JP5742784B2 - 塗工装置、塗装済材の製造方法、耐熱皮膜付セパレータ原反の製造方法、耐熱皮膜付セパレータの製造方法及び電池の製造方法 - Google Patents

塗工装置、塗装済材の製造方法、耐熱皮膜付セパレータ原反の製造方法、耐熱皮膜付セパレータの製造方法及び電池の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、帯状の被塗工材の片面に幅方向全幅に亘って塗料を塗布する塗工装置、被塗工材に塗料を塗布した塗装済材の製造方法、耐熱皮膜付セパレータ原反の製造方法、電池に用いる耐熱皮膜付セパレータの製造方法、及び、この耐熱皮膜付セパレータを用いた電池の製造方法に関する。
帯状の被塗工材の表面に塗料を塗布して、表面全体に塗料面を形成する手法として、リバースグラビアロールを用いる技術が知られている。例えば、特許文献1には、電池の負極板等の電極フープ上に多孔質耐熱層を形成する形成装置が開示されている。この形成装置は、周面の中央部から左右線対称に斜線溝が形成されたグラビアロールを備え、多孔質耐熱層を形成する際、電極フープの走行方向とは逆向きに回転させたグラビアロールを用いて、多孔質耐熱層の前駆体である塗液を電極フープに塗布する。
特開2007−273124号公報
しかしながら、特許文献1に記載の形成装置を用いて電極フープ(被塗工材)に塗液(塗料)を塗布すると、塗布後の電極フープのうち幅方向両端縁に沿う部位に他の部位(中央部)よりも多くの塗液が集まりやすい。このため、塗液を乾燥してできた塗装済材では、幅方向両端縁に沿う部位における多孔質耐熱層(塗料層)の厚みが他の部位よりも増すので、巻取りの際、巻きずれが生じたり、たわんで一部変形してしまう虞がある。
本発明は、かかる問題を鑑みてなされたものであって、被塗工材の幅方向両端側の部位における塗料の厚みが幅方向中央の部位における塗料の厚みよりも薄くなるように塗料を塗布できる塗工装置、及び、巻取りの際、巻きずれやたわみの発生を抑制可能な塗装済材の製造方法を提供する。さらに、耐熱皮膜付セパレータ原反の製造方法、この製造方法で製造した耐熱皮膜付セパレータ原反を用いた耐熱皮膜付セパレータの製造方法、及び、この耐熱皮膜付セパレータを用いた電池の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、リバースグラビアロールを用いて、帯状の被塗工材の片面についてその幅方向全幅に亘って塗料を塗布する塗工装置であって、上記被塗工材のうち、上記幅方向の中央部分を中央部とし、上記中央部の上記幅方向一端側に隣在し長手方向に延びる一端縁に沿う部位を一端縁部とし、上記中央部の上記幅方向他端側に隣在し上記長手方向に延びる他端縁に沿う部位を他端縁部としたとき、上記リバースグラビアロールのシリンダ面は、上記被塗工材の上記中央部に対応する中央対応部と、上記中央対応部よりも上記リバースグラビアロールの軸線に沿う軸線方向の一方側で上記中央対応部に隣在し、上記被塗工材の上記一端縁部に対応する一端対応部を一部に含む、一方側部と、上記中央対応部の上記軸線方向の他方側に隣在し、上記被塗工材の上記他端縁部に対応する他端対応部を一部に含む、他方側部と、を有し、上記シリンダ面の上記中央対応部には、互いに同一の断面形状で等間隔に形成され、上記リバースグラビアロールの回転方向と逆方向かつ上記軸線方向一方側に延びる一方側斜線溝と、互いに同一の断面形状で等間隔に形成され、上記リバースグラビアロールの回転方向と逆方向かつ上記軸線方向他方側に延びる他方側斜線溝とが、互いに交差して形成されてなり、上記一方側部の全域に、上記一方側斜線溝が各々延長して形成されてなり、上記他方側部の全域に、上記他方側斜線溝が各々延長して形成されてなる塗工装置である。
上述の塗工装置では、リバースグラビアロールのシリンダ面のうち中央対応部に、一方側斜線溝と他方側斜線溝とが互いに交差して形成されている。しかるに、一方側部の全域には一方側斜線溝が、また、他方側部の全域には他方側斜線溝がそれぞれ形成されている。このため、一方側部或いは他方側部に保持できる塗料の単位面積当たりの液量は、中央対応部に保持できる液量よりも少ない。具体的には、一方側部では他方側斜線溝が形成されていない分、また、他方側部では一方側斜線溝が形成されていない分、中央対応部に比して少ない。従って、被塗工材の一端縁部或いは他端縁部に供給される塗料の単位面積当たりの液量を、中央部に供給される液量よりも少なくできる。このため、一端縁部及び他端縁部のうち一端縁近傍及び他端縁近傍において塗料が部分的に厚く塗布されたとしても、一端縁部及び他端縁部いずれの部位における塗料の厚みも、中央部における塗料の厚みにまでは達しない。かくして、これを乾燥した塗装済材において、一端縁部及び他端縁部における塗料層の厚みを中央部における塗料層よりも薄くできる塗工装置とすることができる。
しかも、一方側部に形成された一方側斜線溝は、中央対応部から各々延長して形成されている。また、他方側部に形成された他方側斜線溝も中央対応部から各々延長して形成されている。このため、リバースグラビアロールから被塗工材などに塗料を転写して平滑する際、中央対応部内の一方側斜線溝及び他方側斜線溝に貯められていた塗料の一部を、これらに続く一方側部の一方側斜線溝、或いは、他方側部の他方側斜線溝にスムーズに移動させることができる。従って、一方側斜線溝及び他方側斜線溝のうち中央対応部の軸線方向両端の部位(この中央対応部のうち一方側部或いは他方側部との境界部分)に塗料が多く貯まって、被塗工材の中央部のうち幅方向両端の部位(中央部のうち一端縁部或いは他端縁部との境界部分)で塗布された塗料が厚くなることもない。
なお、リバースグラビアロールとは、塗布の際に、被塗工材の搬送方向とは逆方向に回転させるグラビアロールをいう。このリバースグラビアロールを用いることで、塗料の転写及び平滑を同時に行うことができる。また、塗工装置としては、リバースグラビアロールを被塗工材に接触させ、その表面に直接塗布する形態のものや、一旦リバースグラビアロールにより中間転写体に塗料を塗布し、この中間転写体から被塗工材に塗料を塗布するオフセットグラビア手法を用いるものが挙げられる。
また、一方側斜線溝及び他方側斜線溝と軸線とがなす偏角の大きさとしては、適宜選択できるが、塗料の流動を考慮すると、絶対値で15〜75°とするのが好ましい。さらには、30〜60°とするのが好ましい。
さらに、上述の塗工装置であって、前記一方側斜線溝と前記他方側斜線溝とは、前記軸線となす偏角の絶対値が等しく、同一の断面形状を有し、かつ、上記一方側斜線溝同士の間隔と、上記他方側斜線溝同士の間隔とが等しい形態とされてなる塗工装置とすると良い。
上述の塗工装置では、一方側斜線溝と他方側斜線溝とが、軸線とでなす偏角の絶対値が等しく、同一の断面形状を有し、かつ、一方側斜線溝同士の間隔と、他方側斜線溝同士の間隔とが等しい形態とされている。このため、塗料が軸線方向の一方側或いは他方側に偏って塗布されることなく、被塗工材の中央部において、また、一端縁部及び他端縁部において均一に塗料を塗布できる。
さらに、上述のいずれかの塗工装置であって、塗布の際の、前記リバースグラビアロールに対する前記被塗工材についての前記軸線方向の許容移動寸法を±WAとしたとき、上記リバースグラビアロールの前記シリンダ面の前記一方側部及び前記他方側部は、上記軸線方向の寸法が2WAよりも大きくされ、前記中央対応部は、上記軸線方向の寸法WCが上記被塗工材の前記幅方向の寸法WOに対してWC<WO−2WAとされてなる塗工装置とすると良い。
上述の塗工装置では、塗布の際、搬送される被塗工材がリバースグラビアロールに対し軸線方向に許容量±WA以内の範囲でずれたとしても、被塗工材の両端に中央部より塗料の厚みの薄い一端縁部及び他端縁部を確実に形成できる。
さらに、本発明の他の一態様は、帯状の被塗工材の片面について、その幅方向全幅に亘って塗料を塗布した塗装済材の製造方法であって、上記被塗工材のうち、上記幅方向の中央部分を中央部とし、上記中央部の上記幅方向一端側に隣在し長手方向に延びる一端縁に沿う部位を一端縁部とし、上記中央部の上記幅方向他端側に隣在し上記長手方向に延びる他端縁に沿う部位を他端縁部としたとき、リバースグラビアロールのシリンダ面は、上記被塗工材の上記中央部に対応する中央対応部と、上記中央対応部よりも上記リバースグラビアロールの軸線に沿う軸線方向の一方側で上記中央対応部に隣在し、上記被塗工材の上記一端縁部に対応する一端対応部を一部に含む、一方側部と、上記中央対応部の上記軸線方向の他方側に隣在し、上記被塗工材の上記他端縁部に対応する他端対応部を一部に含む、他方側部と、を有し、上記シリンダ面の上記中央対応部には、互いに同一の断面形状で等間隔に形成され、上記リバースグラビアロールの回転方向と逆方向かつ上記軸線方向一方側に延びる一方側斜線溝と、互いに同一の断面形状で等間隔に形成され、上記リバースグラビアロールの回転方向と逆方向かつ上記軸線方向他方側に延びる他方側斜線溝とが、互いに交差して形成されてなり、上記一方側部の全域に、上記一方側斜線溝が各々延長して形成されてなり、上記他方側部の全域に、上記他方側斜線溝が各々延長して形成されてなる上記リバースグラビアロールを用いて、上記被塗工材の上記片面の上記幅方向全幅に亘って、上記塗料を塗布する塗布工程を備える塗装済材の製造方法である。
上述の塗装済材の製造方法は、上述のシリンダ面を有するリバースグラビアロールを用いて、被塗工材の片面の幅方向全幅に亘って塗料を塗布する塗布工程を備える。このため、塗工済材において、被塗工材の一端縁部上或いは他端縁部上における塗料層の厚みを、中央部上における塗料層の厚みよりも薄くできる。かくして、巻取りの際に、巻きずれやたわみの発生を抑制した塗装済材を製造できる。
さらに、上述の塗装済材の製造方法であって、前記一方側斜線溝と前記他方側斜線溝とは、前記軸線となす偏角の絶対値が等しく、同一の断面形状を有し、かつ、上記一方側斜線溝同士の間隔と、上記他方側斜線溝同士の間隔とが等しい形態とされてなる塗装済材の製造方法とすると良い。
上述の塗装済材の製造方法では、一方側斜線溝と他方側斜線溝とが、軸線とでなす偏角の絶対値が等しく、同一の断面形状を有し、かつ、一方側斜線溝同士の間隔と、他方側斜線溝同士の間隔とが等しい形態とされている。このため、塗布工程の際、塗料が軸線方向の一方側或いは他方側に偏って塗布されることなく、被塗工材の中央部において、また、一端縁部及び他端縁部において均一に塗料を塗布して塗装済材を製造できる。
さらに、上述のいずれかの塗装済材の製造方法であって、前記塗布工程における、前記リバースグラビアロールに対する前記被塗工材についての前記軸線方向の許容移動寸法を±WAとしたとき、上記リバースグラビアロールの前記シリンダ面の前記一方側部及び前

記他方側部は、上記軸線方向の寸法が2WAよりも大きくされ、前記中央対応部は、上記軸線方向の寸法WCが上記被塗工材の前記幅方向の寸法WOに対してWC<WO−2WAとされてなる塗装済材の製造方法とすると良い。
上述の塗装済材の製造方法では、塗布工程において、搬送される被塗工材がリバースグラビアロールに対し軸線方向に許容量±WA以内の範囲でずれたとしても、被塗工材の両端に中央部より塗料の厚みの薄い一端縁部及び他端縁部を確実に形成できる。
さらに、他の解決手段は、耐熱皮膜付セパレータ原反の製造方法であって、上述の塗装済材の製造方法において、前記被塗工材は、電池用セパレータ原反であり、前記塗料は、セラミック含有ペーストであり、上記塗装済材は、上記セラミック含有ペーストを乾燥させた耐熱皮膜を有する耐熱皮膜付セパレータ原反の製造方法とすると良い。
リチウムイオン二次電池等の電池には、正極板の正極活物質層と負極板の負極活物質層との間に多孔質樹脂製の電池用セパレータを介在させて、正極板と負極板との短絡を防止するものがある。しかるに、電池用セパレータを貫通して短絡が生じた場合、短絡箇所での発熱により、電池用セパレータが短絡箇所を中心に溶融してしまう。すると、正極板及び負極板の接触面積がさらに増加し、さらに発熱する虞がある。
そこで、電池用セパレータの表面上に無機酸化物などを含む耐熱性の皮膜を形成した耐熱皮膜付セパレータを用いた電池が知られている。耐熱皮膜をなす無機酸化物は、電池用セパレータよりも融点が高いため、短絡の際、短絡箇所で電池用セパレータが溶融しても、正極板と負極板との接触面積が増えるのを抑制でき、電極板間でさらに発熱するのを防ぐことができる。
前述の塗装済材の製造方法において、被塗工材は電池用セパレータ原反であり、塗料はセラミック含有ペーストである。かくして、電池用セパレータ原反上に耐熱皮膜を形成した耐熱皮膜付セパレータ原反を適切に製造できる。
なお、セラミック含有ペーストとしては、例えば、アルミナ(Al23),マグネシア(MgO),チタニア(TiO2),ベーマイト(Al23・H2O)等の無機酸化物のフィラーと、カルボキシメチルセルロース(CMC),ポリフッ化ビニリデン(PVDF),アクリル系ポリマ等のバインダと、N−メチルピロリドン(NMP),水等の溶媒とを混合してできたペーストが挙げられる。
また、耐熱皮膜付セパレータ原反とは、これを幅方向及び長手方向の少なくともいずれかの方向に切断することにより、複数条の耐熱皮膜付セパレータとなるものをいう。また、電池用セパレータ原反は、耐熱皮膜付セパレータ原反のうち耐熱皮膜を形成する被塗工材である。この電池用セパレータ原反は、耐熱皮膜付セパレータ原反の切断により、各々の耐熱皮膜付セパレータにおいて、これをなす電池用セパレータとなる。
さらに、本発明の他の一態様は、電池用セパレータと、上記電池用セパレータ上に形成された耐熱皮膜と、を備える耐熱皮膜付セパレータの製造方法であって、前述の耐熱皮膜付セパレータ原反の製造方法で製造した前記耐熱皮膜付セパレータ原反を、前記幅方向及び前記長手方向の少なくともいずれかの方向に切断して、複数条の上記耐熱皮膜付セパレータを得る切断工程を備える耐熱皮膜付セパレータの製造方法である。
上述の耐熱皮膜付セパレータの製造方法の切断工程では、耐熱皮膜付セパレータ原反を幅方向及び長手方向の少なくともいずれかの方向に切断して、複数条の耐熱皮膜付セパレータを得る。このため、電池に用いる耐熱皮膜付セパレータを容易に多数製造できる。
さらに、本発明の他の一態様は、前述の耐熱皮膜付セパレータの製造方法で製造した前記耐熱皮膜付セパレータを、正極板の正極活物質層と負極板の負極活物質層との間に介在させてなる電池の製造方法であって、上記耐熱皮膜付セパレータは、上記電池において、上記正極活物質層と、上記負極活物質層のうち上記正極活物質層と対向する対向部との間に位置する部位から、前記幅方向一端側または他端側に延出する延出部を有し、前記電池用セパレータ原反は、上記延出部の上記幅方向の寸法よりも小さい幅寸法の前記一端縁部及び前記他端縁部を有し、上記耐熱皮膜付セパレータを、上記正極活物質層と上記負極活物質層との間に介在させる介在工程を備える電池の製造方法である。
上述の電池の製造方法の介在工程では、電池用セパレータ原反を備える耐熱皮膜付セパレータ原反を切断して得た耐熱皮膜付セパレータを、正極活物質層と負極活物質層との間に介在させる。ここで、電池用セパレータ原反は、延出部の寸法よりも小さい幅寸法の一端縁部及び他端縁部を有している。このため、耐熱皮膜付セパレータのうち、塗料層(耐熱皮膜)の厚みが薄い部位(電池用セパレータ原反において一端縁部及び他端縁部であった部位)が正極活物質層と負極活物質層の対向部との間に配置されることがない。
例えば、耐熱皮膜付セパレータ原反と同じ幅方向の寸法の耐熱皮膜付セパレータを電池に用いる場合には、この耐熱皮膜付セパレータの幅方向両側には電池用セパレータ原反において一端縁部及び他端縁部であった部位が存在している。しかし、電池用セパレータ原反の一端縁部及び他端縁部の各幅寸法が、電池の延出部の幅方向の寸法よりも小さいため、介在工程でこの耐熱皮膜付セパレータを正極活物質層と負極活物質層の対向部との間に介在させた場合、一端縁部及び他端縁部であった部位は耐熱皮膜付セパレータの延出部内に位置することになる。
一方、耐熱皮膜付セパレータ原反を、幅方向に複数条切断した耐熱皮膜付セパレータを電池に用いる場合には、切断された耐熱皮膜付セパレータには、その幅方向のいずれか一方(一方側又は他方側)に電池用セパレータ原反において、一端縁部或いは他端縁部であった耐熱皮膜の厚みが薄い部位が存在しているものと、幅方向のいずれの側にも一端縁部も他端縁部で合った部位が存在せず耐熱皮膜の厚みが厚く均一なものとが含まれる。しかるに、この場合でも電池用セパレータ原反の一端縁部又は他端縁部の各幅寸法を、延出部の幅方向の寸法よりも小さくしているため、一端縁部又は他端縁部であった部位は延出部内に確実に位置することになる。
このため、上述のいずれの場合でも、耐熱皮膜付セパレータを正極活物質層と負極活物質層の対向部との間には、耐熱皮膜付セパレータのうち、塗料層(耐熱皮膜)の厚みが厚い電池用セパレータ原反の中央部のみを配置させることができる。かくして、短絡の際にも、さらなる発熱を確実に防ぐことができる電池を製造できる。
実施形態にかかる電池の斜視図である。 実施形態の耐熱皮膜付セパレータの斜視図である。 実施形態の耐熱皮膜付セパレータの部分拡大端面図(図2のB部)である。 実施形態にかかる電池の部分拡大断面図(図1のA−A矢視断面図)である。 実施形態にかかる電池の製造方法うち、塗布工程を示す説明図である。 実施形態にかかる塗工装置のリバースグラビアロールの説明図である。 実施形態にかかる塗工装置のリバースグラビアロールの説明図(図6中のC部の拡大図)である。 実施形態にかかる耐熱皮膜付セパレータ原反の斜視図である。 実施形態にかかる電池の製造方法うち、切断工程を示す説明図である。
(実施形態)
次に、本実施形態にかかる電池の製造方法で製造される電池1について、図1〜4を参照しつつ説明する。
この電池1は、矩形有底箱形の電池ケース本体81、及び、この電池ケース本体81の開口82を封止する封口蓋88を有する電池ケース80と、この電池ケース80内に収容された電極体10とを備えるリチウムイオン二次電池である(図1参照)。このうち電極体10は、いずれも帯状の正極板20及び負極板30が、後述する帯状の耐熱皮膜付セパレータ40を介して扁平形状に捲回された扁平捲回型の電極体である(図1参照)。
電極体10をなす帯状の正極板20は、アルミニウムからなる正極箔28と、この正極箔28の両主面上にそれぞれ帯状に形成された2つの正極活物質層21,21とを有している(図4参照)。また、帯状の負極板30は、銅からなる負極箔38と、この負極箔38の両主面上に帯状に形成された2つの負極活物質層31,31とを有している(図4参照)。
また、長手方向DAに延びる帯状の耐熱皮膜付セパレータ40は、いずれも多孔質状樹脂のセパレータからなる樹脂部41と、この樹脂部41の片側の表面上に形成された耐熱性の耐熱皮膜42とからなる(図2参照)。
このうち、耐熱皮膜42は、アルミナ(Al23)粉末43と、アルミナ粉末43同士を結着させる結着材44とを含む。なお、アルミナ粉末43は、樹脂部41が溶融する温度(120〜170℃)よりも高い融点(2000℃以上)を持つ。このため、仮に耐熱皮膜付セパレータ40を介した正極板20と負極板30との間で短絡が生じて、短絡箇所で樹脂部41の一部が溶融した場合でも、正極板20と負極板30との間に耐熱皮膜42を介在させることができる。従って、正極板20と負極板30との接触面積が増えるのを抑制でき、これらの間でさらに発熱するのを防ぐことができる。
なお、本実施形態にかかる電池1(電極体10)に用いる耐熱皮膜付セパレータ40については、後述するように、第1セパレータ40X、第2セパレータ40Y及び第3セパレータ40Zの3種類の形態がある。そこで、以下では耐熱皮膜付セパレータ40として第2セパレータ40Yを用いた場合について例示する。
図2、及び、図2のB部の拡大端面図である図3に示すように、本実施形態にかかる耐熱皮膜付セパレータ40Y(40)は、幅方向DWの一端側DW1(図2,3中、左側)にセパレータ一端縁40Eを、幅方向の他端側DW2(図2,3中、右側)にセパレータ他端縁40Fをそれぞれ有する。また、この耐熱皮膜付セパレータ40Yは、本体部40Mと、この本体部40Mの幅方向DW他端側DW2に隣在し、セパレータ他端縁40Fに沿って長手方向DAに延びる他端側部40Nとに分けられる。
このうち、本体部40Mは、樹脂部41のうち本体樹脂部41Mと、耐熱皮膜42のうち本体樹脂部41M上に形成された本体皮膜部42Mとからなる。この本体皮膜部42Mは均一な膜厚T1(=4μm)になっている(図3参照)。また、本体樹脂部41Mは、後述する樹脂原反51において中央部52の一部をなしていた部位である。
一方、他端側部40Nは、樹脂部41のうち本体樹脂部41Mの他端側DW2に隣在する帯状の他端側樹脂部41Nと、耐熱皮膜42のうちこの他端側樹脂部41N上に形成された他端側皮膜部42Nとからなる。この他端側皮膜部42Nの膜厚は膜厚T2(=2μm)である。但し、他端側皮膜部42Nは、図3に示すように、その端縁付近で隆起している(隆起部HL)。この隆起部HLは、耐熱皮膜42をなすペースト42P(後述)を樹脂原反51(後述)に塗布した際に、他の部位よりも他端側部40Nをなす他端側樹脂部41Nの端縁付近にペースト42Pが多く集まったためにできたものである。従って、この隆起部HLでは、他端側皮膜部42Nの膜厚が膜厚T2よりも若干厚い膜厚T3(=2.7μm)になっている。
また、他端側樹脂部41Nは、後述する樹脂原反51において他端縁部54をなしていた部位である。
但し、本実施形態にかかる電池1では、他端側部40Nにおける耐熱皮膜42(他端側皮膜部42N)の膜厚T2,T3は、本体部40Mにおける耐熱皮膜42(本体皮膜部42M)の膜厚T1よりも薄い(T1>T3>T2)。このため、この耐熱皮膜付セパレータ40Yを製造した際、巻きずれやたわみの発生を抑制して巻き取ることができる。
また、本実施形態にかかる電池1では、電極体10をなす負極板30の負極活物質層31の主面の面積を、正極板20の正極活物質層21よりも大きくしている。しかも、電極体10において、正極板20の正極活物質層21のいずれの箇所も、負極活物質層31と対向するように配置している(図4参照)。こうすることにより、充電の際、正極活物質層21から放出されたリチウムイオンを、負極活物質層31のうち正極活物質層21と対向する部位で吸蔵するのに加え、この部位の周囲でも吸蔵して、負極活物質層31上に金属リチウムが析出するのを防いでいる。
従って、負極活物質層31は、正極活物質層21と対向する対向部31Xと、この対向部31Xの周囲(長手方向DA及び幅方向DW外側)に隣接して、正極活物質層21と対向しない非対向部31Yとに分けることができる(図4参照)。
また、耐熱皮膜付セパレータ40は、捲回され電極体10の一部を構成している状態では、正極活物質層21と負極活物質層31の対向部31Xとの間に介在している介在部46と、この介在部46から電極体10の軸線方向DX外側に向けて延出する延出部47とに分けることができる。さらに、この延出部47のうち、介在部46から耐熱皮膜付セパレータ40Yの幅方向DW一端側DW1(図4中、左側)に延出する部位を第1延出部47Aとし、耐熱皮膜付セパレータ40Yの幅方向DW他端側DW2(図4中、右側)に延出する部位を第2延出部47Bとする(図4参照)。
耐熱皮膜付セパレータ40Yは、前述したように、本体部40Mと、この幅方向DWの他端側DW2に位置する他端側部40Nとに分けられる。そして、本実施形態では、図4に示すように、他端側部40Nの幅方向DWの幅寸法W1は、延出部47のうち第1延出部47A及び第2延出部47Bの幅方向DWの寸法W2よりも小さくなっている。このため、他端側部40Nは、第2延出部47B内に位置している(図4参照)。
一方、介在部46は、その全体が厚い膜厚T1の本体皮膜部42Mを有する前述の本体部40Mで構成されている。このため、本実施形態にかかる電池1では、正極板20と負極板30とが耐熱皮膜付セパレータ40Yを介して短絡した際にも、厚い膜厚T1の本体皮膜部42Mが正極板20と負極板30との間に介在して、これら正極板20及び負極板30の接触面積が増えるのを防ぐことができる。かくして、正極板20と負極板30とのさらなる発熱を確実に防ぐことができる電池1とすることができる。
次いで、本実施形態にかかる電池1の製造方法について、図面を参照しつつ説明する。
まず、本実施形態にかかる電池1の製造方法のうち、帯状の樹脂原反51の幅方向DW全幅に亘って、前述した耐熱皮膜42をなすペースト42Pを塗布する塗布工程について説明する。なお、このうち樹脂原反51は、耐熱皮膜付セパレータ40(第1セパレータ40X,第2セパレータ40Y,第3セパレータ40Z)の樹脂部41を複数並べたものに相当し、樹脂部41に比して幅方向DWにも長手方向DAにも大きな寸法の帯状形状を有する。また、ペースト42Pは、前述のアルミナ粉末43及び結着材44を溶媒中に混合したものであり、このペースト42Pを乾燥させることで前述の耐熱皮膜42となる。
本実施形態では、以下の塗工装置100を用いて、樹脂原反51の全幅に亘ってペースト42Pを塗布する。この塗工装置100は、図5に示すように、シリンダ面111を有するリバースグラビアロール(以下、単にロールともいう)110と、ドクターブレード120と、ペースト42Pを収容する収容容器130と、塗布したペースト42Pを乾燥させるヒータ140と、巻出し部150と、巻取り部160と、複数の補助ローラ170,170とを備える。
このうち、板状形状のドクターブレード120は、ロール110の軸線方向DX全体に亘って、ロール110のシリンダ面111と接する金属製の刃部121を有する。この刃部121で、シリンダ面111のうち、次述する第1斜線溝118かつ第2斜線溝119内にペースト42Pを残しつつシリンダ面111上のペースト42Pを除去する。
また、収容容器130は、ロール110の軸線方向DXの寸法よりも大きく、かつ、ロール110の直径よりも大きな矩形形状の開口部131を有している。リバースグラビアロール110は、この開口部131を通じて、軸線方向DX全体に亘ってシリンダ面111をペースト42Pに浸すことができる。
リバースグラビアロール110のシリンダ面111には、多数の第1斜線溝118,118及び多数の第2斜線溝119,119を有する。これら第1斜線溝118及び第2斜線溝119は、いずれも深さが96μmで、溝幅が250μmの半円溝形状をなしている。また、第1斜線溝118,118同士間の第1ピッチP1、及び、第2斜線溝119,119同士間の第2ピッチP2はいずれも254μmである。但し、第1斜線溝118は、ロール110の回転方向DR(図6中、手前側から上方を経由して奥行き側に向かう方向)と逆方向、かつ、軸線方向DX一方側DX1(図6中、左側)に延びる形態、即ち回転方向DRと逆方向に進んだとき、軸線方向DXの一方側DX1に溝が延びる形態である。また、第1斜線溝118と軸線AXとがなす偏角θ1は45°である。
一方、第2斜線溝119は、ロール110の回転方向DRと逆方向、かつ、軸線方向DX他方側DX2(図6中、右側)に延びる形態、即ち回転方向DRと逆方向に進んだとき、軸線方向DXの他方側DX2に溝が延びる形態である。また、第2斜線溝119と軸線AXとがなす偏角θ2は−45°である。
シリンダ面111は、軸線方向DXの中央部分に位置する面中央部112と、この面中央部112よりも軸線方向DXの一方側DX1(図6中、左側)でこの面中央部112に隣在する面一方側部113と、面中央部112よりも軸線方向DXの他方側DX2(図6中、右側)で面中央部112に隣在する面他方側部114とを有する。また、これら面中央部112、面一方側部113及び面他方側部114のほかに、面一方側部113よりも軸線方向DXの一方側DX1に位置し、シリンダ面111の一方端111Eに届く面一方端部115と、面他方側部114よりも軸線方向DXの他方側DX2に位置し、シリンダ面111の他方端111Fに届く面他方端部116とを有する。
このうち、面中央部112では、第1斜線溝118及び第2斜線溝119の両者が形成され、第1斜線溝118と第2斜線溝119とが互いに交差して、いわゆるあやめ状とされている。しかし、面一方側部113では、全域に亘って、第1斜線溝118のみが面中央部112から各々延長して形成されている。逆に、面他方側部114では、全域に亘って、第2斜線溝119のみが面中央部112から各々延長して形成されている。また、面一方端部115及び面他方端部116では、第1斜線溝118及び第2斜線溝119のいずれも形成されていない。
なお、面中央部112、面一方側部113及び面他方側部114の軸線方向DXの寸法をそれぞれW4、W5及びW6とすると、本実施形態のリバースグラビアロール110では、面中央部112と面一方側部113と面他方側部114との軸線方向DXの合計寸法W3(=W4+W5+W6)は、樹脂原反51の幅寸法W7(全幅)よりも大きくされている。しかも、面中央部112の軸線方向DXの寸法W4は、樹脂原反51の幅寸法W7よりも小さく、かつ、後述する許容ずれ量±WAとの関係で、(W7−2WA)より小さく(W4<W7−2WA)されている。このため、次述するように、面中央部112と、面一方側部113のうち軸線方向DX他方側DX2の一部である第1一方側部113Sと、面他方側部114のうち軸線方向DX一方側DX1の一部である第1他方側部114
Sとを用いて、樹脂原反51の幅方向DW全幅に亘ってペースト42Pを塗布することが
できる。
この際、リバースグラビアロール110のうち面中央部112は、樹脂原反51の中央部分である中央部52に対応し、この面中央部112のペースト42Pが中央部52に塗布される。
また、面一方側部113のうちの第1一方側部113Sは、樹脂原反51のうち、中央部52の幅方向DWの一端側DW1(図6中、左側)に隣在し、長手方向DA(図6中、奥行き方向)に延びる一端縁51Eに沿う一端縁部53に対応し、この第1一方側部113Sのペースト42Pが一端縁部53に塗布される。
また、面他方側部114のうちの第1他方側部114Sは、樹脂原反51のうち、中央部52の幅方向DWの他端側DW2(図6中、右側)に隣在し、長手方向DAに延びる他端縁51Fに沿う他端縁部54に対応し、この第1他方側部114Sのペースト42Pが他端縁部54に塗布される。
なお、本実施形態では、面一方側部113の幅W5及び面他方側部114の幅W6をそれぞれ1.2mmにしており、後述する許容ずれ量±WA(=±0.5mm)の大きさ(範囲)2WA(=1.0mm)よりも大きくしている。
上述した塗工装置100を用いて、樹脂原反51にペースト42Pを塗布する。
まず、樹脂原反51に塗布するペースト42Pを用意した。具体的には、図示しない溶媒中に、平均粒径(D50)が4μmのアルミナ粉末43、図示しないカルボキシメチルセルロース(CMC)及び結着材44を、アルミナ粉末43:CMC:結着材=98:0.7:1.3の重量比で混合して、固形分率が45%、20s-1の剪断速度における粘度が50mPa・sのペースト42Pを作製した。
このペースト42Pを前述した収容容器130に投入し、巻出し部150に捲回した帯状の樹脂原反51を搬送方向DTに移動させ、この樹脂原反51の片面51A上に、リバースグラビアロール110により、第1斜線溝118及び第2斜線溝119内のペースト42Pを転写すると同時に平滑する(図5参照)。
なお、塗工装置100ではグラビアキスリバース方式により、バックアップロールを用いないで、2つの補助ローラ170,170間において、樹脂原反51の搬送方向DTとは逆に向かって回転するロール110を用いてペースト42Pを樹脂原反51に塗布する。
なお、前述したように、ロール110のシリンダ面111のうち面中央部112には、第1斜線溝118と第2斜線溝119とが互いに交差して形成されている。一方、面一方側部113の全域には第1斜線溝118のみが、また、面他方側部114の全域には第2斜線溝119のみがそれぞれ形成されている。このため、面一方側部113或いは面他方側部114に保持できるペースト42Pの単位面積当たりの液量は、面中央部112に保持できる液量よりも少ない。具体的には、面一方側部113では第2斜線溝119が形成されていない分、また、面他方側部114では第1斜線溝118が形成されていない分、面中央部112に比して少ない。
従って、ロール110を用いて、樹脂原反51のうち一端縁部53或いは他端縁部54に供給されるペースト42Pの単位面積当たりの液量を、樹脂原反51の中央部52に供給される液量よりも少なくできる。このため、一端縁部53或いは他端縁部54にそれぞれ塗布されたペースト42Pの厚みが中央部52に塗布されたペースト42Pの厚みよりも薄くなる。但し、一端縁部53及び他端縁部54のうち一端縁51E近傍及び他端縁51F近傍においてペースト42Pの厚みが部分的に厚くなる場合がある。しかしこのような場合でも、一端縁部53及び他端縁部54いずれの部位におけるペースト42Pの厚みも、中央部52におけるペースト42Pの厚みにまでは達しない。
次いで、ヒータ140を用いて、樹脂原反51と共にペースト42Pを乾燥させ、耐熱皮膜42を形成する。かくして、耐熱皮膜42を有する耐熱皮膜付セパレータ原反50ができあがる(図8参照)。この耐熱皮膜付セパレータ原反50では、樹脂原反51の幅方向DW一端側DW1の一端縁部53上に形成された耐熱皮膜42(皮膜)の厚み、及び、他端側DW2の他端縁部54上に形成された耐熱皮膜42の厚みが、いずれも中央部52上における耐熱皮膜42の厚みよりも薄くなっている。
作製されたこの耐熱皮膜付セパレータ原反50は、その後、巻取り部160に巻き取る。この耐熱皮膜付セパレータ原反50は、上述のように、耐熱皮膜42のうち、一端縁部53上、及び、他端縁部54上の部分が中央部52上の部分よりも薄くなっているので、巻取り部160に巻き取った際に、巻きずれやたわみが生じなかった。
具体的には、外径が90.2mmの巻取り部160を用いて、2400mの耐熱皮膜付セパレータ原反50を巻き取ったときの、幅方向DW両端部分のたわみ(巻取り後の幅方向DW両端の外径から幅方向DW中央の外径を引いた差)は0.0mmであった。これに対し、リバースグラビアロール110の第1斜線溝118及び第2斜線溝119を、面中央部112のみならず、面一方側部113及び面他方側部114の全域であやめ状に形成した比較形態の塗工装置を用いて、同様にして耐熱皮膜付セパレータ原反を作製し、巻き取った場合には、幅方向両端部分のたわみが2.5mm(一端側)及び2.7mm(他端側)となった。これは、耐熱皮膜42の厚みが耐熱皮膜付セパレータ原反の一端縁付近及び他端縁付近で厚くなっていたためである。
なお、このほか、上記実施形態とはリバースグラビアロールの第1斜線溝118の偏角θ1を30°(θ1=30°)に、第2斜線溝119の偏角θ2を−30°(θ2=−30°)にした点のみ異なる塗工装置、及び、偏角θ1を60°(θ1=60°)に、偏角θ2を−60°(θ2=−60°)にした点のみ異なる塗工装置をそれぞれ用意した。そして、各塗工装置をそれぞれ用いて、同様に耐熱皮膜付セパレータ原反を作製し、巻取り部160で巻き取ったところ、いずれも幅方向両端部分のたわみが0.0mmであった。この結果から、偏角θ1,θ2に関し、偏角θ1,θ2の絶対値を15〜75°とすると、作製した耐熱皮膜付セパレータ原反に巻きずれやたわみが生じないと考えられる。さらには、偏角θ1,θ2の絶対値を30〜60°とすると、確実に耐熱皮膜付セパレータ原反に巻きずれやたわみが生じないことが判る。
以上のように、本実施形態用いる塗工装置100では、リバースグラビアロール110のシリンダ面111のうち面中央部112には、第1斜線溝118と第2斜線溝119とが互いに交差して形成されている。しかるに、面一方側部113の全域には第1斜線溝118が、また、面他方側部114の全域には第2斜線溝119がそれぞれ形成されている。このため、耐熱皮膜付セパレータ原反50において、一端縁部53及び他端縁部54における耐熱皮膜42の厚みを中央部52における耐熱皮膜42よりも薄くできる塗工装置100となる。
しかも、面一方側部113に形成された第1斜線溝118は、面中央部112から各々延長して形成されている。また、面他方側部114に形成された第2斜線溝119も面中央部112から各々延長して形成されている。このため、リバースグラビアロール110から樹脂原反51にペースト42Pを転写して平滑する際、面中央部112内の第1斜線溝118及び第2斜線溝119に貯められていたペースト42Pの一部を、これらに続く面一方側部113の第1斜線溝118、或いは、面他方側部114の第2斜線溝119にスムーズに移動させることができる。従って、第1斜線溝118及び第2斜線溝119のうち面中央部112の軸線方向DX両端の部位(この面中央部112のうち面一方側部113或いは面他方側部114との境界部分)にペースト42Pが多く貯まって、樹脂原反51の中央部52のうち幅方向DW両端の部位(中央部52のうち一端縁部53或いは他端縁部54との境界部分)で塗布されたペースト42Pが厚くなることもない。
また、本実施形態にかかる塗工装置100では、第1斜線溝118と第2斜線溝119とが、軸線AXとでなす各偏角θ1,θ2の絶対値が等しく、同一の断面形状を有している。さらに、シリンダ面111において、第1斜線溝118,118同士の間隔(第1ピッチP1)と、第2斜線溝119,119同士の間隔(第2ピッチP2)とが等しい形態とされている。このため、ペースト42Pが軸線方向DXの一方側DX1或いは他方側DX2に偏って塗布されることなく、樹脂原反51の中央部52において、また、一端縁部53及び他端縁部54において均一にペースト42Pを塗布できる。
さらに、上述の耐熱皮膜付セパレータ原反50の製造方法では、前述のシリンダ面111を有するリバースグラビアロール110を用いて、樹脂原反51の片面51Aの幅方向DW全幅に亘ってペースト42Pを塗布する塗布工程を備える。このため、全幅に亘って耐熱皮膜42を有する耐熱皮膜付セパレータ原反50でありながら、樹脂原反51の一端縁部53上及び他端縁部54上における耐熱皮膜42の厚みを、中央部52上における耐熱皮膜42の厚みよりも薄くできる。かくして、巻取り部160による巻取りの際に、巻きずれやたわみの発生を抑制した耐熱皮膜付セパレータ原反50を製造できる。
また、第1斜線溝118と第2斜線溝119とが、軸線AXとでなす各偏角θ1,θ2の絶対値が等しく、同一の断面形状を有し、かつ、第1斜線溝118,118同士の間隔(第1ピッチP1)と、第2斜線溝119,119同士の間隔(第2ピッチP2)とが等しい形態とされている。このため、塗布工程の際、ペースト42Pが軸線方向DXの一方側DX1或いは他方側DX2に偏って塗布されることなく、樹脂原反51の中央部52において、また、一端縁部53及び他端縁部54において均一にペースト42Pを塗布して耐熱皮膜付セパレータ原反50を製造できる。
なお、本実施形態の塗工装置100は、既知の蛇行制御機構を有する。この蛇行制御機構では、図示しないセンサを用いて、搬送される樹脂原反51の一端縁51Eに生じる、ロール110の軸線方向DXの一方側DX1の基準位置からのずれ量を検知する。そして、このずれ量が小さくなるように、補助ローラ170の軸線と樹脂原反51の搬送方向DTに直交する線とがなす角度を変化させて、ずれ量をフィードバック制御する。なお、本実施形態では、一端縁51Eの軸線方向DXの許容ずれ量を±0.5mm(=±WA)としている。
また、本実施形態では、リバースグラビアロール110のシリンダ面111において、面一方側部113の軸線方向DXの幅W5を許容ずれ量±WAの範囲2WA(=1.0mm)よりも大きい1.2mmとしている。そして、塗工の際には、この面一方側部113の軸線方向DXの中心位置を、ロール110における、樹脂原反51の一端縁51Eの基準位置BP1に設定する。これにより、図7に示すように、基準位置BP1は、面中央部112と面一方側部113との境界から軸線方向DX一方側DX1に0.6mm離間した位置となる。このようにすることで、面一方側部113の第1一方側部113Sに対応する一端縁部53が、樹脂原反51の一端縁51Eに沿って、幅W8=0.1〜1.1mmで必ず形成される。そしてこの一端縁部53には、中央部52よりも厚みの薄いペースト42Pが塗布される。
また、本実施形態では、面中央部112の軸線方向DXの幅W4を、樹脂原反51の幅寸法W7及び許容ずれ量±WAの範囲2WAに対して、W4<W7−2WAとしている。具体的には、W4=W7−1.2(mm)としている。さらに、面他方側部114の軸線方向DXの幅W6もまた、面一方側部113と同様、範囲2WAよりも大きい1.2mmとしている。このため、面他方側部114の軸線方向DXの中心位置は、基準位置BP1から軸線方向DX他方側DX2に樹脂原反51の幅寸法W7だけずれた位置となる。かくして、面他方側部114の第1他方側部114Sに対応する他端縁部54が、樹脂原反51の他端縁51Fに沿って、幅W9=0.1〜1.1mmの幅で必ず形成される。そしてこの他端縁部54には、中央部52よりも厚みの薄いペースト42Pが塗布される。
このように、本実施形態では、リバースグラビアロール110のシリンダ面111において、面一方側部113及び面他方側部114の軸線方向DXの各寸法W5,W6がそれぞれ1.0mm(樹脂原反51の一端縁51Eの許容ずれ量±WAの範囲(2WA))よりも大きくしてある(=1.2mm)。さらに、面中央部112は、軸線方向DXの寸法W4が樹脂原反51の幅寸法W7に対してW4<W7−2WAとされている。従って、上述の塗工装置100では、塗布の際、搬送される樹脂原反51がリバースグラビアロール110に対し軸線方向DXに許容ずれ量±WA以内の範囲でずれたとしても、樹脂原反51の両端に中央部52よりペースト42Pの厚みの薄い一端縁部53及び他端縁部54を確実に形成できる。
また、樹脂原反51は電池用セパレータ原反であり、ペースト42Pはアルミナ粉末43を含むセラミック含有ペーストである。かくして、電池用の樹脂原反51上に耐熱皮膜42を形成した耐熱皮膜付セパレータ原反50を適切に製造できる。
次いで、本実施形態にかかる電池1の製造方法のうち、耐熱皮膜付セパレータ原反50を切断する切断工程について説明する。この切断工程では、図9に示すように、帯状の耐熱皮膜付セパレータ原反50を巻き出す巻出し部180、耐熱皮膜付セパレータ原反50を幅方向DWに切断する切断部200、切断された帯状の耐熱皮膜付セパレータ原反50(後述する裁断前第1セパレータ40BX,裁断前第2セパレータ40BY,裁断前第3セパレータ40BZ)を巻き取る巻取り部190、及び、複数の補助ローラ170,170を用いる。
このうち、複数の円板カッターからなる切断部200は、耐熱皮膜付セパレータ原反50の幅方向DWの寸法が、耐熱皮膜付セパレータ40の幅方向DWの寸法と同じになるように、耐熱皮膜付セパレータ原反50を幅方向DWに複数条(本実施形態では4条)に切断する。
この裁断工程では、まず、巻出し部180から帯状の耐熱皮膜付セパレータ原反50を巻き出し、2つの補助ローラ170,170の間を通過させた後、上述した切断部200において、その耐熱皮膜付セパレータ原反50を幅方向DWに切断する。そして、巻取り部190によって、耐熱皮膜付セパレータ40よりも長手方向DAに長い帯状の裁断前セパレータ40B(40BX,40BZ,40BZ,40BY)をそれぞれ巻き取る(図9参照)。
なお、耐熱皮膜付セパレータ原反50は、幅方向DW一端側DW1(図9中、左下側)に一端縁部53を、幅方向DW他端側DW2(図9中、右上側)に他端縁部54を、それぞれ有している。このため、巻取り部190に巻き取られた裁断前セパレータ40Bのうち、幅方向DW一端側DW1の端に位置する裁断前第1セパレータ40BXと、幅方向DW他端側DW2の端に位置する裁断前第2セパレータ40BYと、これら以外の裁断前第3セパレータ40BZとでは、互いに形態が異なる。
具体的には、裁断前第1セパレータ40BXは、前述した本体部40Mと、この本体部40Mの幅方向DW一端側DW1に隣在する一端側部40Lとに分けられる(図9参照)。このうち、一端側部40Lは、一端側樹脂部41L上に、本体部40Mの皮膜(本体皮膜部42M)よりも厚みの薄い一端側皮膜部42Lを有する。また、裁断前第2セパレータ40BYは、本体部40Mと、前述した他端側部40Nとに分けられる。このうち、他端側部40Nは、他端側樹脂部41N上に、本体皮膜部42Mよりも厚みの薄い他端側皮膜部42Nを有する。また、裁断前第3セパレータ40BZは、その全体が本体皮膜部42Mを有する本体部40Mからなる。
巻取り部190に巻き取った裁断前セパレータ40B(裁断前第1セパレータ40BX,裁断前第2セパレータ40BY,裁断前第3セパレータ40BZ)は、長手方向DAに所定の長さで裁断して、耐熱皮膜付セパレータ40(第1セパレータ40X,第2セパレータ40Y,第3セパレータ40Z)とする。なお、本実施形態で例示した電池1では、耐熱皮膜付セパレータ40として、裁断前第2セパレータ40BYを裁断した第2セパレータ40Yを用いた。
次いで、公知の手法でそれぞれ作製した正極板20と負極板30との間に、上述の耐熱皮膜付セパレータ40(40X,40Y,40Z)を介在させて、これらを円筒状に捲回した(介在工程)。その後、円筒面を両側から押し潰して、横断面が扁平な長円形状で扁平捲回型の電極体10を作製した(図1,4参照)。
なお、捲回により、電極体10において耐熱皮膜付セパレータ40(40X,40Y,40Z)は、正極板20及び負極板30との関係で、前述した介在部46と延出部47(第1延出部47A,第2延出部47B)に分けられる(図4参照)。但し、電極体10では、これら第1延出部47A及び第2延出部47Bの幅方向DWの寸法W2は、一端側部40L或いは他端側部40Nの幅方向DWの幅寸法よりも大きくされている。従って、第2セパレータ40Yを用いた電池1(電極体10)について言えば、他端側部40Nが第2延出部47B内に配置される(図4参照)。また、第1セパレータ40Xを用いた電池について言えば、一端側部40Lが第1延出部47A内に配置される。このようにすることで、耐熱皮膜付セパレータ40内に、一端側部40L或いは他端側部40Nが存在する場合(第1セパレータ40X,第2セパレータ40Y)でも存在していない場合(第3セパレータ40Z)でも、耐熱皮膜付セパレータ40の介在部46は、その全体が厚い膜厚T1の耐熱皮膜42(前述の本体皮膜部42M)を有する本体部40Mで構成される。
その後、電極体10を電池ケース本体81に収容し、電解液を注液した後、電池ケース本体81を封口蓋88で封口して、電池1を完成させた(図1参照)。
上述の耐熱皮膜付セパレータ40の製造方法の切断工程では、耐熱皮膜付セパレータ原反50を幅方向DW及び長手方向DAの各方向に切断して、複数条の耐熱皮膜付セパレータ40(40X,40Y,40Z)を得る。このため、電池1に用いる耐熱皮膜付セパレータ40を容易に多数製造できる。
また、介在工程では、樹脂原反51を備える耐熱皮膜付セパレータ原反50を切断して得た耐熱皮膜付セパレータ40(40X,40Y,40Z)を、正極活物質層21と負極活物質層31との間に介在させる。ここで、樹脂原反51は、第1延出部47A及び第2延出部47Bの寸法W2よりも小さい幅寸法W8,W9の一端縁部53及び他端縁部54を有している。このため、耐熱皮膜付セパレータ40(40X,40Y)のうち、耐熱皮膜42の厚みが薄い一端側部40L或いは他端側部40Nが正極活物質層21と負極活物質層31の対向部31Xとの間に配置されることがない。
このため、耐熱皮膜付セパレータ40として前述のセパレータ40X,40Y,40Zのいずれを用いた場合でも、耐熱皮膜付セパレータ40を正極活物質層21と負極活物質層31の対向部31Xとの間には、耐熱皮膜付セパレータ40のうち本体部40Mのみを配置させることができる。かくして、短絡の際にも、さらなる発熱を確実に防ぐことができる電池1を製造できる。
以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることは言うまでもない。
例えば、実施形態では、塗工装置を、リバースグラビアロールを被塗工材に接触させ、その表面に直接塗布する形態とした。しかし、一旦リバースグラビアロールにより中間転写体に塗料を塗布し、この中間転写体から被塗工材に塗料を塗布する形態としても良い。また、第1斜線溝(一方側斜線溝)の偏角θ1と第2斜線溝(他方側斜線溝)の偏角θ2との絶対値を等しくした形態の塗工装置を例示したが、各偏角θ1,θ2の絶対値が異なる形態としても良い。但し、偏角θ1と偏角θ2との絶対値を等しくするのが好ましい。
1 電池
20 正極板
21 正極活物質層
30 負極板
31 負極活物質層
31X 対向部
40 耐熱皮膜付セパレータ
41 樹脂部(電池用セパレータ)
42 耐熱皮膜
42P ペースト(塗料,セラミック含有ペースト)
46 介在部((正極活物質層と対向部との間に位置する)部位)
47 延出部
50 耐熱皮膜付セパレータ原反(塗装済材)
51 樹脂原反(被塗工材,電池用セパレータ原反)
51A (樹脂原反の)片面
51E 一端縁
51F 他端縁
52 中央部
53 一端縁部
54 他端縁部
100 塗工装置
110 リバースグラビアロール
111 シリンダ面
112 面中央部(中央対応部)
113 面一方側部(一方側部)
113S 第1一方側部(一端対応部)
113T 第2一方側部
114 面他方側部(他方側部)
114S 第1他方側部(他端対応部)
114T 第2他方側部
118 第1斜線溝(一方側斜線溝)
119 第2斜線溝(他方側斜線溝)
AX 軸線
DA 長手方向
DR 回転方向
DW 幅方向
DW1 (幅方向)一端側
DW2 (幅方向)他端側
DX 軸線方向
DX1 (軸線方向)一方側
DX2 (軸線方向)他方側
P1 第1ピッチ(第1斜線溝同士の間隔)
P2 第2ピッチ(第2斜線溝同士の間隔)
W2 (延出部(第1延出部及び第2延出部)の幅方向の)寸法
W4 (面中央部の幅方向の)寸法
W5 (面一方側部の幅方向の)寸法
W6 (面他方側部の幅方向の)寸法
W7 (樹脂原反の)幅寸法
W8 (一端縁部の)幅寸法
W9 (他端縁部の)幅寸法
WA 許容ずれ量(許容量)
θ1,θ2 偏角

Claims (9)

  1. リバースグラビアロールを用いて、帯状の被塗工材の片面についてその幅方向全幅に亘って塗料を塗布する塗工装置であって、
    上記被塗工材のうち、上記幅方向の中央部分を中央部とし、上記中央部の上記幅方向一端側に隣在し長手方向に延びる一端縁に沿う部位を一端縁部とし、上記中央部の上記幅方向他端側に隣在し上記長手方向に延びる他端縁に沿う部位を他端縁部としたとき、
    上記リバースグラビアロールのシリンダ面は、
    上記被塗工材の上記中央部に対応する中央対応部と、
    上記中央対応部よりも上記リバースグラビアロールの軸線に沿う軸線方向の一方側で上記中央対応部に隣在し、上記被塗工材の上記一端縁部に対応する一端対応部を一部に含む、一方側部と、
    上記中央対応部の上記軸線方向の他方側に隣在し、上記被塗工材の上記他端縁部に対応する他端対応部を一部に含む、他方側部と、を有し、
    上記シリンダ面の上記中央対応部には、
    互いに同一の断面形状で等間隔に形成され、上記リバースグラビアロールの回転方向と逆方向かつ上記軸線方向一方側に延びる一方側斜線溝と、互いに同一の断面形状で等間隔に形成され、上記リバースグラビアロールの回転方向と逆方向かつ上記軸線方向他方側に延びる他方側斜線溝とが、互いに交差して形成されてなり、
    上記一方側部の全域に、上記一方側斜線溝が各々延長して形成されてなり、
    上記他方側部の全域に、上記他方側斜線溝が各々延長して形成されてなる
    塗工装置。
  2. 請求項1に記載の塗工装置であって、
    前記一方側斜線溝と前記他方側斜線溝とは、
    前記軸線とでなす偏角の絶対値が等しく、
    同一の断面形状を有し、かつ、
    上記一方側斜線溝同士の間隔と、上記他方側斜線溝同士の間隔とが等しい形態とされてなる
    塗工装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の塗工装置であって、
    塗布の際の、前記リバースグラビアロールに対する前記被塗工材についての前記軸線方向の許容移動寸法を±WAとしたとき、
    上記リバースグラビアロールの前記シリンダ面の前記一方側部及び前記他方側部は、上記軸線方向の寸法が2WAよりも大きくされ、
    前記中央対応部は、上記軸線方向の寸法WCが上記被塗工材の前記幅方向の寸法WOに対してWC<WO−2WAとされてなる
    塗工装置。
  4. 帯状の被塗工材の片面について、その幅方向全幅に亘って塗料を塗布した塗装済材の製造方法であって、
    上記被塗工材のうち、上記幅方向の中央部分を中央部とし、上記中央部の上記幅方向一端側に隣在し長手方向に延びる一端縁に沿う部位を一端縁部とし、上記中央部の上記幅方向他端側に隣在し上記長手方向に延びる他端縁に沿う部位を他端縁部としたとき、
    リバースグラビアロールのシリンダ面は、
    上記被塗工材の上記中央部に対応する中央対応部と、
    上記中央対応部よりも上記リバースグラビアロールの軸線に沿う軸線方向の一方側で上記中央対応部に隣在し、上記被塗工材の上記一端縁部に対応する一端対応部を一部に含む、一方側部と、
    上記中央対応部の上記軸線方向の他方側に隣在し、上記被塗工材の上記他端縁部に対応する他端対応部を一部に含む、他方側部と、を有し、
    上記シリンダ面の上記中央対応部には、
    互いに同一の断面形状で等間隔に形成され、上記リバースグラビアロールの回転方向と逆方向かつ上記軸線方向一方側に延びる一方側斜線溝と、互いに同一の断面形状で等間隔に形成され、上記リバースグラビアロールの回転方向と逆方向かつ上記軸線方向他方側に延びる他方側斜線溝とが、互いに交差して形成されてなり、
    上記一方側部の全域に、上記一方側斜線溝が各々延長して形成されてなり、
    上記他方側部の全域に、上記他方側斜線溝が各々延長して形成されてなる
    上記リバースグラビアロールを用いて、上記被塗工材の上記片面の上記幅方向全幅に亘って、上記塗料を塗布する塗布工程を備える
    塗装済材の製造方法。
  5. 請求項4に記載の塗装済材の製造方法であって、
    前記一方側斜線溝と前記他方側斜線溝とは、
    前記軸線とでなす偏角の絶対値が等しく、
    同一の断面形状を有し、かつ、
    上記一方側斜線溝同士の間隔と、上記他方側斜線溝同士の間隔とが等しい形態とされてなる
    塗装済材の製造方法。
  6. 請求項4又は請求項5に記載の塗装済材の製造方法であって、
    前記塗布工程における、前記リバースグラビアロールに対する前記被塗工材についての前記軸線方向の許容移動寸法を±WAとしたとき、
    上記リバースグラビアロールの前記シリンダ面の前記一方側部及び前記他方側部は、上記軸線方向の寸法が2WAよりも大きくされ、
    前記中央対応部は、上記軸線方向の寸法WCが上記被塗工材の前記幅方向の寸法WOに対してWC<WO−2WAとされてなる
    塗装済材の製造方法。
  7. 耐熱皮膜付セパレータ原反の製造方法であって、
    請求項4〜請求項6のいずれか1項に記載の塗装済材の製造方法において
    前記被塗工材は、電池用セパレータ原反であり、
    前記塗料は、セラミック含有ペーストであり、
    上記塗装済材は、上記セラミック含有ペーストを乾燥させた耐熱皮膜を有する
    耐熱皮膜付セパレータ原反の製造方法。
  8. 電池用セパレータと、
    上記電池用セパレータ上に形成された耐熱皮膜と、を備える
    耐熱皮膜付セパレータの製造方法であって、
    請求項7に記載の耐熱皮膜付セパレータ原反の製造方法で製造した前記耐熱皮膜付セパレータ原反を、前記幅方向及び前記長手方向の少なくともいずれかの方向に切断して、複数条の上記耐熱皮膜付セパレータを得る切断工程を備える
    耐熱皮膜付セパレータの製造方法。
  9. 請求項8に記載の耐熱皮膜付セパレータの製造方法で製造した前記耐熱皮膜付セパレータを、正極板の正極活物質層と負極板の負極活物質層との間に介在させてなる電池の製造方法であって、
    上記耐熱皮膜付セパレータは、
    上記電池において、上記正極活物質層と、上記負極活物質層のうち上記正極活物質層と対向する対向部との間に位置する部位から、前記幅方向一端側または他端側に延出する延出部を有し、
    前記電池用セパレータ原反は、
    上記延出部の上記幅方向の寸法よりも小さい幅寸法の前記一端縁部及び前記他端縁部を有し、
    上記耐熱皮膜付セパレータを、上記正極活物質層と上記負極活物質層との間に介在させる介在工程を備える
    電池の製造方法。
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