JP2007277965A - 自動車道路高架橋の中央分離帯用の鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製ガードフェンス - Google Patents

自動車道路高架橋の中央分離帯用の鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製ガードフェンス Download PDF

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Abstract

【課題】 路線幅の建設限界の中で設置可能で、さらに高架橋の下に足場を組む必要がなくコスト削減でき、設置工期の短縮された鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンスを提供する。
【解決手段】 上下路線用の左右の高架橋の路版12に跨がって設置した鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンス1は、最大幅の底面2と最小幅の上壁面3と、緩やかに傾斜した下部傾斜壁面4aと急峻に傾斜した上部傾斜壁面4bからなる左右対称の側壁面4、4を有し、その底面2はその長手方向の中央部に跨状の凹溝2aを有し、凹溝2aの両側の底面2は平面7で、これらの平面7の下部には振動吸収ゴム板10が配設されて設置されている。これらの鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンス1は連接されて一体的に形成され、1列の連接体1aとなっている。
【選択図】 図1

Description

この発明は高速道路や一般自動車道路の高架橋河川橋などの路線橋において、上下走行車線を分離する中央分離帯として上下車線の路版間の間隙部上に設置して走行車両の安全を図るガードフェンス、特に鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンスに関する。
高速道路や一般の自動車道路の道路橋のガードフェンスには、一般的には、図5に示す鋼鉄製ポール22に設けた鋼板製ガードフェンス23や、図6に示すプレキャストコンクリート製ガードフェンス24が、上り路線や下り路線のそれぞれの路線の路版の側部に沿って2列に並設して設置されている。このようなガードフェンスにおいて、耐久性や強度やコストの面から、上記の鋼鉄製ポール22や鋼板製ガードフェンス23はプレキャストコンクリート製ガードフェンス24に置き換えられつつある。ところで、高速道路や自動車道路の高架橋や河川橋などの路線橋において、その走行路線は、例えば片側2車線あるいは3車線で、その道路幅は広い。そこで、これらの路線橋を建設する場合は、上り路線側の路線橋と下り路線側の路線橋は、上り路線の路版と下り路線の路版を平行状態に隣接して別々に建設されている。例えば、名神高速道路では、吹田と尼崎間では、別々の高架橋で建設されている。
このように高架橋などの上下路線の路版は別々に建設されることが多いので、それぞれの上り路線の路版12と下り路線の路版12の境界には間隙14が設けられている。その結果、それぞれの上下路線の各路版毎に1列のコンクリート製ガードフェンス24をアンカーボルト25で係止して設置している。すなわち、図6に示すように、それぞれの路線の路版12の境界に沿ってそれぞれ1列ずつ計2列のプレキャストコンクリート製のガードフェンス23をアンカーボルト25で係止して設置し、走行中の自動車の安全を確保している。
ところで、一般にコンクリート製のガードフェンスの場合、走行車両が斜めから衝突したとき、衝撃を和らげて車両の方向を走行路線方向へ戻すために、コンクリート製ガードフェンスの下部側壁面の部分が緩やかな傾斜面26に形成されている。しかし、このようなコンクリート製ガードフェンスを設置しても、走行車がガードフェンスを突破して対向の反対車線へ飛び出し、反対車線の走行車両にまで危険を及ぼしたり、また、上下の路線ともに塞いでしまったり、さらに事故による破片を飛び散らせるなどの問題を惹き起こしている。
したがって、これらのコンクリート製のガードフェンスは、車の衝突に対して充分な強度と剛性を保持させる必要がある。しかし、道路幅に建設上の限界があるので、図6に示すような、従来のプレキャストコンクリート製ガードフェンス24は、その厚みが例えば上壁面3で200mmで、その高さが1000mmの大きさであるように、薄めの幅に形成されている。さらに、この車の衝突の衝撃により移動しないようにするために、プレキャストコンクリート製ガードフェンス24は、路版12の下面側にまで挿通したアンカーボルト25により固定されている。ところで、高架橋や河川橋においてはその橋梁幅に伴う道路幅の限界があることに伴い、このような厚み幅のあるプレキャストコンクリート製のガードフェンス24を設置するには限度があった。
ところで、本出願人は高速道路や一般の自動車道路用のガードフェンスとして、例えば、強度を向上したプレキャストコンクリートガードフェンスを開発している(例えば、特許文献1参照。)。その他にも、表面を低摩擦係数としたコンクリート製ガードフェンス(例えば、特許文献2参照。)や、さらに車両衝突時の衝撃を効率的に吸収し、基礎壁及び柵体すなわちガードフェンスの破損を阻止したコンクリート製のガードフェンス(例えば、特許文献3参照。)が開発されている。しかし、これらのものはいずれも上下路線が一体の路盤上にある一般的な自動車道に関するもので、上下車線が別々に架橋された高架橋や河川橋からなる別々の路版に関するものではなかった。
そこで、従来の高速道路あるいは自動車道の高架橋や河川橋の上下路線の各路版の端側毎にボルト締結により剛体化したプレキャストコンクリート製のガードフェンスを並列に設置したものに代え、本出願人は上下路線の路版の間隙を跨いで1列に設置するプレキャストコンクリート製のガードフェンスを開発し出願している。これは路線幅の建設限界の中で幅をとることなく設置可能で、しかも、設置工期を短縮したプレキャストコンクリート製のガードフェンスである。
特開平6−136724号公報 (図11) 特開平8−92923号公報 (図1) 特開平10−131136号公報 (図1)
本発明が解決しようとする課題は、上記した出願人の出願による自動車道路高架橋の上下車線の路版の間隙上に中央分離帯用として跨状に1列のみを設置するプレキャストコンクリート製のガードフェンスに代えて、同様に自動車道路高架橋の上下車線の路版の間隙上に中央分離帯用として跨状に1列で連設するものでありながら、設置現場で軽量気泡コンクリートを充填打設することで、嵩張ることなく素材からなる部材を搬送可能とし、かつ、幅が薄く軽量でありながら剛性が高く、橋梁の路幅に限界がある場合にも幅を要することなく設置可能で、しかも、路版に締結して移動しにくくしたガードフェンスを提供することである。
本発明の手段は、鋼板で鎧装した軽量気泡コンクリート製のガードフェンスであり、従来のプレキャストコンクリートガードフェンスと略同様の830〜930mmの高さを有する。一方、本発明のガードフェンスの幅の厚さは従来のプレキャストコンクリートガードフェンスに比して薄く、最小幅である上壁面の幅は150〜400mmで、最大幅である底面の幅は560〜810mmである。側壁面は最小幅の上壁面から下方になるにつれて急峻な上部傾斜壁面を有し、さらに、その下方の部分が緩やかな下部傾斜壁面を有して最大幅の底面に至る左右対称の側壁面から形成されている。この急峻な上部傾斜壁面の部分と緩やかな下部傾斜壁面の部分の高さの比は凡そ10対1である。さらに、本発明の手段の鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンスの長手方向の前後の端壁面は垂直な平面から形成されている。さらに、本発明の手段の鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンスの一体の長さは1950〜2050mmの大きさを有する。この鋼板鎧装の軽量気泡コンクリート製のガードフェンスは複数個を前後に連設して連接体に形成されている。さらに、この鋼板鎧装の軽量気泡コンクリート製のガードフェンスの底面は、設置する高架橋の上下路線用の各路版間の間隙を跨いで設置され、それらの路版の底面の長手方向には、その幅方向の中央部に幅150〜350mmの上方に凹む凹溝を有し、その凹溝の両側部には水平な底面を有する。これらの底面と路版面との間には振動吸収ゴム板を介在させ、鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンスを高架橋の上下路線用の各路版上に設置している。
本発明の手段では、鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンスを上記の大きさとし、さらに鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンスの1列のみを高架橋の上下路線用の各路版間の間隙を跨いで設置しているので、従来のガードフェンスのように上下の各路線の端側に1列ずつ計2列を設置したものに比して、高架橋の上下路線用の各路版間の間隙の幅分だけ縮小できる。さらに鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンスは最小幅の上壁面に溝形鋼からなる補強材を有し、この溝形鋼からなる補強材にPC鋼棒からなる長尺ボルトを係止して軽量気泡コンクリート中を挿通して底面から突出し、高架橋路版間の下部に配設した受け材である溝形鋼からなる補強リブに係止されている。したがって、軽量でも車両の衝突により移動されることはないので、鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンスの幅を狭小なものとしている。この結果、高架橋の各路版の路線幅に余裕を生じ、高架橋の建築限界にもかかわらず、余裕のある路幅でもって鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンスを設置できる。しかも、長尺ボルトで締め付け固定しているので、車両の衝突により鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンスの傾斜側壁面が横から押されたとき、高架橋路版の下部の受け材である溝形鋼からなる補強リブの反力が高架橋路版に作用し、従来のフェンスである壁高欄への衝突時と反対の曲げモーメントが左右の高架橋路版に発生する。すなわち、衝突側と反対側の高架橋路版のコンクリート中に張設した主鉄筋が衝突荷重に抵抗する鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンスの下側となり、かつ、荷重は上下路線用の各路版がそれぞれ分担するので、跨状に張出す部分に掛かる負担が低減される。
さらに本発明の手段は、鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンスの底面と路面との間に振動吸収ゴム板を介在させているので、反対車線を走行する車両の振動や衝突による衝撃が吸収緩和され、他方の路版面を走行する車両に影響を及ぼすことがない。またゴム板の摩擦力により鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンスの移動が抑制される。さらに振動吸収ゴム板はゴム板製止水シールとなり、路面に降った雨水などが上下路線用の各路版間の間隙に入ることを阻止し、路版が雨水に浸食されたり、雨水が路版間から高架下に垂れることがない。
さらに、この鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンスの上壁面に係止の溝形鋼からなる補強材は、隣接の鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンスの上壁面に係止の溝形鋼からなる補強材と連結プレートにより結合され、長手方向に連接された長尺の鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンスに形成されている。
すなわち、上記の課題を解決するための本発明の手段は、請求項1の手段では、長手方向の溝形鋼からなる補強材を幅方向の中央部に配設した最小幅の上壁面と、急峻な上部傾斜壁面と緩やかな下部傾斜壁面からなる左右の傾斜側壁面と、長手方向の前後の垂直端壁面とから鋼板鎧装体を形成し、該鋼板鎧装体の内部に軽量気泡コンクリート体を配設し、該軽量気泡コンクリート体の底面を最大幅とし、該底面の幅方向の中央部を長手方向に上方へ凹む凹溝を配設して鋼板鎧装軽量気泡コンクリートブロックに形成し、該鋼板鎧装軽量気泡コンクリートブロックを上下車線の路版間の間隙上に載置し、長手方向の溝形鋼からなる補強材を配設した鋼板鎧装体上壁面から内部の軽量気泡コンクリート体を貫通してPC鋼棒を配設し、該PC鋼棒の下端を上下車線の路版間の下面に配設の溝形鋼からなる補強リブに挿通固定して該鋼板鎧装軽量気泡コンクリートブロックを上下車線の路版に緊締し、かつ、鋼板鎧装軽量気泡コンクリートブロックの底面と上下車線の路版の間に振動吸収ゴムを配設していることを特徴とする自動車道路高架橋の上下車線の路版間の間隙上に跨状に連設の中央分離帯用の鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製ガードフェンスである。
請求項2の手段では、長手方向の溝形鋼からなる補強材を幅方向の中央部に配設した最小幅の上壁面は、長手方向に延びる幅方向の中央部に下方へ凹む凹溝を有し、該凹溝に下方へ凹んだ溝形鋼からなる補強材を嵌合して形成されていることを特徴とする請求項1の手段の自動車道路高架橋の上下車線の路版間の間隙上に跨状に連設の中央分離帯用の鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製ガードフェンスである。
請求項3の手段では、長手方向の溝形鋼からなる補強材を幅方向の中央部に配設した最小幅の上壁面は、長手方向に延びる幅方向の中央部の上壁内面に上方へ凹んだ溝形鋼からなる補強材を配設して形成されていることを特徴とする請求項1の手段の自動車道路高架橋の上下車線の路版間の間隙上に跨状に連設の中央分離帯用の鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製ガードフェンスである。
請求項4の発明では、鋼板鎧装軽量気泡コンクリートブロックの最小幅の上壁面の長手方向の幅方向の中央部に配設の溝形鋼からなる補強材は、隣接の鋼板鎧装軽量気泡コンクリートブロックの最小幅の上壁面の長手方向の幅方向の中央部に配設の溝形鋼からなる補強材に連結プレートにより連結されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項の手段の自動車道路高架橋の上下車線の路版間の間隙上に跨状に連設の中央分離帯用の鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製ガードフェンスである。
請求項5の発明では、鋼板鎧装軽量気泡コンクリートブロックは、最小幅の上壁面が150〜400mm、最大幅の底面が560〜810mm、高さが830〜930mm、かつ、長さが1950〜2050mmの大きさからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項の手段の自動車道路高架橋の上下車線の路版間の間隙上に跨状に連設の中央分離帯用の鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製ガードフェンスである。
この発明は上記の構成の手段を有するので、本発明の鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンスは、上下の走行路線の高架橋の路版面に振動吸収ゴム板を配設してその上に跨がって載置し、高架橋の路版間の下面に配設した受け材である溝形鋼にPC鋼棒で係止した1列のみを設置するだけであるので、設置工事期間が従来よりも短く、したがって建設コストが大幅に削減できる。さらに、幅厚みを従来よりも肉薄にしているにもかかわらず、車両の衝突の衝撃により移動されにくい。しかも、衝突に対する充分な耐衝撃性を有し、かつ、衝突した車両が反対車線へ突入することを充分に防止できるので、連鎖事故の発生を防止できる。さらに振動吸収ゴム板を配設しているので反対車線の路版に振動を伝えて影響を与えることがない。さらに、路版振動による鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンスの移動が抑制できる。さらに仮に移動しても鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンスの原状復帰を容易としている。
さらに鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンスは複数個の鋼板鎧装体から構成されており、現場施工で鋼板鎧装中に軽量気泡コンクリートを充填して鋼板鎧装軽量気泡コンクリートを製造する。このように現場へは素材に分割して搬送できるので、搬送が容易であり、しかも個々の軽量気泡コンクリート製のガードフェンスは上壁面に配設した溝形鋼からなる補強材により隣接のガードフェンスと連結により一体化して設置できるなど、この発明の鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンスは、従来のコンクリート製のガードフェンスに比して優れた効果を奏するものである。
本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。図1に上下路線用の左右の高架橋の路版12の上に設置した本発明の鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンス1を断面により示す。この鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンス1の軽量気泡コンクリート体1cは人工的にコンクリート中に気泡を混入して、例えばガス発泡剤を混入あるいは予め作った泡を混入して、多孔質化したコンクリートからなる。その比重は0.8〜1.2と軽量である。鋼板鎧装体1bの中に軽量気泡コンクリート体1cが現場でキャストされる。この鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンス1は、最大幅の左右の底面2と最小幅の上壁面3と、緩やかに傾斜した下部傾斜壁面4aと、その上に続く急峻に傾斜した上部傾斜壁面4bからなる左右対称の傾斜側壁面4、4と、長手方向前後の垂直な端壁面5を有する。なお、底面2は軽量コンクリートのままで鋼板で鎧装されていない。この鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンス1の底面2は、その長手方向の中央部に高架橋の上下路線用の左右の路版12の間隙14を跨ぐ左右の平面6から形成され、これら左右の平面6の間に上方に凹んだ凹溝2aを有する。これらの左右の平面6の下側と左右の路版12の上側の間には、平面6と同幅の振動吸収ゴム板10が介在されており、この振動吸収ゴム板10はゴム板製止水シール15でもある。これらの鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンス1は、図2に示すように、複数個の鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンス1を一体的に接続して連接体1aに形成される。
この鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンス1の大きさを示すと、最大幅の底面2は560〜810mm、最小幅の上壁面3は150〜400mm、高さは830〜930mmであり、さらに底面2の中央部の凹溝2aの溝幅は80〜200mmである。この凹溝2aの溝幅は設置する上下路線用の左右の高架橋の路版11、11の間の間隙14の幅に依存し、これらの間隙14と同じかやや広めとする。さらに鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンス1の高さは、従来のコンクリートガードフェンスの高さと略同様の高さである上記の830〜930mmで、図1に示す例では、880mmである。この鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンス1は、上記したように複数個の鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンス1を長手方向に連設して連接体1aとして一体化して形成される。
この鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンス1を連設して形成した連接体1aでは、図1に示すように、鋼板鎧装体1bの最小幅の上壁面3の幅の中央部に下方へ凹んだ凹溝3aが長手方向に形成されている。この下方へ凹んだ凹溝3aには、鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンス1の1体の長さと同じ長さの下方は凹んだ溝形鋼7が嵌合されている。この溝形鋼7は例えば厚さ10mmの鋼板から形成されている。図2に見られるように、この溝形鋼7の嵌合は、溝形鋼7の一端側が上壁面3の凹溝3aから長手方向にはみ出し突出している。この突出した溝形鋼7の部分が隣接する鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンス1の上壁面3の凹溝3aに嵌合されて連接され、この連接を繰り返して長尺の連接体1aに形成されている。
図1におよび図2に示すように、この連接体1aを形成する鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンス1の上壁面3の凹溝3aに嵌合の溝形鋼7の上から内部の軽量気泡コンクリート体1cおよびその底面2までを貫通してPC鋼棒からなる長尺ボルト9が挿通されている。この長尺ボルト9はさらに底面2から下部のに突出て左右の路版12の間に挿通され、左右の路版12の下部に配設の振動吸収ゴム板11を介在して補強材である凹みを上に向けた溝形鋼13に挿通されている。この長尺ボルト9の上端は溝形鋼7にワッシャー9bとナット9aで係止され、一方、長尺ボルト9の下端はワッシャー13bを嵌め、さらにナット13aで張力を掛けて係止されている。この長尺ボルト9は1個の鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンス1に1mの等間隔で2本が配設されている。さらに、上部の溝形鋼7は隣接の溝形鋼7と構成の連結プレート8で接続される。この接続は、各溝形鋼7の両端部に連結ボルト8aを定着ナット8bでねじ締めした後、連結ボルト8aの先端を凹状の溝形鋼7に開口の孔の下から上方に突出させて溝形鋼7に溶接し、突き合わせた左右の溝形鋼7の端部に立設の左右の連結ボルト8aに連結プレート8の孔を挿通して連結し、さらに締付けナット8cで固定する。
本発明の他の実施の形態について説明する。上記の鋼板鎧装体1bの最小幅の上壁面3の幅の中央部の下方に凹んだ凹溝3aを形成し、この凹溝3に下方に凹んだ溝形鋼7を嵌合している鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンス1に代えて、図4に示すように、鋼板鎧装体1bの最小幅の上壁面3の長手方向の中央部の内壁面に上方へ凹んだ溝形鋼7を係止して有する鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンス1からなるものである。
さらに、図4に示すように、左右の路版12の側部に上方に突出する側端部12aを有する場合は、鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンス1の底面2の跨状に形成の凹溝2aに、これらの左右の路版12の側部から上方に突出する側端部が嵌合される。したがって、この鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンス1は自動車が側壁面4に衝突しても移動が抑制される。しかし、鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンス1は軽量であるので、これだけでは自動車が側方から衝突すると、その衝突荷重16に押され移動することとなる。そこで、この場合も、上記の実施の形態と同様に、PC鋼棒からなる長尺ボルト9を上部の溝形鋼7から路版12の下部の溝形鋼13まで挿通して張力を掛けて締めつける。したがって、図1に示すように、鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンス1に衝突荷重16が作用した時、鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンス1の一方の底面2から路版12に下向きの押圧力17が掛かることなり、路版12の抗力18が反作用として上向きに作用すると共に、路版12の下部の溝形鋼13からPC鋼棒の長尺ボルト9を引き抜こうとする上向きの引抜き力18aが主鉄筋20に作用する。その結果、従来の高欄壁への衝突時と反対の曲げモーメント19が左右の路版12へ矢印方向に作用する。したがって、衝突荷重16に抵抗する路版12に配設の主鉄筋20は、鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンス1の底面2が押す力の下側となり、かつ、衝突荷重は上下線の路版12が負担するため、上方に突出する側端部12aに掛かる負担が低減される。
上記の自動車の衝突により製品長2.0mの鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンス1が受ける衝突荷重16はSB種で58KNである。したがって、鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンス1が転倒する転倒モーメントは、鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンスの高さを1mとして、58KN×1.0mの58KN・mとなる。この場合、鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンス1において、(1)上壁面3の幅が400mm、底面幅が810mmのものではPC鋼棒の長尺ボルト9に掛かる引抜き力は71KNとなる。(2)上壁面3の幅が250mm、底面幅が660mmのものではPC鋼棒の長尺ボルト9に掛かる引抜き力は87KNとなる。(3)上壁面3の幅が150mm、底面幅が560mmのものではPC鋼棒の長尺ボルト9に掛かる引抜き力は103KNとなる。
本発明の鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンス1を上下路線の路版12の間隙14に設置する際、上下路線用の左右の高架橋の路版12の表面高さに段違いの差異がある場合は、高架橋の低い方の路版12の上面に載置する振動吸収ゴム板10の厚さをその分だけ厚いものとしたり、あるいは路版12の表面にコンクリートを打設して左右の路版12の高さを等しくしてから設置するものとする。
本発明の鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンス1を左右の高架橋の路版12に設置する場合には、先ず、図1に示すように、左右の路版12の上にアスファルト舗装21を施工し路面を完成してから、アスファルト舗装21上に鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンス1を設置する。このようにアスファルト舗装21を施工してからアスファルト舗装21上に本発明の鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンス1を設置すると、単に鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンス1を設置するだけでよいので工法が簡単となり、施工コストも低くなる。もちろん、図示しないが、鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンス1を左右の高架橋の路版12に設置してから、左右の路版12の上にアスファルト舗装21を施工し路面を完成することもできる。しかし、この場合は、先に高架橋の路版12の上に鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンス1を設置してからその両サイドの路版12上にアスファルト舗装21を施工するので、工期の時間が掛かり、このため施工コストも高くなる。
ところで、本発明の鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンス1は、予め工場で形状化した鋼板鎧装体1bを設置現場に搬送し、上記したように軽量気泡コンクリートをキャスティングして鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンス1とする他に、鋼板鎧装体1bを路版12に設置し、さらに溝形鋼7を鋼板鎧装体1bに配設した後、さらに上方からPC鋼棒の長尺ボルト9を溝形鋼7および鋼板鎧装体1bの内部を貫通して下部の溝形鋼13に挿通し、適宜その上部をワッシャー9bを嵌合してナット9aで係止し、下部の溝形鋼13を挿通し、適宜その下部をワッシャー13bを嵌合してナット13aで係止した上で、軽量気泡コンクリートを鋼板鎧装体1bの適宜位置に開口した孔から流し込んで軽量気泡コンクリート体1cに打設して鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンス1を形成することができる。もっとも設置現場で製造しないで、工場で予め鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンス1として形成し、これを設置現場に搬送することもできる。
本発明の高架橋の路版に載置した鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンスの端面図である。 本発明の鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンスの接続状態を説明する連接体の側面図である。 本発明の鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンスの連接体の接続を模式的に示す部分側面図である。 他の実施の形態の鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンスの端面図である。 従来の鋼鉄製ポールからなる鋼鉄製ガードフェンスの端面図である。 従来の高架橋に設けたプレキャストコンクリート製ガードフェンスの端面図である。
符号の説明
1 鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製のガードフェンス
1a 連接体
1b 鋼板鎧装体
1c 軽量気泡コンクリート
2 底面
2a 凹溝
3 上壁面
3a 凹溝
4 傾斜側壁面
4a 下部傾斜壁面
4b 上部傾斜壁面
5 端壁面
6 平面
7 溝形鋼
8 連結プレート
8a 連結ボルト
8b 定着ナット
8c 締付けナット
9 長尺ボルト
9a ナット
9b ワッシャー
10 振動吸収ゴム板
11 振動吸収ゴム板
12 路版
12a 側端部
13 溝形鋼
13a ナット
13b ワッシャー
14 間隙
15 ゴム板製止水シール
16 衝突荷重
17 押圧力
18 抗力
18a 引抜き力
19 曲げモーメント
20 主鉄筋
21 アスファルト舗装
22 鋼鉄製ポール
23 鋼鉄製ガードフェンス
24 プレキャストコンクリート製ガードフェンス
25 アンカーボルト
26 傾斜面

Claims (5)

  1. 長手方向の溝形鋼からなる補強材を幅方向の中央部に配設した最小幅の上壁面と、急峻な上部傾斜壁面と緩やかな下部傾斜壁面からなる左右の傾斜側壁面と、長手方向の前後の垂直端壁面とから鋼板鎧装体を形成し、該鋼板鎧装体の内部に軽量気泡コンクリート体を配設し、該軽量気泡コンクリート体の底面を最大幅とし、該底面の幅方向の中央部を長手方向に上方へ凹む凹溝を配設して鋼板鎧装軽量気泡コンクリートブロックに形成し、該鋼板鎧装軽量気泡コンクリートブロックを上下車線の路版間の間隙上に載置し、長手方向の溝形鋼からなる補強材を配設した鋼板鎧装体上壁面から内部の軽量気泡コンクリート体を貫通してPC鋼棒を配設し、該PC鋼棒の下端を上下車線の路版間の下面に配設の溝形鋼からなる補強リブに挿通固定して該鋼板鎧装軽量気泡コンクリートブロックを上下車線の路版に緊締し、かつ、鋼板鎧装軽量気泡コンクリートブロックの底面と上下車線の路版の間に振動吸収ゴムを配設していることを特徴とする自動車道路高架橋の上下車線の路版間の間隙上に跨状に連設の中央分離帯用の鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製ガードフェンス。
  2. 長手方向の溝形鋼からなる補強材を幅方向の中央部に配設した最小幅の上壁面は、長手方向に延びる幅方向の中央部に下方へ凹む凹溝を有し、該凹溝に下方へ凹んだ溝形鋼からなる補強材を嵌合して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の自動車道路高架橋の上下車線の路版間の間隙上に跨状に連設の中央分離帯用の鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製ガードフェンス。
  3. 長手方向の溝形鋼からなる補強材を幅方向の中央部に配設した最小幅の上壁面は、長手方向に延びる幅方向の中央部の上壁内面に上方へ凹んだ溝形鋼からなる補強材を配設して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の自動車道路高架橋の上下車線の路版間の間隙上に跨状に連設の中央分離帯用の鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製ガードフェンス。
  4. 鋼板鎧装軽量気泡コンクリートブロックの最小幅の上壁面の長手方向の幅方向の中央部に配設の溝形鋼からなる補強材は、隣接の鋼板鎧装軽量気泡コンクリートブロックの最小幅の上壁面の長手方向の幅方向の中央部に配設の溝形鋼からなる補強材に連結プレートにより連結されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の自動車道路高架橋の上下車線の路版間の間隙上に跨状に連設の中央分離帯用の鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製ガードフェンス。
  5. 鋼板鎧装軽量気泡コンクリートブロックは、最小幅の上壁面が150〜400mm、最大幅の底面が560〜810mm、高さが830〜930mm、かつ、長さが1950〜2050mmの大きさからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の自動車道路高架橋の上下車線の路版間の間隙上に跨状に連設の中央分離帯用の鋼板鎧装軽量気泡コンクリート製ガードフェンス。
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