JP2007302905A - 無機物含有塩化ビニル系樹脂及び製造方法 - Google Patents

無機物含有塩化ビニル系樹脂及び製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 無機物を塩化ビニル樹脂中へ導入する際に、樹脂中に分散しやすく、機械的強度や耐熱性などの諸物性が良好で、且つ、簡便な方法で製造が可能なポリ塩化ビニル系樹脂の提供。
【解決手段】 無機物(A)の周囲に、ラジカル重合によって得られる熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂(B)が担持されてなる樹脂付着無機物が、塩化ビニル系樹脂(C)(アクリル系樹脂への塩化ビニルグラフト体は除く)に配合されてなることを特徴とする無機物含有ポリ塩化ビニル系樹脂。
【選択図】 なし

Description

本発明は無機物を含有した塩化ビニル系樹脂組成物に関する。
ポリ塩化ビニルを炭酸カルシウムなどの無機充填材で強化した樹脂組成物は広く知られている。しかし、これらの強化材はポリ塩化ビニルとの親和性が乏しく、これらを充填すると強化ポリ塩化ビニルの機械的強度や耐熱性は改良されるものの、靭性が低下するという問題がある。しかも、これら無機充填材で強化した樹脂組成物では、充填材を多量に配合しないと機械的強度や耐熱性が向上しないという問題があった。
無機物含有塩化ビニル系樹脂を用いて成形体を作製する際には、通常は、塩化ビニル系樹脂粉体と共に無機充填剤を混合して塩化ビニル系樹脂組成物を作製した後、成型加工工程を経て製品を得ている。この混合工程の低減、無機物の塩化ビニル系樹脂中への分散性の向上せしめる目的で、塩化ビニル系樹脂を作製する懸濁重合時に予め無機充填剤を樹脂中に導入させる方法が提案されている。例えば、特開昭60−228505号公報にはノニオン系界面活性剤を用いて、無機物を樹脂中に導入する方法が提案されているが、無機物によっては使用量よりも樹脂中へ導入される量が少なく、工程削減、物性改善効果に乏しい。また、特開平10−110004号公報には、無機物存在化で塩化ビニル系モノマーを重合し、無機物含有塩化ビニル系樹脂を得る方法が開示されているが、この方法では、水性媒体中での懸濁重合時に、無機物が水中へ移行してしまう為、物性改善には過剰量の無機物を使用しなければならず、コスト的な短所が見受けられる。又、無機物が単独で沈降してしまう為、重合後に無機物と樹脂との分離工程が必要になる、且つ、樹脂中へ多量に導入させることが困難である等の問題がある。
本発明は、上記従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、無機物を塩化ビニル樹脂中へ導入する際に、樹脂中に分散しやすく、機械的強度や耐熱性などの諸物性が良好で、且つ、簡便な方法で可能な塩化ビニル系樹脂を提供することである。
本発明者らは、上記の課題について検討を重ねた結果、ラジカル重合性モノマーを重合してなる熱可塑性樹脂が無機物の周囲に担持され、無機物表面が被覆された樹脂付着無機物を配合剤として用いることで、無機物の塩化ビニル系樹脂中への導入が容易で、且つ、無機物単体のみを配合した時と比較して、同じ無機物含有量で諸物性が良好な塩化ビニル系樹脂組成物が得られる事を見いだした。また、上記ラジカル重合性モノマーとして、(メタ)アクリレート等のラジカル重合活性の高い汎用樹脂モノマーを用いることにより、さらにコスト的に有利な製品を効率よく製造することができる。
本発明に使用される無機物は、塩化ビニル系樹脂の充填剤、物性強化剤として用いられ、特に限定されないが、例えば、金属粉、炭酸カルシウムやチタン酸カリウムなどの金属無機酸塩、水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物、酸化アルミニウムや酸化チタンなどの金属酸化物、バーミキュライト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイトなどのスメクタイト族フィロ珪酸塩、白雲母、ソーダ雲母、絹雲母、セラドナイト、金雲母、フッ素金雲母などのマイカ族フィロ珪酸塩、カオリナイトなどのカオリン鉱物、パイロフィライトやタルク、テクト珪酸塩、グラファイトなどが挙げられ、好ましくは、層状構造を有するフィロ珪酸塩等が用いられる。これらは単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明では、ラジカル重合性モノマーを重合せしめてなる熱可塑性樹脂が、無機物表面に担持されてなることを特徴とする。無機物と熱可塑性樹脂からなる樹脂付着無機物の形状については、個々の無機物粒子表面が樹脂層により被覆された形状、単独無機物粒子よりも小さな樹脂粒子により個々の無機物若しくは複数個の粒子が覆われた形状、熱可塑性樹脂による樹脂壁が一層以上形成されてなる樹脂粒子中に無機物が個々に若しくは複数個内包されてなる粒子形状等が挙げられるが、これらは特に限定されるものではない。
本発明では、無機物に担持される樹脂として、ラジカル重合によって合成可能な熱可塑性樹脂を主成分に用いることが特徴である。特に、上記熱可塑性樹脂として、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン誘導体、又はポリ酢酸ビニル誘導体等のラジカル重合活性の高いモノマーから合成される汎用樹脂が用いられ、好ましくは、ポリ(メタ)アクリレート等が用いられる。これらは単独あるいは共重合体として使用される。
上記ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、クミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2‐エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、スチレン、α‐メチルスチレン、p‐メチルスチレン、p‐クロロスチレン等のスチレン誘導体、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル、無水マレイン酸、塩化ビニリデン、マレイミド誘導体等が挙げられ、これらは単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記のラジカル重合性モノマーには、熱可塑性樹脂の機械的強度を改善する事で、ラジカル重合可能な多官能性モノマーが添加されてもよい。上記多官能性モノマーとしては、特に限定はされないが、例えば、ジ(メタ)アクリレートとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等が挙げられ、トリ(メタ)アクリレートとしては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、その他の多官能性モノマーとしては、ペンタエリストールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリストールヘキサ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、ジアリルフマレート等のジもしくはトリアリル化合物、ジビニルベンゼン、ブタジエン等のジビニル化合物等が挙げられ、これらは単独または2種類以上を組み合わせて用いることができる。
多官能性モノマーは、多く使用すると機械的強度が大きく向上し、結果として、塩化ビニル系樹脂中への導入を抑制してしまうので、多く使用しない、もしくは、使用しないことが望ましい。
上記無機物の周囲に、ラジカル重合によって得られる熱可塑性樹脂が担時されてなる樹脂付着無機物を作製する際の無機物とラジカル重合性モノマーとの比は、無機物1〜75重量%とラジカル重合性モノマー25〜99重量%であることが好ましい。無機物量が75重量%を超え、ラジカル重合性モノマーが25重量%未満になると、無機物に付着する樹脂量が少なくなり、無機物に樹脂を担持させてポリ塩化ビニル樹脂への導入を容易にすると共に物性を向上させるという本発明の効果が認められ難くなってしまう。
本発明の樹脂付着無機物は、水性媒体中における懸濁重合により作製する方法、若しくは、乳化重合により作製する方法の二通りに大別されるが、特に限定されるものではない。
水性媒体中における懸濁重合方法により作製される樹脂付着無機物は、先ずラジカル重合性モノマーと無機物及び重合開始剤を混合し、その後、分散剤を含む水中にその混合物を乳化懸濁し、油滴中のモノマーをラジカル重合することによって得られる。この時、無機物は予めモノマーと混合しておくことにより、水中に乳化懸濁されたとき及び重合中においても、無機物はモノマー油滴中に存在することとなり、熱可塑性樹脂が無機物を被覆した樹脂付着無機物が、水懸濁重合という設備的にも簡便な重合形態で作成することができる。
上記懸濁重合方法には、モノマー添加法の違いから一括重合法、エマルジョン添加法の二つに大別され、特に限定されるものではない。
懸濁重合時の一括重合法とは、例えば、まず、無機物とラジカル重合性モノマー、及び重合開始剤を予め混合しモノマー・無機物混合体を調製する。一方、ジャケット付重合反応槽内にイオン交換水、分散剤を入れ、重合槽内部を減圧して酸素除去を行った後、窒素にて大気圧まで圧力を戻し、窒素雰囲気下において、上記モノマー・無機物混合体を一括して重合槽内へ添加する。撹拌翼によって、モノマー・無機物混合体を乳化懸濁した後、槽内をジャケットにより所定の温度に昇温して重合する方法である。また、モノマー・無機物混合体は分散剤及び仕込水の一部と予め混合乳化され、重合槽へ添加されても良い。
懸濁重合時のエマルジョン添加法とは、例えば、まず、上記モノマー・無機物混合体を、分散剤とイオン交換水中に添加し、撹拌により充分乳化することにより予め乳化モノマー・無機物混合体溶液を調製する。次いでジャケット付重合反応槽内にイオン交換水を入れ、重合槽内部を減圧して酸素除去を行った後、窒素にて大気圧まで圧力を戻し、窒素雰囲気下において、槽内をジャケットにより所定の温度にした後、上記モノマー・無機物混合体溶液を一括添加、あるいは一定量ずつ滴下することにより重合する方法である。
水性媒体中における乳化重合方法により作製される樹脂付着無機物は、先ず無機物を水中に添加、攪拌する事で膨潤若しくは懸濁状態とした後に、重合開始剤とラジカル重合性モノマー及び分散剤とを添加し、モノマーをラジカル重合する
事によって得られる。この時、無機物は予め水中に分散させておく事により、乳化重合によって生成される樹脂粒子との接近頻度が増加する。その結果、無機物の周囲に樹脂が付着する事となり、水溶媒の乳化重合という設備的にも簡便な重合形態で作成する事が出来る。
上記乳化重合法には、モノマー添加の違いからモノマー添加法、エマルジョン添加法の二つに大別され、特に限定されるものではない。
乳化重合時のモノマー添加法とは、例えば、まず、無機物をジャケット付重合反応槽内にイオン交換水と共に添加し、攪拌翼によって、無機物を膨潤若しくは懸濁状態とする。更に、重合槽内部を減圧して酸素除去を行った後、窒素にて大気圧まで圧力を戻し、窒素雰囲気下において、分散剤と重合開始剤を重合槽に添加し、槽内をジャケットにより所定の温度に昇温して、ラジカル重合性モノマーを重合槽内へ一括添加、あるいは一定量ずつ滴下する事により重合する方法である。
乳化重合時のエマルジョン添加法とは、例えば、まず、上記モノマー添加法と同様の操作により重合槽内を所定の温度に昇温した後、ラジカル重合性モノマーを分散剤及び仕込水の一部と予め混合乳化したものを、重合槽へ一括添加、あるいは一定量ずつ滴下する事により重合する方法である。
上記分散剤は、懸濁重合方法では上記樹脂付着無機物を得る段階で無機物とモノマーの混合乳化懸濁液の分散安定性を向上させ、重合を効率的に行う目的で添加される。また、乳化重合方法では上記ラジカル重合性モノマーを重合してなる樹脂の分散安定性を向上させ、均一に付着した無機物を効率的に得る目的で添加される。例えば、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、部分ケン化ポリ酢酸ビニル、セルロース系分散剤、ゼラチン等が挙げられる。特に望ましくはアニオン系界面活性剤であり、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩等が挙げられる。
上記懸濁重合方法での重合開始剤としては、油溶性のフリーラジカルを発生する化合物、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジブチルパーオキシジカーボネート、α−クミルパーオキシネオデカノエート等の有機系過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系開始剤及びレドックス開始剤等が挙げられる。
上記乳化重合方法での重合開始剤としては、水溶性のフリーラジカルを発生する化合物、例えば、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の無機系過酸化物、4,4´−アゾビス−4−シアノバレリックアシッド等のアゾ系開始剤及びレドックス開始剤等が挙げられる。また、上記懸濁重合方法及び乳化重合方法の何れの場合でも、必要に応じてpH調整剤、酸化防止剤等が添加されてもよい。
重合の結果得られる樹脂付着無機物を含むスラリー中の無機物と樹脂とを合わせた固形分濃度は、特に限定されるものではないが、生産性、重合反応の安定性を鑑みて、10〜50重量%が好ましい。上記スラリー中の樹脂付着無機物の平均粒子径は特に限定されないが、使用方法により好ましい粒子径が異なり、例えば、スラリーとして用いる場合は、大きくなると樹脂付着無機物と水の分離が起こりやすくなるため、30μm以下が適当である。一方、樹脂付着無機物を乾燥し、粉体として使用する場合は、乾燥工程の操作性等より10〜3000μmが適当である。
本発明は、無機物を熱可塑性樹脂によって被覆し、樹脂付着無機物とすることにより、塩化ビニル系樹脂と共に配合することによって導入が容易であるのみならず、無機物単体を単純に配合した場合よりも、各種物性の向上が可能になる。
上記塩化ビニル系樹脂とは、例えば、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと共重合し得るモノマーと塩化ビニルとの共重合体で塩化ビニル成分が50重量%以上のもの(但し、アクリル系樹脂への塩化ビニルグラフト体を除く)等が挙げられ、これらの少なくとも1種が使用される。
上記塩化ビニルと共重合し得るモノマーとは、例えば、酢酸ビニルなどのアルキルビニルエステル類;エチレン、プロピレンなどのα-モノオレフィン類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、オクチルアクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート類;アルキルビニルエーテル類;マレイミド類;塩化ビニリデン、スチレンなどが挙げられ、これらの少なくとも1種が使用される。
本発明の塩化ビニル系樹脂の製造方法は、従来公知の方法により作製されるもので良く、特に限定されるものではない。
上記無機物含有塩化ビニル系樹脂は、ポリ塩化ビニル系樹脂に樹脂付着無機物を配合せしめて作製されるが、作成方法は特に限定されることなく、例えば、ミキサーによる混練配合、又は、必要に応じてシート化、ペレット化等の様な方法が挙げられる。
本発明の無機物含有ポリ塩化ビニル系樹脂には、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じて、安定剤、滑剤、加工助剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤等の各種添加剤が添加されても良い。この際、塩化ビニル系樹脂に樹脂付着無機物を配合して無機物含有塩化ビニル系樹脂を作製した後に各種添加剤を添加しても良いが、塩化ビニル系樹脂に樹脂付着無機物を配合する際に同時に添加剤を加えて樹脂組成物とするのが好ましい。
本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、ラジカル重合性モノマーを重合してなる熱可塑性樹脂によって無機物の周囲に樹脂が担持され、表面が被覆された樹脂付着無機物を配合剤として用いることで、無機物の塩化ビニル系樹脂中への導入が容易で、且つ、無機物単体のみの配合時と比較して同無機物含有量で諸物性が良好な塩化ビニル系樹脂組成物が得られ、また、設備的にも簡便な方法で安価に生産ができる事が可能である。
以下、本発明の実施例について説明するが、下記の例に限定されるものではない。
表1、2、3及び4に示した配合組成に基づいて、下記の手順で樹脂付着無機物を作成した。
〔樹脂付着無機物の作製〕
参考実施例1〜11(以下、単に実施例1〜11と記載することがある)、比較例9〜13
所定量の無機物、ラジカル重合性モノマーと、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(無機物とモノマーの重量和に対し0.5重量%)を混合、撹拌した。ついでイオン交換水(無機物とモノマーの重量和に対し200重量%:全使用量の80%)に分散剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(無機物とモノマーの重量和に対し3.0重量%)を添加し、この中に先のモノマー・無機物混合体を添加し、撹拌して乳化モノマー液を調製した。一方、重合器に残りのイオン交換水(無機物とモノマーの重量和に対し50重量%)を入れ、攪拌を開始した。重合器内を減圧して容器内の脱酸素をおこなった後、窒素により圧力を大気圧まで戻して、内部を窒素雰囲気とした後、上記乳化モノマー液を一括に添加した。重合槽を80℃まで昇温して、重合を開始した。30分で重合を終了し、その後1時間の熟成期間を経た後、重合槽を室温まで冷却した。固形分濃度約30重量%、平均粒径約10μmの樹脂付着無機物を含むスラリーを得た。但し、比較例の場合においては、平均粒径約2μmの樹脂を含むスラリーを得た。
実施例12〜17、参考例18(以下、単に実施例18と記載することがある)、実施例19〜22、比較例14〜18
所定量のモノマーとイオン交換水(無機物とモノマーの重量和に対し50重量%:全使用量の20%)、分散剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(無機物とモノマーの重量和に対し3.0重量%)を混合、撹拌して乳化モノマー液を調製した。
一方、重合器に残りのイオン交換水(無機物とモノマーの重量和に対し200重量%)と所定量の無機物を入れ、攪拌を開始した。重合器内を減圧して容器内の脱酸素をおこなった後、窒素により圧力を大気圧まで戻して、内部を窒素雰囲気とした後、重合槽を80℃まで昇温した。重合槽に過硫酸アンモニウム(モノマーの重量に対して0.5重量%)を添加した後、上記乳化モノマー液を重合槽に滴下し重合を開始した。モノマー滴下は90分間掛けて行い、その後1時間の熟成期間を経た後、重合槽を室温まで冷却した。固形分濃度約30重量%、平均粒径約10μmの樹脂付着無機物を含むスラリーを得た。但し、比較例の場合においては、平均粒径約1μmの樹脂を含むスラリーを得た。
実施例23
表2に記載の2種のモノマー(メチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート)各々にイオン交換水(無機物とモノマーの重量和に対し25重量%:全使用量の10%)、分散剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(無機物とモノマーの重量和に対し3.0重量%)を混合、撹拌して2種類の乳化モノマー液を調製した。
一方、重合器に残りのイオン交換水(無機物とモノマーの重量和に対し200重量%)と所定量の無機物を入れ、攪拌を開始した。重合器内を減圧して容器内の脱酸素をおこなった後、窒素により圧力を大気圧まで戻して、内部を窒素雰囲気とした後、重合槽を80℃まで昇温した。重合槽に過硫酸アンモニウム(総モノマーの重量に対して0.5重量%)を添加した後、上記乳化モノマー液(メチルメタクリレートの乳化液)を重合槽に滴下し重合を開始した。モノマー滴下は45分間掛けて行った。その後、一方の乳化モノマー液(n−ブチルアクリレート)を重合槽に45分間掛けて滴下し、その後1時間の熟成期間を経た後、重合槽を室温まで冷却した。固形分濃度約30重量%、平均粒径約10μmの樹脂付着無機物を含むスラリーを得た。
〔ポリ塩化ビニル系樹脂組成物成型サンプルの作製〕
実施例1〜23、比較例1〜18
表1、2、3及び4に示した配合組成に従って、所定量の配合材料を混合攪拌し、塩化ビニル系樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を6インチロール成型機で190℃×3分間混練した後、厚さ1mmのシートと、次にプレス成型機を用い、200℃で3分間予熱し、圧力4.9MPaで4分間加圧し、塩化ビニル系樹脂組成物成型サンプルを得た。
〔評価〕
得られた塩化ビニル系樹脂組成物成型サンプルについて、下記の評価を行った。結果を表1、2、3及び4に示す。
(無機物量)
上記成型サンプルをるつぼ中にて強熱し、1000℃下で有機分を完全に焼却後、残った灰分より、成型サンプル中の無機物量を算出した。
(引張強度)
上記成型品サンプルを用い、プラスチックの引張試験方法(JIS K 7113)に則り、1号形試験片で、測定温度23℃で引張降伏強さを測定した。
(ビカット軟化温度)
上記成型品サンプルを用い、プラスチックのビカット軟化温度試験法(JIS K 7206)に則り、10N加重、昇温速度50℃/hrにて測定した。
(線膨張率)
上記成型品サンプルを用い、プラスチックの線膨率張試験方法(JIS K 7197)に則り、測定温度23℃〜70℃、昇温速度5℃/minで線膨張率を測定した。
Figure 2007302905
Figure 2007302905
Figure 2007302905
Figure 2007302905

Claims (3)

  1. 層状構造を有するフィロ珪酸塩を含む無機物(A)の周囲に、ラジカル重合性モノマーのラジカル重合によって得られる熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂(B)が担持されてなる樹脂付着無機物が、塩化ビニル系樹脂(C)(アクリル系樹脂への塩化ビニルグラフト体は除く)に配合された無機物含有ポリ塩化ビニル系樹脂組成物からなり、 前記樹脂付着無機物は、無機物1〜75重量%が膨潤若しくは懸濁している水中にて、ラジカル重合性モノマー25〜99重量%を滴下し、乳化重合して得られたものであることを特徴とする成形体。
  2. 前記熱可塑性樹脂が、ポリ(メタ)アクリレートであることを特徴とする
    請求項1に記載の成形体。
  3. ポリ塩化ビニル又はポリ塩化ビニルを主成分とするポリ塩化ビニル系樹脂
    (C)100重量部に対し、無機物(A)の周囲にラジカル重合によって得られる熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂(B)が担持されてなる樹脂付着無機物(A+B)が1〜100重量部であることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の成形体。
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