JP5364470B2 - 詰め替え容器 - Google Patents

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本発明は、詰め替え容器に関するものである。
近年では、容器内の内容物を使い切った後に、その空容器(以下、被詰め替え容器という)内に詰め替え容器から内容物を移し替え、被詰め替え容器を廃棄せずに引き続き使用する需要者が増えている。従来の詰め替え容器では、詰め替え容器内の内容物を被詰め替え容器の口部から注ぎ入れることで、内容物の詰め替えを行っていたが、この詰め替え時に、内容物が被詰め替え容器の外側にこぼれ落ちたり、また、詰め替え作業に時間を要することで内容物が空気と接触し、例えば内容物の香りが逸散したり、或いは内容物が吸湿したりする等の問題が指摘されていた。
このような問題を解決するための手段として、例えば下記特許文献1に示されるような、詰め替え容器の口部を、注出口を有する先端に向かって漸次細くなる錘状に形成し、且つ詰め替え容器の口部の外周面に複数の縦凸リブを形成した詰め替え容器の構造が提案されている。
特開平8−119306号公報
しかしながら、前記従来の詰め替え容器では、詰め替えに際し、注出口を開放した状態で、被詰め替え容器の口部に対して位置合わせしていたので、詰め替え容器内の内容物が注出口から被詰め替え容器の外に流出する場合があった。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、詰め替え時に注出口と被詰め替え容器の口部との位置がずれて、容器本体内の内容物が被詰め替え容器の外にこぼれ落ちるのを防ぐことができる詰め替え容器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る詰め替え容器では、内容物が収容される容器本体と、該容器本体の口部に装着されるとともに注出口を有する注出キャップと、が備えられ、前記注出キャップ内には、注出口と容器本体内との連通を遮断する破断可能なシール材が張設されるとともに、前記注出キャップの内部において、このシール材と注出口との間に位置する部分には、該シール材に向けて前進移動可能に形成された刃部を有する切断部材が配設され、前記注出キャップの内部において、前記切断部材と注出口との間に位置する部材は、前記容器本体内の内容物が詰め替えられる被詰め替え容器の口部が装着される被装着部とされ、その装着時に、前記被詰め替え容器の口部が前記切断部材を前記シール材側に向けて押し込んで、前記刃部がシール材を破断する構成とされ、前記切断部材は、ヒンジ部を介して前記注出キャップの内側に接続されるとともに、前記刃部が前記シール材に向けて前進するように、前記ヒンジ部を中心に回動自在に配設されていることを特徴としている。
このような特徴により、詰め替えに際し、被詰め替え容器の口部を注出キャップ内に注出口から挿入して前記被装着部に装着したときに、被詰め替え容器の口部によって切断部材がシール材側に向けて押し込まれる。そして、切断部材の刃部によってシール材が破断し、注出口と容器本体内とが連通し、容器本体に収容されている内容物が注出口から被詰め替え容器の内側に流れ込み、詰め替え容器内の内容物が被詰め替え容器に詰め替えられる。
このように、本詰め替え容器では、詰め替えの過程で、注出キャップの被装着部に被詰め替え容器の口部を装着する時点では、シール材が未開封の状態で注出口と容器本体内との連通が遮断されており、被装着部への被詰め替え容器の口部の装着が完了した時点ではシール材が切断部材により破断されて、注出口と容器本体内とが連通することになる。したがって、詰め替え時に注出口と被詰め替え容器の口部との位置がずれて、容器本体内の内容物が被詰め替え容器の外にこぼれ落ちるのを防ぐことができる。
また、前記切断部材が複数設けられ、そのうちの1つの前記刃部が前記シール材の中心上に位置し、残りの刃部が前記シール材の中心から離れて位置することが好ましい。
この場合、シール材の中心上に位置する刃部を有する切断部材によりシール材の中心部分を破断させ、シール材の中心から離れて位置する残りの切断部材の刃部によって破断されていないシール材の残りの部分を補助的に破断させることで、確実且つ効果的にシール材を破断させることが可能となり、これにより詰め替え時の注出口の開放面積を広げることができる。したがって、容器本体に収容される内容物が注出口から被詰め替え容器の内側により効率よく流れ込み、詰め替え容器内の内容物が被詰め替え容器に詰め替えられる。
また、前記容器本体内には、前記シール材の破断時に外部から空気が流入可能なパイプが設けられていることがより好ましい。
この場合、詰め替え容器の被装着部を被詰め替え容器の口部に装着する際、シール材が破断したときに、詰め替え容器のパイプが容器本体内と被詰め替え容器内とを連通する空気通路となり、この空気通路によって被詰め替え容器内の空気と容器本体に収容されている内容物との置換がスムーズに行え、効率よく詰め替え容器内の内容物を被詰め替え容器内に移し替えることができる。
本発明の詰め替え容器によれば、詰め替えの過程で、被装着部への被詰め替え容器の口部の装着が完了した時点でシール材が切断部材により破断されて、注出口と容器本体内とが連通することになるため、詰め替え時に注出口と被詰め替え容器の口部との位置がずれて、容器本体内の内容物が被詰め替え容器の外にこぼれ落ちるのを防ぐことができる。
本発明の実施の形態による詰め替え容器の半縦断面図である。 図1に示す詰め替え容器の注出キャップの半縦断面図である。 図2に示す切断部材をシール材側から見た図である。 図3に示すA−A線断面図である。 詰め替え過程の状態を示す部分縦断面図であって、シール材を破断する前の状態を示す図である。 詰め替え過程の状態を示す部分縦断面図であって、シール材を破断した後の状態を示す図である。 本実施の形態の変形例による詰め替え容器の構成を示す部分縦断面図であって、図5に対応する図である。
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態について説明する。
本実施形態に係る詰め替え容器1は、図1および図2に示されるように、内容物が収容される容器本体20と、容器本体20の口部20aに装着されるとともに注出口11を有する注出キャップ10とを備え、注出キャップ10内には、注出口11と容器本体20内との連通を遮断する破断可能なシール材12が張設されるとともに、このシール材12と注出口11との間には、シール材12に向けて前進移動可能に形成された刃部13を有する切断部材30が配設されている。
そして、注出キャップ10の内部において、切断部材30と注出口11との間に位置する部材は、容器本体20内の内容物が詰め替えられる図5に示す被詰め替え容器2の口部21が装着される被装着部15とされ、その装着時に、被詰め替え容器2の口部21が切断部材30をシール材12側に向けて押し込んで、刃部13がシール材12を破断するようになっている。
ここで、注出キャップ10、容器本体20それぞれの中心軸は共通軸上に位置している。以下、この共通軸を中心軸Oといい、中心軸O方向に沿って注出キャップ10側を上側、容器本体20の底部20b側を下側といい、また中心軸Oに直交する方向を径方向といい、さらに中心軸Oを中心に周回する方向を周方向という。
容器本体20内には、シール材12の破断時に外部から空気が流入可能なパイプ3が設けられている。このパイプ3は、口部20aの上端開口縁上に配置された係止台4に保持されている。パイプ3の下端3bは、容器本体20の底部20b近傍に位置している。
図2に示すように、係止台4は、パイプ3の上端部3aが嵌合された大筒体41と、この大筒体41の上端から上方に向けて突設されるとともに内部が装着したパイプ3内に連通する小筒体42と、大筒体41から径方向外側に向けて突設されて上記口部20aの上端開口縁上に配置された係止部43とからなる。小筒体42は、外径寸法が大筒部41の外径寸法よりも小さく、係止部43が口部20aの上端開口縁上に配置された状態において径方向で口部20aの上端開口縁寄りに位置している。
注出キャップ10は、周壁部16と、周壁部16の上端開口部を閉塞する蓋17と、周壁部16を径方向の外側から囲う外筒18とを備えている。
周壁部16は、容器本体20の口部20aの外周側に螺着可能な雌ねじを有する下部筒部16aと、下部筒部16aに上方に向けて延設され前記被装着部15を有する上部筒部16bと、下部筒部16aと上部筒部16bとの間に配設されるとともにこれらの下部筒部16aおよび上部筒部16bの各内径よりも小径の内周面を有する支持凸部19とを備えている。この支持凸部19は、下面19aが係止台4の係止部43に当接し、上面19bにはシール材12を下面に張設させた後述する外周リング5が配置されている。
周壁部16の上端に取り付けられる蓋17は、周壁部16内に配置された蓋天面17aと、蓋天面17aの外周縁に連設されて周壁部16の上端部を径方向の外側および内側から挟み込む蓋周縁部17bとを備えている。この蓋17は、蓋周縁部17bを持ち上げることで周壁部16から取り外すことができる。
外筒18は、この上端18aが周壁部16の外周面から径方向に突出する連結片18bに連結されており、詰め替え容器1の注出口11と被詰め替え容器2の口部21とを装着する詰め替え時に、手で持ちやすくした把持部をなしている。
切断部材30は、図3および図4に示すように、周壁部16(図2参照)内に嵌合されたリング部材5の内周面5aにヒンジ部31を介して接続されている。切断部材30は、上面視径方向に長い長方形状に形成された板状体32を有している。板状体32の長手方向中央部には、上方に向けて凸の曲面部32aが備えられている。
なお、本実施形態ではリング部材5の周方向に所定ピッチで3つ(切断部材30A、30B、30C)が設けられている。
板状体32は、図2および図4に示すように、ヒンジ部31から径方向の内側に向かうに従い漸次上方に延びる第1傾斜部32bと、第1傾斜部32bの上端に連設された前記曲面部32aと、曲面部32aから径方向の内側に向かうに従い漸次下方に延びる第2傾斜部32cとを備えている。第2傾斜部32cの下端縁部に刃部13が形成されている。さらに、板状体32の下面には、その幅方向中央部に径方向に延びる中央リブ33が設けられている。第1傾斜部32bは、後述する詰め替え時において図5に示す被詰め替え容器2の口部21によって下向きに押圧される部位をなしている。
リング部材5には、下端部にこのリング形状に沿う平面視円形のシール材12が固着された状態で張設されている。このときの刃部13は、シール材12の上面12aに対して上下方向で接しない適宜な間隔をもって対向する位置に配置されている。そして、図2に示すように、シール材12は、リング部材5が周壁部16内に嵌合した状態で、支持凸部19の上面19bとリング部材5とによって挟持され、この状態において容器本体20内とシール材12の上面12a側の注出口11とがシール材12によって隔離されている。
ここで、図3に示すように、3つの切断部材30のうちの1つ(ここでは第1切断部材30Aとする)の刃部13Aがシール材12の中心上に位置し、他の2つの第2切断部材30Bおよび第3切断部材30Cの刃部13B、13Cがシール材12の中心から離れて位置している。
すなわち、切断部材30は、ヒンジ部31を中心にしてシール材12に向けて下方に回動することで、刃部13によってシール材12を破断させ、これにより注出口11と容器本体20内とを連通させて注出口11を開放する構成となっている。
次に、上述した構成からなる詰め替え容器1の作用について、図面に基づいて説明する。
図5および図6に示すように、詰め替えに際し、先ず図2に示す蓋17を注出口11から取り外し、その後、被詰め替え容器2の口部21を注出キャップ10内に注出口11から挿入して前記被装着部15に装着したときに、被詰め替え容器2の口部21によって切断部材30(30A、30B、30C)のそれぞれがシール材12側に向けて押し込まれる。
具体的には、被詰め替え容器2の口部21の上端21aが切断部材30の第1傾斜部32bに当接しさらにシート材12側に向けて相対的に移動するので、切断部材30はヒンジ部31を中心にしてシート材12側に向けて回動し、切断部材30の刃部13によってシート材12が破断することになる。
この時、詰め替え容器1の上方に被詰め替え容器2を配置し、この位置関係のまま被詰め替え容器を詰め替え容器1に向かって下降させて前記シート材12を破断した後に、前記位置関係を倒立させて、内容物を詰替えるとよいが、図5に示すように、被詰め替え容器2の上方から詰め替え容器1を下降させて内容物を詰め替えても良い。
また、本実施形態では、切断部材30が複数設けられ、そのうちの1つ(図3では第1切断部材30A)の刃部13の位置が前記シール材12の中心を通る軸線上に位置しているので、その第1切断部材30Aによって、シール材12の中心を破断させ、他の第2切断部材30B、第3切断部材30Cによって破断されていないシール材12の残りの部分を補助的に破断させることで、確実且つ効果的にシール材12を破断させることが可能となり、これにより詰め替え時の注出口11の開放面積を広げることができる。
そして、注出口11と容器本体20内とが連通し、容器本体20に収容されている内容物が注出口11から被詰め替え容器2の内側に流れ込み、詰め替え容器1内の内容物が被詰め替え容器2に詰め替えられる。
さらに、注出キャップ10には、注出口11と容器本体20内とを連通するパイプ3が設けられていることから、詰め替え容器1の被装着部15を被詰め替え容器2の口部21に装着する際、シール材12が破断したときに、詰め替え容器1のパイプ3が容器本体20内と被詰め替え容器2内とを連通する空気通路となり、この空気通路によって被詰め替え容器2内の空気と容器本体20に収容されている内容物との置換がスムーズに行え、効率よく詰め替え容器1内の内容物を被詰め替え容器2内に移し替えることができる。
このように、本実施の形態の詰め替え容器1によれば、詰め替えの過程で、詰め替え容器1の被装着部15に被詰め替え容器2の口部21を装着する時点では、シール材12が未開封の状態で注出口11と容器本体20内との連通が遮断されており、被装着部15への被詰め替え容器2の口部21の装着が完了した時点ではシール材12が切断部材30により破断されて、注出口11と容器本体20内とが連通することになる。したがって、詰め替え時に注出口と被詰め替え容器の口部との位置がずれて、容器本体内の内容物が被詰め替え容器の外にこぼれ落ちるのを防ぐことができる。
以上、本発明による詰め替え容器の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、前記実施形態では3つの切断部材30A、30B、30Cを設け、そのうちの第1切断部材30Aの刃部13Aがシート材12の中心上に位置しているが、このような構成であることに限定されることはなく、切断部材30の形状、数量、刃部13の位置など適宜設定することが可能である。例えば、切断部材30の数量も3つに制限されず、1つ、2つ或いは4つ以上であってもかまわない。また、切断部材30の板状体32においても、本実施形態では第2傾斜部32cが曲面部32aから径方向の内側に向かうに従い漸次下方に延びる形状となっているが、曲面部32aから上下方向(注出キャップ10の中心軸Oに平行な方向)に延びる形状であってもよい。
また、本実施形態ではパイプ3を係止台4を介して注出キャップ10に取り付けた構成であって、係止台4の係止部43を容器本体20の口部20aの上端開口縁上に配置させているが、このような構造であることに限定されることはなく、パイプ3と係止部4と周壁部16とを一体的に設けた構造であってもかまわない。例えば、このような構造の変形例による詰め替え容器1Aが図7に示されている。この詰め替え容器1Aは、係止台4Aの筒体41Aが上述した実施形態よりも容器本体20の底部側に長く延びた形状をなすとともに、係止台4Aが周壁部6に一体的に設けられている。筒体41Aは、パイプ3(図1参照)と同様に詰め替え時の空気通路となり、この空気通路によって被詰め替え容器2内の空気と容器本体20に収容されている内容物との置換がスムーズに行えるようになっている。
さらにまた、本実施形態では容器本体20の口部20aと注出キャップ10の周壁部16(下部筒部16a)とが螺着されているが、この螺着にかえて、凹凸係合などを採用することもできる。また、被詰め替え容器2の口部21と注出キャップ10の周壁部16(上部筒部16b)との結合関係についても、螺着や凹凸係合など、種々の形態を採用することができる。さらに、蓋17も本実施形態に限定されることがなく、ねじキャップやヒンジキャップ、打栓キャップ、シール材など種々のものを採用することができ、この蓋17を設けなくとも良い。
また、本実施形態では、切断部材30を注出キャップ10内に嵌合する構成としたが、この切断部材30を注出キャップ10に一体に設けてもよい。
また、詰め替え容器1の容器本体20としては、ブローボトル、チューブ等、何れのものを適用対象とすることができ、その形状についてもとくに制限されることはない。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
1 詰め替え容器
2 被詰め替え容器
3 パイプ
4 係止台
5 リング部材
10 注出キャップ
11 注出口
12 シール材
13、13A、13B、13C 刃部
15 被装着部
16 周壁部
19 支持凸部
20 容器本体
20a 容器本体の口部
21 被詰め替え容器の口部
30、30A、30B、30C 切断部材
31 ヒンジ部
32 板状体
32a 曲面部
32b 第1傾斜部
32c 第2傾斜部

Claims (3)

  1. 内容物が収容される容器本体と、該容器本体の口部に装着されるとともに注出口を有する注出キャップと、が備えられ、
    前記注出キャップ内には、注出口と容器本体内との連通を遮断する破断可能なシール材が張設されるとともに、前記注出キャップの内部において、このシール材と注出口との間に位置する部分には、該シール材に向けて前進移動可能に形成された刃部を有する切断部材が配設され、
    前記注出キャップの内部において、前記切断部材と注出口との間に位置する部材は、前記容器本体内の内容物が詰め替えられる被詰め替え容器の口部が装着される被装着部とされ、
    その装着時に、前記被詰め替え容器の口部が前記切断部材を前記シール材側に向けて押し込んで、前記刃部がシール材を破断する構成とされ、
    前記切断部材は、ヒンジ部を介して前記注出キャップの内側に接続されるとともに、前記刃部が前記シール材に向けて前進するように、前記ヒンジ部を中心に回動自在に配設されていることを特徴とする詰め替え容器。
  2. 請求項1に記載の詰め替え容器であって、
    前記切断部材が複数設けられ、そのうちの1つの前記刃部が前記シール材の中心上に位置し、残りの刃部が前記シール材の中心から離れて位置することを特徴とする詰め替え容器。
  3. 請求項1又は2に記載の詰め替え容器であって、
    前記容器本体内には、前記シール材の破断時に外部から空気が流入可能なパイプが設けられていることを特徴とする詰め替え容器。
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