JP3262698B2 - 塩化ビニル系樹脂及び製造方法 - Google Patents
塩化ビニル系樹脂及び製造方法Info
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Description
塩化ビニル系樹脂及びその製造方法に関する。
性、耐候性、耐薬品性に優れた特性を有する材料として
多くの用途に用いられている。しかし、このような塩化
ビニル系樹脂は、硬質用に用いるには耐衝撃性が劣ると
いう欠点を有しており、種々の改良方法が提案されてい
る。特に、耐衝撃性や耐候性を必要とする用途に適した
ものとして、アクリル系共重合体に塩化ビニルをグラフ
ト共重合させた塩化ビニル系樹脂(特開昭60−255
813号公報)が提案されている。
グラフト共重合体を用いた例として、このような塩化ビ
ニル系樹脂を合成する際に、重合反応器内面に付着する
スケールを減少させることを目的として、アクリル系重
合体に単独重合体のガラス転移温度が80℃以上のモノ
マーをグラフト共重合させたものを用いる方法(特公平
5−43731号公報)が提案されている。
塩化ビニル系樹脂を用いた成形品は、常温においては通
常の硬質塩化ビニルに比べて耐衝撃性の向上はみられる
ものの、0℃以下の低温においては著しく耐衝撃性能が
低下し、寒冷地では用途が制限されることとなる。
み、常温のみならず、0℃以下の低温においても充分な
耐衝撃性を有し且つ室温で強度の高い成形品が得られる
塩化ビニル系樹脂を提供することを目的とする。
合体のガラス転移温度が−60℃以下であるラジカル重
合性モノマーの1種又は2種以上100重量部、及び、
多官能性モノマー0〜30重量部からなる共重合体(A
−1)30〜95重量%に、単独重合体のガラス転移温
度が−55℃以上であるアクリレート(但し、単独重合
体のガラス転移温度が−20℃以上であるアクリレート
は除く)の1種又は2種以上100重量部、及び、多官
能性モノマー0.1〜30重量部からなる混合モノマー
(A−2)5〜70重量%をグラフト共重合させた共重
合体(A)1〜30重量%と、塩化ビニル(B)99〜
70重量%とをグラフト共重合させてなることを特徴と
する塩化ビニル系樹脂に存する。 また、本発明の要旨
は、単独重合体のガラス転移温度が−60℃以下である
ラジカル重合性モノマーの1種又は2種以上100重量
部と、多官能性モノマー0〜30重量部とを反応させて
コア共重合体(A−1)を得、前記コア共重合体(A−
1)30〜95重量%に、単独重合体のガラス転移温度
が−55℃以上であるアクリレート(但し、単独重合体
のガラス転移温度が−20℃以上であるアクリレートは
除く)の1種又は2種以上100重量部と、多官能性モ
ノマー0.1〜30重量部からなる混合モノマー(A−
2)5〜70重量%をグラフト共重合させてコア・シェ
ル型共重合体(A)を得、しかる後、前記コア・シェル
型共重合体(A)1〜30重量%と、塩化ビニル(B)
99〜70重量%とをグラフト共重合させることを特徴
とする塩化ビニル系樹脂の製造方法に存する。
れた塩化ビニル系樹脂そのものにもある。以下に本発明
を詳述する。
移温度が−60℃以下であるラジカル重合性モノマーの
1種又は2種以上100重量部と、多官能性モノマー0
〜30重量部とを反応させてコア共重合体(A−1)を
得る。
って用いられるラジカル重合性モノマーは、単独重合体
のガラス転移温度が−60℃以下である。−60℃を超
えると、低温においてゴム弾性を発揮することができな
いので、上記範囲に限定される。
℃以下であるラジカル重合性モノマーとしては特に限定
されず、例えば、ブタジエン、イソプレン、2−エチル
ブタジエン、2−プロピルブタジエン等のジエン類;エ
チレン、1−オクテン、2−メチルプロピレン等のアル
ケン類;n−ヘプチルアクリレート、n−オクチルアク
リレート、2−メチルヘプチルアクリレート、2−エチ
ルヘキシルアクリレート、n−ノニルアクリレート、2
−メチルオクチルアクリレート、2−エチルヘプチルア
クリレート、n−デシルアクリレート、2−メチルノニ
ルアクリレート、2−エチルオクチルアクリレート等の
アルキルアクリレート類;n−ペンチルビニルエーテ
ル、n−ヘキシルビニルエーテル、n−オクチルビニル
エーテル、n−ヘプチルビニルエーテル、2−エチルヘ
キシルビニルエーテル等のビニルエーテル類、4−デシ
ルスチレン等が挙げられ、これらは単独または2種以上
を組み合わせて用いることができる。
って用いられる多官能性モノマーは、上記コア共重合体
(A−1)を架橋し、上記コア共重合体(A−1)粒子
の合着を起こしにくくし、更に得られる塩化ビニル系樹
脂の耐衝撃性を向上させる目的で添加される。
れず、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,
6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメ
チロールプロパンジ(メタ)アクリレート等のジ(メ
タ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロ
ールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールトリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)ア
クリレート;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アク
リレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アク
リレート、ジアリルフタレート、ジアリルマレート、ジ
アリルフマレート、ジアリルサクシネート、トリアリル
イソシアヌレート等のジアリル化合物又はトリアリル化
合物;ジビニルベンゼン、ブタジエン等のジビニル化合
物等が挙げられ、これらは単独で又は2種類以上を組み
合わせて用いることができる。
記単独重合体のガラス転移温度が−60℃以下であるラ
ジカル重合性モノマーに対する上記多官能性モノマーの
添加量は、上記単独重合体のガラス転移温度が−60℃
以下であるラジカル重合性モノマー100重量部に対し
て、多官能性モノマー0〜30重量部である。30重量
部を超えると、架橋密度の上昇により耐衝撃性が得られ
にくくなるので、上記範囲に限定される。好ましくは0
〜5重量部である。
体(A−1)30〜95重量%に、単独重合体のガラス
転移温度が−55℃以上であるアクリレートの1種又は
2種以上100重量部と、多官能性モノマー0.1〜3
0重量部からなる混合モノマー(A−2)5〜70重量
%をグラフト共重合させてコア・シェル型共重合体
(A)を得る。
ートと、多官能性モノマーとからなる。上記アクリレー
トは、単独重合体のガラス転移温度が−55℃以上であ
る。−55℃未満であると、得られる塩化ビニル系樹脂
の成形品の表面に蝋状の物質がブリードアウトして表面
がべたついたりねばついたりして成形品の外観を損ね、
接触する物質を汚染するおそれがあるので、上記範囲に
限定される。
5℃以上であるアクリレートモノマーとしては特に限定
されず、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレ
ート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリ
レート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレ
ート、sec−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリ
レート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルア
クリレート、ラウリルアクリレート、ミリスチルアクリ
レート、パルミチルアクリレート、ステアリルアクリレ
ート等のアルキルアクリレート;2−ヒドロキシエチル
アクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等
の極性基含有アクリレート等が挙げられ、これらは単独
で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
あたって用いられる多官能性モノマーは、得られる塩化
ビニル系樹脂の耐衝撃性を向上させる目的で添加され
る。上記多官能性モノマーとしては特に限定されず、上
記コア共重合体(A−1)を得るにあたって用いられる
多官能性モノマーとして例示したものと同一のものを用
いることができる。
℃以上であるアクリレートモノマーに対する上記多官能
性モノマーの添加量は、アクリレートモノマー100重
量部に対して、多官能性モノマー0.1〜30重量部で
ある。0.1重量部未満であると、架橋密度の低下にと
もない、得られる塩化ビニル系樹脂の耐衝撃性が得られ
にくくなり、30重量部を超えると、架橋密度の過多に
より耐衝撃性が得られにくくなるので、上記範囲に限定
される。好ましくは0.5〜8重量部である。
−1)30〜95重量%に、上記混合モノマー(A−
2)5〜70重量%をグラフト共重合させてコア・シェ
ル型共重合体(A)を得る。
量%未満であると、低温で充分な耐衝撃性が得られず、
95重量%を超えると、成形品の表面にぺたつきが現れ
るため、上記範囲に限定される。
ためのグラフト共重合の方法としては特に限定されず、
例えば、乳化重合法、懸濁重合法等が挙げられるが、耐
衝撃性の発現性が良いことから、乳化重合法が好まし
い。
重合体(A)は、まずガラス転移温度が著しく低いコア
共重合体を合成し、その外側部にガラス転移温度の高い
シェル共重合体を形成させて得られる。上記乳化重合法
においては、乳化分散剤及び重合開始剤を用いることが
できる。上記乳化分散剤は、上記混合モノマーの乳化液
中での分散安定性を向上させ、重合を効率的に行う目的
で添加される。上記乳化分散剤としては特に限定され
ず、例えば、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活
性剤、部分ケン化ポリ酢酸ビニル、セルロース系分散
剤、ゼラチン等が挙げられる。
ば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルサルフ
ェート(第一工業製薬社製、商品名「ハイテノールN−
08」)等が挙げられる。上記重合開始剤としては、例
えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水
素水等の水溶性重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイ
ド、ラウロイルパーオキサイド等の有機系過酸化物;ア
ゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系開始剤等が挙げら
れる。
整剤、酸化防止剤等が添加されてもよい。上記乳化重合
法は、モノマー添加法の違いから、一括重合法、モノマ
ー滴下法エマルジョン滴下法の3つに大別されるが、特
に限定されるものではない。上記一括重合法とは、例え
ば、ジャケット付重合反応器内に、純水、乳化分散剤、
重合開始剤、上記混合モノマーを一括して添加し、窒素
気流による酸素除去及び加圧の条件下において、攪拌に
より充分乳化した後、器内をジャケットにより加熱する
ことで重合する方法である。
ケット付重合反応器内に純水、乳化分散剤、重合開始剤
を入れ、窒素気流下による酸素除去及び加圧の条件下に
おいて、まず器内をジャケットにより加熱した後、上記
混合モノマーを一定量ずつ滴下することにより徐々に重
合する方法である。
上記混合モノマー、乳化分散剤、純水を攪拌により充分
乳化することにより予め乳化モノマーを調整し、次いで
ジャケット付重合反応器内に純水、重合開始剤を入れ、
窒素気流下による酸素除去及び加圧の条件下において、
まず器内をジャケットにより加熱した後、上記乳化モノ
マーを一定量ずつ滴下することにより重合する方法であ
る。
するには、上記3つのモノマー添加方法のいずれを用い
てもよく、その方法は、まずコア共重合体を形成するた
めの上記混合モノマー又は乳化モノマーを一括添加若し
くは滴下し、重合反応を行ってコア粒子を合成する。続
いて新たにシェル共重合体を形成するための上記混合モ
ノマー又は乳化モノマーを一括添加若しくは滴下し、コ
ア粒子との共重合を行って、コア粒子の表面上にシェル
部を形成させる。
一の重合過程で行ってもよく、コア粒子を合成・回収し
た後、改めてモノマーを添加してシェル部の重合・形成
を行ってもよい。但し後者の場合、シェル部の重合時に
新たに上記重合開始剤を再添加する必要がある。
しては、耐衝撃性を発現させるために、0.01〜1μ
mであることが好ましい。
ェル型共重合体(A)1〜30重量%と、塩化ビニル
(B)99〜70重量%とをグラフト共重合させる。上
記コア・シェル型共重合体(A)の割合が1重量%未満
であると、充分な耐衝撃性が得られにくくなり、30重
量%を超えると、曲げ強度や引張強度等の機械的強度が
低くなるので、上記範囲に限定される。好ましくは4〜
20重量%である。
得るためのグラフト共重合の方法としては特に限定され
ず、例えば、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法、塊
状重合法等が挙げられるが、本発明を有利に実施するた
めには、懸濁重合法が好ましい。上記懸濁重合法にあた
っては、分散剤及び油溶性重合開始剤を用いる。
体(A)の分散安定性を向上させ、塩化ビニルのグラフ
ト重合を効率的に行う目的で添加される。上記分散剤と
しては特に限定されず、例えば、メチルセルロース、エ
チルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス、ポリビニルアルコール及びその部分ケン化物、ゼラ
チン、ポリビニルピロリドン、デンプン、無水マレイン
酸−スチレン共重合体等が挙げられ、これらは単独で又
は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
重合開始剤がグラフト共重合に有利であるという理由か
ら好適に用いられる。上記ラジカル重合開始剤としては
特に限定されず、例えば、ラウロイルパーオキサイド、
t−ブチルパーオキシピバレート、ジイソプロピルパー
オキシジカーボネート、ジオクチルパーオキシジカーボ
ネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、α−
クミルパーオキシネオデカノエート等の有機パーオキサ
イド類;2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2
−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾ
化合物等が挙げられる。
pH調整剤、酸化防止剤等が添加されてもよい。
方法としては、例えば、攪拌機及びジャケットを備えた
反応容器に、純水、上記コア・シェル型共重合体
(A)、分散剤、油溶性重合開始剤及び水溶性増粘剤、
必要に応じて重合度調節剤等を投入し、その後、真空ポ
ンプで重合器内の空気を排出し、更に攪拌条件下に塩化
ビニル及び必要に応じて他のビニルモノマーを投入した
後、反応容器内をジャケットにより加熱し、塩化ビニル
のグラフト共重合を行う方法等が挙げられる。
応であるので、ジャケット温度を変えることにより反応
容器内の重合温度を制御することができる。反応終了後
は、未反応の塩化ビニルを除去しスラリー状にし、更に
脱水乾燥することにより塩化ビニル系樹脂を得ることが
できる。
の重合度は、少ないと成形品の充分な成形性が得られに
くくなるため、好ましくは300〜2000、更に好ま
しくは400〜1400である。
樹脂は、成形する際に必要に応じて熱安定剤、安定化助
剤、滑剤、加工助剤、酸化防止剤、光安定剤、充填剤、
顔料等が添加されてもよい。
えば、ジメチルすずメルカプト、ジブチルすずメルカプ
ト、ジオクチルすずメルカプト、ジブチルすずマレー
ト、ジブチルすずマレートポリマー、ジオクチルすずマ
レート、ジオクチルすずマレートポリマー、ジブチルす
ずラウレート、ジブチルすずラウレートポリマー等の有
機すず安定剤;ステアリン酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛、
三塩基性硫酸鉛等の鉛系安定剤;カルシウム−亜鉛系安
定剤、バリウム−亜鉛系安定剤、バリウム−カドミウム
系安定剤等が挙げられる。
例えば、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ豆油、エ
ポキシ化テトラヒドロフタレート、エポキシ化ポリブタ
ジエン、リン酸エステル等が挙げられる。
ば、モンタン酸ワックス、パラフィンワックス、ポリエ
チレンワックス、ステアリン酸、ステアリルアルコー
ル、ステアリン酸ブチル等が挙げられる。
えば、重量平均分子量10万〜200万のアルキルアク
リレート/アルキルメタクリレート共重合体であるアク
リル系加工助剤等が挙げられ、具体例としては、n−ブ
チルアクリレート/メチルメタクリレート共重合体、2
−エチルヘキシルアクリレート/メチルメタクリレート
/ブチルメタクリレート共重合体等が挙げられる。
例えば、フェノール系抗酸化剤等が挙げられる。上記光
安定剤としては特に限定されず、例えば、サリチル酸エ
ステル系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、
シアノアクリレート系等の紫外線吸収剤;ヒンダードア
ミン系の光安定剤等が挙げられる。
ば、炭酸カルシウム、タルク等が挙げられる。上記顔料
としては特に限定されず、例えば、アゾ系、フタロシア
ニン系、スレン系、染料レーキ系等の有機顔料、酸化物
系、クロム酸モリブデン系、硫化物・セレン化物系、フ
ェロシアン化物系等の無機顔料等が挙げられる。
の加工性を向上させる目的で可塑剤が添加されてもよ
く、このような可塑剤としては、例えば、ジブチルフタ
レート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジ−2−
エチルヘキシルアジペート等が挙げられる。
する方法としては、ホットブレンドによる方法でも、コ
ールドブレンドによる方法でもよく、また、成形方法と
しては、例えば、押出成形法、射出成形法、カレンダー
成形法、プレス成形法等が挙げられる。
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。 実施例1〜14、比較例1〜9 表1に示した配合組成に従い、下記の操作手順で各塩化
ビニル系樹脂を得た。 (アクリル系ポリマーを含む共重合体ラテックスの作
製)攪拌機及び還流冷却器を備えた反応容器に、純水、
過硫酸アンモニウム(APS)を入れ、容器内の酸素を
窒素により置換した後、攪拌条件下で反応容器を65℃
に昇温した。コア共重合体形成用として、所定量の純
水、乳化分散剤(第一工業製薬社製、商品名「ハイテノ
ールN−08」)、2−エチルヘキシルアクリレート
(2−EHA)、トリメチロールプロパントリアクリレ
ート(TMP−A)を混合、攪拌し、乳化モノマーを調
製した。また、別個にシェル共重合体形成用として、所
定量の純水、乳化分散剤(第一工業製薬社製、商品名
「ハイテノールN−08」)、n−ブチルアクリレート
(n−BA)、TMP−Aを混合、攪拌し、乳化モノマ
ーを調製した。
ーを上記の昇温が完了した反応器に滴下し、重合を開始
した。コア共重合体用モノマーの滴下が終了次第、シェ
ル共重合体用モノマーの滴下を開始した。すべての乳化
モノマーの滴下を3時間で終了し、その後1時間の熟成
期間を置いた後、重合を終了して固形分濃度30重量%
のラテックスを得た。
機及びジャケットを備えた反応容器に、純水、上記ラテ
ックス、部分ケン化ポリ酢酸ビニル(クラレ社製、商品
名「クラムポバールL−8」)の3%水溶液(以下「3
%PVA水溶液」)、t−ブチルパーオキシネオデカノ
エート(BPOND)、α−クミルパーオキシネオデカ
ノエート(QPOND)及び凝集剤を一括投入し、その
後、真空ポンプで重合器内の空気を排出し、更に攪拌条
件下で塩化ビニルを投入した後、30分間攪拌すること
により塩化ビニルを均一に混合し、ジャケット温度の制
御により重合温度57℃にて重合を開始した。
で低下することで反応終了を確認し、停止した。その
後、未反応の塩化ビニルモノマーを除去し、更に脱水乾
燥することにより塩化ビニル系樹脂中の塩化ビニルの重
合度が1000の塩化ビニル系樹脂を得た。
あった。 (耐衝撃性)JIS K7110に準拠し、アイゾット
衝撃試験を行った。測定温度は−10℃であった。 (引張強度)JIS K7113に準拠し、引張強度試
験を行った。測定温度は23℃であった。 結果を表1に示した。
成よりなるので、0℃以下の低温においても耐衝撃性、
引張強度に極めて優れている。塩化ビニル樹脂の成形加
工に使用される通常の滑剤、安定剤、顔料等を配合する
ことにより、流動性良く成形加工を行うことができ、上
記特性を生かして、寒冷地において高い衝撃性や引張強
度を要求される外壁、防音壁のような用途だけでなく、
良好な成形性を要求される窓枠、サッシ等に好適に使用
することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 単独重合体のガラス転移温度が−60℃
以下であるラジカル重合性モノマーの1種又は2種以上
100重量部、及び、多官能性モノマー0〜30重量部
からなる共重合体(A−1)30〜95重量%に、単独
重合体のガラス転移温度が−55℃以上であるアクリレ
ート(但し、単独重合体のガラス転移温度が−20℃以
上であるアクリレートは除く)の1種又は2種以上10
0重量部、及び、多官能性モノマー0.1〜30重量部
からなる混合モノマー(A−2)5〜70重量%をグラ
フト共重合させた共重合体(A)1〜30重量%と、塩
化ビニル(B)99〜70重量%とをグラフト共重合さ
せてなることを特徴とする塩化ビニル系樹脂。 - 【請求項2】 単独重合体のガラス転移温度が−60℃
以下であるラジカル重合性モノマーの1種又は2種以上
100重量部と、多官能性モノマー0〜30重量部とを
反応させてコア共重合体(A−1)を得、前記コア共重
合体(A−1)30〜95重量%に、単独重合体のガラ
ス転移温度が−55℃以上であるアクリレート(但し、
単独重合体のガラス転移温度が−20℃以上であるアク
リレートは除く)の1種又は2種以上100重量部と、
多官能性モノマー0.1〜30重量部からなる混合モノ
マー(A−2)5〜70重量%をグラフト共重合させて
コア・シェル型共重合体(A)を得、しかる後、前記コ
ア・シェル型共重合体(A)1〜30重量%と、塩化ビ
ニル(B)99〜70重量%とをグラフト共重合させる
ことを特徴とする塩化ビニル系樹脂の製造方法。
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---|---|---|---|
JP27406795A JP3262698B2 (ja) | 1995-10-23 | 1995-10-23 | 塩化ビニル系樹脂及び製造方法 |
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JPH09110945A JPH09110945A (ja) | 1997-04-28 |
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Country Status (1)
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- 1995-10-23 JP JP27406795A patent/JP3262698B2/ja not_active Expired - Lifetime
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