JP2009252547A - リチウムイオン二次電池用負極体の製造方法 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用負極体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、サイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池用負極体、これを用いたリチウムイオン二次電池、およびリチウムイオン二次電池の製造方法を提供することを主目的とする。
【解決手段】本発明は、負極集電体と、上記負極集電体上に形成された合金活物質層、および上記合金活物質層表面に上記合金活物質層の一部が表面に露出するように開口部が形成された樹脂層からなる負極層とを有し、上記開口部に露出する上記合金活物質層表面と上記樹脂層表面とは、上記負極集電体表面からの距離が、上記樹脂層表面の方が大きくなるように段差を有することを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極体を提供することにより、上記課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、サイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池用負極体、リチウムイオン二次電池、およびリチウムイオン二次電池の製造方法に関する。
パソコン、ビデオカメラ、携帯電話等の小型化に伴い、情報関連機器、通信機器の分野では、これらの機器に用いる電源として、高エネルギー密度であるという理由から、リチウムイオン二次電池が実用化され広く普及するに至っている。また一方で、自動車の分野においても、環境問題、資源問題から電気自動車の開発が急がれており、この電気自動車用の電源としても、リチウムイオン二次電池が検討されている。
従来、リチウムイオン二次電池に用いられる負極活物質として、グラファイト等の炭素材料が広く用いられているが、炭素材料は一般的にリチウム吸蔵量が少ないため、炭素材料に比べてリチウム吸蔵量が多いSnやSn合金等が注目を浴びている(例えば特許文献1)。
しかしながら、このようなリチウムイオン二次電池において充放電を行うと、例えば図5に示すような負極集電体2と負極層5とからなる従来の負極体1(図5(a))では、負極層5中の、リチウムと合金化する合金化活物質が、リチウムを吸蔵放出する際に膨張、収縮して、負極層5中に割れが発生する(図5(b))。この状態で、さらに充放電を繰り返し行うと、合金化活物質の急激な膨張収縮に耐え切れず、負極層5中の割れが伝播するなどして、負極層5が剥離、滑落してしまう(図5(c))。このため、導電性が欠落して充放電できなくなり、サイクル特性が低くなってしまう。したがって、このような問題を改善して、リチウムイオン二次電池のサイクル特性を向上させることが必要とされている。
この問題に関して、特許文献2においては、負極集電体上にめっき法により0.5μm未満の平均粒径を有するめっき粒子が実質的に連続した錫または錫合金めっき皮膜を形成し、負極層を薄膜化させた二次電池用電極材料を用いるリチウムイオン二次電池が提案されている。負極層を薄膜化することにより、充放電時の負極層の体積変化による応力を小さくし、サイクル特性の向上を図ったものである。
しかしながら、上記の場合、負極層を形成するめっき粒子が小さく、密な状態になるため、体積変化による応力を緩和することはできるものの、実用化できるほどの効果は得ることができないという問題があった。
また、負極層の体積変化による応力を更に緩和させる方法として、特許文献3では、シリコン系の負極活物質を用いた薄膜の負極層が厚み方向に切れ目によって分離されているリチウム電池用電極について開示されている。これによれば、負極層に切れ目を設けることにより、充放電時に負極層が膨張・収縮しても、負極層にできた隙間が応力を緩和し、負極層が滑落してしまうような応力の発生を抑制することができる。
しかしながら、上記のような負極層の構造のみで、負極層の膨張収縮による応力に対応するには限度があり、負極層の滑落を抑制することは困難であった。
そこで、図6(a)に示すように、負極集電体2上に表面を粗化した負極活物質からなる合金活物質層3を形成し、合金活物質層3表面を樹脂で覆い、エッチングによって一部を除去することにより、合金活物質層3と樹脂層4とが面一構造となるリチウムイオン二次電池用負極体が提案されている。これによれば、樹脂層4で合金活物質層を覆うことで、合金活物質層を保持しながら、充放電時の合金活物質層の体積変化を抑えることにより、合金活物質層の滑落を抑えることができる。また、電解液と合金活物質層との反応性を低減して、電解液の劣化を防止することができるという利点も有する。
しかしながら、この場合でも、例えばリチウム挿入時には、図6(b)のように、表面上に露出した合金活物質層3にリチウムが挿入されることにより、露出部分が膨張し、突起状物20が形成されてしまうため、これをリチウムイオン二次電池に用いた場合、隣接するセパレータを破損する等のおそれがある。また、リチウム脱離時には、図6(c)のように、露出部分で膨張した突起状物20の側面からもリチウムが脱離して、突起状物20が細くなって残ってしまったり、突起状物20の根元が折れることによって負極層の一部が滑落してしまう等の可能性が考えられる。
なお、特許文献4〜特許文献6には樹脂以外の物質で負極層を保護することが開示されているが、いずれも負極層の滑落を抑制するまでには至らなかった。
特開平8−78021号公報 特開2003−142088号公報 特開2002−083594号公報 特開2005−197258号公報 特開2006−139967号公報 特開2006−517719号公報
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、サイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池用負極体、これを用いたリチウムイオン二次電池、およびリチウムイオン二次電池の製造方法を提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、負極集電体と、上記負極集電体上に形成された合金活物質層、および上記合金活物質層表面に上記合金活物質層の一部が表面に露出するように開口部が形成された樹脂層からなる負極層とを有し、上記開口部に露出する上記合金活物質層表面と上記樹脂層表面とは、上記負極集電体表面からの距離が、上記樹脂層表面の方が大きくなるように段差を有することを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極体を提供する。
本発明によれば、合金活物質層表面を開口部を有する樹脂層で全面に渡って覆うことにより、合金活物質層の膨張収縮を抑えることができる。これにより、体積変化によって合金活物質層にかかる応力の局所的な集中を緩和することができるため、合金活物質層の割れや滑落の発生を抑制することができる。
また、合金活物質層にひび・割れが生じてしまった場合でも、合金活物質層の表面全面を開口部を有する樹脂層が覆っているため、負極集電体からの剥離や合金活物質層の滑落を防止することができる。
さらに、上記開口部に露出する上記合金活物質層表面と上記樹脂層表面とは、上記負極集電体表面からの距離が、上記樹脂層表面の方が大きくなるように段差を有することにより、リチウムが合金活物質層に挿入される場合、合金活物質層の膨張部分は樹脂層開口部内に形成され、リチウムが脱離する場合、合金活物質層の膨張部分は、樹脂層で覆われた側面からはリチウムが脱離せず、電解液と接している部分からのみ選択的にリチウムが脱離するため、合金活物質層の形状を滑落が生じにくいものとすることができる。
また、上記樹脂層を有することにより、合金活物質層と電解液との反応性を低減することができるので、電解液の劣化を防ぐことができる。
上記発明においては、上記樹脂層が上記合金活物質層の端部を覆う構造であることが好ましい。上記樹脂層が合金活物質層の端部を覆うことで、リチウム挿入・脱離時の積層方向だけでなく、合金活物質層端部での剥離・滑落を抑えることができる。
また、上記発明においては、上記段差が、0.01μm〜10μmの範囲内であることが好ましい。上記範囲内であることにより、合金活物質層へのリチウム挿入時には、樹脂層開口部内で合金活物質層の膨張部分が形成されるため、電池に用いた場合に隣接する部材に対する悪影響を少なくすることができる。また、リチウム脱離時には、樹脂層によって囲われているため、合金活物質層の膨張部分の側面からはリチウムが脱離せず、電解液と接する部分からのみリチウムが脱離するので、合金活物質層の形状が滑落しやすいものに変化するのを防ぐことができる。
また、本発明は、上述したリチウムイオン二次電池用負極体と、正極集電体および正極層を有するリチウムイオン二次電池用正極体と、上記負極層および上記正極層の間に配置されたセパレータと、リチウム塩を含有する非水電解液とを有することを特徴とするリチウムイオン二次電池を提供する。
本発明によれば、上述したリチウムイオン二次電池用負極体を用いることにより、充放電時に合金活物質層の剥離・滑落等の負極層の劣化が起こりにくくなるため、サイクル特性の劣化が抑制され、長寿命で高容量なリチウムイオン二次電池とすることができる。
本発明は、上述したリチウムイオン二次電池を製造するリチウムイオン二次電池の製造方法であって、上記負極集電体上に合金活物質層を形成する合金活物質層形成工程と、上記合金活物質層表面に、上記合金活物質層の一部が負極層の表面に露出するように開口部が形成された上記樹脂層を形成する樹脂層形成工程とを有することを特徴とするリチウムイオン二次電池の製造方法を提供する。
本発明においては、サイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池を得ることができるという効果を奏する。
本発明は、リチウムイオン二次電池用負極体、これを用いたリチウムイオン二次電池、およびチウムイオン二次電池の製造方法に関するものである。
以下、それぞれについて詳細に説明する。
A.リチウムイオン二次電池用負極体
本発明のリチウムイオン二次電池用負極体は、負極集電体と、上記負極集電体上に形成された合金活物質層、および上記合金活物質層表面に上記合金活物質層の一部が表面に露出するように開口部が形成された樹脂層からなる負極層とを有し、上記開口部に露出する上記合金活物質層表面と上記樹脂層表面とは、上記負極集電体表面からの距離が、上記樹脂層表面の方が大きくなるように段差を有することを特徴とするものである。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極体を図を用いて説明する。図1は本発明のリチウムイオン二次電池用負極体の一例を示す概略断面図である。図1(a)に示すように、本発明のリチウムイオン二次電池用負極体1は、負極集電体2と、負極集電体2上に形成された合金活物質層3および樹脂層4からなる負極層5を有するものである。ここで、樹脂層4は、合金活物質層3表面に合金活物質層3の一部が負極層5の表面に露出するように開口部が形成され、上記開口部に露出する上記合金活物質層3表面と上記樹脂層表面4とは、上記負極集電体2表面からの距離が、上記樹脂層4表面の方が大きくなるように段差を有するものである。
本発明によれば、合金活物質層表面を開口部を有する樹脂層で全面に渡って覆うことにより、合金活物質層の膨張収縮を抑えることができる。これによって、合金活物質層の体積変化によって発生する応力が合金活物質層に局所的に集中するのを緩和することができ、合金活物質層の滑落等の発生を防止することができる。
また、合金活物質層に割れやひびが生じた場合でも、上記樹脂層で表面を覆うことによって、合金活物質層が滑落したり、負極集電体から剥離する等を抑えることができる。
本発明によれば、上記樹脂層が開口部を有することにより、例えば図1(b)に示すように、リチウム挿入時に、合金活物質層3が膨張した場合、開口部内で膨張部分が形成されるので、樹脂層4にある程度の膜厚を持たせて、合金活物質層3表面と樹脂層4表面とに段差を形成することにより、電池に用いた場合に隣接するセパレータ等の部材を破損する等の問題を解決することができる。また、図1(c)に示すように、リチウム脱離時には、合金活物質層3の開口部内に形成された膨張部分は、樹脂層4で覆われている膨張部分の側面からはリチウムが脱離せず、電解液と接する部分からのみ選択的にリチウムが脱離するため、膨張部分の残存による合金活物質層の剥離・滑落を抑えることができる。
さらに、上記樹脂層を有することにより、合金活物質層と電解液との反応性を低減することができるので、電解液の劣化を防ぐことができるという利点も有する。
上記段差としては、0.01μm〜10μmの範囲内、中でも1μm〜3μmの範囲内が好ましい。上記範囲を超える場合、単位体積当たりの発電効率が低下するからであり、上記範囲に満たない場合、リチウム挿入時に合金活物質層の膨張部分が樹脂層表面より高くなり、隣接する部材を破損する等の悪影響を与えるおそれがあるためである。
以下、本発明のリチウムイオン二次電池用負極体の各構成について説明する。
1.負極層
本発明に用いられる負極層は、後述する負極集電体上に形成された合金活物質層と、上記合金活物質層表面に上記合金活物質層の一部が表面に露出するように開口部が形成された樹脂層とからなり、上記開口部に露出する上記合金活物質層表面と上記樹脂層表面とは、上記負極集電体表面からの距離が、上記樹脂層表面の方が大きくなるように段差を有するものである。
以下、樹脂層および合金活物質層についてそれぞれ説明する。
a.樹脂層
まず、上記負極層に用いられる樹脂層について説明する。本発明に用いられる樹脂層は、合金活物質層の滑落を抑制するために形成され、開口部を有するものである。
上記樹脂層は、開口部を有することにより、リチウム挿入・脱離に起こる合金活物質層の形状変化を制御し、割れ、剥離、滑落等の発生を防止することが可能となる。
このような樹脂層の開口部の形状としては、樹脂層の強度を保つことができる形状であれば、特に限定されるものではなく、例えば円形、矩形、三角形、ひし形等が挙げられる。
また、上記樹脂層開口部のパターン形状としては、合金活物質層全体を覆った場合に、合金活物質層全体の膨張収縮を抑制することができ、かつ、樹脂層の開口部内で合金活物質層の膨張収縮が起きても、合金活物質層の形状が滑落を発生しにくいものとなるようなパターン形状であれば特に限定されず、例えば、ストライプ状、千鳥状、格子状等の公知のパターン形状とすることができる。
本発明に用いられる樹脂層全体の面積における開口部の面積の割合としては、10%〜50%の範囲内が好ましく、中でも30%〜40%の範囲内が好ましい。上記範囲に満たない場合、十分な容量を得られないほど電解液と合金活物質層との反応性が低減するからであり、上記範囲を超える場合、合金活物質層全体の膨張・収縮を抑制できない可能性があるからである。
また、上記樹脂層の膜厚としては、合金活物質層全体の積層方向(図1中a方向)への膨張収縮を防止し、かつ、リチウム挿入時に、合金活物質層の膨張部分が樹脂層表面に突き出ることがないよう、樹脂層表面と合金活物質層表面との間に段差を形成することができるのであれば、特に限定されるものではない。
このような樹脂層の膜厚としては、0.01μm〜10μmの範囲内であることが好ましく、中でも1μm〜3μmの範囲内であることが好ましい。上記範囲に満たない場合、合金活物質層の膨張収縮を抑えきれず、合金活物質層に剥離・滑落を生じる可能性があるからである。また、開口部に形成される合金活物質層の膨張部分が突出して隣接部材を破損するおそれもあるからである。上記範囲を超える場合、単位体積当たりの発電効率が低下するからである。
本発明に用いられる樹脂層としては、合金活物質層の表面上を被覆するものであれば、特に限定されるものではないが、図2(a)に例示するように樹脂層4は合金活物質層3の端部を被覆するものであることがより好ましい。これにより、合金活物質層の端部での膨張収縮に対応することができるからである。
上記の場合、樹脂層の合金活物質層端部における樹脂層の膜厚としては、合金活物質層の膨張収縮を抑えて、合金活物質層端部に剥離・滑落が生じるのを防ぐことができ、かつ、単位体積当たりの発電効率が低下しない程度の膜厚であれば、特に限定されるものではない。
ここで、「合金活物質層端部における膜厚」とは、図2(a)中の膜厚tを指すものである。
また、本発明においては、図2(b)に例示するように、樹脂層4は負極集電体2の端部を被覆しているものであることがさらに好ましい。合金活物質層の体積変化にともなって負極集電体が引き伸ばされることにより負極集電体が破損するのを防ぐことができるからである。
このように、樹脂層により負極集電体の端部を被覆する場合は、負極集電体の端部における樹脂層の膜厚が、合金活物質層の体積変化にともなって負極集電体が引き伸ばされることにより負極集電体が破損するのを防ぐことができ、かつ、単位体積当たりの発電効率が低下しない程度の膜厚であれば特に限定されない。
ここで、「負極集電体端部における膜厚」とは、図2(b)中の膜厚sを指すものである。また、図2(a)および図2(b)中で説明していない符号は、図1のものと同様であるためここでの記載は省略する。
上記樹脂層は、合金活物質層全体の膨張収縮を抑えるとともに、合金活物質層の滑落の発生を抑制するために形成される。
このような樹脂層に用いられる材料としては、合金活物質層全体の膨張・収縮を抑制し、合金活物質層の割れの発生を抑制することができるのであれば、特に限定されない。
本発明においては、合金活物質層の膨張収縮を抑え、体積変化により発生する応力を緩和するために、合金活物質層の体積変化に合わせて樹脂層が対応できるよう、弾性のある樹脂を用いることが好ましい。
また、本発明のリチウムイオン二次電池の負極体を、リチウムイオン二次電池に用いた場合、上記樹脂層は、電解液と接するため、樹脂層中の成分が電解液に溶出し、悪影響を与えないことが必要である。
さらに、リチウムイオン二次電池に用いるものであるため、電気分解性の低い樹脂であることが好ましい。
このような樹脂層の材料としては、上述した特性を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、および紫外線硬化性樹脂等が挙げられる。
具体的には、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリイミド、アクリル樹脂、オレフィン樹脂、ビスマレイミドトリアジン、LCP、シアネート系樹脂(シアネートエステル)、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリエチレンナフタレート、ポリ尿素等が挙げられる。これらの樹脂については、2種類以上の複合系樹脂として用いてもよい。
b.合金活物質層
本発明に用いられる合金活物質層は、後述する負極集電体上に形成されたリチウムと合金可能な元素からなるものである。
上記元素としては、リチウムイオンと合金可能なものであれば特に限定されるものではなく、金属リチウム、ケイ素、錫、アルミニウム等、もしくはこれらの合金等が挙げられる。本発明においては特に、錫が好ましい。
上記合金活物質層の膜厚としては、特に限定されるものではなく、リチウムイオン二次電池の用途により適宜調整されるものであるが、1μm〜6μmの範囲内、中でも1μm〜3μmの範囲内、特に1μm〜2μmの範囲内であることが好ましい。上記範囲に満たない場合、充分な容量を得ることができないからであり、上記範囲を超える場合、Li挿入・脱離時の体積変化が大きく、割れが発生しやすくなるためである。
本発明に用いられる合金活物質層においては、上述した樹脂層との密着性を高めるために、合金活物質層表面を粗化していてもよい。表面粗さについては、用いられる合金活物質層の材料、樹脂層の材料等により適宜調整される。
c.負極層
本発明に用いられる負極層は、上述した樹脂層および合金活物質層からなるものである。
本発明に用いられる負極層の膜厚としては、10μm以下、中でも1μm〜8μmの範囲内であることが好ましい。上記範囲を超える場合は、単位体積当たりの発電効率が低下するためである。ここで、「負極層の膜厚」とは、合金活物質層と樹脂層とが積層した部分の膜厚のことを指す。
本発明に用いられる負極層の大きさとしては、用いられるリチウムイオン二次電池の種類によって適宜調整される。
本発明の負極層の形成方法については、後述する「C.リチウムイオン二次電池の製造方法」の項で説明するためここでの記載は省略する。
2.負極集電体
本発明に用いられる負極集電体は、負極層の集電を行う機能を有するものである。
上記負極集電体の材料としては、例えば銅、SUS、ニッケル等を挙げることができ、中でも銅が好ましい。また、負極集電体の形状としては、例えば、箔状、板状、メッシュ状等を挙げることができ、中でも箔状が好ましい。
3.リチウムイオン二次電池用負極体
本発明のリチウムイオン二次電池用負極体は、上述した負極層と負極集電体とからなるものであり、リチウムイオン二次電池用正極体、セパレータ、電解液、および電池ケースとともにリチウムイオン二次電池を形成するのに用いられるものである。
また、このようなリチウムイオン電池用負極体の用途としては、例えば自動車等に使用されるリチウムイオン二次電池を挙げることができる。
B.リチウムイオン二次電池
次に本発明のリチウムイオン二次電池について説明する。
本発明のリチウムイオン二次電池は、上述したリチウムイオン二次電池用負極体と、正極集電体および正極層からなるリチウムイオン二次電池用正極体と、上記負極層と上記正極層との間に形成されたセパレータと、リチウム塩を含有する非水電解液とを有することを特徴とするものである。
本発明のリチウムイオン二次電池を図を用いて説明する。
図3は本発明のリチウムイオン二次電池の一例を示す概略断面図である。図3に示されるリチウムイオン二次電池10は、負極集電体2、および負極集電体2上に形成された合金活物質層3と樹脂層4とからなる負極層5を有するリチウムイオン二次電池用負極体1と、正極集電体6、および正極集電体6上に形成された正極活物質を含有する正極層7を有するリチウムイオン二次電池用正極体8と、負極層5および正極層7の間に配置されたセパレータ9と、正極活物質および負極活物質の間でリチウムイオンを伝導させる非水電解液(図示せず)と、を有するものである。
本発明によれば、上述した負極体を有するため、合金活物質層の割れによる剥離・滑落等の負極層の劣化が起こりにくく、高容量でサイクル特性の高いリチウムイオン二次電池とすることができる。
以下、本発明のリチウムイオン二次電池の各構成について説明する。
1.リチウムイオン二次電池用負極体
本発明に用いられるリチウムイオン二次電池用負極体については、「A.リチウムイオン二次電池用負極体」の項で説明したためここでの説明は省略する。
2.リチウムイオン二次電池用正極体
本発明に用いられるリチウムイオン二次電池用正極体は、正極集電体および正極層を有するものである。
以下それぞれについて説明する。
a.正極層
上記リチウムイオン二次電池用正極体に使用される正極層は、リチウムを吸蔵、放出することのできる正極活物質を含有するものである。
このような正極活物質としては、例えば金属Li、LiCoO、LiCoO、LiMn、LiNiO、LiFePO等を挙げることができる。
また、上記正極層は、さらに導電剤および結着剤(バインダ)を含有していてもよい。
結着剤としては、例えば、ポリビニリデンフロライド(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等を挙げることができる。
また、導電剤としては、例えばアセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラックなどを挙げることができる。
b.正極集電体
上記正極集電体とは、上記正極層の集電を行うものである。上記正極集電体の材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えばアルミニウム、SUS、ニッケル、鉄およびチタン等を挙げることができ、中でもアルミニウムおよびSUSが好ましい。さらに、上記正極集電体は、緻密金属集電体であっても良く、多孔質金属集電体であっても良い。
c.リチウムイオン二次電池用正極体の形成方法
上記リチウムイオン二次電池用正極体の形成方法としては、特に限定されるものではなく、一般的な正極体の形成方法と同様の方法を用いることができる。具体的には、まず正極活物質、結着材および溶媒等を含有する正極層形成用ペーストを作製し、次に正極層形成用ペーストを正極集電体上に塗布し、乾燥する方法等を挙げることができる。なお、この際、正極層の電極密度を向上させるために、正極層のプレスを行っても良い。
3.セパレータ
次に、本発明に用いられるセパレータについて説明する。本発明に用いられるセパレータは、上述したように異なる極性を持つ電極の間に設置され、後述する電解質を保持する機能を有するものである。
上記セパレータの材料としては、異なる極性を持つ電極の間に設置され、後述する電解質を保持する機能を有することができる材料であれば、特に限定されるものではないが、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、セルロースおよびポリアミド等の樹脂を挙げることができ、中でもポリプロピレンが好ましい。また、上記セパレータは、単層構造であっても良く、複層構造であっても良い。複層構造のセパレータとしては、例えばPE/PPの2層構造のセパレータ、PP/PE/PPの3層構造のセパレータ等を挙げることができる。さらに、本発明においては、上記セパレータが、多孔膜、樹脂不織布、ガラス繊維不織布等の不織布等であっても良い。中でも多孔膜が好ましい。
4.非水電解液
本発明においては、上述した電極体中の電極および集電体内、さらにセパレータ内に、通常、リチウム塩を含有する非水電解液を有する。
上記非水電解液は、通常、リチウム塩および非水溶媒を有する。上記リチウム塩としては、一般的なリチウムイオン二次電池に用いられるリチウム塩であれば特に限定されるものではないが、例えばLiPF、LiBF、LiN(CFSO、LiCFSO、LiCSO、LiC(CFSOおよびLiClO等を挙げることができる。一方、上記非水溶媒としては、上記リチウム塩を溶解できるものであれば特に限定されるものではないが、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、アセトニトリル、プロピオニトリル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ニトロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。本発明においては、これらの非水溶媒を一種のみ用いても良く、二種以上を混合して用いても良い。また、上記非水電解液として、常温溶融塩を用いることもできる。
5.その他
本発明に用いられるリチウムイオン二次電池は、例えば積層した場合等には、通常、図3で例示されるようなリチウムイオン二次電池を電池ケースに挿入し、その周囲を封口して作製される。上記電池ケースとしては、一般的には、金属製のものが用いられ、例えばステンレス製のもの等が挙げられる。また、本発明に用いられる電池ケースの形状としては、上述したセパレータ、正極層、負極層等を収納できるものであれば特に限定されるものではないが、具体的には、円筒型、角型、コイン型、ラミネート型等を挙げることができる。
また、このようなリチウムイオン電池の用途としては、例えば自動車等に用いられる。
C.リチウムイオン二次電池の製造方法
本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法は、上述したリチウムイオン二次電池の製造方法であって、上記負極集電体上に合金活物質層を形成する合金活物質層形成工程と、上記合金活物質層表面に、上記合金活物質層の一部が負極層の表面に露出するように開口部が形成された上記樹脂層を形成する樹脂層形成工程とを有することを特徴とする製造方法である。
図4は、本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法の一例を示す工程図である。本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法は、負極集電体2上に合金活物質層3を形成する合金活物質層形成工程(図4(a))と、合金活物質層3表面に、合金活物質層3の一部が表面に露出するように開口部が形成された樹脂層4を形成する樹脂層形成工程(図4(b)〜図4(d))とを有することを特徴とする製造方法である。樹脂層形成工程としては、例えばフォトリソ法を用いる場合、負極集電体2および合金活物質層3覆うようにして樹脂膜4‘を形成して、乾燥させる樹脂膜形成工程(図4(b))、塗布した樹脂を露光マスク11を用いて、光12で露光する露光工程(図4(c))、露光後現像して樹脂層4を形成する現像工程等を有する工程となる。
本発明によれば、上記のようにリチウムイオン二次電池用負極体を製造することにより、充放電時の割れの少ないものとすることができ、この製造方法で製造されたリチウムイオン二次電池は、高容量でサイクル特性の高いものとすることができる。
以下、それぞれの工程について説明する。
1.合金活物質層形成工程
本工程は、負極集電体上に合金活物質層を形成する工程である。
負極集電体上に負極層を形成する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、スパッタリング法、PVD法、CVD法、電解めっき法、無電解めっき法等を挙げることができ、中でもスパッタリング法および電解めっき法が好ましい。
本工程においては、合金活物質層の表面を粗化するために、予め、負極集電体の表面を粗化する等の処理を行ってもよい。これにより、樹脂層と、合金活物質層との密着性を高めることができるからである。
2.樹脂層形成工程
本工程は、上記合金活物質層表面に、上記合金活物質層の一部が負極層の表面に露出するように開口部が形成された上記樹脂層を形成する工程である。
本工程に用いられる樹脂層の形成方法としては、合金活物質層の表面全体に樹脂膜を形成した後、樹脂膜の一部を除去して開口部を形成するという2工程で形成する方法と、合金活物質層の表面全体に開口部を設けた樹脂層を1工程で形成する方法とが挙げられる。
本工程において、2工程で樹脂層を形成する場合、合金活物質層表面に樹脂膜を形成する方法としては、均一な厚みの樹脂膜を形成することができるのであれば、特に限定されない。例えば、フィルムラミネート法、ロールコート法、スプレー法、カーテンコート法、電着法、スクリーン印刷法、熱圧着法、バーコーター法等が挙げられる。
また、上記のように形成された樹脂膜の一部を除去する方法としては、例えば、図4(b)〜図4(d)に示すようなフォトリソ法や、レーザー照射によって樹脂膜の一部を除去する方法等が挙げられる。
本工程において、1工程で樹脂層を形成する場合、合金活物質層表面に樹脂層を形成する方法としては、例えば、樹脂層のパターン形状が形成されたフィルムを合金活物質層表面に張るフィルムラミネート法や、スクリーン印刷法等の印刷法、合金活物質層状にマスクを配置し、マスク上から樹脂層を形成する電着法および真空蒸着法等が挙げられる。
3.その他の工程
本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法は、上述した合金活物質層形成工程および樹脂層形成工程の他に、通常、リチウムイオン二次電池用正極体を形成するリチウムイオン二次電池用正極体形成工程や、各構成を組み立てる組立工程等が行われる。これらの工程については、一般的なリチウムイオン二次電池の製造に用いられる工程と同様の工程であるため、ここでの記載は省略する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
(合金活物質層の形成)
まず、100mlビーカーに酸性クリーナーDP−320(奥野製薬製)を入れ、30℃に調整した。このクリーナーを用いて18ミクロンの銅箔を60秒処理し、表面を洗浄した。その後、蒸留水を用いて30秒水洗し、クリーナーを洗い落した。洗浄した銅箔を硫酸に室温で60秒漬し、表面の不純物を酸により洗浄し、再度水洗いした。
上述のようにして処理した銅箔を電気Snめっき浴(Snめっき浴は硫酸第一スズ30g/L、硫酸100ml/L、添加剤30ml/L)に浸漬させ、3.5A/dmで40秒間電析させ、厚み0.5μmの合金活物質層を得た。
(皮膜測定)
得られた合金活物質層の皮膜状態の測定は、析出重量測定法により析出量を測定した。また、表面形状観察は走査型電子顕微鏡(SEM)を、表面積は超深度形状測定顕微鏡(レーザー顕微鏡)を、膜厚は断面を研磨後、レーザー顕微鏡を用いてそれぞれ測定した。
(樹脂層の形成)
得られた合金活物質層を酸性クリーナーDP−320(奥野製薬製)で、30℃、60秒間の条件で洗浄した。その後、硫酸に室温で30秒漬し、表面を洗浄した。次に、ポリイミド樹脂を30℃、100Vで5分間電着させた。180℃で45分間熱処理をして、樹脂層を形成した。レーザー顕微鏡により膜厚を測定すると10μmであった。
溝幅1μm、厚み50μmのメタルマスクを用いて電極を覆い、エキシマレーザーを用いて溝を形成させた。その後マスク部を取り除き、樹脂コートSnめっき電極を得た。
(評価用電池の作成)
樹脂コートSnめっき電極をφ16mmに切り抜き負極体とした。対極には、φ19mmのLiメタルを使用した。セパレータはポリエチレン製20μmのものを2枚、電解液には1MのLiPF(in EC/DMC(1:1vol.%))を使用した。
まず、φ19mmの対極を下蓋に入れた。その上からガスケットを挿入し、対極を固定した。その後、セパレータ2枚を入れた。次に、負極体を下蓋の対極と、Sn面が対向するようにガスケットをガイドにした入れた。電解液2ccを入れ、スペーサを設置し、気泡を抜いた。ウェーブワッシャーをセットし上蓋を載せて、かしめ機でかしめて、評価用電池を得た。
(評価)
0.645mAで25℃、0.01VまでLiを挿入後、1.5VまでLiを脱離する試験を30回繰り返し、初期容量と30サイクル後の容量とから維持率(=30サイクル後の容量/初期容量×100)を算出した。結果を表1に示す。
[比較例1]
粗面銅箔にSnめっきした後、樹脂をコートして、樹脂層と合金活物質層が面一構造となりようにエッチングしたこと以外は実施例1と同様にして測定用電池を作成した。
評価は、0.598mAで25℃、0.01VまでLiを挿入後、実施例と同様にして1.5VまでLiを脱離する試験を30回繰り返し、容量維持率を算出した。結果を表1に示す。
Figure 2009252547
(結果)
負極体表面が面一構造となっている場合よりも、段差構造になっている方が高い容量維持率を示した。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極負極体の一例を示す概略断面図である。 本発明のリチウムイオン二次電池用負極負極体の他の一例を示す概略断面図である。 本発明のリチウムイオン二次電池の一例を示す概略断面図である。 本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法の一例を示す工程図である。 従来の負極層の割れについて説明する図である。 従来の負極層の割れについて説明する図である。
符号の説明
1 … リチウムイオン二次電池用負極体
2 … 負極集電体
3 … 合金活物質層
4 … 樹脂層
5 … 負極層
6 … 正極集電体
7 … 正極層
8 … リチウムイオン二次電池用正極体
9 … セパレータ
10 … リチウムイオン二次電池

Claims (5)

  1. 負極集電体と、前記負極集電体上に形成された合金活物質層、および前記合金活物質層表面に前記合金活物質層の一部が表面に露出するように開口部が形成された樹脂層からなる負極層とを有し、前記開口部に露出する前記合金活物質層表面と前記樹脂層表面とは、前記負極集電体表面からの距離が、前記樹脂層表面の方が大きくなるように段差を有することを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極体。
  2. 前記樹脂層が前記合金活物質層の端部を覆う構造であることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極体。
  3. 前記段差が、0.01μm〜10μmの範囲内であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のリチウムイオン二次電池用負極体。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載のリチウムイオン二次電池用負極体と、正極集電体および正極層からなるリチウムイオン二次電池用正極体と、前記負極層と前記正極層との間に形成されたセパレータと、リチウム塩を含有する非水電解液とを有することを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  5. 請求項4に記載のリチウムイオン二次電池を製造するリチウムイオン二次電池の製造方法であって、
    前記負極集電体上に合金活物質層を形成する合金活物質層形成工程と、
    前記合金活物質層表面に、前記合金活物質層の一部が負極層の表面に露出するように開口部が形成された前記樹脂層を形成する樹脂層形成工程とを有することを特徴とするリチウムイオン二次電池の製造方法。
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