JP2007320119A - 軸体 - Google Patents

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JP2007320119A JP2006151666A JP2006151666A JP2007320119A JP 2007320119 A JP2007320119 A JP 2007320119A JP 2006151666 A JP2006151666 A JP 2006151666A JP 2006151666 A JP2006151666 A JP 2006151666A JP 2007320119 A JP2007320119 A JP 2007320119A
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Naoto Yoshihara
直人 吉原
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Abstract

【目的】下方に力を掛ける軸体において、過剰の力が加わった際に緩衝する効果を持たせるために、内部にバネを組み込んで過剰な力が加わると先端部が後退してクッション性を持たせる機構があるが、先端部分が軸筒内に没入する為、筆記具、ドライバーといった先端部で作業する軸体では使用感や視認性に大きく影響を及ぼし、特に筆記具では思うように書けないと言う問題があった。
【構成】軸筒の外周に把持部を配し、把持部が軸筒の前方に形成された段部によって前方への移動を制限された軸体において、前記段部と前記把持部の間に弾性体を配した軸体。
【選択図】 図1

Description

本発明は、軸体の少なくとも把持する部分に把持部を設けた軸体に関するものであり、その軸体の1例としては、ボールペンやシャープペンシルなどの筆記具や、口紅やアイライナーなど細長い容器、ドライバーなどの工具類が挙げられる。
筆記具、ドライバーといった特に下方に力を掛ける軸体において、過剰の力が加わった際に緩衝する効果を持たせるために様々な発明がなされており、内部にバネを組み込んで過剰な力が加わると先端部が後退してクッション性を持たせる機構が知られている。
特開昭58−181697号公報 実公昭58−39918号公報
しかし、内部にバネ等を組み込んで先端部を後退させてクッション性を持たせる機構の場合、先端部分が軸筒内に没入する為、筆記具、ドライバーといった先端部で作業する軸体では使用感や視認性に大きく影響を及ぼし、特に筆記具では思うように書けないと言う問題につながっている。
そこで、本発明は、軸筒の外周に把持部を配し、把持部が軸筒の前方に形成された段部によって前方への移動を制限された軸体において、前記段部と前記把持部の間に弾性体を配したことを第1の要旨とし、前記把持部の前方にその把持部よりも硬度の低い弾性樹脂を配したことを第2の要旨とするものである。前記把持部を2種類以上の材料で形成する際、把持部前方に弾性樹脂を配したこと、前記把持部を2種類以上の樹脂で形成する際、把持部前方に後方よりも硬度の低い弾性樹脂を配したこと第3、第4の要旨とするものである。さらに把持部前方に配する弾性体の硬度がショアーAで0度から30度、もしくはアスカーCで0度から60度であることを第5の要旨とするものである。
軸体は軸筒1の外周に把持部2を配し、把持部2が軸筒1の前方に配置された段部3によって前方への移動を制限され、段部と把持部の間に弾性体4を配した形に形成される。
軸筒1の材質は、金属や樹脂、木材、石材など軸筒を形成できるものであればよく、特に限定されない。また、この材質は1種または2種以上の混合物であってもよい。金属の例としては、金、銀、白金等の貴金属、ステンレス、真鍮等の合金、アルミニウム、マグネシウム等の軽金属やチタン等が挙げられる。樹脂の例としてはポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリスチレン樹脂(PS)、アクリロニトリルスチレン樹脂(AS)、アクリロニトリルスチレンブタジエン樹脂(ABS)、メタクリル樹脂(PMMA)、ポリアセタール樹脂(POM)、ポリアミド樹脂(PA)、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリエチレンテレンテレフタレート樹脂(PET)、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)が挙げられる。
段部3は軸筒1に対して加えられる荷重方向の前方部に配置される。段部は荷重によって把持部2、弾性体4が前方に抜けることを防止する為に配置されるが、その形状は把持部2、弾性体4の抜けを防止できればよく、特に限定されない。段部3は軸筒1と一体に形成しても、別部品で作製し軸筒に固定してもよい。また、弾性体4を軸筒1に接着、溶着等の手法で固定可能であれば、特に段部を設ける必要はない。
把持部2の材質は、金属や樹脂、木材、石材、弾性樹脂など把持部を形成できるものであればよく、特に限定されない。また、把持部の材質は1種または2種以上の混合物であってもよく、2色成形等で層状に異材料を積層して把持部を形成してもよい。弾性樹脂の具体例としては、アクリル樹脂やシリコーン樹脂、フッ素樹脂、塩化ビニル、ウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、エラストマーゲル、ポリエチレンゲル、ジメチル系シリコーン、メチルビニル系シリコーン、メチルフェニルビニル系シリコーン、メチルフルオロアルキル系シリコーン(フロロシリコーン)、フロロ−ジメチル共重合シリコーン、ウレタンゴム、エチレンアクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、アクリルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、塩素化ポリエチレン、ニトリルゴム、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、エステル系エラストマー、ウレタン系エラストマーやそれらの発泡体などが挙げられるが、形状が維持できるものであれば特に限定されない。これら弾性樹脂は1種または2種以上の混合物であってもよい。
尚、把持部2に弾性樹脂を使用する際の硬度は、ショアーAで0度から90度もしくは、アスカーCで0度から90度までの硬度範囲の中で適宜選択すればよく、特に限定されるものではない。
また、把持部2の表面は滑らかな面や粗な面に成形できる。例えば、摩擦抵抗を高め、指先の引っかかりをよくするためには表面を鏡面の様に滑らかに、また、摩擦抵抗を低くしてさらさらした触感を得るためには表面を粗にすればよいが、表面を粗にした場合には、ゴミやほこりを付きにくくする効果も得られる。更に、把持部の表面にはローレット状や波目状などの適度な凹凸を形成してもよい。前記さらさら感が得られると共に、指先への引っかかり性も良好なものとなる。
弾性体4は板バネ、コイルバネ、弾性樹脂等、圧縮変形して荷重を低減する効果があればよく、特に限定されない。また、把持部2の前方部分の形状等を工夫することで圧縮変形機能を付与できる場合は、把持部の一部を弾性体として利用することが可能になるため、弾性体4を別材料で形成しなくともよい。弾性体4に弾性樹脂を使用する際の硬度は、圧縮変形して荷重を低減する効果があると考えられるショアーAで0度から30度、もしくはアスカーCで0度から60度までの硬度範囲の中で適宜選択することが望ましい。また、把持部2と弾性体4を弾性樹脂で形成する場合、把持部2と弾性体4の硬度が同程度であると荷重を低減する効果が発揮されにくいことから、把持部2の硬度は弾性体4の硬度よりショアーAで20度、アスカーCで40以上高いことが望ましい。
軸筒1と弾性体4および、把持部2と弾性体4はそれらの機能が損なわれなければ多色成形等の製法や接着、溶着等の手段によって一体に成形してもよい。軸筒1と弾性体4を一体にする場合には段部3を設けなくとも把持部2の前方への抜けを防止することも可能である。
本発明は、軸筒の外周に把持部を配し、把持部が軸筒の前方に形成された段部によって前方への移動を制限された軸体において、前記段部と前記把持部の間に弾性体を配したことにより、軸体に過剰の力が加わった際には弾性体が圧縮変形し、軸筒に対して把持部が前方に移動することで荷重を緩衝し、クッション性を発揮する。この時、軸体先端部の使用感や視認性には変化がなく、軸体は違和感なく操作を続けることができる。
本発明は、把持部が軸筒の前方に形成された段部によって前方への移動を制限された軸体において、前記段部と前記把持部の間に弾性体を配したことを最も主要な特徴とする。そして、弾性体の形状や材質を創意工夫することよって、軸体に対して過剰に加わった荷重を緩衝し、クッション性を発揮する際でも、軸体先端部の使用感や視認性が変わらず違和感なく軸体の操作を続ける目的を実現した。
実施例1(Oリング)
図1は、本発明を筆記具に使用した実施例1の部品図である。図2は実施例1において過剰な荷重がかかった際の弾性体の変形及び把持部の移動によってクッション性を発揮している図である。また、参照符号1は軸筒、参照符号2は把持部、参照符号3は段部、参照符号4は弾性体である。
軸筒1はアクリロニトリルスチレンポリプロピレン、把持部2は弾性樹脂としてエラストマー(ラバロンMJ5302c、三菱化学(株)製、ショアーA硬度:50度)、弾性体4は弾性樹脂としてシリコーン(TSE2570−6U、GE東芝シリコーン(株)製、ショアーA硬度:30度)を用いてそれぞれ成形した。把持部を持って筆記中に過剰な荷重がかかると把持部2から弾性体4に荷重が伝わる。段部3と把持部2に挟まれた弾性体4は荷重によって変形する為、把持部2が図2に示すように前方へ移動してクッション性を発揮する。クッション性を発揮しても筆記具先端部では部品の没入がないため、筆記操作には影響がなく、違和感なく継続して筆記が出来る。
実施例2(硬度、2種類:2色成形把持部)
図3は、本発明を筆記具の把持部に使用した実施例2の部品図である。また、参照符号1は軸筒、参照符号2は把持部、参照符号3は段部、参照符号4は弾性体である。
軸筒1はポリプロピレン、把持部2は弾性樹脂としてエラストマー(ラバロンMJ3701c、三菱化学(株)製、ショアーA硬度:70度)、弾性体4は弾性樹脂としてエラストマー(ラバロンT320c、三菱化学(株)製、ショアーA硬度:15度)を用いて2色成形で一体に成形した。把持部を持って筆記中に過剰な荷重がかかると把持部2から弾性体4に荷重が伝わる。段部3と把持部2に挟まれた弾性体4は荷重によって変形する為、把持部2が前方へ移動してクッション性を発揮する。クッション性を発揮しても筆記具先端部では部品の没入がないため、筆記操作には影響がなく、違和感なく継続して筆記が出来る。
実施例3(ばね)
図4は、本発明を筆記具の把持部に使用した実施例3の部品図である。また、参照符号1は軸筒、参照符号2は把持部、参照符号3は段部、参照符号4は弾性体である。
軸筒1はアクリロニトリルスチレンを用いて成形し、把持部2は真鍮を切削して作製した。弾性体4は金属のコイルバネを装着した。把持部を持って筆記中に過剰な荷重がかかると把持部2から弾性体4に荷重が伝わる。段部3と把持部2に挟まれた弾性体4は荷重によって圧縮する為、把持部2が前方へ移動してクッション性を発揮する。クッション性を発揮しても筆記具先端部では部品の没入がないため、筆記操作には影響がなく、違和感なく継続して筆記が出来る
実施例4(硬度、2種類:3色成形)
図5は、本発明を筆記具の把持部に使用した実施例4の部品図である。また、参照符号1は軸筒、参照符号2は把持部、参照符号3は段部、参照符号4は弾性体、参照符号5は把持部内層である。
軸筒1はアクリロニトリルスチレン、把持部2はエラストマー(アクティマーAE−2060S、リケンテクノス(株)製、ショアーA硬度:60度)、把持部内層5はポリプロピレン、弾性体4をポリエチレンゲル(コスモゲルHC15N、(株)コスモ計器製、アスカーc硬度:15度)を用いて3色成形で成形した。把持部を持って筆記中に過剰な荷重がかかると把持部2から弾性体4に荷重が伝わる。段部3と把持部2に挟まれた弾性体4は荷重によって圧縮する為、把持部2および把持部内層5が前方へ移動してクッション性を発揮する。把持部内層に樹脂を配したことで軸筒との摩擦が少なくなり荷重に対する応答性も向上している。クッション性を発揮しても筆記具先端部では部品の没入がないため、筆記操作には影響がなく、違和感なく継続して筆記が出来る。
実施例5(硬度、2種類:把持部)
図3は、本発明を筆記具の把持部に使用した実施例5の部品図である。また、参照符号1は軸筒、参照符号2は把持部、参照符号3は段部、参照符号4は弾性体である。
軸筒1はポリプロピレン、把持部2は弾性樹脂としてエラストマー(ラバロンMJ5302c、三菱化学(株)製、ショアーA硬度:50度)、弾性体4は弾性樹脂として発泡シリコーン(TT4101、(株)イノアックコーポレーション製、アスカーC硬度:10度)を用いて成形し、組み立てた。把持部を持って筆記中に過剰な荷重がかかると把持部2から弾性体4に荷重が伝わる。段部3と把持部2に挟まれた弾性体4は荷重によって変形する為、把持部2が前方へ移動してクッション性を発揮する。クッション性を発揮しても筆記具先端部では部品の没入がないため、筆記操作には影響がなく、違和感なく継続して筆記が出来る。
比較例1として実施例1の弾性体4をエラストマー(ラバロンMJ5302c、三菱化学(株)製、ショアーA硬度:50度)に交換した。把持部を持って筆記中に過剰な荷重がかかると把持部2から弾性体4に荷重が伝わる。しかし、段部3と把持部2に挟まれた弾性体4は把持部2を同じ硬度の為、把持部2が前方へ移動せず、クッション性を発揮することはない。
比較例2として実施例2の弾性体4をエラストマー(アクティマーAE−2060S、リケンテクノス(株)製、ショアーA硬度:60度)に交換した。把持部を持って筆記中に過剰な荷重がかかると把持部2から弾性体4に荷重が伝わる。しかし、段部3と把持部2に挟まれた弾性体4は把持部2と大きな差がない硬度の為、把持部2が前方へ僅かしか移動せず、クッション性を発揮することはない。
比較例3として実施例2の把持部2を弾性樹脂エラストマー(ラバロンSR04、三菱化学(株)製、ショアーA硬度:40度、弾性体4を弾性樹脂エラストマー(サントプレーン111−35、エーイーエス・ジャパン(株)製、ショアーA硬度:35度)に交換した。把持部を持って筆記中に過剰な荷重がかかると把持部2から弾性体4に荷重が伝わる。しかし、段部3と把持部2に挟まれた弾性体4は把持部2と大きな差がない硬度の為、把持部2が前方へ僅かしか移動せず、クッション性を発揮することはない。
本発明は、軸筒に把持部を設けた軸体に関するものである。その軸体の例としては、シャープペンシルやボールペン、修正ペンなどの筆記具、カッターや彫刻刀、ドライバーなどの工具類、PDA(パーソナル デジタル アシスタンス)や電子手帳に使用される入力ペンなど多岐にわたる。
本発明を筆記具の把持部に使用した実施例1の部品図である。 実施例1の変形時の部品図である。 本発明を筆記具の把持部に使用した実施例2の部品図である。 本発明を筆記具の把持部に使用した実施例3の部品図である。 本発明を筆記具の把持部に使用した実施例4の部品図である。
符号の説明
1 軸筒
2 把持部
3 段部
4 弾性体
5 把持部内層

Claims (5)

  1. 軸筒の外周に把持部を配し、把持部が軸筒の前方に配置された段部によって前方への移動を制限された軸体において、前記段部と前記把持部の間に弾性体を配したことを特徴とする軸体。
  2. 軸筒の外周に把持部を配し、把持部が軸筒の前方に配置された段部によって前方への移動を制限された軸体において、前記把持部の前方にその把持部よりも硬度の低い弾性樹脂を配したことを特徴とする軸体。
  3. 軸筒の外周に把持部を配し、把持部が軸筒の前方に配置された段部によって前方への移動を制限された軸体において、前記把持部を2種類以上の材料で形成する際、把持部前方に後方よりも硬度の低い弾性樹脂を配したことを特徴とする軸体。
  4. 軸筒の外周に把持部を配し、把持部が軸筒の前方に配置された段部によって前方への移動を制限された軸体において、前記把持部を2種類以上の樹脂で形成する際、把持部前方に後方よりも硬度の低い弾性樹脂を配したことを特徴とする軸体。
  5. 把持部前方に配する弾性体の硬度がショアーAで0度から30度、もしくはアスカーCで0度から60度である請求項1〜請求項4の何れかに記載の軸体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011051269A (ja) * 2009-09-03 2011-03-17 Pilot Corporation 筆記具の軸筒

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