JP6539080B2 - 二次電池の製造方法 - Google Patents
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Description
このような二次電池の電極材の製造方法として、電池活物質などの電極材料をバインダや導電助剤とともに溶媒を用いてペースト状に調整し、アルミニウムや銅の金属箔上に塗布、乾燥した後にプレスして活物質を金属箔に密着させることが、例えば特許文献1に開示されている。
したがって、製造時における積層ずれを防ぐことが可能となり、活物質が圧縮により高密度化された電極を容易にかつ確実に製造することができる。
また、この場合には、例えば積層体を一方向に延出してプレスロールに対して相対的に移動させつつ、プレスロールを中心軸回りに回転させることで、積層体を両面側から容易に圧縮することができる。この場合、プレスロールの回転によってプレスする製造方法となるので、積層体が延出される方向に長い積層体に対して連続的にプレスを行うことができ、製造効率を向上させることが可能となる。
さらに、この場合には、積層体を一対のフィルム材で挟んで重ね合わせた状態でプレスロール同士の間を通過させることで、積層体の活物質部と未塗工部はそれぞれフィルム材を介してプレスロールの第1プレス部、第2プレス部より圧力を受けることになる。つまり、フィルム材の厚みは一定であるため、前述したように活物質部と未塗工部との厚み差を小さくすることができ、プレス手段によって積層体全域に均一に圧力をかけることができ、その結果、積層体の反りが抑制された二次電池を製造することができる。
図1及び図2に示すように、本実施の形態による二次電池の製造方法は、導電性金属箔3の両面に活物質層2(2A、2B)が形成されるとともに、導電性金属箔3のうち活物質が塗工されていない未塗工部1Bを有する積層体1を両面側からプレスして高密度化する電極を製造する際に適用されている。
そして、得られた正極は、本実施の形態の製造方法によるプレスにより圧縮して適当な密度に調整される。
プレスロール5A、5Bは、積層体1のうち活物質層2A、2Bが形成される活物質部1Aをプレスする第1プレス部51と、未塗工部1Bをプレスする第2プレス部52と、を有している。第2プレス部52には、積層体1における活物質部1Aと未塗工部1Bの厚さ方向の寸法差Δt(t1+t2)を小さくするように突出する凸部53を有している。
図1及び図2に示すように、本実施の形態では、積層体1をプレスロール5A、5B同士の間でロール中心軸Oに直交する方向(図1及び図2の紙面に直交する方向)に沿って移動させつつ、プレスロール5A、5Bをロール中心軸O回りに回転させることによって積層体1を両面側からプレスする。なお、図1に示す矢印Pはプレス方向(圧縮方向)を示している。このとき、プレスロール5A、5Bによって未塗工部1Bを有する積層体1の両面側からプレスする際に、第1プレス部51で活物質部1Aが圧縮されるとともに、第2プレス部52の凸部53で未塗工部1Bが圧縮される。
したがって、製造時における積層体1の積層ずれを防ぐことが可能となり、活物質が圧縮により高密度化された電極を容易にかつ確実に製造することができる。
次に、第2の実施の形態による二次電池の製造方法について、図面に基づいて説明する。
図4に示すように、第2の実施の形態は、積層体10を一対のフィルム材6A、6Bで挟んだ状態で重ね合わせ、一対のフィルム材6A、6Bの両面側に配置されたプレスロール5A、5B同士の間を通過させることで、積層体10を両面側からプレスする製造方法である。
ここで、セパレータとしては、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン、フッ素樹脂などの多孔性フィルムが用いられる。
また、フィルム材6A、6Bは、金属と樹脂との積層フィルムで構成されていてもよい。このような積層フィルムは、公知のリチウム電池用の包装フィルムを用いることができる。積層する際の組み合わせとしては、アルミニウムとポリエステル樹脂との積層、ステンレスとポリプロピレン樹脂との積層等が挙げられる。また、フィルム材6A、6Bの厚みは、10〜800μm程度とすることができる。より好ましくは、フィルム材6A、6Bとして、接着可能なラミネート材料を用いることが好ましい。ラミネート材料をフィルム材6A、6Bとして用いることにより、一対のフィルム材6A、6Bを重ね合わせる際に、開放端部の接着が簡便になる。
なお、本実施の形態では上側の第1プレスロール5Aのロール中心軸O方向の両側に別体の補助ロール5C、5Cが設けられている。補助ロール5Cは、積層体10が配置されないフィルム材6A、6B同士が重なる領域に対応して配置され、補助ロール5Cの中心軸は第1プレスロール5Aのロール中心軸Oよりも下側に位置し、フィルム材6A、6Bの開口端部6bを完全に封止する。
また、上記補助ロール5Cは、本実施の形態のように上側のプレスロール5Aに対して上下方向に段差を付ける位置に配置されることに制限されることはなく、延出方向Xに沿ってずれた位置でも良いし、プレスロール5Aと同軸に設けられていてもよい。
本実施例では、上述した実施の形態の積層体を使用し、上下にプレスロールを配置して、凸部を有するプレスロールを用いた場合の効果を確認した。
図5(a)〜(c)に示すように、使用した積層体Sは、プレス前において、総厚で160μm、金属箔厚が15μm、金属箔の両面それぞれに塗工される活物質層厚が72.5μmであるものを使用した。ロール中心軸方向の長さ寸法は136mmである。そして、プレス後の積層体の寸法は、総厚で135μm、金属箔厚を15μm、金属箔の両面それぞれに塗工される活物質層厚を60μmとした。そして、上下一対のプレスロールR1、R2同士のクリアランスを135μmとした。
図5(b)に示す比較例1は、上側のプレスロールR1のみにポリエステル系樹脂テープTを貼付したものであり、そのテープTの厚さを75μmとした。
図5(c)に示す比較例2は、上側および下側のプレスロールR1、R2ともにテープの貼付が無いものを使用した。
図5(b)に示す比較例1では、活物質層のある金属箔部分には両面にプレスの圧力がかかるが、未塗工部の金属箔部分には上側のプレスロールR1が上方から接触するものの、活物質層のある金属箔部分が受けるような圧力はかからない状態であり、比較例2とほぼ同等でプレス後に30mmの反りが生じた。
このように実施例の場合には、比較例の反り量の1/5程度に低減されたことが確認できた。
例えば、上述の本実施の形態では、積層体1における未塗工部1Bがプレスロールのロール中心軸O方向の外側に設けられているが、この位置に限定されることはない。例えば、図6に示す変形例では、積層体1の幅方向の中央に未塗工部1Bが設けられる場合の製造方法であって、プレスロール5A、5Bにおける第2プレス部52(凸部53)もロール中心軸O方向の中央部に配置されている。
1A 活物質部
1B 未塗工部
1a 活物質部の表面
1b 未塗工部の表面
2、2A、2B 活物質層
3 導電性金属箔
5A、5B プレスロール(プレス手段)
5A 第1プレスロール(プレス手段)
5B 第2プレスロール(プレス手段)
6A、6B フィルム材
10A 正極
10B 負極
11 正極集電体(導電性金属箔)
12 正極活物質層(活物質層)
14 負極集電体(導電性金属箔)
51 第1プレス部
52 第2プレス部
53 凸部
O ロール中心軸
Claims (3)
- 導電性金属箔の両面に活物質層が形成されるとともに、前記導電性金属箔のうち活物質が塗工されていない未塗工部を有する積層体をプレスして高密度化する二次電池の製造方法であって、
前記積層体を両面側からプレスするプレス手段が設けられ、
該プレス手段は、前記積層体のうち前記活物質層が形成される活物質部をプレスする第1プレス部と、前記未塗工部をプレスする第2プレス部とを有し、該第2プレス部には前記積層体における前記活物質部と前記未塗工部の厚さ方向の寸法差を小さくするように突出する凸部を有し、
前記プレス手段によって前記積層体の両面側からプレスした状態で、前記第1プレス部で前記活物質部を圧縮し、前記第2プレス部の前記凸部で前記未塗工部を圧縮し、
前記積層体の両側のうち少なくとも一方側に設けられる前記プレス手段は、中心軸を中心に回転自在なプレスロールであり、前記凸部が前記プレスロールの外周面に全周にわたって延在し、
前記積層体を一対のフィルム材で挟んだ状態で重ね合わせ、前記積層体を前記プレスロールの中心軸に直交する方向に沿って移動させつつ、前記一対のフィルム材の両面側に配置された前記プレスロール同士の間を通過させることで、前記プレスロールの回転によって前記積層体を両面側からプレスすることを特徴とする二次電池の製造方法。 - 前記凸部の突出高さは、プレス後の前記積層体の前記活物質層の表面から前記未塗工部の表面までの厚さ方向の寸法差に一致していることを特徴とする請求項1に記載の二次電池の製造方法。
- 前記凸部は、前記第1プレス部及び前記第2プレス部からなるプレスロール本体と異なる部材から構成され、さらに前記第1プレス部による活物質の圧縮に伴い、同様に圧縮可能な材質で設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の二次電池の製造方法。
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