JPH07316241A - 塩化ビニル系樹脂の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂の製造方法

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JPH07316241A
JPH07316241A JP11486394A JP11486394A JPH07316241A JP H07316241 A JPH07316241 A JP H07316241A JP 11486394 A JP11486394 A JP 11486394A JP 11486394 A JP11486394 A JP 11486394A JP H07316241 A JPH07316241 A JP H07316241A
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JP
Japan
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acrylate
meth
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vinyl chloride
alkyl
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JP11486394A
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English (en)
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Shigeru Tanaka
茂 田中
Masanobu Omoto
正信 大元
Takahiro Oomura
貴宏 大村
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】衝撃強度、引張強度及び流動性が共に優れた塩
化ビニル系樹脂の製造方法を提供する。 【構成】単独重合体の二次転移点が−20℃以下である
アルキル(メタ)アクリレートと二次転移点が−20℃
より高い共重合性モノマーとの混合物及び多官能性モノ
マーからなるアルキル(メタ)アクリレート共重合体を
重合し、該アルキル(メタ)アクリレート共重合体1〜
30重量%に対して塩化ビニル99〜70重量%の割合
でグラフト重合する際に、重合初期の温度を40〜55
℃にて重合率10〜30%まで重合した後、重合温度を
重合初期より1〜20℃高く設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、衝撃強度、引張強度な
らびに流動性に優れた塩化ビニル系樹脂の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、塩化ビニル系樹脂は、機械的強
度、耐候性、耐薬品性等に優れた特性を有する材料とし
て、幅広い用途に用いられている。しかし、耐衝撃性が
劣るため種々の改良方法が提案されている。耐衝撃性の
改良された塩化ビニル系樹脂として、架橋されたアクリ
ル系共重合体に塩化ビニルをグラフト共重合したアクリ
ル塩化ビグラフト樹脂が開示されている(特開昭60−
255813号公報)。しかし、このアクリル塩化ビグ
ラフト樹脂は、耐衝撃性を大幅に向上するが引張強度が
低下するという欠点があった。この欠点を補う方法とし
て、アクリル塩化ビグラフト樹脂の塩化ビニルの重合度
を高める方法が考えられている。しかしながら、塩化ビ
ニルの重合度の高めることにより、流動性が低下し成形
が困難になるという欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記欠点に
鑑みてなされたものであり、その目的は、衝撃強度、引
張強度及び流動性が共に優れた塩化ビニル系樹脂の製造
方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明で使用されるアル
キル(メタ)アクリレート重合体は、アルキル(メタ)
アクリレートと共重合性モノマーとの混合物ならびに多
官能性モノマーを構成成分とする。
【0005】上記アルキル(メタ)アクリレートとして
は、その単独重合体の二次転移点が−20℃以下であれ
ば特に制限はなく、このようなアルキル(メタ)アクリ
レートとしては、例えば、エチルアクリレート、n−プ
ロピルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−ブ
チルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エ
チルヘキシルアクリレート、n−オクチルメタクリレー
ト、n−デシルメタクリレート、n−ドデシルメタクリ
レート、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸等が挙
げられ、これらの一種又は二種以上が用いられる。
【0006】上記共重合性モノマーとしては、上記アル
キル(メタ)アクリレートと共重合可能であって二次転
移点が−20℃より高いモノマーであり、例えば、メチ
ルアクリレート、イソプロピルアクリレート、t−ブチ
ルアクリレート、n−テトラデシルアクリレート、n−
ヘキサデシルアクリレート、ラウリルアクリレート、シ
クロヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、エ
チルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、n
−テトラデシルメタクリレート、n−ブチルメタクリレ
ート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒド
ロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルア
クリレート、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸等
のアルキル(メタ)アクリレート類;スチレン、α−メ
チルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル類;ア
クリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリ
ル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエス
テル類などが挙げられ、これら単独で用いられても、二
種以上が併用されてもよい。
【0007】上記アルキル(メタ)アクリレートと共重
合性モノマーとの混合物中、共重合性モノマーの量が多
くなると、塩化ビニル系樹脂の衝撃強度が低下するの
で、20重量%以下に限定される。
【0008】上記多官能性モノマーは、アルキル(メ
タ)アクリレート重合体を架橋するために用いられるも
のであり、このような多官能性モノマーとしては、例え
ば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグ
リコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサング
リコールジ(メタ)アクリレート等の2官能性モノマ
ー;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アア
クリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリ
レート等の3官能性モノマー;ペンタエリスリトールテ
トラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘ
キサ(メタ)アクリレート等の多官能性モノマー;ジア
リルフタレート、ジアリルマレート、ジアリルフマレー
ト、ジアリルサクシネート、トリアリルイソシアヌレー
ト等のジ又はトリアリル化合物;ジビニルベンゼン、ブ
タジエン等のジビニル化合物などが挙げられる。
【0009】上記アルキル(メタ)アクリレート重合体
中、多官能性モノマーの添加量は、少なくなると架橋密
度が低くなるため衝撃強度が低下し、多くなると架橋密
度が高くなるため衝撃強度や引張強度が低下するので、
上記アルキル(メタ)アクリレートと共重合性モノマー
との混合物100重量部に対して、0.5〜30重量部
に限定され、好ましくは0.5〜20重量部である。
【0010】本発明において、架橋されたアルキル(メ
タ)アクリレート重合体を得る方法としては、特に限定
されず、例えば、乳化重合法、懸濁重合法等がげられる
が、耐衝撃強度の点から乳化重合法が好ましい。
【0011】上記アルキル(メタ)アクリレート重合体
の重合時に用いられる添加剤としては、例えば、分散乳
化剤、重合開始剤、pH調整剤、酸化防止剤等が挙げら
れる。
【0012】上記分散乳化剤としては、例えば、アニオ
ン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、部分ケン化ポ
リ酢酸ビニル、セルロース系分散剤、ゼラチン等が挙げ
られ、上記重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウ
ム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素水等の水溶性重合
開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオ
キサイド等の有機系過酸化物;アゾビスイソブチロニト
リル等のアゾ系重合開始剤などが挙げられる。
【0013】上記アルキル(メタ)アクリレート重合体
を乳化重合法によって得る場合は、その重合方法は、特
に限定されず、例えば、(1)ジャケット付重合反応器
内に純水、界面活性剤及び水溶性重合開始剤を入れ、窒
素気流加圧下でアルキル(メタ)アクリレート、共重合
性モノマー及び多官能性モノマーを加えて乳化後、反応
器内をジャケットで昇温し反応を開始させる一括重合
法、(2)ジャケット付重合反応器内に純水、界面活性
剤及び水溶性重合開始剤を入れ、窒素気流加圧下でアル
キル(メタ)アクリレート、共重合性モノマー及び多官
能性モノマーを滴下して反応を開始させるモノマー滴下
法、(3)ジャケット付重合反応器内に純水及び水溶性
重合開始剤を入れ、次いで、アルキル(メタ)アクリレ
ート、共重合性モノマー、多官能性モノマー及び界面活
性剤を高速攪拌で乳化した乳化液を滴下するエマルジョ
ン滴下法などが挙げられる。
【0014】上記アルキル(メタ)アクリレート重合体
に塩化ビニルを共重合させたグラフト共重合体におい
て、アルキル(メタ)アクリレート重合体の含有量が、
少なくなると耐衝撃強度を向上させる効果がなく、多く
なると耐衝撃強度は向上するが引張強度、曲げ強度、機
械的強度等が低下するので、1〜30重量%に限定さ
れ、好ましくは4〜20重量%である。
【0015】上記アルキル(メタ)アクリレート共重合
体に塩化ビニルをグラフト重合させる重合方法として
は、特に限定されず、例えば、乳化重合法、懸濁重合
法、溶液重合法等が挙げられるが、製造上から懸濁重合
法が好ましい。
【0016】上記アルキル(メタ)アクリレート共重合
体に塩化ビニルをグラフト重合させた共重合体(以下グ
ラフト共重合体という)を懸濁重合法によって得る場合
は、ジャケット付重合反応器内に純水、油溶性重合開始
剤、上記アルキル(メタ)アクリレート重合体ラテック
ス及び懸濁安定剤(分散剤)、必要に応じて重合度調節
剤を入れ、反応器内を密封して系内の空気を排除した
後、反応器内を攪拌しながら塩化ビニルモノマー、さら
に必要に応じて、その他のビニル化合物を加え、反応器
内をジャケットにより昇温してグラフト共重合を開始さ
せる。
【0017】上記グラフト共重合反応は発熱反応であ
り、必要に応じて、ジャケットにより反応器内の温度を
調節する。反応終了後、未反応の塩化ビニル及びその他
のモノマーを系外に除去し、スラリー状のグラフト共重
合体を得る。このスラリー状のグラフト共重合体を、常
法に従って脱水、乾燥することにより本発明の塩化ビニ
ル系樹脂が得られる。
【0018】上記グラフト共重合反応は、ラジカル重合
法で行うのが好ましく、使用されるラジカル重合開始剤
としては、例えば、ラウロイルパーオキサイド、t−ブ
チルパーオキシピバレート、ジイソプロピルパーオキシ
ジカーボネート、ジオクチルパーオキシジカーボネート
等の有機パーオキサイド類;2,2−アゾビスイソブチ
ロニトリル、2,2−アゾビス−2,4−ジメチルバレ
ロニトリル等のアゾ化合物などの油溶性重合開始剤が挙
げられる。
【0019】上記懸濁安定剤(分散剤)としては、メチ
ルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピル
メチルセルロース、ポリビニルアルコール及びその部分
ケン化物、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、デンプ
ン、無水マレイン酸−スチレン共重合体等が挙げられ、
これらの一種又は二種以上が用いられる。
【0020】上記グラフト共重合において、重合初期の
重合温度は、低くなると重合が困難となり、高くなると
重合初期に得られる塩化ビニル重合体の重合度が小さく
なって得られるグラフト共重体の衝撃強度や引張強度が
低下するので、40〜55℃に限定され、好ましくは4
5〜55℃である。
【0021】上記グラフト共重合において、重合後期の
温度は、低くなると得られるグラフト共重体の流動性が
低下して成形が困難となり、高くなると重合後期に得ら
れる塩化ビニル重合体の重合度が小さくなって得られる
グラフト共重体の衝撃強度や引張強度が低下するので、
重合初期の重合温度より1〜20℃高く設定される。
【0022】上記グラフト共重合において、生成する塩
化ビニル重合体の重合率は、重合初期の比率が高くなる
と得られるグラフト共重合体の流動性が低下して成形が
困難となり、重合後期の比率が高くなると得られるグラ
フト共重合体の衝撃強度や引張強度が低下するので、1
0〜30%に限定される。
【0023】上記グラフト共重体には、必要に応じて、
熱安定剤、安定化助剤、滑剤、加工助剤、酸化防止剤、
紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、顔料等の添加剤が添
加されてもよい。
【0024】上記熱安定剤としては、例えば、ジブチル
錫メルカプト、ジオクチル錫メルカプト、ジメチル錫メ
ルカプト、ジブチル錫マレート、ジブチル錫マレートポ
リマー、ジオクチル錫マレート、ジオクチル錫マレート
ポリマー、ジブチル錫ラウレート等の有機錫系安定剤;
三塩基性硫酸鉛、二塩基性亜燐酸鉛、ステアリン酸鉛等
の鉛系安定剤;カルシウム−亜鉛系安定剤;バリウム−
亜鉛系安定剤;バリウム−カルシウム系安定剤等が挙げ
られる。
【0025】上記安定化助剤としては、例えば、エポキ
シ化大豆油、リン酸エステル等が挙げられ、上記滑剤と
しては、例えば、パラフィンワックス、ポリエチレンワ
ックス、ステアリン酸、ステアリルアルコール、ステア
リン酸ブチル等が挙げられる。
【0026】上記加工助剤としては、例えば、重量平均
分子量100万未満のアクリル系加工助剤が挙げられ、
上記充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、タルク
等が挙げられる。
【0027】上記グラフト共重合体には、さらに、加工
性を向上させるために、少量の、ジ−2−エチルヘキシ
ルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘ
キシルアジペート等の可塑剤が添加されてもよい。
【0028】上記グラフト共重合体に添加剤を混合する
方法としては、ホットブレンド又はコールドブレンドに
よるいずれの方法でもよく、成形法としては、押出成形
法、射出成形法、カレンダー成形法、プレス成形法等が
採用される。
【0029】
【作用】本発明の塩化ビニル樹脂の製造方法は、重合温
度を2段階に分けて制御することにより、重合初期に得
られる高重合度の塩化ビニル重合体がアルキル(メタ)
アクリレート共重合体にグラフト重合するため、界面の
接着力がより強固なものとなり、アルキル(メタ)アク
リレート共重合体の含有量を減らしても十分な衝撃強度
を得ることができる。このようにアルキル(メタ)アク
リレート共重合体の含有量を減らすことにより、衝撃強
度を高水準に維持したままで引張強度を向上させること
ができる。また、重合後期に得られる低重合度の塩化ビ
ニル重合体が流動性を向上させるものと考えられる。
【0030】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 (実施例1)攪拌機及び還流冷却器付き反応容器に、蒸
留水240重量部、高級アルコール硫酸エステル塩1重
量部、n−ブチルアクリレート100重量部及びトリメ
チロールプロパン1重量部を仕込み、反応容器内を窒素
にて置換した後、65℃に昇温して5時間攪拌しながら
反応させ、アルキル(メタ)アクリレート共重合体ラテ
ックスを得た。この共重合体ラッテクスの固形分は31
重量%であった。
【0031】この共重合体ラッテクス680重量部を、
純水9000重量部、部分ケン化ポリビニルアルコール
3重量%水溶液520重量部、t−ブチルパーオキシネ
オデカノエート及びα−クミルパーオキシネオデカノエ
ート1重量部と共に、22m 3 の攪拌翼付き重合器に一
括して仕込んだ。次いで、真空ポンプで重合器内の空気
を排除し、塩化ビニルモノマー3100重量部を加えて
20〜30分間攪拌溶解させた後、50℃で重合を開始
した。重合率が10%に相当する1時間後に重合温度を
57℃に昇温し、後期の重合を継続した。重合開始5時
間後に重合器内圧が7kg/cm2 に低下した段階で重
合を停止した。未反応の塩化ビニルモノマーを除去した
後、常法により得られたスラリーを脱水乾燥し、白色粉
末状のグラフト共重合体(塩化ビニル系樹脂)2234
重量部を得た。
【0032】(実施例2〜7、比較例2、3、6、7)
攪拌機及び還流冷却器付き反応容器に、蒸留水240重
量部、表1及び2に示した所定量のn−ブチルアクリレ
ート、メチルメタクリレートならびにトリメチロールプ
ロパンを仕込んだこと以外は、実施例1と同様にしてア
ルキル(メタ)アクリレート共重合体ラテックスを得
た。このアルキル(メタ)アクリレート共重合体ラテッ
クスを使用し、表1及び2に示した所定のアルキル(メ
タ)アクリレート共重合体ラテックス量、重合温度、重
合率としたこと以外は、実施例1と同様にして重合を行
い、グラフト共重合体(塩化ビニル系樹脂)を得た。
【0033】尚、重合率は、時間毎の重合率を測定して
反応時間と重合率とのグラフを作成し、そのグラフに基
づき初期重合時の重合率を制御した。
【0034】(比較例1)アルキル(メタ)アクリレー
ト共重合体ラテックスを全く使用せず、純水9000重
量部、部分ケン化ポリビニルアルコール3重量%水溶液
520重量部、t−ブチルパーオキシネオデカノエート
及びα−クミルパーオキシネオデカノエート1重量部
を、22リットルの攪拌翼付き重合器に一括して仕込ん
だ。次いで、真空ポンプで重合器内の空気を排除し、塩
化ビニルモノマー3100重量部を加えて20〜30分
間攪拌溶解させた後、50℃で重合を開始した。重合率
が10%に相当する1時間後に重合温度を57℃に昇温
し、後期の重合を継続した。重合開始5時間後に重合器
内圧が7kg/cm2 に低下した段階で重合を停止し
た。未反応の塩化ビニルモノマーを除去した後、常法に
より得られたスラリーを脱水乾燥し、白色粉末状の塩化
ビニル樹脂を得た。
【0035】(比較例5)実施例1と同様にして得られ
た共重合体ラッテクス680重量部を、純水9000重
量部、部分ケン化ポリビニルアルコール3重量%水溶液
520重量部、t−ブチルパーオキシネオデカノエート
及びα−クミルパーオキシネオデカノエート1重量部と
共に、22リットルの攪拌翼付き重合器に一括して仕込
んだ。次いで、真空ポンプで重合器内の空気を排除し、
塩化ビニルモノマー3100重量部を加えて20〜30
分間攪拌溶解させた後57℃に昇温し、重合開始5時間
後に重合器内圧が7kg/cm2 に低下した段階で重合
を停止した。未反応の塩化ビニルモノマーを除去した
後、常法により得られたスラリーを脱水乾燥し、白色粉
末状のグラフト共重合体(塩化ビニル系樹脂)を得た。
【0036】上記実施例及び比較例で得られた塩化ビニ
ル系樹脂(グラフト共重合体)につき、下記の評価を行
いその結果を表1及び2に示した。 (1)アイゾット衝撃試験 グラフト共重合体100重量部、有機錫系安定剤(三共
有機錫社製「ONZ−142F」)3重量部及びワック
ス(ヘキストジャパン社製「WAX−OP」)0.5重
量部を混合し、この混合物を190℃のロール混練機で
3分間混練した後、195℃、75kg/cm2 の圧力
で6分間プレス成形して、厚さ3mmのプレートを得
た。このプレートを試料として、JIS K7110に
準拠してアイゾット衝撃試験を行った。
【0037】(2)引張応力試験 (1)と同様にして得られた厚さ3mmのプレートを試
料として、JIS K7113に準拠して引張応力試験
を行った。
【0038】(3)流動性試験 グラフト共重合体につき、キャピラリーレオメターを用
いて、樹脂温度180℃、剪断速度500sec-1にお
ける溶融樹脂粘度を測定した。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【発明の効果】本発明の塩化ビニル系樹脂の製造方法
は、上述の通りであり、本製造方法によって衝撃強度、
引張強度、流動性ともに優れた塩化ビニル系樹脂を提供
することができる。本発明で得られた塩化ビニル系樹脂
に、滑剤、安定剤、顔料等を配合することにより通常の
成形加工が可能であり、得られた成形体は衝撃強度、引
張強度等の特性を活かして、耐久性、耐候性、耐衝撃性
の要求される建築部材等に好適に使用することができ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単独重合体の二次転移点が−20℃以下で
    あるアルキル(メタ)アクリレート80〜100重量%
    と二次転移点が−20℃より高い共重合性モノマー20
    〜0重量%との混合物100重量部及び多官能性モノマ
    ー0.5〜30重量部からなるアルキル(メタ)アクリ
    レート共重合体を重合し、さらに該アルキル(メタ)ア
    クリレート共重合体1〜30重量%に対して塩化ビニル
    99〜70重量%の割合でグラフト共重合する塩化ビニ
    ル系樹脂の製造方法であって、重合初期の温度を40〜
    55℃にて重合率10〜30%まで重合した後、重合初
    期より1〜20℃高い重合温度とすることを特徴とする
    塩化ビニル系樹脂の製造方法。
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