JPH08337622A - 合成樹脂成形品 - Google Patents

合成樹脂成形品

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Publication number
JPH08337622A
JPH08337622A JP14364195A JP14364195A JPH08337622A JP H08337622 A JPH08337622 A JP H08337622A JP 14364195 A JP14364195 A JP 14364195A JP 14364195 A JP14364195 A JP 14364195A JP H08337622 A JPH08337622 A JP H08337622A
Authority
JP
Japan
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weight
vinyl chloride
acrylate
polymerization
meth
Prior art date
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Pending
Application number
JP14364195A
Other languages
English (en)
Inventor
Manabu Okubo
学 大久保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP14364195A priority Critical patent/JPH08337622A/ja
Publication of JPH08337622A publication Critical patent/JPH08337622A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成形性に優れると共に、優れた耐衝撃性、機
械的強度、耐候性等の諸特性を兼備する合成樹脂成形品
を提供することを目的とする。 【構成】 単独重合体の二次転移点が−20℃以下であ
るアルキル(メタ)アクリレート80〜100重量%と
二次転移点が−20℃より高い共重合性モノマー20〜
0重量%との混合物100重量部及びトリメチロールプ
ロパン系又はペンタエリスリトール系の多官能性モノマ
ー0.1〜0.4重量部から成り、架橋率が30〜95
重量%であるアクリル系共重合体1〜30重量%に対
し、塩化ビニルが99〜70重量%の割合でグラフト共
重合されている塩化ビニルグラフト樹脂を用いて製せら
れていることを特徴とする合成樹脂成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、合成樹脂成形品に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、塩化ビニル樹脂は、優れた機械的
強度、耐候性、耐薬品性等の諸特性を有する材料とし
て、幅広い用途に用いられているが、惜しむらくは耐衝
撃性が劣るという欠点がある。
【0003】上記欠点を解消するため、耐衝撃性を改良
するための種々の試みが検討されており、例えば、単独
重合体の二次転移点が−10℃以下であるアルキルアク
リレート及び/又はアルキルメタクリレート70〜99
重量%と多官能性モノマー30〜1重量%から成るアル
リル系共重合体1〜30重量部に、塩化ビニル99〜7
0重量部をグラフト共重合することを特徴とする塩化ビ
ニル樹脂の製造方法(特開昭60−255813号公
報)が提案されている。
【0004】しかし、上記提案の製造方法による塩化ビ
ニル樹脂は、耐衝撃性は向上するものの逆に機械的強度
が低下するという問題点があり、優れた耐衝撃性、機械
的強度、耐候性等の諸特性を兼備する塩化ビニル樹脂、
及び、それを用いた成形品は得られていないのが実状で
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点を解決するため、成形性に優れると共に、優れた
耐衝撃性、機械的強度、耐候性等の諸特性を兼備する合
成樹脂成形品を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による合成樹脂成
形品は、単独重合体の二次転移点が−20℃以下である
アルキル(メタ)アクリレート80〜100重量%と二
次転移点が−20℃より高い共重合性モノマー20〜0
重量%との混合物100重量部及びトリメチロールプロ
パン系又はペンタエリスリトール系の多官能性モノマー
0.1〜0.4重量部から成り、架橋率が30〜95重
量%であるアクリル系共重合体1〜30重量%に対し、
塩化ビニルが99〜70重量%の割合でグラフト共重合
されている塩化ビニルグラフト樹脂を用いて製せられて
いることを特徴とし、そのことにより上記目的が達成さ
れる。
【0007】本発明による合成樹脂成形品に用いられる
塩化ビニルグラフト樹脂は、上述のアクリル系共重合体
1〜30重量%に対し、塩化ビニルが99〜70重量%
の割合でグラフト共重合されて成る。
【0008】上記アクリル系共重合体は、単独重合体の
二次転移点が−20℃以下であるアルキル(メタ)アク
リレート80〜100重量%と二次転移点が−20℃よ
り高い共重合性モノマー20〜0重量%との混合物10
0重量部及びトリメチロールプロパン系又はペンタエリ
スリトール系の多官能性モノマー0.1〜0.4重量部
から成り、且つ、架橋率が30〜95重量%であること
が必要である。尚、ここで言うアルキル(メタ)アクリ
レートとは、アルキルアクリレート又はアルキルメタク
リレートを意味する。
【0009】上記単独重合体の二次転移点が−20℃以
下であるアルキル(メタ)アクリレートとしては、特に
限定されるものではないが、例えば、エチルアクリレー
ト、n−プロピルアクリレート、イソブチルアクリレー
ト、n−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルメ
タクリレート、n−デシルメタクリレート、n−ドデシ
ルメタクリレート、2−アクリロイルオキシエチル琥珀
酸等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適
に用いられる。
【0010】又、上記二次転移点が−20℃より高い共
重合性モノマーとしては、特に限定されるものではない
が、例えば、メチルアクリレート、イソプロピルアクリ
レート、t−ブチルアクリレート、n−テトラデシルア
クリレート、n−ヘキサデシルアクリレート、ラウリル
アクリレート、シクロヘキシルアクリレート、メチルメ
タクリレート、エチルメタクリレート、n−ヘキシルメ
タクリレート、n−テトラデシルメタクリレート、n−
ブチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレ
ート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒド
ロキシプロピルアクリレート、2−アクリロイルオキシ
エチルフタル酸等のアルキル(メタ)アクリレート類;
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳
香族ビニル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル
等の不飽和ニトリル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル等のビニルエステル類等が挙げられ、これらの1種も
しくは2種以上が好適に用いられる。
【0011】上記アルキル(メタ)アクリレートと共重
合性モノマーとの混合物は、アルキル(メタ)アクリレ
ート80〜100重量%と共重合性モノマー20〜0重
量%との混合物であることが必要である。上記混合物中
における共重合性モノマーの含有量が20重量%を超え
ると、得られる塩化ビニルグラフト樹脂の衝撃強度が不
十分となる。
【0012】さらに、上記トリメチロールプロパン系又
はペンタエリスリトール系の多官能性モノマーは、上述
のアルキル(メタ)アクリレートと共重合性モノマーと
の混合物と共重合可能であり、アクリル系共重合体中も
しくは塩化ビニルグラフト樹脂中で架橋等に関与するモ
ノマーであり、トリメチロールプロパン系又はペンタエ
リスリトール系の3官能性以上のアクリル(メタ)アク
リレートが好適に用いられる。
【0013】上記トリメチロールプロパン系のアクリル
(メタ)アクリレートとしては、特に限定されるもので
はないが、例えば、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロ
ールプロパントリ(メタ)アクリレート等が挙げられ、
これらの1種もしくは2種以上が好適に用いられる。
【0014】又、上記ペンタエリスリトール系のアクリ
ル(メタ)アクリレートとしては、特に限定されるもの
ではないが、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メ
タ)アクリレート等が挙げられ、これらの1種もしくは
2種以上が好適に用いられる。
【0015】アクリル系共重合体中における上記多官能
性モノマーの含有量は、前記アルキル(メタ)アクリレ
ートと共重合性モノマーとの混合物100重量部に対
し、多官能性モノマー0.1〜0.4重量部であること
が必要である。
【0016】アルキル(メタ)アクリレートと共重合性
モノマーとの混合物100重量部に対する多官能性モノ
マーの含有量が0.1重量部未満であると、得られる塩
化ビニルグラフト樹脂の架橋率が低くなって耐衝撃性が
低下し、逆に混合物100重量部に対する多官能性モノ
マーの含有量が0.4重量部を超えると、得られる塩化
ビニルグラフト樹脂の架橋率が高くなって耐衝撃性が低
下する。
【0017】前記アルキル(メタ)アクリレートと共重
合性モノマーとの混合物100重量部及び上記多官能性
モノマー0.1〜0.4重量部から成るアクリル系共重
合体は、架橋率が30〜95重量%、好ましくは40〜
70重量%、であることが必要である。
【0018】上記アクリル系共重合体の架橋率が30重
量%未満であるか、95重量%を超えると、得られる塩
化ビニルグラフト樹脂の耐衝撃性が低下する。
【0019】本発明に於いて、架橋されたアクリル系共
重合体を得る方法としては、特に限定されるものではな
いが、例えば、乳化重合法、懸濁重合法等の従来公知の
重合法が挙げられ好適に採用されるが、なかでも耐衝撃
性の観点から乳化重合法がより好適に採用される。
【0020】上記アクリル系共重合体の重合時には、本
発明の目的を阻害しない範囲で必要に応じて、乳化分散
剤、重合開始剤、pH調整剤、酸化防止剤、消泡剤等の
各種添加剤の1種もしくは2種以上が用いられても良
い。
【0021】上記乳化分散剤としては、特に限定される
ものではないが、例えば、アニオン系界面活性剤、ノニ
オン系界面活性剤、両性系界面活性剤、部分鹸化ポリビ
ニルアルコール、セルロース系分散剤、ゼラチン等が挙
げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いら
れる。
【0022】又、上記重合開始剤としては、特に限定さ
れるものではないが、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸
アンモニウム、過酸化水素水等の水溶性重合開始剤;ベ
ンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等
の有機過酸化物系重合開始剤;アゾビスイソブチロニト
リル等のアゾ系重合開始剤等が挙げられ、これらの1種
もしくは2種以上が好適に用いられる。
【0023】上記アクリル系共重合体を乳化重合法によ
って得る具体的な方法としては、特に限定されるもので
はないが、例えば、(1)ジャケット付き重合反応機内
に純水、乳化分散剤及び水溶性重合開始剤を入れ、窒素
気流下で加圧下、アルキル(メタ)アクリレート、共重
合性モノマー及び多官能性モノマーを加えて乳化後、反
応機内をジャケットで昇温し重合反応を開始させる一括
重合法、(2)ジャケット付き重合反応機内に純水、乳
化分散剤及び水溶性重合開始剤を入れ、窒素気流下で加
圧下、アルキル(メタ)アクリレート、共重合性モノマ
ー及び多官能性モノマーを滴下して重合反応を開始させ
るモノマー滴下法、(3)ジャケット付き重合反応機内
に純水及び水溶性重合開始剤を入れ、次いで、アルキル
(メタ)アクリレート、共重合性モノマー、多官能性モ
ノマー及び乳化分散剤を高速攪拌して乳化した乳化液を
滴下するエマルジョン滴下法等が挙げられ、いずれも好
適に採用される。
【0024】本発明による合成樹脂成形品に用いられる
塩化ビニルグラフト樹脂は、上述したアクリル系共重合
体1〜30重量%に対し、塩化ビニルが99〜70重量
%の割合でグラフト共重合されていることが必要であ
る。
【0025】上記塩化ビニルグラフト樹脂に於いて、ア
クリル系共重合体の含有量が1重量%未満であると、得
られる塩化ビニルグラフト樹脂の耐衝撃性を向上させる
効果を得られず、逆にアクリル系共重合体の含有量が3
0重量%を超えると、得られる塩化ビニルグラフト樹脂
の耐衝撃性は向上するが、引張強度、曲げ強度、圧縮強
度等の機械的強度が低下する。
【0026】上記塩化ビニルグラフト樹脂に於いて、グ
ラフト共重合された塩化ビニル部分の重合度は、特に限
定されるものではないが、300〜2000であること
が好ましく、なかでも400〜1400であることがよ
り好ましい。
【0027】上記塩化ビニル部分の重合度が300未満
であると、得られる成形品の耐衝撃性や機械的強度が低
下し、逆に2000を超えると、得られる塩化ビニルグ
ラフト樹脂の流動性が乏しくなって成形性が悪くなる。
【0028】又、アクリル系共重合体に塩化ビニルをグ
ラフト共重合させる重合方法としては、特に限定される
ものではないが、例えば、乳化重合法、懸濁重合法、溶
液重合法等が挙げられ好適に採用されるが、なかでも製
造操作上の観点から懸濁重合法がより好適に採用され
る。
【0029】上記懸濁重合法により塩化ビニルグラフト
樹脂を得る具体的な方法としては、特に限定されるもの
ではないが、例えば、ジャケット付き重合反応機内に純
水、油溶性重合開始剤、前記乳化重合法によって得られ
たアクリル系共重合体ラテックス及び懸濁分散剤、必要
に応じて用いられる重合度調節剤等を入れ、反応機内を
密封して系内の空気を排除した後、反応機内を攪拌しな
がら塩化ビニルモノマー、必要に応じて用いられるその
他のビニル系モノマー等を加え、反応機内をジャケット
により昇温してグラフト共重合反応を行わせる方法等が
挙げられ、好適に採用される。
【0030】上記グラフト共重合反応は発熱反応であ
り、必要に応じて、ジャケットにより反応機内の温度を
調節することが好ましい。共重合反応終了後、未反応の
塩化ビニルモノマー及びその他のビニル系モノマー等を
系外に除去し、スラリー状のグラフト共重合体を得る。
次いで、このスラリー状のグラフト共重合体を、常法に
従って、脱水、乾燥することにより所望の塩化ビニルグ
ラフト樹脂を得ることが出来る。
【0031】上記グラフト共重合反応は、ラジカル重合
法で行うのが好ましく、使用されるラジカル重合開始剤
としては、例えば、ラウロイルパーオキサイド、t−ブ
チルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオ
デカノエート、α−クミルパーオキシネオデカノエー
ト、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジオク
チルパーオキシジカーボネート等の有機パーオキサイド
類;2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−ア
ゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾ化合
物等の油溶性重合開始剤等が挙げられ、これらの1種も
しくは2種以上が好適に用いられる。
【0032】又、上記懸濁分散剤としては、メチルセル
ロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル
セルロース、ポリビニルアルコール及びその部分鹸化
物、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、澱粉、無水マレ
イン酸−スチレン共重合体等が挙げられ、これらの1種
もしくは2種以上が好適に用いられる。
【0033】上記塩化ビニルグラフト樹脂には、本発明
の目的を阻害しない範囲で必要に応じて、熱安定剤、安
定化助剤、滑剤、加工助剤、酸化防止剤、光安定剤、紫
外線吸収剤、充填剤、可塑剤、着色剤、消泡剤等の各種
添加剤の1種もしくは2種以上が含有されていても良
い。
【0034】上記熱安定剤としては、特に限定されるも
のではないが、例えば、ジブチル錫メルカプト、ジオク
チル錫メルカプト、ジメチル錫メルカプト、ジブチル錫
マレート、ジブチル錫マレートポリマー、ジオクチル錫
マレート、ジオクチル錫マレートポリマー、ジブチル錫
ラウレート等の有機錫系安定剤;三塩基性硫酸鉛、二塩
基性亜燐酸鉛、ステアリン酸鉛等の鉛系安定剤;カルシ
ウム−亜鉛系安定剤;バリウム−亜鉛系安定剤;バリウ
ム−カルシウム系安定剤;バリウム−カドミウム系安定
剤等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適
に用いられる。
【0035】上記安定化助剤としては、特に限定される
ものではないが、例えば、エポキシ化大豆油、燐酸エス
テル等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好
適に用いられる。
【0036】上記滑剤としては、特に限定されるもので
はないが、例えば、パラフィンワックス、ポリエチレン
ワックス、ステアリン酸、ステアリルアルコール、ステ
アリン酸ブチル等が挙げられ、これらの1種もしくは2
種以上が好適に用いられる。
【0037】上記加工助剤としては、特に限定されるも
のではないが、例えば、重量平均分子量100万未満の
アクリル系加工助剤等が挙げられ、これらの1種もしく
は2種以上が好適に用いられる。
【0038】又、上記充填剤としては、特に限定される
ものではないが、例えば、炭酸カルシウム、タルク等が
挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用い
られる。
【0039】さらに、上記可塑剤としては、特に限定さ
れるものではないが、例えば、ジ−2−エチルヘキシル
フタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキ
シルアジペート等が挙げられ、これらの1種もしくは2
種以上が好適に用いられる。
【0040】塩化ビニルグラフト樹脂に上記各種添加剤
の1種もしくは2種以上を混合する方法は、特別なもの
ではなく、通常のホットブレンド法又はコールドブレン
ド法のいずれの方法であっても良い。
【0041】上述の塩化ビニルグラフト樹脂を用いて製
せられる合成樹脂成形品の成形方法としては、特に限定
されるものではないが、例えば、射出成形法、押出成形
法、真空成形法、カレンダー成形法、プレス成形法等の
従来公知の一般的な成形方法が挙げられ好適に採用され
るが、なかでも射出成形法がより好適に採用される。
【0042】
【作用】本発明による合成樹脂成形品は、特定の塩化ビ
ニルグラフト樹脂を用いて製せられるので、成形性に優
れると共に、優れた耐衝撃性、機械的強度、耐候性等の
諸特性を兼備する。
【0043】
【実施例】
【0044】本発明をさらに詳しく説明するため、以下
に実施例を挙げる。尚、実施例中の「部」は「重量部」
を意味する。
【0045】(実施例1)
【0046】(1)アクリル系共重合体の作製 攪拌機、還流冷却器、滴下漏斗及び温度計を備えた反応
容器に、純水240部、高級アルコール硫酸エステル塩
1部、過硫酸アンモニウム0.1部、n−ブチルアクリ
レート100部及びトリメチロールプロパントリアクリ
レート0.2部を仕込み、反応容器内を窒素ガスで置換
した後、65℃に昇温して5時間攪拌しながら乳化重合
反応を行って、固形分31重量%のアクリル系共重合体
ラテックスを得た。得られたアクリル系共重合体の架橋
率を以下の方法で測定したところ架橋率は41重量%で
あった。 「架橋率の測定方法」アクリル系共重合体1gを30℃
のテトラヒドロフラン100mlに7時間浸漬して溶解
させた後、不溶解部分の乾燥重量を秤量して重量比率を
求め、架橋率とした。 架橋率(重量%)=〔不溶解部分の乾燥重量(g)/1
(g)〕×100
【0047】(2)塩化ビニルグラフト樹脂の作製 上記で得られたアクリル系共重合体ラテックス680部
を、純水9000部、部分鹸化ポリビニルアルコールの
3重量%水溶液520部、t−ブチルパーオキシネオデ
カノエート0.5部及びα−クミルパーオキシネオデカ
ノエート0.5部と共に、22リットルの攪拌翼付き重
合機に一括して仕込んだ。次いで、真空ポンプで重合機
内の空気を排除し、塩化ビニルモノマー3100部を加
えて30分間攪拌溶解させた後、57℃で懸濁重合を開
始した。重合開始5時間後に重合機内圧が7kg/cm
2 に低下した時点で重合を停止した。次いで、未反応の
塩化ビニルモノマーを除去した後、得られたスラリーを
常法により脱水乾燥して、白色粉末状の塩化ビニルグラ
フト樹脂2230部を得た。得られた塩化ビニルグラフ
ト樹脂中のアクリル系共重合体の含有量は8重量%であ
った。
【0048】(3)成形品の作製 上記で得られた塩化ビニルグラフト樹脂100部に対
し、有機錫系安定剤(商品名「ONZ−6F」、三共有
機錫社製)1部及びワックス(商品名「WAX−O
P」、ヘキストジャパン社製)0.5部を均一に混合し
て成形用組成物を作製した。次いで、得られた成形用組
成物を用いて、射出成形機(型式「IS50」、東芝機
械社製)で、口径25mmのソケット(成形品)を射出
成形した。
【0049】(4)評価 上記で得られた成形用組成物及び成形品の流動性、
引張強度、ビカット軟化温度、及び、シャルピー衝
撃強度を以下の方法で評価した。その結果は表1に示す
とおりであった。
【0050】流動性:射出成形機「IS50」で肉厚
2mmのバーフロー用金型を用い、射出圧力を定格値の
80%一定として成形用組成物を射出し、流動性(c
m)を求めた。
【0051】引張強度:JIS K−7113「プラ
スチックの引張試験方法」に準拠して、アニール処理前
及びアニール処理後の成形品の引張強度(kN/c
2 )を測定した。尚、アニール処理は、ギヤーオーブ
ンを用い、75℃−3時間の条件で行った。
【0052】ビカット軟化温度:JIS K−720
6「熱可塑性プラスチックのビカット軟化温度試験方
法」に準拠して、アニール処理前及びアニール処理後の
成形品のビカット軟化温度(℃)を測定した。尚、アニ
ール処理は引張強度の場合と同様の条件で行った。
【0053】シャルピー衝撃強度:JIS K−71
11「硬質プラスチックのシャルピー衝撃試験方法」に
準拠して、耐候性試験前及び耐候性試験後の成形品のシ
ャルピー衝撃強度(kgf−cm/cm2 )を測定し
た。尚、耐候性試験は、JISA−1415「プラスチ
ック建築材料の促進暴露試験方法」に準拠して、サンシ
ャインウエザオメーターを用い、ブラックパネル温度6
3℃、水スプレー120分中18分間、暴露時間100
時間の条件で行った。
【0054】(実施例2)
【0055】表1に示すように、塩化ビニルグラフト樹
脂の作製に於いて、アクリル系共重合体の含有量を7重
量%としたこと以外は実施例1と同様にして、成形用組
成物及び成形品を作製した。
【0056】(実施例3)
【0057】表1に示すように、塩化ビニルグラフト樹
脂の作製に於いて、アクリル系共重合体の含有量を6重
量%としたこと以外は実施例1と同様にして、成形用組
成物及び成形品を作製した。
【0058】(比較例1)
【0059】表1に示すように、塩化ビニルグラフト樹
脂を用いることなく、塩化ビニル樹脂(重合度800)
100部に対し、MBS系衝撃改質剤(商品名「BTA
−751」、呉羽化学工業社製)8部、有機錫系安定剤
「ONZ−6F」1部及びワックス「WAX−OP」
0.5部を均一に混合して成形用組成物を作製した。次
いで、得られた成形用組成物を用い、実施例1と同様に
して、成形品を作製した。
【0060】(比較例2)
【0061】表1に示すように、塩化ビニルグラフト樹
脂を用いることなく、塩化ビニル樹脂(重合度800)
100部に対し、アクリル系衝撃改質剤(商品名「F
M」、鐘淵化学工業社製)8部、有機錫系安定剤「ON
Z−6F」1部及びワックス「WAX−OP」0.5部
を均一に混合して成形用組成物を作製した。次いで、得
られた成形用組成物を用い、実施例1と同様にして、成
形品を作製した。
【0062】実施例2〜3、及び、比較例1〜2で得ら
れた成形用組成物及び成形品の流動性、引張強度、
ビカット軟化温度、及び、シャルピー衝撃強度を実
施例1と同様の方法で評価した。その結果は表1に示す
とおりであった。
【0063】
【表1】
【0064】
【発明の効果】以上述べたように、本発明による合成樹
脂成形品は、特定の塩化ビニルグラフト樹脂を用いて製
せられるので、成形性に優れると共に、優れた耐衝撃
性、機械的強度、耐候性等の諸特性を兼備するものであ
り、薄肉部と厚肉部の共存する複雑形状の成形品として
も好適なものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単独重合体の二次転移点が−20℃以下
    であるアルキル(メタ)アクリレート80〜100重量
    %と二次転移点が−20℃より高い共重合性モノマー2
    0〜0重量%との混合物100重量部及びトリメチロー
    ルプロパン系又はペンタエリスリトール系の多官能性モ
    ノマー0.1〜0.4重量部から成り、架橋率が30〜
    95重量%であるアクリル系共重合体1〜30重量%に
    対し、塩化ビニルが99〜70重量%の割合でグラフト
    共重合されている塩化ビニルグラフト樹脂を用いて製せ
    られていることを特徴とする合成樹脂成形品。
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