JP2007276787A - 収納室付きキャップ - Google Patents

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Abstract

【課題】キャップの収納室を形成する薄肉シートを切断する際の引っ掛りによる使い勝手の悪さを改善する。
【解決手段】本発明は、容器10の口部11に装着され該容器10の内容物の注出経路113を有するベース110と、このベース110にねじ止めされその回動にて昇降移動可能な蓋体120とを備え、この蓋体120に、容器内の内容物に添加する原料Gを収納し薄肉シート123によって密閉保持される収納室124を設ける一方、ベース110に、注出経路113内に梁115を介して支持され容器10内に通じる通路113a,113bを有する環状部114aを設けると共に、この環状部114aの上端縁部に、1つの切っ先114eを有して環状部114aの周りに沿って環状部114aの上端縁部全体に亘って伸延する環状の傾斜刃114bを設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、容器内の内容物に添加する原料を収納する収納室を有するキャップに関するものである。
こうした収納室付きキャップには、容器の口部に装着され該容器内の内容物の注出経路を有するベースと、このベースを昇降移動可能な蓋体とを備え、この蓋体に、内容物に添加する原料を収納し薄肉シートによって密閉保持される収納室を設けると共に、前記ベースに、その注出経路内に配置され蓋体の押し込みに伴う下降により薄肉シートを突き破って収納室内の原料を容器内の内容物に落下させて添加する開封手段を設けたものがあるが、蓋体を必要以上に大きな力で押し込むと、薄肉シートを誤って押し破ってしまうという不都合が生じる。このため、蓋体をねじ止めにしてその回動にて昇降移動させると共に、開封手段がプレート状の平坦刃であるキャップが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
実開平5−77054号公報
しかしながら、上述した収納室付きキャップにあっては、その平坦刃が蓋体の回動に対して接線方向に向いているため、薄肉シートに引っ掛ってしまうことが考えられる。こうした場合、蓋体を比較的大きな力でねじ込まなければならないため、子供やお年寄り等には使い勝手が悪いという不都合が予想される。また、上述したキャップには、開封手段として複数の凹凸が環状に形成された環状のノコギリ刃を有するものも提案されているが、かかる構成によっても薄肉シートに対する引っ掛りを何ら解消することはできない。
本発明の解決すべき課題は、開封刃が薄肉シートを切り開く際に引っ掛るという使い勝手の悪さを改善することにある。
本発明は、容器の口部に装着され該容器内の内容物の注出経路を有するベースと、このベースにねじ止めされその回動にて昇降移動可能な蓋体とを備え、前記蓋体に、前記内容物に添加する原料を収納し薄肉シートによって密閉保持される収納室を設ける一方、前記ベースに、前記注出経路内に梁を介して支持され容器内に通じる通路を有する環状部を設けると共に、この環状部の上端縁部に、当該環状部の周りに沿って伸延し前記蓋体の回動に伴って前記薄肉シートを順次切り開いて前記収納室内の原料を容器内の内容物に落下させて添加する傾斜刃を設けたことを特徴とするものである。この場合、前記傾斜刃は1つの頂部を有して前記環状部の上端縁部全体に亘って設けた環状刃とすることができ、また、前記環状部の上端縁部に局所的に設けた1つの円弧刃とすることもできる。
また、本発明においては、前記収納室内の原料を容器内の内容物に確実に落下させるため、前記傾斜刃の領域に、前記薄肉シートを切り開きつつ該薄肉シートを押し縮めるリブを設けてもよい。
更に、本発明においては、前記ベースと前記蓋体との間に、この蓋体の下降を制限して取り外し可能なストッパを設けることが好ましい。
本発明は、前記環状部の周りに沿って伸延する傾斜刃を設けたから、蓋体の回動に伴うベースへの下降により、傾斜刃が薄肉シートを突き破ったのち、更に、蓋体の回動に伴い薄肉シートを回動方向に沿って順次切り開くことができるため、傾斜刃が薄肉シートに引っ掛ることがない。かかる構成によれば、蓋体を無理に回動させることなく、薄肉シートをスムースに切断することができるため、使い勝手がよくなるという優れた効果を奏する。
また、本発明にあっては、前記傾斜刃の領域に、前記薄肉シートを切り開きつつ該薄肉シートを押し縮めるリブを設けてもよい。この場合、薄肉シートが完全に分離されなくても、前記収納室内の原料を容器内の内容物に確実に落下させることができる。
更に、本発明にあっては、前記ベースと前記蓋体との間に、この蓋体の下降を制限して取り外し可能なストッパを設ければ、不使用時に蓋体を誤って下降させて薄肉シートを突き破ってしまうことがない。
図1は、本発明である収納室付きキャップの一形態を示す要部断面図であり、図2は、その具体的な作用を説明する要部断面図である。また、図3(a),(b)はそれぞれ、後述する傾斜刃114aを示す要部斜視図及びそれによる薄肉シートの切断状態を示す要部斜視図である。
図1,2において、符号100は、本発明の一形態である収納室付きキャップである。キャップ100は、ボトル型容器10の口部11に装着されるベース110と、このベース110にねじ止めされる蓋体120とを備える。この蓋体120は、ベース110を被うカバー121の裏面から垂下してその下端が開口する筒状部122と、この筒状部122の下端開口を封止する薄肉シート123とを有し、これら筒状部122と薄肉シート123との間に、粉状、粒状又は液状の原料Mを収納し薄肉シート123によって密閉保持される収納室124を形成する。
ベース110は、容器口部11の外側に凹凸嵌合する外筒111と、この外筒111に繋がり容器口部11の内側に嵌合する内筒112とを有する。内筒112は、容器口部11から突き出た部分に雄ねじ部112sを有し、この雄ねじ部112sに、蓋体120のカバー121に設けた雌ねじ部121sにより蓋体120がねじ止めされる。また、内筒112は、その内壁112wにて蓋体120の筒状部122を摺動可能に保持すると共に、この内側に、容器10内に充填した内容物の注出経路113を形成する。
注出経路113内には、複数の梁115(図3(a)参照。)を介して支持される環状部114aが設けられており、この環状部114aの上端縁部114a(e)に、図1及び図3(a)に示す如く、1つの切っ先(頂部)114eを中心として環状部114aの周りに沿って末広がりに伸延する傾斜刃114bが設けられている。この傾斜刃114bは、環状部114aの上端縁部114a(e)全体に亘って刃物となる環状刃をなしている。このため、環状刃114bは、環状部114aの上端縁部114a(e)を斜めに切断して環状に傾斜した袈裟切り形状の傾斜刃とも言う事ができる。更に、環状部114aは、その内部に、図3(a)に示す如く、容器10内に通じて注出経路113の一部をなす通路113aを有し、更に、複数の梁115(図3参照。)との間に注出経路113の一部をなす通路113bを有する。
加えて、本形態において、蓋体120のカバー121には、図1に示す如く、蓋体120の回動に伴う下降を制限して取り外しが可能なストッパ125が一体に設けられている。このストッパ125は、蓋体120を下降させる際にカバー121から毟り取られてベース110に対する蓋体120の回動を可能にする。
ここで、本形態の作用を説明する。
先ず、利用者は、図1の矢印に示す如く、蓋体120からストッパ125を蓋体120周りに毟り取る。すると、蓋体120のカバー121とベース110の外筒111との相互間に隙間が形成されるため、利用者は、図2の矢印に示す如く、蓋体120をベース110に対して時計回り又は反時計周りに回動させ、この蓋体120をベース110内にねじ込むことができる。この蓋体120の回動に伴う下降により、環状刃114bの切っ先114eが、図3(b)に示す矢印D1の方向から薄肉シート123を突き破ったのち、更に、蓋体120の回動に伴い薄肉シート123を図3(b)に示す矢印D2の方向に沿って環状に順次切り開く。これにより、薄肉シート123が図2に示す如く切断されて収納室124を開放し、この収納室124内に充填した原料Mは、注出経路113から通路113a,113bを経て容器10内に落下して該容器10内の内容物に添加される。内容物を注出する場合は、蓋体120を逆向きに回動させてベース110から取り外せば、容器10内で原料Mが添加された内容物を注出できる。
即ち、本形態にあっては、環状部114aの周りに沿って伸延する環状刃114bを設けたから、蓋体120の回動に伴うベース110への下降により、環状刃114bの切っ先114eが薄肉シート123を突き破ったのち、更に、環状刃114bが薄肉シート123を回動方向に沿って環状に順次切り開くことができるため、環状刃114bが薄肉シート123に引っ掛ることがない。かかる構成によれば、蓋体120を無理に回動させることなく、薄肉シート123をスムースに切断することができるため、使い勝手がよくなるという優れた効果を奏する。
また、本形態において、環状刃114bは、図1,2に示す如く、環状刃114b内にて容器10内に通じる通路113aに向かってのみ傾斜する片刃で構成されている。かかる構成によれば、蓋体120の筒状部内壁122wと傾斜刃114bとの相互間で、薄肉シート123が延び難く、突き破りやすくなる。
更に、本形態にあっては、蓋体120のカバー121と一体に、この蓋体120の下降を制限して該カバー121から分離可能なストッパ125を設けたことにより、不使用時に蓋体120を誤って下降させて薄肉シート123を突き破ってしまうことがない。なお、ストッパ125は、ベース110と蓋体120との間で、蓋体120の下降を制限して取り外しできるものであれば、ベース110と共に、又は、ベース110に一体に成形することができる。更に、ストッパ125をC字形とすることにより、ベース110又は蓋体120に一体に成形されることなく、ベース110と蓋体120との間を脱着できるようにしてもよい。
図4(a)は、本発明に採用される傾斜刃の他の形態を示す要部斜視図である。なお、本形態におけるキャップの構造は、図1,2と同様のものとし、本形態の説明において図1〜3と同一部分は同一符号をもって、その説明を省略する。
本形態のキャップも、注出経路113内に梁115を介して支持される環状部114aの上端縁部114a(e)に、当該環状部114aの周りに沿って末広がり的に伸延する傾斜刃114cを設けたものであるが、この傾斜刃114cは、1つの切っ先114eを中心に両側から環状部114aの上端縁部114a(e)に局所的に設けた1つの円弧刃をなしている。このため、円弧刃114cは、環状部114aの上端縁部114a(e)を局所的に突出させた山形状の傾斜刃とも言う事ができる。
かかる構成によれば、環状部114aの周りに沿って伸延する円弧刃114cを設けたから、蓋体120の回動に伴うベース110への下降により、円弧刃114cの切っ先114eが薄肉シート123を突き破ったのち、更に、円弧刃114cが薄肉シート123を回動方向に沿って環状に順次切り開くことができるため、円弧刃114cが薄肉シート123に引っ掛ることがない。かかる構成によっても、蓋体120を無理に回動させることなく、薄肉シート123をスムースに切断することができるため、使い勝手がよくなるという優れた効果を奏する。
更に、本形態にあっては、図4(a)の斜線領域に示す如く、円弧刃114cの領域Aに、薄肉シート123を切り開きつつ該薄肉シート123を押し縮めるリブ116が設けられている。この場合、蓋体120の回動量が少ない等により薄肉シート123が円弧刃114cによって完全に分離されなくても、図4(b)に示す如く、リブ116の表面116fが広く押し開いた切り口Cから収納室124内の原料Mを容器10内の内容物に確実に落下させることができる。
特に、リブ116の配置は円弧刃114cの領域Aにあれば、環状部114aの周方向に対しては特に限定されないが、図4(a)に示す如く、切っ先114eの真下に整列させることが好ましい。この場合、円弧刃114cによって切れた薄肉シート123を効率的に押し縮めることができるため、切り口Cの幅を広く形成することができる。
図5(a)は、図1〜3に示す形態にリブ116を採用した状態を示す要部斜視図である。かかる構成では、環状刃114bが環状部114aの上端縁部114a(e)の全体に亘って設けられているため、リブ116の配置は環状部114aの周方向に対しては特に限定されないが、図4(a)の場合と同様、図5(a)の斜線領域に示す如く、環状刃114bの領域Aに、切っ先114eの真下に整列させることが好ましい。この場合も、環状刃114bによって切れた薄肉シート123を効率的に押し縮めることができるため、切り口Cの幅を広く形成することができる。
なお、図4(a),図5(a)において、薄肉シート123が接触するリブ116の表面116fは、図4(a),図5(a)に示す如くの平坦面に限らず、図5(b)の拡大斜視図に示す如く、エッジの存在しない湾曲面にすれば、薄肉シート123から大きな抵抗を受けることなく円弧刃114cによって切れた薄肉シート123を押し縮めることができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、当業者によれば、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。例えば、ベース110は、外筒111の内側に設けた凸部111pが容器口部11の外側に設けた凹部11nに凹凸嵌合するものであるが、容器口部11の外側に雄ねじ部を設け、この雄ねじ部に、ベース111の外筒111内側に設けた雌ねじ部を脱着可能にねじ止めしてもよい。また、容器10は、ボトル型容器に限らず様々な形状の容器を採用することができる。更に、各形態の要素をそれぞれ組み合わせてもよい。
本発明である収納室付きキャップの一形態を示す要部断面図である。 同形態の具体的な作用を説明する要部断面図である。 (a),(b)はそれぞれ、本発明に係る傾斜刃を示す要部斜視図及びそれによる切断状態を示す要部斜視図である。 (a),(b)はそれぞれ、本発明に係る傾斜刃の他の形態を示す要部斜視図及びそれによる切断状態を示す要部上面図である。 (a),(b)はそれぞれ、本発明に係る傾斜刃の更に他の形態を示す要部斜視図及び本発明に係る傾斜刃に設けたリブの他の形態を示す要部斜視図である。
符号の説明
10 ボトル型容器
11 容器口部
100 収納室付きキャップ
110 ベース
111 外筒
112 内筒
112s 雄ねじ部
113 注出経路
113a,113b 通路
114a 環状部
114b 傾斜刃(環状刃)
114c 傾斜刃(円弧刃)
114e 切っ先(頂部)
115 梁
116 リブ
120 蓋体
121 カバー
121s 雌ねじ部
122 筒状部
123 薄肉シート
124 収納室
125 ストッパ

Claims (5)

  1. 容器の口部に装着され該容器内の内容物の注出経路を有するベースと、このベースにねじ止めされその回動にて昇降移動可能な蓋体とを備え、
    前記蓋体に、前記内容物に添加する原料を収納し薄肉シートによって密閉保持される収納室を設ける一方、
    前記ベースに、前記注出経路内に梁を介して支持され容器内に通じる通路を有する環状部を設けると共に、この環状部の上端縁部に、当該環状部の周りに沿って伸延し前記蓋体の回動に伴って前記薄肉シートを順次切り開いて前記収納室内の原料を容器内の内容物に落下させて添加する傾斜刃を設けたことを特徴とする収納室付きキャップ。
  2. 前記傾斜刃は、1つの頂部を有して前記環状部の上端縁部全体に亘って設けた環状刃であることを特徴とする請求項1に記載の収納室付きキャップ。
  3. 前記傾斜刃は、前記環状部の上端縁部に局所的に設けた1つの円弧刃であることを特徴とする請求項1に記載の収納室付きキャップ。
  4. 前記傾斜刃の領域に、前記薄肉シートを切り開きつつ該薄肉シートを押し縮めるリブを設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の収納室付きキャップ。
  5. 前記ベースと前記蓋体との間に、この蓋体の下降を制限して取り外し可能なストッパを設けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の収納室付きキャップ。
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