JP5049603B2 - 電池用極板及びその形成方法、並びに電池用極板の形成装置 - Google Patents

電池用極板及びその形成方法、並びに電池用極板の形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、電池用極板及びその製造方法に関するものであり、特に、極板の表面上から端面上に亘って同一の多孔膜が連続して形成された電池用極板及びその製造方法に関するものである。
携帯電話、ノートパソコン、デジタルカメラ、電動工具、更にはハイブリッド自動車に至るまで、現在様々な用途に、乾電池及びリチウム一次電池などの一次電池、並びに鉛蓄電池、アルカリ蓄電池、及びリチウム二次電池などの二次電池が広く使用されている。そのような中、これら電池には更なる高容量化、高出力化が求められている。
しかし、電池の高容量化又は高出力化に伴い、異物混入などの内部要因、又は外圧発生などの外部要因により、電池内部において、正極と負極との内部短絡が発生した場合、大電流がその短絡部分に流れ、電池の発熱などの問題が生じる場合がある。
以上のような内部短絡の発生を防止するために、以下に示す電池が提案されている(例えば特許文献1参照)。従来例に係る電池では、樹脂結着剤とアルミナ粉末などの固体粒子とを含有する多孔膜が、正極、負極のいずれかの表面に形成されている。ここで、多孔膜となる塗液を極板表面に塗布する方法としては、例えばグラビア印刷方式などが挙げられる(例えば特許文献2参照)。
ところで、多孔膜の剥がれ又は割れによる内部短絡の発生を防止するために、極板群の上下端面に絶縁体を形成する技術が開示されている(例えば特許文献3参照)。この絶縁体は、極板群の作製後に、アルミナからなる絶縁性微粒子1000gとホットメルト性接着剤1000gとを混合してなる加熱溶液中に、極板群の上下端面を浸漬し、その後冷却することによって形成される。
特開平7−220759号公報 特開平9−298058号公報 特開2005−190912号公報
ここで、内部短絡の要因としては、多孔膜の剥がれ又は割れ以外にも、下記に示す要因が挙げられる。
例えば正負極板を捲回又は積層してなる極板群を有する電池の場合、極板に切断バリが生じていると、極板の切断バリと、該切断バリと対向する極板端面部分との内部短絡が発生するおそれがある。
特に、タブレス構造の正負極板を捲回又は積層してなる極板群を有する電池の場合には、極板群に何らかの外圧が生じると、正極(又は負極)の集電箔露呈部の屈曲により、該集電箔露呈部と負極(又は正極)合剤層の端面部とが接触し、正極(又は負極)集電体と負極(又は正極)合剤層との内部短絡が発生するおそれがある。
ところで、内部短絡の発生防止を目的に、特許文献3に開示された方法を用いて、極板の端面上に絶縁体を形成した場合、以下に示す問題がある。
極板の表面への多孔膜の形成工程後に、溶液中への極板群の浸漬によって極板の端面への絶縁体の形成工程を行うため、極板端面への形成工程を極板表面への形成工程と別途に行わなければならず、形成方法が複雑であるという問題がある。
また、絶縁体の形成の際に用いる加熱溶液は、溶液中での接着剤の重量%が高く粘性が高い。このように、溶液中への極板群の浸漬によって、極板群の上下端面に溶液を付着させるには、その形成方法上、接着剤リッチ(言い換えれば、樹脂リッチ)の溶液を用いざるを得ない。すなわち、絶縁性微粒子リッチ(言い換えれば、フィラーリッチ)の溶液を用いても、フィラーリッチの溶液は粘性が低いため、溶液中への極板群の浸漬によって、極板群の上下端面に溶液を付着させることができない。このため、極板の端面上に形成される絶縁体は、樹脂リッチの絶縁体に限定され、フィラーリッチの絶縁体を精度良く形成することができないという問題もある。
また、加熱した溶液中に極板群の上下端面を浸漬させるため、極板群に対する熱の影響を考慮しなければならないので、その極板群の構造が限定される。すなわち、セパレータを備えた極板群の場合、セパレータは耐熱性が低いため、セパレータに対して熱による不具合を引き起こすおそれがあるので、セパレータレス構造の極板群に限定される。このように、極板群の構造がセパレータレス構造に限定され、応用の範囲が狭いという問題もある。
前記に鑑み、本発明の目的は、極板群の構造による制限を受けることなく、極板の表面上から端面上に亘って連続して形成されたフィラーリッチの絶縁膜(具体的には、多孔膜)を簡易に且つ精度良く実現することである。
前記の課題を解決するため、本発明に係る電池用極板の形成方法は、集電体上に集電体の少なくとも一方の端面と共通の面内に端面を有する合剤層を形成する工程(a)と、合剤層上に多孔膜を形成する工程(b)とを備え、工程(b)は、円柱状部と、該円柱状部の端面に連続して設けられ且つ外側に向かって内径が大きくなる円錐台状部とからなるグラビアロール上に、円錐台状部における円柱状部側の端面位置と共通の面位置とが対応するように、集電体と合剤層とからなる極板を設置する工程(b1)と、工程(b1)の後に、グラビアロールを走行する極板に当接させながら、グラビアロールを極板の走行方向と逆向きに回転させることによって、合剤層の表面上から共通の面上に亘って、多孔膜の前駆体である塗液を連続して塗布する工程(b2)とを含むことを特徴とする。
本発明に係る電池用極板の形成方法によると、円柱状部と円錐台状部とからなるグラビアロールにより、円柱状部によって合剤層の表面上に塗液を塗布すると共に、円錐台状部によって共通の面(すなわち、極板の端面)上に塗液を塗布することができるので、従来のように極板端面への形成工程を極板表面への形成工程と別途に行う必要がなく、合剤層の表面上から共通の面上に亘って、多孔膜を簡易に且つ精度良く連続して形成することができる。
更には、円錐台状部を有するグラビアロールにより、樹脂リッチの塗液だけでなくフィラーリッチの塗液を、共通の面(すなわち、極板の端面)上に精度良く塗布することができるので、極板の端面上にフィラーリッチの絶縁膜(具体的には、多孔膜)を精度良く形成することができる。
本発明に係る電池用極板の形成方法において、塗液は、フィラーと結着剤とを含み、塗液でのフィラーの含有量は、塗液での結着剤の含有量よりも多いことが好ましい。
本発明に係る電池用極板の形成方法において、工程(b2)において、極板を、極板の位置情報に基づいて極板の走行位置を調整しながら走行させることが好ましい。
このようにすると、極板の走行位置を調整することによって、極板の走行位置とグラビアロールの回転位置との位置関係を精度良く制御することができるので、合剤層の表面上から共通の面上に亘って、塗液を簡易に且つ精度良く連続して塗布することができる。
本発明に係る電池用極板の形成方法において、工程(b2)において、グラビアロールを、極板の位置情報に基づいてグラビアロールの回転位置を調整しながら回転させることが好ましい。
このようにすると、グラビアロールの回転位置を調整することによって、グラビアロールの回転位置と極板の走行位置との位置関係を精度良く制御することができるので、合剤層の表面上から共通の面上に亘って塗液を精度良く連続して塗布することができる。
前記の課題を解決するため、本発明に係る電池用極板の形成装置は、多孔膜の前駆体である塗液を収容する塗液槽と、極板に当接する位置に配置され、円柱状部と該円柱状部の端面に連続して設けられ且つ外側に向かって内径が大きくなる円錐台状部とからなるグラビアロールとを備えていることを特徴とする。
本発明に係る電池用極板の形成装置によると、円柱状部と円錐台状部とからなるグラビアロールにより、塗液槽に収容された塗液を、合剤層の表面上から共通の面(すなわち、極板の端面)上に亘って、簡易に且つ精度良く連続して塗布することができる。
本発明に係る電池用極板の形成装置において、円柱状部の側面と円錐台状部の側面とが成す角度は、90度よりも大きく且つ160度よりも小さいことが好ましい。
本発明に係る電池用極板の形成装置において、極板の走行位置とグラビアロールの回転位置との位置関係を制御する制御部を更に備えていることが好ましい。
このようにすると、共通の面(すなわち、極板の端面)とグラビアロールの円錐台状部の側面とが接触することを確実に防止することができる。
本発明に係る電池用極板の形成装置において、制御部は、極板の走行位置を検出する走行位置検出機構と、走行位置検出機構からの極板の位置情報に基づいて極板の走行位置を調整する極板走行位置調整機構とを有することが好ましい。
本発明に係る電池用極板の形成装置において、制御部は、極板の走行位置を検出する走行位置検出機構と、走行位置検出機構からの極板の位置情報に基づいてグラビアロールの回転位置を調整するグラビアロール回転位置調整機構とを有することが好ましい。
前記の課題を解決するため、本発明に係る電池用極板は、集電体、及び集電体上に形成され集電体の端面と共通の面内に端面を有する合剤層を備えた電池用極板であって、合剤層の表面上から共通の面上に亘って同一の多孔膜が連続して形成されていることを特徴とする。
本発明に係る電池用極板によると、合剤層の表面上から共通の面(すなわち、極板の端面)上に亘って、同一の多孔膜が精度良く連続して形成されている。
本発明に係る電池用極板において、多孔膜は、フィラーと結着剤とを含み、多孔膜でのフィラーの含有量は、多孔膜での結着剤の含有量よりも多いことが好ましい。
このようにすると、フィラー含有量が結着剤含有量よりも多い多孔膜が、合剤層の表面上から共通の面(すなわち、極板の端面)上に亘って、精度良く連続して形成されている。
本発明に係る電池用極板において、集電体における共通の面と相対する側の端面位置は、合剤層における共通の面と相対する側の端面位置よりも突出していることが好ましい。
前記の課題を解決するため、本発明に係る電池用極板群は、正極集電体、及び正極集電体上に形成され正極集電体の端面と共通の面内に端面を有する正極合剤層を備えた正極と、負極集電体、及び負極集電体上に形成され負極集電体の端面と共通の面内に端面を有する負極合剤層を備えた負極とを、セパレータを介して積層又は捲回してなる電池用極板群であって、正極及び負極の少なくとも一方は、一方の合剤層の表面上から一方の共通の面上に亘って連続して形成された同一の多孔膜を更に備えていることを特徴とする。
本発明に係る電池用極板群によると、共通の面(すなわち、正極及び負極の少なくとも一方の端面)上には多孔膜が精度良く形成されているため、極板に切断バリが生じていることがあっても、切断バリと極板端面部との内部短絡が発生することを確実に防止することができるので、安全性の高い電池を提供することができる。
特に、セパレータを備えた電池用極板群においても、セパレータに対して熱による不具合を生じさせることなく、すなわち、従来のように電池用極板群の構造による制限を受けることなく、極板の端面上に多孔膜が精度良く形成されている。
本発明に係る電池用極板群において、正極集電体における共通の面と相対する側の端面位置は、正極合剤層における共通の面と相対する側の端面位置よりも突出しており、負極集電体における共通の面と相対する側の端面位置は、負極合剤層における共通の面と相対する側の端面位置よりも突出していることが好ましい。
このようにすると、共通の面(すなわち、正極及び負極の少なくとも一方の端面(詳細には、集電箔露呈部側と相対する側の端面))上に多孔膜が精度良く形成されているため、正極(又は負極)の集電箔露呈部側からの圧力により、該集電箔露呈部が屈曲することがあっても、正極(又は負極)の集電箔露呈部と負極(又は正極)合剤層の端面部とが直接接触することはないため、正極(又は負極)集電体と負極(又は正極)合剤層との内部短絡が発生することを確実に防止することができるので、安全性の高い電池を提供することができる。
本発明に係る電池用極板群において、一方は負極であり、多孔膜は、負極合剤層の表面上から共通の面上に亘って連続して形成されていることが好ましい。
ここで一般に、正極は容量規制極であり、負極は正極と比較してその面積が大きいため、正極の集電箔露呈部と負極合剤層の端面部とが接触する確率は、負極の集電箔露呈部と正極合剤層の端面部とが接触する確率よりも高い。そのため、正極ではなく負極の端面上に多孔膜を設けることにより、タブレス構造に特有の問題を効果的に解決することができる。
本発明に係る電池用極板の形成方法によると、円柱状部と円錐台状部とからなるグラビアロールにより、円柱状部によって合剤層の表面上に塗液を塗布すると共に、円錐台状部によって共通の面(すなわち、極板の端面)上に塗液を塗布することができるので、従来のように極板端面への形成工程を極板表面への形成工程と別途に行う必要がなく、合剤層の表面上から共通の面上に亘って、多孔膜を簡易に且つ精度良く連続して形成することができる。
更には、円錐台状部を有するグラビアロールにより、樹脂リッチの塗液だけでなくフィラーリッチの塗液を、共通の面(すなわち、極板の端面)上に精度良く塗布することができるので、極板の端面上にフィラーリッチの絶縁膜(具体的には、多孔膜)を精度良く形成することができる。
加えて、本発明に係る電池用極板群によると、共通の面(すなわち、正極及び負極の少なくとも一方の端面)上には多孔膜が精度良く形成されているため、極板端面での内部短絡(具体的には例えば、切断バリと極板端面部との内部短絡、及び集電体と対極合剤層との内部短絡)の発生を確実に防止することができるので、安全性の高い電池を提供することができる。
以下に、本発明について詳細に説明する。尚、以下の説明では、タブレス構造を採用した正負極板が捲回されてなる極板群を具体例に挙げて説明する。
−電池用極板及び電池用極板群−
ここで、タブレス構造の極板について、図1(a) 〜(c) を参照しながら以下に簡単に説明する。図1(a) 〜(c) は、タブレス構造の極板の構造について示す図である。図1(a) は、タブレス構造の極板の構造について示す平面図である。また、図1(b) 及び(c) は、タブレス構造の極板の構造について示す断面図であって、具体的には、図1(b) は、図1(a) に示すIb−Ib線における断面図であり、図1(c) は、図1(a) に示すIc−Ic線における断面図である。
特に図1(c) に示すように、タブレス構造の極板3は、集電体1と、集電体1上に形成された合剤層2とを備えており、極板3は、幅方向のいずれか一方の端部に、集電箔露呈部1aを有している。
タブレス構造の極板3の場合、極板の集電箔露呈部1a側では、集電体1が突出している。これに対して、極板の集電体露呈部1a側と相対する側では、集電体1の端面と合剤層2の端面とが共通の面内にある。
すなわち、タブレス構造の極板3は、集電体1における共通の面と相対する側の端面位置Yは、合剤層2における共通の面と相対する側の端面位置Xよりも突出している。
以下に、本発明に係る電池用極板群について、図2を参照しながら説明する。図2は、本発明に係る電池用極板群の構造について示す断面図である。
図2に示す電池用極板群は、タブレス構造の正極6と、タブレス構造の負極9と、セパレータ11とを捲回してなる電池用極板群である。詳細には、正極6は、例えばアルミ箔からなる正極集電体4と、正極集電体4の表面上に形成された正極合剤層5とを有している。また負極9は、例えば銅箔からなる負極集電体7と、負極集電体7の表面上に形成された負極合剤層8とを有している。
図2に示すように、負極合剤層8の集電箔露呈部7a側の端面上から集電箔露呈部7a側と相対する側の端面上に亘って多孔膜10が連続して形成されている。このように、本発明に係る電池用極板群は、負極合剤層8の表面上から共通の面(詳細には、負極集電体7の端面と負極合剤層8の端面とが成す共通の面)上に亘って多孔膜10が連続して形成されている。
ここで、多孔膜10は、フィラーと結着剤とを含み、その厚みは例えば2〜30μmの範囲内が好ましい。更には、多孔膜10は、安全面と性能面との観点から、絶縁多孔膜であることが好ましい。
本発明に係る電池用極板群によると、負極9に切断バリが生じることがあっても、負極9の端面(詳細には、負極集電体7の端面と負極合剤層8の端面とが成す共通の面)上には多孔膜10が形成されているため、負極9の切断バリがその切断バリと対向する極板端面部分と直接接触することはないので、負極の切断バリでの内部短絡が発生することを防止することができる。
加えて、本発明に係る電池用極板群によると、正極6の集電箔露呈部4a側からの外圧により、正極6の集電箔露呈部4aが屈曲することがあっても、負極合剤層8の端面上には多孔膜10が形成されているため、正極6の集電体露呈部4aと負極合剤層8の端面部とが接触することはないので、正極集電体4と負極合剤層8との内部短絡の発生を防止することができる。
ここで一般に、正極6は容量規制極であり、負極9は正極6と比較してその面積が大きい。そのため、正極6の集電箔露呈部4aの屈曲により、該集電箔露呈部4aと負極合剤層8の端面部とが接触する確率は、負極9の集電箔露呈部7aの屈曲により、該集電箔露呈部7aと正極合剤層5の端面部とが接触する確率よりも高い。そのため、図2に示すように、正極6ではなく負極9の端面(詳細には、負極集電体7の端面と負極合剤層8の端面とが成す共通の面)上に多孔膜10を設けることにより、タブレス構造に特有の問題を効果的に解決することができる。
−電池用極板の形成装置−
以下に、本発明に係る電池用極板の形成装置について、図3及び図4を参照しながら説明する。図3及び図4は、本発明に係る電池用極板の形成装置の構成について示す断面図である。具体的には、図3は、グラビアロールの側面側から見た断面図であり、一方、図4は、グラビアロールの端面(詳細には、円柱状部側の端面)側から見た断面図である。
図3及び図4に示すように、本発明に係る電池用極板の形成装置は、多孔膜の前駆体である塗液(多孔膜スラリー)15を収容する塗液槽16と、塗液槽16の上方に回転可能に配置され、全周に亘ってグラビアパターンが彫刻されたグラビアロール17と、グラビアロール17に沿って設けられ、グラビアロール17上の余分な多孔膜スラリーを掻き落とす掻き落としブレード18とを備えている。
グラビアロール17は、図3に示すように、極板14の表面に接触して多孔膜スラリーを塗布する円柱状部17aと、極板14の端面(詳細には、集電体12の端面と合剤層13の端面とが成す共通の面)に接触して多孔膜スラリーを塗布する円錐台状部17bとからなる。
円錐台状部17bは、円柱状部17aの端面に連続して設けられている。そして、その内径が外側に向かって大きくなるように設定され、具体的には例えば、円柱状部17aの側面と円錐台状部17bの側面とが成す角度θが90<θ<160の関係を満たすように設定されている。
本発明に係る電池用極板の形成装置によると、円柱状部17aと円錐台状部17bとからなるグラビアロール17により、塗液槽16に収容された塗液15を、合剤層13の表面上から極板14の端面(詳細には、集電体12の端面と合剤層13の端面とが成す共通の面)上に亘って、簡易に且つ精度良く連続して塗布することができる。
尚、グラビアロール17を構成する円柱状部17aの彫刻パターン及び内径は、特に限定されるものではない。また、グラビアロール17を構成する円錐台状部17bのグラビアパターン彫刻の有無及び彫刻パターンは、特に限定されるものではない。
更に、本発明に係る電池用極板の形成装置は、極板14の走行位置とグラビアロール17の回転位置との位置関係を制御する制御部を備えていることが好ましい。制御部により、極板14の端面とグラビアロール17の円錐台状部17bの側面とが接触することを確実に防止することができる。この制御部について、図5及び図6を参照しながら説明する。図5及び図6は、制御部の構成について簡略的に示す斜視図である。
制御部として、例えば、図5に示すように、極板19の走行位置を検出する走行位置検出機構(走行位置センサー)21と、走行位置検出機構21からの極板19の位置情報に基づいて極板19の走行位置を調整する極板走行位置調整機構(具体的には例えば、ロールガイダー)22とを有する制御部を用いる。
ロールガイダー22は、図5に示すように、駆動部23と、駆動部23上に配置された2つのローラ24a,24bとを備えている。走行位置センサー21は、図5に示すように、極板19の端部(詳細には、幅方向側の端部)に配置されている。尚、図中において、駆動部23の側方(詳細には、極板19の走行方向側の側方)に、案内ローラaを図示している。
ロールガイダー22による極板19の走行位置調整方法について、以下に簡単に説明する。
走行位置センサー21により走行する極板19の端部位置を検知し、その端部位置のずれ量に応じて、駆動部23を中心として各ローラー24a,24b位置を水平方向に微調整することで、円柱状部20aと円錐台状部20bとからなるグラビアロール20の回転位置に対して一定位置に極板19が走行するように調整する。
また制御部として、例えば、図6に示すように、極板19の走行位置を検出する走行位置検出機構(走行位置センサー)21と、走行位置検出機構21からの極板19の位置情報に基づいてグラビアロール20の回転位置を調整するグラビアロール回転位置調整装置(図示せず)とを有する制御部を用いる。
走行位置センサー21は、図6に示すように、極板19の端部(詳細には、幅方向側の端部)に配置されている。尚、図中において、案内ローラa,bを図示している。
グラビアロール回転位置調整装置によるグラビアロールの回転位置調整方法について、以下に簡単に説明する。
走行位置センサー21により走行する極板19の端部位置を検知し、その端部位置のずれ量に応じて、グラビアロール回転位置調整装置によりグラビアロール20の回転位置を軸方向に微調整することで、極板19の走行位置に対して一定位置にグラビアロール20が回転するように調整する。
−電池用極板の形成方法−
以下に、本発明に係る電池用極板の形成方法について、リチウムイオン二次電池を構成する極板の形成方法を具体例に挙げて説明する。
尚、リチウムイオン二次電池を構成する正負極板については、以下に示す通りである。
まず、正極について以下に説明する。
活物質には、例えばコバルト酸リチウム及びその変性体(アルミニウム又はマグネシウムを共晶させたものなど)、ニッケル酸リチウム及びその変性体(一部ニッケルをコバルト又はアルミニウムなどで置換したもの)、並びにマンガン酸リチウム及びその変性体などの複合酸化物を挙げることができる。導電剤としては、例えばアセチレンブラック、ケッチェンブラック、及び各種グラファイトを単独であるいは組み合わせて用いる。結着剤としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)又はポリフッ化ビニリデン(PVdF)などを用いる。
正極作製手順としては、これら材料を混練装置に投入し、必要に応じて増粘剤を混合し、水あるいは有機溶媒とともに混練し、正極合剤スラリーを作製する。その後、例えばアルミ箔からなる集電箔上にダイ塗工装置などを用い、スラリーを塗布・乾燥させ、集電箔上に合剤層を形成する。その後、必要に応じてプレス、スリットを施し、必要な寸法に加工する。タブレス構造の正極を作製する場合は、正極長手方向の少なくとも一方の端部に正極合剤層を形成していない未塗工部分を連続形成する。以上の手順により正極の基材を作製する。
次に、負極について以下に説明する。
活物質には、例えば各種天然黒鉛、人造黒鉛、又は合金組成材料などを用いる。結着剤としては、例えばスチレンブタジエンゴム(SBR)、又はポリフッ化ビニリデン(PVdF)などを用いる。
負極作製手順としては、これら材料を混練装置に投入し、必要に応じて増粘剤を混合し、水あるいは有機溶媒とともに混練し、負極合剤スラリーを作製する。その後、例えば銅箔からなる集電箔上にダイ塗工装置などを用い、スラリーを塗布・乾燥させ、集電箔上に合剤層を形成する。その後、必要に応じてプレス、スリットを施し、必要な寸法に加工する。タブレス構造の負極を作製する場合は、負極長手方向の少なくとも一方の端部に負極合剤層を形成していない未塗工部分を連続形成する。以上の手順により負極の基材を作製する。
上述した負極に対して、本発明に係る電池用極板の形成装置を用いて、多孔膜を形成する方法について、前述の図3及び図4を参照しながら以下に説明する。
まず、フィラーと結着剤とを混練装置に投入し、溶媒とともに混練し、多孔膜スラリーを作製する。
ここで、多孔膜スラリーを構成するフィラーには、アルミナに代表される無機酸化物などを用いることが好ましい。フィラーには、耐熱性及び電気化学的な安定性が必要とされ、無機酸化物などはその要望を満たす。また、結着剤には、非結晶性で耐熱性が高く、ゴム弾性を有するポリアクリロニトリル基を含むゴム性状高分子などを用いることが好ましい。
その後、図3に示すように、この多孔膜スラリー15を塗液槽16内に収容すると共に、円柱状部17aと円錐台状部17bとからなるグラビアロール17上に、円錐台状部17bにおける円柱状部17a側の端面位置と、極板14の端面(詳細には、集電体12の端面と合剤層13の端面とが成す共通の面)位置とが対応するように、極板14を設置する(図3に示す面位置A参照)。
その後、図4に示すように、グラビアロール17を走行する極板14に当接させながら、グラビアロール17を極板14の走行方向と逆向きに回転させる。これにより、合剤層13の表面上から極板14の端面(詳細には、集電体12の端面と合剤層13の端面とが成す共通の面)上に亘って、多孔膜スラリー15y,15xを連続して塗布する。
本発明に係る電池用極板の形成方法によると、円錐状部17aによって合剤層13の表面上に多孔膜スラリー15yを塗布すると共に、円錐台状部17bによって極板14の端面上に多孔膜スラリー15xを塗布することができるので、合剤層13の表面上から極板14の端面(詳細には、集電体12の端面と合剤層13の端面とが成す共通の面、言い換えれば、極板14の集電箔露呈部12a側と相対する側の端面)上に亘って、多孔膜スラリー15y,15xを簡易に且つ精度良く連続して塗布することができる。
尚、本発明に係る電池用極板の形成方法では、極板14の端面(詳細には、集電箔露呈部12a側の端面)位置が、グラビアロール17の円柱状部17a側の端面位置よりも内側に位置するように極板14を設置することで、極板14の集電箔露呈部12a側の端面に多孔膜スラリー15zを流し込み、集電体露呈部12a側の端面上にも多孔膜を精度良く形成する場合を具体例に挙げて説明した。
尚、本発明では、集電箔露呈部を有するタブレス構造の正負極板が捲回されてなる極板群を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、合剤未塗布部(言い換えれば、集電箔露呈部)を有さない全面に合剤層が形成された正負極板が積層されてなる極板群においても、切断バリと、該切断バリと対向する極板端面部分との内部短絡の発生を防止することができるので、本発明を有効に適用することができる。
また、本発明では、セパレータを備えた極板群を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、セパレータレス構造の極板群においても、本発明を有効に適用することができる。
また、本発明におけるフィラーリッチの絶縁膜とは、その塗液状態での粘性が比較的低く、フィラーと結着剤との重量%比が例えば10:1となる絶縁膜のことを言う。
以下に、本発明の各実施例について詳細に説明する。
(実施例1)
−正極の作製−
正極の作製方法について説明する。コバルト酸リチウム3kgを、ダイキン工業(株)製のPTFEディスパージョン液(固形分60%)100g、アセチレンブラック90g及び適量の水とともにプラネタリーミキサーにて混練して正極スラリーを作製した。この正極スラリーを厚み15μm、幅150mmのアルミ箔上に、塗布幅80mmのうち幅方向のいずれか一方の端部に10mmの未塗布部を連続形成する状態で塗布乾燥した。そして総厚が100μmとなるようにプレスした後、幅方向をスリットし、極板幅80mm、合剤塗布幅70mm、未塗布幅10mmの正極を作製した。
−多孔膜の作製−
まず、多孔膜スラリーの作製方法について説明する。メディアン径0.3μmのアルミナ1000gを、日本ゼオン(株)製ポリアクリロニトリル変性ゴム結着剤BM−720H(固形分8重量%)375g及び適量のNMPとともにプラネタリーミキサーにて混練し、多孔膜スラリーを作製した。
ここで、本実施例では、電池用極板の形成装置として、制御部を取り付けた電池用極板の形成装置を用いた。具体的には、本発明に係る電池用極板の形成装置に対して、走行位置検出機構と、極板走行位置調整機構とを取り付ける。更に詳細には、円錐台状部の傾斜角(図3に示す角度γ参照)が45度に設定された(言い換えれば、図3に示す角度θが135度に設定された)グラビアロールを備えた装置に対して、(株)三橋製作所製のロールガイダーと走行位置センサーとを取り付ける(図5参照)。
この装置内に、上述した正極を設置し、正極合剤層の一方の表面上から共通の面(詳細には、集電体の端面と合剤層の端面とが成す共通の面)上に亘って多孔膜スラリーを連続して塗布した後、装置と連続的に構成された乾燥炉にて多孔膜スラリーの溶媒を乾燥させた。その後、正極を反転させてこの装置内に設置し、正極合剤層のもう一方の表面上から共通の面上に亘って多孔膜スラリーを連続して塗布し乾燥させる。このようにして、正極合剤層の表面上から共通の面上に亘って、同一の多孔膜を連続して形成した。この正極を正極1と称する。尚、正極1は、極板のグラビアロールに対する走行位置を調整しながら、多孔膜スラリーが塗布された極板である。
(実施例2〜7)
円錐台状部の傾斜角(図3に示す角度γ参照)が5度、10度、20度、30度、70度、そして90度に設定されたグラビアロールを用いたこと以外は、実施例1と同様に正極を作製した。これらの正極をそれぞれ正極2〜7と称する。
(実施例8)
実施例1における極板走行位置調整機構の代わりに、図6に示すグラビアロール回転位置調整装置を用いた。このようにして、本実施例では、グラビアロールの極板に対する回転位置を調整しながら、極板に対して多孔膜スラリーを塗布する。この装置を用いたこと以外は、実施例1と同様に正極を作製した。この正極を正極8と称する。
(実施例9)
実施例1における制御部を用いないこと以外は、実施例1と同様に正極を作製した。この正極を正極9と称する。
(比較例1)
円錐台状部を持たず円柱状部のみからなるグラビアロールを用いたこと以外は、実施例1と同様に正極を作製した。この正極を正極10と称する。
(実施例10)
−負極の作製−
負極の作製方法について説明する。人造黒鉛3kgを、日本ゼオン(株)製スチレン−ブタジエン共重合体ゴム粒子結着剤BM−400B(固形分重量40重量%)75g、カルボキシメチルセルロース(CMC)30g及び適量の水とともにプラネタリーミキサーにて混練し、負極スラリーを作製した。この負極スラリーを厚み10μm、幅150mmの銅箔上に、塗布幅85mmのうち幅方向のいずれか一方の端部に10mmの未塗布部を連続形成する状態で塗布乾燥した。そして総厚が170μmとなるようにプレスした後、幅方向をスリットし、極板幅85mm、合剤塗布幅75mm、未塗布幅10mmの負極を作製した。
−多孔膜の作製−
極板として正極ではなく負極を用いたこと以外は、実施例1と同様に多孔膜を作製し、負極合剤層の表面上から共通の面上に亘って、同一の多孔膜を連続して形成した。この負極を負極1と称する。
(実施例11〜16)
円錐台状部の傾斜角(図3に示す角度γ参照)が5度、10度、20度、30度、70度、そして90度に設定されたグラビアロールを用いたこと以外は、実施例10と同様に負極を作製した。これらの負極をそれぞれ負極2〜7とする。
以上の極板について、多孔膜における極板の端面(詳細には、集電体の端面と合剤層の端面とが成す共通の面)上に形成された部分の平均厚み、及び多孔膜スラリーの塗布の際にグラビアロールに対する極板の走行位置ずれ(詳細には、円錐台状部の円柱状部側の端面位置と極板の端面位置との位置ずれ)の有無について目視判定した結果を以下に示す[表1]に記す。
Figure 0005049603
正極1〜9及び負極1〜7では、極板の集電箔露呈部と相対する側の端面(言い換えれば、集電体の端面と合剤層の端面とが成す共通の面)上には、多孔膜が形成されており、円錐台状部の傾斜角に応じて、多孔膜における極板の端面上に形成された部分の厚み(以下、単に多孔膜の端面部での厚みと称す)が変化している。
正極2及び3、すなわち、円錐台状部の傾斜角が20度未満の場合、極板の端面への多孔膜の形成は可能であるが、多孔膜の端面部での厚みに若干ムラが生じていた。これに対して、円錐台状部の傾斜角が20度以上の場合、多孔膜の端面部での厚みにムラが生じず、その厚みは一様であった。また正極1,6,7,8及び9、すなわち、円錐台状部の傾斜角が45度以上の場合、多孔膜の端面部での厚みが4μm以上となり、切断バリでの内部短絡、及び集電箔露呈部での内部短絡の発生を確実に防止するのに充分な厚みの多孔膜が形成されていた。
負極1〜7についても正極と同様な結果が得られた。
また正極9、すなわち、制御部を持たない電池用極板の形成装置の場合、極板の端面への多孔膜の形成は可能であるが、制御部を備えていないため、グラビアロールに対する極板の走行位置ずれが認められた。
また正極10、すなわち、円柱状部のみからなるグラビアロールの場合、合剤層の表面上に多孔膜を塗布することは可能であるものの、極板の集電箔露呈部側と相対する側の端面(言い換えれば、集電体の端面と合剤層の端面とが成す共通の面)上に多孔膜を塗布することができなかった。これは、合剤層の表面にしか多孔膜スラリーが接触しないためと考えられる。
以上の結果から、円柱状部と、該円柱状部の少なくとも一方の端部に連続して設けられ且つ外側に向かって内径が大きくなる円錐台状部とからなるグラビアロールに対して、極板の走行位置をグラビアロールの回転位置に対して調整する装置、又はグラビアロールの回転位置を極板の走行位置に対して調整する装置を更に具備することにより、極板の端面上に多孔膜をより一層精度良く形成することができる。
また、円錐台状部の傾斜角(図3に示す角度γ参照)は20度以上であって且つ90度以下である(言い換えれば、円柱状部の側面と円錐台状部の側面とが成す角度(図3に示す角度θ参照)は90度よりも大きく且つ160度よりも小さい)ことが好ましい。更に好ましくは45度以上であって且つ90度以下とすることにより、切断バリでの内部短絡、及び集電箔露呈部での内部短絡の発生を確実に防止するのに充分な厚みの多孔膜の形成が可能となる。
ここで、集電体露呈部を有しているタブレス構造の極板において本発明を適用することにより、切断バリでの内部短絡の発生防止という効果に加えて、集電体露呈部と対極合剤層との内部短絡の発生防止という効果が得られるため、本実施例では、タブレス構造の極板において、極板の端面上に多孔膜を形成する場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、合剤未塗布部(言い換えれば、集電箔露呈部)を有さない全面に合剤層が形成された極板においても、極板の端面はタブレス構造の極板の端面と同一形状である(但し、「極板の端面」とは、タブレス構造の極板の場合、集電体露呈部と相対する側の端面に限定されるのに対し、全面に合剤層が形成された極板の場合、双方の端面を含む)ため、極板の端面への多孔膜の形成を精度良く行うことができるので、切断バリでの内部短絡の発生防止という効果を得ることができる。
本発明は、電池用極板の表面上から端面上に亘って、多孔膜を簡易に且つ精度良く連続して形成することができるため、電池用極板の端面での内部短絡(具体的には、切断バリでの内部短絡、及び集電箔露呈部での内部短絡)の発生を防止することができるので、電池用極板及びその形成方法に有用である。
(a) 〜(c) は、タブレス構造の極板の構造について示す図である。 本発明に係る電池用極板群の構造について示す断面図である。 本発明に係る電池用極板の形成装置の構成について示す断面図である。 本発明に係る電池用極板の形成装置の構成について示す断面図である。 制御部の構成について簡略的に示す斜視図である。 制御部の構成について簡略的に示す斜視図である。
符号の説明
1 集電体
1a 集電箔露呈部
2 合剤層
3 極板
4 正極集電体
5 正極合剤層
6 正極
7 負極集電体
8 負極合剤層
9 負極
10 多孔膜
11 セパレータ
12 集電体
12a 集電箔露呈部
13 合剤層
14 極板
15,15x,15y,15z 多孔膜スラリー
16 塗液槽
17 グラビアロール
17a 円柱状部
17b 円錐台状部
18 掻き落としブレード
19 極板
20 グラビアロール
20a 円柱状部
20b 円錐台状部
21 走行位置センサー
22 ロールガイダー
23 駆動部
24a,24b ローラ
a,b 案内ロール

Claims (15)

  1. 集電体上に前記集電体の少なくとも一方の端面と共通の面内に端面を有する合剤層を形成する工程(a)と、
    前記合剤層上に多孔膜を形成する工程(b)とを備え、
    前記工程(b)は、
    円柱状部と、該円柱状部の端面に連続して設けられ且つ外側に向かって内径が大きくなる円錐台状部とからなるグラビアロール上に、前記円錐台状部における前記円柱状部側の端面位置と前記共通の面位置とが対応するように、前記集電体と前記合剤層とからなる極板を設置する工程(b1)と、
    前記工程(b1)の後に、前記グラビアロールを走行する前記極板に当接させながら、前記グラビアロールを前記極板の走行方向と逆向きに回転させることによって、前記合剤層の表面上から前記共通の面上に亘って、前記多孔膜の前駆体である塗液を連続して塗布する工程(b2)とを含むことを特徴とする電池用極板の形成方法。
  2. 請求項1に記載の電池用極板の形成方法において、
    前記塗液は、フィラーと結着剤とを含み、
    前記塗液での前記フィラーの含有量は、前記塗液での前記結着剤の含有量よりも多いことを特徴とする電池用極板の形成方法。
  3. 請求項1又は2に記載の電池用極板の形成方法において、
    前記工程(b2)において、前記極板を、前記極板の位置情報に基づいて前記極板の走行位置を調整しながら走行させることを特徴とする電池用極板の形成方法。
  4. 請求項1又は2に記載の電池用極板の形成方法において、
    前記工程(b2)において、前記グラビアロールを、前記極板の位置情報に基づいて前記グラビアロールの回転位置を調整しながら回転させることを特徴とする電池用極板の形成方法。
  5. 多孔膜の前駆体である塗液を収容する塗液槽と、
    極板に当接する位置に配置され、円柱状部と該円柱状部の端面に連続して設けられ且つ外側に向かって内径が大きくなる円錐台状部とからなるグラビアロールとを備えていることを特徴とする電池用極板の形成装置。
  6. 請求項5に記載の電池用極板の形成装置において、
    前記円柱状部の側面と前記円錐台状部の側面とが成す角度は、90度よりも大きく且つ160度よりも小さいことを特徴とする電池用極板の形成装置。
  7. 請求項5又は6に記載の電池用極板の形成装置において、
    前記極板の走行位置と前記グラビアロールの回転位置との位置関係を制御する制御部を更に備えていることを特徴とする電池用極板の形成装置。
  8. 請求項7に記載の電池用極板の形成装置において、
    前記制御部は、前記極板の走行位置を検出する走行位置検出機構と、前記走行位置検出機構からの極板の位置情報に基づいて前記極板の走行位置を調整する極板走行位置調整機構とを有することを特徴とする電池用極板の形成装置。
  9. 請求項7に記載の電池用極板の形成装置において、
    前記制御部は、前記極板の走行位置を検出する走行位置検出機構と、前記走行位置検出機構からの極板の位置情報に基づいて前記グラビアロールの回転位置を調整するグラビアロール回転位置調整機構とを有することを特徴とする電池用極板の形成装置。
  10. 集電体、及び前記集電体上に形成され前記集電体の端面と共通の面内に端面を有する合剤層を備えた電池用極板であって、
    前記合剤層の表面上から前記共通の面上に亘って同一の多孔膜が連続して形成されていることを特徴とする電池用極板。
  11. 請求項10に記載の電池用極板において、
    前記多孔膜は、フィラーと結着剤とを含み、
    前記多孔膜での前記フィラーの含有量は、前記多孔膜での前記結着剤の含有量よりも多いことを特徴とする電池用極板。
  12. 請求項10又は11に記載の電池用極板において、
    前記集電体における前記共通の面と相対する側の端面位置は、前記合剤層における前記共通の面と相対する側の端面位置よりも突出していることを特徴とする電池用極板。
  13. 正極集電体、及び前記正極集電体上に形成され前記正極集電体の端面と共通の面内に端面を有する正極合剤層を備えた正極と、負極集電体、及び前記負極集電体上に形成され前記負極集電体の端面と共通の面内に端面を有する負極合剤層を備えた負極とを、セパレータを介して積層又は捲回してなる電池用極板群であって、
    前記正極及び前記負極の少なくとも一方は、
    前記一方の合剤層の表面上から前記一方の共通の面上に亘って連続して形成された同一の多孔膜を更に備えていることを特徴とする電池用極板群。
  14. 請求項13に記載の電池用極板群において、
    前記正極集電体における前記共通の面と相対する側の端面位置は、前記正極合剤層における前記共通の面と相対する側の端面位置よりも突出しており、
    前記負極集電体における前記共通の面と相対する側の端面位置は、前記負極合剤層における前記共通の面と相対する側の端面位置よりも突出していることを特徴とする電池用極板群。
  15. 請求項13又は14に記載の電池用極板群において、
    前記一方は負極であり、
    前記多孔膜は、前記負極合剤層の表面上から前記共通の面上に亘って連続して形成されていることを特徴とする電池用極板群。
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