JP4514621B2 - 二剤混合容器 - Google Patents

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Description

本発明は、二剤混合容器に関するものであり、該容器の効率的な組立てが行なえ、二剤を混合するに際して容器の長さが変動することのない使い勝手の良い容器を提案しようとするものである。
上下に形成された収納部に種類の異なる内容物をそれぞれ入れておき、使用時に収納部の一方を回転させることで各収納部を開通させて両内容物を混合する二剤混合容器は、毛染め液などの反応性の液体を入れたものに用いられているが、近年、お茶など飲料分野への用途の拡大が図られており、その需要は今後益々増大する傾向にある(例えば、特許文献1参照)。
実用新案登録第2568989号明細書
ところで、従来の二剤混合容器は、部品点数が多く効率的な組立てができないことから製造コストの上昇が避けられない不具合があり、しかも、中栓を取り外す収納部の回転操作に伴って容器の長さ(全高)が変動(長くなったり短くなったりする)するため使い勝手が良いとは言えないのが現状であった。
また、この種の容器は、商品の流通段階での不正な開封を目視でもって確認できるように、バージンリングを備えたものが存在する(特許文献2参照)が、容器の開封に際して該バージンリングは容器から完全に切り離された分離ごみとして別途、廃棄処理されており、同一種類の素材を回収して資源の再利用を図る観点からも好ましくない。
特開2002−326671号公報
本発明の課題は、パーツ数の削減によって構造を簡素化するとともに効率的な組立てが行なえ、しかも、中栓を取り外すときに容器の長さが変動したり、容器の開封時に分離ごみが生じることのない新規な二剤混合容器を提案するところにある。
本発明は、内容物を注出する注出口を有し、底部を開口として該開口と注出口の相互間に内容物の収納空間を形成する上収納部と、この上収納部の開口につながる口部を有し、その口部と底壁との相互間において内容物の収納空間を別途に形成する下収納部とを備え、上収納部の内容物を開口を通して下収納部の収納空間に落下させることによって二剤の内容物を混合する容器であって、
前記上収納部の開口に、回動不能でかつ、取り外し可能に嵌合保持され該開口を密封状態に維持する中栓を設け、
前記上収納部と下収納部とを、一端が該下収納部の口部に回転不能に連係し、他端が上収納部の外側において下収納部とともに相対回転可能に保持される中間筒体にて連結してなり、
前記中栓に、上収納部の外壁を取り囲む筒体を形成しその筒体の外側にねじ部を設け、
前記中間筒体の内壁に、該中栓のねじ部に係合し、上収納部若しくは中間筒体を含めた下収納部の回転にて該中栓を上収納部の開口より押し出して下収納部の収納空間へ脱落させるねじ部を設け
前記中栓の底板背面に、間隔を開けて設けられ、容器の組み込みラインに備えられた取り付け冶具に適合するとともに、該中栓を保持して前記上収納部の開口への組み付けを容易にする係止片を設けた、ことを特徴とする二剤混合容器である。
また、上記の構成になる容器においては、前記上収納部又は中間筒体の何れか一方でそれらの対向する壁面の間に、それらの相対的な回転を防止する廻り止め用のリブ又は溝を形成し、前記上収納部又は中間筒体のもう一方には、前記リブ又は溝に係合する溝又はリブを有するバージンリングを一体的に設けることができる。
下収納部につながる中間筒体は上収納部の外側において相対回転可能に保持され、その内側に設けたねじ部が中栓のねじ部に係合した構造になっていることから、上収納部若しくは該中間筒体を含めた下収納部の何れか一方を回転させるだけで上収納部の開口に装着された中栓は下収納部へと落下する。
中栓を脱落させるに当たって中間筒体は上収納部の周りを回るだけなので容器の長さが変動することはない。
また、中栓の底板背面には、取り付け冶具に適合、保持される係止片が設けられているため、上収納部の開口への中栓の組み付けを容易に行なうことができる。
バージンリングは一体形成された上収納部あるいは中間筒体の何れか一方から破断された後は廻り止め用のリブ又は溝に案内されて上又は下方向へ移動し、もう一方においてアンダーカット等により係留されており容器の開封時に該バージンリングが分離ごみとなることはない。
以下、図面を用いて本発明をより具体的に説明する。
図1は本発明にしたがう二剤混合容器の実施の形態を容器の全体について示した図であり、図2は図1の要部拡大図、図3は要部の外観斜視図である。
図において1は上収納部である。上収納部1は内容物を注出する注出口1aを有し、底部を開口1bとして該開口1bと注出口1aの相互間に内容物の収納空間Mを形成し、その外周壁の下端域にはその周りに沿い間隔を開けて配置された縦リブ(又は縦溝)1cが設けられている。
2は注出口1aにおいてねじ止めされるキャップ、3は上収納部1の下側に配置される下収納部である。この下収納部3は上収納部1の開口1bにつながる口部3aを有し、底壁3bとの相互間において内容物の収納空間Mを別途に形成する。
4は中間筒体である。この中間筒体4は、外壁4aと、この外壁4aにその略中間部から一体連結してその相互間に下向きに開放された溝部4bを形成し内側面においてねじ部Sを有する内壁4cからなっており、その溝部4bで下収納部3の口部3aに回転不能に連係しているが、上収納部1の外側で下収納部3とともに相対回転可能に保持されている。
また、5は中間筒体4の上端部内側に周方向に沿って一体的に設けられた突起(連続又は断続する突条でもよい)、6は上収納部1の外壁に周方向に沿って一体的に設けられた突起(連続又は断続する突条でもよい)である。この突起5、6によって上収納部1と中間筒体4が相互に抜け止め保持される。
上収納部1の外壁に形成された突起6の下方には、環状のシール突条6aを形成しその端部を中間筒体4の内壁に圧接させており、環状のシール突条6aはその位置関係を逆として中間筒体4の内壁に形成することもできるし、複数条形成するようにしてもよい。
また、7は下収納部3の口部3aの外側において周方向に沿い一体的に設けられた突起(連続又は断続する突条でもよい)、8は中間筒体4の溝部4b内に周方向に沿い一体的に設けられた突起(連続又は断続する突条でもよい)である。この突起7、8によって中間筒体4と下収納部3が相互に抜け止め保持される。
9は下収納部3の口部3aの外側において一体的に設けられた縦リブ、10は中間筒体4の溝部4b(外壁4aの内面)内に一体的に設けられ、該縦リブ9を収める溝部である。中間筒体4と下収納部3は縦リブ9、溝部10によって回転不能に連係される。この縦リブ9は中間筒体4に設けることもでき、その場合、溝部10は下収納部3に設けられる。
11は上収納部1の開口1aを密封保持する中栓である。この中栓11は図3にわかりやすく図解して示すように、中間筒体4のねじ部Sに係合するねじ部Sを有する外筒体11aと、この外筒体11aの内側に間隔をおいて配置される内筒体11bと、これらと一体になる底板11cからなり、外筒体11aの内壁面にはその周りに沿って複数本の縦溝11dが設けられている。
中栓11は外筒体11aと内筒体11bの相互間に形成される隙間で溝部を形成して上収納部1の突端に取り外し可能に嵌合保持され、該開口1aを密封状態に維持する。
中栓11が上収納部1の開口1aに嵌合保持された状態で縦溝11dには上収納部1の外周壁に設けられた縦リブ1cが適合していて、上収納部1に対して回転不能になっている(上収納部1の外周壁に縦溝を設け、外筒体11aの内壁面には縦リブを設けるようにしてもよい)。
また、12は中栓11の背面(下面)に間隔を開けて設けられた係止片である。この係止片12は、容器の組み込みラインに備えられる取り付け治具(図示せず)に適合して該中栓11を保持する際に使用するもので、この係止片12によって上収納部1の開口1bへの中栓11の効率的な組付けが行なわれる。
上収納部1を回転させるか、あるいは下収納部3を中間筒体4とともに回転させると、ねじ部S、Sによって中栓11には開口1bから押し出されるようにスライドしていき、ねじによる係合状態が解除されたとき該中栓11は開口1bから下収納部3の収納空間Mへと落下する。
図4〜図7は本発明にしたがう二剤混合容器の他の実施の形態を示したものであり、図における13はバージンリングである。このバージンリング13は先端方向内壁に上収納部1の外周壁に設けた縦リブ1dに適合する溝部13aを有している。また、14はバージンリング13と中間筒体4とを破断可能に一体連結する結合片、15は中間筒体4の上端に一体的に設けられた傾斜付き凸部、16はバージンリング13の下端に一体的に設けられ該傾斜付き凸部15に適合する傾斜付き凹部である。
この二剤混合容器は、開封前の状態を図6に示す如く、バージンリング13と中間筒体4は結合片14を介してつながり、溝部13aが縦リブ1dに適合することで廻り止めされており、容器の開封前においては上収納部1と中間筒体(下収納部3を含む)4の相対的な回転は防止される。
一方、容器内の内容物を混合して使用に供するには、まず、中間筒体4を回転させて中間筒体4の傾斜付き凸部15の傾斜面にバージンリング13の傾斜付き凹部16の傾斜面を沿わせて移動させる。そうすると、図7に示すように、バージンリング13は中間筒体4から切り離されたのち、前記縦リブ1dに案内されて上方へと移動し、その行き止まり端で図8に示す如く溝部13aの基底面及び縦リブ1dの頂面に形成された小突起p、p′にてアンダーカット嵌合して上収納部1に係留されることとなり、これによりバージンリング13が分離ごみとなることはない。
上記の例では、バージンリング13を中間筒体4に結合片14を介してつないだ場合について示したが、該バージンリング13は上収納部1に切り離し可能につないでおくことも当然可能であり、この場合、上記縦リブ1dと溝部13aはその配置関係が逆転して設けられることとなり、その動きも上方への移動から下方への移動となる。バージンリング13と中間筒体4の連結、あるいはバージンリング13と上収納部1との連結は結合片14によるものには限られず、破断可能であれば薄肉部として一体形成してもよいのは言うまでもない。また、上記の例では、縦リブ1dを溝部13aに適合させる場合について示したが、縦リブ1dを間隔を開けて2つ設け、バージンリング13の内壁に該縦リブ1dの相互間に位置する縦リブを設けてもよく、この場合、アンダーカット係合にて係留する小突起は縦リブの側面に設けられる。縦リブ1d及び溝部13aは上収納部1、バージンリング13の周りに沿って少なくとも1つ設けることができるもので、設置個数はとくに限定されない。
容器の効率的な組立てが行なえ、二剤を混合する際に容器の長さに変動することがなく、加えて中栓に係止片を形成することでその取り付けも容易に行なうことが可能であり、しかも分離ごみが生じることのない二剤混合容器が提供できる。
本発明にしたがう二剤混合容器の実施の形態を示した図である。 図1に示した容器の要部拡大図である。 図1に示した容器の要部の外観斜視図である。 本発明にしたがう二剤混合容器の他の実施の形態を示した図である。 図4に示した容器の要部拡大図である。 図4に示した容器の開封前におけるバージンリングの側面を示した図である。 図4に示した容器の開封後におけるバージンリングの係留状態を示した図である。 バージンリングの係留状態の断面を示した図である。
符号の説明
1 上収納部
1a 注出口
1b 開口
1c 縦リブ
1d 縦リブ
2 キャップ
3 下収納部
3a 口部
3b 底壁
4 中間筒体
4a 外壁
4b 溝部
4c 内壁
5 突起
6 突起
6a 環状のシール突条
7 突起
8 突起
9 縦リブ
10 溝部
11 中栓
11a 外筒体
11b 内筒体
11c 底板
11d 縦溝
11e 係止片
12 係止片
13 バージンリング
13a 溝部
14 結合片
15 傾斜付き凸部
16 傾斜付き凹部

Claims (2)

  1. 内容物を注出する注出口を有し、底部を開口として該開口と注出口の相互間に内容物の収納空間を形成する上収納部と、この上収納部の開口につながる口部を有し、その口部と底壁との相互間において内容物の収納空間を別途に形成する下収納部とを備え、上収納部の内容物を開口を通して下収納部の収納空間に落下させることによって内容物を混合する容器であって、
    前記上収納部の開口に、回動不能でかつ、取り外し可能に嵌合保持され該開口を密封状態に維持する中栓を設け、
    前記上収納部と下収納部とを、一端が該下収納部の口部に回転不能に連係し、他端が上収納部の外側において下収納部とともに相対回転可能に保持される中間筒体にて連結してなり、
    前記中栓に、上収納部の外壁を取り囲む筒体を形成しその筒体の外側にねじ部を設け、
    前記中間筒体の内壁に、該中栓のねじ部に係合し、上収納部若しくは中間筒体を含めた下収納部の回転にて該中栓を上収納部の開口より押し出して下収納部の収納空間へ脱落させるねじ部を設け
    前記中栓の底板背面に、間隔を開けて設けられ、容器の組み込みラインに備えられた取り付け冶具に適合するとともに、該中栓を保持して前記上収納部の開口への組み付けを容易にする係止片を設けた、ことを特徴とする二剤混合容器。
  2. 前記上収納部又は中間筒体の何れか一方でそれらの対向する壁面の間に、それらの相対的な回転を防止する廻り止め用のリブ又は溝を形成し、前記上収納部又は中間筒体のもう一方には、前記リブ又は溝に係合する溝又はリブを有するバージンリングを一体的に設ける、請求項1記載の二剤混合容器。
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