JP2011005798A - 軸体 - Google Patents

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Abstract

【課題】内部に可撓性材料、ゲル状物質や気体を封入した把持部は任意に変形してしまうため腰がなく柔らかすぎて筆記感が悪いという欠点があった。また、空間に微細な固体を配し腰がある把持部とした場合でも、好みの触感の個人差を補うには更なる改善の余地が残されていた。
【解決手段】把持部2内部に空間を設け、この空間に粘着性を有する物質を配した把持部を配置及び/または一体に設けることによって、把持した際に力を入れても、空間内部の物質の移動に抵抗が発生し急激な形状変化が防止される。このため、従来の弾性樹脂のみの把持部より変形能力が向上し、かつ、可撓性材料、ゲル状物質や気体のみを封入した把持部より腰がある把持部となっている。更に微細な固体5を粘着性を有する物質と混在させることによって、空間内部の物質の移動制御や形状保持性を向上させることが出来る。
【選択図】図1

Description

本発明は、把持部を設けた軸体に関するものであり、その軸体の1例としては、ボールペンやシャープペンシルなどの筆記具や、口紅やアイライナーなど細長い容器、釣り竿、ドアノブ、ドライバーなどの工具類が挙げられる。
把持する部分には、滑り止めや把持のしやすさといった効果を持たせるために様々な発明がなされている。滑り止めとしては、シリコーンやエラストマーといった弾性樹脂を把持部に配置した構成(グリップ)が採られており、把持部の内部に可撓性材料、ゲル状物質や気体、微細な固体を封入することによって持ちやすい把持部を形成している。
特許第3431317号公報 特開2004−291612
しかし、内部に可撓性材料、ゲル状物質や気体を封入した把持部は任意に変形してしまうため腰がなく柔らかすぎて筆記感が悪いという欠点があった。また、空間に微細な固体を配し腰がある把持部とした場合でも、変形性、形状保持性に対しては更なる改善の余地が残されていた。
そこで、本発明は、軸体の把持部に少なくとも弾性樹脂を配置及び/または一体に設けた軸体において、前記軸体と前記把持部との間に空間を設け、この空間に粘着性を有する物質を配したことを特徴とする軸体を第1の要旨とし、前記空間に微細な固体及び粘着性を有する物質を配し、その微細な固体の大きさを、前記空間の最小の幅よりも小さくしたことを特徴とする軸体を第2の要旨とする。更に前記把持部に少なくとも内層と外層を設けることで内部に空間を設け、この空間に粘着性を有する物質を配したことを特徴とする軸体を第3の要旨とし、前記空間に微細な固体及び粘着性を有する物質を配し、その微細な固体の大きさを、前記空間の最小の幅よりも小さくしたことを特徴とする軸体を第4の要旨とするものである。
本発明は、把持部内部に空間を設け、この空間に粘着性を有する物質を配した把持部を配置及び/または一体に設けることによって、把持した際に力を入れても、空間内部の物質の移動に抵抗が発生し急激な形状変化が防止される。このため、従来の弾性樹脂のみの把持部より変形能力が向上し、かつ、可撓性材料、ゲル状物質や気体のみを封入した把持部より腰がある把持部となっている。更に微細な固体を粘着性を有する物質と混在させることによって、空間内部の物質の移動制御や形状保持性を向上させることが出来る。
本発明を筆記具の把持部に使用した実施例の図である。 図1のA−A‘断面図である。 図1を把持したときの図である。 変形例の図である。 図4のA−A‘断面図である。 図4を把持したときの図である。
軸体の材質は、金属や樹脂、木材、石材など形成できるものであればよく、把持部を形成する材料が軸体を形成できる強度を有していれば、その材料で把持部を軸体自体に形成することも可能であり、特に限定されない。また、これらの材質は1種または2種以上の混合物であってもよい。
軸体及び/または把持部の材料として樹脂及び/または弾性樹脂があげられる。樹脂としてはポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリスチレン樹脂(PS)、アクリロニトリルスチレン樹脂(AS)、アクリロニトリルスチレンブタジエン樹脂(ABS)、メタクリル樹脂(PMMA)、ポリアセタール樹脂(POM)、ポリアミド樹脂(PA)、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリエチレンテレンテレフタレート樹脂(PET)、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、弾性樹脂としてはアクリル樹脂やシリコーン樹脂、フッ素樹脂、塩化ビニル、ウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、エラストマーゲル、ポリエチレンゲル、ジメチル系シリコーン、メチルビニル系シリコーン、メチルフェニルビニル系シリコーン、メチルフルオロアルキル系シリコーン(フロロシリコーン)、フロロ−ジメチル共重合シリコーン、ウレタンゴム、エチレンアクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、アクリルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、塩素化ポリエチレン、ニトリルゴム、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、エステル系エラストマー、ウレタン系エラストマーなどが挙げられるが、形状が維持できるものであれば特に限定されない。これら樹脂及び/または弾性樹脂は1種または2種以上の混合物であってもよい。また、樹脂で成形した把持部表面に弾性樹脂を成形、塗装するといった方法で滑り止め効果や把持感の向上を図ることもできる。
把持部を構成する弾性樹脂の硬度は、ショアーAで0度から90度もしくは、アスカーCで0度から90度までの硬度範囲の中で適宜選択すればよく、特に限定されるものではないが、触感には外層の硬度や厚みが大きく影響する。外層をショアーAで60度、アスカーCで80度以下の弾性樹脂で形成した場合、外層が軟らかい為、把持した際の変形量が大きく変形性が向上し、変形形状の保持性も向上する。その反面、元の形状に戻り難い為、形状復元性は低減する。一方、ショアーAで60度、アスカーCで80度以上の弾性樹脂は硬い為、把持した際の変形量が小さくなり変形性や変形形状保持性は低減するが、反面元の形状に戻りやすいという形状復元性が向上する。これらの変形性、変形形状保持性、形状復元性は弾性樹脂の硬度の他に弾性樹脂の復元性、外層の厚み、把持部の内部に設ける空間の大きさ、外層と軸体及び/または内層の間に形成される空間の大きさ等で調整することが出来る。また、内層と外層は同一材料で一体に成形しても硬度の異なる材料で別体で成形して組み立ててもよく、特に限定されない。
これら樹脂及び/または弾性樹脂には、吸油および/または吸水性がある物質が添加されてもよい。吸油性および/または吸水性がある物質は、化粧品に使用される物質、オイルの除去に使用される物質、家庭内で防臭、清浄効果に使用される物質と多岐にわたり、その種類や形状は数多くある。例を挙げると木材や繊維、コルク、炭、皮革などの天然材料、シリカゲルや活性炭といった吸着素材、ゼオライトやけい藻土といった無機鉱物、架橋ポリアクリル酸エステル、架橋ポリメタクリル酸メチル、ポリアミド多孔質体などを始めとした高分子吸油・吸水剤、紡錘状中空多孔質シリカ、多孔質シリカ、多孔質シリコーン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムいった無機化合物、多孔質セラミック等が挙げられる。また、表面に多孔質シリカ等の吸油性および/または吸水性を有する被膜を形成することで、物質に吸油性および/または吸水性の機能を発揮、向上させてもよい。吸油および/または吸水した際に、これら吸油および/または吸水性がある物質の大きさが変化しないことが望ましいことから、無機鉱物、無機化合物が特に好ましい。これら吸油および/または吸水性がある物質は1種または2種以上の混合物であってもよい。
吸油および/または吸水性がある物質はその機能を十分に発揮させるために、微粒子粉体として添加することが望ましい。これは粒径が細かい程、単位重量当たりの表面積が増大することから、油および/または水の吸収効率を高める効果が期待できる。しかし、その粒径は把持部の形状や大きさに応じて適宜選択すればよい。また、吸油および/または吸水性がある無機粉体を使用することにより、油および/または水を吸収した際にも容積の変化がなく、把持部の膨潤やゆるみを更に防止することができる。樹脂への添加量は把持部の形状や大きさに応じて適宜選択すればよいが、添加量が少な過ぎると十分な効果が期待できず、多すぎると強度が損なわれることから、樹脂に対して重量比率で0.001%〜50%、特に0.01%〜10%の添加量であることが望ましい。弾性樹脂への添加量は把持部の形状や大きさに応じて適宜選択すればよいが、添加量が少なすぎると十分な効果が期待できず、多すぎると弾性樹脂の硬度が高くなり、弾性が損なわれることから、弾性樹脂に対して重量比率で0.001%〜50%、特に0.01%〜10%の添加量であることが望ましい。
これら弾性樹脂には触り心地や指先へのフィット感の向上、着色や文様といった意匠性の向上、抗菌や汗の吸放出、光触媒反応による自己洗浄といった機能性の付与のために粉体、微粒子、発泡剤などが含まれてもよい。
その粉体の具体例としては、スチレン、ナイロン、ポリオレフィン、シリコーン、エポキシ、ポリメタクリル酸メチルなどの樹脂粉体や、シリカ、アルミナ、ジルコニア、ガラス片、金属片などの無機粉体、シルクパウダー、木粉、コルク粉などの天然素材を粉体化したものなどが挙げられる。また、それらの粉体に、アクリル系、ウレタン系、エポキシ系などの粉体塗膜を被覆した複合粉体、さらには、自動乳鉢、ボールミル、ジェットミル、アトマイザー、ハイブリダイザーなどを用いて樹脂粉体にこの樹脂粉体より小さい無機粉体を吸着させたり、打ち込んだりしたものなども挙げられ、特に限定されない。また、粉体の形状は、無定型、球状、板状、針状などが用いられ、特に限定するものではない。これら粉体は1種または2種以上添加してもよい。
また、前記微粒子の具体例としては、カーボンブラック、グラファイトや、酸化チタン、酸化錫、酸化インジウムなどの酸化物、窒化チタン、窒化クロム、窒化ジルコニウム、窒化タンタルなどの窒化物、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化タンタルなどの炭化物、ホウ化チタン、ホウ化ジルコニウム、ホウ化タンタルなどのホウ化物が挙げられ、特に限定されない。また、微粒子の形状は無定型、鱗片状、球状、繊維状などを用いることができる。これら微粒子は、1種または2種以上添加してもよい。
前記発泡剤は、化学発泡剤、物理発泡剤、熱膨張性マイクロカプセルなどが用いられる。化学発泡剤の具体例は、アゾ化合物、ニトロソ化合物、ヒドラジン誘導体、セミカルバジド化合物、アジド化合物、トリアゾール化合物などの有機系熱分解型発泡剤、イソシアネート化合物などの有機系反応型発泡剤、重炭酸塩、炭酸塩、亜硫酸塩、水素化物などの無機系熱分解型発泡剤、重炭酸ナトリウム+酸、過酸化水素+イースト菌、亜鉛粉末+酸などの無機系反応型発泡剤などが挙げられる。
物理発泡剤の具体例は、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ジクロルエタン、ジクロルメタン、フロン、空気、炭酸ガス、窒素ガスなどが挙げられる。
熱膨張性マイクロカプセルの具体例は、イソブタン、ペンタン、石油エーテル、ヘキサンなどの低沸点炭化水素を芯物質とし、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルなどの共重合体からなる熱可塑性樹脂を壁物質としたマイクロカプセルなどが挙げられ、特に限定されない。これら発泡剤は、1種または2種以上添加してもよい。
又、把持部を構成する弾性樹脂の表面は滑らかな面や粗な面に成形できる。摩擦抵抗を高め、指先表面の引っかかりをよくするためには表面を鏡面の様に滑らかに、摩擦抵抗を低くしてさらさらした触感やゴミ、ほこりを付きにくくするためには表面を粗にすればよい。更に、把持部を構成する弾性樹脂の表面には適度な凹凸を形成してもよい。
把持部は軸体と把持部との間及び/または把持部の内部及び/または内層と外層との間に空間を設けた構造となっている。また、内層と外層は一体であっても、別体であってもよく、内層と外層の一部が連接している構造であってもよい。
把持部の製造方法としては、圧縮成形やトランスファー成形、射出成形、押出成形、真空注形といった方法で成形した弾性樹脂を軸体に装着する方法や、インサート成形で形成するといった方法が挙げられるが、製造方法は特に限定されない。
軸体と把持部との間及び/または把持部の内部及び/または内層と外層との間に設けられた空間には粘着性を有する物質が配されている。粘着性を有する物質とは、他の物質と接触した際、接触面で保持力を発揮する物質を言う。粘着性を有するため、把持した際に力を入れても、空間内部の物質の移動には抵抗が発生し急激な形状変化が防止される。このため腰のある触感となり、やわらかすぎることはない粘着性を有する物質として以下のものを例示するが、前記の様な特性を有しておればよく、特に限定されない。KF96(信越化学工業(株)製)といったシリコーンオイルやtsk5370(Ge東芝シリコーン(株)製)といったシリコーンオイルコンパウンド、レチナックス グリース CL(昭和シェル石油(株)製)といった石油系グリース。ゲル状物質としてKE−1052、sifel827(信越化学工業(株)製)、SE1885、Sylgard527、CY52−286(東レ・ダウコーニング(株)製)、アルファゲル((株)ジェルテック製)、WACKER Silgel612(旭化成ワッカーシリコーン(株)製)といったシリコーンゲル、人肌のゲル((株)エクシールコーポレーション製)といったウレタンゲル、エクスジェル((株)加地製)といった合成ゴムなどがあげられる。また、これらの粘着性を有する物質は1種または2種以上の混合物であってもよい。
粘着性は、以下の方法で評価することが出来る。粘着性のある物質を容器に入れて静置し、その上に金属球を乗せて一定時間放置。その後容器を180度反転させ、金属球が粘着性のある物質から乖離するまでの保持時間を測定する。保持時間が短いと粘着性は低いため剪断されやすく、保持時間が長いほど粘着性が高く、剪断されにくい。微細な固体の大きさ、重量、形状、接触面積によって必要な粘着性は異なるが、粘着性のある物質を適宜選択することにより、変形性と形状保持性のバランスを調整することが出来る。
軸体と把持部との間及び/または把持部の内部及び/または内層と外層との間に設けられた空間に微細な固体を配してもよい。微細な固体を粘着性を有する物質と混在させることによって、流動性の制御、形状保持性を向上させることが出来る。微細な固体の具体的な例としては、ステンレス、洋白、ジルコニア、ルビーボール等の硬球、ダイヤモンド、ルビー、サファイヤ、めのう、水晶等の鉱石、御影石、大理石等の岩石、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタラート、塩化ビニル、ABS、AS、PMMA、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の樹脂やその発泡体、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂、ジメチル系シリコーン、メチルビニル系シリコーン、メチルフェニルビニル系シリコーン、メチルフルオロアルキル系シリコーン(フロロシリコーン)、フロロ−ジメチル共重合シリコーン、ウレタンゴム、エチレンアクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、アクリルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、塩素化ポリエチレン、ニトリルゴム、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、エステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー等の弾性樹脂、ナイロン、絹、綿等の繊維、ガラスなどが挙げられるが、微細な固体が形成できればよく、特に限定はされない。また、これらの微細な固体は1種または2種以上の混合物であってもよい。
微細な固体の形状は粒子状、繊維状、不定形状等様々な形状の固体が利用できる。硬球やガラスビーズなどの真球に近い形状の微細な固体を配した場合には、把持した際の変形が速く、また、放した時の形状復元も速い。岩石やガラスを粉砕した不定形の微細な固体を配した場合には、把持した際の変形は遅いが腰がある把持感があり、また、放した時にも形状をある程度記憶している。微細な固体の大きさは軸体と把持部との間及び/または把持部内部に設けられた空間の最小の幅よりも小さければよく、特に限定はされない。
粘着性を有する物質は微細な固体を複数包み込む状態、微細な固体と同程度の大きさで微細な固体の間に存在している状態、液体状で微細な固体の周囲に付着している状態等様々な状態があげられるが、軸体と把持部との間及び/または把持部の内部及び/または内層と外層との間に設けられた空間に微細な固体と共に配されていればよい。粘着性を有する物質がゲル状物質の場合、微細な固体の移動によって細かく剪断され、大きさが変化していくこともあるが粘着性が保持されていればよく、その大きさは特に限定されない。また、粘着性が高いほど剪断に対する抵抗があり、細かく剪断されにくく、把持部の触感に変化が少ない。
粘着性のある物質の粘着性評価は以下の方法で実施した。粘着性のある物質2gをプラスチック容器(30mm×30mm×10mm)に入れて静置し、その上にアルミ球(直径20mm、重さ11.7g)を乗せて60秒間放置。その後容器を180度反転させ、アルミ球が粘着性のある物質から乖離するまでの時間を測定した。乖離までの時間が長いほど粘着性が高いと言える。粘着性のある物質としてシリコーンゲルSE1885(東レ・ダウコーニング(株)製))、KE−1052(信越化学工業(株)製)、WACKER Silgel612A、WACKER Silgel612B、WACKER Silgel612C(旭化成ワッカーシリコーン(株)製)、アルファゲルA、アルファゲルB((株)ジェルテック製)を測定した。なお、WACKER Silgel612AとWACKER Silgel612B、WACKER Silgel612C、アルファゲルAとアルファゲルBはそれぞれ作製時に配合の比率を変えている。
その結果は表1に記した。1つの実施例(物質)に対して3回行い、その最小値と最大値を記載した。
Figure 2011005798
図1は、本発明を筆記具の把持部に使用した実施例の図である。図2は図1のA−A‘線断面図である。図3は図1が把持により変形した図である。内層と外層を設けることで内部に空間を設け、この空間に粘着性のある物質を配した。参照符号1は軸体、参照符号2は把持部、参照符号3は内層、参照符号4は外層、参照符号5は粘着性のある物質である。
実施例1として、軸筒1はポリプロピレン、把持部2としてエラストマー(ラバロンME5302C、三菱化学(株)製、ショアーA硬度:60度)を用いて射出成形で成形した。内層と外層の間の空間にシリコーンゲル(SE1885、東レ・ダウコーニング(株)製))を充填した把持部2を軸体1に装着した。
把持部は握った際、シリコーンゲルの粘着性と弾性による抵抗感を発揮しつつ、外力に応じて変形し、変形後は粘着性によって形状保持能力を発揮して、腰のある良好な感触が得られる。
その後、把持部に対し部分的に押し込んだり、押し込んだ状態で把持部を軸筒ごと回転させる等の外力を加え把持部の変形を繰り返すことでシリコーンゲルが細かく剪断されると触感は軟らかくなっていくが、剪断された状態でもシリコーンゲルは各々が粘着性を有しているため、形状保持能力は発揮される。
図4は、本発明を筆記具の把持部に使用した実施例の図である。図5は図1のA−A‘線断面図である。図3は図1が把持により変形した図である。内層と外層を設けることで内部に空間を設け、この空間に粘着性のある物質及び微細な固体を配した。参照符号1は軸体、参照符号2は把持部、参照符号3は内層、参照符号4は外層、参照符号5は粘着性のある物質、参照符号6は微細な固体である。
実施例2として、軸筒1はポリプロピレン、把持部2としてエラストマー(ラバロンME5302C、三菱化学(株)製、ショアーA硬度:60度)を用いて射出成形で成形した。微細な固体6としてガラスビーズ(ユニビーズUB−1719LN、(株)ユニオン製)を内層と外層の間の空間に配し、隙間にシリコーンゲル(SE1885、東レ・ダウコーニング(株)製))を充填した把持部2を軸体1に装着した。
シリコーンゲルはガラスビーズを複数個内包する大きさで配されている。ガラスビーズは空間の径方向の断面に対して2個で並んでおり、握った時の圧力で適度に位置を変える。この時、シリコーンゲルは弾性による抵抗感を発揮しつつ、外力に応じて変形し、変形後は粘着性によって形状保持能力を発揮している。シリコーンゲルはガラスビーズを複数個内包する大きさとなっているため、外力に対する抵抗はゲルが一体の状態よりは小さく、変形しやすい。また、外層が弾性のあるエラストマーであることから、変形に応じて2個以上並ぶ箇所や1個もない部分が出来るため、把持部2は握った指の形状に変形し、持ちやすさ、滑りにくさといった効果を発揮する。内部のガラスビーズそのものは硬くシリコーンゲルによる弾力があるため、しっかり握った際にも変形しすぎず、腰のある良好な感触が得られる。
その後、把持部に対し部分的に押し込んだり、押し込んだ状態で把持部を軸筒ごと回転させる等の外力を加え把持部の変形を繰り返すことでシリコーンゲルが細かく剪断されると触感は軟らかくなっていくが、剪断された状態でもシリコーンゲルは各々が粘着性を有しているため、形状保持能力は発揮される。
実施例3から8として実施例2のシリコーンゲルをKE−1052、WACKER Silgel612A、WACKER Silgel612B、WACKER Silgel612C、アルファゲルA、アルファゲルBに変えて充填した把持部2を軸体1に装着した。
実施例1〜8の把持部を長期間使用した際の触感の耐久性を評価した。その結果は表2に記した。
Figure 2011005798
表2に示すように、WACKER Silgel612AやWACKER Silgel612B、WACKER Silgel612CはSE1885等他のゲルより粘着性が高いことから実施例4〜6の把持部は他の実施例に比べ変形後の形状保持能力に優れる。また、把持部に対し部分的に押し込んだり、押し込んだ状態で把持部を軸筒ごと回転させる等の外力を加え把持部の変形を繰り返すことで内部のシリコーンゲルが細かく剪断されると触感は軟らかくなっていくが、実施例4〜6の把持部は内部のシリコーンゲルが粘着性が高いため剪断されにくく、他の実施例に比べ触感の変化が少なく、良好な感触が続く。
本発明は、軸体の少なくとも把持部する部分に弾性樹脂を設けた軸体に関するものである。その軸体の例としては、シャープペンシルやボールペン、修正ペンなどの筆記具、カッターや彫刻刀、ドライバーなどの工具類、PDA(パーソナル デジタル アシスタンス)や電子手帳に使用される入力ペン、自転車のハンドルなど多岐にわたる。
1 軸体
2 把持部
3 把持部内層
4 把持部外層
5 微細な固体
6 粘着性のある物質

Claims (7)

  1. 軸体の把持部に少なくとも弾性樹脂を配置及び/または一体に設けた軸体において、前記軸体と前記把持部との間に空間を設け、この空間に粘着性を有する物質を配したことを特徴とする軸体。
  2. 前記空間に微細な固体及び粘着性を有する物質を配し、その微細な固体の大きさを、前記空間の最小の幅よりも小さくしたことを特徴とする請求項1に記載の軸体。
  3. 前記把持部に少なくとも内層と外層を設けることで内部に空間を設け、この空間に粘着性を有する物質を配したことを特徴とする軸体。
  4. 前記空間に微細な固体及び粘着性を有する物質を配し、その微細な固体の大きさを、前記空間の最小の幅よりも小さくしたことを特徴とする請求項3に記載の軸体。
  5. 粘着性を有する物質は、液状物質を加熱及び/または放置することで硬化させたゲル状物質であることを特徴とする請求項1〜請求項4に記載の軸体。
  6. 粘着性を有する物質は、2つ以上の液体を混合し、加熱及び/または放置することで硬化するゲル状物質であることを特徴とする請求項1〜請求項5に記載の軸体。
  7. 粘着性を有する物質はゲル状物質であり、把持部に外力を与え変形させることでゲル状物質を剪断し、ゲル状物質が液状になった状態であることを特徴とする請求項1〜請求項6に記載の軸体。
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CN104786698A (zh) * 2015-04-01 2015-07-22 太仓苏易信息科技有限公司 一种智能感应笔软件系统

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