JP2007273125A - 多孔質耐熱層の形成方法および多孔質耐熱層の形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の多孔質耐熱層の形成方法は、活物質を含む合剤層を芯材の上に設けてなる電極を走行させ、周面に溝を設けたグラビアロールを電極と当接させつつその走行方向とは逆向きに回転させることにより、電極の表面に多孔質耐熱層の前駆体である塗液を塗布する工程を含み、グラビアロールを経て電極の表面に塗布された塗液の一部を、電極の表面に当接することにより走行方向と平行に連続除去するための掻き取り部を設け、塗液を連続除去した後に形成される多孔質耐熱層の幅の変動に相応して、掻き取り部を電極に当接させる幅を変化させることを特徴とする。
【選択図】図2
Description
ト毎に性状がばらつく傾向がある。したがって塗液を複数の作製ロットに亘って供給するような長時間の塗布過程においては、塗布開始時と終了時とで塗料性状が数段階に亘って変化する。したがって塗液の滲みをあらかじめ見越して連続除去する幅を一定に設定しても、上述した塗料性状の変化によって塗液の塗布幅は連続的に変化することになる。このような不具合が生じると、電極をスリットなどで各条に分離する際に、切断予定箇所に塗液の一部が流れ込んで多孔質耐熱層を形成してしまい、スリット刃などの分離手段に多孔質耐熱層の一部(特に硬質な無機酸化物フィラーなど)が混入して切れ味を低下させ、切断箇所にバリ(切断方向に連続した突起)を発生させる虞がある。このバリが最終製品である電池に混入すると、電池を内部短絡させることになるので好ましくない。
(1)掻き取り部の形状を、塗液を連続除去する幅が変更可能なテーパ形状とし、塗液を連続除去した後に形成される多孔質耐熱層の幅の変動に相応して、掻き取り部を電極に当接させる幅を変化させる。
(2)掻き取り部を複数設けて重ね合わせるとともに、塗液を連続除去した後に形成される多孔質耐熱層の幅の変動に相応して、掻き取り部を重ね合わせる幅を変化させる。
される。ここで以下の第1〜3の発明に示すように、検知部(図示せず)が検知した多孔質耐熱層4の幅の変動に応じて制御部(図示せず)が動作し、掻き取り部7の構成を適正化して電極の表面に当接する幅を制御することにより、合剤層3が露出する部位の幅の寸法精度を高くできる。
(1)塗液2の流動性が低い場合には、図2(B)のように合剤層7に当接させる掻き取り部7の幅をdとし、図2(C)のように合剤層3が露出する部位の幅を所望値aになるようにする(d>a)。
(2)沈降などにより塗液2の流動性が高くなり、検知部が検知した多孔質耐熱層4の幅がaより大きくなった場合には、制御部の制御により掻き取り部7をα1方向(図1における左方向)に移動させることにより、図2(D)のように合剤層7に当接させる掻き取り部7の幅をeとし、図2(E)のように合剤層3が露出する部位の幅が所望値aに戻るようにする(e>d>a)。
(3)新たな作製ロットの塗液2を追加するなどして塗液2の流動性が高くなり、検知部が検知した多孔質耐熱層4の幅がaより小さくなった場合には、制御部の制御により掻き取り部7をα2方向(図1における右方向)に移動させることにより、図2(B)のように合剤層7に当接させる掻き取り部7の幅をdに戻し、図2(C)のように合剤層3が露出する部位の幅が所望値aに戻るようにする。
(2)沈降などにより塗液2の流動性が高くなり、検知部が検知した多孔質耐熱層4の幅がaより大きくなった場合には、制御部の制御により下方の掻き取り部7をβ1方向(図1における手前方向)に移動させることにより、図3(D)のように合剤層7に当接させる掻き取り部7の幅がeになるように重ね合わせる幅を変化させ、図3(E)のように合
剤層3が露出する部位の幅が所望値aに戻るようにする(e>d>a)。
(3)新たな作製ロットの塗液2を追加するなどして塗液2の流動性が高くなり、検知部が検知した多孔質耐熱層4の幅がaより小さくなった場合には、制御部の制御により下方の掻き取り部7をβ2方向(図1における奥方向)に移動させることにより、図3(B)のように合剤層7に当接させる掻き取り部7の幅がdになるように重ね合わせる幅を戻し、図3(C)のように合剤層3が露出する部位の幅が所望値aに戻るようにする。
2の発明と同様である。
図1に示すように、芯材5である厚み10μmの銅箔の両面に、黒鉛とSBRとCMCとの重量比が100:1:1である合剤層3を設けた負極フープ(厚み150μm、活物質密度1.6g/ml、全幅200mm、うち合剤層幅180mm、両端の芯材1の露出部幅10mm/片側、長さ100m)をコイル状に捲回し、駆動部を兼ねたアンコイラーに装着した。一方で塗液槽8の中に、アルミナ(住友化学工業株式会社製AES−12)と結着剤であるPVDF(呉羽化学株式会社製#1320)と溶媒であるNMPとの重量比を100:42:113とした塗液2を収容し、この塗液2に一部が浸かるように、溝を周面に有するグラビアロール1(周面幅180.5mm、直径120mm、溝の幅0.2mm、深さ0.1mm、平行間隔0.25mm、周面の端辺への入角45°)を設置した。
実施例1に対し、図3に示すように厚み0.05mm、幅10mmのPETフィルム(掻き取り部7)を重ね合わせるように当接させてこの箇所の塗液2を走行方向と平行に連続除去し、実施例1と同じ条件で同様の多孔質耐熱層4を5条設け、コイラーで再びコイル状に捲回した。なおここで塗液2の滲みをも含めた合剤層3の露出幅の設定値を実施例1と同様に10mmとし、この露出幅の変化が設定値に対して±0.5%を超えたことを乾燥炉6とコイラーとの間に設置したマイクロスコープ(検知部)が検知したときに、そのずれ量に相応して合剤層3に対する掻き取り部7どうしを重ね合わせる幅を制御部が変化させるようにした。そのほかは実施例1と同様にしたものを実施例2とする。
実施例1に対し、図4に示すように厚み0.05mm、幅10mmのPETフィルム(掻き取り部7)を当接させてこの箇所の塗液2を走行方向と平行に連続除去し、実施例1と同じ条件で同様の多孔質耐熱層4を5条設け、コイラーで再びコイル状に捲回した。なおここで塗液2の滲みをも含めた合剤層3の露出幅の設定値を実施例1と同様に10mmとしたものの、この露出幅の変化の検知および制御は行わなかった。そのほかは実施例1と同様にしたものを比較例1とする。
2 塗液
3 合剤層
4 多孔質耐熱層
5 芯材
6 乾燥炉
7 掻き取り部
8 塗液槽
Claims (6)
- 活物質を含む合剤層を芯材の上に設けてなる電極を走行させ、周面に溝を設けたグラビアロールを前記電極と当接させつつその走行方向とは逆向きに回転させることにより、前記電極の表面に多孔質耐熱層の前駆体である塗液を塗布する工程を含む多孔質耐熱層の形成方法であって、
前記グラビアロールを経て前記電極の表面に塗布された前記塗液の一部を、前記電極の表面に当接することにより走行方向と平行に連続除去するための掻き取り部を設け、
この掻き取り部を、前記塗液を連続除去する幅が変更可能なテーパ形状とし、かつ前記塗液を連続除去した後に形成される前記多孔質耐熱層の幅の変動に相応して、前記掻き取り部を前記電極に当接させる幅を変化させることを特徴とする多孔質耐熱層の形成方法。 - 活物質を含む合剤層を芯材の上に設けてなる電極を走行させ、周面に溝を設けたグラビアロールを前記電極と当接させつつその走行方向とは逆向きに回転させることにより、前記電極の表面に多孔質耐熱層の前駆体である塗液を塗布する工程を含む多孔質耐熱層の形成方法であって、
前記グラビアロールを経て前記電極の表面に塗布された前記塗液の一部を、前記電極の表面に当接することにより走行方向と平行に連続除去するための複数の掻き取り部を設け、これらの掻き取り部を重ね合わせるとともに、前記塗液を連続除去した後に形成される前記多孔質耐熱層の幅の変動に相応して、前記掻き取り部を重ね合わせる幅を変化させることを特徴とする多孔質耐熱層の形成方法。 - 前記掻き取り部の材質を、前記電極への当接時に変形可能なものとしたことを特徴とする、請求項2記載の多孔質耐熱層の形成方法。
- 活物質を含む合剤層を芯材の上に設けてなる電極の表面に多孔質耐熱層を形成する多孔質耐熱層の形成装置であって、
前記電極を一定方向に走行させる駆動部と、
前記多孔質耐熱層の前駆体である塗液を収容する塗液槽と、
複数条の溝を有し、かつ前記電極の走行方向とは逆向きに回転することで、前記塗液槽に収容された前記塗液をこの溝に沿わせて前記電極の表面に塗布する機能を有するグラビアロールと、
前記グラビアロールを経て前記電極の表面に塗布された前記塗液の一部を、前記電極の表面に当接することにより走行方向と平行に連続除去する機能を有し、かつ前記塗液を連続除去する幅が変更可能なテーパ形状を有する掻き取り部と、
前記電極の表面に塗布された前記塗液を乾燥させる乾燥部と、
前記多孔質耐熱層の幅の変動を検知する検知部と、
前記検知部が検知した前記多孔質耐熱層の幅の変動に相応して、前記掻き取り部を前記電極に当接させる幅を変化させる制御部と、
を有することを特徴とする多孔質耐熱層の形成装置。 - 活物質を含む合剤層を芯材の上に設けてなる電極の表面に多孔質耐熱層を形成する多孔質耐熱層の形成装置であって、
前記電極を一定方向に走行させる駆動部と、
前記多孔質耐熱層の前駆体である塗液を収容する塗液槽と、
複数条の溝を有し、かつ前記電極の走行方向とは逆向きに回転することで、前記塗液槽に収容された前記塗液をこの溝に沿わせて前記電極の表面に塗布する機能を有するグラビアロールと、
前記グラビアロールを経て前記電極の表面に塗布された前記塗液の一部を、前記電極の表面に当接することにより走行方向と平行に連続除去する機能を有する複数の重なり合った
掻き取り部と、
前記電極の表面に塗布された前記塗液を乾燥させる乾燥部と、
前記多孔質耐熱層の幅の変動を検知する検知部と、
前記検知部が検知した前記多孔質耐熱層の幅の変動に相応して、前記複数の掻き取り部を重ね合わせる幅を変化させる制御部と、
を有することを特徴とする多孔質耐熱層の形成装置。 - 前記掻き取り部の材質を、前記電極への当接時に変形可能なものとしたことを特徴とする、請求項5記載の多孔質耐熱層の形成装置。
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