JP2003105152A - 無機物含有塩化ビニル系樹脂及び製造方法 - Google Patents
無機物含有塩化ビニル系樹脂及び製造方法Info
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Abstract
樹脂中に分散しやすく、機械的強度や耐熱性などの諸物
性が良好で、且つ、簡便な方法で製造が可能なポリ塩化
ビニル系樹脂の提供。 【解決手段】 無機物(A)の周囲に、ラジカル重合に
よって得られる熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂(B)
が担持されてなる樹脂付着無機物が、塩化ビニル系樹脂
(C)(アクリル系樹脂への塩化ビニルグラフト体は除
く)に配合されてなることを特徴とする無機物含有ポリ
塩化ビニル系樹脂。
Description
化ビニル系樹脂組成物に関する。
無機充填材で強化した樹脂組成物は広く知られている。
しかし、これらの強化材はポリ塩化ビニルとの親和性が
乏しく、これらを充填すると強化ポリ塩化ビニルの機械
的強度や耐熱性は改良されるものの、靭性が低下すると
いう問題がある。しかも、これら無機充填材で強化した
樹脂組成物では、充填材を多量に配合しないと機械的強
度や耐熱性が向上しないという問題があった。
体を作製する際には、通常は、塩化ビニル系樹脂粉体と
共に無機充填剤を混合して塩化ビニル系樹脂組成物を作
製した後、成型加工工程を経て製品を得ている。この混
合工程の低減、無機物の塩化ビニル系樹脂中への分散性
の向上せしめる目的で、塩化ビニル系樹脂を作製する懸
濁重合時に予め無機充填剤を樹脂中に導入させる方法が
提案されている。例えば、特開昭60−228505号
公報にはノニオン系界面活性剤を用いて、無機物を樹脂
中に導入する方法が提案されているが、無機物によって
は使用量よりも樹脂中へ導入される量が少なく、工程削
減、物性改善効果に乏しい。また、特開平10−110
004号公報には、無機物存在化で塩化ビニル系モノマ
ーを重合し、無機物含有塩化ビニル系樹脂を得る方法が
開示されているが、この方法では、水性媒体中での懸濁
重合時に、無機物が水中へ移行してしまう為、物性改善
には過剰量の無機物を使用しなければならず、コスト的
な短所が見受けられる。又、無機物が単独で沈降してし
まう為、重合後に無機物と樹脂との分離工程が必要にな
る、且つ、樹脂中へ多量に導入させることが困難である
等の問題がある。
術の課題に鑑みてなされたものであり、無機物を塩化ビ
ニル樹脂中へ導入する際に、樹脂中に分散しやすく、機
械的強度や耐熱性などの諸物性が良好で、且つ、簡便な
方法で可能な塩化ビニル系樹脂を提供することである。
題について検討を重ねた結果、ラジカル重合性モノマー
を重合してなる熱可塑性樹脂が無機物の周囲に担持さ
れ、無機物表面が被覆された樹脂付着無機物を配合剤と
して用いることで、無機物の塩化ビニル系樹脂中への導
入が容易で、且つ、無機物単体のみを配合した時と比較
して、同じ無機物含有量で諸物性が良好な塩化ビニル系
樹脂組成物が得られる事を見いだした。また、上記ラジ
カル重合性モノマーとして、(メタ)アクリレート等の
ラジカル重合活性の高い汎用樹脂モノマーを用いること
により、さらにコスト的に有利な製品を効率よく製造す
ることができる。
系樹脂の充填剤、物性強化剤として用いられ、特に限定
されないが、例えば、金属粉、炭酸カルシウムやチタン
酸カリウムなどの金属無機酸塩、水酸化アルミニウムな
どの金属水酸化物、酸化アルミニウムや酸化チタンなど
の金属酸化物、バーミキュライト、モンモリロナイト、
バイデライト、ノントロナイト、サポナイトなどのスメ
クタイト族フィロ珪酸塩、白雲母、ソーダ雲母、絹雲
母、セラドナイト、金雲母、フッ素金雲母などのマイカ
族フィロ珪酸塩、カオリナイトなどのカオリン鉱物、パ
イロフィライトやタルク、テクト珪酸塩、グラファイト
などが挙げられ、好ましくは、層状構造を有するフィロ
珪酸塩等が用いられる。これらは単独または2種以上を
組み合わせて用いることができる。
合せしめてなる熱可塑性樹脂が、無機物表面に担持され
てなることを特徴とする。無機物と熱可塑性樹脂からな
る樹脂付着無機物の形状については、個々の無機物粒子
表面が樹脂層により被覆された形状、単独無機物粒子よ
りも小さな樹脂粒子により個々の無機物若しくは複数個
の粒子が覆われた形状、熱可塑性樹脂による樹脂壁が一
層以上形成されてなる樹脂粒子中に無機物が個々に若し
くは複数個内包されてなる粒子形状等が挙げられるが、
これらは特に限定されるものではない。
て、ラジカル重合によって合成可能な熱可塑性樹脂を主
成分に用いることが特徴である。特に、上記熱可塑性樹
脂として、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン誘
導体、又はポリ酢酸ビニル誘導体等のラジカル重合活性
の高いモノマーから合成される汎用樹脂が用いられ、好
ましくは、ポリ(メタ)アクリレート等が用いられる。
これらは単独あるいは共重合体として使用される。
えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)ア
クリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル
(メタ)アクリレート、クミル(メタ)アクリレート、
ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メ
タ)アクリレート、2‐エチルヘキシル(メタ)アクリ
レート、イソノニル(メタ)アクリレート等のアルキル
(メタ)アクリレート、スチレン、α‐メチルスチレ
ン、p‐メチルスチレン、p‐クロロスチレン等のスチ
レン誘導体、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニ
ルエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等
の不飽和ニトリル、無水マレイン酸、塩化ビニリデン、
マレイミド誘導体等が挙げられ、これらは単独または2
種以上を組み合わせて用いることができる。
塑性樹脂の機械的強度を改善する事で、ラジカル重合可
能な多官能性モノマーが添加されてもよい。上記多官能
性モノマーとしては、特に限定はされないが、例えば、
ジ(メタ)アクリレートとしては、エチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)
アクリレート等が挙げられ、トリ(メタ)アクリレート
としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリ
レート、ペンタエリストールトリ(メタ)アクリレート
等が挙げられる。また、その他の多官能性モノマーとし
ては、ペンタエリストールテトラ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリストールヘキサ(メタ)アクリレー
ト、ジアリルフタレート、ジアリルフマレート等のジも
しくはトリアリル化合物、ジビニルベンゼン、ブタジエ
ン等のジビニル化合物等が挙げられ、これらは単独また
は2種類以上を組み合わせて用いることができる。多官
能性モノマーは、多く使用すると機械的強度が大きく向
上し、結果として、塩化ビニル系樹脂中への導入を抑制
してしまうので、多く使用しない、もしくは、使用しな
いことが望ましい。
て得られる熱可塑性樹脂が担時されてなる樹脂付着無機
物を作製する際の無機物とラジカル重合性モノマーとの
比は、無機物1〜75重量%とラジカル重合性モノマー
25〜99重量%であることが好ましい。無機物量が7
5重量%を超え、ラジカル重合性モノマーが25重量%
未満になると、無機物に付着する樹脂量が少なくなり、
無機物に樹脂を担持させてポリ塩化ビニル樹脂への導入
を容易にすると共に物性を向上させるという本発明の効
果が認められ難くなってしまう。
おける懸濁重合により作製する方法、若しくは、乳化重
合により作製する方法の二通りに大別されるが、特に限
定されるものではない。
製される樹脂付着無機物は、先ずラジカル重合性モノマ
ーと無機物及び重合開始剤を混合し、その後、分散剤を
含む水中にその混合物を乳化懸濁し、油滴中のモノマー
をラジカル重合することによって得られる。この時、無
機物は予めモノマーと混合しておくことにより、水中に
乳化懸濁されたとき及び重合中においても、無機物はモ
ノマー油滴中に存在することとなり、熱可塑性樹脂が無
機物を被覆した樹脂付着無機物が、水懸濁重合という設
備的にも簡便な重合形態で作成することができる。
違いから一括重合法、エマルジョン添加法の二つに大別
され、特に限定されるものではない。
ず、無機物とラジカル重合性モノマー、及び重合開始剤
を予め混合しモノマー・無機物混合体を調製する。一
方、ジャケット付重合反応槽内にイオン交換水、分散剤
を入れ、重合槽内部を減圧して酸素除去を行った後、窒
素にて大気圧まで圧力を戻し、窒素雰囲気下において、
上記モノマー・無機物混合体を一括して重合槽内へ添加
する。撹拌翼によって、モノマー・無機物混合体を乳化
懸濁した後、槽内をジャケットにより所定の温度に昇温
して重合する方法である。また、モノマー・無機物混合
体は分散剤及び仕込水の一部と予め混合乳化され、重合
槽へ添加されても良い。
えば、まず、上記モノマー・無機物混合体を、分散剤と
イオン交換水中に添加し、撹拌により充分乳化すること
により予め乳化モノマー・無機物混合体溶液を調製す
る。次いでジャケット付重合反応槽内にイオン交換水を
入れ、重合槽内部を減圧して酸素除去を行った後、窒素
にて大気圧まで圧力を戻し、窒素雰囲気下において、槽
内をジャケットにより所定の温度にした後、上記モノマ
ー・無機物混合体溶液を一括添加、あるいは一定量ずつ
滴下することにより重合する方法である。
製される樹脂付着無機物は、先ず無機物を水中に添加、
攪拌する事で膨潤若しくは懸濁状態とした後に、重合開
始剤とラジカル重合性モノマー及び分散剤とを添加し、
モノマーをラジカル重合する事によって得られる。この
時、無機物は予め水中に分散させておく事により、乳化
重合によって生成される樹脂粒子との接近頻度が増加す
る。その結果、無機物の周囲に樹脂が付着する事とな
り、水溶媒の乳化重合という設備的にも簡便な重合形態
で作成する事が出来る。
からモノマー添加法、エマルジョン添加法の二つに大別
され、特に限定されるものではない。
ば、まず、無機物をジャケット付重合反応槽内にイオン
交換水と共に添加し、攪拌翼によって、無機物を膨潤若
しくは懸濁状態とする。更に、重合槽内部を減圧して酸
素除去を行った後、窒素にて大気圧まで圧力を戻し、窒
素雰囲気下において、分散剤と重合開始剤を重合槽に添
加し、槽内をジャケットにより所定の温度に昇温して、
ラジカル重合性モノマーを重合槽内へ一括添加、あるい
は一定量ずつ滴下する事により重合する方法である。
えば、まず、上記モノマー添加法と同様の操作により重
合槽内を所定の温度に昇温した後、ラジカル重合性モノ
マーを分散剤及び仕込水の一部と予め混合乳化したもの
を、重合槽へ一括添加、あるいは一定量ずつ滴下する事
により重合する方法である。
付着無機物を得る段階で無機物とモノマーの混合乳化懸
濁液の分散安定性を向上させ、重合を効率的に行う目的
で添加される。また、乳化重合方法では上記ラジカル重
合性モノマーを重合してなる樹脂の分散安定性を向上さ
せ、均一に付着した無機物を効率的に得る目的で添加さ
れる。例えば、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面
活性剤、部分ケン化ポリ酢酸ビニル、セルロース系分散
剤、ゼラチン等が挙げられる。特に望ましくはアニオン
系界面活性剤であり、例えば、アルキルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル
硫酸エステルアンモニウム塩等が挙げられる。
は、油溶性のフリーラジカルを発生する化合物、例え
ば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサ
イド、ジブチルパーオキシジカーボネート、α−クミル
パーオキシネオデカノエート等の有機系過酸化物、アゾ
ビスイソブチロニトリル等のアゾ系開始剤及びレドック
ス開始剤等が挙げられる。
は、水溶性のフリーラジカルを発生する化合物、例え
ば、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウ
ム、過硫酸ナトリウム等の無機系過酸化物、4,4´−
アゾビス−4−シアノバレリックアシッド等のアゾ系開
始剤及びレドックス開始剤等が挙げられる。また、上記
懸濁重合方法及び乳化重合方法の何れの場合でも、必要
に応じてpH調整剤、酸化防止剤等が添加されてもよ
い。
スラリー中の無機物と樹脂とを合わせた固形分濃度は、
特に限定されるものではないが、生産性、重合反応の安
定性を鑑みて、10〜50重量%が好ましい。上記スラ
リー中の樹脂付着無機物の平均粒子径は特に限定されな
いが、使用方法により好ましい粒子径が異なり、例え
ば、スラリーとして用いる場合は、大きくなると樹脂付
着無機物と水の分離が起こりやすくなるため、30μm
以下が適当である。一方、樹脂付着無機物を乾燥し、粉
体として使用する場合は、乾燥工程の操作性等より10
〜3000μmが適当である。
被覆し、樹脂付着無機物とすることにより、塩化ビニル
系樹脂と共に配合することによって導入が容易であるの
みならず、無機物単体を単純に配合した場合よりも、各
種物性の向上が可能になる。
塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと共重
合し得るモノマーと塩化ビニルとの共重合体で塩化ビニ
ル成分が50重量%以上のもの(但し、アクリル系樹脂
への塩化ビニルグラフト体を除く)等が挙げられ、これ
らの少なくとも1種が使用される。
は、例えば、酢酸ビニルなどのアルキルビニルエステル
類;エチレン、プロピレンなどのα-モノオレフィン
類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、オクチルアクリレートなどのアルキル(メ
タ)アクリレート類;アルキルビニルエーテル類;マレ
イミド類;塩化ビニリデン、スチレンなどが挙げられ、
これらの少なくとも1種が使用される。
従来公知の方法により作製されるもので良く、特に限定
されるものではない。
塩化ビニル系樹脂に樹脂付着無機物を配合せしめて作製
されるが、作成方法は特に限定されることなく、例え
ば、ミキサーによる混練配合、又は、必要に応じてシー
ト化、ペレット化等の様な方法が挙げられる。
には、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じ
て、安定剤、滑剤、加工助剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、帯電防止剤、難燃剤等の各種添加剤が添加されても
良い。この際、塩化ビニル系樹脂に樹脂付着無機物を配
合して無機物含有塩化ビニル系樹脂を作製した後に各種
添加剤を添加しても良いが、塩化ビニル系樹脂に樹脂付
着無機物を配合する際に同時に添加剤を加えて樹脂組成
物とするのが好ましい。
下記の例に限定されるものではない。
づいて、下記の手順で樹脂付着無機物を作成した。 〔樹脂付着無機物の作製〕 実施例1〜11、比較例9〜13 所定量の無機物、ラジカル重合性モノマーと、2,2’
−アゾビスイソブチロニトリル(無機物とモノマーの重
量和に対し0.5重量%)を混合、撹拌した。ついでイ
オン交換水(無機物とモノマーの重量和に対し200重
量%:全使用量の80%)に分散剤としてドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム(無機物とモノマーの重量和
に対し3.0重量%)を添加し、この中に先のモノマー
・無機物混合体を添加し、撹拌して乳化モノマー液を調
製した。一方、重合器に残りのイオン交換水(無機物と
モノマーの重量和に対し50重量%)を入れ、攪拌を開
始した。重合器内を減圧して容器内の脱酸素をおこなっ
た後、窒素により圧力を大気圧まで戻して、内部を窒素
雰囲気とした後、上記乳化モノマー液を一括に添加し
た。重合槽を80℃まで昇温して、重合を開始した。3
0分で重合を終了し、その後1時間の熟成期間を経た
後、重合槽を室温まで冷却した。固形分濃度約30重量
%、平均粒径約10μmの樹脂付着無機物を含むスラリ
ーを得た。但し、比較例の場合においては、平均粒径約
2μmの樹脂を含むスラリーを得た。
重量和に対し50重量%:全使用量の20%)、分散剤
としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(無機物
とモノマーの重量和に対し3.0重量%)を混合、撹拌
して乳化モノマー液を調製した。一方、重合器に残りの
イオン交換水(無機物とモノマーの重量和に対し200
重量%)と所定量の無機物を入れ、攪拌を開始した。重
合器内を減圧して容器内の脱酸素をおこなった後、窒素
により圧力を大気圧まで戻して、内部を窒素雰囲気とし
た後、重合槽を80℃まで昇温した。重合槽に過硫酸ア
ンモニウム(モノマーの重量に対して0.5重量%)を
添加した後、上記乳化モノマー液を重合槽に滴下し重合
を開始した。モノマー滴下は90分間掛けて行い、その
後1時間の熟成期間を経た後、重合槽を室温まで冷却し
た。固形分濃度約30重量%、平均粒径約10μmの樹
脂付着無機物を含むスラリーを得た。但し、比較例の場
合においては、平均粒径約1μmの樹脂を含むスラリー
を得た。
n−ブチルアクリレート)各々にイオン交換水(無機物
とモノマーの重量和に対し25重量%:全使用量の10
%)、分散剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム(無機物とモノマーの重量和に対し3.0重量%)
を混合、撹拌して2種類の乳化モノマー液を調製した。
一方、重合器に残りのイオン交換水(無機物とモノマー
の重量和に対し200重量%)と所定量の無機物を入
れ、攪拌を開始した。重合器内を減圧して容器内の脱酸
素をおこなった後、窒素により圧力を大気圧まで戻し
て、内部を窒素雰囲気とした後、重合槽を80℃まで昇
温した。重合槽に過硫酸アンモニウム(総モノマーの重
量に対して0.5重量%)を添加した後、上記乳化モノ
マー液(メチルメタクリレートの乳化液)を重合槽に滴
下し重合を開始した。モノマー滴下は45分間掛けて行
った。その後、一方の乳化モノマー液(n−ブチルアク
リレート)を重合槽に45分間掛けて滴下し、その後1
時間の熟成期間を経た後、重合槽を室温まで冷却した。
固形分濃度約30重量%、平均粒径約10μmの樹脂付
着無機物を含むスラリーを得た。
ルの作製〕 実施例1〜23、比較例1〜18 表1、2、3及び4に示した配合組成に従って、所定量
の配合材料を混合攪拌し、塩化ビニル系樹脂組成物を得
た。得られた樹脂組成物を6インチロール成型機で19
0℃×3分間混練した後、厚さ1mmのシートと、次に
プレス成型機を用い、200℃で3分間予熱し、圧力
4.9MPaで4分間加圧し、塩化ビニル系樹脂組成物
成型サンプルを得た。
成型サンプルについて、下記の評価を行った。結果を表
1、2、3及び4に示す。 (無機物量)上記成型サンプルをるつぼ中にて強熱し、
1000℃下で有機分を完全に焼却後、残った灰分よ
り、成型サンプル中の無機物量を算出した。 (引張強度)上記成型品サンプルを用い、プラスチック
の引張試験方法(JIS K 7113)に則り、1号
形試験片で、測定温度23℃で引張降伏強さを測定し
た。 (ビカット軟化温度)上記成型品サンプルを用い、プラ
スチックのビカット軟化温度試験法(JISK 720
6)に則り、10N加重、昇温速度50℃/hrにて測
定した。 (線膨張率)上記成型品サンプルを用い、プラスチック
の線膨率張試験方法(JIS K7197)に則り、測
定温度23℃〜70℃、昇温速度5℃/minで線膨張
率を測定した。
ジカル重合性モノマーを重合してなる熱可塑性樹脂によ
って無機物の周囲に樹脂が担持され、表面が被覆された
樹脂付着無機物を配合剤として用いることで、無機物の
塩化ビニル系樹脂中への導入が容易で、且つ、無機物単
体のみの配合時と比較して同無機物含有量で諸物性が良
好な塩化ビニル系樹脂組成物が得られ、また、設備的に
も簡便な方法で安価に生産ができる事が可能である。
Claims (6)
- 【請求項1】 無機物(A)の周囲に、ラジカル重合に
よって得られる熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂(B)
が担持されてなる樹脂付着無機物が、塩化ビニル系樹脂
(C)(アクリル系樹脂への塩化ビニルグラフト体は除
く)に配合されてなることを特徴とする無機物含有ポリ
塩化ビニル系樹脂。 - 【請求項2】 前記熱可塑性樹脂が、ポリ(メタ)アク
リレートであることを特徴とする請求項1に記載の無機
物含有塩化ビニル系樹脂。 - 【請求項3】 ポリ塩化ビニル又はポリ塩化ビニルを主
成分とするポリ塩化ビニル系樹脂(C)100重量部に
対し、無機物(A)の周囲にラジカル重合によって得ら
れる熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂(B)が担持され
てなる樹脂付着無機物(A+B)が1〜100重量部で
あることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載
の無機物含有塩化ビニル系樹脂。 - 【請求項4】 前記樹脂付着無機物が、ラジカル重合性
モノマー25〜99重量%と無機物1〜75重量%から
なることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載
の無機物含有塩化ビニル系樹脂。 - 【請求項5】 前記樹脂付着無機物が、ラジカル重合性
モノマー25〜99重量%と無機物1〜75重量%の混
合物を、水中で懸濁重合してなることを特徴とする請求
項1から4のいずれかに記載の無機物含有塩化ビニル系
樹脂の製造方法。 - 【請求項6】 前記樹脂付着無機物が、無機物1〜75
重量%が膨潤若しくは懸濁している水中にて、ラジカル
重合性モノマー25〜99重量%を乳化重合してなる事
を特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の無機物
含有塩化ビニル系樹脂の製造方法。
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JP2002060813A JP2003105152A (ja) | 2001-04-06 | 2002-03-06 | 無機物含有塩化ビニル系樹脂及び製造方法 |
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JP2001-108832 | 2001-04-06 | ||
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