JP2003119227A - ポリ塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

ポリ塩化ビニル系樹脂組成物

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JP2003119227A
JP2003119227A JP2001315728A JP2001315728A JP2003119227A JP 2003119227 A JP2003119227 A JP 2003119227A JP 2001315728 A JP2001315728 A JP 2001315728A JP 2001315728 A JP2001315728 A JP 2001315728A JP 2003119227 A JP2003119227 A JP 2003119227A
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vinyl chloride
acrylate
resin
polymerization
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JP2001315728A
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Inventor
Yoshihiro Kubo
喜弘 久保
Tomokazu Moriya
智和 守屋
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた耐衝撃性を有する塩化ビニル系樹脂組
成物の提供。 【解決手段】 無機物の周囲に、ラジカル重合によって
得られる熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂が担時されて
なる樹脂付着無機物(a)と、単独重合体のガラス転移
温度が−140℃以上0℃未満である少なくとも1種類
の(メタ)アクリレートを主成分とするラジカル重合性
モノマー100重量部と、多官能性モノマー0.1〜1
0重量部とからなるアクリル系共重合体(b)との混合
物(a+b)1〜50重量%に、塩化ビニル系モノマー
(c)を50〜99重量%グラフト共重合して得られる
塩化ビニル系グラフト共重合体からなるポリ塩化ビニル
系樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩化ビニル系樹脂
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリ塩化ビニルを炭酸カルシウムなどの
無機充填材で強化した樹脂組成物は広く知られている。
しかし、これらの強化材はポリ塩化ビニルとの親和性が
乏しく、これらを充填すると強化ポリ塩化ビニルの機械
的強度や耐熱性は改良されるものの、耐衝撃性が低下す
るという問題がある。しかも、これら無機充填材で強化
した樹脂組成物では、充填材を多量に配合しないと機械
的強度や耐熱性が十分向上しないという問題があった。
【0003】そこで、無機物を塩化ビニル樹脂中へ導入
する際に、水相への溶解を抑制して過剰に使用する事な
く、樹脂中に分散しやすく、機械的強度や耐熱性などの
諸物性が良好で、且つ、簡便な方法で可能な塩化ビニル
系樹脂が提案されている。しかしながら、上記塩化ビニ
ル系樹脂組成物の成形品に耐衝撃性の低下が見られる。
そこで、さらに耐衝撃性に優れる塩化ビニル系樹脂組成
物が要望されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の課題に鑑みてなされたものであり、従来品に比べて
優れた耐衝撃性を有する塩化ビニル系樹脂組成物を提供
することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題について検討を重ねた結果、無機物の周囲に、ラジカ
ル重合によって得られる熱可塑性樹脂を主成分とする樹
脂が担時されてなる樹脂付着無機物(a)と、単独重合
体のガラス転移温度が−140℃以上0℃未満である少
なくとも1種類の(メタ)アクリレートを主成分とする
ラジカル重合性モノマー100重量部と、多官能性モノ
マー0.1〜10重量部とからなるアクリル系共重合体
(b)との混合物(a+b)1〜50重量%に、塩化ビ
ニル系モノマー(c)を50〜99重量%グラフト共重
合して得られる塩化ビニル系グラフト共重合体を用いる
ことにより、従来の耐衝撃性塩化ビニル樹脂を配合する
のに比べて、より分散性の高い、耐衝撃性に優れた塩化
ビニル系樹脂組成物が得られることを見いだした。
【0006】本発明に使用される無機物は、塩化ビニル
系樹脂の充填剤、物性強化剤として用いられ、特に限定
されないが、例えば、金属粉、炭酸カルシウムやチタン
酸カリウムなどの金属無機酸塩、水酸化アルミニウムな
どの金属水酸化物、酸化アルミニウムや酸化チタンなど
の金属酸化物、バーミキュライト、モンモリロナイト、
バイデライト、ノントロナイト、サポナイトなどのスメ
クタイト族フィロ珪酸塩、白雲母、ソーダ雲母、絹雲
母、セラドナイト、金雲母、フッ素金雲母などのマイカ
族フィロ珪酸塩、カオリナイトなどのカオリン鉱物、パ
イロフィライトやタルク、テクト珪酸塩、グラファイト
などが挙げられ、好ましくは、層状構造を有するフィロ
珪酸塩等が用いられる。これらは単独または2種以上を
組み合わせて用いることができる。
【0007】本発明では、無機物の周囲に担持されるも
のとして、ラジカル重合によって合成可能な熱可塑性樹
脂を主成分に用いることが特徴である。特に、上記熱可
塑性樹脂として、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチ
レン誘導体、又はポリ酢酸ビニル誘導体等のラジカル重
合活性の高いモノマーから合成される汎用樹脂が用いら
れ、好ましくは、ポリ(メタ)アクリレート等が用いら
れる。これらは単独あるいは共重合体として使用され
る。
【0008】上記ラジカル重合性モノマーとしては、例
えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)ア
クリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル
(メタ)アクリレート、クミル(メタ)アクリレート、
ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メ
タ)アクリレート、2‐エチルヘキシル(メタ)アクリ
レート、イソノニル(メタ)アクリレート等のアルキル
(メタ)アクリレート、スチレン、α‐メチルスチレ
ン、p‐メチルスチレン、p‐クロロスチレン等のスチ
レン誘導体、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニ
ルエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等
の不飽和ニトリル、無水マレイン酸、塩化ビニリデン、
マレイミド誘導体等が挙げられ、これらは単独または2
種以上を組み合わせて用いる事ができる。
【0009】上記のラジカル重合性モノマーには、熱可
塑性樹脂の機械的強度を改善する為に、ラジカル重合可
能な多官能性モノマーが添加されてもよい。上記多官能
性モノマーとしては、特に限定はされないが、例えば、
ジ(メタ)アクリレートとしては、エチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)
アクリレート等が挙げられ、トリ(メタ)アクリレート
としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリ
レート、ペンタエリストールトリ(メタ)アクリレート
等が挙げられる。また、その他の多官能性モノマーとし
ては、ペンタエリストールテトラ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリストールヘキサ(メタ)アクリレー
ト、ジアリルフタレート、ジアリルフマレート等のジも
しくはトリアリル化合物、ジビニルベンゼン、ブタジエ
ン等のジビニル化合物等が挙げられ、これらは単独また
は2種類以上を組み合わせて用いることができる。多官
能性モノマーは、多く使用しすぎた場合無機物に担持さ
れる熱可塑性樹脂の機械的強度が強くなりすぎて、塩化
ビニル系樹脂中への樹脂付着無機物の導入が難しくなる
ので、多官能性モノマーを使用する際にはできるだけ使
用量を少なくするのが好ましい。
【0010】上記無機物の周囲に、ラジカル重合によっ
て得られる熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂が担時され
てなる樹脂付着無機物(a)を作製する際の無機物とラ
ジカル重合性モノマーとの比は、無機物1〜75重量%
とラジカル重合性モノマー25〜99重量%であること
が好ましい。無機物量が75重量%を超え、ラジカル重
合性モノマーが25重量%未満になると、無機物に付着
する樹脂量が少なくなり、無機物に樹脂を担持させてポ
リ塩化ビニル樹脂への導入を容易にすると共に物性を向
上させるという本発明の効果が認められ難くなってしま
う。
【0011】本発明の樹脂付着無機物(a)を作成する
方法は特に限定されないが、以下の方法が好適に用いら
れる。即ち、先ず無機物を水中に添加、攪拌することで
十分に分散させた後に、重合開始剤、ラジカル重合性モ
ノマー、及び分散剤を添加し、モノマーをラジカル重合
することによって得られる。一般的な水系媒体中におけ
る重合方法としては、懸濁重合、乳化重合等が挙げられ
るが、生成樹脂の粒子径の制御が容易で小粒子径の樹脂
が得られやすい乳化重合法が好ましい。この時、無機物
は予め水中に分散させておくことにより、乳化重合よっ
て生成される樹脂粒子との接近頻度が増加する。その結
果、無機物の周囲に樹脂が付着することになり、水媒体
中での乳化重合という設備的にも簡便な重合形態で容易
に、且つ効率的に樹脂付着無機物を作成することができ
る。
【0012】上記分散剤は、上記ラジカル重合性モノマ
ーを重合してなる樹脂の分散安定性を向上させ、樹脂が
付着した無機物を得る目的で添加される。例えば、アニ
オン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、部分ケン化
ポリ酢酸ビニル、セルロース系分散剤、ゼラチン等が挙
げられる。特に望ましくはアニオン系界面活性剤であ
り、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム等
が挙げられる。
【0013】上記重合開始剤としては、油溶性のフリー
ラジカルを発生する化合物、例えば、ベンゾイルパーオ
キサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジブチルパーオ
キシジカーボネート、α−クミルパーオキシネオデカノ
エート等の有機系過酸化物、アゾビスイソブチロニトリ
ル等のアゾ系開始剤及びレドックス開始剤等が挙げられ
る。また、上記乳化重合法では、必要に応じてpH調整
剤、酸化防止剤等が添加されてもよい。
【0014】上記乳化重合法には、モノマー添加法の違
いからモノマー添加法、エマルジョン添加法の2つに大
別され、特に限定されるものではない。モノマー添加法
とは、例えば、まず、無機物をイオン交換水と共にジャ
ケット付重合反応槽内に入れ、攪拌により、無機物を分
散させる。次に、重合槽内部を減圧して酸素除去を行っ
た後に、窒素にて大気圧まで圧力を戻し、窒素雰囲気下
にて、モノマー、分散剤及び重合開始剤を重合槽に添加
し、槽内をジャケットにより所定の温度に昇温して重合
する方法である。
【0015】エマルジョン添加法とは、例えば、まず、
モノマー、分散剤、重合開始剤及び仕込み水の一部と混
合乳化し乳化モノマー液を調製する。次に、上記モノマ
ー添加法と同様に無機物を分散させた後に窒素雰囲気下
で、前記乳化モノマー液を重合槽へ一括添加、あるい
は、一定量づつ摘果することにより重合する方法であ
る。
【0016】重合の結果得られる樹脂付着無機物を含む
スラリー中の無機物と樹脂とを合わせた固形分量は、特
に限定されるものではないが、生産性、重合反応の安定
性を鑑みて、10〜50重量%が好ましい。上記重合に
より得られるスラリー中の樹脂付着無機物(a)の平均
粒子径は特に限定されないが、使用方法により好ましい
粒子径が異なり、例えば、スラリーとして用いる場合
は、大きくなると樹脂付着無機物と水の分離が起こりや
すくなるので30μm以下が適当である。一方、樹脂付
着無機物を乾燥し、粉体として使用する場合は、乾燥工
程の操作性等より10〜3000μmが適当である。
【0017】本発明の塩化ビニル系グラフト共重合体
は、上記樹脂付着無機物(a)と、単独重合体のガラス
転移温度が−140℃以上0℃未満である少なくとも1
種類の(メタ)アクリレートを主成分とするラジカル重
合性モノマー100重量部と、多官能性モノマー0.1
〜10重量部とからなるアクリル系共重合体(b)との
混合物(a+b)1〜50重量%に、塩化ビニルを主成
分とするビニルモノマー(c)を50〜99重量%グラ
フト共重合することにより得られる。
【0018】上記アクリル系共重合体(b)は、塩化ビ
ニル系グラフト共重合体の耐衝撃性を向上させるために
配合するものであり、(メタ)アクリレートを主成分と
するラジカル重合性モノマーと多官能性モノマーとから
なる。ここで(メタ)アクリレートを主成分とするラジ
カル重合性モノマーとは、(メタ)アクリレート又は5
0重量%以上の(メタ)アクリレートとその他のラジカ
ル重合性モノマーとの混合モノマーである。前記(メ
タ)アクリレートの単独重合体のガラス転移温度は−1
40℃以上0℃未満である。充分な柔軟性を塩化ビニル
系グラフト共重合体樹脂に付与するため、0℃未満であ
れば特に種類は限定されないが、工業的に一般に使用さ
れるポリマーのガラス転移温度を鑑みて−140℃以上
が適当である。
【0019】上記(メタ)アクリレートモノマーとして
は、単独重合体のガラス転移温度が−140℃以上0℃
未満のものであれば特に限定されず、例えば、n−ブチ
ルアクリレート(Tg=−54℃、以下かっこ内に温度
のみを示す)、n−ヘキシルアクリレート(−57
℃)、2−エチルヘキシルアクリレート(−85℃)、
n−オクチルアクリレート(−85℃)、n−ノニルア
クリレート、イソノニルアクリレート(−85℃)、n
ーデシルアクリレート(−70℃)、ラウリルアクリレ
ート、ラウリルメタアクリレート(−65℃)、エチル
アクリレート(−24℃)、n−プロピルアクリレート
(−37℃)、n−ブチルアクリレート(−54℃)、
イソブチルアクリレート(−24℃)、sec−ブチル
アクリレート(−21℃)、n−ヘキシルアクリレート
(−57℃)、n−オクチルメタクリレート(−25
℃)、イソオクチルアクリレート(−45℃)、n−ノ
ニルメタクリレート(−35℃)、n−デシルメタクリ
レート(−45℃)等が挙げられる。これらは単独また
は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、
上記単独重合体のガラス転移温度が−140℃以上0℃
未満である(メタ)アクリレートモノマーの単独重合体
のガラス転移温度は、高分子学会編「高分子データ・ハ
ンドブック(基礎編)」(1986年、培風館社)によ
った。
【0020】上記その他のラジカル重合性モノマーとし
ては、例えば、メチルメタアクリレートエチルメタアク
リレート等のアルキルメタアクリレート類、酢酸ビニル
等のアルキルビニルエステル類、アルキルビニルエーテ
ル類、スチレン誘導体等が挙げられる。
【0021】上記アクリル系共重合体(b)には多官能
性モノマーが使用されるが、多官能性モノマーを使用す
ることにより、アクリル系共重合体(b)が架橋され、
上記塩化ビニル系グラフト共重合体の耐衝撃性が向上す
る。更に、上記アクリル系共重合体(b)を製造する
際、及び、製造後の上記アクリル系共重合体(b)の粒
子の合着を抑制する。
【0022】上記多官能性モノマーとしては、例えば、
ジ(メタ)アクリレートとしては、エチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、1.6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリ
レート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレー
ト等が挙げられ、トリ(メタ)アクリレートとしては、
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エ
チレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリストールトリ(メタ)ア
クリレート等が挙げられる。また、その他の多官能性モ
ノマーとしては、ペンタエリストールテトラ(メタ)ア
クリレート、ジペンタエリストールヘキサ(メタ)アク
リレート、ジアリルフタレート、ジアリルマレート、ジ
アリルフマレート、ジアリルサクシネート、トリアリル
イソシアヌレート等のジもしくはトリアリル化合物、ジ
ビニルベンゼン、ブタジエン等のジビニル化合物等が挙
げられ、これらは単独または2種類以上を組み合わせて
用いることができる。
【0023】上記アクリル共重合体(b)における上記
多官能性モノマーの配合量は、アクリル系共重合体
(b)を形成する(メタ)アクリレートを主成分とする
ラジカル重合性モノマー100重量部に対して、0.1
〜10重量部である。上記多官能性モノマーの配合量
が、0.1重量部未満では、アクリル共重合体(b)が
塩化ビニル系グラフト共重合体中で独立した粒子形状を
保てなくなるため、塩化ビニル系グラフト共重合体の耐
衝撃性が低下する。一方、10重量部を越えると、アク
リル系共重合体(b)の架橋密度が高くなり、有効な耐
衝撃性が得られなくなるため上記範囲に限定される。
【0024】上記アクリル系共重合体(b)の平均粒子
径は0.01〜1μmが好ましい。平均粒子径が0.01
μmより小さくなると微粒子を多数含むことになり成形
時の金型付着、外観不良の原因となり、また平均粒子径
が大きすぎると耐衝撃性、機械的強度がともに低下す
る。
【0025】本発明において、上記(メタ)アクリレー
トを主成分とするラジカル重合性モノマー多官能性モノ
マーを共重合させてアクリル系共重合体(b)を得る方
法としては特に限定されず、例えば、乳化重合法、懸濁
重合法等が挙げられる。これらの中では、耐衝撃性の発
現性がよく、アクリル系共重合体(b)の粒子径の制御
が行い易い点から乳化重合法が望ましい。なお、上記共
重合とは、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト
共重合等すべての共重合をいう。
【0026】上記乳化重合法は、従来公知の方法で行う
ことができ、例えば、必要に応じて、乳化分散剤、重合
開始剤、pH調整剤、酸化防止剤等を添加してもよい。
【0027】上記乳化分散剤は、(メタ)アクリレート
を主成分とするラジカル重合性モノマーと多官能性モノ
マーとの混合物(以下、混合モノマーともいう)の乳化
液中での分散安定性を向上させ、重合を効率的に行うた
めに用いるものである。上記乳化分散剤としては特に限
定されず、例えば、アニオン系界面活性剤、ノニオン系
界面活性剤、部分ケン化ポリ酢酸ビニル、セルロース系
分散剤、ゼラチン等が挙げられる。これらの中では、ア
ニオン系界面活性剤が好ましく、上記アニオン系界面活
性剤の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンノ
ニルフェニルエーテルサルフェート(第一工業製薬社製
「ハイテノールN−08」)等が挙げられる。
【0028】上記重合開始剤としては特に限定されず、
例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化
水素水等の水溶性重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイ
ド、ラウロイルパーオキサイド等の有機系過酸化物、ア
ゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系開始剤等が挙げら
れる。
【0029】上記乳化重合法の種類は特に限定されず、
例えば、一括重合法、モノマー滴下法、エマルジョン滴
下法等が挙げられる。
【0030】上記一括重合法は、ジャケット付重合反応
器内に純水、乳化分散剤、及び、混合モノマーを一括し
て添加し、窒素気流加圧下で撹拌して充分乳化した後、
反応器内をジャケットで所定の温度に昇温し、その後重
合させる方法である。
【0031】上記モノマー滴下法は、ジャケット付重合
反応器内に純水、乳化分散剤、及び、重合開始剤を入
れ、窒素気流下による酸素除去及び加圧を行い、反応器
内をジャケットにより所定の温度に昇温した後、混合モ
ノマーを一定量ずつ滴下して重合させる方法である。
【0032】上記エマルジョン滴下法は、混合モノマ
ー、乳化分散剤、及び、純水を撹拌して乳化モノマーを
予め調製し、次いで、ジャケット付重合反応器内に純
水、及び、重合開始剤を入れ、窒素気流下による酸素除
去及び加圧を行い、反応器内をジャケットにより所定の
温度に昇温した後、上記乳化モノマーを一定量ずつ滴下
して重合させる方法である。
【0033】また、上記エマルジョン滴下法では、重合
初期に上記乳化モノマーの一部を一括添加(以下シード
モノマーと呼ぶ)し、その後残りの乳化モノマーを滴下
する方法を用いれば、シードモノマーの量を変化させる
ことにより、生成するアクリル系共重合体の粒径を容易
に制御することができる。さらに、シードモノマー及び
滴下する乳化モノマーの種類及び組成を順次、変更、区
別することにより、コア−シェルなどの多層構造を形成
することも可能である。
【0034】上記したような重合方法において、反応後
に得られるアクリル系共重合体(b)分散液中の固形分比
率は、アクリル系共重合体(b)の生産性、重合反応の
安定性の点から10〜60重量%が好ましい。
【0035】本発明の塩化ビニル系グラフト共重合体
は、上記樹脂付着無機物(a)とアクリル系共重合体
(b)との混合物(a+b)に塩化ビニル系モノマー
(c)をグラフト重合させて得られる。
【0036】ここで塩化ビニル系モノマー(c)とは、
塩化ビニル、又は50重量%以上の塩化ビニルと塩化ビ
ニルと共重合可能な他のモノマーとの混合物である。塩
化ビニルと共重合可能な他のモノマーとしては、例え
ば、酢酸ビニル等のアルキルビニルエステル類、エチレ
ン、プロピレン等のα−モノオレフィン類、メチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、オク
チルアクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート
類、アルキルビニルエーテル類、マレイミド類、塩化ビ
ニリデン、スチレン誘導体等が挙げられる。これらは単
独又は2種類以上を組み合わせて使用することができ
る。
【0037】上記樹脂付着無機物(a)とアクリル系共
重合体(b)を混合する方法は特に限定されず、粉体で
混合しても、分散液で混合しても良いが、両者を混合し
た後に、塩化ビニル系モノマー(c)をグラフト重合さ
せることを考慮すると、分散液を混合し、その後塩化ビ
ニル系モノマー(c)をグラフトさせるのが製造上経済
的に好ましい。
【0038】上記塩化ビニル系グラフト共重合体を製造
する方法としては特に限定されず、例えば、懸濁重合
法、乳化重合法、溶液重合法、塊状重合法等が挙げられ
る。これらの中では、懸濁重合法が好ましい。上記懸濁
重合法により重合を行う際には、分散剤、重合開始剤等
を用いてもよい。
【0039】上記分散剤としては、特に限定はされない
が、上記樹脂付着無機物(a)、アクリル系共重合体
(b)の分散安定性を向上させ、塩化ビニル系モノマー
(c)のグラフト重合を効率的に行う目的で添加され
る。例えば、ポリ(メタ)アクリル酸塩、(メタ)アク
リル酸塩−アルキルアクリレート共重合体、メチルセル
ロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル
セルロース、ポリエチレングリコール、ポリ酢酸ビニル
及びその部分ケン化物、ゼラチン、ポリビニルピロリド
ン、デンプン、無水マレイン酸−スチレン共重合体等が
挙げられ、これらは単独または2種類以上組み合わせて
用いることができる。
【0040】上記重合開始剤としては、特に限定されな
いが、ラジカル重合開始剤がグラフト共重合に有利であ
るという理由から好適に用いられる。例えば、ラウロイ
ルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、
ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジオクチル
パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオ
デカノエート、α−クミルパーオキシネオデカノエート
等の有機パーオキサイド類、2、2−アゾビスイソブチ
ロニトリル、2、2’−アゾビス−2、4−ジメチルバレ
ロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられる。
【0041】塩化ビニル系モノマー(c)をグラフト共
重合させる際に、重合中に重合槽内に付着するスケール
を減少させる目的で、上記樹脂付着無機物(a)、アク
リル系共重合体(b)の分散溶液に、凝集剤を添加して
も良い。更に、必要に応じて、pH調整剤、酸化防止剤
等が添加されてもよい。
【0042】上記懸濁重合法としては、例えば、以下の
方法を用いることができる。すなわち、温度調整機、及
び、撹拌機を備えた反応容器に、純水、上記アクリル系
共重合体分散溶液、分散剤、重合開始剤、及び、必要に
応じて水溶性増粘剤、重合度調節剤を投入する。その
後、真空ポンプで重合器内の空気を排出し、更に撹拌条
件下で塩化ビニル系モノマーを投入した後、反応容器内
をジャケットにより加熱し、塩化ビニル系モノマーのグ
ラフト共重合を行う。この際、重合温度は30〜90
℃、重合時間2〜20時間が好ましい。
【0043】上記した懸濁重合法では、ジャケット温度
を変えることにより反応容器内の温度、つまり重合温度
を制御することが可能である。反応終了後は、未反応の
塩化ビニル等を除去しスラリー状にし、更に脱水乾燥す
ることにより塩化ビニル系グラフト共重合体が製造され
る。
【0044】上記の製造方法で得られた塩化ビニル系グ
ラフト共重合体は、樹脂付着無機物(a)、アクリル系
共重合体(b)にポリ塩化ビニルの一部が直接結合して
いるので、耐衝撃性に優れるとともに機械的強度にも優
れる。
【0045】上記塩化ビニル系グラフト共重合体は、上
記優れた特性を有しているため、耐衝撃性、機械的強度
を要する成形品に好適に用いられる。上記塩化ビニル系
グラフト共重合体を用いた成形品もまた本発明の1つで
ある。
【0046】上記塩化ビニル系グラフト共重合体を成形
して本発明の成形品を得る場合には、必要に応じて熱安
定剤、安定化助剤、滑剤、加工助剤、酸化防止剤、光安
定剤、顔料、充填剤等を添加してもよい。
【0047】上記熱安定剤としては、特に限定されず、
例えば、ジメチル錫メルカプト、ジブチル錫メルカプ
ト、ジオクチル錫メルカプト、ジブチル錫マレート、ジ
ブチル錫マレートポリマー、ジオクチル錫マレート、ジ
オクチル錫マレートポリマー、ジブチル錫ラウレート、
ジブチル錫ラウレートポリマー等の有機錫安定剤、ステ
アリン酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛、三塩基性硫酸鉛等の
鉛系安定剤、カルシウム−亜鉛系安定剤、バリウム−亜
鉛系安定剤、バリウム−カドミウム系安定剤等が挙げら
れる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用し
てもよい。
【0048】上記安定化助剤としては、特に限定され
ず、例えば、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ豆油
エポキシ化テトラヒドロフタレート、エポキシ化ポリブ
タジエン、リン酸エステル等が挙げられる。これらは単
独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0049】上記滑剤としては、特に限定されず、例え
ば、モンタン酸ワックス、パラフィンワックス、ポリエ
チレンワックス、ステアリン酸、ステアリルアルコー
ル、ステアリン酸ブチル等が挙げられる。これらは単独
で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0050】上記加工助剤としては、特に限定されず、
例えば、重量平均分子量10万〜200万のアルキルア
クリレート/アルキルメタクリレート共重合体であるア
クリル系加工助剤が挙げられ、具体例としては、n−ブ
チルアクリレート/メチルメタクリレート共重合体、2
−エチルヘキシルアクリレート/メチルメタクリレート
/ブチルメタクリレート共重合体等が挙げられる。これ
らは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0051】上記酸化防止剤としては、特に限定され
ず、例えば、フェノール系抗酸化剤等が挙げられる。こ
れらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよ
い。
【0052】上記光安定剤としては、特に限定されず、
例えば、サリチル酸エステル系、ベンゾフェノン系、ベ
ンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系等の紫外線
吸収剤、あるいはヒンダードアミン系の光安定剤等が挙
げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併
用してもよい。
【0053】上記顔料としては、特に限定されず、例え
ば、アゾ系、フタロシアニン系、スレン系、染料レーキ
系等の有機顔料、酸化物系、クロム酸モリブデン系、硫
化物・セレン化物系、フェロシアン化物系等の無機顔料
等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以
上を併用してもよい。
【0054】上記充填剤としては特に限定されず、例え
ば、炭酸カルシウム、タルク等が挙げられる。これらは
単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0055】また、上記成形品を得る場合には、成形時
の加工性を向上させる目的で、上記塩化ビニル系グラフ
ト共重合体に可塑剤を添加してもよい。上記可塑剤とし
ては特に限定されず、例えば、ジブチルフタレート、ジ
−2−エチルヘキシルフタレート、ジ−2−エチルヘキ
シルアジペート等が挙げられる。これらは単独で用いて
もよく、2種以上を併用してもよい。
【0056】上記した各種配合剤や可塑剤を、上記塩化
ビニル系グラフト共重合体に混合する方法としては、特
に限定されず、例えば、ホットブレンドによる方法、コ
ールドブレンドによる方法等が挙げられる。また、上記
塩化ビニル系グラフト共重合体の成形方法としては、特
に限定されず、例えば、押出成形法、射出成形法、カレ
ンダー成形法、プレス成形法等が挙げられる。
【0057】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
下記の例に限定されるものではない。表1に示した配合
組成に基づいて下記の手順で樹脂付着無機物(a)を、
表2に示した配合組成に基づいてアクリル系共重合体
(b)を得た。更に表2に示した組成に基づいて、樹脂
付着無機物(a)及びアクリル系共重合体(b)に塩化
ビニル系モノマー(c)をグラフト重合した塩化ビニル
系グラフト共重合体を作製し、表3に示した配合組成に
基づいて塩化ビニル系樹脂組成物を得た。 〔樹脂付着無機物(a)の作製〕表1に示した所定量の
モノマーとイオン交換水(無機物とモノマーとの合計量
に対して50重量%、全使用量の20重量%)、分散剤
としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(無機物
とモノマーの重量和に対し3.0重量%)を混合、攪拌
し乳化モノマー液を調製した。一方、重合器に残りのイ
オン交換水(無機物とモノマーの重量和に対し200重
量%)と所定量の無機物を入れ、攪拌を開始した。重合
器内を減圧して容器内の脱酸素をおこなった後、窒素に
より圧力を大気圧まで戻して、内部を窒素雰囲気とした
後重合槽を80℃まで昇温した。重合槽に過硫酸アンモ
ニウム(モノマーの重量に対して0.5重量%)を添加
した後、上記乳化モノマー液を重合槽に滴下し重合を開
始した。モノマー滴下は90分かけて行い、その後1時
間熟成を行った後、重合槽を室温まで冷却した。上記乳
化モノマー液を一括に添加した。重合槽を80℃まで昇
温して、重合を開始した。30分で重合を終了し、その
後1時間の熟成期間を行った後、重合槽を室温まで冷却
して固形分濃度約30重量%、平均粒径約10μmの樹
脂付着無機物M1、M2、M3を含むスラリーを得た。
【0058】〔アクリル系共重合体(b)の製造〕表2
に示した、コア層、及びシェル層を形成するためのモノ
マー(以下、それぞれをコア層形成用モノマー、シェル
層形成用モノマーという)をそれぞれ、所定量の純水
(モノマー100重量部に対し60重量部)、多官能性
モノマー、及び、ポリオキシエチレンノニルフェニルエ
ーテルアンモニウムサルフェート(乳化分散剤)と混
合、撹拌し、それぞれの乳化モノマーを調製した。次に
撹拌機及び還流冷却器を備えた反応器に、純水(全モノ
マー100重量部に対し160重量部)を入れ、容器内
の酸素を窒素により置換した後、撹拌下で反応温度を7
0℃まで昇温した。昇温終了後、反応器に開始剤(過硫
酸アンモニウム)、及び、コア層形成用モノマーの50
%を一括して投入し、重合を開始した。続いて、コア層
形成用モノマーの残りを滴下した。更に、コア層形成用
モノマーの滴下が終了次第、シェル層形成用モノマーを
順次滴下した。全ての乳化モノマーの滴下を3時間で終
了し、その後、1時間の熟成期間をおいた後、重合を終
了して固形分濃度約30重量%、粒子径0.1μmのア
クリル系共重合体ラテックスを得た。
【0059】〔塩化ビニル系グラフト共重合体の作製〕
表2の配合組成に基づいて、撹拌機及びジャケットを備
えた重合器に、純水170重量部、所定量の樹脂付着無
機物(a)を含むスラリー(固形分換算)、アクリル系
共重合体(b)ラテックス(固形分換算)、部分けん化
ポリビニルアルコール(クラレ社製、クラレポバールL
−8)の3%水溶液5重量部、ヒドロキシプロピルメチ
ルセルロース(信越化学社製、メトローズ60SH5
0)の3%水溶液2.5重量部、t−ブチルパーオキシ
ピバレート0.03重量部、硫酸アルミニウムをアクリ
ル系共重合体アルミニウムイオンが3000ppmとな
るよう一括投入し、その後、真空ポンプで重合器内の空
気を排出し、更に攪拌条件下で塩化ビニル100重量部
を投入した。その後、ジャケット温度の制御により重合
温度57.5℃にてグラフト重合を開始した。
【0060】重合器内の圧力が0.72MPaの圧力ま
で低下したところで塩化ビニルモノマーの重合率が80
%になるので反応終了を確認し、消泡剤(東レ社製、東
レシリコンSH5510)を加圧添加した後に反応を停
止した。その後、未反応の塩化ビニルモノマーを除去
し、更に脱水乾燥することにより塩化ビニル系樹脂を得
た。塩化ビニル系樹脂中の塩化ビニルの重合度は約10
00であった。
【0061】〔塩化ビニル系樹脂組成物の作成〕 (実施例1〜5、比較例1〜4)表3の配合組成に基づ
き、塩化ビニル系樹脂100重量部、所定量の樹脂付着
無機物、有機錫系安定剤(商品名:ONZ−7F、三共
有機合成社製)1.0重量部、滑剤(商品名:WAX−
OP、ヘキストジャパン)0.5重量部を、スーパーミ
キサー(100L、カワタ社製)にて攪拌混合して塩化
ビニル系樹脂組成物を得た。
【0062】〔評価〕得られた塩化ビニル系樹脂組成物
について下記の評価を行った。結果を表3に示した。 (成型サンプルの製作)得られた塩化ビニル系樹脂組成
物を190℃で3分間ロール混練した後、200℃で3
分間プレスした厚さ3mmの塩化ビニル系樹脂平板を成形
した。
【0063】(無機物量)上記成型サンプルをるつぼ中
にて強熱し、1000℃下で有機分を完全に焼却後、残
った灰分より、各成型サンプル中の無機物量を算出し
た。 (引張強度)上記成型品サンプルを用い、プラスチック
の引張試験方法(JIS K 7113)に則り、1号
形試験片を用い、測定温度23℃で引張降伏強さを測定
した。 (ビカット軟化温度)上記成型品サンプルを用い、プラ
スチックの方法(JIS K 7206)に則り、10
N加重、昇温速度10℃/hrにて測定した。 (線膨張率)上記成型品サンプルを用い、プラスチック
の線膨張試験方法(JIS K 7197)に則り、測
定温度23℃〜70℃、昇温速度5℃/minで線膨張
率を測定した。 (耐衝撃性)硬質プラスチックのシャルピー衝撃試験方
法(JIS K 7111)に準拠し、エッジワイズ衝
撃試験片を用い、測定温度は23℃でシャルピー衝撃強
度を測定した。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】
【表3】
【0067】
【発明の効果】本発明のポリ塩化ビニル系樹脂組成物
は、無機物の周囲に、ラジカル重合によって得られる熱
可塑性樹脂を主成分とする樹脂が担持されてなる樹脂付
着無機物とアクリル系グラフト共重合体の共存下に塩化
ビニル系モノマーをグラフト重合することで、耐衝撃性
塩化ビニル系樹脂を配合する事と比較してより分散性の
高い耐衝撃性に優れる塩化ビニル系樹脂組成物が得られ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J011 AA05 BA04 DA01 KA02 KA10 KA15 KB29 PA02 PA03 PA07 PA13 PB22 PC02 PC06 4J026 AA45 AA46 AC00 AC09 AC15 AC31 AC34 BA10 BB01 DA04 DB04 DB08 DB15 GA01 GA10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機物の周囲に、ラジカル重合によって
    得られる熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂が担時されて
    なる樹脂付着無機物(a)と、単独重合体のガラス転移
    温度が−140℃以上0℃未満である少なくとも1種類
    の(メタ)アクリレートを主成分とするラジカル重合性
    モノマー100重量部と、多官能性モノマー0.1〜1
    0重量部とからなるアクリル系共重合体(b)との混合
    物(a+b)1〜50重量%に、塩化ビニル系モノマー
    (c)を50〜99重量%グラフト共重合して得られる
    塩化ビニル系グラフト共重合体からなることを特徴とす
    るポリ塩化ビニル系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記樹脂付着無機物に用いる熱可塑性樹
    脂が、ポリ(メタ)アクリレートあることを特徴とする
    請求項1に記載のポリ塩化ビニル系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記樹脂付着無機物(a)が、無機物1
    〜75重量%が膨潤もしくは懸濁している水中にて、ラ
    ジカル重合性モノマー25〜99重量%を乳化重合して
    なることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリ塩化
    ビニル系樹脂組成物の製造方法。
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