JP2002265727A - ポリ塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

ポリ塩化ビニル系樹脂組成物

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JP2002265727A
JP2002265727A JP2001072423A JP2001072423A JP2002265727A JP 2002265727 A JP2002265727 A JP 2002265727A JP 2001072423 A JP2001072423 A JP 2001072423A JP 2001072423 A JP2001072423 A JP 2001072423A JP 2002265727 A JP2002265727 A JP 2002265727A
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JP
Japan
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polyvinyl chloride
chloride resin
weight
resin composition
acrylate
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Application number
JP2001072423A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Hatayama
博之 畑山
Hironobu Nakamura
裕信 中村
Yoshinobu Suenaga
義伸 末永
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐候性、耐衝撃性に優れたポリ塩化ビニル系
樹脂組成物の提供。 【解決手段】 ポリ塩化ビニル系樹脂100重量に対し
て、オクチル錫マレート化合物が0.5〜1.5重量部、
及びオクチル錫ラウレート化合物が0.1〜0.5重量部
添加されてなるポリ塩化ビニル系樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐候性、耐衝撃
性、機械的強度に優れた塩化ビニル系樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリ塩化ビニル系樹脂は機械的強度、耐
薬品性等に優れており、従来より配管材料、建築材料等
の各種用途に用いられている。このようなポリ塩化ビニ
ル系樹脂は直射日光に耐え得るだけの耐候性が要求され
る用途にも使用されている。このような用途では例え
ば、雨樋製品等があるが耐候性だけでなく、耐衝撃性も
同時に要求され、耐候性と耐衝撃性に優れたポリ塩化ビ
ニル系樹脂が例えば、特開平11−60884号公報に
提案されている。しかしながら、最近耐候性の要求品質
が厳しくなってきており、例えば、チョーキングや耐熱
劣化等による色相の変化では特に濃色系顔料を使用した
用途で更なる向上が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記要求に
応えるべく、耐候性、耐衝撃性に優れたポリ塩化ビニル
系樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記ポリ塩化ビニル系樹
脂は、塩化ビニルモノマー単独、又は塩化ビニルを主成
分とするビニルモノマーを重合させて得られる樹脂であ
り、塩化ビニルを主成分とするモノマーとは、50重量
%以上の塩化ビニルとこれと共重合可能なビニルモノマ
ーとの混合物を意味し、共重合可能なモノマーとは、通
常公知のビニルモノマーであって、例えば、酢酸ビニ
ル、アルキル(メタ)アクリレート、アルキルビニルエ
ーテル、エチレン、フッ化ビニル、マレイミドなどが挙
げられ、これらの少なくとも一種が使用できる。
【0005】上記塩化ビニル系樹脂中のポリ塩化ビニル
の重合度は、小さくなると機械的物性が低下し易く、大
きくなると成型性が低下し易いため、好ましくは300
〜2000であり、更に好ましくは400〜1600で
ある。
【0006】本発明におけるポリ塩化ビニル系樹脂は、
十分な耐衝撃性を得るためには、ポリ塩化ビニルまたは
ポリ塩化ビニルを主成分とするマトリクス樹脂にアクリ
ル系共重合体粒子がグラフトかつ分散している構造を有
するポリ塩化ビニル系グラフト共重合体樹脂であること
が好ましい。上記塩化ビニル系樹脂中におけるアクリル
系共重合体粒子の量は、少なくなると充分な耐衝撃性が
得られにくくなり、また多くなると曲げ強度や引張強度
等の機械的強度が低くなるため、1〜30重量%が好ま
しく、より好ましくは4〜20重量%である。
【0007】上記アクリル系共重合体としては、単独重
合体のガラス転移温度が−140〜30℃である少なく
とも1種類の(メタ)アクリレートモノマー、少なくとも
1種類のラジカル重合性モノマー、及び多官能性モノマ
ーからなる共重合体が好ましい。
【0008】上記(メタ)アクリレートモノマーは、室温
での柔軟性を要することより単独重合体のガラス転移温
度が30℃未満であることが必要であり、30℃未満で
あれば特に種類は限定されないが、工業的に一般に使用
されるポリマーのガラス転移温度を鑑みて−140℃以
上が適当である。上記(メタ)アクリレートモノマーと
しては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレ
ート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリ
レート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソ−ブチ
ルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、クミル
アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n
−ヘプチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メ
タ)アクリレート、2−メチルヘプチル(メタ)アクリ
レート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n
−ノニル(メタ)アクリレート、2−メチルオクチル
(メタ)アクリレート、2−エチル(メタ)ヘプチルア
クリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、ラウリ
ル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルアクリレー
ト、ミリスチル(メタ)アクリレート、パルミチルメタ
クリレート、ステアリルメタクリレート等のアルキル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等
を挙げられ、これらは単独または2種以上を組み合わせ
て用いることができる。なお、上記単独重合体のガラス
転移温度が−140℃以上30℃未満である(メタ)ア
クリレートモノマーの単独重合体のガラス転移温度は、
培風館発行 高分子学会編昭和61年発行 「高分子デ
ータ・ハンドブック(基礎編)」によった。
【0009】上記アクリル系共重合体を形成するラジカ
ル重合性モノマーは、成形時の低粘着化、または成形品
の耐候性、耐薬品性等を向上させる目的で添加され、特
に種類は限定されないが、例えば、メチルメタクリレー
ト、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレー
ト、イソプロピルメタクリレート、イソブチルメタクリ
レート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチル
(メタ)アクリレート、クミルメタクリレート、シクロヘ
キシルメタクリレート、パルミチルメタクリレート、ス
テアリルアクリレート等のアルキル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−アクリ
ロイルオキシエチルフタル酸等の極性基含有ビニルモノ
マー、スチレン、α-メチルスチレン、p−メチルスチ
レン、p−クロロスチレン等の芳香族ビニルモノマー、
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニト
リル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエス
テル等が挙げられ、これらは単独または2種類以上を組
み合わせて用いることができる。
【0010】上記多官能性モノマーは、アクリル系共重
合体粒子を架橋し、塩化ビニル系樹脂の耐衝撃性を向上
させるだけでなく、製造時及び製造後の共重合体ラテッ
クス粒子の合着を起こしにくくする目的で添加され、例
えば、ジ(メタ)アクリレートとしては、エチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、1.6-ヘキサンジオールジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)
アクリレート等が挙げられ、トリ(メタ)アクリレート
としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリ
レート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパ
ントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールトリ
(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、その他の
多官能性モノマーとしては、ペンタエリストールテトラ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリストールヘキサ
(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、ジアリル
マレート、ジアリルフマレート、ジアリルサクシネー
ト、トリアリルイソシアヌレート等のジもしくはトリア
リル化合物、ジビニルベンゼン、ブタジエン等のジビニ
ル化合物等が挙げられ、これらは単独または2種類以上
を組み合わせて用いることができる。
【0011】上記アクリル系共重合体中における各モノ
マーの比率は特に限定はされないが、耐衝撃性等を考慮
すると好ましい範囲は、単独重合体のガラス転移温度が
−140℃以上30℃未満である(メタ)アクリレート
モノマー51〜100重量%、ラジカル重合性モノマー
0〜49重量%からなる混合モノマー100重量部に対
し、多官能性モノマー0.1〜30重量部である。(メ
タ)アクリレートモノマーのモノマー比率が51重量%
未満、ラジカル重合性モノマーが49重量%を越えると
耐衝撃性が得られにくくなる。また、上記多官能性モノ
マーの添加量が0.1重量部より少なくなるとアクリル
系共重合体粒子が塩化ビニル系グラフト共重合樹脂の中
で、独立した粒子形状を維持できなくなり、耐衝撃性が
低下し易く、30重量部を超えると、架橋密度の過多に
より、得られる塩化ビニル系グラフト共重合樹脂の耐衝
撃性が得られにくくなる。
【0012】アクリル系共重合体のラテックス1〜30
重量%に塩化ビニル単独又は塩化ビニルを主成分とする
ビニルモノマー70〜99重量%をグラフト共重合して
得られた塩化ビニル系グラフト共重合樹脂100重量に
対して、オクチル錫マレート化合物を0.5〜1.5重量
部、及びオクチル錫ラウレート化合物を0.1〜0.5重
量部添加することを特徴とするポリ塩化ビニル系樹脂組
成物によってチョーキングや耐熱劣化等による色相の変
化の著しい向上を達成した。色相変化の著しい向上は該
樹脂組成物によってなる成形体が、メタルウェザー促進
試験において250時間でΔEが10以下であることに
よって示される。
【0013】上記アクリル系共重合体を得る方法として
は、特に限定されるものではなく、例えば、乳化重合
法、懸濁重合法等が挙げられるが、耐衝撃性の発現性の
面より、また、粒子径の制御が行い易い点から乳化重合
法が望ましい。また、上記乳化重合法は乳化分散剤及び
重合開始剤を用いる。
【0014】上記乳化分散剤は、上記混合モノマーの乳
化液中での分散安定性を向上させ、重合を効率的に行う
目的で添加され、例えば、アニオン系界面活性剤、ノニ
オン系界面活性剤、部分ケン化ポリ酢酸ビニル、セルロ
ース系分散剤、ゼラチン等が挙げられる。特に望ましく
はアニオン系界面活性剤であり、例えば、ポリオキシエ
チレンノニルフェニルエーテルサルフェート等が挙げら
れる。
【0015】上記重合開始剤としては、例えば、過硫酸
カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素水等の水溶
性重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイル
パーオキサイド等の有機系過酸化物、アゾビスイソブチ
ロニトリル等のアゾ系開始剤等が挙げられる。また、上
記乳化重合法では、必要に応じてpH調整剤、酸化防止
剤等が添加されてもよい。
【0016】上記乳化重合法には、モノマー添加法の違
いから一括重合法、モノマー滴下法、エマルジョン滴下
法の3つに大別されるが、特に限定されるものではな
い。一括重合法とは、例えばジャケット付重合反応器内
に純水、乳化分散剤、上記アクリル系モノマー、それと
共重合可能なラジカル重合性モノマー、及び多官能性モ
ノマーからなる混合モノマーを一括して添加し、窒素気
流による酸素除去後窒素雰囲気下において、撹拌により
充分乳化し、器内をジャケットにより所定の温度にした
後、重合開始剤を添加して重合する方法である。また、
モノマー滴下法とは、例えば、ジャケット付重合反応器
内に純水、乳化分散剤、重合開始剤を入れ、窒素気流下
による酸素除去後窒素雰囲気下において、まず器内をジ
ャケットにより所定の温度にした後、上記混合モノマー
を一定量ずつ滴下することにより徐々に重合する方法で
ある。
【0017】また、エマルジョン滴下法とは、例えば、
上記混合モノマー、乳化分散剤、純水を撹拌により充分
乳化することにより予め乳化モノマーを調整し、次いで
ジャケット付重合反応器内に純水、重合開始剤を入れ、
窒素気流下による酸素除去後窒素雰囲気下において、ま
ず器内をジャケットにより所定の温度にした後、上記乳
化モノマーを一定量ずつ滴下することにより重合する方
法である。さらに、エマルジョン滴下法において、重合
初期に上記乳化モノマーの一部を一括添加(以下シード
モノマーと呼ぶ)し、その後残りの乳化モノマーを滴下
する方法を用いれば、シードモノマーの量を変化させる
ことで容易にアクリル系共重合体ラテックス中の粒子径
を制御できる。
【0018】上記アクリル系共重合体ラテックス中の樹
脂固形分は、特に限定されるものではないが、ラテック
スの生産性、重合反応の安定性を鑑みて、10〜60重
量%が好ましい。
【0019】上記アクリル系共重合体ラテックスの平均
粒子径は、大きくなると塩化ビニル系樹脂の透明性が低
下するので、0.3μm以下が適当であり、0.3μm以
下であれば特に限定されないが、工業的に一般に製造可
能なラテックスの平均粒子径を鑑みて0.001μm以
上が適当である。更に好ましくは0.01〜0.3μmで
ある。
【0020】上記アクリル系共重合体ラテックスには、
ラテックスの機械的安定性の向上させる目的で、ラテッ
クス重合反応終了後に保護コロイド剤が必要に応じて添
加されても良い。
【0021】上記アクリル系共重合体が分散している塩
化ビニル系樹脂を得る方法としては、アクリル系共重合
体の存在下で塩化ビニル単独または塩化ビニルを主成分
とするビニルモノマーをグラフト共重合させるのが好ま
しく、グラフト共重合方法としては、特に限定されるも
のではなく、例えば、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重
合法、塊状重合法等が挙げられるが、本発明を有利に実
施するためには、懸濁重合法が好ましい。
【0022】上記懸濁重合法は分散剤及び油溶性重合開
始剤を用いる。また、塩化ビニルをグラフト共重合させ
る際に、重合中に重合槽内に付着するスケールを減少さ
せる目的で、上記アクリル系共重合体ラテックスに、凝
集剤を添加しても良い。
【0023】上記懸濁重合に用いる分散剤は、上記アク
リル系共重合体ラテックスの分散安定性を向上させ、塩
化ビニルのグラフト重合を効率的に行う目的で添加さ
れ、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸塩、(メタ)アク
リル酸塩−アルキルアクリレート共重合体、メチルセル
ロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル
セルロース、ポリエチレングリコール、ポリ酢酸ビニル
及びその部分ケン化物、ゼラチン、ポリビニルピロリド
ン、デンプン、無水マレイン酸−スチレン共重合体等が
挙げられ、これらは単独または2種類以上組み合わせて
用いることができる。
【0024】上記油溶性重合開始剤としては、特に限定
されないが、ラジカル重合開始剤がグラフト共重合に有
利であるという理由から好適に用いられ、例えば、ラウ
ロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレー
ト、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジオク
チルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシ
ネオデカノエート、α−クミルパーオキシネオデカノエ
ート等の有機パーオキサイド類、2、2’−アゾビスイ
ソブチロニトリル、2、2’−アゾビス−2、4−ジメ
チルバレロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられる。ま
た、上記懸濁重合法では、必要に応じてpH調整剤、酸
化防止剤等が添加されてもよい。
【0025】本発明樹脂の具体的な製造方法としては、
例えば、撹拌機及びジャケットを備えた反応容器に、純
水、上記アクリル系共重合体ラテックス、分散剤、油溶
性重合開始剤及び水溶性増粘剤、必要に応じて重合度調
節剤を投入し、その後、真空ポンプで重合器内の空気を
排出し、更に撹拌条件下で塩化ビニル及び必要に応じて
他のビニルモノマーを投入した後、反応容器内をジャケ
ットにより加熱し、塩化ビニルのグラフト共重合を行う
方法が挙げられる。上記塩化ビニルのグラフト共重合は
発熱反応のため、ジャケット温度を変えることにより反
応容器内の温度つまり重合温度を制御することが可能で
ある。反応終了後は、未反応の塩化ビニルを除去しスラ
リー状にし、更に脱水乾燥することによりポリ塩化ビニ
ル系樹脂(A)が製造される。
【0026】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、上記
ポリ塩化ビニル系樹脂100重量に対して、オクチル錫
マレート化合物を0.5〜1.5重量部、及びオクチル錫
ラウレート化合物を0.1〜0.5重量部添加することに
より得られる。オクチル錫マレート化合物の添加部数が
0.5重量部未満では十分な耐候性が得られず、1.5重
量部を越える値耐熱変形性が著しく低下するので上記範
囲に限定される。また、オクチル錫ラウレート化合物の
添加部数が0.1重量部未満では十分な耐候性が得られ
ず、0.5重量部を越えると加工性が著しく低下するの
で上記範囲に限定される。
【0027】上記塩化ビニル系樹脂組成物からなる成形
体は、チョーキングや耐熱劣化等による色相変化の著し
い改善が認められた。色相変化の著しい改善は該樹脂組
成物からなる成形体が、メタルウェザー促進試験におい
て250時間でΔEが10以下であることによって示さ
れる。
【0028】本発明のポリ塩化ビニル系樹脂組成物に
は、必要に応じて顔料、滑剤、加工助剤、酸化防止剤、
光安定剤、充填剤等が添加され用いられる。
【0029】上記顔料としては、例えば、アゾ系、フタ
ロシアニン系、スレン系、染料レーキ系等の有機顔料、
酸化物系、クロム酸モリブデン系、硫化物・セレン化物
系、フェロシアン化物系等の無機顔料等が挙げられ、こ
れらの内濃色系の顔料が好ましい。顔料の添加量として
は塩化ビニル系樹脂100重量部に対して0.2〜10
重量部が好ましい。更に、濃色系顔料中にはベンガラが
含有されていることが好ましく、ベンガラの含有量とし
ては、耐熱性、耐候性を考慮すると顔料中の15〜70
重量%であることが好ましい。
【0030】上記滑剤としては、例えば、モンタン酸ワ
ックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、
ステアリン酸、ステアリルアルコール、ステアリン酸ブ
チル等が挙げられる。
【0031】上記加工助剤としては、例えば、重量平均
分子量10万〜200万のアルキルアクリレート/アル
キルメタクリレート共重合体であるアクリル系加工助剤
が挙げられ、具体例としては、n−ブチルアクリレート
/メチルメタクリレート共重合体、2−エチルヘキシル
アクリレート/メチルメタクリレート/ブチルメタクリ
レート共重合体等が挙げられる。
【0032】上記酸化防止剤としては、例えば、フェノ
ール系抗酸化剤等が挙げられる。上記光安定剤として
は、例えば、サリチル酸エステル系、ベンゾフェノン
系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系等の
紫外線吸収剤、あるいはヒンダードアミン系の光安定剤
等が挙げられる。上記充填剤としては、例えば、炭酸カ
ルシウム、タルク等が挙げられる。
【0033】また、上記塩化ビニル系樹脂には、成形時
の加工性を向上させる目的で可塑剤が添加されてもよ
く、例えば、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキ
シルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート等
が挙げられる。
【0034】上記添加剤を上記塩化ビニル系樹脂に混合
する方法としては、ホットブレンドによる方法でも、コ
ールドブレンドによる方法でもよく、また、成形方法と
しては、例えば、押出成形法、射出成形法、カレンダー
成形法、プレス成形法等が挙げられる。
【0035】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。な
お、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0036】実施例1〜4、比較例1〜4 (アクリル系共重合体粒子の作製)純水200重量部、
乳化分散剤(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ルアンモニウムサルフェート)0.7重量部、n−ブチル
アクリレート70重量部、メチルメタクリレート30重
量部、トリメチロールプロパントリアクリレート1.0
重量部を混合、攪拌し、乳化モノマー液を調製した。一
方、10Lの重合槽に乳化モノマー液50重量部をシー
ドモノマーとして投入し、槽内の酸素を窒素により置換
した後、撹拌条件下で重合槽を70℃に昇温した。昇温
が完了した重合槽に、過硫酸アンモニウム(以下APS
と称する)0.1重量部を投入し、重合を開始した。その
後乳化モノマー液の残りを滴下した。全ての乳化モノマ
ーの滴下を3時間で終了し、その後1時間の熟成時間を
置いた後、重合を終了して固形分濃度約30重量%のア
クリル系共重合体ラテックス得た。
【0037】(ポリ塩化ビニル系樹脂の作製)撹拌機お
よびジャケットを備えた15Lの重合器に純水170重
量部、上記アクリル系共重合体ラテックス25重量部、
部分ケン化ポリ酢酸ビニルの3%水溶液5重量部、t−
ブチルパーオキシネオデカノエート0.03重量部、α
−クミルパーオキシネオデカノエート0.04重量部を
一括投入し、その後、真空ポンプで重合器内の空気を排
出し、さらに撹拌条件下で塩化ビニルを投入した後、ジ
ャケット温度の制御により重合温度64℃にて重合を開
始した。重合器内の圧力が0.8MPaまで低下するこ
とで重合反応終了とし、停止した。その後、未反応の塩
化ビニルモノマーを除去し、さらに脱水乾燥することに
より塩化ビニル系樹脂中の塩化ビニルの重合度が約80
0のポリ塩化ビニル系樹脂(A)を得た。
【0038】(ポリ塩化ビニル系樹脂組成物の作製)表
1に示す組成に従って材料を、20Lスーパーミキサー
(カワタ株式会社製)に投入し、高速回転で混合した。
ミキサー温度が80℃に達した後に、ミキサー温度が5
0℃以下になるまで冷却して、ポリ塩化ビニル系樹脂組
成物を得た。
【0039】(成形体の作成)上記で得られたポリ塩化
ビニル系樹脂組成物を、300℃で3分間ロール混練し
た後、200℃、19.6MPaの圧力で3分間プレス
成形して、ポリ塩化ビニル系樹脂組成物成形体を作製し
た。
【0040】(成形体の耐候性評価)上記で得られた成形
体からを、2.5cm四方の試験片を作成し、ダイプラ
・ウィンテス社製のダイプラ・メタルウェザー耐候試験
機により表2に示した条件で評価を実施した。試験前の
サンプルのΔEと試験後のサンプルのΔEとの差を色差
として表1に示した。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【発明の効果】本発明のポリ塩化ビニル系樹脂組成物の
構成は、上述の通りであり、耐候性、特にチョーキング
性に優れた成形体を提供することができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 BD041 BD051 BD061 BD081 BD091 BN121 DE117 EZ046 FD097 4J026 AA17 AA18 AA19 AA37 AA38 AA39 AA40 AA45 AA46 AA48 AA49 AA61 AA68 AA76 AC34 BA10 DA03 DA04 DB12 DB14 DB15 DB22 DB23 DB25 DB28 GA09

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリ塩化ビニル系樹脂100重量に対し
    て、オクチル錫マレート化合物が0.5〜1.5重量部、
    及びオクチル錫ラウレート化合物が0.1〜0.5重量部
    添加されてなることを特徴とするポリ塩化ビニル系樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】 ポリ塩化ビニル系樹脂が、ポリ塩化ビニ
    ルまたはポリ塩化ビニルを主成分とするマトリクス樹脂
    にアクリル系共重合体粒子がグラフトかつ分散されてな
    る構造を有するポリ塩化ビニル系グラフト共重合体樹脂
    であることを特徴する請求項1に記載のポリ塩化ビニル
    系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 アクリル系共重合体粒子が、単独共重合
    体のガラス転移温度が−140℃〜30℃である少なく
    とも1種類以上(メタ)アクリレートと少なくとも1種類
    以上のラジカル重合性モノマー、および多官能性モノマ
    ーにより構成されていることを特徴とする請求項2に記
    載のポリ塩化ビニル系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対
    して、濃色系の顔料が0.2〜1.0重量部添加されてな
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポ
    リ塩化ビニル系樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 濃色系顔料が、ベンガラを含有している
    ことを特徴とする請求項4に記載のポリ塩化ビニル系樹
    脂組成物。
  6. 【請求項6】 ポリ塩化ビニル系樹脂組成物によってな
    る成形体が、メタルウェザー促進試験において250時
    間でΔEが10以下であることを特徴とする請求項1〜
    5のいずれかに記載のポリ塩化ビニル系樹脂組成物。
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