蛍光スクリーンの放射線吸収性蛍光体層のみに隔壁を形成し、フロント側の放射線像変換パネルはフレキシブルとすることが好ましく、これにより画像形成システム(例えば、放射線画像情報読取装置)をよりコンパクトにでき、かつ高画質の放射線画像を得ることができる。
【0101】
放射線画像の鮮鋭度を高めるためには、蛍光スクリーンの保護層も一定範囲で光散乱性とすることが望ましい。一般に保護層の光散乱長は、放射線吸収蛍光体からの発光光の主発光波長において5乃至80μmの範囲にあり、好ましくは10乃至70μmの範囲にある。このスクリーンの光散乱性保護層も、前記パネルの光散乱性保護層と同様の材料を用いて同様の方法により形成することができる。
【0102】
同じく放射線画像の鮮鋭度を高める目的で、蛍光スクリーンの放射線吸収性蛍光体層および/または保護層を、放射線吸収蛍光体からの発光光を吸収するような上記着色剤で着色してもよい。
【0103】
[放射線画像形成方法]
次に、上記の放射線画像形成材料を用いた本発明の放射線画像形成方法について、図1に示した構成の放射線画像形成材料(蓄積性蛍光体として輝尽性蛍光体を含有)を例にとって、添付図面の図6を参照しながら説明する。図6は、点検出系を利用する片面集光方式の放射線画像情報読取装置の構成の例を示す概略断面図である。
【0104】
まず、放射線画像情報(放射線の空間的エネルギー分布情報)を、放射線像変換パネルと蛍光スクリーンの組体からなる放射線画像形成材料に記録する。画像情報の記録(撮影)に際しては、図1に示した放射線画像形成材料10のフロント側放射線像変換パネル10aとバック側蛍光スクリーン10bを、各々の保護層14a、14bが接するように密着した状態で重ね合わせる。この際に、カセッテを用いて密着状態にある組体を固定することが望ましく、またバック側スクリーン10bは通常はカセッテ内に固定して使用するのが望ましい。また、放射線撮影の撮影台の内部において同様な構成とすることもできる。
【0105】
放射線撮影装置(図示なし)などを用いて、X線発生装置等の放射線源と放射線画像形成材料との間に被検体を配置した後、放射線源から発生した放射線を被検体に照射する。放射線としては、X線、γ線、α線、β線、電子線、紫外線などの電離放射線、および中性子線を利用することができる。中性子線を用いる場合には、蛍光体として、Gdや10B、6Liなどを含む母体のものか、あるいはこれらの元素を含む化合物を蛍光体に混合して用いることが好ましい。
【0106】
放射線は、放射線および被検体の種類に応じて被検体を透過したり、あるいは被検体により回折または散乱されて、被検体に関する空間的エネルギー分布情報を有する放射線としてフロント側パネル10aに入射する。入射した放射線の一部は、放射線吸収性蛍光体層12aの放射線吸収蛍光体に吸収されて、紫外乃至可視領域の波長の光(瞬時発光光)に変換される。この発光光は、隣接する蓄積性蛍光体層13に入射し、蛍光体層中の輝尽性蛍光体に吸収されてそのエネルギーが蓄積され、蓄積性蛍光体層13には被検体の空間的エネルギー分布情報が潜像として記録される。
【0107】
フロント側パネル10aを透過した放射線は、バック側スクリーン10bに入射し、放射線吸収性蛍光体層12bの放射線吸収蛍光体に吸収されて、紫外乃至可視領域の発光光に変換される。この発光光の多くは、再びフロント側パネル10aに入射し、蓄積性蛍光体層13の輝尽性蛍光体に吸収されてエネルギーとして蓄積され、これも潜像形成に寄与する。すなわち、蓄積性蛍光体層13はその両面から、放射線吸収蛍光体の発光光により露光されることになる。
【0108】
なお、放射線の照射は、フロント側パネル10aとバック側スクリーン10bの位置を逆にすることにより、バック側スクリーン10bの側から行われてもよい。また、オートラジオグラフィーのように被検体自体がβ線等の放射線を放出する場合には、被検体自体が放射線源となるため、別に放射線源を設けることを必要としない。
【0109】
次に、図6の放射線画像情報読取装置を用いて、フロント側パネル10aに記録された被検体の空間的エネルギー分布情報を読み取る。まず、密着状態にあるフロント側パネル10aとバック側スクリーン10bを引き離し、フロント側パネル10aのみを読取装置に装填する。
【0110】
図6において、放射線像変換パネル60は、二組のニップローラからなる移送手段61、62により矢印の方向に移送される。一方、レーザビーム等の励起光63は、パネル60の保護層側表面(蓄積性蛍光体層側表面)より照射される。励起光63の照射を受けたパネル60の蓄積性蛍光体層内の箇所からは、蓄積されたエネルギーレベルに応じた(すなわち、潜像として記録蓄積された放射線のエネルギー分布情報を担持した)放射線画像に対応する輝尽発光光64が発せられる。輝尽発光光64は、直接あるいはミラー69で反射されて、上方に設けられた集光ガイド65により集光され、その集光ガイド65の基部に備えられた光電変換装置(フォトマルチプライヤ)66にて電気信号に変換され、増幅器67で増幅され信号処理装置68に送られる。
【0111】
信号処理装置68では、増幅器67から送られてきた電気信号について、目的とする放射線画像の種類や放射線像変換パネルの特性に基づいて予め決められている加算、減算などの適当な演算処理を行い、処理後の信号を画像信号として送り出す。
【0112】
送り出された画像信号は画像再生装置(図示なし)にて可視画像として再生され、これにより被検体に関する放射線の空間的エネルギー分布に対応した画像が再構成される。再生装置は、CRT等のディスプレイ手段であってもよいし、感光フィルムに光走査記録あるいは感熱記録フィルムによる熱記録を行なう記録装置であってもよいし、あるいはまた、そのために画像信号を一旦光ディスク、磁気ディスク等の画像ファイルに記憶させる装置に置き換えられてもよい。
【0113】
一方、蓄積性蛍光体パネル60は、ニップローラ61、62により矢印の方向に順次移動していき、読取工程に供された領域は次いで、ナトリウムランプ、蛍光灯、赤外線ランプ等の消去光源(図示なし)を利用する消去工程に供される。これにより、読取工程の後なおパネルに残存している蓄積エネルギーが放出除去され、次回の放射線画像の記録(撮影)工程において、残存エネルギーによる潜像が悪影響を及ぼすことがないようにされる。
【0114】
なお、放射線像変換パネルが図2、3および4に示したような構成である(すなわち、放射線吸収性蛍光体層を有しない)場合には、支持体および保護層を透明とすることにより、パネルの両面から輝尽発光光を読み取ることができる。例えば、図6において、集光ガイド65および光電変換装置66を放射線像変換パネル60の下方にも配置することにより、輝尽発光光64の読み取りを励起光63の照射とは反対の側からも、すなわち両側から行うことができる。
【0115】
あるいは、放射線の空間的エネルギー分布情報が潜像として蓄積記録された放射線像変換パネルをその平面方向に移送しながら、または励起光照射装置をパネルの平面方向に移動させながら、パネルに対して励起光を、LDアレイ、LEDアレイ、蛍光導光シート等を用いて、移送方向とほぼ直交する方向に線状に照射し、パネルの励起光照射部分の潜像から放出される輝尽発光光を多数の固体光電変換素子を線状に配置してなるラインセンサ等を用いて逐次一次元的に光電検出して、その放射線エネルギー分布情報を電気的画像信号として得る放射線画像情報読取方法を利用することもできる。
【0116】
(各種スクリーンの使用)
上記方法の実施に際しては、蛍光スクリーン無しのカセッテおよび放射線吸収性蛍光体層の層厚の異なる各種の蛍光スクリーンを固定した複数のカセッテを予め用意しておいて、放射線撮影の目的および被検体や放射線源などの撮影条件に応じて、これらのカセッテのいずれかを適宜選択して使用することもできる。これにより、撮影目的に応じて最適な蛍光スクリーンと放射線像変換パネルとの組合せを選ぶことができ、より高画質であって適正な放射線画像を得ることが可能となり、画像解析が容易となるとともに、より豊富な被検体情報を得ることができる。すなわち、様々な使用目的に的確に対応することが可能となる。
【0117】
この場合に、蛍光スクリーンはカセッテのフロント側に固定しておき、放射線像変換パネルをカセッテのバック側に収納して放射線撮影した後、読取装置においてはパネルをカセッテのバック側から取り出して搬送するようにすることが望ましい。また、放射線像変換パネルとしては、蓄積性蛍光体層と放射線吸収蛍光体層の両方を有するパネルが好ましい。
【0118】
次に、医療診断および工業製品の品質検査の場合についての例を示す。
Figure 0004246911
【0119】
(カセッテ)
上記の方法において用いられる本発明の放射線撮影用カセッテは、本発明の放射線画像形成材料を収納するためのものであって、放射線撮影を行う際に放射線画像形成材料が外光により感光するのを防ぐために、遮光性を有する材料からなる。以下に、カセッテの構成について、放射線画像形成材料が図1に示した放射線像変換パネルと蛍光スクリーンから構成される場合を例にとって説明する。
【0120】
図16は、放射線撮影用カセッテの構成の一例を示す断面図である。カセッテ71は、放射線像変換パネル10aおよび蛍光スクリーン10bを収納する本体71aと、開閉可能な蓋部71bとから構成される。カセッテ71の蓋部71bは本体71aと蝶板71cにより開閉可能に取り付けられていて、蓋部71bの下部には、蓋部71bを閉じた状態で本体71aに係止するロック部71dが設けられている。また、蓋部71bにはスクリーン10bが固定されていて、パネル10aを本体71aに収納することにより、フロント側にパネル10aが、バック側にスクリーン10bが配置されることになる。そして、蓋部71bを閉じた状態では、パネル10aとスクリーン10bとが密着した状態で重ね合わされるようになっている。この密着状態は、例えば本体71aの底面内側、更にはスクリーンが固定される蓋部71bの内側に弾性部材(緩衝部材)71eを付設しておくことにより達成できる。また、蓋部71bを開けた状態では、蓋部71bに固定されたスクリーン10bと本体71aに収納保持されたパネル10aとの間に空間が生じる。
【0121】
図17は、図16に示したカセッテを適用することができる放射線画像情報読取装置の例を示す概略側面図であり、読取装置のカセッテ保持空間85を示す拡大断面図も示されている。読取装置は、カセッテを保持するカセッテ保持部84、カセッテに収納されている放射線像変換パネル10aに蓄積記録された放射線画像情報を読み取る読取部、読み取り終了後にパネルに残存する放射線エネルギーの消去を行う消去部83、及びカセッテ保持部84にてカセッテから取り出されたパネル10aを読取部90と消去部83を介して再びカセッテまで搬送する搬送手段82を備えている。
【0122】
カセッテ保持空間85には、先端の駆動回転ローラを備えた摺動アームが設置されていて、パネル10aをカセッテ(図17では、図16のカセッテが上下を逆にした形で配置されている)から取り出す。すなわち、カセッテのロックが解除され、カセッテが開くと、摺動アームが移動し、その先端の駆動回転ローラがパネル10aの裏面に接触し、その駆動回転により、パネル10aはカセッテの外へ取り出される。
【0123】
カセッテから取り出されたパネル10aは、エンドレスベルト、ローラ、ガイド板などからなる搬送手段82により搬送されて読取部に導入され、次いで公知の方法により、パネル10aに潜像として蓄積されている放射線画像が読み取られる。
【0124】
読み取りの終了したパネル10aは、搬送手段82により戻され、消去部83に搬入されて、公知の方法により、パネルに残存している放射線エネルギーが除去される。
【0125】
あるいは、本発明の画像形成方法において用いられるカセッテは、図18に示すような構成であってもよい。図18(1)は、カセッテ72に放射線像変換パネル10aの収納されている時の状態を示し、図18(2)は、カセッテ72から、放射線像変換パネル10aが取り出される時の途中の状態を示す。図18において、カセッテ72の本体部72aに、その一辺が固定されている蓋部72fは、弾性シートから形成されていて、図18(2)に示すように、所望時に、蓋部72fを湾曲変形させて、パネル10aの取り出しを可能にする。
【0126】
なお、放射線画像形成材料が別の構成(例えば、図4または図2、3)であっても、カセッテを上記と同様の構成、機構とすることにより、カセッテを閉蓋した状態で放射線像変換パネルと蛍光スクリーンが密着して重ね合わされ、開蓋した状態でパネルとスクリーンとの間に空間が生じてカセッテからパネルのみを容易に取り出せるようにすることができる。
【0127】
(個体情報記録手段)
上記のいずれの方法においても、放射線像変換パネル、および蛍光スクリーンまたは蛍光スクリーンが固定されたカセッテには、予め各々に固有の個体情報が記録された手段を設けておいてもよい。そして、放射線画像情報の読み取り時に自動的にその個体情報を読み取ることにより、励起光の強度などの読取条件を設定したり、信号処理条件を設定したり、あるいは得られた被検体の放射線画像情報と対応づけて記録することができる。
【0128】
個体情報を記録する手段としては、バーコード、磁気テープなどを用いることができ、放射線像変換パネルおよび蛍光スクリーンまたはカセッテの画像形成に寄与しない部分に直接印刷したり、接着剤を用いて接着することにより付設することができる。なお、実施に際しては蛍光スクリーンは常時カセッテに固定された状態で使用することが多いので、個体情報記録手段をスクリーンの代わりにカセッテに付設してもよい。記録すべき個体情報としては、蓄積性蛍光体や放射線吸収蛍光体の種類、蛍光体層の層厚、一次励起光の吸収係数、放射線吸収係数などを挙げることができる。各個体情報の読み取りは、例えば読取装置のアンローダー部で行う。また、使用者が目視によっても確認できるように、上記記録手段とは別に刻印などのマーカーをパネルおよびスクリーンに設けてもよく、その場合には重ね合わせた時にパネルとスクリーンのマーカーの位置が重ならないようにすることが好ましい。
【0129】
これにより、放射線像変換パネルと蛍光スクリーンの両方について読み取り時にその個体情報を得ることができ、パネルと組み合わせて使用するスクリーンの放射線吸収蛍光体の種類や蛍光体層の層厚などが違っても、最適な条件で読み取りや信号処理、得られた放射線画像の解析を行うことが可能となる。
【0130】
(放射線画像情報記録読取装置)
上記放射線画像形成材料と方法を利用する、放射線画像の記録と読み取りが組み込まれた本発明の放射線画像情報記録読取装置について、以下に説明する。
放射線画像形成材料としては、放射線像変換パネルと一枚の蛍光スクリーンとからなる構成のものが用いられる(図1、図4参照)。この場合に、蛍光スクリーンの裏面(支持体側表面)には、装置内で散乱した放射線による露光を防ぐために、鉛などの金属材料からなる散乱線防止部材が設けられていることが好ましい。図1に示した構成の画像形成材料を例にとって説明する。
【0131】
図19の(1)は、本発明の放射線画像情報記録読取装置の構成の例を示す概略側面図であり、図19の(2)は、その記録読取装置の読取系を示す側面図であり、図19の(3)は、消去系を示す断面図である。
放射線画像情報記録読取装置は、箱体からなり、放射線像変換パネル10a上に被検体(被写体)の放射線画像情報を蓄積記録する記録部120、パネル10aに蓄積記録された放射線画像情報を読み取る読取系130、読み取りが終了したパネル10aに残存する放射線エネルギーを消去する消去光源140、並びにパネル10aに蛍光スクリーン10bを密着および離脱させることが可能な可動性の手段160を備えている。放射線像変換パネル10aは、箱体の記録部120に面する部位(撮影面)121に接して固定されている。
【0132】
蛍光スクリーンの密着/離脱手段160は、支持板161と伸縮アーム162とからなる。支持板161には蛍光スクリーン10bが固定されている。伸縮アーム162は、図中の矢印B方向に伸び縮みするようになっていて、伸張したときに支持板161上のスクリーン10bがパネル10aに密着するようになっている。蛍光スクリーン10bは、支持板161に弾性部材(緩衝部材)163を介して固定されていて、伸縮アーム162が伸張したときにスクリーン10bとパネル10aとが密着状態で重ね合わされるようになっている。
【0133】
記録部120は、通常のX線撮影装置と同様に、撮影面121とX線源などの放射線源122とからなる。
【0134】
読取系130は、図19(2)に示すように、一体となって放射線像変換パネルaの表面に沿って、該表面から僅かな間隔を介して移動する(矢印C)ブロードエリアレーザなどのライン光源131、そして輝尽発光光Mを受光するラインセンサなどの光電検出手段134とからなる。
【0135】
消去系(蛍光灯などの消去光源)140は、読み取り部に沿った面に、固定されているパネル10aの両端部に接して配置される。
【0136】
上記の装置を用いた放射線画像情報の記録および読み取りは、次のようにして実施することができる。
放射線像変換パネル10aは記録部121読み取り部に固定されており、これに対して、密着/離脱手段160の伸縮アーム162が伸張して、支持台161に固定された蛍光スクリーン10bがパネル10aに密着した状態で重ね合わされる。被検者123が撮影面121の前面に位置した状態で放射線源122を作動させる。放射線源122の作動により発せられたX線などの放射線Jは、被検者123を透過した後、パネル10a上に照射されて、被検者123の放射線画像情報がパネル10aに蓄積記録される。
【0137】
次いで、密着/離脱手段160の伸縮アーム162が縮んで、スクリーン10bをパネル10aから引き離し、図19の(2)に示されているような読取系(読み取り空間)130が形成される。そして、その読み取り空間130のなかに、ライン光源131と光電検出手段134とが一体となって入り込み、パネル10aの表面に沿って移動しながら、パネル10aに潜像として記録蓄積されている放射線画像を光学的に読み取る。読み取られた放射線画像は、光電検出手段134の内部で光電変換されて一連の電気信号に変換され、得られた電気信号Qは、画像情報読取管理装置139に入力される。画像情報読取管理装置139にて各信号Qは、光電検出手段134の移動速度に基づいてパネル10aの部位に対応して演算処理され、画像データとして画像表示装置(図示なし)に出力される。
【0138】
読み取りが終了した後、ライン光源131と光電検出手段134とは、読み取り空間から後退し、元の位置に戻る。次いで、パネル10aの両端部に配置された蛍光灯などの消去用光源140を点灯する。消去用光源140から発せられた光は、パネル10aとスクリーン10bとの間に形成された空間(先に、読み取り空間として機能した空間)に閉じ込められるため、パネル10aに残留している放射線エネルギーの消去は非常に効率的に行なわれる。なお、この消去工程に際して、密着/離脱手段160の伸縮アーム162の伸縮を利用して、スクリーン10bとパネル10aとから形成される消去用空間のサイズを適宜調節することが可能である。
【0139】
上記装置の読取部において採用したライン光源とラインセンサの組合せについては、例えば本出願人による特願2000−178327号公報に詳細に記載されている。読取部の励起光源および光電検出手段は、この組合せに限定されるものではなく、例えば前述した点光源とフォトマルチプライヤの組合せなど公知の各種の手段を採用することができる。
【0140】
【発明の効果】
本発明によれば、放射線画像形成に関わる蛍光体の放射線吸収機能とエネルギー蓄積機能を分離して、二種類の蛍光体に各機能を分担させ、放射線吸収機能を担う蛍光体には放射線吸収率の高い蛍光体を用いることにより、また蓄積性蛍光体層を両面から露光することにより、検出量子効率の高い画像形成を実現することができる。さらに、エネルギー蓄積機能を担う蛍光体として応答性の優れた蛍光体を用いることにより、より一層検出量子効率の高い画像形成を達成することができる。その結果、被検体(被写体)に対して被曝線量を低減することが可能となり、あるいはオートラジオグラフィーのような被検体自体が放射線を放射する場合には、より微量の放射線の解析が可能となる。
また、本発明の放射線画像形成方法によれば、X線解析やオートラジオグラフィーなどにおいても、放射線の二次元情報を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の放射線画像形成材料の構成の代表的な例を示す概略断面図である。
【図2】本発明の放射線画像形成材料の構成の別の例を示す概略断面図である。
【図3】本発明の放射線画像形成材料の構成の別の例を示す概略断面図である。
【図4】本発明の放射線画像形成材料の構成の別の例を示す概略断面図である。
【図5】本発明の放射線画像形成材料の構成の別の例を示す概略断面図である。
【図6】本発明の放射線画像形成方法に用いられる読取装置の構成の例を示す概略側面図である。
【図7】本発明の放射線画像形成材料の構成の別の例を示す概略断面図である。
【図8】Gd22SについてX線領域における質量エネルギー吸収係数μen/ρを表すグラフである。
【図9】CsIについてX線領域における質量エネルギー吸収係数μen/ρを表すグラフである。
【図10】本発明に係る放射線像変換パネルの構成の別の例を示す概略断面図である。
【図11】本発明に係る多層膜の構成の例を示す概略断面図である。
【図12】多層膜の光透過特性を示すグラフである。
【図13】多層膜の特定波長における光の入射角と透過率との関係を示すグラフである。
【図14】本発明に係る放射線像変換パネルの構成の別の例を示す概略断面図である。
【図15】本発明に係る拡散反射層の層厚と拡散反射率との関係において好ましい領域を示すグラフである。
【図16】本発明のカセッテの構成の例を示す概略側面図である。
【図17】本発明に係る放射線画像情報読取装置の構成の例を示す概略側面図である。
【図18】本発明のカセッテの構成の別の例を示す概略断面図である。
【図19】(1)は本発明の放射線画像情報記録読取装置の構成の例を示す概略側面図であり、(2)はその読取系を示す側面断面図であり、(3)は消去系光源を示す側面断面図である。
【符号の説明】
10、10’、20、30、40、50 放射線画像形成材料
10a、10a’、10a”、20a、30a、40a、60放射線像変換パネル
10b、10b’、20b、20c、30b、30c、40b 蛍光スクリーン
12a、12b、12b’、22b、22c、32b、32c、42、52 放射線吸収性蛍光体層
13、23、33、33’、43、53 蓄積性蛍光体層
15 選択的反射層(多層膜)
16 拡散反射層
63 励起光
64 輝尽発光光
65 集光ガイド
66 光電変換装置

Claims (70)

  1. 画像形成用の放射線を吸収して紫外乃至可視領域の発光光を放出する蛍光体を含有する放射線吸収性蛍光体層と、該発光光を吸収してそのエネルギーを蓄積し、可視乃至赤外領域の光で励起されると該エネルギーを発光光として放出する蓄積性蛍光体を含有する蓄積性蛍光体層を有する放射線像変換パネル、および画像形成用の放射線を吸収して紫外乃至可視領域の発光光を放出する蛍光体を含有する放射線吸収性蛍光体層を有する蛍光スクリーンを、パネルの蓄積性蛍光体層側表面にスクリーンを密着状態となるように配置し、パネルまたはスクリーンの側から、被検体を透過した、被検体によって回折または散乱された、或は被検体から放射された放射線を照射して、パネルに該放射線の空間的エネルギー分布情報を潜像として記録させたのち、パネルをスクリーンより引き離し、パネルの蓄積性蛍光体層側表面に励起光を照射して、該パネルの潜像から放出される発光光を光電的に読み取って画像信号に変換し、そして該画像信号より放射線の空間的エネルギー分布に対応した画像を形成することからなる放射線画像形成方法。
  2. 放射線像変換パネルおよび蛍光スクリーンが、それぞれその個体情報が記録された手段を有し、そして該パネルに放射線の空間的エネルギー分布情報を記録させた後、パネルおよびスクリーンから該個体情報を読み取る請求項1に記載の放射線画像形成方法。
  3. 放射線を吸収して紫外乃至可視領域の発光光を放出する蛍光体を含有する放射線吸収性蛍光体層と、該発光光を吸収してそのエネルギーを蓄積し、可視乃至赤外領域の励起光で励起されると該蓄積したエネルギーを発光光として放出する蓄積性蛍光体を含有する蓄積性蛍光体層とを有する放射線像変換パネル、および放射線を吸収して紫外乃至可視領域の発光光を放出する蛍光体を含有する放射線吸収性蛍光体層を有する蛍光スクリーンを含む放射線画像形成材料。
  4. 放射線像変換パネルを構成する蓄積性蛍光体層の層厚が放射線吸収性蛍光体層の層厚よりも小さい請求項3に記載の放射線画像形成材料。
  5. 放射線像変換パネルの蓄積性蛍光体層の層厚が、放射線像変換パネルおよび蛍光スクリーンの全放射線吸収性蛍光体層の層厚の0.2乃至20%の範囲にある請求項3に記載の放射線画像形成材料。
  6. 放射線像変換パネルの少なくともいずれかの層が、励起光、および/または蓄積性蛍光体の発光光、および/または放射線吸収性蛍光体からの発光光を吸収する着色剤により着色されている請求項3に記載の放射線画像形成材料。
  7. 放射線像変換パネルの蓄積性蛍光体層側表面に保護層が設けられ、そして蛍光スクリーンの少なくとも一方の側に保護層が設けられていて、該パネルおよびスクリーンの両保護層の帯電列が揃っている請求項3に記載の放射線画像形成材料。
  8. 放射線像変換パネルの放射線吸収性蛍光体層と蓄積性蛍光体層との間に、放射線吸収性蛍光体からの発光光を透過し、蓄積性蛍光体からの発光光および励起光を反射する選択的反射層が設けられている請求項3に記載の放射線画像形成材料。
  9. 放射線像変換パネルの蓄積性蛍光体層に含有されている蓄積性蛍光体の平均粒子径が、放射線像変換パネルおよび/または蛍光スクリーンの放射線吸収性蛍光体層に含有されている放射線吸収性蛍光体の平均粒子径と同等もしくはそれより小さい請求項3に記載の放射線画像形成材料。
  10. 放射線像変換パネルの蓄積性蛍光体層の放射線吸収性蛍光体からの発光光に対する吸収係数が、放射線像変換パネルおよび/または蛍光スクリーンの放射線吸収性蛍光体層の画像形成用放射線に対する吸収係数の2倍よりも大きい請求項3に記載の放射線画像形成材料。
  11. 放射線像変換パネルおよび/または蛍光スクリーンの放射線吸収性蛍光体層が、該蛍光体層の厚み方向に沿って立った状態で配置された一群の針状蛍光体、もしくは該蛍光体層を平面方向に沿って細分区画する隔壁と該隔壁により区画された蛍光体充填領域とからなる請求項3に記載の放射線画像形成材料。
  12. 放射線像変換パネルおよび蛍光スクリーンがそれぞれその個体情報が記録された手段を有する請求項3に記載の放射線画像形成材料。
  13. 放射線像変換パネルおよび/または蛍光スクリーンの放射線吸収性蛍光体層に含有された放射線吸収性蛍光体の密度が6.0g/cm3以上であるか、あるいは該放射線吸収性蛍光体層の密度が4.0g/cm3以上である請求項3に記載の放射線画像形成材料。
  14. 放射線像変換パネルおよび/または蛍光スクリーンの放射線吸収性蛍光体層に含有された放射線吸収性蛍光体の発光光の波長領域と、放射線像変換パネルの蓄積性蛍光体層に含有される蓄積性蛍光体の一次励起波長領域とが70%以上重なっている請求項3に記載の放射線画像形成材料。
  15. 放射線像変換パネルの放射線吸収性蛍光体層に含有されている放射線吸収性蛍光体、および蛍光スクリーンの放射線吸収性蛍光体層に含有されている放射線吸収性蛍光体が、互いに異なる原子番号37以上の元素を含有している請求項3に記載の放射線画像形成材料。
  16. 放射線像変換パネルおよび/または蛍光スクリーンの放射線吸収性蛍光体層、および放射線像変換パネルの蓄積性蛍光体層が、それぞれ蛍光体の粒子とそれを分散支持する結合剤とからなり、そして該放射線吸収性蛍光体層の結合剤と蛍光体との重量比率(前者/後者)が、該蓄積性蛍光体層の結合剤と蛍光体との重量比率(前者/後者)と同等もしくはそれより小さく、かついずれも1以下である請求項3に記載の放射線画像形成材料。
  17. 放射線像変換パネルまたは蛍光スクリーンに、光反射性物質を含有する支持体、あるいは支持体と拡散反射層との積層体が備えられている請求項3に記載の放射線画像形成材料。
  18. 画像形成用放射線を吸収して紫外乃至可視領域の発光光を放出する蛍光体を含有する放射線吸収性蛍光体層と、該発光光を吸収してそのエネルギーを蓄積し、可視乃至赤外領域の励起光で励起されると該蓄積されたエネルギーを発光光として放出する蓄積性蛍光体を含有する蓄積性蛍光体層とを有する放射線像変換パネル、および画像形成用放射線を吸収して紫外乃至可視領域の発光光を放出する蛍光体を含有する放射線吸収性蛍光体層を有する蛍光スクリーンを含み、該放射線像変換パネルの蓄積性蛍光体層の側の表面と蛍光スクリーンとが対向する位置に配置されてなる放射線画像形成材料。
  19. 画像形成用放射線を吸収して紫外乃至可視領域の発光光を放出する蛍光体を含有する放射線吸収性蛍光体層をそれぞれ有する二枚の蛍光スクリーンの間に、該発光光を吸収してそのエネルギーを蓄積し、可視乃至赤外領域の光で励起されると該蓄積されたエネルギーを発光光として放出する蓄積性蛍光体を含有する蓄積性蛍光体層を有する放射線像変換パネルを、前記二枚の蛍光スクリーンのそれぞれ密着状態で配置し、いずれか一方のスクリーンの側から、被検体を透過した、被検体により回折または散乱された、或は被検体から放射された放射線を照射して、パネルに該放射線の空間的エネルギー分布情報を潜像として記録させた後、パネルを両方のスクリーンより引き離し、次いでパネルの表面に励起光を照射して、該潜像から放出される発光光を該パネルの片面もしくは両面から光電的に読み取って画像信号に変換し、そして該画像信号より放射線の空間的エネルギー分布に対応した画像を形成することからなる放射線画像形成方法。
  20. 放射線像変換パネルおよび蛍光スクリーンがそれぞれその個体情報が記録された手段を有し、そして該パネルに放射線の空間的エネルギー分布情報を記録させた後、パネルおよびスクリーンから該個体情報を読み取る請求項19に記載の放射線画像形成方法。
  21. 画像形成用放射線を吸収して紫外乃至可視領域に発光を示す蛍光体を含有する放射線吸収性蛍光体層をそれぞれ有する二枚の蛍光スクリーン、および該発光光を吸収してそのエネルギーを蓄積し、可視乃至赤外領域の光で励起されると該蓄積されたエネルギーを発光光として放出する蓄積性蛍光体を含有する蓄積性蛍光体層を有する放射線像変換パネルから構成される放射線画像形成材料。
  22. 放射線像変換パネルの蓄積性蛍光体層の層厚が、各蛍光スクリーンの放射線吸収性蛍光体層の層厚よりも小さい請求項21に記載の放射線画像形成材料。
  23. 放射線像変換パネルの蓄積性蛍光体層の層厚が、蛍光スクリーンの全放射線吸収性蛍光体層の層厚の0.2乃至20%の範囲にある請求項21に記載の放射線画像形成材料。
  24. 放射線像変換パネルの少なくとも一部が、励起光、および/または蓄積性蛍光体の発光光、および/または放射線吸収性蛍光体からの発光光を吸収する着色剤により着色されている請求項21に記載の放射線画像形成材料。
  25. 放射線像変換パネルの両面に保護層が設けられ、各蛍光スクリーンの少なくとも一方の表面に保護層が設けられ、そして該パネル保護層およびスクリーンの保護層の帯電列がそれぞれ揃っている請求項21に記載の放射線画像形成材料。
  26. 放射線像変換パネルの蓄積性蛍光体層に含有されている蓄積性蛍光体の平均粒子径が、少なくとも一方の蛍光スクリーンの放射線吸収性蛍光体層に含有されている放射線吸収性蛍光体の平均粒子径と同等もしくはそれより小さい請求項21に記載の放射線画像形成材料。
  27. 放射線像変換パネルの蓄積性蛍光体層の放射線吸収性蛍光体からの発光光に対する吸収係数が、少なくとも一方の蛍光スクリーンの放射線吸収性蛍光体層の画像形成用放射線に対する吸収係数の2倍よりも大きい請求項21に記載の放射線画像形成材料。
  28. 少なくとも一方の蛍光スクリーンの放射線吸収性蛍光体層が、該蛍光体層の厚み方向に沿って立った状態で配置された一群の針状蛍光体、もしくは該蛍光体層を平面方向に沿って細分区画する隔壁と該隔壁により区画された蛍光体充填領域とからなる請求項21に記載の放射線画像形成材料。
  29. 放射線像変換パネル及び蛍光スクリーンのそれぞれがその個体情報が記録された手段を有する請求項21に記載の放射線画像形成材料。
  30. 少なくとも一方の蛍光スクリーンの放射線吸収性蛍光体層に含有されている放射線吸収性蛍光体の密度が6.0g/cm3以上であるか、あるいは該放射線吸収性蛍光体層の密度が4.0g/cm3以上である請求項21に記載の放射線画像形成材料。
  31. 少なくとも一方の蛍光スクリーンの放射線吸収性蛍光体層に含有される放射線吸収性蛍光体の発光光の波長領域と、放射線像変換パネルの蓄積性蛍光体層に含有される蓄積性蛍光体の一次励起波長領域とが70%以上重なっている請求項21に記載の放射線画像形成材料。
  32. 二枚の蛍光スクリーンの放射線吸収性蛍光体層に含有されている放射線吸収性蛍光体が、互いに異なる原子番号37以上の元素を含有している請求項21に記載の放射線画像形成材料。
  33. 少なくとも一の蛍光スクリーンの放射線吸収性蛍光体層、および放射線像変換パネルの蓄積性蛍光体層がそれぞれ蛍光体の粒子とそれを分散支持する結合剤とからなり、そして該放射線吸収性蛍光体層の結合剤と蛍光体との重量比率(前者/後者)が、該蓄積性蛍光体層の結合剤と蛍光体との重量比率(前者/後者)と、同等もしくはそれより小さく、かついずれも1以下である請求項21に記載の放射線画像形成材料。
  34. 一方の蛍光スクリーンの表面に、光反射性物質を含有する支持体、あるいは支持体と拡散反射層との積層体が設けられている請求項21に記載の放射線画像形成材料。
  35. 画像形成用放射線を吸収して紫外乃至可視領域の発光光を放出する蛍光体を含有する放射線吸収性蛍光体層をそれぞれ有する二枚の蛍光スクリーンの間に、該発光光を吸収してそのエネルギーを蓄積し、可視乃至赤外領域の光で励起されると該蓄積されたエネルギーを発光光として放出する蓄積性蛍光体を含有する蓄積性蛍光体層を有する放射線像変換パネルが配置されてなる放射線画像形成材料。
  36. 画像形成用放射線を吸収して紫外乃至可視領域の発光光を放出する蛍光体を含有する放射線吸収性蛍光体層を有する蛍光スクリーンを、該発光光を吸収してそのエネルギーを蓄積し、可視乃至赤外領域の光で励起されて該蓄積されたエネルギーを発光光として放出する蓄積性蛍光体を含有する蓄積性蛍光体層を有する放射線像変換パネルの表面に密着状態で配置し、スクリーンもしくはパネルの側から、被検体を透過した、被検体によって回折または散乱された、或は被検体から放射された放射線を照射して、パネルに該放射線の空間的エネルギー分布情報を潜像として記録させたのち、パネルをスクリーンより引き離し、パネルの表面に励起光を照射して、該潜像から放出される発光光を該パネルの片面もしくは両面から光電的に読み取って画像信号に変換し、そして該画像信号より放射線の空間的エネルギー分布に対応した画像を形成することからなる放射線画像形成方法。
  37. 放射線像変換パネルおよび蛍光スクリーンがそれぞれその個体情報が記録された手段を有し、そして該パネルに放射線の空間的エネルギー分布情報を記録させた後、パネルおよびスクリーンから該個体情報を読み取る請求項36に記載の放射線画像形成方法。
  38. 画像形成用放射線を吸収して紫外乃至可視領域の発光光を放出する蛍光体を含有する放射線吸収性蛍光体層を有する蛍光スクリーン、および該発光光を吸収してそのエネルギーを蓄積し、可視乃至赤外領域の光で励起されると該蓄積されたエネルギーを発光光として放出する蓄積性蛍光体を含有する蓄積性蛍光体層を有する放射線像変換パネルからなる放射線画像形成材料。
  39. 放射線像変換パネルの蓄積性蛍光体層の層厚が、蛍光スクリーンの放射線吸収性蛍光体層の層厚よりも小さい請求項38に記載の放射線画像形成材料。
  40. 放射線像変換パネルの蓄積性蛍光体層の層厚が、蛍光スクリーンの放射線吸収性蛍光体層の層厚の0.2乃至20%の範囲にある請求項39に記載の放射線画像形成材料。
  41. 放射線像変換パネルの少なくとも一部が、励起光、および/または蓄積性蛍光体の発光光、および/または放射線吸収性蛍光体からの発光光を吸収する着色剤により着色されている請求項38に記載の放射線画像形成材料。
  42. 放射線像変換パネルの片面に保護層が設けられ、蛍光スクリーンの表面に保護層が設けられ、そして該パネルおよびスクリーンの両保護層の帯電列が揃っている請求項38に記載の放射線画像形成材料。
  43. 放射線像変換パネルの蓄積性蛍光体層に含有されている蓄積性蛍光体の平均粒子径が、蛍光スクリーンの放射線吸収性蛍光体層に含有されている放射線吸収性蛍光体の平均粒子径と同等もしくはそれより小さい請求項38に記載の放射線画像形成材料。
  44. 放射線像変換パネルの蓄積性蛍光体層の放射線吸収性蛍光体からの発光光に対する吸収係数が、蛍光スクリーンの放射線吸収性蛍光体層の画像形成用放射線に対する吸収係数の2倍よりも大きい請求項38に記載の放射線画像形成材料。
  45. 蛍光スクリーンの放射線吸収性蛍光体層が、該蛍光体層の厚み方向に沿って立った状態で配置された一群の針状蛍光体、もしくは該蛍光体層を平面方向に沿って細分区画する隔壁と該隔壁により区画された蛍光体充填領域とからなる請求項38に記載の放射線画像形成材料。
  46. 放射線像変換パネルおよび蛍光スクリーンがそれぞれその個体情報が記録された手段を有する請求項38に記載の放射線画像形成材料。
  47. 蛍光スクリーンの放射線吸収性蛍光体層に含有されている放射線吸収性蛍光体の密度が6.0g/cm3以上であるか、あるいは該放射線吸収性蛍光体層の密度が4.0g/cm3以上である請求項38に記載の放射線画像形成材料。
  48. 蛍光スクリーンの放射線吸収性蛍光体層に含有されている放射線吸収性蛍光体の発光光の波長領域と、放射線像変換パネルの蓄積性蛍光体層に含有されている蓄積性蛍光体の一次励起波長領域とが70%以上重なっている請求項38に記載の放射線画像形成材料。
  49. 蛍光スクリーンの放射線吸収性蛍光体層および放射線像変換パネルの蓄積性蛍光体層がそれぞれ蛍光体の粒子とそれを分散支持する結合剤とからなり、そして該放射線吸収性蛍光体層の結合剤と蛍光体との重量比(前者/後者)が、該蓄積性蛍光体層の結合剤と蛍光体との重量比率(前者/後者)と同等もしくはそれより小さく、かついずれも1以下である請求項38に記載の放射線画像形成材料。
  50. 蛍光スクリーンの表面に光反射性物質を含有する支持体、あるいは支持体と拡散反射層とからなる積層体が設けられている請求項38に記載の放射線画像形成材料。
  51. 画像形成用放射線を吸収して紫外乃至可視領域の発光光を放出する蛍光体を含有する放射線吸収性蛍光体層を有する蛍光スクリーンと、該発光光を吸収してそのエネルギーを蓄積し、可視乃至赤外領域の光で励起されると該蓄積されたエネルギーを発光光として放出する蓄積性蛍光体を含有する蓄積性蛍光体層を有する放射線像変換パネルとが密着状態で積層されてなる放射線画像形成材料。
  52. 画像形成用放射線を吸収して紫外乃至可視領域の発光光を放出する蛍光体を含有する放射線吸収性蛍光体層と、該発光光を吸収してそのエネルギーを蓄積し、可視乃至赤外領域の光で励起されて該蓄積されたエネルギーを発光光として放出する蓄積性蛍光体を含有する蓄積性蛍光体層とを有し、かつ蓄積性蛍光体層の層厚が放射線吸収性蛍光体層の層厚よりも小さい放射線像変換パネルに、被検体を透過した、被検体により回折または散乱された、或は被検体から放射された放射線を照射して、パネルに該放射線の空間的エネルギー分布情報を潜像として記録させた後、パネルの蓄積性蛍光体層側表面に励起光を照射して、該潜像から放出される発光光を該パネルから光電的に読み取って画像信号に変換し、そして該画像信号より放射線の空間的エネルギー分布に対応した画像を形成することからなる放射線画像形成方法。
  53. 画像形成用放射線を吸収して紫外乃至可視領域の発光光を放出する蛍光体を含有する放射線吸収性蛍光体層と、該発光光を吸収してそのエネルギーを蓄積し、可視乃至赤外領域の光で励起されると該蓄積されたエネルギーを発光光として放出する蓄積性蛍光体を含有する蓄積性蛍光体層とからなり、蓄積性蛍光体層の層厚が放射線吸収性蛍光体層の層厚よりも小さい放射線像変換パネル。
  54. 蓄積性蛍光体層の層厚が、放射線吸収性蛍光体層の層厚の0.2乃至20%の範囲にある請求項53に記載の放射線像変換パネル。
  55. 少なくともいずれかの層が、励起光、および/または蓄積性蛍光体の発光光、および/または放射線吸収性蛍光体からの発光光を吸収する着色剤により着色されている請求項53に記載の放射線像変換パネル。
  56. 放射線吸収性蛍光体層と蓄積性蛍光体層との間に、放射線吸収性蛍光体からの発光光を透過し、かつ蓄積性蛍光体からの発光光および励起光を反射する選択的反射層が設けられている請求項53に記載の放射線像変換パネル。
  57. 蓄積性蛍光体層に含有される蓄積性蛍光体の平均粒子径が、放射線吸収性蛍光体層に含有される放射線吸収性蛍光体の平均粒子径と同等もしくはそれより小さい請求項53に記載の放射線像変換パネル。
  58. 蓄積性蛍光体層の放射線吸収性蛍光体からの発光光に対する吸収係数が、放射線吸収性蛍光体層の画像形成用放射線に対する吸収係数の2倍よりも大きい請求項53に記載の放射線像変換パネル。
  59. 放射線吸収性蛍光体層が、該蛍光体層の厚み方向に沿って立った状態で配置された一群の針状蛍光体、もしくは該蛍光体層を平面方向に沿って細分区画する隔壁と該隔壁により区画された蛍光体充填領域とからなる請求項53に記載の放射線像変換パネル。
  60. 放射線吸収性蛍光体層に含有されている放射線吸収性蛍光体の密度が6.0g/cm3以上であるか、あるいは該放射線吸収性蛍光体層の密度が4.0g/cm3以上である請求項53に記載の放射線像変換パネル。
  61. 放射線吸収性蛍光体層に含有される放射線吸収性蛍光体の発光光の波長領域と、蓄積性蛍光体層に含有される蓄積性蛍光体の一次励起波長領域とが70%以上重なっている請求項53に記載の放射線像変換パネル。
  62. 放射線吸収性蛍光体層および蓄積性蛍光体層がそれぞれ蛍光体の粒子とそれを分散支持する結合剤とからなり、そして該放射線吸収性蛍光体層の結合剤と蛍光体との重量比率(前者/後者)が、該蓄積性蛍光体層の結合剤と蛍光体との重量比率(前者/後者)と同等もしくはそれより小さく、かついずれも1以下である請求項53に記載の放射線像変換パネル。
  63. 放射線吸収性蛍光体層側表面に光反射性物質を含有する支持体、あるいは支持体と拡散反射層との積層体が設けられている請求項53に記載の放射線像変換パネル。
  64. (1)画像形成用放射線を吸収して紫外乃至可視領域の発光光を放出する蛍光体を含有する放射線吸収性蛍光体層を有する蛍光スクリーンであって、各放射線吸収性蛍光体層の層厚の異なる複数のスクリーンをそれぞれフロント側に内蔵した複数のカセッテを用意して、放射線画像形成の目的および条件に応じて該カセッテのいずれかを選択する工程;(2)該放射線吸収性蛍光体からの発光光を吸収させてそのエネルギーを蓄積し、可視乃至赤外領域の光で励起されて該蓄積されたエネルギーを発光光として放出する蓄積性蛍光体を含有する蓄積性蛍光体層を有する放射線像変換パネルを、選択したカセッテのバック側に収納する工程;(3)該カセッテに、そのフロント側から、被検体を透過した、被検体により回折または散乱された、あるいは被検体から放射された放射線を照射して、パネルに該放射線の空間的エネルギー分布情報を潜像として記録させる工程;(4)該パネルをカセッテから取り出し、パネルの表面に励起光を照射して、該潜像から放出される発光光を該パネルの片面もしくは両面から光電的に読み取って画像信号に変換し、そして該画像信号より放射線の空間的エネルギー分布に対応した画像を形成する工程、からなる放射線画像形成方法。
  65. 放射線像変換パネルがその個体情報が記録された手段を有し、蛍光スクリーンまたはカセッテが該スクリーンの個体情報が記録された手段を有し、そして該パネルに放射線の空間的エネルギー分布情報を記録させた後、パネルおよびスクリーンまたはカセッテから該個体情報を読み取る請求項64に記載の放射線画像形成方法。
  66. 請求項3、請求項21または請求項38に記載の放射線像変換パネルと蛍光スクリーンとからなる放射線画像形成材料を収納するための、本体と蓋部とからなる放射線撮影用カセッテであって、カセッテのフロント側および/またはバック側には該蛍光スクリーンが固定されており、そしてカセッテに該放射線像変換パネルを収納して閉蓋した状態ではパネルとスクリーンとが密着状態で重ね合わされ、かつ開蓋した状態ではカセッテからパネルのみが取り出されるようにされてなることを特徴とするカセッテ。
  67. 請求項3または請求項38に記載の放射線像変換パネルと蛍光スクリーンとからなる放射線画像形成材料を収納するための、本体と蓋部とからなる放射線撮影用カセッテであって、カセッテの本体には蛍光スクリーンが固定されており、そして蓋部は可逆的に湾曲させることが可能なシート材料から形成されていることを特徴とするカセッテ。
  68. 下記の構成を有する請求項3または請求項38に記載の放射線像変換パネルと蛍光スクリーンとからなる放射線画像形成材料を用いる放射線画像記録再生装置:
    (1)被検体が接触する放射線撮影用平面部を外側表面に有する箱体;
    (2)箱体の内側で、放射線撮影用平面部に対向する位置に蓄積性蛍光体層が接するようにして固定された放射線像変換パネル;
    (3)箱体の内側で、放射線像変換パネルの、放射線撮影用平面部とは反対の側の位置に、放射線像変換パネルと平行に、かつ固定された放射線像変換パネルに対して、密着のための前進と離脱のための後退とが可能なように配置された蛍光スクリーン;
    そして
    (4)放射線像変換パネルに近接する位置に配置され、蛍光スクリーンが後退した際に、放射線像変換パネルと蛍光スクリーンとの間に進入して、放射線像変換パネルの表面に沿って移動しながら、パネルの表面に励起光を照射し、該励起光の照射によって放射線像変換パネルから放出される発光光を読み取る手段。
  69. 固定された放射線変換パネルの少なくとも一方の端部に近接した位置に備えられ、該放射線変換パネルから蛍光スクリーンが後退している間に、放射線像変換パネルの表面に消去光を照射することのできる消去光源がさらに備えられている請求項68に記載の放射線画像記録再生装置。
  70. 放射線を吸収して紫外乃至可視領域の発光光を放出する蛍光体を含有する放射線吸収性蛍光体層と、該発光光を吸収してそのエネルギーを蓄積し、可視乃至赤外領域の光で励起されて該蓄積されたエネルギーを発光光として放出する蓄積性蛍光体を含有する蓄積性蛍光体層とを有する放射線像変換パネルを製造する方法であって、該放射線吸収性蛍光体の粒子と結合剤とを含有する塗布液および該蓄積性蛍光体の粒子と結合剤とを含有する塗布液を、重層塗布したのち乾燥することにより、該放射線吸収性蛍光体層と該蓄積性蛍光体層を同時に形成することを特徴とする放射線像変換パネルの製造方法。
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