JPH0834825A - 塩化ビニル系樹脂の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂の製造方法

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JPH0834825A
JPH0834825A JP17094894A JP17094894A JPH0834825A JP H0834825 A JPH0834825 A JP H0834825A JP 17094894 A JP17094894 A JP 17094894A JP 17094894 A JP17094894 A JP 17094894A JP H0834825 A JPH0834825 A JP H0834825A
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JP
Japan
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vinyl chloride
polymerization
acrylate
chloride resin
meth
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JP17094894A
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English (en)
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Shigeru Tanaka
茂 田中
Masanobu Omoto
正信 大元
Takahiro Oomura
貴宏 大村
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】耐衝撃性、引張強度及び成形性の優れた塩化ビ
ニル系樹脂を提供することにある。 【構成】(A)ホモポリマーのガラス転移温度が−20
℃未満のアルキル(メタ)アクリレートを主成分とする
アクリル系モノマー100重量部と(B)多官能性モノ
マー0.1〜10重量部を共重合することにより得られ
るアクリル系共重合体ラテックス1〜30重量%に塩化
ビニル70〜99重量%をグラフト共重合する塩化ビニ
ル系樹脂の製造方法であって、上記グラフト共重合にお
いて、塩化ビニルの転化率が25〜75重量%に達する
までの前期重合を重合温度55〜70℃で行い、その後
の後期重合をそれより3〜20℃低い重合温度で行うこ
とを特徴とする塩化ビニル系樹脂の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐衝撃性、引張強度及
び流動性の優れた塩化ビニル系樹脂の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系樹脂は機械的強度、耐候
性、耐薬品性等において優れた材料として多くの用途に
用いられているが、耐衝撃性において欠点を有する為、
種々の改良方法が提案され、例えば、架橋されたアクリ
ル系共重合体に塩化ビニルをグラフト共重合することに
よる耐衝撃性及び耐候性に優れた塩化ビニル系樹脂の製
造方法が開示されている(特開昭60−255813号
公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記製
造方法で得られた塩化ビニル系樹脂には耐衝撃性の大幅
な向上に反して引張強度が低下するという問題点があ
り、この問題点を解決する方法として、塩化ビニル系樹
脂中のポリ塩化ビニルの重合度を上げるという方法が考
案されてはいるが、この製造方法で得られた塩化ビニル
系樹脂は、重合度の上昇に伴う流動性の低下があり、そ
の為充分な成形性が得られないという問題点があった。
【0004】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、耐衝撃性、引張強度及び
流動性の優れた塩化ビニル系樹脂の製造方法を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、アクリル系共
重合体ラテックスに塩化ビニルをグラフト共重合する塩
化ビニル系樹脂の製造方法であり、その際に用いられる
アクリル系共重合体ラテックスは、(A)ホモポリマー
のガラス転移温度が−20℃未満のアルキル(メタ)ア
クリレートを主成分とするアクリル系モノマーと(B)
多官能性モノマーの共重合により得られる。
【0006】上記アルキル(メタ)アクリレート(A)
を主成分とするアクリル系モノマーとは、上記条件を満
たすアルキル(メタ)アクリレート(A)からなる群よ
り選ばれる1種のみの単独モノマーでもよく、あるいは
2種以上の混合物でもよく、また、上記アルキル(メ
タ)アクリレート(A)に、共重合可能なそれ以外のビ
ニルモノマーが混合された混合物でもよい。
【0007】上記アルキル(メタ)アクリレート(A)
としては、例えば、エチルアクリレート、n−プロピル
アクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルア
クリレート、sec−ブチルアクリレート、n−ヘキシ
ルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n
−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチルアクリ
レート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル
アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、ラウ
リルメタクリレート等を挙げられ、これらは単独または
2種類以上を組み合わせて用いることが出来る。
【0008】上記アルキル(メタ)アクリレート(A)
のアクリル系モノマー中に占める割合は、少なくなると
耐衝撃性が得られにくくなる為、75重量%以上が好ま
しい。
【0009】上記アルキル(メタ)アクリレート(A)
と共重合可能なその他のビニルモノマーとしては、上記
アクリル系共重合体ラテックスのガラス転移温度を任意
に調節できるという点で、そのホモポリマーのガラス転
移温度が−20℃以上のビニルモノマーが好適であり、
例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチルメタクリ
レート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピル
(メタ)アクリレート、n−ブチルメタクリレート、イ
ソブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレー
ト、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシルメ
タクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、
ラウリルアクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレー
ト、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メ
タ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシプロピルメタクリレート、2−アクリロイルオキ
シエチルフタル酸等の極性基含有ビニルモノマー、スチ
レン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族
ビニルモノマー、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル等の不飽和ニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル等のビニルエステル等が挙げられ、これらは単独また
は2種類以上を組み合わせて用いることが出来る。
【0010】上記ホモポリマーのガラス転移温度が−2
0℃以上のビニルモノマーのアクリル系モノマー中に占
める割合は、多くなると耐衝撃性が得られにくくなる
為、25重量%以下が好ましい。
【0011】上記多官能性モノマー(B)は、アクリル
系共重合体ラテックスを架橋し粒子の合着を起こしにく
くし、更に得られる塩化ビニル系樹脂の耐衝撃性を向上
指せる目的で添加され、例えば、ジ(メタ)アクリレー
トとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1.6
−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチ
ロールプロパンジ(メタ)アクリレート等が挙げられ、
トリ(メタ)アクリレートとしては、トリメチロールプ
ロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド
変成トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等
が挙げられる。又、その他の多官能性モノマーとして
は、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレー
ト、ジアリルフタレート、ジアリルマレート、ジアリル
フマレート、ジアリルサクシネート、トリアリルイソシ
アヌレート等のジ又はトリアリル化合物、ジビニルベン
ゼン、ブタジエン等のジビニル化合物等が挙げられ、こ
れらは単独または2種類以上を組み合わせて用いること
が出来る。
【0012】上記多官能性モノマー(B)の添加量は、
少なくなると架橋密度の低下に伴い得られる塩化ビニル
系樹脂の耐衝撃性が得られにくくなり、また多くなると
架橋密度の上昇により耐衝撃性及び引張強度ともに得ら
れにくくなる為、上記アクリル系モノマー100重量部
に対し0.1〜10重量部であり、好ましくは0.2〜
8重量部である。
【0013】上記アクリル系共重合体ラテックスを得る
方法としては、乳化重合法、懸濁重合法等が挙げられる
が、得られる塩化ビニル系樹脂の耐衝撃性が良好である
という点で乳化重合法が好ましい。又、上記乳化重合法
は乳化分散剤及び重合開始剤を用いる。
【0014】上記乳化分散剤は、上記混合モノマーの乳
化液中での分散安定性を向上させ、重合を効率的に行う
目的で添加され、例えば、アニオン系界面活性剤、ノニ
オン系界面活性剤、部分ケン化ポリビニルアルコール、
セルロース系分散剤、ゼラチン等が挙げられる。特にア
ニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテルサルフェート(第一工業製薬(株)
社製、商品名「ハイテノールN−08」)等が挙げられ
る。
【0015】上記重合開始剤としては、例えば、過硫酸
カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素水等の水溶
性重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイル
パーオキサイド等の有機系過酸化物、アゾビスイソブチ
ロニトリル等のアゾ系開始剤等が挙げられる。
【0016】又、上記乳化重合法では、必要に応じて適
宜pH調整剤、酸化防止剤等が添加されてもよい。
【0017】上記乳化重合法には、モノマー添加法の違
いから一括重合法、モノマー滴下法、エマルジョン滴下
法の3つに大別されるが、特に限定されるものではな
い。一括重合法とは、例えば、ジャケット付き重合反応
器内に純水、乳化分散剤、重合開始剤、上記アクリル系
モノマー及び多官能性モノマーからなる混合モノマーを
一括して添加し、窒素気流による酸素除去及び加圧の条
件下において、攪拌により充分乳化した後、器内をジャ
ケットにより加熱することで重合する方法である。又、
モノマー滴下法とは、例えば、ジャケット付き重合反応
器内に純水、乳化分散剤、重合開始剤を入れ、窒素気流
による酸素除去及び加圧の条件下において、まず器内を
ジャケットにより加熱した後、上記混合モノマーを一定
量ずつ滴下することにより徐々に重合する方法である。
又、エマルジョン滴下法とは、例えば、上記混合モノマ
ー、乳化分散剤、純水を攪拌により充分乳化することに
より予め乳化モノマーを調整し、次いでジャケット付き
重合反応器内に純水、重合開始剤を入れ、窒素気流によ
る酸素除去及び加圧の条件下において、まず器内をジャ
ケットにより加熱した後、上記乳化モノマーを一定量ず
つ滴下することにより重合する方法である。
【0018】本発明は、上記で得られたアクリル系共重
合体ラテックスに塩化ビニルをグラフト共重合する塩化
ビニル系樹脂の製造方法であり、その際、塩化ビニルの
転化率が25〜75重量%に達するまでの前期重合を重
合温度55〜70℃で行い、その後の後期重合をそれよ
り3〜20℃低い重合温度で行うことを特徴としてい
る。
【0019】上記アクリル系共重合体ラテックスの塩化
ビニル系樹脂中に占める割合は、少なくなると充分な耐
衝撃性が得られにくくなり、また多くなると曲げ強度や
引張強度等の機械的強度が低くなる為、1〜30重量%
であり、好ましくは4〜20重量%である。
【0020】上記塩化ビニルの塩化ビニル系樹脂中に占
める割合は、少なくなると曲げ強度や引張強度等の機械
的強度が低くなり、また多くなると充分な耐衝撃性が得
られにくくなる為、塩化ビニル系樹脂中70〜99重量
%であり、好ましくは80〜96重量%である。
【0021】上記アクリル系共重合体ラテックスに塩化
ビニルをグラフト共重合する方法としては、乳化重合
法、懸濁重合法が挙げられるが、乳化重合法で得られる
塩化ビニル系樹脂は熱安定性が悪いという理由から、懸
濁重合が好適である。上記懸濁重合法は分散剤及び油溶
性重合開始剤を用いる。
【0022】上記分散剤は、上記アクリル系共重合体ラ
テックスの分散安定性を向上させ、塩化ビニルのグラフ
ト共重合を効率的に行う目的で添加され、例えば、メチ
ルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピル
メチルセルロース、ポリビニルアルコール及びその部分
ケン化物、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、澱粉、無
水マレイン酸−スチレン共重合体が挙げられ、これらは
単独または2種類以上組み合わせて用いることができ
る。
【0023】上記油溶性重合開始剤の中でも、ラジカル
重合開始剤がグラフト共重合に有効であるという理由か
ら好適に用いられ、例えば、ラウロイルパーオキサイ
ド、t−ブチルパーオキシピバレート、ジイソプロピル
パーオキシジカーボネート、ジオクチルパーオキシジカ
ーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、
α−クミルパーオキシネオデカノエート等の有機パーオ
キサイド類、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、
2,2−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル等
のアゾ化合物等が挙げられる。
【0024】又、上記懸濁重合法では、必要に応じて適
宜pH調整剤、酸化防止剤等が添加されてもよい。
【0025】本発明の製造方法は、上記アクリル系共重
合体ラテックスに塩化ビニルをグラフト共重合する際
に、重合温度を2段階に制御することを特徴とし、具体
的な製造方法としては、例えば、攪拌機及びジャケット
を備えた反応容器に、純水、上記アクリル系共重合体ラ
テックス、分散剤、油溶性重合開始剤、必要に応じて重
合度調節剤を投入し、その後、真空ポンプで重合器内の
空気を排出し、更に攪拌条件下で塩化ビニル及び必要に
応じて他のビニルモノマーを投入した後、反応容器内を
ジャケットにより加熱し、塩化ビニルのグラフト共重合
を行う方法が挙げられる。上記塩化ビニルのグラフト共
重合は発熱反応の為、ジャケット温度を変えることによ
り反応容器内の温度つまり重合温度を制御することが可
能であり、この際に、塩化ビニルの転化率が目的の値に
達するまでの前期重合を前期重合温度で行い、その後の
後期重合をそれより低い後期重合温度で行う。この際の
転化率は、各重合温度における重合時間と転化率の関係
を前もって明らかにしておき、それに基づいて前期重合
時間の制御により行った。反応終了後は、未反応の塩化
ビニルを除去しスラリー状にし、更に脱水乾燥すること
により塩化ビニル系樹脂が製造される。
【0026】上記前期重合温度は、高くなると前期に得
られるポリ塩化ビニルの重合度が低くなり、得られる塩
化ビニル系樹脂の機械的強度が得られにくくなり、また
低くなると得られるポリ塩化ビニルの重合度が高くな
り、充分な流動性が得られにくくなる為、55〜70℃
でなければならず、好ましくは55〜65℃である。
【0027】上記後期重合温度は、充分な機械的強度を
得る為に前期重合温度より低い温度でなければならない
が、その中でも、高くなると得られる塩化ビニル系樹脂
において、充分な機械的強度が得られにくくなり、また
低くなると充分な流動性が得られにくくなる為、前期重
合温度より3〜20℃低い温度でなければならず、好ま
しくは3〜15℃低い温度である。
【0028】又、上記グラフト共重合時に前期に得られ
たポリ塩化ビニルが多いと、得られる塩化ビニル系樹脂
で充分な耐衝撃性及び引張強度が得られにくくなり、ま
た後期に得られたポリ塩化ビニルが多いと、得られる塩
化ビニル系樹脂の流動性が低下し、充分な成形性が得ら
れにくくなる為、上記の重合温度変更時の重合転化率は
25〜75重量%でなければならず、好ましくは30〜
70重量%である。
【0029】上記塩化ビニル系樹脂中のポリ塩化ビニル
の重合度は、小さくなると成形品の充分な破断伸びや耐
衝撃性が得られにくくなり、また大きくなると流動性が
低下し、充分な成形性が得られにくくなる為、好ましく
は300〜2000、更に好ましくは400〜1400
である。
【0030】本発明の製造方法で得られた塩化ビニル系
樹脂は、成形する際に必要に応じて熱安定剤、安定化助
剤、滑剤、加工助剤、酸化防止剤、光安定剤、充填材、
顔料等が添加され用いられる。
【0031】上記熱安定剤としては、例えば、ジメチル
錫メルカプト、ジブチル錫メルカプト、ジオクチル錫メ
ルカプト、ジブチル錫マレート、ジブチル錫マレートポ
リマー、ジオクチル錫マレート、ジオクチル錫マレート
ポリマー、ジブチル錫ラウレート、ジブチル錫ラウレー
トポリマー等の有機錫系安定剤、ステアリン酸鉛、二塩
基性亜リン酸鉛、三塩基性硫酸鉛等の鉛系安定剤、カル
シウム−亜鉛系安定剤、バリウム−亜鉛系安定剤、バリ
ウム−カドミウム系安定剤等が挙げられる。
【0032】上記安定化助剤としては、例えば、エポキ
シ化大豆油、エポキシ化アマニ豆油、エポキシ化テトラ
ヒドロフタレート、エポキシ化ポリブタジエン、リン酸
エステル等が挙げられる。
【0033】上記滑剤としては、例えば、モンタン酸ワ
ックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、
ステアリン酸、ステアリルアルコール、ステアリン酸ブ
チル等が挙げられる。
【0034】上記加工助剤としては、例えば、重量平均
分子量10万〜200万のアルキルアクリレート/アル
キルメタクリレート共重合体であるアクリル系加工助剤
が挙げられ、具体例としては、n−ブチルアクリレート
/メチルメタクリレート共重合体、2−エチルヘキシル
アクリレート/メチルメタクリレート/ブチルメタクリ
レート共重合体等が挙げられる。
【0035】上記酸化防止剤としては、例えば、フェノ
ール系抗酸化剤等が挙げられる。
【0036】上記光安定剤としては、例えば、サリチル
酸エステル系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール
系、シアノアクリレート系等の紫外線吸収剤、あるいは
ヒンダードアミン系光安定剤等が挙げられる。
【0037】上記充填材として、例えば、炭酸カルシウ
ム、タルク等が挙げられる。
【0038】上記顔料としては、例えば、アゾ系、フタ
ロシアニン系、スレン系、染料レーキ系等の有機顔料酸
化物、酸化物系、クロム酸モリブデン酸系、硫化物・セ
レン化物系、フェロシアン化物系等の無機顔料等が挙げ
られる。
【0039】又、上記塩化ビニル系樹脂には、成形時の
加工性を向上させる目的で可塑剤が添加されてもよく、
例えば、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシル
フタレート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート等が挙
げられる。
【0040】上記添加剤を上記塩化ビニル系樹脂に混合
する方法としては、ホットブレンドによる方法でも、コ
ールドブレンドによる方法でもよく、また、成形方法と
しては、例えば、押出成形法、射出成形法、カレンダー
成形法、プレス成形法等が挙げられる。
【0041】
【実施例】以下本発明の実施例について説明する。尚、
以下「部」とあるのは「重量部」を意味する。 実施例1〜7、比較例1〜6 表1及び2に示した配合組成及び重合条件に従い、下記
の操作手順で各塩化ビニル系樹脂を得た。 (アクリル系共重合体ラテックスの作成)攪拌機及び還
流冷却器を備えた反応容器に、純水、ポリオキシエチレ
ンノニルフェニルエーテルサルフェート(第一工業製薬
(株)社製、商品名「ハイテノールN−08」)(以
下、ASとする)、過硫酸アンモニウム(以下、APS
とする)、n−ブチルアクリレート(以下、BAとす
る)、メチルメタクリレート(以下、MMAとする)、
トリメチロールプロパントリアクリレート(以下、TM
PTAとする)を入れ、容器内の酸素を窒素により置換
した後、攪拌条件下で反応容器を65℃に昇温し、5時
間加熱攪拌することにより固形分濃度31重量%のアク
リル系共重合体ラテックス(以下、ラテックスとする)
を得た。
【0042】(塩化ビニル系樹脂の作成)次いで、攪拌
機及びジャケットを備えた反応容器に、純水、上記ラテ
ックス、部分ケン化ポリビニルアルコール(クラレ
(株)社製、商品名「クラムポバールL−8」)の3%
水溶液(以下、3%PVA水溶液とする)、t−ブチル
パーオキシネオデカノエート(以下、BPONDとす
る)及びα−クミルパーオキシネオデカノエート(以
下、QPONDとする)を一括投入し、その後、真空ポ
ンプで重合器内の空気を排出し、更に攪拌条件下で塩化
ビニルを投入した後、30分間攪拌することにより塩化
ビニルを均一に混合し、ジャケット温度の制御により重
合温度をコントロールして重合を開始した。前期重合は
表中の前期重合温度で、塩化ビニルの転化率が表中の値
に達するまで行い、その後、続けて後期重合を表中の後
期重合温度で行った。又、この際の転化率は、各重合温
度における重合時間と転化率の関係を前もって明らかに
しておき、それに基づいて前期重合時間の制御により行
った。反応容器内の圧力が所定の圧力まで低下すること
で反応終了を確認し、反応を停止した。その後、未反応
の塩化ビニルを除去し、更に脱水乾燥することにより塩
化ビニル系樹脂を得た。
【0043】(塩化ビニル系樹脂製テストパネルの作
成)上記で得られた塩化ビニル系樹脂100部に対し、
ジオクチル錫メルカプト(三共有機合成(株)社製、商
品名「ONZ−142F」)3部、モンタン酸ワックス
(ヘキストジャパン(株)社製、商品名「WAX−O
P」)0.5部混合し、この混合物を190℃のロール
混練機で3分間混練した後、温度195℃、圧力75k
g/cm2 で6分間プレス成形し、厚さ3mmの塩化ビ
ニル系樹脂製テストパネルを得た。
【0044】評価項目及び評価法を以下に示す。 (耐衝撃性)JIS K7110に準拠し、アイゾット
衝撃試験を行った結果を表1に示した。単位はkg・c
m/cm2 である。 (引張強度)JIS K7113に準拠し、引張強度試
験を行った結果を表1に示した。単位はkg/cm2
ある。 (流動性)得られた塩化ビニル系樹脂を細断してペレッ
トを作成し、キャピラリーレオメーター(東洋精機
(株)社製、商品名「キャピログラフ」)を用いて、塩
化ビニル系樹脂温度195℃、剪断速度500sec-1
における溶融樹脂粘度を測定した結果を表1に示した。
単位はポイズ(Ps)である。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【発明の効果】本発明の製造方法は上述の通り重合温度
を2段階で制御するので、得られる塩化ビニル系樹脂
は、耐衝撃性、引張強度及び流動性の優れたものとな
り、高い耐衝撃性や引張強度を要求される外壁、防音壁
のような用途だけでなく、良好な成形性も要求される窓
枠、サッシ等にも好適に使用できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ホモポリマーのガラス転移温度が−
    20℃未満のアルキル(メタ)アクリレートを主成分と
    するアクリル系モノマー100重量部と(B)多官能性
    モノマー0.1〜10重量部を共重合することにより得
    られるアクリル系共重合体ラテックス1〜30重量%に
    塩化ビニル70〜99重量%をグラフト共重合する塩化
    ビニル系樹脂の製造方法であって、上記グラフト共重合
    において、塩化ビニルの転化率が25〜75重量%に達
    するまでの前期重合を重合温度55〜70℃で行い、そ
    の後の後期重合をそれより3〜20℃低い重合温度で行
    うことを特徴とする塩化ビニル系樹脂の製造方法。
JP17094894A 1994-07-22 1994-07-22 塩化ビニル系樹脂の製造方法 Pending JPH0834825A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001181462A (ja) * 1999-12-27 2001-07-03 Sekisui Chem Co Ltd 塩化ビニル系樹脂及びその成形体

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001181462A (ja) * 1999-12-27 2001-07-03 Sekisui Chem Co Ltd 塩化ビニル系樹脂及びその成形体
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