JP3262700B2 - 塩化ビニル系樹脂 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂

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JP3262700B2
JP3262700B2 JP28198795A JP28198795A JP3262700B2 JP 3262700 B2 JP3262700 B2 JP 3262700B2 JP 28198795 A JP28198795 A JP 28198795A JP 28198795 A JP28198795 A JP 28198795A JP 3262700 B2 JP3262700 B2 JP 3262700B2
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貴宏 大村
茂 田中
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐衝撃性に優れた
塩化ビニル系樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、塩化ビニル系樹脂は、耐衝撃
性、耐候性、耐薬品性に優れた特性を有する材料として
多くの用途に用いられている。しかし、このような塩化
ビニル系樹脂は、硬質用に用いるには耐衝撃性が劣る等
の欠点を有しており、種々の改良方法が提案されてい
る。
【0003】例えば、特開昭60−255813号公報
には、耐衝撃性や耐候性を必要とする用途に適するもの
として、アクリル系共重合体に塩化ビニルをグラフト共
重合させた塩化ビニル系樹脂が提案されている。
【0004】一般に、グラフト共重合体中のアクリル系
共重合体の含有量は、少ないほど引張強度が高いことが
知られている。しかし、アクリル系共重合体の含有量を
減少させた場合、耐衝撃性が著しく低下する等の欠点が
あった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、少量のアクリル系共重合体と塩化ビニルとから、優
れた耐衝撃性と引張強度を有する成形品が得られる塩化
ビニル系樹脂を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、単独重
合体のガラス転移温度が−20℃未満であるアルキル
(メタ)アクリレート10〜100重量%と、単独重合
体のガラス転移温度が−20℃以上であり、前記アルキ
ル(メタ)アクリレートと重合可能であるモノマー0〜
90重量%とからなる混合モノマー100重量部、及
び、多官能性モノマー0.1〜30重量部からなるアル
キル(メタ)アクリレート共重合体よりなり、平均粒子
径が0.1μm未満である樹脂粒子5〜70重量%
と、単独重合体のガラス転移温度が−20℃未満である
アルキル(メタ)アクリレート10〜100重量%と、
単独重合体のガラス転移温度が−20℃以上であり、前
記アルキル(メタ)アクリレートと重合可能であるモノ
マー0〜90重量%とからなる混合モノマー100重量
部、及び、多官能性モノマー0.1〜30重量部からな
るアルキル(メタ)アクリレート共重合体よりなり、平
均粒子径が0.12μm以上である樹脂粒子30〜9
5重量%とからなる混合樹脂粒子1〜30重量%に、塩
化ビニル99〜70重量%をグラフト共重合させてなる
ことを特徴とする塩化ビニル系樹脂に存する。
【0007】本発明で使用されるアルキル(メタ)アク
リレート共重合体は、単独重合体のガラス転移温度が−
20℃未満であるアルキル(メタ)アクリレート10〜
100重量%と、単独重合体のガラス転移温度が−20
℃以上であり、上記アルキル(メタ)アクリレートと重
合可能であるモノマー0〜90重量%とからなる混合モ
ノマー、及び、多官能性モノマーからなるものである。
【0008】上記単独重合体のガラス転移温度が−20
℃未満であるアルキル(メタ)アクリレートとしては特
に限定されず、例えば、エチルアクリレート、n−プロ
ピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソ−ブ
チルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、n−
ヘキシルアクリレート、n−ヘプチルアクリレート、n
−オクチル(メタ)アクリレート、2−メチルヘプチル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、2−メ
チルオクチル(メタ)アクリレート、2−エチル(メ
タ)ヘプチルアクリレート、n−デシル(メタ)アクリ
レート、ラウリル(メタ)アクリレート等を挙げられ、
これらは単独又は2種以上を組み合わせて用いることが
できる。
【0009】上記単独重合体のガラス転移温度が−20
℃以上であり、上記アルキル(メタ)アクリレートと重
合可能であるモノマーとしては特に限定されず、例え
ば、メチル(メタ)アクリレート、エチルメタクリレー
ト、n−プロピルメタクリレート、イソプロピル(メ
タ)アクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブ
チルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、
t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシルメタク
リレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ミリ
スチル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アク
リレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキ
ル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸等
の極性基含有ビニルモノマー;スチレン、α−メチルス
チレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニルモノマー;ア
クリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリ
ル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステ
ル等のラジカル重合性モノマーが挙げられ、これらは単
独又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
上記アルキル(メタ)アクリレートと重合可能であるモ
ノマーは、単独重合体のガラス転移温度が−20℃以上
であるので、上記アルキル(メタ)アクリレート共重合
体のガラス転移温度を任意に調節することができる。
【0010】上記混合モノマーにおける上記単独重合体
のガラス転移温度が−20℃以上であり、上記アルキル
(メタ)アクリレートと重合可能であるモノマーの割合
は、0〜90重量%である。90重量%を超えると、成
形品の耐衝撃性が低下するので、上記範囲に限定され
る。好ましくは、0〜30重量%である。
【0011】上記多官能性モノマーは、上記アクリル
(メタ)アクリレート共重合体を架橋し、上記アクリル
(メタ)アクリレート共重合体よりなる樹脂粒子の合着
を起こしにくくし、更に得られる塩化ビニル系樹脂の耐
衝撃性を向上させる目的で添加される。
【0012】上記多官能性モノマーとしては特に限定さ
れず、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,
6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメ
チロールプロパンジ(メタ)アクリレート等のジ(メ
タ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロ
ールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールトリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)ア
クリレート;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アク
リレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アク
リレート、ジアリルフタレート、ジアリルマレート、ジ
アリルフマレート、ジアリルサクシネート、トリアリル
イソシアヌレート等のジアリル化合物又はトリアリル化
合物;ジビニルベンゼン、ブタジエン等のジビニル化合
物等が挙げられ、これらは単独で又は2種類以上を組み
合わせて用いることができる。
【0013】上記アルキル(メタ)アクリレート共重合
体は、上記混合モノマー100重量部、及び、上記多官
能性モノマー0.1〜30重量部からなるものである。
【0014】上記多官能性モノマーの添加量が0.1重
量部未満であると、架橋密度の低下に伴い、得られる塩
化ビニル系樹脂の耐衝撃性が得られにくくなり、30重
量部を超えると、架橋密度の過多により、耐衝撃性が得
られにくくなるので、上記範囲に限定される。好ましく
は、0.2〜3重量部である。
【0015】上記アルキル(メタ)アクリレート共重合
体を得る方法としては特に限定されず、例えば、乳化重
合法、懸濁重合法等が挙げられる。好ましくは、耐衝撃
性の発現性が良く、上記アルキル(メタ)アクリレート
共重合体よりなる樹脂粒子の粒子径を制御しやすいの
で、乳化重合法等である。
【0016】上記乳化重合法においては、乳化分散剤及
び重合開始剤を用いることができる。上記乳化分散剤
は、上記混合モノマーの乳化液中での分散安定性を向上
させ、重合を効率的に行う目的で添加される。上記乳化
分散剤としては特に限定されず、例えば、アニオン系界
面活性剤、ノニオン系界面活性剤、部分ケン化ポリビニ
ルアルコール、セルロース系分散剤、ゼラチン等が挙げ
られる。
【0017】上記アニオン系界面活性剤としては、例え
ば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルサルフ
ェート(第一工業製薬社製、商品名「ハイテノールN−
08」)等が挙げられる。上記重合開始剤としては、例
えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水
素水等の水溶性重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイ
ド、ラウロイルパーオキサイド等の有機系過酸化物;ア
ゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系開始剤等が挙げら
れる。
【0018】上記乳化重合法では、必要に応じてpH調
整剤、酸化防止剤等が添加されてもよい。上記乳化重合
法は、モノマー添加法の違いから、一括重合法、モノマ
ー滴下法エマルジョン滴下法の3つに大別されるが、本
発明においては、特に限定されるものではない。
【0019】上記一括重合法とは、例えば、ジャケット
付重合反応器内に、純水、乳化分散剤、重合開始剤、上
記混合モノマー、上記多官能性モノマーを一括して添加
し、窒素気流による酸素除去及び加圧の条件下におい
て、攪拌により充分乳化した後、器内をジャケットによ
り加熱することで重合する方法である。
【0020】また、モノマー滴下法とは、例えば、ジャ
ケット付重合反応器内に純水、乳化分散剤、重合開始剤
を入れ、窒素気流下による酸素除去及び加圧の条件下に
おいて、まず器内をジャケットにより加熱した後、上記
混合モノマーと上記多官能性モノマーとを一定量ずつ滴
下することにより徐々に重合する方法である。
【0021】また、エマルジョン滴下法とは、例えば、
上記混合モノマー、上記多官能性モノマー、乳化分散
剤、純水を攪拌により充分乳化することにより予め乳化
モノマーを調整し、次いでジャケット付重合反応器内に
純水、重合開始剤を入れ、窒素気流下による酸素除去及
び加圧の条件下において、まず器内をジャケットにより
加熱した後、上記乳化モノマーを一定量ずつ滴下するこ
とにより重合する方法である。
【0022】更に、エマルジョン滴下法において、重合
初期に上記乳化モノマーの一部(以下「シードモノマ
ー」という)を一括添加し、その後、残りの乳化モノマ
ーを滴下する方法を用いれば、上記シードモノマーの量
を変化させることで容易に上記アルキル(メタ)アクリ
レート共重合体よりなる樹脂粒子の粒子径を制御するこ
とができる。
【0023】本発明の塩化ビニル系樹脂は、上記アルキ
ル(メタ)アクリレート共重合体よりなり、平均粒子径
が0.1μm未満である樹脂粒子5〜70重量%と、
上記 アルキル(メタ)アクリレート共重合体よりなり、
平均粒子径が0.12μm以上である樹脂粒子30〜
95重量%とからなる混合樹脂粒子1〜30重量%に、
塩化ビニル99〜70重量%をグラフト共重合させてな
るものである。
【0024】本発明の塩化ビニル系樹脂は、従来耐衝撃
性改良剤として用いられてきた平均粒子径が0.1μm
以上であるアクリル共重合体よりなる樹脂粒子に、平均
粒子径が0.1μm未満であるアクリル共重合体よりな
る樹脂粒子を混合して二峰性の粒度分布を持つラテック
ス粒子とすることにより、得られる塩化ビニル系樹脂か
らなる成形品の耐衝撃性が著しく向上するものである。
【0025】本発明においては、上記二峰性ラテックス
のうち、粒子径が小さい方のラテックス(以下、「粒径
小ラテックス」という)の粒子径は、平均粒子径が0.
1μm未満である。成形品中に分散する樹脂粒子の粒子
数を増やすことができ、樹脂粒子面間距離を小さくする
ことができるので、上記範囲に限定される。
【0026】一方、上記二峰性ラテックスのうち、粒子
径が大きい方のラテックス(以下、「粒径大ラテック
ス」という)の粒子径は、平均粒子径が0.12μm以
上である。0.12μm未満であると、上記粒径小ラテ
ックスと明確な粒子径の差が認められず、耐衝撃性の著
しい向上が望めないので、上記範囲に限定される。粒子
径の上限は、平均粒径5μm程度である。5μmを超え
ると、耐衝撃性が低下する。
【0027】上記混合樹脂粒子中における上記アルキル
(メタ)アクリレート共重合体よりなり、平均粒子径が
0.1μm未満である樹脂粒子の割合は、5〜70重
量%である。5重量%未満であると、成形品中の樹脂粒
子面間距離を小さくする効果が得られず、70重量%を
超えると、上記粒径小ラテックスの粒子数が増えすぎ、
二峰性粒度分布の効果が得られず、耐衝撃性が低下する
ので、上記範囲に限定される。好ましくは、10〜50
重量%である。
【0028】本発明の塩化ビニル系樹脂は、上記混合樹
脂粒子1〜30重量%に、塩化ビニル99〜70重量%
をグラフト共重合させてなるものである。上記混合樹脂
粒子の割合が1重量%未満であると、充分な耐衝撃性が
得られにくくなり、30重量%を超えると、曲げ強度や
引張強度等の機械的強度が低くなるので、上記範囲に限
定される。好ましくは4〜20重量%である。
【0029】上記混合樹脂粒子に上記塩化ビニルをグラ
フト共重合させる方法としては特に限定されず、例え
ば、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法、塊状重合法
等が挙げられが、好ましくは、本発明を有利に実施する
ことができるので、懸濁重合法等である。上記懸濁重合
法にあたっては、分散剤及び油溶性重合開始剤を用い
る。
【0030】上記分散剤は、上記アルキル(メタ)アク
リレート共重合体よりなる樹脂粒子の分散安定性を向上
させ、塩化ビニルのグラフト共重合を効率的に行う目的
で添加される。上記分散剤としては特に限定されず、例
えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロース、ポリ酢酸ビニル及びその
部分ケン化物、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、デン
プン、無水マレイン酸−スチレン共重合体等が挙げら
れ、これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて用い
ることができる。
【0031】上記油溶性重合開始剤としては、ラジカル
重合開始剤がグラフト共重合に有利であるという理由か
ら好適に用いられる。上記ラジカル重合開始剤としては
特に限定されず、例えば、ラウロイルパーオキサイド、
t−ブチルパーオキシピバレート、ジイソプロピルパー
オキシジカーボネート、ジオクチルパーオキシジカーボ
ネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、α−
クミルパーオキシネオデカノエート等の有機パーオキサ
イド類;2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2
−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾ
化合物等が挙げられる。
【0032】また、上記懸濁重合法では、必要に応じて
pH調整剤、酸化防止剤等が添加されてもよい。
【0033】本発明の塩化ビニル系樹脂の具体的な製造
方法としては、例えば、攪拌機及びジャケットを備えた
反応容器に、純水、上記アルキル(メタ)共重合体より
なる樹脂粒子、分散剤、油溶性重合開始剤及び水溶性増
粘剤、必要に応じて重合度調節剤等を投入し、その後、
真空ポンプで重合器内の空気を排出し、更に攪拌条件下
に塩化ビニル及び必要に応じて他のビニルモノマーを投
入した後、反応容器内をジャケットにより加熱し、塩化
ビニルのグラフト共重合を行う方法等が挙げられる。
【0034】上記塩化ビニルのグラフト共重合は発熱反
応であるので、ジャケット温度を変えることにより反応
容器内の重合温度を制御することができる。反応終了後
は、未反応の塩化ビニルを除去しスラリー状にし、更に
脱水乾燥することにより塩化ビニル系樹脂を得ることが
できる。
【0035】上記塩化ビニル系樹脂中のポリ塩化ビニル
の重合度は、少ないと成形品の充分な成形性が得られに
くくなるため、好ましくは300〜2000、更に好ま
しくは400〜1400である。
【0036】本発明の塩化ビニル系樹脂は、成形する際
に必要に応じて熱安定剤、安定化助剤、滑剤、加工助
剤、酸化防止剤、光安定剤、充填剤、顔料等が添加され
てもよい。
【0037】上記熱安定剤としては特に限定されず、例
えば、ジメチルすずメルカプト、ジブチルすずメルカプ
ト、ジオクチルすずメルカプト、ジブチルすずマレー
ト、ジブチルすずマレートポリマー、ジオクチルすずマ
レート、ジオクチルすずマレートポリマー、ジブチルす
ずラウレート、ジブチルすずラウレートポリマー等の有
機すず安定剤;ステアリン酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛、
三塩基性硫酸鉛等の鉛系安定剤;カルシウム−亜鉛系安
定剤、バリウム−亜鉛系安定剤、バリウム−カドミウム
系安定剤等が挙げられる。
【0038】上記安定化助剤としては特に限定されず、
例えば、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ豆油、エ
ポキシ化テトラヒドロフタレート、エポキシ化ポリブタ
ジエン、リン酸エステル等が挙げられる。
【0039】上記滑剤としては特に限定されず、例え
ば、モンタン酸ワックス、パラフィンワックス、ポリエ
チレンワックス、ステアリン酸、ステアリルアルコー
ル、ステアリン酸ブチル等が挙げられる。
【0040】上記加工助剤としては特に限定されず、例
えば、重量平均分子量10万〜200万のアルキルアク
リレート/アルキルメタクリレート共重合体であるアク
リル系加工助剤等が挙げられ、具体例としては、n−ブ
チルアクリレート/メチルメタクリレート共重合体、2
−エチルヘキシルアクリレート/メチルメタクリレート
/ブチルメタクリレート共重合体等が挙げられる。
【0041】上記酸化防止剤としては特に限定されず、
例えば、フェノール系抗酸化剤等が挙げられる。上記光
安定剤としては特に限定されず、例えば、サリチル酸エ
ステル系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、
シアノアクリレート系等の紫外線吸収剤;ヒンダードア
ミン系の光安定剤等が挙げられる。
【0042】上記充填剤としては特に限定されず、例え
ば、炭酸カルシウム、タルク等が挙げられる。上記顔料
としては特に限定されず、例えば、アゾ系、フタロシア
ニン系、スレン系、染料レーキ系等の有機顔料、酸化物
系、クロム酸モリブデン系、硫化物・セレン化物系、フ
ェロシアン化物系等の無機顔料等が挙げられる。
【0043】また、上記塩化ビニル系樹脂には、成形時
の加工性を向上させる目的で可塑剤が添加されてもよ
く、このような可塑剤としては、例えば、ジブチルフタ
レート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジ−2−
エチルヘキシルアジペート等が挙げられる。
【0044】上記添加剤を上記塩化ビニル系樹脂に混合
する方法としては、ホットブレンドによる方法でも、コ
ールドブレンドによる方法でもよく、また、成形方法と
しては、例えば、押出成形法、射出成形法、カレンダー
成形法、プレス成形法等が挙げられる。
【0045】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0046】実施例1〜7、比較例1〜14 表1、2 に示した配合組成に従い、下記の操作手順で各
塩化ビニル系樹脂を得た。(アクリル系共重合体ラテッ
クスの作製)攪拌機及び還流冷却器を備えた反応容器
に、純水、過硫酸アンモニウム(APS)を入れ、容器
内の酸素を窒素により置換した後、攪拌条件下で反応容
器を75℃に昇温した。所定量の純水、乳化分散剤(第
一工業製薬社製、商品名「ハイテノールN−08」)、
n−ブチルアクリレート(n−BA)、及び、表1、2
に示した配合組成に従うモノマー、トリメチロールプロ
パントリアクリレート(TMP−A)を混合、攪拌し、
乳化モノマーを調整した。まず、調整した乳化モノマー
のうち2〜40%を上記の昇温が完了した反応器に一括
添加し、過硫酸アンモニウムを加えて重合を開始した。
シードモノマーの重合が終了次第、続いて残りの乳化モ
ノマーの滴下を開始した。すべての乳化モノマーの滴下
を3時間で終了し、その後1時間の熟成期間を置いた
後、重合を終了して固形分30重量%のアクリル系共重
合体ラテックス(以下「ラテックス」という)を得た。
上記シード量を変化させることにより平均粒子径の制御
を行った。
【0047】(塩化ビニル系樹脂の作製) 次いで、攪拌機及びジャケットを備えた反応容器に、純
水、上記ラテックス、部分ケン化ポリ酢酸ビニル(クラ
レ社製、商品名「クラムポバールL−8」)の3%水溶
液(3%PVA水溶液)、t−ブチルパーオキシネオデ
カノエート(BPOND)、α−クミルパーオキシネオ
デカノエート(QPOND)及び凝集剤を一括投入し、
その後、真空ポンプで重合器内の空気を排出し、更に攪
拌条件下で塩化ビニルを投入した後、30分間攪拌する
ことにより塩化ビニルを均一に混合し、ジャケット温度
の制御により重合温度57℃にて重合を開始した。
【0048】反応器内の圧力が7kg/cm2 の圧力ま
で低下することで反応終了を確認し、停止した。その
後、未反応の塩化ビニルモノマーを除去し、更に脱水乾
燥することにより塩化ビニル系樹脂中の塩化ビニルの重
合度が1000の塩化ビニル系樹脂組成物を得た。
【0049】評価項目及び評価法は以下に示すとおりで
あった。 (平均粒子径) マイクロトラック社製UPA−150を用いて測定し、
平均粒径として50%粒子径(メジアン径)を用いた。 (耐衝撃性) JIS K 7110に準拠し、アイゾット衝撃値試験
を行った。測定温度は23℃であった。 (引張強度) JIS K 7113に準拠し、引張強度試験を行っ
た。測定温度は23℃であった。結果を表1、2に示し
た。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【発明の効果】本発明の塩化ビニル系樹脂は、上述の構
成よりなるので、従来のものに比べて耐衝撃性、引張強
度に極めて優れている。塩化ビニル樹脂の成形加工に使
用される通常の滑剤、安定剤、顔料等を配合することに
より、流動性良く成形加工を行うことができ、上記特性
を生かして、高い衝撃性や引張強度が要求される外壁、
防音壁のような用途だけでなく、良好な成形性を要求さ
れる窓枠、サッシ等に好適に使用することができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−200817(JP,A) 特開 昭59−51906(JP,A) 特開 平7−330839(JP,A) 特開 昭61−225206(JP,A) 特開 平4−234413(JP,A) 特開 平7−157520(JP,A) 特開 平8−295784(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 265/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単独重合体のガラス転移温度が−20℃
    未満であるアルキル(メタ)アクリレート10〜100
    重量%と、単独重合体のガラス転移温度が−20℃以上
    であり、前記アルキル(メタ)アクリレートと重合可能
    であるモノマー0〜90重量%とからなる混合モノマー
    100重量部、及び、多官能性モノマー0.1〜30重
    量部からなるアルキル(メタ)アクリレート共重合体よ
    りなり、平均粒子径が0.1μm未満である樹脂粒子
    5〜70重量%と、 単独重合体のガラス転移温度が−20℃未満であるアル
    キル(メタ)アクリレート10〜100重量%と、単独
    重合体のガラス転移温度が−20℃以上であり、前記ア
    ルキル(メタ)アクリレートと重合可能であるモノマー
    0〜90重量%とからなる混合モノマー100重量部、
    及び、多官能性モノマー0.1〜30重量部からなるア
    ルキル(メタ)アクリレート共重合体よりなり、平均粒
    子径が0.12μm以上である樹脂粒子30〜95重
    量%とからなる混合樹脂粒子1〜30重量%に、 塩化ビニル99〜70重量%をグラフト共重合させてな
    ることを特徴とする塩化ビニル系樹脂。
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