JP2000080241A - 塩化ビニル系樹脂組成物及び管継手 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂組成物及び管継手

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JP2000080241A
JP2000080241A JP10248531A JP24853198A JP2000080241A JP 2000080241 A JP2000080241 A JP 2000080241A JP 10248531 A JP10248531 A JP 10248531A JP 24853198 A JP24853198 A JP 24853198A JP 2000080241 A JP2000080241 A JP 2000080241A
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Japan
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vinyl chloride
weight
monomer
chloride resin
resin composition
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JP10248531A
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English (en)
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Takeo Morikawa
岳生 森川
Hiroshi Tomita
博司 富田
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い耐衝撃性を有する成形品が得られる塩化
ビニル系樹脂組成物及びそれを用いた管継手を提供す
る。 【解決手段】 ホモポリマーのガラス転移温度が−20
℃未満のアルキル(メタ)アクリレートモノマー80〜
100重量%及びホモポリマーのガラス転移温度が−2
0℃以上のモノマー20〜0重量%からなるアクリル系
混合モノマー(a−1)100重量部、並びに、トリメ
チロールプロパン系の多官能性モノマー及びペンタエリ
スリトール系の多官能性モノマーのうちの少なくとも1
種(a−2)0.1〜10重量部を共重合することによ
り得られるアクリル系共重合体(a)1〜30重量%
に、塩化ビニル(b)99〜70重量%をグラフト共重
合することにより得られる塩化ビニル系樹脂(A)10
0重量部に、ステアリン酸カルシウム(B)0.1〜5
重量部を配合してなる塩化ビニル系樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩化ビニル系樹脂
組成物及び管継手に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系樹脂組成物は、機械的強
度、耐候性、耐薬品性等において優れた材料であるの
で、建築部材、管工機材、住宅資材などに広く用いられ
ている。しかし、耐衝撃性が劣るため、種々の改質方法
が提案されている。例えば、耐衝撃性を向上させる方法
としては、塩化ビニル系樹脂に塩素化ポリエチレン(C
PE)、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共
重合体(MBS)、アクリル系衝撃改質剤などのゴム系
樹脂を強化剤としてブレンドし、使用する方法が一般的
である。しかし、このような強化剤をブレンドする方法
の場合、CPEをブレンドすると成形品の低温衝撃性が
悪くなるとともに、成形品に十分な耐衝撃性を発現する
成形温度幅が非常に狭くなるなどの問題がある。MBS
をブレンドすると、暴露試験後の耐衝撃性が大幅に低下
したり、成形時の負荷が上昇するなどの問題がある。ア
クリル系改質剤をブレンドすると、粒子が成形時に均一
に分散することが難しくなり、加工条件により塩化ビニ
ル系樹脂の耐衝撃性にムラが生じるなどの欠点を有して
いた。
【0003】上記の問題を解決する手段として特開昭6
2−36412号公報には、アクリル系共重合体に塩化
ビニルをグラフト共重合させた塩化ビニル系樹脂が開示
されている。この技術で得られる塩化ビニル系樹脂組成
物は、上記の強化剤をブレンドする方法による問題点を
解決することができるが、実用上さらなる耐衝撃性の向
上が求められてきた。特に、通常、射出成形法で成形さ
れる管継手においては、高い耐衝撃性が得られにくかっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、高い耐衝撃性を有する成形品が得られる塩化ビニル
系樹脂組成物及びそれを用いた管継手を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の塩化ビニ
ル系樹脂組成物は、ホモポリマーのガラス転移温度が−
20℃未満のアルキル(メタ)アクリレートモノマー8
0〜100重量%及びホモポリマーのガラス転移温度が
−20℃以上のモノマー20〜0重量%からなるアクリ
ル系混合モノマー(a−1)100重量部、並びに、ト
リメチロールプロパン系の多官能性モノマー及びペンタ
エリスリトール系の多官能性モノマーのうちの少なくと
も1種(a−2)0.1〜10重量部を共重合すること
により得られるアクリル系共重合体(a)1〜30重量
%に、塩化ビニル(b)99〜70重量%をグラフト共
重合することにより得られる塩化ビニル系樹脂(A)1
00重量部に、ステアリン酸カルシウム(B)0.1〜
5重量部を配合してなることを特徴とする。
【0006】請求項2記載の塩化ビニル系樹脂組成物
は、請求項1記載のアクリル系共重合体(a)3〜20
重量%に、塩化ビニル(b)97〜80重量%をグラフ
ト共重合することにより得られる塩化ビニル系樹脂
(A)100重量部に、ステアリン酸カルシウム(B)
0.3〜4重量部を配合してなることを特徴とする請求
項1記載の塩化ビニル系樹脂組成物である。
【0007】本発明の管継手は、請求項1又は2記載の
塩化ビニル系樹脂組成物を成形して得られることを特徴
とする。
【0008】本発明で使用されるホモポリマーのガラス
転移温度が−20℃未満のアルキル(メタ)アクリレー
トモノマーとしては特に限定されず、例えば、エチルア
クリレート、n−プロピルアクリレート、イソブチルア
クリレート、n−ブチルアクリレート、sec−ブチル
アクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチル
ヘキシルアクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレ
ート、イソオクチルアクリレート、n−デシル(メタ)
アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソ
ノニルアクリレート、2−アクリロイルオキシエチルこ
はく酸などが挙げられる。これらは単独で使用してもよ
く、2種以上を併用してもよい。
【0009】上記ホモポリマーのガラス転移温度が−2
0℃未満のアルキル(メタ)アクリレートモノマーの含
有量はアクリル系混合モノマー(a−1)中、80〜1
00重量%である。80重量%未満であると得られる成
形品の耐衝撃性が得られにくくなるので、上記範囲に限
定される。
【0010】本発明で使用されるホモポリマーのガラス
転移温度が−20℃以上のモノマーとしては特に限定さ
れず、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチルメ
タクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロ
ピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソ
ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレー
ト、t−ブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリ
レート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ミリス
チル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリ
レート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル
(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸等の極
性基含有ビニルモノマー;スチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルトルエン等の芳香族ビニルモノマー;アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステルな
どが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種
以上を併用してもよい。
【0011】上記ホモポリマーのガラス転移温度が−2
0℃以上のモノマーは、得られるアクリル系共重合体
(a)のガラス転移温度を任意に調節することができ
る。
【0012】上記ホモポリマーのガラス転移温度が−2
0℃以上のモノマーの含有量は、アクリル系混合モノマ
ー(a−1)中0〜20重量%である。20重量%を超
えると、成形品の耐衝撃性が得られなくなるので、上記
範囲に限定される。
【0013】なお、これらのモノマーのホモポリマーの
ガラス転移温度は、「高分子データ・ハンドブック(基
礎編)」(培風館発行、高分子学会編)によった。
【0014】本発明で使用されるトリメチロールプロパ
ン系の多官能性モノマー及びペンタエリスリトール系の
多官能性モノマーのうちの少なくとも1種(a−2)と
しては特に限定されず、例えば、トリメチロールプロパ
ントリアクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチ
ロールプロパントリアクリレート等のトリメチロールプ
ロパン系アクリレート;ペンタエリスリトールテトラア
クリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト等のペンタエリスリトール系アクリレート等が挙げら
れる。
【0015】上記トリメチロールプロパン系の多官能性
モノマー及びペンタエリスリトール系の多官能性モノマ
ーのうちの少なくとも1種(a−2)の添加量は、上記
アクリル系混合モノマー(a−1)100重量部に対
し、0.1〜10重量部である。0.1重量部未満であ
ると架橋率が低下するために成形品の耐衝撃性が低下
し、10重量部を超えると、アクリル系共重合体の架橋
率が高くなるため、成形品の耐衝撃性が低下するので、
上記範囲に限定される。
【0016】本発明において、アクリル系共重合体
(a)を得る方法としては特に限定されず、例えば、乳
化重合法、懸濁重合法などが挙げられる。成形品の耐衝
撃性の発現性を考慮すると、乳化重合法が望ましい。
【0017】上記乳化重合法では、上記アクリル系混合
モノマー(a−1)の乳化液中での分散安定性を向上さ
せ、重合を効率的に行う目的で、乳化分散剤が添加され
る。上記乳化分散剤としては特に限定されず、例えば、
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルサルフェー
ト等のアニオン系界面活性剤;ノニオン系界面活性剤;
部分ケン化ポリビニルアルコール;セルロース系分散
剤;ゼラチンなどが挙げられる。
【0018】上記乳化重合法では、重合開始剤を使用す
る。上記重合開始剤としては特に限定されず、例えば、
過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素水な
どの水溶性重合開始剤;過酸化ベンゾイル、過酸化ラウ
ロイルなどの有機系過酸化物;アゾビスイソブチロニト
リル等のアゾ系開始剤などが挙げられる。上記乳化重合
法では、必要に応じて、pH調整剤、酸化防止剤などが
添加されてもよい。
【0019】上記乳化重合法としては特に限定されず、
モノマーの添加方法の違いから、例えば、一括重合法、
モノマー滴下法、エマルジョン滴下法などが挙げられ
る。上記一括重合法は、例えば、ジャケット付重合反応
器内に、純水、乳化分散剤、重合開始剤、上記アクリル
系混合モノマー(a−1)並びに上記トリメチロールプ
ロパン系の多官能性モノマー及びペンタエリスリトール
系の多官能性モノマーのうちの少なくとも1種(a−
2)からなる混合モノマーを一括して添加し、窒素気流
下による酸素除去及び加圧の条件下において、攪拌によ
り十分乳化した後、器内をジャケットにより加熱するこ
とで重合する方法である。上記モノマー滴下法は、例え
ば、ジャケット付重合反応器内に純水、乳化分散剤、重
合開始剤をいれ、窒素気流下による酸素除去及び加圧の
条件下において、まず器内をジャケットにより加熱した
後、上記混合モノマーを一定量づつ滴下することにより
徐々に重合する方法である。上記エマルジョン滴下法
は、例えば、上記混合モノマー、乳化分散剤、純水を攪
拌により十分乳化することにより予め乳化モノマーを調
製し、次いでジャケット付重合反応器内に純水、重合開
始剤を入れ窒素気流下による酸素除去及び加圧の条件下
においで、まず器内をジャケットにより加熱した後、上
記乳化モノマーを一定量づつ滴下することにより重合す
る方法である。
【0020】上記アクリル系共重合体(a)の含有量
は、得られる塩化ビニル系樹脂(A)中、1〜30重量
%である。1重量%未満であると、得られる成形品に充
分な耐衝撃性を付与しにくくなり、30重量%を超える
と、曲げ強度、引張強度等の機械的強度が低くなるの
で、上記範囲に限定される。好ましくは3〜20重量%
である。
【0021】本発明で用いられるグラフト共重合の方法
としては特に限定されず、例えば、乳化重合法、懸濁重
合法等が挙げられる。なかでも、本発明の塩化ビニル系
樹脂組成物を効果的に得ることができる点から、懸濁重
合法が望ましい。
【0022】上記懸濁重合法では、上記アクリル系共重
合体(a)の分散安定性を向上させ、塩化ビニルのグラ
フト共重合を効果的に行う目的で、分散剤及び油溶性重
合開始剤を使用する。上記分散剤としては特に限定され
ず、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒ
ドロキシプロポルメチルセルロース、ポリビニルアルコ
ール、ポリ酢酸ビニルの部分ケン化物、ゼラチン、ポリ
ビニルピロリドン、デンプン、無水マレイン酸−スチレ
ン共重合体等が挙げられる。これらは単独で使用しても
よく、2種以上を併用してもよい。上記油溶性重合開始
剤としては、グラフト共重合に有利な点からラジカル重
合開始剤が好適に用いられる。上記ラジカル重合開始剤
としては特に限定されず、例えば、過酸化ラウロイル、
t−ブチルパーオキシピバレート、ジイソプロピルパー
オキシジカーボネート、ジオクチルパーオキシジカーボ
ネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、α−
クミルパーオキシネオデカノエート等の有機過酸化物
類;2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−ア
ゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾ化合
物などが挙げられる。上記懸濁重合法では、必要に応じ
て、pH調整剤、酸化防止剤等が添加されてもよい。
【0023】本発明で用いられる塩化ビニル系樹脂
(A)は、例えば、以下のようにして得ることができ
る。攪拌器及びジャケットを備えた反応容器に、純水、
上記アクリル系共重合体(a)、分散剤、油溶性重合開
始剤、及び必要に応じて、重合度調節剤を投入し、その
後真空ポンプで重合器内の空気を排出し、さらに攪拌条
件下で塩化ビニル(b)、及び必要に応じて他のビニル
モノマーを投入した後、反応容器内をジャケットにより
加熱し、塩化ビニルのグラフト共重合を行う。
【0024】上記塩化ビニルのグラフト共重合は、発熱
反応であるので、ジャケット温度を変えることにより反
応容器内の温度を制御することができる。反応終了後
は、未反応の塩化ビニルを除去してスラリー状にし、さ
らに脱水乾燥することにより塩化ビニル系樹脂を製造す
ることができる。
【0025】上記塩化ビニル(b)の含有量は、得られ
る塩化ビニル系樹脂(A)中、70〜99重量%であ
る。70重量%未満であると、曲げ強度、引張強度など
の機械的強度が低くなり、99重量%を超えると、成形
品の充分な耐衝撃性が得られにくくなるので、上記範囲
に限定される。好ましくは80〜97重量%である。上
記塩化ビニル系樹脂(A)中のポリ塩化ビニルの重合度
は、300〜2000が好ましい。300未満であると
成形品の破断強度及び耐衝撃性が低下し、2000を超
えると流動性が悪くなり、成形が困難になる。より好ま
しくは400〜1600である。
【0026】ステアリン酸カルシウム(B)は通常、溶
融樹脂のゲル化を促進し、成形品の外観を向上させる目
的で使用されるが、本発明においては耐衝撃性をさらに
向上させる目的で使用される。
【0027】上記ステアリン酸カルシウムの添加量
(B)は上記塩化ビニル系樹脂(A)100重量部に対
し、0.1〜5重量部である。0.1重量部未満である
と、耐衝撃性が充分に向上せず、5重量部を超えると成
形加工が困難となり、さらに他の機械的強度、耐熱性に
悪影響を及ぼすので、上記範囲に限定される。好ましく
は、0.3〜4重量部である。
【0028】本発明においては、必要に応じて、上記塩
化ビニル系樹脂(A)に、安定剤、滑剤、加工助剤、酸
化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、顔料など
の添加剤が添加されていてもよい。
【0029】上記安定剤としては特に限定されず、例え
ば、熱安定剤、熱安定化助剤などが挙げられる。上記熱
安定剤としては特に限定されず、例えば、ジブチルすず
メルカプト、ジオクチルすずメルカプト、ジメチルすず
メルカプト、ジブチルすずメルカプト、ジブチルすずマ
レート、ジブチルすずマレートポリマー、ジオクチルす
ずマレート、ジオクチルすずマレートポリマー、ジブチ
ルすずラウレート、ジブチルすずラウレートポリマー等
の有機すず系安定剤;ステアリン酸鉛、二塩基性亜りん
酸鉛、三塩基性硫酸鉛等の鉛系安定剤;カルシウム−亜
鉛系安定剤;バリウム−亜鉛系安定剤;バリウムーカド
ミウム系安定剤などが挙げられる。これらは単独で使用
してもよく、2種以上を併用してもよい。上記安定化助
剤としては特に限定されず、例えば、エポキシ化大豆
油、りん酸エステル等が挙げられる。これらは単独で使
用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0030】上記滑剤としては、内部滑剤、外部滑剤が
挙げられる。上記内部滑剤は、成形加工時の溶融樹脂の
流動粘度を下げ、摩擦発熱を防止する目的で使用され
る。上記内部滑剤としては特に限定されず、例えば、ブ
チルステアレート、ラウリルアルコール、ステアリルア
ルコール、エポキシ大豆油、グリセリンモノステアレー
ト、ステアリン酸、ビスアミド等が挙げられる。これら
は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記外部滑剤は、成形加工時の溶融樹脂と金属面との滑
り効果を上げる目的で使用される。上記外部滑剤として
は特に限定されず、例えば、パラフィンワックス、ポリ
オレフィンワックス、エステルワックス、モンタン酸ワ
ックスなどが挙げられる。これらは単独で使用してもよ
く、2種以上を併用してもよい。
【0031】上記加工助剤としては特に限定されず、例
えば重量平均分子量10万〜200万のアルキルアクリ
レート−アルキルメタクリレート共重合体等のアクリル
系加工助剤などが挙げられる。上記アクリル系加工助剤
としては特に限定されず、例えば、n−ブチルアクリレ
ート−メチルメタクリレート共重合体、2−エチルヘキ
シルアクリレート−メチルメタクレート−ブチルメタク
リレート共重合体等が挙げられる。
【0032】上記酸化防止剤としては特に限定されず、
例えば、フェノール系抗酸化剤などが挙げられる。上記
光安定剤としては特に限定されず、例えば、ヒンダード
アミン系等の光安定剤等が挙げられる。上記紫外線吸収
剤としては特に限定されず、例えば、サリチル酸エステ
ル系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シア
ノアクリレート系等の紫外線吸収剤などが挙げられる。
【0033】上記充填剤としては特に限定されず、例え
ば、炭酸カルシウム、タルクなどが挙げられる。上記顔
料としては特に限定されず、例えば、アゾ系、フタロシ
アニン系、スレン系、染料レーキ系等の有機顔料;酸化
物系、クロム酸モリブデン系、硫化物・セレン化物系、
フェロシアニン化物系などの無機顔料などが挙げられ
る。
【0034】また、上記塩化ビニル系樹脂(A)には成
形時の加工性を向上させる目的で、可塑剤が添加されて
いてもよい。上記可塑剤としては特に限定されず、例え
ば、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタ
レート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート等が挙げら
れる。
【0035】上記添加剤を上記塩化ビニル系樹脂(A)
に混合する方法としては特に限定されず、例えば、ホッ
トブレンドによる方法、コールドブレンドによる方法等
が挙げられる。
【0036】また、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物の
成形方法としては特に限定されず、例えば、押出成形
法、射出成形法、カレンダー成形法、プレス成形法等が
挙げられる。
【0037】次に、本発明の管継手について説明する。
本発明の管継手は、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物を
成形して得られることを特徴とする。上記管継手を成形
する方法としては特に限定されず、例えば、従来公知の
任意の成形機を用いて成形する方法等が挙げられる。好
ましくは、射出成形機を用いて成形する方法である。
【0038】本発明の管継手の製造方法の一例として
は、上記塩化ビニル系樹脂組成物を、例えば、スーパー
ミキサーなどで均一に分散させてコンパウンドとした
後、又は、上記塩化ビニル系樹脂組成物を押出機から押
し出した後、ペレタイザーで切断してペレットとし、上
記コンパウンド又はペレットを例えば、バレル温度17
0〜190℃、射出圧力120〜150kg・f/cm
2 の成形条件で射出成形する方法が挙げられる。
【0039】
【作用】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、安定剤、
滑剤、加工助剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定
剤、充填剤、顔料などを配合することにより通常の成形
加工が可能であり、得られた成形体は、耐久性、耐候
性、耐衝撃性等の要求される建築部材、管工機材、住宅
資材等に好適に使用される。本発明の塩化ビニル系樹脂
組成物は、アクリル系共重合体に塩化ビニルがグラフト
共重合されているので、MBS等の強化剤をブレンドす
る方法に比べて耐候性や成形性が優れている。またステ
アリン酸カルシウムが配合されているので、得られる成
形品が更に高い耐衝撃性を有する。また、本発明の塩化
ビニル系樹脂組成物が溶融された樹脂は、熱安定性、流
動性に優れるため、射出成形によって得られる耐衝撃性
硬質塩化ビニル管継手に好適に利用される。
【0040】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるも
のではない。
【0041】(実施例1、2、比較例1〜4)表1に示
した配合組成に従い、下記の操作手順で各塩化ビニル系
樹脂組成物を得た。
【0042】アクリル系共重合体(a)の作製 攪拌機及び還流冷却器を備えた反応容器に、純水、乳化
分散剤(以下、ASという)、過硫酸アンモニウム(以
下、APSという)、n−ブチルアクリレート(以下、
BAという)、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト(以下、TMPTAという)を入れ、容器内の酸素を
窒素により置換した後、攪拌条件下で反応容器を65℃
に昇温し、5時間加熱攪拌することにより固形分濃度3
0重量%のアクリル系共重合体を得た。
【0043】塩化ビニル系樹脂(A)の作製 次いで、攪拌機及びジャケットを備えた耐圧反応容器
に、純水、上記アクリル系共重合体、部分ケン化ポリビ
ニルアルコールの3重量%水溶液(以下、PVA水溶液
という)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの3重
量%水溶液(以下、セルロース水溶液という)、t−ブ
チルパーオキシネオデカノエート(以下、BPONDと
いう)を一括投入し、その後、真空ポンプで重合器内の
空気を排出し、更に攪拌条件下で塩化ビニルを投入した
後、30分間攪拌することにより塩化ビニルを均一に混
合し、ジャケット温度の制御により重合温度64℃にて
重合を開始した。
【0044】5時間後、反応器内の圧力が8.0kg/
cm2 まで低下することにより反応終了を確認し、消泡
剤を加圧添加した後に反応を停止した。その後、未反応
の塩化ビニルモノマーを除去し、さらに脱水乾燥するこ
とにより塩化ビニル系樹脂を得た。得られた塩化ビニル
系樹脂中のポリ塩化ビニルの重合度は800であった。
また、塩化ビニル系樹脂中のアクリル系共重合体の含有
量は8重量%であった。
【0045】
【表1】
【0046】得られた塩化ビニル系樹脂100重量部
に、有機すず系安定剤(三共有機合成社製、商品名「O
NZ−7F」)1重量部、滑剤(三井化学社製、商品名
「Hiwax2203A」)0.4重量部、滑剤(理研
ビタミン社製、商品名「SL−800」)0.2重量
部、及び、ステアリン酸カルシウムを表2に示す通りに
配合し、よく混合した後、190℃のロール混練機で3
分間混練した後、200℃で7分間、200kgf/c
2 の圧力でプレス成形し、厚さ3mmのプレートを得
た。このプレートを試料として各物性の評価を以下に示
した方法で実施した。
【0047】耐衝撃性 JIS K 7111に準拠してノッチ付の試験片を対
象に23℃でのシャルピー衝撃試験を実施した。 引張強度 JIS K 7113に準拠して、23℃での引張強度
試験を実施した。 ビカット軟化温度 JIS K 7206に準拠し、ビカット軟化温度試験
を実施した。 熱老化性 JIS K 7212に準拠し、190℃のオーブンで
熱老化性試験を実施し、試料が茶褐色に変色した時間を
測定した。試料はロール混練後のシートで行った。
【0048】測定結果を表2に示した。
【0049】
【表2】
【0050】(実施例3、4、比較例5〜8) 管継手の成形 実施例1で得られた塩化ビニル系樹脂100重量部に、
有機すず系安定剤(三共有機合成社製、商品名「ONZ
−7F」)1重量部、滑剤(三井化学社製、商品名「H
iwax2203A」)0.4重量部、滑剤(理研ビタ
ミン社製、商品名「SL−800」)0.2重量部、及
び、ステアリン酸カルシウムを表3に示す通りに配合
し、よく混合した後、二軸ペレット押出機にてペレット
を作製した。このペレットを用い、射出成形機(日本製
鋼所社製、商品名「J100E−C5」)を使用して呼
び径20mmの管継手を得た。得られた管継手を用い、
下記項目の物性を測定し、結果を表3に示した。
【0051】引張強度 JIS K 7113に準拠し、23℃で引張強度試験
を実施した。 耐衝撃性 JIS K 7110に準拠し、ノッチ付の試験片を対
象に23℃においてアイゾット衝撃試験を実施した。 ビカット軟化温度 JIS K 7206に準拠し、5kgf荷重でビカッ
ト軟化温度試験を実施した。
【0052】
【表3】
【0053】
【発明の効果】本発明の請求項1又は2記載の塩化ビニ
ル系樹脂組成物は、上述の構成よりなるので、成形性に
優れるとともに、上記組成物を用いると耐衝撃性、機械
的強度、耐熱性に優れた成形品を得ることができる。本
発明の管継手は、上述の構成よりなるので、高い耐衝撃
性、機械的強度、耐熱性を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H019 FA01 FA12 3H111 AA01 BA15 BA31 BA34 DA26 DB27 4J002 BD091 BN031 EG036 4J026 AA17 AA18 AA37 AA38 AA45 AA46 AA48 AA49 AC34 BA10 DA03 DA04 DA07 DA09 DA12 DA14 DA15 DB03 DB12 DB15 DB28 GA09

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホモポリマーのガラス転移温度が−20
    ℃未満のアルキル(メタ)アクリレートモノマー80〜
    100重量%及びホモポリマーのガラス転移温度が−2
    0℃以上のモノマー20〜0重量%からなるアクリル系
    混合モノマー(a−1)100重量部、並びに、トリメ
    チロールプロパン系の多官能性モノマー及びペンタエリ
    スリトール系の多官能性モノマーのうちの少なくとも1
    種(a−2)0.1〜10重量部を共重合することによ
    り得られるアクリル系共重合体(a)1〜30重量%
    に、塩化ビニル(b)99〜70重量%をグラフト共重
    合することにより得られる塩化ビニル系樹脂(A)10
    0重量部に、 ステアリン酸カルシウム(B)0.1〜5重量部を配合
    してなることを特徴とする塩化ビニル系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のアクリル系共重合体
    (a)3〜20重量%に、塩化ビニル(b)97〜80
    重量%をグラフト共重合することにより得られる塩化ビ
    ニル系樹脂(A)100重量部に、 ステアリン酸カルシウム(B)0.3〜4重量部を配合
    してなることを特徴とする請求項1記載の塩化ビニル系
    樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の塩化ビニル系樹脂
    組成物を成形して得られることを特徴とする管継手。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013086042A (ja) * 2011-10-20 2013-05-13 Sekisui Chem Co Ltd 高分子水処理膜

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JP2013086042A (ja) * 2011-10-20 2013-05-13 Sekisui Chem Co Ltd 高分子水処理膜

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