JPH1060059A - 塩化ビニル系グラフト共重合体の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系グラフト共重合体の製造方法

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JPH1060059A
JPH1060059A JP21714696A JP21714696A JPH1060059A JP H1060059 A JPH1060059 A JP H1060059A JP 21714696 A JP21714696 A JP 21714696A JP 21714696 A JP21714696 A JP 21714696A JP H1060059 A JPH1060059 A JP H1060059A
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JP
Japan
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vinyl chloride
acrylate
meth
monomer
vinyl
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JP21714696A
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English (en)
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Takahiro Oomura
貴宏 大村
Shigeru Tanaka
茂 田中
Yoshinobu Suenaga
義伸 末永
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 引張強度が低下せずに、優れた耐衝撃性を有
する塩化ビニル系グラフト共重合体を製造する方法を提
供する。 【解決手段】 (メタ)アクリレートを主成分とするビ
ニルモノマー(A)100重量部と多官能性モノマー
(B)0.1〜30重量部とから構成される混合モノマ
ーを、5〜60℃で共重合させて得られるアクリル系共
重合体ラテックスに、塩化ビニルを主成分とするビニル
モノマーをグラフト共重合することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐衝撃性に優れた塩
化ビニル系樹脂の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】元来、塩化ビニル系樹脂は、機械的強
度、耐候性、耐薬品性に優れ、配管材料、建築材料など
多くの用途に使用されてきたが、特に、耐候性と耐衝撃
性が同時に要求される用途には使用することができなか
った。
【0003】塩化ビニル系樹脂に耐衝撃性と耐候性を賦
与する方法としては、例えば、特開昭60−25581
3号公報には、単独重合体の二次転移点が−10℃以下
のアルキル(メタ)アクリレートと多官能性ビニルモノ
マーとの共重合体に塩化ビニルをグラフト共重合する塩
化ビニル樹脂の製造方法が提案されている。しかしなが
ら、塩化ビニル樹脂の耐衝撃性は向上させることはでき
るが、引張強度が低下してしまう欠陥があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の如き
問題点を解決し、引張強度が低下せずに、優れた耐衝撃
性を有する塩化ビニル系樹脂を製造する方法を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の塩化ビニル系樹
脂の製造方法は、(メタ)アクリレートを主成分とする
ビニルモノマー(A)100重量部と多官能性モノマー
(B)0.1〜30重量部とから構成される混合モノマ
ーを、5〜60℃で共重合させて得られるアクリル系共
重合体ラテックスに、塩化ビニルを主成分とするビニル
モノマーをグラフト共重合することを特徴とする。
【0006】(メタ)アクリレートを主成分とするビニ
ルモノマー(A)とは、(メタ)アクリレートの少なく
とも1種の混合体、又は、(メタ)アクリレートの少な
くとも1種を50重量%以上含有した(メタ)アクリレ
ートとこれらの(メタ)アクリレートと共重合が可能な
少なくとも1種の1官能性のビニルモノマーとの混合物
を意味する。上記の(メタ)アクリレートを主成分とす
るビニルモノマー(A)に於いて、(メタ)アクリレー
トの含有量が、50重量%未満の場合は、これらを用い
て得られる共重合体が、ガラス転移温度が高くなって、
常温でゴム弾性体とはならず、塩化ビニル系樹脂の耐衝
撃性の向上には寄与しなくなる。
【0007】(メタ)アクリレートとしては、例えば、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレ
ート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル
(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレー
ト、イソ−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチ
ル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレ
ート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘプチ
ル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリ
レート、2−メチルヘプチル(メタ)アクリレート、2
−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル
(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレー
ト、2−メチルオクチル(メタ)アクリレート、2−エ
チルヘプチル(メタ)アクリレート、n−デシル(メ
タ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シ
クロヘキシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メ
タ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、
ステアリル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリ
レート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどが挙げら
れ、これらの少なくとも1種が使用できる。
【0008】(メタ)アクリレートと共重合可能な1官
能性のビニルモノマーとしては、上記アクリル系共重合
体ラテックスのガラス転移温度を任意に調節し、このラ
テックスにグラフト共重合して得られる塩化ビニル系樹
脂の耐衝撃性を向上させる目的で使用され、例えば、塩
化ビニル、フッ化ビニル、2−アクリロイルオキシエチ
ルフタル酸等の極性基含有ビニルモノマー;スチレン、
α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロル
スチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニルモノマー;
アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなど不飽和ニ
トリル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエ
ステル等が挙げられ、これらの少なくとも1種が使用で
きる。
【0009】多官能性モノマー(B)は、アクリル系共
重合体ラテックスを架橋して粒子の合着を起こり難く
し、更に、これを用いて得られる塩化ビニル系樹脂の耐
衝撃性を向上させる目的で添加される。多官能性モノマ
ー(B)としては、例えば、エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、トリエチレントリグリコールジ(メタ)ア
クリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アク
リレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレ
ート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパント
リ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールトリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリストールテトラ(メタ)
アクリレート、ジペンタエリストールヘキサ(メタ)ア
クリレート、ジアリルフタレート、ジアリルマレート、
ジアリルサクシネート、トリアリルイソシアヌレート、
ジビニルベンゼンなどが挙げられ、これらの少なくとも
1種が使用される。
【0010】本発明の製造方法に於いて、アクリル系共
重合体ラテックスを構成する混合モノマーの(A)、
(B)の割合は、(A)100重量部に対し、多官能性
モノマー(B)0.1〜30重量部で構成されているこ
とが必要で、更に好ましくは、0.5〜8重量部であ
る。多官能性モノマー(B)の混合量が0.1重量部未
満の場合は、混合モノマーの共重合で得られるアクリル
系共重合体ラテックスの弾性が不十分となり、又、30
重量部を超える場合は、アクリル系共重合体の架橋密度
が上がり過ぎて、弾力性が減少し、いずれも、本発明の
製造方法による塩化ビニル系樹脂の耐衝撃強度が充分に
得られない。
【0011】アクリル系共重合体ラテックスの製造方法
としては、特に限定されるものではなく、いかなる公知
の方法が取られても構わないが、例えば、上述の
(A)、(B)の混合モノマーを乳化重合又は懸濁重合
することにより好適に得られる。ラテックス粒子径を微
細にでき、且つ、粒子径の制御が容易な点から、乳化重
合法が更に好適である。
【0012】本発明の製造方法に於ける、混合モノマー
の重合温度は5〜60℃で行われる必要があり、懸濁、
乳化重合などの重合方法には、特に限定はない。重合温
度が60℃を超えると、アクリル系共重合体の分子量が
低くなり、本発明の製造方法による塩化ビニル系樹脂の
引張強度が低下する。又、5℃未満の場合は、重合触媒
の活性が著しく低下する為、重合速度が遅く、重合に長
時間を要し、実質上重合が困難となる場合がある。従っ
て、上述の様に、重合温度は5〜60℃が好適である
が、更に好ましくは、20〜50℃である。
【0013】乳化重合に用いる乳化剤は、混合モノマー
の乳化液中での安定性を向上させ、重合を効率的に進行
させる為に添加され、具体的に例示すると、アニオン系
界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、部分鹸化ポリ酢酸
ビニル、セルロース系分散剤、ゼラチン等が挙げられ、
特に、アニオン系界面活性剤のポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテルサルフェート(第一工業製薬社製、
商品名「ハイテノールN−08」)が好適に使用され
る。
【0014】乳化重合の重合開始剤としては、特に限定
されないが、低温で重合する為、レドックス系の重合開
始剤が好ましく、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アン
モニウムと亜硫酸水素ナトリウム、ホルムアルデヒドナ
トリウムスルホキシラート2水塩、ピロ亜硫酸水素ナト
リウムの組み合わせ、過酸化水素とアスコルビン酸の組
み合わせ、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ベンゾイ
ルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、p−
メンタンヒドロパーオキサイドなどの有機過酸化物と亜
硫酸水素ナトリウム、ホルムアルデヒドナトリウムスル
ホキシラート2水塩、ピロ亜硫酸水素ナトリウムの組み
合わせ、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネー
ト、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジイソプロピ
ルパーオキシカーボネートなどの有機過酸化物と硫酸第
1鉄の組み合わせなどが挙げられる。これらのうち、特
に、過硫酸塩と還元剤との組み合わせが、安定に重合を
推進できる点で好適である。又、上記乳化重合法では、
必要に応じて、pH調節剤、酸化防止剤等が添加されて
も良い。
【0015】乳化重合法には、モノマーの添加方法の相
違から、一括重合法、モノマー滴下法、エマルジョン滴
下法の3つの方法があるが、これらのいずれの方法を適
用しても構わない。一括重合法とは、例えば、ジャケッ
ト付き重合反応容器内に純水、乳化剤、重合開始剤、モ
ノマーを一括して添加し、窒素ガスを導入して、酸素を
除去し、次に、窒素ガスで加圧して、十分攪拌して乳化
させ、しかる後に、ジャケットに熱媒体を導入して加熱
重合する方法である。
【0016】モノマー滴下法とは、例えば、ジャケット
付き重合反応容器内に純水、乳化剤、重合開始剤を入
れ、窒素ガスを導入して、酸素を除去し、次に、窒素ガ
スで加圧して、十分攪拌して乳化させ、しかる後に、ジ
ャケットに熱媒体を導入して反応容器を加熱して置い
て、モノマーを所定量ずつ滴下して徐々に重合する方法
である。
【0017】エマルジョン滴下法とは、モノマー、純
水、乳化剤を攪拌して十分に乳化することにより、予め
乳化モノマーを調製して置き、次いで、ジャケット付き
重合反応容器内に純水、重合開始剤を入れて攪拌し、窒
素ガスを導入して、酸素を除去し、次に、窒素ガスで加
圧して、しかる後に、ジャケットに熱媒体を導入して反
応容器を加熱して置いて、乳化モノマーを所定量ずつ滴
下して重合する方法である。
【0018】アクリル系共重合体ラテックスの重合反応
後に得られるラテックスの樹脂固形分は、特に、限定さ
れるものではないが、ラテックスの生産性、重合反応の
安定性を考慮すると、10〜60重量%が好ましい。
又、アクリル系共重合体ラテックスの機械的安定性を向
上させる目的で、重合反応後に、保護コロイド剤が必要
に応じて、添加されてもなんら問題はない。
【0019】アクリル系共重合体ラテックス微粒子の平
均粒子径は、大きくなるとこれを用いて得られる塩化ビ
ニル系樹脂の成形品の耐衝撃性と引張強度が共に低下す
るので、1μm未満が適当であり、小さ過ぎると耐衝撃
性がやや低下するので、1〜0.03μmが好ましい。
【0020】本発明の塩化ビニル系樹脂は、上述の如く
調整されたアクリル系共重合体ラテックスに、塩化ビニ
ルを主成分とするビニルモノマーをグラフト共重合して
得られる塩化ビニル系樹脂であって、アクリル系共重合
体(ラテックスの固形分)の塩化ビニル系樹脂に占める
割合は、特に限定されるものではないが、1〜30重量
%が好ましく、更に好ましくは4〜20重量%である。
1重量%未満では、樹分な耐衝撃性が得られず、30重
量%を超えると、曲げ強度、引張強度などの機械的強度
が低下する。
【0021】塩化ビニルを主成分とするビニルモノマー
とは、塩化ビニル単独又は塩化ビニルを50重量%以上
とこれと共重合が可能な1官能性のビニルモノマーとの
混合物を意味しする。共重合が可能な1官能性のビニル
モノマーとは、通常公知のビニルモノマーであって、例
えば、酢酸ビニル、アルキル(メタ)アクリレート、ア
ルキルビニルエーテル、エチレン、フッ化ビニル、マレ
イミドなどが挙げられ、これらの少なくとも1種が使用
される。
【0022】アクリル系共重合体ラテックスに、塩化ビ
ニルを主成分とするビニルモノマーをグラフト共重合す
る方法としては、特に限定されるものではなく、公知の
方法でグラフト共重合ができるが、アクリル系共重合体
ラテックスの存在下で、塩化ビニルを主成分とするビニ
ルモノマーを乳化重合又は懸濁重合する方法が好まし
い。しかし、乳化重合法で得られる塩化ビニル系樹脂は
熱安定性が劣悪となる場合が多いので、懸濁重合法が更
に好適である。
【0023】塩化ビニルを主成分とするビニルをアクリ
ル系共重合体ラテックスにグラフト共重合する場合の懸
濁重合法には、分散剤及び油溶性重合開始剤が使用され
る。分散剤としては、アクリル系共重合体ラテックスの
分散安定性を向上させ、塩化ビニルを主成分とするビニ
ルモノマーのグラフト共重合を効果的に行う目的で添加
され、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、
ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアル
コール、部分鹸化酢酸ビニル樹脂、ゼラチン、ポリビニ
ルピロリドン、デンプン、無水マレイン酸−スチレン共
重合体等が挙げられ、これらの少なくとも1種が使用さ
れる。
【0024】油溶性重合開始剤は、水溶性重合開始剤よ
りもアクリル系共重合体に対する塩化ビニルのグラフト
効率が向上するという理由から選択され、例えば、ラウ
ロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレー
ト、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジオク
チルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシ
ネオデカノエート、α−クミルパーオキシネオデカノエ
ート等の有機パーオキサイド類、2,2−アゾビスイソ
ブチロニトリル、2,2−アゾビス−2,4−ジメチル
バレロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられる。又、懸
濁重合法では、必要に応じて、pH調製剤、酸化防止剤
などが添加されてもよい。
【0025】上記懸濁重合法の具体的な方法を例示する
と、攪拌機、ジャケットを備えた耐圧反応容器に、純
水、アクリル系共重合体ラテックス、分散剤、油溶性重
合開始剤、必要に応じて、重合調節剤を投入する。しか
る後に、真空ポンプで反応容器内の空気を排除し、攪拌
しながら、塩化ビニルを主成分とするビニルモノマーを
投入し、反応容器をジャケットを通じて加熱し、重合を
開始させる。上記の重合反応は発熱を伴うので、ジャケ
ットの温度を調節することにより、反応温度が制御でき
る。反応終了後は、未反応の塩化ビニルなどのモノマー
を除去して、スラリー状にし、更に脱水乾燥して、塩化
ビニル系樹脂が得られる。
【0026】上記塩化ビニル系樹脂中の塩化ビニル系樹
脂の重合度は、特に限定されるものではないが、300
〜2000が好ましく、更に好ましくは、400〜16
00である。300未満では、得られる塩化ビニル系樹
脂の成形加工性が充分得られなく、2000を超える
と、押出成形時の負荷が大きくなる。
【0027】本発明の塩化ビニル系樹脂は、成形時に、
必要に応じて、安定剤、安定化助剤、滑剤、加工助剤、
紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、可塑剤、顔料、
充填剤などの配合剤が添加されてもよい。
【0028】安定剤としては、例えば、ジメチル錫メル
カプト、ジブチル錫メルカプト、ジオクチル錫メルカプ
ト、ジブチル錫マレート、ジブチル錫マレートポリマ
ー、ジオクチル錫マレート、ジオクチル錫マレートポリ
マー、ジブチル錫ラウレート、ジブチル錫ラウレートポ
リマー等の有機錫化合物、鉛白、塩基性亜硫酸鉛、二塩
基性亜亜硫酸鉛、三塩基性硫酸鉛、二塩基性亜燐酸鉛、
シリカゲル共沈硅酸塩、ステアリン酸鉛、安息香酸鉛、
二塩基性ステアリン酸鉛、ナフテン酸鉛等の鉛系安定
剤、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、
ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸、カルシウム−亜鉛系安
定剤、バリウム−亜鉛系安定剤、バリウム−カドミウム
系安定剤、ハイドロタルサイド、ゼオライト等が挙げら
れ、これらの少なくとも1種が使用される。
【0029】安定化助剤としては、例えば、エポキシ化
大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化テトラヒドロ
フタレート、エポキシ化ポリブタジエン、燐酸エステル
などが挙げられ、これらの少なくとも1種が使用され
る。
【0030】滑剤としては、例えば、モンタン酸ワック
ス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ステ
アリン酸、ステアリルアルコール、ステアリン酸ブチル
等が挙げられ、これらの少なくとも1種が使用される。
【0031】加工助剤としては、例えば、重量平均分子
量10万〜200万のアルキルアクリレート−アルキル
(メタ)アクリレート共重合体であるアクリル系加工助
剤が挙げられ、具体例として、n−ブチルアクリレート
−メチルメタクリレート共重合体、2−エチルヘキシル
アクリレート−メチルメタクリレート−ブチルメタクリ
レート共重合体等が挙げられ、これらの少なくとも1種
が使用される。
【0032】酸化防止剤としては、例えば、フェノール
系抗酸化剤等が挙げられる。光安定剤としては、例え
ば、サルチル酸エステル系、ベンゾフェノン系、ベンゾ
トリアゾール系、シアノアクリレート系等の紫外線吸収
剤、ヒンダードアミン系等の光安定剤が挙げられ、これ
らの少なくとも1種が使用される。
【0033】充填剤としては、例えば、炭酸カルシウ
ム、タルク等が挙げられる。顔料としては、例えば、ア
ゾ系、フタロシアニン系、スレン系、染料レーキ系等の
有機顔料、酸化物系、クロム酸モリブデン系、硫化物・
セレン化物系、フェロシアン化物系等の無機顔料等が挙
げられる。
【0034】又、塩化ビニル系樹脂には、成形時の加工
性を向上させる目的で、可塑剤が添加されても構わな
く、例えば、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキ
シルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート等
が挙げられる。
【0035】上記の各種配合剤を塩化ビニル系樹脂に混
合する方法としては、その添加順序、方法について、任
意の操作が可能であり、特に限定はなく、ホットブレン
ド、コールドブレンドいずれの方法でも良い。得られた
塩化ビニル系樹脂組成物は、押出成形、射出成形、プレ
ス成形など公知の方法で成形でき、良好な引張強度と優
れた耐衝撃強度を有する。
【0036】
【作用】アクリル系共重合体ラテックスを、重合段階で
部分架橋すると共に低温で重合して分子量を向上させ
て、高引張強度の弾性体微粒子となし、この弾性体の微
粒子の存在下で、塩化ビニルを主成分とするビニルモノ
マーをグラフト共重合して、アクリル系共重合体の弾性
体微粒子の表面を塩化ビニル樹脂で被覆すると共に、塩
化ビニル樹脂の一部がグラフト共重合させられている。
その結果、アクリル系共重合体の高引張強度の弾性体微
粒子は、塩化ビニル樹脂にリアクターブレンドされて、
良好に相溶して、均一に分散混合されるので、引張強
度、曲げ強度が維持された状態で、耐衝撃性が大きい塩
化ビニル系樹脂が得られる。
【0037】
【発明の実施の形態】本発明をさらに詳しく説明する為
に、実施例、比較例を挙げる。実施例1〜3、比較例1 (アクリル系共重合体ラテックスの作製)攪拌機、還流
冷却器、温度調整器を備えた反応容器に、所定量の純水
を入れ、反応容器内の空気を窒素ガスで置換して、攪拌
しながら45℃に調節した。次に、純水、乳化剤(第1
工業製薬社製、商品名「ハイテノールN−08」)n−
ブチルアクリレート(以下、n−BAとする)及び2−
エチルヘキシルアクリレート(以下、2−EHAとす
る)、スチレン、トリメチロールプロパントリアクリレ
ート(以下、TMPTAとする)を混合、攪拌し、乳化
モノマーを調整した。
【0038】先ず、調整した乳化モノマーの10重量%
を、上記の45℃に調節した反応容器に一括して添加
し、過硫酸アンモニウム(以下、APSとする)と亜硫
酸水素アンモニウム(以下、SHSとする)とを加えて
乳化重合を行い、シードポリマーを作製した。しかる後
に、残りの乳化モノマーを5時間かけて一定の速度で滴
下して重合を行い、更に、重合を確実にする為に、1時
間、加熱・攪拌を続けて、重合を完結させ、固形分の濃
度が30重量%のアクリル系共重合体ラテックス(以
下、ラテックスと呼ぶ)を得た。
【0039】(塩化ビニル系樹脂の作製)攪拌機、温度
調整器を備えた反応容器に、純水、上記で得られたラテ
ックス、部分鹸化酢酸ビニル樹脂(クラレ社製、クラレ
ポバールL−8)の3%水溶液、t−ブチルパーオキシ
ネオデカノエート、α−クミルパーオキシネオデカノエ
ートを一括して投入し、反応容器の空気を真空ポンプで
排出した後、攪拌しながら、塩化ビニルモノマーを添加
した。しかる後に、反応容器を50℃に昇温し、重合を
開始させた。反応容器の圧力が5kgf/cm2 に低下
したことで、重合の終了を確認し、未反応の塩化ビニル
モノマーを排出し、更に、塩化ビニル系樹脂を脱水乾燥
し、塩化ビニル系樹脂中の塩化ビニル樹脂の重合度が約
1400の塩化ビニル系樹脂組成物を得た。
【0040】実施例4 表1に示した配合組成に従い、アクリル系共重合体ラテ
ックスの重合に於いて、重合温度が20℃、ラジカル開
始剤量が実施例1の倍、乳化モノマーの滴下速度が実施
例1の半分で、全ての乳化モノマーの滴下時間が10時
間であったこと以外は、実施例1と同様に、塩化ビニル
系樹脂を得た。
【0041】比較例2 表1に示した配合組成に従い、アクリル系共重合体ラテ
ックスの重合に於いて、SHSを添加せずに70℃で重
合を行ったこと以外は、実施例1と同様に、塩化ビニル
系樹脂を得た。
【0042】比較例3 実施例1と同様のモノマー組成を用いて、アクリル系共
重合体ラテックスを0℃で重合したが、触媒の活性が極
めて低く、重合系の粘度も高くなかった為、重合反応が
進行せず、ラテックスは得られなかった。
【0043】
【表1】
【0044】(性能評価方法)上記の実施例、比較例に
よって得られた塩化ビニル系樹脂100重量部に、有機
錫系安定剤;Stann ONZ−142F(三共有機
社製)を0.5重量部、滑剤;モンタン酸エステル W
AX OP(ヘキスト社製)を1.0重量部の割合で混
合して、200℃で3分間ロール練りし、しかる後に2
00℃、3分間プレスして、肉厚3mmのプレス板を作
製し、下記の項目の試験試料を作製して、性能を評価
し、表1に結果を纏めた。
【0045】耐衝撃性 JIS K 7111に準拠して、測定温度23℃で、
シャルピー衝撃試験を行った。引張強度 JIS K 7113に準拠して、測定温度23℃で引
張試験を行った。
【0046】
【発明の効果】本発明の塩化ビニル系樹脂の製造方法
は、上述のように構成されているので、引張強度、曲げ
強度が低下せずに、耐衝撃強度に優れた塩化ビニル系樹
脂を提供する。従って、本発明による塩化ビニル系樹脂
は、寒冷地の管路材料、耐震性の要求される配管材料、
空調配管材料、外壁、異形断面を有する防音壁、窓枠、
サッシなどに極めて有効に利用できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (メタ)アクリレートを主成分とするビ
    ニルモノマー(A)100重量部と多官能性モノマー
    (B)0.1〜30重量部とから構成される混合モノマ
    ーを、5〜60℃で共重合させて得られるアクリル系共
    重合体ラテックスに、塩化ビニルを主成分とするビニル
    モノマーをグラフト共重合することを特徴とする塩化ビ
    ニル系グラフト共重合体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100472020B1 (ko) * 2001-12-05 2005-03-08 주식회사 엘지화학 내충격성 염화비닐계 수지의 제조방법
WO2010140647A1 (ja) * 2009-06-04 2010-12-09 日信化学工業株式会社 塩化ビニル系樹脂エマルジョン、水性インキ及び記録用紙

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