JP4670955B2 - フラットパネルディテクター - Google Patents

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Description

本発明は、可撓性をもったシンチレータパネルを有するフラットパネルディテクターに関する。
従来から、X線画像のような放射線画像は医療現場において病状の診断に広く用いられている。特に、増感紙−フィルム系による放射線画像は、長い歴史のなかで高感度化と高画質化が図られた結果、高い信頼性と優れたコストパフォーマンスを併せ持った撮像システムとして、いまなお、世界中の医療現場で用いられている。しかしながらこれら画像情報はいわゆるアナログ画像情報であって、近年発展を続けているデジタル画像情報のような、自由な画像処理や瞬時の電送が出来ない。
そして、近年ではコンピューテッド・ラジオグラフィ(CR)やフラットパネル型の放射線ディテクタ(FPD)等に代表されるデジタル方式の放射線画像検出装置が登場している。これらは、デジタルの放射線画像が直接得られ、陰極管や液晶パネル等の画像表示装置に画像を直接表示することが可能なので、必ずしも写真フィルム上への画像形成が必要なものではない。その結果、これらのデジタル方式のX線画像検出装置は、銀塩写真方式による画像形成の必要性を低減させ、病院や診療所での診断作業の利便性を大幅に向上させている。
X線画像のデジタル技術の一つとしてコンピューテッド・ラジオグラフィ(CR)が現在医療現場で受け入れられている。しかしながら鮮鋭性が十分でなく空間分解能も不十分であり、スクリーン・フィルムシステムの画質レベルには到達していない。
そして、更に新たなデジタルX線画像技術として、例えば雑誌Physics Today,1997年11月号24頁のジョン・ローランズ論文“Amorphous Semiconductor Usher in Digital X−ray Imaging”や、雑誌SPIEの1997年32巻2頁のエル・イー・アントヌクの論文”Development of aHigh Resolution,Active Matrix,Flat−Panel Imager with Enhanced Fill Factor”等に記載されている、薄膜トランジスタ(TFT)を用いた平板X線検出装置(FPD)が開発されている。
放射線を可視光に変換するために、放射線により発光する特性を有するX線蛍光体で作られたシンチレータプレートが使用されるが、低線量の撮影においてのSN比を向上するためには、発光効率の高いシンチレータプレートを使用することが必要になってくる。一般にシンチレータプレートの発光効率は、蛍光体層の厚さ、蛍光体のX線吸収係数によって決まるが、蛍光体層の厚さは厚くすればするほど、蛍光体層内での発光光の散乱が発生し、鮮鋭性は低下する。そのため、画質に必要な鮮鋭性を決めると、膜厚が決定する。
なかでもヨウ化セシウム(CsI)はX線から可視光に対する変更率が比較的高く、蒸着によって容易に蛍光体を柱状結晶構造に形成出来るため、光ガイド効果により結晶内での発光光の散乱が抑えられ、蛍光体層の厚さを厚くすることが可能であった。しかしながらCsIのみでは発光効率が低いために、例えば特公昭54−35060号の如く、CsIとヨウ化ナトリウム(NaI)を任意のモル比で混合したものを、蒸着を用いて基板上にナトリウム賦活ヨウ化セシウム(CsI:Na)として堆積、又近年ではCsIとヨウ化タリウム(TlI)を任意のモル比で混合したしたものを、蒸着を用いて基板上にナトリウム賦活ヨウ化タリウム(CsI:Tl)として堆積したものに、後工程としてアニールを行うことで可視変換効率を向上させ、X線蛍光体として使用している。
しかしながら、CsIをベースとしたシンチレータ(蛍光体層)は潮解性があり、経時で特性が劣化するという欠点がある。この様な経時劣化を防止するためにCsIをベースとしたシンチレータ(蛍光体層)の表面に防湿性保護フィルムを形成することが提案されている。例えば、ポリパラキシリレン樹脂によりシンチレータ層(本発明の蛍光体層に該当する)の上部、側面及び基板のシンチレータ層外周部を覆う方法が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。しかしながら特許文献1に記載のポリパラキシリレン樹脂は防湿性が弱く、十分に蛍光体層を保護出来ないこと及びシンチレータ層を構成している柱状結晶の間隙にもポリパラキシリレン樹脂が進入し、光ガイド効果を阻害するという欠点があった。
又、水分透過率1.2g/m・日未満の透明樹脂フィルムでシンチレータ層の少なくとも支持体に対向する側の反対側と、側面とを覆う方法が知られている(例えば、特許文献2を参照)。
しかしながら特許文献2に記載の方法では、ポリプロプレンやポリエチレンテレフタレートの如き透明な有機高分子フィルムを保護フィルムとして蛍光体層の上に密着した状態で設置した場合は高い防湿性が得られるものの、鮮鋭性が低下するという致命的な欠点があり、これを回避するためにはフィルムの厚みを5μm以下にする必要があり、蛍光体層を化学的な変質あるいは物理的な衝撃から保護するには不十分なものとなり、実質的に保護フィルムとして使用出来ないのが実情であった。またシンチレータパネルを受光素子面上に配置するにあたっては、例えば特開平5−312961、特開平6−331749の方法があるがこれらは生産効率が悪く、シンチレータパネルと受光素子面での鮮鋭性の劣化は避けられない。また特開2002−116258では、保護フィルムとしてポリパラキシリレン等の柔軟な保護フィルムを使用した例が示されているが、柔軟な有機膜を保護フィルムとした場合、保護フィルムと受光素子面が密着してしまう為、後述する理由によりシンチレータからの発光光が保護フィルム内で伝播し鮮鋭性が劣化する。
また従来、真空蒸着法によるシンチレータの製造方法としては、アルミやアモルファスカーボンなど剛直な基板上に蛍光体層を形成し、その上にシンチレータの表面全体を保護膜で被覆させることが一般的である(特許第3566926号)。
しかしながら、自由に曲げることのできないこれらの基板上に蛍光体層を形成した場合、シンチレータパネルと受光素子面を貼り合せる際に、基板の変形や蒸着時の反りなどの影響を受け、フラットパネルディテクターの受光面内で均一な画質特性が得られないという欠点がある。この問題は近年のフラットパネルディテクターの大型化に伴い深刻化してきている。
この問題を回避するために撮像素子上に直接、蒸着でシンチレータを形成する方法や、鮮鋭性の低いが、可撓性を有する医用増感紙などをシンチレータの代用として用いることが一般的に行われている。
この様な状況から、生産適正にすぐれ、蛍光体層の経時での特性劣化を防止し、蛍光体層を化学的な変質あるいは物理的な衝撃から保護し、シンチレータパネルと受光素子面間での鮮鋭性の劣化が少ない放射線フラットパネルディテクターを開発することが望まれている。
特開2000−284053号公報 特開2005−308582号公報
本発明は、上記状況に鑑み成されたものであり、本発明の目的は、蛍光体層の経時での特性劣化を防止し、蛍光体層を化学的な変質あるいは物理的な衝撃から保護し、鮮鋭性の良好な放射線フラットパネルディテクターを提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成された。
1.基板上に蛍光体層が設けられてなるシンチレータシートを、該蛍光体層の側に配置した第1保護フィルムと、該基板の側に配置した第2保護フィルムとにより封止したシンチレータパネルの第1保護フィルム側に受光素子を配置したフラットパネルディテクターにおいて、該第1保護フィルムの該蛍光体層側の面の表面粗さ、および該第1保護フィルムの該受光素子側の面の表面粗さがRaで0.05μm〜0.8μmであり、且つ封止を5Pa〜8000Paで行うことを特徴とするフラットパネルディテクター。
.前記第1保護フィルム及び前記第2保護フィルムの厚みが12μm以上200μm以下であることを特徴とする上記の1に記載のフラットパネルディテクター。
.基板が、厚さ50μm以上500μm以下で、可撓性を有する高分子フィルムからなることを特徴とする上記の1または2のいずれかに記載のフラットパネルディテクター。
.高分子フィルムがポリイミド(PI)またはポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムであることを特徴とする上記のに記載のフラットパネルディテクター。
.シンチレータパネルの総厚が1mm以下であることを特徴とする上記の1〜4のいずれかに記載のフラットパネルディテクター。
.前記蛍光体層がヨウ化セシウム(CsI)であることを特徴とする上記の1〜5のいずれかに記載のフラットパネルディテクター。
即ち、本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討を加えた結果、ポリプロプレンやポリエチレンテレフタレートの如き透明な高分子フィルムを保護フィルムとして蛍光体層の上に蛍光体層と密着した状態で設置した場合、高い防湿性が得られるが、蛍光体層で発光した光が保護フィルムを通過する際、保護フィルム内部に入射した発光光の内、臨界角θを超える角度の光は保護フィルム−空気層界面で全反射され、この反射光が遠くまで伝播してしまうため鮮鋭性が劣化する問題があることを見出した。更に、保護フィルムが厚いほどこの反射光は遠くまで達し、より鮮鋭性が劣化するものと推定した。
これらに対して、保護フィルム−空気層界面での全反射を防止するには、蛍光体層で発光した光を保護フィルムに入射する際、臨界角θが存在しない構成とすることで保護フィルム−空気層界面で再反射することなく外部に放出される。
また保護フィルムと受光素子面が密着している場合、界面で散乱したシンチレータの発光光は、保護フィルム内を伝播し近傍の画素に再入射してしまうために鮮鋭性が劣化するものと推定した。これに対し、受光素子面と保護フィルム間に空気層が存在すると、受光素子面で散乱した発光光は、空気層と保護フィルムの屈折率の関係で全反射することなく、シンチレータ側に戻り、近傍の画素に再入射しないことが判明し、本発明に至った。
本発明で言う、実質的に接着していない状態とは、微視的には蛍光体面と防湿性保護フィルムは点接触してはいたとしても、光学的、力学的にはほとんど蛍光体面と防湿性保護フィルムは不連続体として扱える状態のことである。
さらに、シンチレータパネルと受光素子面を貼り合せる際に、基板の変形や蒸着時の反りなどの影響を受け、フラットパネルディテクターの受光面内で均一な画質特性が得られないという点に関して、該基板を、厚さ50μm以上500μm以下の高分子フィルムとすること及びシンチレータパネルの総厚を1mm以下にすることでシンチレータパネルが受光素子面形状に合った形状に変形し、フラットパネルディテクターの受光面全体で均一な鮮鋭性が得られることが判明し、本発明に至った。
蛍光体層の経時での特性劣化を防止し、蛍光体層を化学的な変質あるいは物理的な衝撃から保護し、鮮鋭性の良好なフラットパネルディテクターを提供することが出来とともに信頼性を高め、安心して使用することが可能となった。
シンチレータパネルの概略平面図である。 図1(a)のA−A′に沿った概略断面図である。 図2に示される空隙部における光の屈折の状態と、従来の保護フィルムと蛍光体層とが密着した状態における光の屈折の状態を示す模式図である。 基板の上に気相堆積法で蛍光体層を形成する蒸着装置の模式図である。
符号の説明
1a〜1c シンチレータパネル
101 シンチレータシート
101a、3 基板
101b 蛍光体層
102a、104 第1保護フィルム
102b 第2保護フィルム
103a〜103d、105a、105b、107a〜107c 封止部
108 空隙部(空気層)
E〜H 点接触部分
R〜T、X〜Z 光
2 蒸着装置
20 真空容器
202 蒸発源
203 基板ホルダ
204 基板回転機構
205 真空ポンプ
本発明の実施の形態図1〜図5を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1はシンチレータパネルの概略平面図である。図1(a)はシンチレータシートを4方シールで保護フィルムにより封止したシンチレータパネルの概略平面図である。図1(b)はシンチレータシートを2方シールで保護フィルムにより封止したシンチレータパネルの概略平面図である。図1(c)はシンチレータシートを3方シールで保護フィルムにより封止したシンチレータパネルの概略平面図である。
図1(a)のシンチレータパネルに付き説明する。図中、1aはシンチレータパネルを示す。シンチレータパネル1aは、シンチレータシート101と、シンチレータシート101の蛍光体層101b(図2を参照)側に配置された第1保護フィルム102aと、シンチレータシート101の基板101a側に配置された第2保護フィルム102b(図2を参照)とを有している。103a〜103dは第1保護フィルム102aと第2保護フィルム102b(後述の図2を参照)との4箇所の封止部を示し、封止部103a〜103dはシンチレータシート101の周縁部より何れも外側に形成されている。4方シールとは、本図に示す如く、4方に封止部を有する状態を言う。本図に示される、4方シールの形態は第1保護フィルム102aと第2保護フィルム102b(図2を参照)との2枚のシート状の保護フィルムの間にシンチレータシートを挟み、4方をシールすることで作製することが出来る。この場合、第1保護フィルム102aと、第2保護フィルム102b(図2を参照)とは、異なっていても、同じてあってもよく、必要に応じて適宜選択することが可能である。
図1(b)のシンチレータパネルに付き説明する。図中、1bはシンチレータパネルを示す。シンチレータパネル1bは、シンチレータシート101と、シンチレータシート101の蛍光体層101b(図2を参照)側に配置された第1保護フィルム104と、シンチレータシート101の基板101a側に配置された第2保護フィルム(不図示)とを有している。105a、105bは保護フィルム104と基板側に配置された第2保護フィルム(不図示)との2箇所の封止部を示し、封止部105a、105bはシンチレータシート101の周縁部より何れも外側に形成されている。2方シールとは、本図に示す如く、2方に封止部を有する状態を言う。本図に示される、2方シールの形態はインフレーション法により筒状に形成された保護フィルムの間にシンチレータシートを挟み、2方をシールすることで作製することが出来る。この場合、第1保護フィルム104と第2保護フィルム(不図示)とに使用する保護フィルムは同じものとなる。
図1(c)のシンチレータパネルに付き説明する。図中、1cはシンチレータパネルを示す。シンチレータパネル1cは、シンチレータシート101と、シンチレータシート101の蛍光体層101b(図2を参照)側に配置された第1保護フィルム106と、シンチレータシート101の基板101a側に配置された第2保護フィルム(不図示)とを有している。107a〜107cは第1保護フィルム106と基板側に配置された第2保護フィルム(不図示)との3箇所の封止部を示し、封止部107a〜107cはシンチレータシート101の周縁部より何れも外側に形成されている。3方シールとは、本図に示す如く、3方に封止部を有する状態を言う。本図に示される、3方シールの形態は一枚の保護フィルムを中心で折りたたみ、形成された2枚の保護フィルムの間にシンチレータシートを挟み、3方をシールすることで作製することが出来る。この場合、第1保護フィルム106と、第2保護フィルム(不図示)とに使用する保護フィルムは同じものとなる。図1(a)〜図1(c)に示す様に第1保護フィルムと第2保護フィルムとの2枚の保護フィルムの封止部がシンチレータシートの周縁部の外側にあるため外周部からの水分進入を阻止することが可能となっている。図1(a)〜図1(c)に示すシンチレータシートの蛍光体層は、後述する気相堆積法で基板の上に形成することが好ましい。気相堆積法としては、蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法等を用いることが可能である。
図1(a)〜図1(c)に示すシンチレータパネルの形態は、シンチレータシートの蛍光体層の種類、製造装置等により選択することが可能である。
図2は、図1(a)のA−A′に沿った概略断面及び受光素子と接触状態を示した図である。図2(a)は、図1(a)のA−A′に沿った概略拡大断面及び受光素子と接触状態を示した図である。図2(b)は、図2(a)のPで示される部分の概略拡大図である。
シンチレータシート101は基板101aと、基板101aの上に形成された蛍光体層101bとを有している。102bはシンチレータシート101の基板101a側に配置された第2保護フィルムを示す。108は第1保護フィルム102aと蛍光体層101bとの間で部分的に接触している点接触部分E〜Iの間に形成された空隙部(空気層)を示す。空隙部(空気層)108は空気層となっており、空隙部(空気層)108の屈折率と第1保護フィルム102aの屈折率との関係は、第1保護フィルム102aの屈折率>>空隙部(空気層)108の屈折率となっている。
また109は第1保護フィルム102aと受光素子201との間で部分的に接触している点接触部分J〜Oの間に形成された空隙部(空気層)を示す。空隙部(空気層)109は空気層となっており、空隙部(空気層)109の屈折率と第1保護フィルム102aの屈折率との関係は、第1保護フィルム102aの屈折率>>空隙部(空気層)109の屈折率となっている。
尚、図1(b)、図1(c)に示されるシンチレータパネルの場合、空隙部(空気層)108及び109の屈折率と第1保護フィルム102aの屈折率との関係は、本図の場合と同じである。
即ち、蛍光体層101b側に配置された第1保護フィルム102aは蛍光体層101bと全面密着の状態とはなっておらず、点接触部分E〜Iで部分的に接触している状態となっている。蛍光体層101b側に配置された第1保護フィルム102aで蛍光体層101b側全面を覆う封止作業を行うとき、5Pa〜8000Pa、より好ましくは10Pa〜6000Paで行うことが好ましい。本発明では、この様な状態を蛍光体層側に配置された第1保護フィルムは実質的に接着していない状態と言う。尚、図1(b)、図1(c)に示されるシンチレータパネルの場合も、封止時の圧力は本図の場合と同じである。
また第1保護フィルム102aは受光素子201と全面密着の状態とはなっておらず、点接触部分J〜Oで部分的に接触している状態となっている。
本図に示す様に、シンチレータパネル1aはシンチレータシート101の蛍光体層101b側に配置された第1保護フィルム102aと、基板101a側に配置された第2保護フィルム102bとで基板101a及び蛍光体層101bの全面が覆われているが、第1保護フィルム102aで実質的に接着しておらず、第1保護フィルム102aと第2保護フィルム102bの4辺の各端部を封止した形態となっている。
蛍光体層101bの全面が第1保護フィルム102aで実質的に接着していない状態で覆う方法として次の方法が挙げられる。
(1)シンチレータシートを第1保護フィルムと、第2保護フィルムとにより封止するとき、5Pa〜8000Pa、より好ましくは10Pa〜6000Paの減圧条件で行う。この場合、高真空側で封止すると保護フィルムと蛍光体層の接触部分が増加し、逆に低真空側で封止すると接触部分は減少する。又圧力が8000Pa以上になると保護フィルム表面にシワが発生し易くなり現実的ではない。
(2)第1保護フィルムの蛍光体層と接触する表面の表面粗さを、第1保護フィルムとの密着性、鮮鋭性、受光素子との密着性等を考慮し、Raで0.05μm〜0.8μmとする。第1保護フィルムの表面形状は、使用する樹脂フィルムを選択することや樹脂フィルム表面に無機物等を含んだ塗膜を塗設することで容易に調整することが可能である。尚、表面粗さRaは、東京精密社製サーフコム1400Dにより測定した値を示す。
上記の(1)及び(2)の方法を単独又は組み合わせることで、蛍光体層101bの全面が第1保護フィルム102aで実質的に接着していない状態で覆うことが可能となる。
第1保護フィルム102aと受光素子201が実質的に接着していない状態にする方法としては次の方法が挙げられる。
1)シンチレータパネル1aと受光素子を重ねて配置したあと、第2保護フィルム側からスポンジ等のフォーム材の弾性を利用して適度な圧力で押し付ける方法。
上記の1)で、第1保護フィルム102aと受光素子201で実質的に接着していない状態にすることができる。
保護フィルムの厚さは、空隙部の形成性、蛍光体層の保護性、鮮鋭性、防湿性、作業性等を考慮し、12μm以上、200μm以下が好ましく、更には20μm以上、40μm以下が好ましい。厚さは、(株)テクロック製触針式膜厚計(PG−01)により10箇所を測定し平均した値を示す。
また、ヘイズ率は、鮮鋭性、放射線画像ムラ、製造安定性、作業性等を考慮し、3%以上40%以下が好ましく、更には3%以上、10%以下が好ましい。ヘイズ率は、例えば日本電色工業株式会社NDH 5000Wにより求めることができる。
保護フィルムの光透過率は、光電変換効率、シンチレータ発光波長等を考慮し、550nmで70%以上あることが好ましいが、99%以上の光透過率のフィルムは工業的に入手が困難であるため実質的に99%〜70%が好ましい。光透過率は、例えば株式会社日立ハイテクノロジーズ製分光光度計(U−1800)により求めることができる。
保護フィルムの透湿度は、蛍光体層の保護性、潮解性等を考慮し50g/m・day(40℃・90%RH)(JIS Z0208に準じて測定)以下が好ましく、更には10g/m・day(40℃・90%RH)(JIS Z0208に準じて測定)以下が好ましい。
本図に示す様にシンチレータシート101を第1保護フィルム102aと第2保護フィルム102bとで封止する方法は如何なる既知の方法でもかまわないが、例えばインパルスシーラーを使用した熱溶着で効率よく封止するため、保護フィルム102aと保護フィルム102bとの接触する最内層を熱融着性を有する樹脂フィルムとすることが好ましい。
図3(a)、図3(b)は、図2(a)、図2(b)に示される空隙部108における光の屈折の状態と、従来の保護フィルムと蛍光体層とが密着した状態における光の屈折の状態を示す模式図である。図3(a)は、図2(b)に示される空隙部108における光の屈折の状態を示す模式図である。図3(b)は従来の保護フィルムと蛍光体層とが密着した状態における光の屈折の状態を示す模式図である。
図3(a)の場合に付き説明する。
本図に示される場合は、保護フィルムと蛍光体層との間に空隙部(空気層)108が存在する状態にあるため、第1保護フィルム102aの屈折率と空隙部(空気層)108の屈折率との関係は、第1保護フィルムの屈折率>>空隙部(空気層)の屈折率となっている。このため、蛍光体層面での発光した光R〜Tは、第1保護フィルム102aと空隙部(空気層)108の界面で反射されることなく(臨界角を有しない状態)保護フィルム内に入射し、入射した光は、空気層(低屈折率層)/保護フィルム/空気層と言う光学的対称構造により、保護フィルム−空気層界面で再反射することなく外部に放出されるため鮮鋭性の劣化の防止が可能となる。
図3(b)の場合に付き説明する。
本図に示される場合は、保護フィルムと蛍光体層とが密着した状態にあるため、蛍光体面での発光した光X〜Zの内、臨界角θを超える角度の光Zは保護フィルム−空気層と言う光学的非対称構造により、界面で全反射される割合が多くなる。このため、鮮鋭性が劣化する原因の一つになる。
本発明では、シンチレータシートを第1保護フィルムと第2保護フィルムとにより封止するとき、図3(a)に示すように蛍光体層と第1保護フィルムの間を実質的に接着していない状態にすることと保護フィルムと受光素子面の間を実質的に接着していない状態にすることで鮮鋭性を劣化させないシンチレータパネルの製造が可能となった。
また、基板を、厚さ50μm以上500μm以下の高分子フィルムとすること及びシンチレータパネルの総厚を1mm以下にすることでシンチレータパネルが受光素子面形状に合った形状に変形し、フラットパネルディテクターの受光面全体で均一な鮮鋭性が得られることが判明し、本発明に至った。
本発明における蒸着基板用の高分子フィルムとしては、厚さ50μm以上500μm以下であり可撓性があればいかなるものも使用可能であるが、蒸着時の耐熱性の観点からポリイミド(PI)またはポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムが好ましい。
本発明では、図1(a)、図1(b)、図1(c)、図2(a)、図2(b)、図3(a)、図3(b)に示す様に、シンチレータシートを第1保護フィルムと第2保護フィルムとにより封止するとき、蛍光体層を覆う第1保護フィルムを実質的に接着していない状態とすることで(蛍光体層と第1保護フィルムの間に点接触箇所を設け、点接触箇所の間に空隙部(空気層)を設ける)次の効果が得られた。
1)強さの面で保護フィルムとして優れた物性を有していながら、屈折率が大であるために、鮮鋭性を低下させることから使用することが難しいかったポリプロプレンフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンナフタレートフィルム等の使用が容易になり、高品質で、長期間性能低下を防ぐことができるシンチレータパネルの製造が可能となった。
2)耐傷性の高い保護フィルムを、画質を劣化させることなく使用出来るようになるため、長期にわたる耐久性に優れたシンチレータパネルの実現が可能となった。
3)蛍光体結晶のライトガイド効果を阻害することなく、耐久性に優れた保護フィルムが実現可能となった。
図4は基板の上に気相堆積法で蛍光体層を形成する蒸着装置の模式図である。
図中、2は蒸着装置を示す。蒸着装置2は、真空容器20と、真空容器20内に設けられて基板3に蒸気を蒸着させる蒸発源202と、基板3を保持する基板ホルダ203と、基板ホルダ203を蒸発源202に対して回転させることによって蒸発源202からの蒸気を蒸着させる基板回転機構204と、真空容器20内の排気及び大気の導入を行う真空ポンプ205等を備えている。
蒸発源202は、蛍光体層形成材料を収容して抵抗加熱法で加熱するため、ヒータを巻いたアルミナ製のルツボから構成してもよいし、ボートや、高融点金属からなるヒータから構成してもよい。又、蛍光体層形成材料を加熱する方法は、抵抗加熱法以外に電子ビームによる加熱や、高周波誘導による加熱等の方法でもよいが、本発明では、比較的簡単な構成で取り扱いが容易、安価、且つ、非常に多くの物質に適用可能である点から抵抗加熱法が好ましい。又、蒸発源202は分子源エピタキシャル法による分子線源でもよい。
基板回転機構204は、例えば、基板ホルダ203を支持するとともに基板ホルダ204を回転させる回転軸204aと、真空容器20外に配置されて回転軸204aの駆動源となるモータ(図示しない)等から構成されている。
又、基板ホルダ203には、基板3を加熱する加熱ヒータ(図示しない)を備えることが好ましい。基板3を加熱することによって、基板3の表面の吸着物を離脱・除去し、基板3の表面と蛍光体層形成材料との間に不純物層の発生を防いだり、密着性の強化や蛍光体層の膜質調整を行ったりすることが出来る。
更に、基板3と蒸発源202との間に、蒸発源202から基板3に至る空間を遮断するシャッタ(図示しない)を備えるようにしてもよい。シャッタによって蛍光体層形成材料の表面に付着した目的物以外の物質が蒸着の初期段階で蒸発し、基板3に付着するのを防ぐことが出来る。
この様に構成された蒸着装置2を使用して、基板3に蛍光体層を形成するには、まず、基板ホルダ203に支持体3を取り付ける。次いで、真空容器20内を真空排気する。その後、基板回転機構204により基板ホルダ203を蒸発源202に対して回転させ、蒸着可能な真空度に真空容器20が達したら、加熱された蒸発源202から蛍光体層形成材料を蒸発させて、基板3の表面に蛍光体を所望の厚さに成長させる。この場合において、基板3と蒸発源202の間隔は、100mm〜1500mmに設置するのが好ましい。尚、蒸発源として使用する蛍光体層形成材料は、加圧圧縮によりタブレットの形状に加工しておいてもよいし、粉末状態でもよい。又、蛍光体層形成材料の代わりにその原料もしくは原料混合物を用いても構わない。
基板としては、可撓性のあるシートとしてはウェブに加工出来るものが好適であり、この点から言えばセルロースアセテートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、トリアセテートフィルム、ポリカーボネートフィルム等のプラスチックフィルムが好ましい。これらの基板の表面は滑面であってもよいし、蛍光体層との接着性を向上させる目的でマット面としてもよい。更に、これら基板は、蛍光体層との接着性を向上させる目的で蛍光体層が設けられる面に下引層を設けてもよい。
又、これら基板の厚さは、可撓性の観点から50〜500μmが好ましく、更に好ましくは75〜250μmである。基板の厚さは、(株)テクロック製触針式膜厚計(PG−01)により測定した値を示す。
蛍光体層を形成する材料としては、X線から可視光に対する変更率が比較的高く、蒸着によって容易に蛍光体を柱状結晶構造に形成出来るため、光ガイド効果により結晶内での発光光の散乱が抑えられ、蛍光体層の厚さを厚くすることが可能であることからヨウ化セシウム(CsI)が使用される。但しCsIのみでは発光効率が低いために、各種の賦活剤が添加される。例えば、特公昭54−35060号の如く、CsIとヨウ化ナトリウム(NaI)を任意のモル比で混合したものが挙げられる。
又、最近では、例えば特開2001−59899に示されたように、CsIを蒸着で、インジウム(In)、タリウム(Tl)、リチウム(Li)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、ナトリウム(Na)などの賦活物質をスパッタで形成するX線蛍光体製作方法なども考案されている。
次に本発明に使用する保護フィルムの材料について説明する。
本発明に使用する保護フィルムの構成例としては、保護フィルム(最外層)/中間層(防湿性層)/最内層(熱溶着層)の構成を有した多層積層材料が挙げられる。又、更に各層は必要に応じて多層とすることも可能となっている。
最内層(熱溶着層)
最内層(熱溶着層)の熱可塑性樹脂フィルムとしてはEVA、PP、LDPE、LLDPE及びメタロセン触媒を使用して製造したLDPE、LLDPE、又、これらフィルムとHDPEフィルムの混合使用したフィルムを使用することが好ましい。
中間層(防湿性層)
中間層(防湿性層)としては、特開平6−95302号及び真空ハンドブック増訂版p132〜p134(ULVAC 日本真空技術K.K)に記載されている如き、無機膜を少なくとも一層有する層が挙げられる。無機膜としては金属蒸着膜及び無機酸化物の蒸着膜が挙げられる。
金属蒸着膜としては、例えばZrN、SiC、TiC、Si、単結晶Si、ZrN、PSG、アモルファスSi、W、アルミニウム等が挙げられ、特に好ましい金属蒸着膜としては、例えばアルミニウムが挙げられる。
無機物蒸着膜としては薄膜ハンドブックp879〜p901(日本学術振興会)、真空技術ハンドブックp502〜p509、p612、p810(日刊工業新聞社)、真空ハンドブック増訂版p132〜p134(ULVAC 日本真空技術K.K)に記載されている如き無機物蒸着膜が挙げられる。これらの無機物蒸着膜としては、例えば、Cr、Si(x=1、y=1.5〜2.0)、Ta、ZrN、SiC、TiC、PSG、Si、単結晶Si、アモルファスSi、W、AI等が用いられる。
中間層(防湿性層)の基材として使用する熱可塑性樹脂フィルムとしてはエチレンテトラフルオロエチル共重合体(ETFE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、延伸ポリプロピレン(0PP)、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、2軸延伸ナイロン6、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド、ポリエーテルスチレン(PES)など一般の包装用フィルムに使用されているフィルム材料を使用することが出来る。
蒸着膜を作る方法としては真空技術ハンドブック及び包装技術Vol29−No.8に記載されている如き一般的な方法、例えば抵抗又は高周波誘導加熱法、エレクトロビーム(EB)法、プラズマ(PCVD)等により作ることが出来る。蒸着膜の厚さとしては40〜200nmの範囲が好ましく、より好ましくは50〜180nmの範囲である。
保護フィルム(最外層)
蒸着フィルムシートを介して用いられる熱可塑性樹脂フィルムとしては一般の包装材料として使用されている高分子フィルム(例えば機能性包装材料の新展開株式会社東レリサーチセンター記載の高分子フィルム)である低密度ポリエチレン(LDPE)、HDPE、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン、未延伸ポリプロピレン(CPP)、OPP、延伸ナイロン(ONy)、PET、セロハン、ポリビニルアルコール(PVA)、延伸ビニロン(OV)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVOH)、塩化ビニリデン(PVDC)、フッ素を含むオレフィン(フルオロオレフィン)の重合体又はフッ素を含むオレフィンの共重合体等が使用出来る。
又、これら熱可塑性樹脂フィルムは、必要に応じて異種フィルムと共押し出しで作った多層フィルム、延伸角度を変えて張り合わせて作った多層フィルム等も当然使用出来る。更に必要とする包装材料の物性を得るために使用するフィルムの密度、分子量分布を組み合わせて作ることも当然可能である。最内層の熱可塑性樹脂フィルムとしてはLDPE、LLDPE及びメタロセン触媒を使用して製造したLDPE、LLDPE、又、これらフィルムとHDPEフィルムの混合使用したフィルムが使用されている。
無機物蒸着層を使用しない場合は、保護フィルムに中間層としての機能を持たせる必要がある。この場合、保護フィルムに使用する熱可塑性樹脂フィルムのなかより必要に応じて単体でもよいし又は、2種以上のフィルムを積層させて用いることが出来る。例えばCPP/OPP、PET/OPP/LDPE、Ny/OPP/LDPE、CPP/OPP/EVOH、サランUB/LLDPE(ここでサランUBとは旭化成工業株式会社製の塩化ビニリデン/アクリル酸エステル系共重合樹脂を原料とした2軸延伸フィルムを示す。)K−OP/PP、K−PET/LLDPE、K−Ny/EVA(ここでKは塩化ビニリデン樹脂をコートしたフィルムを示す)等が使用されている。
これら保護フィルムの製造方法としては、一般的に知られている各種の方法が用いられ、例えばウェットラミネート法、ドライラミネート法、ホットメルトラミネート法、押し出しラミネート法、熱ラミネート法を利用して作ることが可能である。無機物を蒸着したフィルムを使用しない場合も同様な方法が当然使えるがこれらの他に使用材料によっては多層インフレーション方式、共押し出し成形方式により作ることが出来る。
積層する際に使用される接着剤としては一般的に知られている接着剤が使用可能である。例えば各種ポリエチレン樹脂、各種ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系熱可塑性樹脂熱溶解接着剤、エチレン−プロピレン共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体樹脂等のエチレン共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂、アイオノマー樹脂等の熱可塑性樹脂熱溶融接着剤、その他熱溶融型ゴム系接着剤等がある。エマルジョン、ラテックス状の接着剤であるエマルジョン型接着剤の代表例としては、ポリ酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル−エチレン共重合体樹脂、酢酸ビニルとアクリル酸エステル共重合体樹脂、酢酸ビニルとマレイン酸エステル共重合体樹脂、アクリル酸共重合物、エチレン−アクリル酸共重合物等のエマルジョンがある。ラテックス型接着剤の代表例としては、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)等のゴムラテックスがある。又、ドライラミネート用接着剤としてはイソシアネート系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤等があり、その他、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体樹脂等をブレンドしたホットメルトラミネート接着剤、感圧接着剤、感熱接着剤等公知の接着剤を用いることも出来る。エクストルージョンラミネート用ポリオレフィン系樹脂接着剤はより具体的に言えば、各種ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブチレン樹脂などのポリオレフィン樹脂からなる重合物及びエチレン共重合体(EVA、EEA、等)樹脂の他、L−LDPE樹脂の如く、エチレンと他のモノマー(α−オレフィン)を共重合させたもの、Dupont社のサーリン、三井ポリケミカル社のハイミラン等のアイオノマー樹脂(イオン共重合体樹脂)及び三井石油化学(株)のアドマー(接着性ポリマー)等がある。その他紫外線硬化型接着剤も最近使われはじめた。特にLDPE樹脂とL−LDPE樹脂が安価でラミネート適性に優れているので好ましい。又前記記載樹脂を2種以上ブレンドして各樹脂の欠点をカバーした混合樹脂は特に好ましい。例えばL−LDPE樹脂とLDPE樹脂をブレンドすると延展性が向上し、ネックインが小さくなるのでラミネート速度が向上し、ピンホールが少なくなる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1
(シンチレータシートの作製)
(基板の準備)
基板として、Arガス中でプラズマ処理を施した厚さ0.125mmのポリイミドフィルム(90mm×90mm)と0.5mmのアルミ基板を準備した。
(蛍光体層の形成)
図4に示す蒸着装置を使用して、準備した基板に蛍光体(CsI:0.003Tl)を蒸着させ蛍光体層を形成し、シンチレータシートを作製した。
蛍光体原料(CsI:0.003Tl)を抵抗加熱ルツボに充填し、基板ホルダにアルミニウム板を設置し、抵抗加熱ルツボと基板との間隔を400mmに調節した。続いて蒸着装置内を一旦排気し、Arガスを導入して0.5Paに真空度を調整した後、10rpmの速度で基板を回転しながら基板の温度を150℃に保持した。次いで、抵抗加熱ルツボを加熱して蛍光体を蒸着し蛍光体層の膜厚が160μmとなったところで蒸着を終了した。
(保護フィルムの準備)
蛍光体面側の保護フィルムとして、表1に示す様に表面粗さを変えた厚さ30μmのポリプロピレンフィルム(PP)を用意し、No.1−1〜1−5とした。尚、表面粗さの調整は、使用するPPを市販されているPPより適宜選択することで表面粗さを調整した。
(尚、PPフイルムの表面粗さは表裏で同一なものを使用した)
比較の保護フィルムとして、No.1−3の保護フィルムの片面又は両面に接着剤(バイロン300:東洋紡株式会社製)を塗設乾燥し接着層(3μm)としPP表面の凹凸を除去し粘着性面を有するフィルムを試作しNo.1−6〜1−8とした。
シンチレータシートの基板側の保護フィルムは、蛍光体面側の保護フィルムと同じものを使用した。
表面粗さは、東京精密(株)製サーフコム1400Dにより測定した。厚みは、(株)テクロック製触針式膜厚計(PG−01)製触針式膜厚計により測定した平均値を示す。
(シンチレータパネルの作製)
準備した保護フィルムNo.1−1〜1−8を使用し、準備したシンチレータシートを図1(c)に示す形態に封止しシンチレータパネルを作製し、試料No.101A〜108Aとした。
試料No.101A〜108Aの封止は、それぞれ減圧1Pa、5Pa、1000Pa、8000Pa、9000Paの条件下で、融着部からシンチレータシートの周縁部までの距離は1mmとなるように融着した。融着に使用したインパルスシーラーのヒータは3mm幅のものを使用した。
評価
得られた各試料No.101A〜108Aに付き、10cm×10cmの大きさのCMOSフラットパネル(ラドアイコン社製X線CMOSカメラシステムShad−o−Box4KEV)にセットし、封止した後、12bitの出力データより鮮鋭性を以下に示す方法で測定し、以下に示す評価ランクにより評価した結果を表2に示す。
尚、放射線入射窓のカーボン板とシンチレータパネルの放射線入射側(蛍光体のない側)にスポンジシートを配置し、受光素子面とシンチレータパネルを軽く押し付けることで両者を固定化した。
鮮鋭性の評価方法
鉛製のMTFチャートを通して管電圧80kVpのX線を各試料の裏面(蛍光体層が形成されていない面)から照射し、画像データを、シンチレータを配置したCMOSフラットパネルで検出しハードディスクに記録した。その後、ハードディスク上の記録をコンピュータで分析して当該ハードディスクに記録されたX線像の変調伝達関数MTF(空間周波数1サイクル/mmにおけるMTF値)を鮮鋭性の指標とした。表中、MTF値が高いほど鮮鋭性に優れていることを示す。MTFはModulation Transfer Functionの略号を示す。
鮮鋭性の評価ランク
◎:空間周波数1サイクル/mmにおけるMTF値が0.9以上
○:空間周波数1サイクル/mmにおけるMTF値が0.7以上、0.9未満
△:空間周波数1サイクル/mmにおけるMTF値が0.6以上、0.7未満
×:空間周波数1サイクル/mmにおけるMTF値が0.6未満
PI:厚さ0.125mmのポリイミドフィルム
Al:厚さ0.5mmのアルミ基板
本発明の効果が確認された。
実施例2
(シンチレータシートの作製)
(基板の準備)
基板として厚さ表3に示した厚さのポリイミドフィルムを使用した。以外は実施例1と同様とした。
(蛍光体層の形成)
図4に示す蒸着装置を使用して、実施例1と同様に蒸着を実施した。
(保護フィルムの準備)
蛍光体面側の保護フィルムは、表1の1−3のPPフィルムを複数ドライラミネートして123μm、164μm、216μmとした。ドライラミネート後の表面粗さは表1の1−3と同じであった(尚、PPフィルムの表面粗さは表裏で同一なものを使用した)。シンチレータシートの基板側の保護フィルムは、蛍光体面側の保護フィルムと同じものを使用した。
(シンチレータパネルの作製)
準備した保護フィルムを使用し、準備したシンチレータシートを図1(c)に示す形態に封止しシンチレータパネルを実施例1と同じ方法、同じ条件で作製し、試料No.201〜211とした。
評価
得られた各試料No.201〜211に付き鮮鋭性を実施例1と同じ条件で測定し、実施例1と同じ評価ランクで評価した結果を表3に示す。

Claims (6)

  1. 基板上に蛍光体層が設けられてなるシンチレータシートを、該蛍光体層の側に配置した第1保護フィルムと、該基板の側に配置した第2保護フィルムとにより封止したシンチレータパネルの第1保護フィルム側に受光素子を配置したフラットパネルディテクターにおいて、該第1保護フィルムの該蛍光体層側の面の表面粗さ、および該第1保護フィルムの該受光素子側の面の表面粗さがRaで0.05μm〜0.8μmであり、且つ封止を5Pa〜8000Paで行うことを特徴とするフラットパネルディテクター。
  2. 前記第1保護フィルム及び前記第2保護フィルムの厚みが12μm以上200μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のフラットパネルディテクター。
  3. 基板が、厚さ50μm以上500μm以下で、可撓性を有する高分子フィルムからなることを特徴とする請求項1または2に記載のフラットパネルディテクター。
  4. 高分子フィルムがポリイミド(PI)またはポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムであることを特徴とする請求項3に記載のフラットパネルディテクター。
  5. シンチレータパネルの総厚が1mm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のフラットパネルディテクター。
  6. 前記蛍光体層がヨウ化セシウム(CsI)であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のフラットパネルディテクター。
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