JP5353886B2 - 放射線シンチレータおよび放射線画像検出器 - Google Patents

放射線シンチレータおよび放射線画像検出器 Download PDF

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Description

本発明は、放射線を可視光に変換する放射線シンチレータ、およびこの放射線シンチレータを用いた放射線画像検出器に関する。
従来、X線画像のような放射線画像は医療現場において病状の診断に広く用いられている。特に、増感紙−フィルム系による放射線画像は、長い歴史のなかで高感度化と高画質化が図られた結果、高い信頼性と優れたコストパフォーマンスを併せ持った撮像システムとして、今なお、世界中の医療現場で用いられている。しかしながらこれら画像情報はいわゆるアナログ画像情報であって、近年発展を続けているデジタル画像情報のような、自由な画像処理や瞬時の電送が出来ない。
そして、近年ではコンピューテッドラジオグラフィ(computed radiography:CR)やフラットパネル型の放射線ディテクタ(flat panel detector:FPD)等に代表されるデジタル方式の放射線画像検出装置が登場している。これらは、デジタルの放射線画像が直接得られ、陰極管や液晶パネル等の画像表示装置に画像を直接表示することが可能なので、必ずしも写真フィルム上への画像形成が必要なものではない。その結果、これらのデジタル方式のX線画像検出装置は、銀塩写真方式による画像形成の必要性を低減させ、病院や診療所での診断作業の利便性を大幅に向上させている。
X線画像のデジタル技術の一つとしてコンピューテッド・ラジオグラフィ(CR)が現在医療現場で受け入れられている。しかしながら鮮鋭性が十分でなく空間分解能も不十分であり、スクリーン・フィルムシステムの画質レベルには到達していない。そして、更に新たなデジタルX線画像技術として、(例えば、非特許文献1、2参照)に記載された、薄膜トランジスタ(TFT)を用いた平板X線検出装置(FPD)が開発されている。
放射線を可視光に変換するために、放射線により発光する特性を有するX線蛍光体で作られた放射線シンチレータが使用されるが、低線量の撮影においてのSN比を向上するためには、発光効率の高い放射線シンチレータを使用することが必要になってくる。一般に放射線シンチレータ発光効率は、シンチレータ層(蛍光体層)の厚さ、蛍光体のX線吸収係数によって決まるが、蛍光体層の厚さは厚くすればするほど、蛍光体層内での発光光の散乱が発生し、鮮鋭性は低下する。そのため、画質に必要な鮮鋭性を決めると、膜厚が決定する。
なかでもヨウ化セシウム(CsI)はX線から可視光に対する変更率が比較的高く、蒸着によって容易に蛍光体を柱状結晶構造に形成出来るため、光ガイド効果により結晶内での発光光の散乱が抑えられ、蛍光体層の厚さを厚くすることが可能であった。
しかしながらCsIのみでは発光効率が低いために、CsIとヨウ化ナトリウム(NaI)を任意のモル比で混合したものを、蒸着を用いて基板上にナトリウム賦活ヨウ化セシウム(CsI:Na)として堆積、又近年ではCsIとヨウ化タリウム(TlI)を任意のモル比で混合したしたものを、蒸着を用いて基板上にタリリウム賦活ヨウ化セシウム(CsI:Tl)として堆積したものに、後工程としてアニールを行うことで可視変換効率を向上させ、X線蛍光体として使用して(例えば、特許文献1参照)いる。
またシンチレータ層の膜厚を500μm以上とし、シンチレータ層における柱状結晶の充填率を70〜85%にすることで、X線透過率を損なうことなく、画像分解能が向上し、高画質化を達成する技術(例えば、特許文献2参照)、蛍光体層の膜厚を300〜700μmとし、かつ相対密度を85〜97%とすることで感度及び鮮鋭度を向上する技術(例えば、特許文献3参照)、蛍光体層における膜厚分布や膜厚の変動係数を小さくすることで感度ムラを低減する技術(例えば、特許文献4参照)が公開されている。
特公昭54−35060号公報 特開2006−058099号公報 特開2002−214397号公報 特開2005−091140号公報 Physics Today,1997年11月号24頁のジョン・ローランズ論文"Amorphous Semiconductor Usher in Digital X−ray Imaging" SPIEの1997年32巻2頁のエル・イー・アントヌクの論文"Development of a High Resolution,Active Matrix,Flat−Panel Imager with Enhanced Fill Factor"
しかしながら、大画面サイズの平面放射線画像検出器(以下、FPDという)において特にマンモグラフィー用途として高鮮鋭度が要求される場合には、上記従来技術を用いても十分な特性が得られなかった。またカセッテタイプの可搬型FPDにおいては取り扱い時の衝撃等にも耐えられるすぐれた耐久性が要求されるがこの点でも上記従来技術では十分な特性を得ることができなかった。本発明は、上記状況に鑑み成されたものであり、その課題は鮮鋭度、輝度がともに高く、耐衝撃性に優れた放射線シンチレータ及び放射線画像検出器を提供することである。
本発明の上記課題は、以下の手段により解決できる。
1.基板上に、気相堆積法により形成された蛍光体を含むシンチレータ層を有し、該シンチレータ層の膜厚が100〜500μmであり、シンチレータ層における蛍光体の充填率が75〜90質量%であり、かつシンチレータ層の膜厚分布が20%以下であることを特徴とする放射線シンチレータ。
2.基板上に、気相堆積法により形成された蛍光体を含むシンチレータ層を有し、該シンチレータ層の膜厚が100〜500μmであり、シンチレータ層における蛍光体の充填率が75〜90質量%であり、かつシンチレータ層の膜厚の変動係数が20%以下であることを特徴とする放射線シンチレータ。
3.前記蛍光体がセシウムハライド系蛍光体であることを特徴とする前記1又は2に記載の放射線シンチレータ。
4.前記蛍光体が賦活剤としてタリウムを含有することを特徴とする前記1から3のいずれか1項に記載の放射線シンチレータ。
5.前記1から4のいずれか1項に記載の放射線シンチレータにより放射線を可視光に変換する入力手段と、前記放射線シンチレータで変換される可視光に基づいて画像情報を出力する出力手段とを具備していることを特徴とする放射線画像検出器。
本発明の上記手段により、特に輝度、鮮鋭性がともに高く、耐衝撃性に優れた放射線シンチレータを提供することができる。
放射線シンチレータ10の概略構成を示す断面図である。 放射線シンチレータ10の一部の拡大断面図である。 蒸着装置1の概略構成を示す図である。 放射線画像検出器100の概略構成を示す一部破断斜視図である。 撮像パネル51の拡大断面図である。
符号の説明
1 基板
2 中間層
3 反射層
4 保護層
5 シンチレータ層
6 耐湿保護層
10 放射線シンチレータ
61 蒸着装置
62 真空容器
63a、63b 蒸発源(被充填部材)
64 ホルダ
65 回転機構
66 真空ポンプ
67 支持体回転軸
68 シャッター
100 放射線画像検出器
(シンチレータ層)
シンチレータ層(「蛍光体層」ともいう。)は、放射線の照射により、蛍光を発するシンチレータから成る層である。
即ち、シンチレータとは、X線等の入射された放射線のエネルギーを吸収して、波長が300nmから800nmの電磁波、すなわち、可視光線を中心に紫外光から赤外光にわたる電磁波(光)を発光する蛍光体をいう。
本発明においては、シンチレータ層の膜厚は100〜500μmであり、より好ましくは120〜470μm、特に好ましくは140〜450μmである。またシンチレータ層の充填率は75〜90%(質量%。以下も同様である。)、より好ましくは77〜88%、特に好ましくは79〜85%である。ここで充填率とはシンチレータ層の実際の質量を、理論密度と見かけの体積で割った値をさす。シンチレータ層の充填度を制御するには、蒸着時の基板温度の制御や、蒸着速度やAr等のキャリアガスの導入量を調整することにより真空度を制御することで行うことができる。
シンチレータ層の膜厚を100〜500μmとし、充填率を75〜90%とし、シンチレータ層の膜厚分布を20%以下とすることで輝度、鮮鋭度に加え、耐衝撃性も向上させることができる。またシンチレータ層の膜厚を100〜500μmとし、充填率を75〜90%とし、シンチレータ層の膜厚の変動係数を20%以下とすることで輝度、鮮鋭度に加え、耐衝撃性も向上させることができる。
ここで膜厚分布は好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下である。膜厚分布は小さければ小さいほど好ましいが通常は0.1%以上である。また、膜厚の変動係数は好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下である。膜厚の変動係数は小さければ小さいほど好ましいが通常は0.1%以上である。
膜厚分布は、蛍光体層における蛍光体の膜厚のばらつきの程度を示す指標値となるものである。膜厚分布は、放射線シンチレータ上で縦、横を10分割し生成した100区画の中心で蛍光体層の膜厚を測定することで得られる最大膜厚DMax及び最小膜厚Dminより、下記式(1)により算出した値である。
《変動係数》
変動係数は、膜厚分布と同様に蛍光体層における蛍光体の膜厚のばらつきの程度を示す指標値となるものである。変動係数は、放射線シンチレータ上で縦、横を10分割し生成した100区画の中心で蛍光体層の膜厚を測定し、各測定点における膜厚の平均膜厚Dav、(5回の測定の平均値)、その平均膜厚の標準偏差Ddevを求めて、下記式(2)により算出した値である。
シンチレータ層を形成する材料としては、種々の公知の蛍光体材料を使用することができるが、X線から可視光に対する変更率が比較的高く、蒸着によって容易に蛍光体を柱状結晶構造に形成出来るため、光ガイド効果により結晶内での発光光の散乱が抑えられ、シンチレータ層(蛍光体層)の厚さを厚くすることが可能であることから、セシウムハライド系蛍光体が好ましく、特にヨウ化セシウム(CsI)が好ましい。
但し、CsIのみでは発光効率が低いために、各種の賦活剤が添加される。例えば、特公昭54−35060号の如く、CsIとヨウ化ナトリウム(NaI)を任意のモル比で混合したものが挙げられる。また、例えば特開2001−59899号公報に開示されているようなCsIを蒸着で、インジウム(In)、タリウム(Tl)、リチウム(Li)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、ナトリウム(Na)などの賦活物質を含有するCsIが好ましい。
また、タリウムを含有するCsIのシンチレータ層を形成するための、原材料としては、1種類以上のタリウム化合物を含む添加剤とヨウ化セシウムとが、好ましく用いられる。タリウム賦活ヨウ化セシウム(CsI:Tl)は400nmから750nmまでの広い発光波長をもつことから好ましい。
1種類以上のタリウム化合物を含有する添加剤のタリウム化合物としては、種々のタリウム化合物(+Iと+IIIの酸化数の化合物)を使用することができる。
好ましいタリウム化合物は、臭化タリウム(TlBr)、塩化タリウム(TlCl)、又はフッ化タリウム(TlF,TlF)等である。
また、タリウム化合物の融点は、発光効率の面から、400〜700℃の範囲内にあることが好ましい。なお、融点とは、常温常圧下における融点である。
また、タリウム化合物の分子量は206〜300の範囲内にあることが好ましい。
シンチレータ層において、当該添加剤の含有量は目的性能等に応じて、最適量にすることが望ましいが、ヨウ化セシウムの含有量に対して、0.001mol%〜50mol%、更に0.1〜10.0mol%であることが好ましい。
ここで本発明の放射線シンチレータは、シンチレータ層を第1の基板上に反射層や保護層を介して気相堆積法により設けられた後に第2の基板上にフォトセンサとTFTからなる画素が2次元状に形成された光電変換素子部を形成した光電変換パネルと接着あるいは密着させることで放射線画像検出器としてもよいし、基板上にフォトセンサとTFTからなる画素が2次元状に形成された光電変換素子部を形成した後、直接あるいは保護層を介して気相堆積法によりシンチレータ層を設けることで放射線画像検出器としても良い。
(保護層)
本発明の放射線シンチレータは、基板上に設けられた反射層と、反射層上に設けられた保護層を有することが好ましい。十分な保存特性が得られ、かつ光の散乱が抑えられる点から、前記保護層の厚みは0.2〜5.0μmであるのが好ましく、0.5〜4.0μmがより好ましく、0.7〜3.5μmであるのが特に好ましい。
保護層には有機樹脂を用いることが好ましく、有機樹脂としては、具体的には、ポリウレタン、塩化ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルアセタール、ポリエステル、セルロース誘導体(ニトロセルロース等)、ポリイミド、ポリアミド、ポリパラキシリレン、スチレン−ブタジエン共重合体、各種の合成ゴム系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノキシ樹脂、シリコン樹脂、アクリル系樹脂、尿素ホルムアミド樹脂等が挙げられる。
なかでもポリウレタン、ポリエステル、塩化ビニル系共重合体、ポリビニルブチラール、ニトロセルロース、ポリイミド、ポリパラキシリレンを使用することが好ましい。
通常、蒸着によるシンチレータを形成するにあたっては、基板温度は150℃〜250℃で実施されるが、保護層にガラス転移温度が−20℃〜45℃である有機樹脂を含有しておくことで、保護層が接着層としても有効に機能するようになる。
保護層作製に用いる溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノールなどの低級アルコール、メチレンクロライド、エチレンクロライドなどの塩素原子含有炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン、トルエン、ベンゼン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、キシレンなどの芳香族化合物、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの低級脂肪酸と低級アルコールとのエステル、ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエステル、エチレングリコールモノメチルエステルなどのエーテル及びそれらの混合物を挙げることができる。
また保護層は、光吸収層であることが好ましく、極大吸収波長は560〜650nmであることが好ましい。当該保護層は、極大吸収波長が560〜650nmの範囲にあるようにするために顔料及び染料の少なくとも一方を含有することが好ましい。
また、当該保護層は上記有機樹脂の他に、分散剤等を含有することが好ましい。560〜650nmの間に極大吸収波長を有する着色剤としては、市販のものの他、各種文献に記載されている公知のものが利用できる。
着色剤としては、560〜650nmの波長範囲に吸収をもつものが好ましく、着色剤としては、紫〜青の有機系もしくは無機系の着色剤が好ましく用いられる。
紫〜青の有機系着色剤の例としては、紫色:ジオキサジン、青色:フタロシアニンブルー、インダンスレンブルーなどであり具体的には、ザボンファーストブルー3G(ヘキスト社製)、エストロールブリルブルーN−3RL(住友化学(株)製)、スミアクリルブルーF−GSL(住友化学(株)製)、D&CブルーNo.1(ナショナル・アニリン社製)、スピリットブルー(保土谷化学(株)製)、オイルブルーNo.603(オリエント(株)製)、キトンブルーA(チバ・ガイギー社製)、アイゼンカチロンブルーGLH(保土谷化学(株)製)、レイクブルーA、F、H(協和産業(株)製)、ローダリンブルー6GX(協和産業(株)製)、ブリモシアニン6GX(稲畑産業(株)製)、ブリルアシッドグリーン6BH(保土谷化学(株)製)、シアニンブルーBNRS(東洋インキ(株)製)、ライオノルブルーSL(東洋インキ(株)製)が挙げられる。
紫〜青〜青緑の無機系着色剤の例としては、群青、コバルトブルー、セルリアンブルー、酸化クロム、TiO−ZnO−CoO−NiO系顔料が挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。
着色剤として、好ましいものは金属フタロシアニン系顔料である。
金属フタロシアニン系顔料としては、具体的には、銅フタロシアニンが挙げられる。しかし、極大吸収波長が570〜650nmの範囲内にある限り、他の金属含有フタロシアニン顔料、例えば亜鉛、コバルト、鉄、ニッケル、及び他のそのような金属に基づくものも使用できる。
適当なフタロシアニン系顔料は未置換でも、(例えば1つまたはそれ以上のアルキル、アルコキシ、ハロゲン例えば塩素、または他のフタロシアニン顔料に典型的な置換基で)置換されていてもよい。粗フタロシアニンは、技術的に公知のいくつかの方法のいずれかで製造できるが、好ましくは無水フタル酸、フタロニトリルまたはそれらの誘導体の、金属ドナー、窒素ドナー(例えば尿素またはフタロニトリル自体)と、好ましくは有機溶媒中随時触媒の存在下に反応させることによって製造できる。
例えばW.ハーブスト(Herbst)及びK.ハンガー(Hunger)、「工業有機顔料」[VCH出版、ニューヨーク、1993年]、418〜427ページ、H.ゾリンガー(Zollinger)、「色剤化学」(VCH出版、1973年)101〜104ページ、及びN.M.ピゲロー(Pigelow)及びM.A.パーキンス(Perkins)、H.A.ラブス(Lubs)編「合成染料及び顔料の化学」[ロバート(Robert)E.クリーガー(Krieger)出版、1955年]、584〜587ページにおける「フタロシアニン顔料」、更に米国特許第4158572号、第4257951号、及び第5175282号、並びに英国特許第1502884号を参照。
顔料は、上記有機樹脂中に分散されて用いられることが好ましい。分散剤は、用いる有機樹脂と顔料とに合わせて種々のものを用いることができる。
分散剤としては、フタル酸、ステアリン酸、カプロン酸、親油性界面活性剤などを挙げることができる。
顔料を有機樹脂中へ分散する方法としては、インク製造やトナー製造時に用いられる公知の分散技術が使用できる。分散機としては、サンドミル、アトライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、インペラー、デスパーサー、KDミル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986)に記載がある。
保護層は、溶剤に溶解した樹脂を塗布、乾燥して形成したり、CVD法により形成される。
(基板)
本発明に係る基板は、放射線透過性であり、シンチレータ層を担持可能な板状体であり、各種のガラス、高分子材料、金属等を用いることができる。
例えば、石英、ホウ珪酸ガラス、化学的強化ガラスなどの板ガラス、サファイア、チッ化珪素、炭化珪素などのセラミック基板、シリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素、ガリウム燐、ガリウム窒素など半導体基板、又、セルロースアセテートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、トリアセテートフィルム、ポリカーボネートフィルム、炭素繊維強化樹脂シート等の高分子フィルム(プラスチックフィルム)、アルミニウムシート、鉄シート、銅シート等の金属シート或いは該金属酸化物の被覆層を有する金属シートなどを用いることができる。
特に、ポリイミド又はポリエチレンナフタレートを含有する高分子フィルム等が、ヨウ化セシウムを原材料として気相法にて柱状シンチレータを形成する場合に、好適である。
特に基板が厚さ50〜500μmの可とう性を有する高分子フィルムであることが好ましい。ここで、「可とう性を有する基板」とは、120℃での弾性率(E120)が1000〜6000N/mmである基板をいい、かかる基板としてポリイミド又はポリエチレンナフタレートを含有する高分子フィルムが好ましい。
なお、「弾性率」とは、引張試験機を用い、JIS−C2318に準拠したサンプルの標線が示すひずみと、それに対応する応力が直線的な関係を示す領域において、ひずみ量に対する応力の傾きを求めたものである。これがヤング率と呼ばれる値であり、本発明では、かかるヤング率を弾性率と定義する。
本発明に用いられる基板は、上記のように120℃での弾性率(E120)が1000N/mm〜6000N/mmであることが好ましい。より好ましくは1200N/mm〜5000N/mmである。
具体的には、ポリエチレンナフタレート(E120=4100N/mm)、ポリエチレンテレフタレート(E120=1500N/mm)、ポリブチレンナフタレート(E120=1600N/mm)、ポリカーボネート(E120=1700N/mm)、シンジオタクチックポリスチレン(E120=2200N/mm)、ポリエーテルイミド(E120=1900N/mm)、ポリアリレート(E120=1700N/mm)、ポリスルホン(E120=1800N/mm)、ポリエーテルスルホン(E120=1700N/mm)等からなる高分子フィルムが挙げられる。
これらは単独で用いてもよく積層あるいは混合して用いてもよい。中でも、特に好ましい高分子フィルムとしては、上述のように、ポリイミド又はポリエチレンナフタレートを含有する高分子フィルムが好ましい。
(反射層)
反射層は、シンチレータ層のシンチレータから発した光を反射して、光の取り出し効率を高めるためのものである。当該反射層は、Al、Ag、Cr、Cu、Ni、Ti、Mg、Rh、Pt及びAuからなる元素群の中から選ばれるいずれかの元素を含む材料により形成されることが好ましい。特に、上記の元素からなる金属薄膜、例えば、Ag膜、Al膜などを用いることが好ましい。また、このような金属薄膜を2層以上形成するようにしても良い。金属薄膜を2層以上とする場合は、下層をCrを含む層とすることが基板との接着性を向上させる点から好ましい。また、金属薄膜上にSiO、TiO等の金属酸化物からなる層をこの順に設けてさらに反射率を向上させても良い。
反射層は、上記のようにシンチレータ層からの光を反射すると同時に放射線透過性である。本発明に係る反射層は、放射線透過性であり、上記のように所定の光(シンチレータから発した光)を反射する金属薄膜であることが好ましい態様である。
なお、反射層の厚さは、0.005〜0.3μm、より好ましくは0.01〜0.2μmであることが、発光光取り出し効率の観点から好ましい。
<中間層>
本発明においては、基板と保護層の間に中間層を有してもよい。中間層としては、樹脂を含有する層であることが好ましい。樹脂としては、具体的には、ポリウレタン、塩化ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルアセタール、ポリエステル、セルロース誘導体(ニトロセルロース等)、ポリイミド、ポリアミド、ポリパラキシリレン、スチレン−ブタジエン共重合体、各種の合成ゴム系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノキシ樹脂、シリコン樹脂、アクリル系樹脂、尿素ホルムアミド樹脂等が挙げられる。なかでもポリウレタン、ポリエステル、塩化ビニル系共重合体、ポリビニルブチラール、ニトロセルロース、ポリイミド、ポリパラキシリレンを使用することが好ましい。
中間層の厚みは1.0μm〜30μmであるのが好ましく、2.0μm〜25μmであるのがより好ましく、5.0μm〜20μmであるのが特に好ましい。
(耐湿性保護層)
本発明に係る耐湿性保護層は、シンチレータ層の保護を主眼とするものであり、放射線シンチレータは、耐湿性保護層を有することが好ましい。即ち、ヨウ化セシウム(CsI)は、吸湿性が高く露出したままにしておくと空気中の水蒸気を吸湿して潮解してしまうため、これを防止することを主眼とする。
当該耐湿性保護層は種々の材料を用いて形成することができる。例えば、CVD法によりポリパラキシリレン膜を形成する。即ち、シンチレータ及び基板の表面全体にポリパラキシリレン膜を形成し、保護層とすることができる。
耐湿性保護層は、耐湿性保護層用の塗布液を前記蛍光体層の表面に直接塗布して形成してもよく、また、予め別途形成した耐湿性保護層を前記蛍光体層に接着したり、包み込むことにより封止してもよい。
また、耐湿性保護層は蒸着法、スパッタリング法などにより、SiC、SiO、SiN、Alなどの無機物質を積層して形成してもよい。
上記耐湿性保護層の厚さは、空隙部の形成性、シンチレータ(蛍光体)層の保護性、鮮鋭性、防湿性、作業性等を考慮し、12μm以上、100μm以下が好ましく、更には20μm以上、60μm以下が好ましい。
また、ヘイズ率が鮮鋭性、放射線画像ムラ、製造安定性、作業性等を考慮し、3%以上、40%以下が好ましく、更には3%以上、10%以下が好ましい。ヘイズ率は日本電色工業株式会社NDH 5000Wにより測定した値を示す。必要とするヘイズ率は市販されている高分子フィルムから適宜選択し、容易に入手することが可能である。
耐湿性保護層の光透過率は光電変換効率、シンチレータ発光波長等を考慮し、550nmで70%以上あることが好ましいが、99%以上の光透過率のフィルムは工業的に入手が困難であるため、実質的に99〜70%が好ましい。
耐湿性保護層の透湿度はシンチレータ層の保護性、潮解性等を考慮し、50g/m・day(40℃・90%RH)(JIS Z0208に準じて測定)以下が好ましく、更には10g/m・day(40℃・90%RH)(JIS Z0208に準じて測定)以下が好ましいが、0.01g/m・day(40℃・90%RH)以下の透湿度のフィルムは工業的に入手が困難であるため、実質的に0.01g/m・day(40℃・90%RH)以上、50g/m・day(40℃・90%RH)(JIS Z0208に準じて測定)以下が好ましく、更には0.1g/m・day(40℃・90%RH)以上、10g/m・day(40℃・90%RH)(JIS Z0208に準じて測定)以下が好ましい。
(放射線シンチレータの作製方法)
本発明の放射線シンチレータを作製する作製方法の典型的例について、図を参照しながら説明する。なお、図1は、放射線シンチレータ10の概略構成を示す断面図である。図2は、放射線シンチレータ10の拡大断面図である。図3は、放射線シンチレータの蒸着装置61の概略構成を示す図面である。
〈蒸着装置〉
以下、蒸着装置について、図3を参照しながら説明する。図3に示すように、放射線シンチレータの蒸着装置61は真空容器62を備えており、真空容器62には真空容器62の内部の排気及び大気の導入を行う真空ポンプ66が備えられている。
真空容器62の内部の上面付近には、基板1を保持するホルダ64が設けられている。
基板1は従来の放射線シンチレータの支持体として公知の材料から任意に選ぶことができるが、本実施形態の基板1としては、石英ガラスシート、アルミニウム、鉄、スズ、クロムなどからなる金属シート又は炭素繊維強化シートなどが好ましい。
また、基板1は、その表面を平滑な面とするために樹脂層を有していてもよい。樹脂層は、ポリイミド、ポリエチレンフタレート、パラフィン、グラファイトなどの化合物を含有することが好ましく、その膜厚は、約5μm〜50μmであることが好ましい。この樹脂層は、基板1の表面に設けてもよく、裏面に設けてもよい。
また、基板1の表面に樹脂層を設ける手段としては、貼合法、塗設法などの手段がある。このうち貼合法は加熱、加圧ローラを用いて行い、加熱条件は約80〜150℃、加圧条件は4.90×10〜2.94×10N/cm、搬送速度は0.1〜2.0m/sが好ましい。
基板1の表面には、蛍光体層が気相堆積法によって形成される。気相堆積法としては、蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法その他を用いることができるが、本発明では特に蒸着法が好ましい。
ホルダ64は、基板1のうち前記蛍光体層を形成する面が真空容器62の底面に対向し、かつ、真空容器62の底面と平行となるように基板1を保持する構成となっている。
また、ホルダ64には、基板1を加熱する加熱ヒータ(図示せず)を備えることが好ましい。この加熱ヒータで基板1を加熱することによって、基板1のホルダ64に対する密着性の強化や、前記蛍光体層の膜質調整を行う。また、基板1の表面の吸着物を離脱・除去し、基板1の表面と後述する蛍光体との間に不純物層が発生することを防止する。
また、加熱手段として温媒又は熱媒を循環させるための機構(図示せず)を有していてもよい。この手段は蛍光体の蒸着時における基板1の温度を50〜150℃といった比較的低温に保持して蒸着する場合に適している。
また、加熱手段としてハロゲンランプ(図示せず)を有していてもよい。この手段は蛍光体の蒸着時における基板1の温度を150℃以上といった比較的高温に保持して蒸着する場合に適している。
さらに、ホルダ64には、基板1を水平方向に回転させる回転機構65が設けられている。回転機構65は、ホルダ64を支持すると共に基板1を回転させる支持体回転軸7及び真空容器62の外部に配置されて支持体回転軸7の駆動源となるモータ(図示せず)から構成されている。
また、真空容器62の内部の底面付近には、基板1に垂直な中心線を中心とした円の円周上の互いに向かい合う位置に蒸発源63a、63bが配置されている。この場合において、基板1と蒸発源63a、63bとの間隔は100mm〜1500mmとされるのが好ましく、より好ましくは200mm〜1000mmである。また、基板1に垂直な中心線と蒸発源63a、63bとの間隔は100mm〜1500mmとされるのが好ましく、より好ましくは200mm〜1000mmである。
なお、放射線シンチレータ製造装置においては3個以上の多数の蒸発源を設けることも可能であり、各々の蒸発源は等間隔に配置してもよく、間隔を変えて配置してもよい。また、基板1に垂直な中心線を中心とした円の半径は任意に定めることができる。本発明においては複数の蒸発源が円の円周上に配置されるが、さらに円の中心部にも蒸発源が配置されることがより好ましい。円の中心部にも蒸発源を配置することで、FPD等の大サイズのパネルに使用する場合でも蒸着層の膜厚変動をパネル全面にわたって小さくすることができ、感度むらを良好にすることができる。
蒸発源63a、63bは、後述する蛍光体を収容して抵抗加熱法で加熱するため、ヒータを巻いたアルミナ製のるつぼから構成しても良いし、ボートや、高融点金属からなるヒータから構成しても良い。また、後述する蛍光体を加熱する方法は、抵抗加熱法以外に電子ビームによる加熱や、高周波誘導による加熱等の方法でも良いが、本発明では比較的簡単な構成で取り扱いが容易、安価、かつ、非常に多くの物質に適用可能である点から直接電流を流し抵抗加熱する方法や、周りのヒーターでるつぼを間接的に抵抗加熱する方法が好ましい。また、蒸発源63a、63bは分子源エピタキシャル法による分子線源でも良い。
また、蒸発源63a、63bと基板1との間には、蒸発源63a、63bから基板1に至る空間を遮断するシャッター68が水平方向に開閉自在に設けられており、このシャッター68によって、蒸発源63a、63bにおいて後述する蛍光体の表面に付着した目的物以外の物質が蒸着の初期段階で蒸発し、基板1に付着するのを防ぐことができるようになっている。
次に、上述の放射線シンチレータ蒸着装置61を用いた本発明の放射線シンチレータ製造方法について説明する。
まず、ホルダ64に基板1を取付ける。また、真空容器62の底面付近において、基板1に垂直な中心線を中心とした円の円周上に蒸発源63a、63bを配置する。この場合において、基板1と蒸発源63a、63bとの間隔は100mm〜1500mmとされるのが好ましく、より好ましくは200mm〜1000mmである。また、基板1に垂直な中心線と蒸発源63a、63bとの間隔は100mm〜1500mmとされるのが好ましく、より好ましくは200mm〜1000mmである。
次いで、真空容器62の内部を真空排気し、所望の真空度に調整する。その後、回転機構65によりホルダ64を蒸発源63a、63bに対して回転させ、蒸着可能な真空度に真空容器62が達したら、加熱した蒸発源63a、63bから後述する蛍光体を蒸発させて、基板1の表面に後述する蛍光体を所望の厚さに成長させる。
なお、基板1の表面に後述する蛍光体を成長させる工程を複数回に分けて行って蛍光体層を形成することも可能である。
また、蒸着法においては、蒸着時、必要に応じて、被蒸着体(基板1、保護層又は中間層)を冷却あるいは加熱しても良い。
さらに、蒸着終了後、蛍光体層を加熱処理しても良い。また、蒸着法においては必要に応じてO、Hなどのガスを導入して蒸着する反応性蒸着を行っても良い。
形成する蛍光体層の膜厚は、放射線シンチレータの使用目的により、また後述する蛍光体の種類により異なるが、本発明の効果を得る観点から50μm〜2000μmであり、好ましくは50μm〜1000μmであり、さらに好ましくは100μm〜800μmである。
また、蛍光体層が形成される基板1の温度は、室温(rt)〜300℃に設定することが好ましく、さらに好ましくは50〜250℃である。
以上のようにして前記蛍光体層を形成した後、必要に応じて、前記蛍光体層の基板1とは反対の側の面に、物理的にあるいは化学的に前記蛍光体層を保護するための保護層を設けてもよい。保護層は、保護層用の塗布液を前記蛍光体層の表面に直接塗布して形成してもよく、また、予め別途形成した保護層を前記蛍光体層に接着してもよい。これらの保護層の層厚は0.1μm〜2000μmが好ましい。
また、保護層は蒸着法、スパッタリング法などにより、SiC、SiO、SiN、Alなどの無機物質を積層して形成してもよい。
以上の放射線シンチレータの蒸着装置61又は製造方法によれば、複数の蒸発源63a、63bを設けることによって蒸発源63a、63bの蒸気流が重なり合う部分が整流化され、基板1の表面に蒸着する後述する蛍光体の結晶性を均一にすることができる。このとき、多数の蒸発源を設けるほど多くの箇所で蒸気流が整流化されるため、より広範囲において後述する蛍光体の結晶性を均一にすることができる。また、蒸発源63a、63bを基板1に垂直な中心線を中心とした円の円周上に配置することによって、蒸気流の整流化によって結晶性が均一になるという作用を、基板1の表面において等方的に得ることができる。
また、回転機構65によって基板1を回転しながら後述する蛍光体の蒸着を行うことによって、基板1の表面に均一に後述する蛍光体を蒸着させることができる。
〈放射線シンチレータ〉
次に、本発明に係る放射線シンチレータ10の作製方法について説明する。
放射線シンチレータ10を作製する作製方法においては、上記で説明した蒸着装置61を好適に用いることができる。蒸着装置61を用いて放射線シンチレータ10を作製する方法について説明する。
《中間層の形成》
基板1の一方の表面に中間層2を押し出し塗布により形成することができる。なお中間層の表面性やヤング率を制御するために必要に応じてマット剤やフィラーを添加しても良い。
《反射層の形成》
基板1の中間層2が設けられた面に、反射層3としての金属薄膜(Al膜、Ag膜等)をスパッタ法により形成する。また高分子フィルム上にAl膜をスパッタ蒸着したフィルムは、各種の品種が市場で流通しており、これらを使用することも可能である。
《保護層の形成》
保護層4は、上記の有機溶剤に着色剤及び有機樹脂を分散・溶解した組成物を塗布、乾燥して形成する。
《シンチレータ層の形成》
上記のように、中間層2、反射層3、保護層4を設けた基板1をホルダ64に取り付けるとともに、蒸発源63にヨウ化セシウムとヨウ化タリウムとを含む粉末状の混合物を充填する(準備工程)。この場合、蒸発源63と基板1との間隔を100〜1500mmに設定し、その設定値の範囲内のままで後述の蒸着工程の処理をおこなうのが好ましい。
準備工程の処理を終えたら、真空ポンプ66を作動させて真空容器62の内部を排気し、真空容器62の内部を0.1Pa以下の真空雰囲気下にする(真空雰囲気形成工程)。ここでいう「真空雰囲気下」とは、100Pa以下の圧力雰囲気下のことを意味し、0.1Pa以下の圧力雰囲気下であるのが好適である。
その後、アルゴン等の不活性ガスを真空容器62の内部に導入し、当該真空容器62の内部を0.1Pa〜5Paの真空雰囲気下に維持する。その後、ホルダ64のヒータと回転機構65のモータとを駆動させ、ホルダ64に取付け済みの基板1を蒸発源63に対向させた状態で加熱しながら回転させる。
この状態において、電極から蒸発源63に電流を流し、ヨウ化セシウムとヨウ化タリウムとを含む混合物を700〜800℃程度で所定時間加熱してその混合物を蒸発させる。
その結果、基板1の表面に無数の柱状結晶体5aが順次成長して所望の厚さのシンチレータ層5が形成される(蒸着工程)。これにより、本発明に係る放射線シンチレータ10を製造することができる。
蒸着源を加熱する温度としては、500℃〜800℃が好ましく、特に630℃〜750℃が好ましい。基板温度は100℃〜250℃が好ましく、特に150℃〜250℃とするのが好ましい。基板温度をこの範囲とすることで、柱状結晶の形状が良好となり、輝度特性が向上する。
《耐湿保護層の形成》
耐湿保護層6は、シンチレータ層上に上記の有機溶剤に有機樹脂を分散・溶解した組成物を塗布、乾燥して形成することが好ましい。前記組成物には必要に応じて着色剤やマット剤を添加しても良い。また支持体(PET、PEN、アラミド等)上に有機樹脂を分散・溶解した組成物を塗布、乾燥して形成した封止フィルムでシンチレータ層を封止しても良い。
(放射線画像検出器)
以下に、上記放射線シンチレータ10の一適用例として、図4及び図5を参照しながら、当該シンチレータプレート10を具備した放射線画像検出器100の構成について説明する。なお、図4は放射線画像検出器100の概略構成を示す一部破断斜視図である。また、図5は撮像パネル51の拡大断面図である。
図4に示す通り、放射線画像検出器100には、撮像パネル51、放射線画像検出器100の動作を制御する制御部52、書き換え可能な専用メモリ(例えばフラッシュメモリ)等を用いて撮像パネル51から出力された画像信号を記憶する記憶手段であるメモリ部53、撮像パネル51を駆動して画像信号を得るために必要とされる電力を供給する電力供給手段である電源部54、等が筐体55の内部に設けられている。筐体55には必要に応じて放射線画像検出器100から外部に通信を行うための通信用のコネクタ56、放射線画像検出器100の動作を切り換えるための操作部57、放射線画像の撮影準備の完了やメモリ部53に所定量の画像信号が書き込まれたことを示す表示部58、等が設けられている。
ここで、放射線画像検出器100に電源部54を設けるとともに放射線画像の画像信号を記憶するメモリ部53を設け、コネクタ56を介して放射線画像検出器100を着脱自在にすれば、放射線画像検出器100を持ち運びできる可搬構造とすることができる。
図5に示すように、撮像パネル51は、放射線シンチレータ10と、放射線シンチレータ10からの電磁波を吸収して画像信号を出力する出力基板20と、から構成されている。
放射線シンチレータ10は、放射線照射面側に配置されており、入射した放射線の強度に応じた電磁波を発光するように構成されている。
出力基板20は、放射線シンチレータ10の放射線照射面と反対側の面に設けられており、用放射線シンチレータ10側から順に、隔膜20a、光電変換素子20b、画像信号出力層20c及び基板20dを備えている。
隔膜20aは、放射線シンチレータ10と他の層を分離するためのものである。
光電変換素子20bは、透明電極21と、透明電極21を透過して入光した電磁波により励起されて電荷を発生する電荷発生層22と、透明電極21に対しての対極になる対電極23とから構成されており、隔膜20a側から順に透明電極21、電荷発生層22、対電極23が配置される。
透明電極21とは、光電変換される電磁波を透過させる電極であり、例えばインジウムチンオキシド(ITO)、SnO、ZnOなどの導電性透明材料を用いて形成される。
電荷発生層22は、透明電極21の一面側に薄膜状に形成されており、光電変換可能な化合物として光によって電荷分離する有機化合物を含有するものであり、電荷を発生し得る電子供与体及び電子受容体としての導電性化合物をそれぞれ含有している。電荷発生層22では、電磁波が入射されると、電子供与体は励起されて電子を放出し、放出された電子は電子受容体に移動して、電荷発生層22内に電荷、すなわち、正孔と電子のキャリアが発生するようになっている。
ここで、電子供与体としての導電性化合物としては、p型導電性高分子化合物が挙げられ、p型導電性高分子化合物としては、ポリフェニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリ(チオフェンビニレン)、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリフルオレン、ポリ(p−フェニレン)又はポリアニリンの基本骨格を持つものが好ましい。
また、電子受容体としての導電性化合物としては、n型導電性高分子化合物が挙げられ、n型導電性高分子化合物としては、ポリピリジンの基本骨格を持つものが好ましく、特にポリ(p−ピリジルビニレン)の基本骨格を持つものが好ましい。
電荷発生層22の膜厚は、光吸収量を確保するといった観点から、10nm以上(特に100nm以上)が好ましく、また電気抵抗が大きくなりすぎないといった観点から、1μm以下(特に300nm以下)が好ましい。
対電極23は、電荷発生層22の電磁波が入光される側の面と反対側に配置されている。対電極23は、例えば、金、銀、アルミニウム、クロムなどの一般の金属電極や、透明電極21の中から選択して用いることが可能であるが、良好な特性を得るためには仕事関数の小さい(4.5eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするのが好ましい。
また、電荷発生層22を挟む各電極(透明電極21及び対電極23)との間には、電荷発生層22とこれら電極が反応しないように緩衝地帯として作用させるためのバッファー層を設けてもよい。バッファー層は、例えば、フッ化リチウム及びポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン):ポリ(4−スチレンスルホナート)、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル[1,10]フェナントロリンなどを用いて形成される。
画像信号出力層20cは、光電変換素子20bで得られた電荷の蓄積および蓄積された電荷に基づく信号の出力を行うものであり、光電変換素子20bで生成された電荷を画素毎に蓄積する電荷蓄積素子であるコンデンサ24と、蓄積された電荷を信号として出力する画像信号出力素子であるトランジスタ25とを用いて構成されている。
トランジスタ25は、例えばTFT(薄膜トランジスタ)を用いるものとする。このTFTは、液晶ディスプレイ等に使用されている無機半導体系のものでも、有機半導体を用いたものでもよく、好ましくはプラスチックフィルム上に形成されたTFTである。プラスチックフィルム上に形成されたTFTとしては、アモルファスシリコン系のものが知られているが、その他、米国Alien Technology社が開発しているFSA(Fluidic Self Assembly)技術、即ち、単結晶シリコンで作製した微小CMOS(Nanoblocks)をエンボス加工したプラスチックフィルム上に配列させることで、フレキシブルなプラスチックフィルム上にTFTを形成するものとしても良い。さらに、Science,283,822(1999)やAppl.Phys.Lett,771488(1998)、Nature,403,521(2000)等の文献に記載されているような有機半導体を用いたTFTであってもよい。
このように、トランジスタ25としては、上記FSA技術で作製したTFT及び有機半導体を用いたTFTが好ましく、特に好ましいものは有機半導体を用いたTFTである。この有機半導体を用いてTFTを構成すれば、シリコンを用いてTFTを構成する場合のように真空蒸着装置等の設備が不要となり、印刷技術やインクジェット技術を活用してTFTを形成できるので、製造コストが安価となる。さらに、加工温度を低くできることから熱に弱いプラスチック基板上にも形成できる。
トランジスタ25には、光電変換素子20bで発生した電荷を蓄積するとともに、コンデンサ24の一方の電極となる収集電極(図示せず)が電気的に接続されている。コンデンサ24には光電変換素子20bで生成された電荷が蓄積されるとともに、この蓄積された電荷はトランジスタ25を駆動することで読み出される。すなわちトランジスタ25を駆動させることで放射線画像の画素毎の信号を出力させることができる。
基板20dは、撮像パネル51の支持体として機能するものであり、基板1と同様の素材で構成することが可能である。
次に、放射線画像検出器100の作用について説明する。
まず、放射線画像検出器100に対し入射された放射線は、撮像パネル51の放射線シンチレータ10側から基板20d側に向けて放射線を入射する。
すると、放射線シンチレータ10に入射された放射線は、放射線シンチレータ10中のシンチレータ層5が放射線のエネルギーを吸収し、その強度に応じた電磁波を発光する。発光された電磁波のうち、出力基板20に入光される電磁波は、出力基板20の隔膜20a、透明電極21を貫通し、電荷発生層22に到達する。そして、電荷発生層22において電磁波は吸収され、その強度に応じて正孔と電子のペア(電荷分離状態)が形成される。
その後、発生した電荷は、電源部54によるバイアス電圧の印加により生じる内部電界により正孔と電子はそれぞれ異なる電極(透明電極膜及び導電層)へ運ばれ、光電流が流れる。
その後、対電極23側に運ばれた正孔は画像信号出力層20cのコンデンサ24に蓄積される。蓄積された正孔はコンデンサ24に接続されているトランジスタ25を駆動させると、画像信号を出力すると共に、出力された画像信号はメモリ部53に記憶される。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1
(反射層の作製)
厚さ125μmのポリイミドフィルム(宇部興産製UPILEX−125S)にアルミニウムをスパッタして反射層(0.02μm)を形成した。
(保護層の作製)
バイロン200(東洋紡社製:ポリエステル樹脂 Tg:67℃) 100質量部
ヘキサメチレンジイソシアナート 3質量部
フタロシアニンブルー 0.1質量部
メチルエチルケトン(MEK) 100質量部
トルエン 100質量部
上記処方を混合し、ビーズミルにて15時間分散し、保護層塗設用の塗布液を得た。
この塗布液を上記基板のアルミニウム反射層面に乾燥膜厚が2.5μmになるように押し出しコーターで塗布した。
(シンチレータ層の形成)
支持体回転機構を備えた支持体ホルダに反射層と保護層を設けた前記支持体を設置した。次に、上記蛍光体原料を蒸着材料として蒸発源るつぼに充填し、8個の蒸発源るつぼを真空容器の内部の底面付近であって、支持体に垂直な中心線を中心とした円の円周上に配置した。このとき、支持体と蒸発源との間隔を450mmに調節すると共に、支持体に垂直な中心線と蒸発源との間隔を300mmに調節した。さらに、8個の遮蔽板を、蒸発源と支持体のうち蒸発源に対向する面の中心点とを結ぶ線分上に、遮蔽板の上端部分が接する高さ及び位置となるように配置し、蛍光体が支持体に蒸着する際の入射角の範囲を制限するようにした。次に、4個の蒸発源るつぼを真空容器の内部の底面付近であって、支持体に垂直な中心線を中心とした円の円周上に配置した。このとき、支持体と蒸発源との間隔を450mmに調節すると共に、支持体に垂直な中心線と蒸発源との間隔を150mmに調節した。さらに真空容器の内部の底面付近であって、支持体に垂直な中心線を中心とした円の中心に1個の蒸発源るつぼを配置した。続いて真空容器の内部を一旦排気し、Arガスを導入して0.02Paに真空度を調整した後、10rpmの速度で支持体を回転させながら支持体の温度を50℃に保持した。次いで、抵抗加熱によりるつぼ内を所定の温度に上昇させて蛍光体を蒸着開始したのち基板温度を200℃まで上昇させ、蛍光体層の膜厚が450μmとなったところで蒸着を終了させた。
次いで、乾燥空気内で蛍光体層を予めスパッタリング法によりAlを積層して形成した保護層により前記蛍光体層を覆うように封止し、蛍光体層が密封された構造の放射線シンチレータ試料101を得た。
(試料102〜108、113〜120)
試料101の作製において、蒸着時の真空度、基板温度、シンチレータ層の膜厚、充填率を表1に示すように変更したこと以外は試料101と同様にして作製した。
(試料109、110)
試料102、107の作製において、支持体に垂直な中心線と蒸発源との間隔が150mmの円周上に配置された4個の蒸発源るつぼを用いなかったこと以外は試料102、107と同様にして作製した。
(試料111、112)
試料102、107の作製において、支持体に垂直な中心線と蒸発源との間隔が150mmの円周上に配置された4個の蒸発源るつぼを用いなかったこと、及び支持体に垂直な中心線を中心とした円の中心に配置された1個の蒸発源るつぼを用いなかったこと以外は試料102、107と同様にして作製した。
(試料121、122)
試料102、107の作製において、支持体に垂直な中心線と蒸発源との間隔が300mmの円周上に配置された8個の蒸発源るつぼを用いなかったこと、及び支持体に垂直な中心線と蒸発源との間隔が150mmの円周上に配置された4個の蒸発源るつぼを用いなかったこと以外は試料102、107と同様にして作製した。
〈評価〉
《膜厚分布》
膜厚分布は、放射線シンチレータ上で縦、横を10分割し生成した100区画の中心で蛍光体層の膜厚を測定することで得られる最大膜厚DMax及び最小膜厚Dminより、上記式(1)により算出した。
《変動係数》
変動係数は、放射線シンチレータ上で縦、横を10分割し生成した100区画の中心で蛍光体層の膜厚を測定し、各測定点における膜厚の平均膜厚Dav、(5回の測定の平均値)、その平均膜厚の標準偏差Ddevを求めて、上記式(2)により算出した。
前記放射線シンチレータを、PaxScan2520(Varian社製FPD)にセットして放射線画像検出器を作製し、感度ムラ、耐衝撃性、鮮鋭性及び輝度を、以下に示す方法で評価した。
「耐衝撃性の評価」
放射線画像検出器に対して20cm離れた高さ位置から500gの鉄球を落下させた後、放射線画像検出器について目視評価した。その後、管電圧80kVpのX線を支持体の裏面側から照射し得られたFPD上の画像を出力装置よりプリントアウトし、得られたプリント画像を目視にて以下に示す基準にしたがって耐衝撃性の評価を行った。表1にその結果を示す。評価は0.5ランク刻みで行った。
5:ひび割れがなく、また、均一な画像である。
4:ひび割れがなく、画質的にほとんど気にならないレベルである。
3:ひび割れが見られ、画欠が確認されるが、実用上許容できるレベルである。
2:ひび割れが見られ、明らかな画欠が認められ、実用上問題が発生するレベルである。1:ひび割れが多数見られ、画欠が多く、実用上問題が発生するレベルである。
「鮮鋭性の評価」
鉛製のMTFチャートを通して管電圧80kVpのX線をFPDの放射線入射面側に照射し、画像データを検出しハードディスクに記録した。その後、ハードディスク上の記録をコンピュータで分析して当該ハードディスクに記録されたX線像の変調伝達関数MTF(空間周波数1サイクル/mmにおけるMTF値)を鮮鋭性の指標とした。表中、MTF値が高いほど鮮鋭性に優れていることを示す。MTFはModulation Transfer Functionの略号を示す。
「輝度の評価」
電圧80kVpのX線を試料の裏面(シンチレータ層が形成されていない面)から照射し、画像データをシンチレータを配置したFPDで検出し、画像の平均シグナル値を発光輝度とした。
表1から、本発明の放射線シンチレータ及びこの放射線シンチレータを用いた放射線画像検出器は、輝度、鮮鋭性の劣化が少なく耐衝撃性に優れることが分かる。
実施例2
フォトダイオードとTFT素子を有する光電変換パネル上に保護層を介して気相堆積法により試料101〜122で用いたシンチレータ層と同様のシンチレータ層を形成した後、反射層を形成し、その後、全体をアルミを蒸着することで形成された封止フィルムにより封止することで作製された放射線画像検出器の場合においても、実施例1の場合と同様、シンチレータ層の膜厚、充填率、膜厚分布、膜厚の変動係数を本発明の範囲とすることで輝度、鮮鋭性の劣化が少なく耐衝撃性に優れる放射線画像検出器が得られることが確認された。

Claims (5)

  1. 基板上に、気相堆積法により形成された蛍光体を含むシンチレータ層を有し、該シンチレータ層の膜厚が120〜470μmであり、シンチレータ層における蛍光体の充填率が75〜90質量%であり、かつシンチレータ層の膜厚分布が20%以下であることを特徴とする放射線シンチレータ。
  2. 基板上に、気相堆積法により形成された蛍光体を含むシンチレータ層を有し、該シンチレータ層の膜厚が120〜470μmであり、シンチレータ層における蛍光体の充填率が75〜90質量%であり、かつシンチレータ層の膜厚の変動係数が20%以下であることを特徴とする放射線シンチレータ。
  3. 前記蛍光体がセシウムハライド系蛍光体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の放射線シンチレータ。
  4. 前記蛍光体が賦活剤としてタリウムを含有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の放射線シンチレータ。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の放射線シンチレータにより放射線を可視光に変換する入力手段と、前記放射線シンチレータで変換される可視光に基づいて画像情報を出力する出力手段とを具備していることを特徴とする放射線画像検出器。
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