JP2011073183A - 軸体 - Google Patents

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Abstract

【課題】把持部を変形しやすくすることで、把持感触がよく、滑り止め効果が向上する筆記具の軸筒の提供。
【解決手段】軸筒1の外周に弾性樹脂からなる把持部2を設けた軸体において、前記軸筒1に貫通孔3を、適宜間隔を空けて複数個、形成し、前記弾性樹脂を前記貫通孔3を覆うように装着するとともに、前期貫通孔3の間に位置する軸筒の厚みや前記弾性樹脂の厚みを、軸芯及び/または軸周方向に対して変化させることで、把持部を変形しやすくした軸体。
【選択図】図1

Description

本発明は、把持部を設けた軸体に関するものであり、その軸体の1例としては、ボールペンやシャープペンシルなどの筆記具や、口紅やアイライナーなど細長い容器、釣り竿、ドアノブ、ドライバーなどの工具類が挙げられる。
把持する部分には、滑り止めや把持のしやすさといった効果を持たせるために様々な発明がなされている。滑り止めとしては、シリコーンやエラストマーといった弾性樹脂を把持部に配置した構成(グリップ)が採られており、その構成には多数の部材を組み合わせたものがある。例えば、外装部品の孔から内部部品の凸部を突出させた把持部や、軸体に凸部を設け、その軸体と把持部に空間を作り把持感を向上させたものなどがある。
実用新案登録第2606762号公報。 特開2005−297337号公報。
しかし、特許文献1は内部への貫通孔を形成し、この貫通孔を塞ぐようにグリップ部材を装着するだけなので、構造上の制約は少ないように見えるが、貫通孔内部への変形は、貫通孔の大きさ及びグリップ部材の肉厚に比例して多くなるため、軟らかい把持感触を得るには、グリップ部材の肉厚量を厚くする必要があるとともに、貫通孔を形成した部分でしか軟らかい把持感触が得られない。
また、特許文献2では軟らかい把持感触を得るには、軸筒の把持部とグリップ部材の内壁面とに空隙を設ける必要があり、グリップ部材の外径を大きくする、または、軸筒の把持部外径を小さくする等の構造上の制約が多いという問題があった。
本発明の目的は、本発明者は上記問題を鑑み、グリップ部材の外径や軸筒の把持部外径に影響されることなく把持部を変形しやすくすることで、把持感触がよく、滑り止め効果が向上する筆記具の軸筒を提供することである。
本発明は、軸筒の外周に弾性樹脂からなる把持部を設けた軸体において、前記軸筒に貫通孔を、適宜間隔を空けて複数個、形成し、前記弾性樹脂を前記貫通孔を覆うように装着するとともに、前記貫通孔の間に位置する軸筒の厚み及び/または前記弾性樹脂の厚みを、軸芯及び/または軸周方向に対して変化させることで、把持部を変形しやすくしたことを特徴とする。
本発明は、グリップ部材の外径や軸筒の把持部の外径に影響されることなく、把持部を変形しやすくすることで、把持感触がよく、滑り止め効果が向上する筆記具の軸筒を提供することができた。
本発明を筆記具の把持部に使用した実施例1の図である。 図1のA−A断面図である。 本発明を筆記具の把持部に使用した実施例2の図である。 本発明を筆記具の把持部に使用した実施例3の図である。 本発明を筆記具の把持部に使用した実施例4の図である。 図5のA−A断面図である。 本発明を筆記具の把持部に使用した実施例5の図である。 図7のA−A断面図である。
軸体の材質は、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS樹脂等の樹脂材料や金属等、軸体の軸筒として知られている材料を適宜選択して用いることができるが、曲げ性の高い材料、例えば、ポリプロピレンを用いることで、貫通孔間の把持部が変形しやすく、軟らかい触感となるため好ましい。また、把持部を形成する材料が軸体を形成できる強度を有していれば、その材料で把持部を軸体自体に形成することも可能であり、特に限定されない。また、これらの材質は1種または2種以上の混合物であってもよい。
軸体及び/または把持部の材料として樹脂及び/または弾性樹脂があげられる。樹脂としてはポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリスチレン樹脂(PS)、アクリロニトリルスチレン樹脂(AS)、アクリロニトリルスチレンブタジエン樹脂(ABS)、メタクリル樹脂(PMMA)、ポリアセタール樹脂(POM)、ポリアミド樹脂(PA)、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリエチレンテレンテレフタレート樹脂(PET)、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、弾性樹脂としてはアクリル樹脂やシリコーン樹脂、フッ素樹脂、塩化ビニル、ウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、エラストマーゲル、ポリエチレンゲル、ジメチル系シリコーン、メチルビニル系シリコーン、メチルフェニルビニル系シリコーン、メチルフルオロアルキル系シリコーン(フロロシリコーン)、フロロ−ジメチル共重合シリコーン、ウレタンゴム、エチレンアクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、アクリルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、塩素化ポリエチレン、ニトリルゴム、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、エステル系エラストマー、ウレタン系エラストマーなどが挙げられるが、形状が維持できるものであれば特に限定されない。これら樹脂及び/または弾性樹脂は1種または2種以上の混合物であってもよい。また、樹脂で成形した把持部表面に弾性樹脂を成形、塗装するといった方法で滑り止め効果や把持感の向上を図ることもできる。
把持部を構成する弾性樹脂の硬度は、ショアーAで0度から90度もしくは、アスカーCで0度から90度までの硬度範囲の中で適宜選択すればよく、特に限定されるものではない。
これら樹脂及び/または弾性樹脂には、吸油および/または吸水性がある物質が添加されてもよい。吸油性および/または吸水性がある物質は、化粧品に使用される物質、オイルの除去に使用される物質、家庭内で防臭、清浄効果に使用される物質と多岐にわたり、その種類や形状は数多くある。例を挙げると木材や繊維、コルク、炭、皮革などの天然材料、シリカゲルや活性炭といった吸着素材、ゼオライトやけい藻土といった無機鉱物、架橋ポリアクリル酸エステル、架橋ポリメタクリル酸メチル、ポリアミド多孔質体などを始めとした高分子吸油・吸水剤、紡錘状中空多孔質シリカ、多孔質シリカ、多孔質シリコーン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムいった無機化合物、多孔質セラミック等が挙げられる。また、表面に多孔質シリカ等の吸油性および/または吸水性を有する被膜を形成することで、物質に吸油性および/または吸水性の機能を発揮、向上させてもよい。吸油および/または吸水した際に、これら吸油および/または吸水性がある物質の大きさが変化しないことが望ましいことから、無機鉱物、無機化合物が特に好ましい。これら吸油および/または吸水性がある物質は1種または2種以上の混合物であってもよい。
吸油および/または吸水性がある物質はその機能を十分に発揮させるために、微粒子粉体として添加することが望ましい。これは粒径が細かい程、単位重量当たりの表面積が増大することから、油および/または水の吸収効率を高める効果が期待できる。しかし、その粒径は把持部の形状や大きさに応じて適宜選択すればよい。また、吸油および/または吸水性がある無機粉体を使用することにより、油および/または水を吸収した際にも容積の変化がなく、把持部の膨潤やゆるみを更に防止することができる。樹脂への添加量は把持部の形状や大きさに応じて適宜選択すればよいが、添加量が少な過ぎると十分な効果が期待できず、多すぎると強度が損なわれることから、樹脂に対して重量比率で0.001%〜50%、特に0.01%〜10%の添加量であることが望ましい。弾性樹脂への添加量は把持部の形状や大きさに応じて適宜選択すればよいが、添加量が少なすぎると十分な効果が期待できず、多すぎると弾性樹脂の硬度が高くなり、弾性が損なわれることから、弾性樹脂に対して重量比率で0.001%〜50%、特に0.01%〜10%の添加量であることが望ましい。
これら弾性樹脂には触り心地や指先へのフィット感の向上、着色や文様といった意匠性の向上、抗菌や汗の吸放出、光触媒反応による自己洗浄といった機能性の付与のために粉体、微粒子、発泡剤などが含まれてもよい。
その粉体の具体例としては、スチレン、ナイロン、ポリオレフィン、シリコーン、エポキシ、ポリメタクリル酸メチルなどの樹脂粉体や、シリカ、アルミナ、ジルコニア、ガラス片、金属片などの無機粉体、シルクパウダー、木粉、コルク粉などの天然素材を粉体化したものなどが挙げられる。また、それらの粉体に、アクリル系、ウレタン系、エポキシ系などの粉体塗膜を被覆した複合粉体、さらには、自動乳鉢、ボールミル、ジェットミル、アトマイザー、ハイブリダイザーなどを用いて樹脂粉体にこの樹脂粉体より小さい無機粉体を吸着させたり、打ち込んだりしたものなども挙げられ、特に限定されない。また、粉体の形状は、無定型、球状、板状、針状などが用いられ、特に限定するものではない。これら粉体は1種または2種以上添加してもよい。
また、前記微粒子の具体例としては、カーボンブラック、グラファイトや、酸化チタン、酸化錫、酸化インジウムなどの酸化物、窒化チタン、窒化クロム、窒化ジルコニウム、窒化タンタルなどの窒化物、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化タンタルなどの炭化物、ホウ化チタン、ホウ化ジルコニウム、ホウ化タンタルなどのホウ化物が挙げられ、特に限定されない。また、微粒子の形状は無定型、鱗片状、球状、繊維状などを用いることができる。これら微粒子は、1種または2種以上添加してもよい。
前記発泡剤は、化学発泡剤、物理発泡剤、熱膨張性マイクロカプセルなどが用いられる。化学発泡剤の具体例は、アゾ化合物、ニトロソ化合物、ヒドラジン誘導体、セミカルバジド化合物、アジド化合物、トリアゾール化合物などの有機系熱分解型発泡剤、イソシアネート化合物などの有機系反応型発泡剤、重炭酸塩、炭酸塩、亜硫酸塩、水素化物などの無機系熱分解型発泡剤、重炭酸ナトリウム+酸、過酸化水素+イースト菌、亜鉛粉末+酸などの無機系反応型発泡剤などが挙げられる。
物理発泡剤の具体例は、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ジクロルエタン、ジクロルメタン、フロン、空気、炭酸ガス、窒素ガスなどが挙げられる。
熱膨張性マイクロカプセルの具体例は、イソブタン、ペンタン、石油エーテル、ヘキサンなどの低沸点炭化水素を芯物質とし、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルなどの共重合体からなる熱可塑性樹脂を壁物質としたマイクロカプセルなどが挙げられ、特に限定されない。これら発泡剤は、1種または2種以上添加してもよい。
又、把持部を構成する弾性樹脂の表面は滑らかな面や粗な面に成形できる。摩擦抵抗を高め、指先表面の引っかかりをよくするためには表面を鏡面の様に滑らかに、摩擦抵抗を低くしてさらさらした触感やゴミ、ほこりを付きにくくするためには表面を粗にすればよい。更に、把持部を構成する弾性樹脂の表面には適度な面積を各々有する凹部や凸部を形成してもよい。
軸筒には、複数個の貫通孔が適宜間隔を空けて形成してあり、この貫通孔を覆うように弾性部材を装着してある。
貫通孔の形状は特に限定されないが、軸体に必要な強度を損なわない大きさや形状で設けてあればよく、方形、円形の孔や異形の孔であってもよい。大きな貫通孔を開けると軸筒の変形量が大きくなるため触感は軟らかくなり、貫通孔を小さくすることで軸筒の変形量を小さくして硬い触感にすることも出来る。また、貫通孔の大きさや形状を適宜変化させることで一本の軸筒の把持部に軟らかい部分と硬い部分を作ることも出来る。
更に、貫通孔の間に位置する軸筒の厚みを軸芯及び/または軸周方向に対して変化させることでも変形量を調整することが可能であり、一本の軸筒の把持部に軟らかい部分と硬い部分を作ることが出来る。
弾性樹脂は軸筒に設けられた貫通孔を覆う位置に配してあればよく、軸筒の外面や内面に突出させたり、外面及び/または内面全面を覆うように装着してもよい。また、外面及び/または内面に配してある弾性樹脂の厚さは軸芯及び/または軸周方向に適宜変化させることで一本の軸筒の把持部に軟らかい部分と硬い部分を作ることも出来る。
貫通孔の位置は軸体の把持する部分に形成してあればよく、軸体の装飾性を向上させる為に把持しない部分に設置してもよい。
把持部の製造方法としては、圧縮成形やトランスファー成形、射出成形、押出成形、真空注形といった方法で成形した弾性樹脂を軸体に装着する方法や、インサート成形で形成するといった方法が挙げられるが、製造方法は特に限定されない。
図1は、本発明を筆記具の把持部に使用した実施例1の図である。図2は図1のA−A線断面図である。参照符号1は軸筒、参照符号2は把持部、参照符号3は貫通孔、参照符号4は貫通孔間の軸筒、参照符号5は貫通孔を覆う弾性樹脂である。尚、弾性樹脂は透明を使用している為、図1の外観においても貫通孔間の軸筒を確認できる。
実施例1として、軸筒1はポリプロピレン、把持部2として弾性樹脂5(ラバロンME5302C、三菱化学(株)製、ショアーA硬度:60度)を用いて射出成形で成形した。
軸筒1の把持部2には、軸方向に沿って平行な幅で延びる貫通孔3を、適宜間隔を空けて、径方向の異なる8箇所に放射状に形成してあり、この貫通孔3を覆うように弾性樹脂5を装着してある。
本例において、弾性樹脂5の外径は前方から後方にかけて同一な径を有していると共に、内径も前方から後方にかけて同一な径を有している。また、弾性樹脂5の内径は、前記軸筒1の内径と同一な径を有している。
貫通孔3間の帯状の軸筒4と貫通孔を覆う弾性樹脂5が、把持した時の指の押圧力によって変形することから軸体がたわみ、把持した際の把持感触を向上し、把持しやすく、グリップ部材と指との接触面積も向上し、滑り止め効果を向上することが出来る。
図3は、本発明を筆記具の把持部に使用した実施例2の図である。参照符号1は軸筒、参照符号2は把持部、参照符号3は貫通孔、参照符号4は貫通孔間の軸筒、参照符号5は貫通孔を覆う弾性樹脂である。尚、弾性樹脂は透明を使用している為、図3の外観においても貫通孔間の軸筒を確認できる。
実施例2として、軸筒1はポリプロピレン、把持部2として弾性樹脂5(ラバロンME5302C、三菱化学(株)製、ショアーA硬度:60度)を用いて射出成形で成形した。
軸筒1の把持部2には、軸方向に沿って平行な幅で延びる貫通孔3を、適宜間隔を空けて、径方向の異なる8箇所に放射状に形成してあり、この貫通孔3を覆うように弾性樹脂4を装着してある。貫通孔間の軸筒4の厚みは後部から筆記具先端に向けて徐々に厚くなっている。
具体的に説明すると、弾性樹脂5の外径は前方から後方にかけて同一な径を有しているが、内径は後方から前方にかけて拡径している。そして、この弾性樹脂5の内径の拡径に従って、貫通孔間の軸筒4の外径も拡径している。即ち、軸筒4の前方が拡径することによって、貫通孔間の軸筒4の厚みが後部から筆記具先端に向けて徐々に厚くなっているのである。
貫通孔3間の帯状の軸筒4と貫通孔3を覆う弾性樹脂5が、把持した時の指の押圧力によって変形することから軸体がたわみ、把持した際の把持感触を向上し、把持しやすく、グリップ部材と指との接触面積も向上し、滑り止め効果を向上することが出来る。また、貫通孔間の軸筒4の厚みを変化させることで、把持部先端は変形しにくく、後端は変形しやすくなっている。
図4は、本発明を筆記具の把持部に使用した実施例3の図である。参照符号1は軸筒、参照符号2は把持部、参照符号3は貫通孔、参照符号4は貫通孔間の軸筒、参照符号5は貫通孔を覆う弾性樹脂である。尚、弾性樹脂は透明を使用している為、図4の外観においても貫通孔間の軸筒を確認できる。
実施例3として、軸筒1はポリエチレン、把持部2として弾性樹脂5(アクティマーAE−2040S、リケンテクノス(株)製、ショアーA硬度:40°)を用いて射出成形で成形した。
軸筒1の把持部2には、軸方向に沿って平行な幅で延びる貫通孔3を、適宜間隔を空けて、径方向の異なる8箇所に放射状に形成してあり、この貫通孔3を覆うように弾性樹脂5を装着してある。貫通孔間の軸筒4には一部厚みの異なる箇所を設けてある。
具体的に説明すると、貫通孔間の軸筒4の表面には、断面形状がほぼ三角形状の凹凸部(凹部4a、凸部4b)が形成されている。それら軸筒4の凹部4aや凸部abは、前方から後方にかけて、高さが低くなると共に、裾野も軸筒1の長手方向に対して広くなっている。
貫通孔3間の帯状の軸筒4と貫通孔を覆う弾性樹脂5が、把持した時の指の押圧力によって変形することから軸体がたわみ、把持した際の把持感触を向上し、把持しやすく、グリップ部材と指との接触面積も向上し、滑り止め効果を向上することが出来る。また、貫通孔間の軸筒4の厚みを変化させることで、厚い箇所では変形しにくく、薄い箇所は変形しやすくなっている。
図5は、本発明を筆記具の把持部に使用した実施例4の図である。図6は図5のA−A線断面図である。参照符号1は軸筒、参照符号2は把持部、参照符号3は貫通孔、参照符号4は貫通孔間の軸筒、参照符号5は貫通孔を覆う弾性樹脂である。尚、弾性樹脂は透明を使用している為、図5の外観においても貫通孔間の軸筒を確認できる。
実施例4として、軸筒1はポリプロピレン、把持部2として弾性樹脂5(アクティマーAE−2040S、リケンテクノス(株)製、ショアーA硬度:40°)を用いて射出成形で成形した。
軸筒1の把持部2には、軸方向に沿って平行な幅で延びる貫通孔3を、適宜間隔を空けて、径方向の異なる4箇所に放射状に形成してあり、この貫通孔3を覆うように弾性樹脂5を装着してある。貫通孔間の軸筒4は厚みを変化させ、弾性樹脂5から突出する部分を一部設けてある。
具体的に説明すると、貫通孔間の軸筒4の横断面形状は、内形部の幅が広く形成されている(幅広部4a)と共に、外形部が狭く形成されている(幅狭部4b)。そして、その幅狭部4bの上方部が、前記弾性樹脂5の表面から露出している。
貫通孔3間の帯状の軸筒4と貫通孔を覆う弾性樹脂5が、把持した時の指の押圧力によって変形することから軸体がたわみ、把持した際の把持感触を向上し、把持しやすく、グリップ部材と指との接触面積も向上し、滑り止め効果を向上することが出来る。また、貫通孔間の軸筒4の厚みを変化させることで、厚い箇所では変形しにくく、薄い箇所は変形しやすくなっている。更に弾性樹脂から貫通孔間の軸筒4の一部が突出した部分を設けることで弾性樹脂の軟らかい触感の中に部分的に硬い部分があるため触感に変化を持たせるとともに滑りにくさを向上させている。
また、本例においては、貫通孔間の軸筒4に幅広部4aと幅狭部4bを設けることによって、軸筒4の横断面方向に段部4cが形成され、その段部4cによって、把持した際に、弾性樹脂5が軸筒1内の潜り込んでしまう現象を防止することができる。
図7は、本発明を筆記具の把持部に使用した実施例5の図である。図8は図7のA−A線断面図である。参照符号1は軸筒、参照符号2は把持部、参照符号3は貫通孔、参照符号4は貫通孔間の軸筒、参照符号5は貫通孔を覆う弾性樹脂である。尚、弾性樹脂は透明を使用している為、図7の外観においても貫通孔間の軸筒を確認できる。
実施例5として、軸筒1はポリカーボネート、把持部2として弾性樹脂5(プリマロイA1500N、三菱化学(株)製、ショアーA硬度:59°)を用いて射出成形で成形した。
軸筒1の把持部2には、軸方向に沿って平行な幅で延びる貫通孔3を、適宜間隔を空けて、径方向の異なる4箇所に放射状に形成してあり、この貫通孔3を覆うように弾性樹脂5を装着してある。弾性樹脂5には一部厚みの異なる箇所を設けてある。
具体的に説明すると、貫通孔3の内面からは、弾性樹脂5が内方に向けて突出しており(突出部5a)、その突出部5aは、その外面近傍の幅が大きく、内径方向に向かって円弧状に徐々に縮小している。即ち、突出部5aは、軸筒1の内径方向に向かって半円弧状の突出部となっている。これによって、前記貫通孔3の長手方向における内側面部は内径方向に向かって拡径する円弧状の内側面(円弧面3c)となっている。また、その突出部5aは、軸筒1の厚さよりも厚いものとなっており、軸筒1の内面から突出した状態になっている。
貫通孔3間の帯状の軸筒4と貫通孔を覆う弾性樹脂5が、把持した時の指の押圧力によって変形することから軸体がたわみ、把持した際の把持感触を向上し、把持しやすく、グリップ部材と指との接触面積も向上し、滑り止め効果を向上することが出来る。また、弾性樹脂の厚みを一部変化させることで、厚い箇所では変形しにくく、薄い箇所は変形しやすくなっている。更に、軸体内部に弾性樹脂を突出させることで把持したときに軸内に存在するボールペンリフィルのような筆記体を固定し、ペン先のぐらつきを抑えることが出来る。
本発明は、軸体の少なくとも把持部する部分に弾性樹脂を設けた軸体に関するものである。その軸体の例としては、シャープペンシルやボールペン、修正ペンなどの筆記具、カッターや彫刻刀、ドライバーなどの工具類、PDA(パーソナル デジタル アシスタンス)や電子手帳に使用される入力ペン、自転車のハンドルなど多岐にわたる。
1 軸筒
2 把持部
3 貫通孔
4 貫通孔間の軸筒
5 貫通孔を覆う弾性樹脂

Claims (3)

  1. 軸筒の外周に弾性樹脂からなる把持部を設けた軸体において、前記軸筒に貫通孔を、適宜間隔を空けて複数個、形成し、前記弾性樹脂を前記貫通孔を覆うように装着したことを特徴とする軸体。
  2. 前記貫通孔の間に位置する軸筒の厚みを軸芯及び/または軸周方向に対して変化させたことを特徴とする請求項1に記載の軸体。
  3. 前記弾性樹脂の厚みを軸芯及び/または軸周方向に対して変化させたことを特徴とする請求項1乃至2に記載の軸体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018001629A (ja) * 2016-07-04 2018-01-11 シーレックス株式会社 筆具用転写フィルム、筆具用転写フィルムの製造方法、筆具および筆具の製造方法

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