JP3405706B2 - 放射線検出素子 - Google Patents

放射線検出素子

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卓也 本目
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放射線検出素子、
特に、医療用のX線撮影等に用いられる大面積の受光部
を有する放射線検出素子に関する。
【0002】
【従来の技術】医療、工業用のX線撮影では、従来、X
線感光フィルムが用いられてきたが、利便性や撮影結果
の保存性の面から放射線検出素子を用いた放射線イメー
ジングシステムが普及してきている。このような放射線
イメージングシステムにおいては、複数の画素を有する
放射線検出素子を用いて放射線による2次元画像データ
を電気信号として取得し、この信号を処理装置により処
理して、モニタ上に表示している。代表的な放射線検出
素子は、1次元あるいは2次元に配列された光検出器上
にシンチレータを配して、入射する放射線をシンチレー
タで光に変換して、検出する仕組みになっている。
【0003】典型的なシンチレータ材料であるCsI
は、吸湿性材料であり、空気中の水蒸気(湿気)を吸収
して溶解する。この結果、シンチレータの特性、特に解
像度が劣化するという問題があった。
【0004】シンチレータを湿気から保護する構造とし
た放射線検出素子としては、特開平5−196742号
公報に開示された技術が知られている。この技術では、
シンチレータ層の上部に水分不透過性の防湿バリヤを形
成することにより、シンチレータを湿気から保護してい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この技術で
は、シンチレータ層外周部の防湿バリヤを放射線検出素
子の基板に密着させることが難しく、特に、胸部X線撮
影などに用いる大面積の放射線検出素子においては、外
周部の長さが長いため、防湿バリヤがはがれやすくなっ
て、シンチレータ層が完全に密封されず、水分がシンチ
レータ層に侵入してその特性が劣化しやすいという欠点
がある。
【0006】さらに、この技術では、薄膜層、光反射層
を形成してから水分シール層を形成しているが、薄膜
層、光反射層は上面のみに形成されているので、各層を
形成する工程中におけるシンチレータ側面の防湿につい
て考慮されていない。
【0007】また、この技術では、防湿バリヤの水分シ
ール層は、シリコーンポッティング材等を液状の状態で
シンチレータ層に塗工するか、放射線検出素子の受光面
側に設置する窓材の内側にこのシリコーンポッティング
材等を塗工した後、水分シール層の乾燥前にこの窓材を
シンチレータ層上に設置することにより、水分シール層
を固定する製造方法が開示されている。この製造方法で
は、水分シール層を表面形状が不規則なシンチレータ層
上に均一に形成することが難しく、密着性が低下する可
能性がある。この点は、特に、大面積の放射線検出素子
で起こりやすい。
【0008】本発明は、上記の問題点に鑑みてシンチレ
ータの防湿用に均一で製造が容易な保護膜を有する放射
線検出素子を提供することを課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る放射線検出素子は、(1)複数の受光素
子を基板上に1次元あるいは2次元に配列して受光部を
形成した受光素子アレイと、(2)この受光素子上に柱状
結晶として堆積された放射線を光に変換するシンチレー
タ層と、(3)このシンチレータ層の上面から側面を経て
受光素子のシンチレータ層形成部の周囲の領域まで
光素子のパッシベーション膜に密着するように一括して
覆い、柱状結晶の少なくとも上部の隙間に入り込むよう
CVD法により直接、一体成形されている水分の侵入
を遮断するためのポリパラキシリレン樹脂製の有機膜
と、を備えていることを特徴とする。
【0010】本発明によれば、シンチレータ層の上部お
よび側面から受光素子表面のシンチレータ層形成部の周
囲の領域までを覆うように有機膜がCVD法により一体
成形されており、この有機膜はシンチレータ層の柱状結
晶の上部隙間に入り込んでいるので、有機膜がシンチレ
ータ層に密着し、耐久性が確保される。
【0011】この有機膜はシンチレータ層の外側で基板
に密着固定されていることが好ましい。このようにする
と、有機膜の周辺からの剥がれが好適に防止される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態を
図面に基づいて説明する。なお、理解を容易にするため
に各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り
同一の参照番号を附し、重複する説明は省略する。ま
た、各図面における寸法、形状は実際のものとは必ずし
も同一ではなく、理解を容易にするため誇張している部
分がある。
【0013】図1は、本発明の一実施形態の上面図であ
り、図2はその外周辺部のA−A線拡大断面図である。
【0014】まず、図1、図2を参照して本実施形態の
構成を説明する。絶縁性、例えばガラス製の基板1上
に、光電変換を行う受光素子2が2次元上に配列され
て、受光部を形成している。この受光素子2は、アモル
ファスシリコン製のフォトダイオード(PD)や薄膜ト
ランジスタ(TFT)から構成されている。各行又は各
列の受光素子2の各々は、信号読み出し用の信号線3に
より電気的に接続されている。外部回路(図示していな
い)へ信号を取り出すための複数のボンディングパッド
4は、基板1の外周辺、例えば隣接する2辺、に沿って
配置されており、信号線3を介して対応する複数の受光
素子2に電気的に接続されている。受光素子2及び信号
線3上には、絶縁性のパッシベーション膜5が形成され
ている。このパッシベーション膜5には、窒化シリコ
ン、又は酸化シリコンを用いることが好ましい。一方、
ボンディングパッド4は、外部回路との接続のために露
出されている。以下、この基板及び基板上の回路部分を
受光素子アレイ6と呼ぶ。
【0015】受光素子アレイ6の受光部上には、入射し
た放射線を可視光に変換する柱状構造のシンチレータ7
が形成されている。シンチレータ7には、各種の材料を
用いることができるが、発光効率が良いTlドープのC
sI等が好ましい。また、受光素子アレイ6の受光部の
外周を囲み、ボンディングパッドの内側位置には、細長
い枠状に形成された樹脂製の樹脂枠8が配置されてい
る。この樹脂枠8には、シリコン樹脂である信越化学製
のKJR651あるいはKE4897、東芝シリコン製
TSE397、住友3M製DYMAX625T等を用い
ることが好ましい。これらは、半導体素子の機械的、電
気的保護のための表面処理用に広く用いられており、後
述する上部に形成される保護膜12との密着性も高いか
らである。
【0016】樹脂枠8の枠内のシンチレータ7上には、
いずれもX線を透過し、水蒸気を遮断する第1の有機膜
9と、無機膜10と、第2の有機膜11とがそれぞれ積
層されて保護膜12を形成している。
【0017】第1の有機膜9と第2の有機膜11には、
ポリパラキシリレン樹脂(スリーボンド社製、商品名パ
リレン)、特にポリパラクロロキシリレン(同社製、商
品名パリレンC)を用いることが好ましい。パリレンに
よるコーティング膜は、水蒸気及びガスの透過が極めて
少なく、撥水性、耐薬品性も高いほか、薄膜でも優れた
電気絶縁性を有し、放射線、可視光線に対して透明であ
るなど有機膜9、11にふさわしい優れた特徴を有して
いる。パリレンによるコーティングの詳細については、
スリーボンド・テクニカルニュース(平成4年9月23
日発行)に記されており、ここでは、その特徴を述べ
る。
【0018】パリレンは、金属の真空蒸着と同様に真空
中で支持体の上に蒸着する化学的蒸着(CVD)法によ
ってコーティングすることができる。これは、原料とな
るジパラキシリレンモノマーを熱分解して、生成物をト
ルエン、ベンゼンなどの有機溶媒中で急冷しダイマーと
呼ばれるジパラキシリレンを得る工程と、このダイマー
を熱分解して、安定したラジカルパラキシリレンガスを
生成させる工程と、発生したガスを素材上に吸着、重合
させて分子量約50万のポリパラキシリレン膜を重合形
成させる工程からなる。
【0019】パリレン蒸着と金属の真空蒸着には、2つ
の大きな違いがある。まず、パリレン蒸着時の圧力は、
金属真空蒸着の場合の圧力0.001トールに比べて高
い0.1〜0.2トールであること、そして、パリレン
の蒸着の適応係数が金属蒸着の適応係数1に比べて2桁
から4桁低いことである。このため、蒸着時には、単分
子膜が被着物全体を覆った後、その上にパリレンが蒸着
していく。したがって、0.2μm厚さからの薄膜をピ
ンホールのない状態で均一な厚さに生成することがで
き、液状では不可能だった鋭角部やエッジ部、ミクロン
オーダの狭い隙間へのコーティングも可能である。ま
た、コーティング時に熱処理等を必要とせず、室温に近
い温度でのコーティングが可能なため、硬化に伴う機械
的応力や熱歪みが発生せず、コーティングの安定性にも
優れている。さらに、ほとんどの固体材料へのコーティ
ングが可能である。
【0020】また、無機膜10にはX線透過性であれ
ば、可視光に対しては、透明、不透明、反射性などの各
種の材料を用いることができ、Si、Ti、Crの酸化
膜や金、銀、アルミなどの金属薄膜が使用できる。特
に、可視光に対して反射性の膜を用いると、シンチレー
タ7で発生した蛍光が外に漏れるのを防ぎ感度を上昇さ
せる効果があるので好ましい。ここでは、成形が容易な
Alを用いた例について説明する。Al自体は空気中で
腐蝕しやすいが、無機膜10は、第1の有機膜9及び第
2の有機膜11で挟まれているため、腐蝕から守られて
いる。
【0021】この保護膜12は、前述したパリレンコー
ティングによって形成されるが、CVD法によって形成
されるため、受光素子アレイ6の表面全体を覆うように
形成される。そのため、ボンディングパッド4を露出さ
せるためには、ボンディングパッド4より内側でパリレ
ンコーティングで形成された保護膜12を切断して、外
部の保護膜12を除去する必要がある。後述するよう
に、樹脂枠8の枠部分の略中心付近で保護膜12を切断
することにより、保護膜12の外周部は樹脂枠8によっ
て固定されるので、保護膜12が外周部からはがれるの
を防止することができる。さらに、この保護膜12の外
周部は、被覆樹脂13によってその下の樹脂枠8ととも
にコーティングされている。被覆樹脂13には、保護膜
12及び樹脂枠8への接着性が良好な樹脂、例えば例え
ばアクリル系接着剤である協立化学産業株式会社製WO
RLD ROCK No.801−SET2(70,0
00cPタイプ)を用いることが好ましい。この樹脂接
着剤は、100mW/cm2の紫外線照射により約20
秒で硬化し、効果皮膜は柔軟かつ十分な強度を有し、耐
湿、耐水、耐電触性、耐マイグレーション性に優れてお
り、各種材料、特にガラス、プラスチック等への接着性
が良好で、被覆樹脂13として好ましい特性を有する。
あるいは、樹脂枠8と同じシリコン樹脂を用いてもよ
い。または、樹脂枠8にこの被覆樹脂13とおなじアク
リル系接着剤を用いてもよい。
【0022】次に、図3〜図11を参照して、この実施
形態の製造工程について説明する。図3に示されるよう
な受光素子アレイ6の受光面上に図4に示されるよう
に、TlをドープしたCsIの柱状結晶を蒸着法によっ
て600μmの厚さだけ成長させてシンチレータ7層を
形成する。
【0023】一方、図5に示されるように受光部と受光
素子アレイのそれぞれの外周の間で、ボンディングパッ
ド4の内側のパッシベーション膜5上に受光部の外辺に
沿って樹脂枠8が幅1mm、高さ0.6mmの細長い枠状に
形成される。この枠形成には、例えば、岩下エンジニア
リング製AutoShooter-3型のような自動X−Yコーティ
ング装置を用いるとよい。この時に、上部に形成される
第1の有機膜9との密着性をさらに向上させるため、樹
脂枠8の表面を粗面処理すればより好ましい。粗面処理
としては、筋をいれたり、表面に多数の小さなくぼみを
形成する処理がある。
【0024】シンチレータ7層を形成するCsIは、吸
湿性が高く、露出したままにしておくと空気中の水蒸気
を吸湿して溶解してしまう。そこで、これを防止するた
めに、図6に示されるように、CVD法により厚さ10
μmのパリレンで基板全体を包み込んで第1の有機膜9
を形成する。CsIの柱状結晶には隙間があるが、パリ
レンはこの狭い隙間にある程度入り込むので、第1の有
機膜9は、シンチレータ7層に密着する。さらに、パリ
レンコーティングにより、凹凸のあるシンチレータ7層
表面に均一な厚さの精密薄膜コーティングが得られる。
また、パリレンのCVD形成は、前述したように、金属
蒸着時よりも真空度が低く、常温で行うことができるた
め、加工が容易である。
【0025】さらに、図7に示されるように、入射面側
の第1の有機膜9表面に0.2μm厚さのAl膜を蒸着
法により積層して無機膜10を形成する。そして、再度
CVD法により、パリレンを基板全体の表面に10μm
厚さで被覆して第2の有機膜11を形成する(図8参
照)。この第2の有機膜11には、無機膜10の腐蝕に
よる劣化を防ぐ。
【0026】こうして形成した保護膜12を樹脂枠8の
長手方向に沿ってカッター14で切断する(図9参
照)。樹脂枠8で凸部が形成されているため、切断箇所
の確認が容易なほか、樹脂枠8の厚みの分だけカッター
14を挿入する際の余裕があるため、樹脂枠8の下にあ
る信号線3を傷つけるおそれがなくなり、加工が簡単に
なり、製品の歩留まりが向上する。そして、この切断部
から外側及び入射面裏側の保護膜12を除去して、外部
回路との接続用のボンディングパッド4を露出させる
(図10参照)。その後、保護膜12の外周部と露出し
た樹脂枠8を覆うようにアクリル樹脂からなる被覆樹脂
13でコーティングして紫外線照射により、被覆樹脂1
3を硬化させる(図11参照)。
【0027】ここで、一般にパッシベーション膜5と第
1の有機膜9は、密着性が悪い。しかし、本実施形態の
構造によれば、第1の有機膜9とパッシベーション膜5
との間に双方と密着する樹脂枠8を介しているため、第
1の有機膜9が樹脂枠8によりパッシベーション膜5に
密着する。また、被覆樹脂13を設けなくとも、保護膜
12は、樹脂枠8を介して受光素子アレイ12に密着す
るが、被覆樹脂13を形成すれば、第1の有機膜9を含
む保護膜12が樹脂枠8と被覆樹脂13に挟み込まれて
固定されるので、受光素子アレイ6上への保護膜12の
密着性がより一層向上して好ましい。したがって、保護
膜12によりシンチレータ7が密封されるので、シンチ
レータ7への水分の侵入を確実に防ぐことができ、シン
チレータ7の吸湿劣化による素子の解像度低下を防ぐこ
とができる。
【0028】続いて、本実施形態の動作を図1、図2に
より、説明する。入射面側から入射したX線(放射線)
は、第1の有機膜9、無機膜10、第2の有機膜11の
全てを透過してシンチレータ7に達する。このX線は、
シンチレータ7で吸収され、X線の光量に比例した可視
光が放射される。放射された可視光のうち、X線の入射
方向に逆行した可視光は、第1の有機膜9を透過して、
無機膜10で反射される。このため、シンチレータ7で
発生した可視光はほとんど全てが、パッシベーション膜
5を経て受光素子2に入射する。このため、効率の良い
高感度の測定が可能となる。
【0029】各々の受光素子2では、光電変換により、
この可視光の光量に対応する電気信号が生成されて一定
時間蓄積される。この可視光の光量は入射するX線の光
量に対応しているから、つまり、各々の受光素子2に蓄
積されている電気信号は、入射するX線の光量に対応す
ることになり、X線画像に対応する画像信号が得られ
る。受光素子2に蓄積されたこの画像信号を信号線3を
介してボンディングパッド4から順次読み出すことによ
り、外部に転送し、これを所定の処理回路で処理するこ
とにより、X線像を表示することができる。
【0030】以上の説明では、保護膜12としてパリレ
ン製の第1の有機膜9、11の間に無機膜10を挟み込
んだ構造のものについて説明したが、第1の有機膜9と
第2の有機膜11の材料は異なるものでも良い。また、
無機膜10として腐蝕に強い材料を使用しているような
場合は、第2の有機膜11自体を設けなくてもよい。
【0031】また、ここでは、樹脂枠8と被覆樹脂13
が受光素子アレイ6の受光素子2部分の外側のパッシベ
ーション膜5上に形成されている例を説明したが、受光
素子2とボンディングパッド4が近接している場合に
は、その境界部分に樹脂枠8を形成するのは困難であ
る。ボンディングパッド4を確実に露出させ、かつ保護
膜12の周囲を被覆樹脂13で確実にコーティングする
ためには、樹脂枠8および被覆樹脂13の位置を受光素
子2側にずらすことが好ましい。そのためには、シンチ
レータ7を受光素子2上の全面に形成するのではなく、
ボンディングパッド4近傍の画素を除いた有効画面領域
の受光素子2上に形成する。そして、有効画面領域の外
側、つまり無効画素上に樹脂枠8を形成した上で、形成
したシンチレータ7の層全部を覆い、樹脂枠8に達する
ように保護膜12を形成する。その後、樹脂枠8の長手
方向に沿って保護膜12を切断し、有効画面領域外の保
護膜12を除去し、樹脂枠8に沿って保護膜12の縁を
被覆樹脂13によりコーティングすればよい。この場
合、ボンディングパッド4近傍の画素は樹脂枠8と被覆
樹脂13で覆われるか、前面にシンチレータ7が存在し
ないので、その放射線に対する感度が低下し、結果とし
てこれらの画素は使用できず受光素子2の有効画素数、
有効画面面積が減少することとなるが、受光素子2が大
画面で全画素数が多い場合には、無効画素の比率は少な
く、素子の構成によっては製作が容易になるメリットが
ある。
【0032】次に、図12、図13を参照して本発明の
別の実施形態について説明する。図12はこの実施形態
の放射線検出素子の上面図であり、図13はそのB−B
線拡大断面図である。この素子の基本的な構成は、図1
および図2に示される実施形態の素子と同一であり、相
違点のみを以下、説明する。
【0033】図12、図13に示されるこの実施形態で
は、保護膜12は受光素子アレイ6の受光面側および裏
面側の前面に形成されており、ボンディングアレイ4部
分のみが露出されている。そして、露出されたボンディ
ングアレイ4部分を囲むように、樹脂枠8が形成されて
おり、この樹脂枠8上で保護膜12の境界(縁)に沿っ
て被覆樹脂13がコーティングされている。本実施形態
でも、ボンディングパッド4部が確実に露出されるとと
もに、保護膜12は樹脂枠8と被覆樹脂13により受光
素子アレイ6に確実に密着されるのでシンチレータ7層
が密封されて、吸湿による劣化を防止することができ
る。
【0034】これは特にボンディングパッド4部が小さ
いCCDやMOS型の撮像素子の場合に保護膜のはがれ
を引き起こすおそれのある境界部分である縁部分の長さ
を減らすことができ有効である。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
吸湿性の高いシンチレータを保護するために、シンチレ
ータを覆ってパリレン等からなる有機膜が形成されてお
り、保護膜の役割を果たす。この有機膜は柱状結晶から
なるシンチレータ層の柱状結晶の上部隙間に入り込んで
形成されているのでシンチレータ層とが密着し、耐湿性
が向上する。そして、シンチレータ層の上部を覆ってい
る有機膜でさらにシンチレータ層の側面も覆っているの
で、次工程で無機膜を形成する場合においても、シンチ
レータ層が好適に防湿され、より放射線検出素子の信頼
性を向上させられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の上面図である。
【図2】図1のA−A線拡大断面図である。
【図3】図1の実施形態の製造工程を示す図である。
【図4】図1の実施形態の製造工程の続きを示す図であ
る。
【図5】図1の実施形態の製造工程の続きを示す図であ
る。
【図6】図1の実施形態の製造工程の続きを示す図であ
る。
【図7】図1の実施形態の製造工程の続きを示す図であ
る。
【図8】図1の実施形態の製造工程の続きを示す図であ
る。
【図9】図1の実施形態の製造工程の続きを示す図であ
る。
【図10】図1の実施形態の製造工程の続きを示す図で
ある。
【図11】図1の実施形態の製造工程の続きを示す図で
ある。
【図12】本発明の別の実施形態の上面図である。
【図13】図12のB−B線拡大断面図である。
【符号の説明】
1…基板、2…受光素子、3…信号線、4…ボンディン
グパッド、5…パッシベーション膜、6…受光素子アレ
イ、7…シンチレータ、8…樹脂枠、9、11…有機
膜、10…無機膜、12…保護膜。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−196742(JP,A) 特開 平5−107362(JP,A) 特開 昭62−73538(JP,A) 特開 昭63−215987(JP,A) 特開 平5−93780(JP,A) 特開 平7−238281(JP,A) 特開 平4−174400(JP,A) 国際公開98/36290(WO,A1) 米国特許4803366(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01T 1/20 G01T 7/00 H01L 31/09

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の受光素子を基板上に1次元あるい
    は2次元に配列して受光部を形成した受光素子アレイ
    と、 前記受光素子上に柱状結晶として堆積された放射線を光
    に変換するシンチレータ層と、 前記シンチレータ層の上面から側面を経て前記受光素子
    の前記シンチレータ層形成部の周囲の領域まで受光素
    子のパッシベーション膜に密着するように一括して
    い、前記柱状結晶の少なくとも上部の隙間に入り込むよ
    うにCVD法により直接、一体成形されている水分の侵
    入を遮断するためのポリパラキシリレン樹脂製の有機膜
    と、 を備えている放射線検出素子。
  2. 【請求項2】 前記有機膜は前記シンチレータ層の外側
    で前記受光素子表面に密着固定されている請求項1記載
    の放射線検出素子。
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