JP2007248562A - 光学物品およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光学的,物理的特性のバリエーションに富んだ新規な光学物品を提供する。
【解決手段】被覆層Fが基板Sの表面に形成された光学物品Pであって、被覆層Fは、酸窒化ケイ素、酸窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、および酸化ケイ素からなる群より選択される材料からなる薄膜を積層したものである。このように、薄膜を酸窒化ケイ素、酸窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、および酸化ケイ素からなる群より選択するため、二酸化チタンおよび二酸化ケイ素の2種類のみからなる従来の光学物品と比較して、光学的,物理的特性のバリエーションに富んだ光学物品を提供することが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は光学物品およびその製造方法に係り、特に、基体の表面に被覆層が形成された光学物品およびその製造方法に関する。
プラスチックやガラスなどの基板の表面に種々の材料からなる薄膜を積層した光学物品が知られている。光学物品は、積層する薄膜の屈折率や硬度等の特性によって、様々な光学的,物理的特性を備える。
光学物品の例として光学リフレクタがある。光学リフレクタは、反射層に入射する光線のうち主として可視光領域の光(約350〜750nm)に対して透過率が低く、赤外線領域(800〜1100nm)の光に対しては高い透過率を示す性質を備えている。すなわち、反射層に入射する光線のうち主として可視光領域の光を反射し、赤外線領域の光を吸収する性質を備えている。光学リフレクタは、自動車やプロジェクターなどのランプや、自転車や道路標識の反射板といった種々の用途に用いられている。
また、同様の性質を有する他の光学物品として、赤外線ランプの反射板や暗視撮影用の赤外線透視フィルタ、防曇用の窓ガラス等に用いられる熱線反射膜などがある。
このような光学物品として、従来から二酸化ケイ素や二酸化チタンを積層して反射層を形成した反射鏡(すなわち、光学リフレクタ)が広く利用されてきた。例えば、ガラス基体上に二酸化チタンと二酸化ケイ素との交互層からなる誘電体多層膜(すなわち、光学フィルタ)が形成された反射鏡を光源装置に用いられた例が知られている(例えば、特許文献1)。
このような光学リフレクタを備えることで、光源装置の発光体からの光線のうち主として可視光を反射し、赤外線領域の光を透過することが可能となる。
特開平6−36747号(請求項1,請求項2,段落0019,図1など)
このように光学リフレクタは、赤外線領域の光を透過して、可視光領域の光を反射する性質を備えているが、その使用目的や使用環境に応じて、赤外線領域の透過波長や透過率、可視光波長の反射波長や反射係数など、様々な光学的特性が要求される。
また、光学フィルタが赤外線領域の光を透過しやすい性質を有しているため、光学フィルタを透過した赤外線がガラス基板で吸収されて、その熱効果によりガラス基体が加熱され、光学リフレクタ全体の温度が高くなるという性質がある。また、光源装置の光学リフレクタとして使用する場合、光源からの放射熱により光学リフレクタ全体の温度が高くなることがある。従って、光学リフレクタを構成する光学フィルタは、耐熱性に優れた性質を有することが必要とされる。
さらに、光学リフレクタは、自動車のランプや道路標識などに用いられることが多いが、これらの使用される環境では、光学リフレクタが風雨や飛来物に曝されることが多く、このため表面に損傷を負いやすい。従って、光学リフレクタの表面の光学フィルタは、耐摩耗性に優れた性質を備えていることが好ましい。
しかしながら、従来の光学フィルタの材料は、二酸化チタンと二酸化ケイ素の2種類の材料しか用いられておらず、これらの材料から形成される光学フィルタは、屈折率や減衰係数などの光学的特性や、融点や硬度などの物理的特性のバリエーションに乏しく、種々の特性を備えた光学フィルタを作成することが困難であった。
加えて、二酸化ケイ素の融点は1660℃、二酸化チタンの融点は1840℃と、いずれの材料も低融点である。このため、このような低融点材料で形成された光学フィルタは、耐熱性が低く、熱により容易に損傷したり光学的特性に変化が生じたりする不都合があった。
また、二酸化ケイ素のビッカース硬さは640Hv、二酸化チタンは1100Hvといずれも硬度が低い。このため、このような低硬度材料で形成された光学フィルタは耐摩耗性に乏しく、表面への衝撃などに対して容易に破損するという不都合があった。
本発明の目的は、従来の光学物品と比較して、光学的特性や物理的特性のバリエーションに富み、様々な特性を有する新規な光学物品を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、特に耐熱性,耐摩耗性に優れた光学物品を提供することにある。
さらにまた、本発明の他の目的は、上記のようなバリエーションに富んだ光学物品の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の光学物品は、異なる材料からなる2種類以上の薄膜を積層した被覆層が基体の表面に形成された光学物品であって、前記薄膜は、酸窒化ケイ素,酸窒化アルミニウム,窒化ケイ素,窒化アルミニウム,酸化アルミニウム,および酸化ケイ素からなる群より選択される材料で形成されたことにより解決される。
このように、本発明の光学物品によれば、基体の表面に形成される被覆層が、酸窒化ケイ素,酸窒化アルミニウム,窒化ケイ素,窒化アルミニウム,酸化アルミニウム,および酸化ケイ素からなる群より選択される材料を積層して形成される。このため、二酸化ケイ素と二酸化チタンの2種類のみからなる従来の光学物品と比較して、光学的,物理的特性のバリエーションに富んだ光学物品を提供することが可能となる。
この場合、前記薄膜のうち少なくとも1つが、酸窒化アルミニウム,窒化アルミニウム,および酸化アルミニウムからなる群より選択される材料からなることが好ましい。
本発明の光学物品は、被覆層を形成する薄膜のうち少なくとも1つが、酸窒化アルミニウム,窒化アルミニウム,および酸化アルミニウムからなる群より選択される材料からなる薄膜である。酸窒化アルミニウム,窒化アルミニウム,酸化アルミニウムは、いずれも融点が2045℃以上、ビッカース硬さが1230以上の高融点、高硬度材料であるため、これらの材料から形成される被覆層は、高融点、高硬度となる。
従って、従来のような耐熱性や耐磨耗性の低い材料を用いた場合と比較して、熱による光学的・物理的特性が変化しにくく、かつ表面に損傷を受けにくい、安定した光学的特性を備えた光学物品を提供することが可能となる。
また、前記薄膜のうち少なくとも1つが、次の一般式:SiOx1y1(ここで、0<x1≦0.5、1≦y1<1.33であり、x1=0のときy1=1.33、x1=2のときy1=0である)で示される酸窒化ケイ素,または窒化ケイ素からなることが好ましい。
本発明の光学物品は、被覆層を形成する薄膜のうち少なくとも1つが、SiOx1y1(ここで、0<x1≦0.5、1≦y1<1.33であり、x1=0のときy1=1.33、x1=2のときy1=0である)で示される酸窒化ケイ素、または窒化ケイ素からなる薄膜である。この式で示される酸窒化ケイ素は、融点が1750℃以上,ビッカース硬さ(Hv)が1100以上の高融点,高硬度材料であるため、この材料から形成される被覆層は、高融点,高硬度となる。
従って、従来のような耐熱性や耐磨耗性の低い材料を用いた場合と比較して、熱による光学的・物理的特性が変化しにくく、かつ表面に損傷を受けにくい、安定した光学的特性を備えた光学物品を提供することが可能となる。
また、前記光学物品は、赤外線領域の光を透過する性質を有するフィルタであることが好ましい。
さらにこの場合、具体的には、前記フィルタは光学リフレクタであることが好ましい。
光学物品が光学リフレクタのように赤外線領域の光を透過する性質を有するフィルタである場合、赤外線の熱効果でフィルタ自体が加熱される。しかしながら、本発明の光学物品の場合は、被覆層を構成する薄膜が耐熱性,耐摩耗性の高い材料で形成されているため、赤外線からの熱による損傷や光学的特性の変化といった不都合が生じにくく、安定した光学的特性を有する。
また、上記課題を解決するために、本発明の光学物品の製造方法は、異なる材料からなる第1の薄膜および第2の薄膜を交互に積層した被覆層が基体の表面に形成された光学物品の製造方法であって、真空容器内の成膜プロセス領域内でアルミニウムまたはケイ素からなるターゲットをスパッタして前記基体の表面にアルミニウムまたはケイ素からなる第1の膜原料物質を付着させる第1のスパッタ工程と、前記成膜プロセス領域と離間した位置に形成された反応プロセス領域に前記基体を搬送する第1の基体搬送工程と、前記反応プロセス領域に少なくとも窒素ガスおよび酸素ガスから選択される少なくとも1種類の反応性ガスを供給する第1の反応性ガス供給工程と、前記反応プロセス領域内で前記反応性ガスのプラズマを発生させて前記第1の膜原料物質の反応物を生成させる第1のプラズマ処理工程と、からなる第1の薄膜形成工程により第1の薄膜を形成し、前記成膜プロセス領域に前記基体を再度搬送する再搬送工程と、前記成膜プロセス領域内でアルミニウムまたはケイ素からなるターゲットをスパッタして前記基体の表面にアルミニウムまたはケイ素からなる第2の膜原料物質を付着させる第2のスパッタ工程と、前記反応プロセス領域に前記基体を搬送する第2の基体搬送工程と、前記反応プロセス領域内で前記反応性ガスのプラズマを発生させて前記第2の膜原料物質の反応物を生成させる第2のプラズマ処理工程と、からなる第2の薄膜形成工程により第2の薄膜を形成し、前記第1の薄膜形成工程と前記第2の薄膜形成工程を順次繰り返すことにより前記被覆層を形成することにより解決される。
このように、本発明による光学物品の製造方法では、スパッタにより基板の表面に膜原料物質を付着させる成膜プロセス領域と、この膜原料物質をプラズマ処理する反応プロセス領域を分離している。そして、成膜プロセス領域内には窒素ガスや酸素ガスなどの反応性ガスを導入しないように構成されている。従って、ターゲットの表面が酸化されて膜原料物質の酸化物や窒化物が生成する現象を防止することができる。
このため、成膜時間の経過に伴ってターゲットの表面に酸化ケイ素の割合が高くなることで、膜質が変化したり、ターゲットに高周波電圧を印加する際に異常放電が発生したりするといった不都合を防止することが可能となる。
このように、本発明の光学物品によれば、基体の表面に形成される被覆層が、酸窒化ケイ素、酸窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、および酸化ケイ素からなる群より選択される材料を積層して形成される。このため、二酸化チタンおよび二酸化ケイ素の2種類のみからなる従来の光学物品と比較して、光学的,物理的特性のバリエーションに富んだ光学物品を提供することが可能となる。
以下に、本発明の第一の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する部材,配置等は発明を具体化した一例であって本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
図1は本発明の一実施形態に係る光学物品の横断面形状を模式的に示した説明図である。なお、この図では、発明の理解を容易にするために、薄膜の膜厚を実際の厚さよりも厚く描いてある。
この図に示すように、本発明の光学物品Pは、基板Sの表面に被覆層Fが形成されている。そして被覆層Fは、屈折率の異なる2種類の薄膜が交互に積層された構造を有している。この2種類の薄膜は、図中では第1の薄膜F1、第2の薄膜F2として示している。
基板Sの材料としては、第1の薄膜F1や第2の薄膜F2を表面に付着可能な材料であればどのようなものであってもよい。このような材料の例として、例えばBK7等の光学ガラスや、ポリエステル,ポリオレフィン等のプラスチックが挙げられる。
第1の薄膜F1と第2の薄膜F2は、互いに異なる材料で形成される。これらの薄膜F1,F2は、いずれも酸窒化ケイ素,酸窒化アルミニウム,窒化ケイ素,窒化アルミニウム,酸化アルミニウム,および酸化ケイ素からなる群より選択される材料から形成される薄膜である。
ここで、酸窒化ケイ素は、次の一般式で:SiOx1y1(ここで、0<x1<2であり、0<y1<1.33であって、x1=0のときy1=1.33であり、x1=2のときy1=0である)で示される化合物である。
また、酸窒化アルミニウムは、次の一般式:AlOx2y2(ここで、0<x2<1.5であり、0<y2<1であって、x2=0のときy2=1であり、x2=1のときy2=0である)で示される化合物である。
このような材料のうち、特に高融点かつ高硬度の材料が好ましい。
ここで高融点とは、融点が1750℃以上であることを言うものとする。また、高硬度とは、ビッカース硬さ試験の結果、ビッカース硬さが1100Hv以上であることを言う。
融点が1750℃以上の場合、二酸化ケイ素や二酸化チタンよりも融点が高いため、従来の光学物品と比較して、耐熱性に優れたものとなる。
また、ビッカース硬さが1100Hv以上の場合、二酸化ケイ素や二酸化チタンよりも硬度が高いため、従来の光学物品と比較して、耐摩耗性に優れたものとなる。
なお、本明細書中でビッカース硬さ試験とは、JIS Z2244に準拠する方法で行われた試験を示す。
具体的には、四角錘のダイヤモンド圧子を試験片の表面に押し込み、その試験力を解除した後に表面に残ったくぼみの対角線長さを測定し、試験力とくぼみの表面積の商に所定の定数を掛けた値としてビッカース硬さを得ることができる。
このような高融点かつ高硬度材料の具体例として、ケイ素系化合物では、窒化ケイ素(Si),次の一般式で示される酸窒化ケイ素:SiOx1y1(ここで、0<x1≦0.5であり、1.0≦y1<1.33であって、x1=0のときy1=1.33であり、x1=0.5のときy1=1.0である)が挙げられる。
また、アルミニウム系化合物では、酸窒化アルミニウム(AlOx2y2:ここで、0<x2<1.5であり、0<y2<1であって、x2=0のときy2=1であり、x2=1のときy2=0である),窒化アルミニウム(AlN),および酸化アルミニウム(Al)が挙げられる。
なお、ここでの屈折率とは、波長550nmにおける屈折率を言う。以下の説明においても同じである。
このうち、ケイ素系化合物について更に詳細に説明する。
図2は酸窒化ケイ素(SiOx1y1)を構成する酸素および窒素の組成比と、酸窒化ケイ素を材料とする薄膜の融点および硬度の関係を示したグラフである。グラフの横軸は酸窒化ケイ素の窒素の組成比y1(0<y1<1.33)を示し、グラフの右側縦軸は融点(℃)、グラフの左側縦軸はビッカース硬さ(Hv)を示している。
このグラフのデータを下記の表に記す。表中、酸窒化ケイ素の組成比は、酸窒化ケイ素を構成する酸化ケイ素(SiO)および窒化ケイ素(Si)のモル比に基づいて計算した。
Figure 2007248562

なお、x1=2.00、y1=0.00のときは酸化ケイ素(SiO)であり、x1=0.00、y1=1.33のときは窒化ケイ素(Si)である。
この図と表からわかるように、酸窒化ケイ素に含まれる酸素の組成比が大きく窒素の組成比が小さい場合は、融点,硬度共に低いが、酸素の組成比が小さく窒素の組成比が大きい場合は、融点,硬度共に高くなる。
特に、酸素の組成比x1が0<x1≦0.5であり、窒素の組成比y1が1.0≦y1<1.33であると、融点が1750℃以上であり、かつビッカース硬さが1100Hv以上となる。この値は、従来用いられていた二酸化ケイ素(SiO)や二酸化チタン(TiO)よりも高い。
このように、酸素の組成比x1が0<x1≦0.5であり、窒素の組成比y1が1.0≦y1<1.33の場合には、従来の二酸化ケイ素および二酸化チタンを積層した場合と比較して、融点,硬度共に高く、耐熱性,耐摩耗性に優れた被覆層Fが形成される。
さらに、酸素の組成比x1が0<x1≦0.15であり、窒素の組成比y1が1.23≦y1<1.33であると、融点が1850℃以上であり、かつビッカース硬さが1500Hv以上となり、硬度および融点共により優れたものとなる。
次に、薄膜材料のうちアルミニウム系化合物に詳細に説明する。
図3は酸窒化アルミニウム(AlOx2y2)を構成する酸素および窒素の組成比と、酸窒化アルミニウムを材料とする薄膜の融点および硬度の関係を示したグラフである。グラフの横軸は酸窒化アルミニウム(AlOx2y2)の窒素の組成比y2(0<y2<1.0)を示し、グラフの右側縦軸は融点(℃)、左側縦軸はビッカース硬さ(硬度:Hv)を示している。
このグラフのデータを下記の表に記す。表中、酸窒化アルミニウムの組成比は、酸窒化アルミニウムを構成する酸化アルミニウム(Al)および窒化ケイ素(AlN)のモル比に基づいて計算した。
Figure 2007248562

なお、x2=1.50、y2=0.00のときは酸化アルミニウム(Al)であり、x2=0.00、y2=1.00のときは窒化アルミニウム(AlN)である。
この図と表からわかるように、酸窒化アルミニウムに含まれる酸素の組成比が大きく窒素の組成比が小さい場合は、硬度は高いが融点は低くなる。逆に、酸窒化アルミニウムに含まれる酸素の組成比が小さく窒素の組成比が大きい場合は、硬度は低いが融点は高くなる。しかしながら、いずれの組成比であっても、融点が2000℃以上であり、かつビッカース硬さが1200Hv以上を示している。すなわち、従来の二酸化ケイ素や二酸化チタンを用いた場合と比較して、いずれの組成比であっても耐熱性,耐摩耗性に優れた被覆層Fが形成される。
さらに、酸素の組成比x2が0.86≦x2<1.50であり、窒素の組成比y2が0<y≦0.43の場合には、融点が2000℃以上であり、かつビッカース硬さが1500Hv以上と、融点,硬度共に優れたものとなり好ましい。
以下に、各種材料で構成された薄膜の屈折率,融点,ビッカース硬さをまとめた表を示す。
Figure 2007248562
このように本実施形態の光学物品Pは、高融点,高硬度材料により薄膜が形成されているため、光学物品P全体の硬度および融点が向上し、耐熱性,耐摩耗性に優れた性質を有する。
特に、酸窒化ケイ素(SiOx1y1)あるいは酸窒化アルミニウム(AlOx2y2)を材料とした場合、薄膜中に含まれる酸素および窒素の組成比に応じて屈折率,融点,ビッカース硬さといった光学的・物理的特性が変化する。このため、これらの材料の酸素および窒素の組成比を変更することで、製造される光学物品Pの光学的・物理的特性にバリエーションを持たせることが可能となり、特に好ましい。
より好ましくは、耐熱性,耐摩耗性という観点から、酸窒化アルミニウム(AlOx2y2)が好適である。酸窒化アルミニウムの融点は2045〜2250℃であり、ビッカース硬さは1230〜2100Hvであり、いずれの数値も高い。このため、製造される光学物品Pの耐熱性,耐摩耗性についても顕著に向上する。
次に、被覆層Fを構成する第2の薄膜F2について説明する。第2の薄膜F2は、第1の薄膜F1と異なる屈折率を有する材料で形成されることが好ましい。屈折率の異なる材料で形成することで、第一の薄膜F1の屈折率と第二の薄膜F2の屈折率の中間屈折率を有する被覆層Fを形成することが可能となる。
なお、第2の薄膜F2は、上記した第1の薄膜F1とは異なり、必ずしも高硬度,高融点材料で形成される必要は無いが、光学物品Pの耐摩耗性,耐熱性の観点からはF1と同じく高硬度,高融点材料で形成されることが好ましい。
第2の薄膜F2の材料として、窒化ケイ素(Si),酸窒化ケイ素(SiOx1y1:ここで、0<x1<2であり、0<y1<1.33であって、x1=0のときy1=1.33であり、x1=2のときy1=0である),酸化ケイ素(SiO),酸化アルミニウム(Al),酸窒化アルミニウム(AlOx2y2:ここで、0<x2<1.5であり、0<y2<1であって、x2=0のときy2=1であり、x2=1のときy2=0である),窒化アルミニウム(AlN)から選択される材料であって、かつ第1の薄膜F1として使用した材料以外の材料が挙げられる。
基板Sの表面に形成される被覆層Fは、第1の薄膜F1と第2の薄膜F2を交互に積層することで形成される。第1の薄膜F1と第2の薄膜F2の材料の組み合わせや膜厚等は、最終製品の屈折率や材料の熱膨張率などを考慮して適宜選択する。
また、薄膜を積層する順番としては任意の順番でよいが、被覆層Fの最外層が高融点,高硬度材料からなる薄膜となるように積層することが好ましい。最外層を高硬度,高融点材料からなる薄膜とすることで、光学物品Pの表面が傷などによる損傷を受けにくく、かつ熱による光学的物性が変化することを防止することが可能となる。
更に、本発明の光学物品Pの他の例として、3種類の薄膜を積層したものがある。
例えば、第1の薄膜F1および第2の薄膜F2として、上記した窒化ケイ素(Si),酸窒化ケイ素(SiOx1y1:ここで、0<x1<2であり、0<y1<1.33であって、x1=0のときy1=1.33でありx1=2のときy1=0である),酸化アルミニウム(Al),酸窒化アルミニウム(AlOx2y2:ここで、0<x2<1.5であり、0<y2<1であって、x2=0のときy2=1であり、x2=1のときy2=0である),または窒化アルミニウム(AlN)から選択される材料を用い、第3の薄膜として酸化ケイ素(SiO)を用いた合計3種類の薄膜を順次積層して被覆層Fを形成するようにしてもよい。
この場合、積層する順番としては任意の順番でよいが、被覆層Fの最外層が高融点,高硬度材料からなる薄膜となるように積層することが好ましい。これは、最外層を高融点,高硬度材料で構成される薄膜とすることで、光学物品Pの表面が傷などによる損傷を受けにくく、かつ熱により光学的物性が変化することを防止できるためである。
本発明の光学物品Pは、上述のように被覆層Fを構成する複数の薄膜のうち少なくとも1つの薄膜が高融点材料,高硬度材料で形成されているため、耐熱性,耐摩耗性が要求される様々な用途に好適に使用される。
このような光学物品Pのうち、特に、赤外線領域の光に対する透過率が高く可視光領域の光に対して反射率が高い光学リフレクタとして好適に使用される。光学リフレクタは、基体の表面に被覆層F(すなわち、光学フィルタ)を被覆して形成された光学物品である。この被覆層Fは赤外線を透過しやすい性質を備えている。ここで、赤外線領域の光に対する透過率が高いとは、赤外線領域(800〜1100nm)の光に対する平均透過率が80%以上を言うものとする。
このように、被覆層Fは赤外線領域の光を透過しやすいため、赤外線による熱効果で光学リフレクタ自身が熱せられやすい。そこで、この被覆層Fを上記高融点,高硬度材料の薄膜で形成することで、フィルタ自身が高温となっても光学的・物理的特性が変化しにくく、安定した特性を備えた光学物品Pを提供することが可能となる。
このように、本発明の光学物品Pは耐熱性および耐摩耗性に優れているため、自動車,プロジェクター,道路標識等の反射板として使用される光学リフレクタや、赤外線ランプの反射板、暗視撮影用の赤外線透視フィルタ、防曇用の窓ガラス等の熱線反射膜といった、種々の用途に好適に使用できる。
次に、本発明の光学物品を製造する方法について説明する。
本発明の光学物品は、真空蒸着やイオンプレーティング等の公知の薄膜形成技術により製造することが可能であるが、特に光学物品の光学的特性向上や製造の歩留まり向上の観点から、以下に説明する反応性スパッタリングにより製造することが好ましい。
一般的な反応性スパッタリングでは、スパッタを行う成膜プロセス領域内に酸素ガスや窒素ガス等の反応性ガスを導入して、ターゲットから飛翔する金属粒子を反応性ガスと反応させ、反応物を基板の表面に付着させている。このような一般的な反応性スパッタリングでは、ターゲットの表面の金属が反応性ガスと反応してターゲットの表面に金属の反応物が形成され、これによりターゲットに高周波電圧を印加する際に異常放電が発生するといった不都合があった。
以下に説明する薄膜形成装置は、スパッタにより基板の表面に膜原料物質を付着させる成膜プロセス領域と、この膜原料物質をプラズマ処理する反応プロセス領域を分離している点を特徴としている。そして、成膜プロセス領域内には窒素ガスや酸素ガスなどの反応性ガスを導入しないように構成されている。
このため、ターゲットの表面の金属が反応性ガスと反応することによる異常放電の発生を防止することが可能となる。
図4〜図7は本発明の光学物品を製造するための薄膜形成装置の説明図であり、図4は薄膜形成装置を上面から見た説明図、図5は図4の薄膜形成装置を側面から見た説明図、図6は図4の薄膜形成装置の成膜プロセス領域周辺を拡大して示した説明図、図7は図4の薄膜形成装置の反応プロセス領域周辺を拡大して示した説明図である。
本実施形態では、薄膜形成装置としてスパッタの一例であるマグネトロンスパッタを行う薄膜形成装置を用いているが、本発明の薄膜形成装置としては、このようなマグネトロンスパッタに限定されず、マグネトロン放電を用いない2極スパッタ等の他の公知のスパッタを行う薄膜形成装置を用いることもできる。
本実施形態の薄膜形成装置では、目的の膜厚よりも相当程度薄い薄膜を基板表面に付着するスパッタ処理工程と、この薄膜に対して酸化などの処理を行って薄膜の組成を変換するプラズマ処理工程とにより基板の表面に中間薄膜を形成し、このスパッタ処理とプラズマ処理を複数回繰り返すことで、中間薄膜を複数層積層して目的の膜厚を有する最終薄膜を基板の表面に形成している。
具体的には、スパッタ処理とプラズマ処理によって組成変換後における膜厚の平均値が0.01〜1.5nm程度の中間薄膜を基板表面に形成する工程を、回転ドラムの回転毎に繰り返すことにより、目的とする数nm〜数百nm程度の膜厚を有する最終薄膜を形成している。
以下、薄膜形成装置について説明する。
図4に示すように、本実施形態の薄膜形成装置1は、真空容器11と、回転ドラム13と、モータ17(図5参照)と、スパッタ手段20と、スパッタガス供給手段30と、プラズマ発生手段60と、反応性ガス供給手段70と、を主要な構成要素としている。
なお、図中では、スパッタ手段20は破線、スパッタガス供給手段30は一点鎖線、プラズマ発生手段60は破線、反応性ガス供給手段70は一点鎖線で表示している。
真空容器11は、公知の薄膜形成装置で通常用いられるようなステンレススチール製で、ほぼ直方体形状をした中空体である。真空容器11の内部は、開閉扉としての扉11Cによって薄膜形成室11Aとロードロック室11Bに分けられる。真空容器11の上方には扉11Cを収容する扉収納室(不図示)が接続されており、扉11Cは、真空容器11の内部と扉収納室の内部との間でスライドすることで開閉する。
真空容器11には、ロードロック室11Bと真空容器11の外部とを仕切る扉11Dが設けられている。扉11Dはスライドまたは回動することで開閉する。薄膜形成室11Aには排気用の配管16a−1が接続され、この配管16a−1には真空容器11の内部を排気するための真空ポンプ15aが接続されている。真空容器11の内部において配管16a−1には開口が形成されており、この開口は真空容器11の内部の成膜プロセス領域20Aと反応プロセス領域60Aとの間に位置している。これにより、成膜プロセス領域20Aで飛散した膜原料物質を真空ポンプ15aで吸引することが可能となり、成膜プロセス領域20Aから飛散した膜原料物質が反応プロセス領域60Aに侵入してプラズマ発生手段60を汚染したり、成膜プロセス領域20Aの外に位置する基板Sの表面に付着して汚染したりすることを防止している。
また、ロードロック室11Bには排気用の配管16bが接続され、この配管16bには真空容器11の内部を排気するための真空ポンプ15bが接続されている。
本実施形態の薄膜形成装置1は、このようなロードロック室11Bを備えているため、薄膜形成室11A内の真空状態を保持した状態で基板Sの搬入出を行うことが可能となる。従って、基板Sを搬出する毎に真空容器11の内部を脱気して真空状態にする手間を省くことが可能となり、高い作業効率で成膜処理を行うことができる。
なお、本実施形態の真空容器11は、ロードロック室11Bを備えるロードロック方式を採用しているが、ロードロック室11Bを設けないシングルチャンバ方式を採用することも可能である。また、複数の真空室を備え、それぞれの真空室で独立に薄膜形成を行うことが可能なマルチチャンバ方式を採用することも可能である。
回転ドラム13は、表面に薄膜を形成させる基板Sを真空容器11の内部で保持するための筒状の部材であり、基体保持手段としての機能を有する。図5に示すように、回転ドラム13は、複数の基板保持板13aと、フレーム13bと、基板保持板13aおよびフレーム13bを締結する締結具13cと、を主要な構成要素としている。
基板保持板13aはステンレススチール製の平板状部材で、基板Sを保持するための複数の基板保持孔を、基板保持板13aの長手方向に沿って板面中央部に一列に備えている。基板Sは、基板保持板13aの基板保持孔に収納され、脱落しないようにネジ部材等を用いて基板保持板13aに固定されている。また、基板保持板13aの長手方向の両端部には、後述する締結具13cを挿通可能なネジ穴が板面に設けられている。
フレーム13bはステンレススチール製からなり、上下に配設された2つの環状部材で構成されている。フレーム13bのそれぞれの環状部材には、基板保持板13aのネジ穴と対応する位置にネジ穴が設けられている。基板保持板13aとフレーム13bはボルトおよびナットからなる締結具13cを用いて固定される。具体的には、ボルトを基板保持板13aおよびフレーム13bのネジ穴に挿通してナットで固定することにより固定される。
なお、本実施形態における回転ドラム13は、平板状の基板保持板13aを複数配置しているため横断面が多角形をした多角柱状をしているが、このような多角柱状のものに限定されず、円筒状や円錐状のものであってもよい。
基板Sは本発明の基体に該当するものである。本実施形態では、基板Sはガラス製の円板状部材を採用しており、薄膜形成処理により表面に薄膜が形成されるが、基体としてはこのような円板状のものに限定されず、レンズ状や管状であってもよい。また、基板Sの材質もガラス製に限定されず、プラスチックや金属等であってもよい。
真空容器11の内部に設置された回転ドラム13は、図4に示す薄膜形成室11Aとロードロック室11Bの間を移動できるように構成されている。本実施形態では、真空容器11の底面にレール(不図示)が設置されており、回転ドラム13はこのレールに沿って移動する。回転ドラム13は、円筒の筒方向の回転軸線Z(図5参照)が真空容器11の上下方向になるように真空容器11の内部に配設される。基板保持板13aをフレーム13bに取り付ける際やフレーム13bから取り外す際には、回転ドラム13はロードロック室11Bに搬送されて、このロードロック室11B内で基板保持板13aがフレーム13bに着脱される。一方、成膜中にあっては、回転ドラム13は薄膜形成室11Aに搬送されて、薄膜形成室11A内で回転可能な状態になっている。
図5に示すように、回転ドラム13の下面中心部はモータ回転軸17aの上面と係合する形状になっている。回転ドラム13とモータ回転軸17aとは、モータ回転軸17aの中心軸線と回転ドラム13の中心軸線とが一致するよう位置決めされ、両者が係合することにより連結されている。回転ドラム13下面のモータ回転軸17aと係合する面は絶縁部材で構成されている。これにより、基板Sの異常放電を防止することが可能となる。また、真空容器11とモータ回転軸17aとの間は、Oリングで気密が保たれている。
真空容器11の内部の真空状態を維持した状態で、真空容器11の下部に設けられたモータ17を駆動させることによってモータ回転軸17aが回転する。この回転に伴って、モータ回転軸17aに連結された回転ドラム13は回転軸線Zを中心に回転する。各基板Sは回転ドラム13上に保持されているため、回転ドラム13が回転することで回転軸線Zを公転軸として公転する。
回転ドラム13の上面にはドラム回転軸18が設けられており、回転ドラム13の回転に伴ってドラム回転軸18も回転するように構成されている。真空容器11の上壁面には孔部が形成されており、ドラム回転軸18はこの孔部を貫通して真空容器11の外部に通じている。孔部の内面には軸受が設けられており、回転ドラム13の回転をスムーズに行えるようにしている。また、真空容器11とドラム回転軸18との間は、Oリングで気密が保たれている。
次に、基板Sの表面に薄膜を形成する成膜プロセス領域20Aと反応プロセス領域60Aについて説明する。図4に示すように、真空容器11の内壁には、回転ドラム13へ面した位置に仕切壁12と仕切壁14が立設されている。本実施形態における仕切壁12と仕切壁14は、いずれも真空容器11と同じステンレススチール製の部材である。仕切壁12と仕切壁14は、いずれも上下左右に一つずつ配設された平板部材により構成されており、真空容器11の内壁面から回転ドラム13に向けて四方を囲んだ状態となっている。これにより、成膜プロセス領域20Aおよび反応プロセス領域60Aが真空容器11の内部でそれぞれ区画される。
真空容器11の側壁は、外方に突出した横断面凸状をしており、突出した壁面にはスパッタ手段20が設けられている。成膜プロセス領域20Aは、真空容器11の内壁面と、仕切壁12と、回転ドラム13の外周面と、スパッタ手段20により囲繞された領域に形成されている。成膜プロセス領域20Aでは、基板Sの表面に膜原料物質を付着させるスパッタ処理が行われる。
また、成膜プロセス領域20Aから回転ドラム13の回転軸を中心として90°離間した真空容器11の側壁もまた、外方に突出した横断面凸状をしており、突出した壁面にはプラズマ発生手段60が設けられている。反応プロセス領域60Aは、真空容器11の内壁面と、仕切壁14と、回転ドラム13の外周面と、プラズマ発生手段60により囲繞された領域に形成されている。反応プロセス領域60Aでは、基板Sの表面に付着した膜原料物質に対してプラズマ処理が行われる。
モータ17によって回転ドラム13が回転すると、回転ドラム13の外周面に保持された基板Sが公転して、成膜プロセス領域20Aに面する位置と反応プロセス領域60Aに面する位置との間を繰り返し移動することになる。そして、このように基板Sが公転することで、成膜プロセス領域20Aでのスパッタ処理と、反応プロセス領域60Aでのプラズマ処理とが順次繰り返し行われて、基板Sの表面に薄膜が形成される。
(成膜プロセス領域20A)
以下に、成膜プロセス領域20Aについて説明する。
図6に示すように、成膜プロセス領域20Aにはスパッタ手段20が設置されている。
スパッタ手段20は、一対のターゲット22a,22bと、ターゲット22a,22bを保持する一対のマグネトロンスパッタ電極21a,21bと、マグネトロンスパッタ電極21a,21bに電力を供給する交流電源24と、交流電源24からの電力量を調整する電力制御手段としてのトランス23により構成される。
真空容器11の壁面は外方に突出しており、この突出部の内壁にマグネトロンスパッタ電極21a,21bが側壁を貫通した状態で配設されている。このマグネトロンスパッタ電極21a,21bは、接地電位にある真空容器11に不図示の絶縁部材を介して固定されている。
本実施形態のターゲット22a,22bは、膜原料物質を平板状に形成したものであり、後述するように回転ドラム13の側面に対向するようにマグネトロンスパッタ電極21a,21bにそれぞれ保持される。ターゲット22a,22bの材質としては、製造する光学物品Pの用途や使用目的に応じてケイ素,アルミニウムを採用することが可能である。
本実施形態では、ターゲット22a,22bとしてケイ素(Si)またはアルミニウム(Al)を用いている。
マグネトロンスパッタ電極21a,21bは、複数の磁石が所定の方向に配置された構造を有している。マグネトロンスパッタ電極21a,21bは、トランス23を介して交流電源24に接続され、両電極に1k〜100kHzの交番電界が印加できるように構成されている。マグネトロンスパッタ電極21a,21bには、ターゲット22a,22bがそれぞれ保持されている。ターゲット22a,22bの形状は平板状であり、図5に示すように、ターゲット22a,22bの長手方向が回転ドラム13の回転軸線Zと平行になるように設置されている。
図6に示すように、成膜プロセス領域20Aの周辺にはアルゴン等のスパッタガスを供給するスパッタガス供給手段30が設けられている。スパッタガス供給手段30は、スパッタガス貯蔵手段としてのスパッタガスボンベ32と、スパッタガス供給路としての配管35aおよび配管35cと、スパッタガスの流量を調整するスパッタガス流量調整手段としてのマスフローコントローラ31と、を主要な構成要素として具備している。
スパッタガスとしては、例えばアルゴンやヘリウム等の不活性ガスが挙げられる。本実施形態ではアルゴンガスを使用している。
スパッタガスボンベ32、マスフローコントローラ31はいずれも真空容器11の外部に設けられている。マスフローコントローラ31は、スパッタガスを貯蔵する単一のスパッタガスボンベ32に配管35cを介して接続されている。
マスフローコントローラ31は配管35aに接続されており、配管35aの一端は真空容器11の側壁を貫通して成膜プロセス領域20A内のターゲット22a,22bの近傍に延びている。配管35aの先端部には導入口35bが形成されており、図5に示すように、配管35aの先端部はターゲット22a,22bの下部中心付近に配設され、その先端にはターゲット22a,22bの前面中心方向に向けて導入口35bが開口している。
マスフローコントローラ31はガスの流量を調節する装置であり、スパッタガスボンベ32からのガスが流入する流入口と、スパッタガスを配管35aへ流出させる流出口と、ガスの質量流量を検出するセンサと、ガスの流量を調整するコントロールバルブと、流入口より流入したガスの質量流量を検出するセンサと、センサにより検出された流量に基づいてコントロールバルブの制御を行う電子回路と、を主要な構成要素として備えている(いずれも不図示)。電子回路には外部から所望の流量を設定することが可能となっている。
スパッタガスボンベ32からのスパッタガスは、マスフローコントローラ31により流量を調節されて配管35a内に導入される。配管35aに流入したスパッタガスは、導入口35bより成膜プロセス領域20Aに配置されたターゲット22a,22bの前面に導入される。
成膜プロセス領域20Aにスパッタガス供給手段30からスパッタガスが供給されて、ターゲット22a,22bの周辺が不活性ガス雰囲気になった状態で、マグネトロンスパッタ電極21a,21bに交流電源24から交番電極が印加されると、ターゲット22a,22b周辺のスパッタガスの一部は電子を放出してイオン化する。マグネトロンスパッタ電極21a,21bに配置された磁石によりターゲット22a,22bの表面に漏洩磁界が形成されるため、この電子はターゲット22a,22bの表面近傍に発生した磁界中を、トロイダル曲線を描きながら周回する。この電子の軌道に沿って強いプラズマが発生し、このプラズマに向けてスパッタガスのイオンが加速され、ターゲット22a,22bに衝突することでターゲット22a,22bの表面の原子や粒子(ターゲット22a,22bがケイ素の場合はケイ素原子やケイ素粒子、アルミニウムの場合はアルミニウム原子やアルミニウム粒子)が叩き出される。このケイ素原子やケイ素粒子は薄膜の原料である膜原料物質であり、基板Sの表面に付着して薄膜を形成する。
(反応プロセス領域60A)
続いて、反応プロセス領域60Aについて説明する。上述したように、反応プロセス領域60Aでは、成膜プロセス領域20Aで基板Sの表面に付着した膜原料物質をプラズマ処理して、膜原料物質の反応物からなる薄膜の形成を行う。
図7に示すように、反応プロセス領域60Aに対応する真空容器11の壁面には、プラズマ発生手段60を設置するための開口が形成されている。また、反応プロセス領域60Aには、Y字型の配管75aが接続されており、この配管75aは真空容器11の外で分岐している。分岐した配管75aの一端にはマスフローコントローラ72が接続されており、このマスフローコントローラ72は更に窒素ガスボンベ71に接続されている。また、分岐した配管75aの他端にはマスフローコントローラ74が接続されており、このマスフローコントローラ74は更に酸素ガスボンベ73に接続されている。
このような構成を備えることで、反応プロセス領域60A内に、窒素ガスボンベ71から窒素ガスを、酸素ガスボンベ73から酸素ガスを供給することが可能となっている。
反応プロセス領域60Aに面する側の仕切壁14の壁面には、熱分解窒化硼素(Pyrolytic Boron Nitride)からなる保護層が被覆されている。更に、真空容器11の内壁面の反応プロセス領域60Aに面する部分にも熱分解窒化硼素からなる保護層が被覆されている。熱分解窒化硼素は、化学的気相成長法(Chemical Vapor Deposition)を利用した熱分解法によって仕切壁14や真空容器11の内壁面へ被覆される。このような保護層は、必要に応じて設けるようにすることが好ましい。
プラズマ発生手段60は、反応プロセス領域60Aに面して設けられている。本実施形態のプラズマ発生手段60は、ケース体61と、誘電体板62と、アンテナ63と、マッチングボックス64と、高周波電源65と、を有して構成されている。
ケース体61は、真空容器11の壁面に形成された開口11aを塞ぐ形状を備え、ボルト(不図示)で真空容器11の開口11aを塞ぐように固定されている。ケース体61が真空容器11の壁面に固定されることで、プラズマ発生手段60は真空容器11の壁面に取り付けられている。本実施形態において、ケース体61はステンレスで形成されている。
誘電体板62は、板状の誘電体で形成されている。本実施形態において、誘電体板62は石英で形成されているが、誘電体板62の材質としてはこのような石英だけではなく、Al等のセラミックス材料で形成されたものでもよい。誘電体板62は、図示しない固定枠でケース体61に固定されている。誘電体板62がケース体61に固定されることで、ケース体61と誘電体板62によって囲繞された領域にアンテナ収容室61Aが形成される。
ケース体61に固定された誘電体板62は、開口11aを介して真空容器11の内部(反応プロセス領域60A)に臨んで設けられている。このとき、アンテナ収容室61Aは、真空容器11の内部と分離している。すなわち、アンテナ収容室61Aと真空容器11の内部とは、誘電体板62で仕切られた状態で独立した空間を形成している。また、アンテナ収容室61Aと真空容器11の外部は、ケース体61で仕切られた状態で独立の空間を形成している。本実施形態では、このように独立の空間として形成されたアンテナ収容室61Aの中に、アンテナ63が設置されている。なお、アンテナ収容室61Aと真空容器11の内部、アンテナ収容室61Aと真空容器11の外部との間は、それぞれOリングで気密が保たれている。
本実施形態では、配管16a−1から配管16a−2が分岐している。この配管16a−2はアンテナ収容室61Aに接続されており、アンテナ収容室61Aの内部を排気して真空状態にする際の排気管としての役割を備えている。
配管16a−1には、真空ポンプ15aから真空容器11の内部に連通する位置にバルブV1、V2が設けられている。また、配管16a−2には、真空ポンプ15aからアンテナ収容室61Aの内部に連通する位置にバルブV3が設けられている。バルブV2,V3のいずれかを閉じることで、アンテナ収容室61Aの内部と真空容器11の内部との間での気体の移動は阻止される。真空容器11の内部の圧力や、アンテナ収容室61Aの内部の圧力は、真空計(不図示)で測定される。
本実施形態では、薄膜形成装置1に制御装置(不図示)を備えている。この制御装置には、真空計の出力が入力される。制御装置は、入力された真空計の測定値に基づいて、真空ポンプ15aによる排気を制御して、真空容器11の内部やアンテナ収容室61Aの内部の真空度を調整する機能を備える。本実施形態では、制御装置がバルブV1,V2,V3の開閉を制御することで、真空容器11の内部とアンテナ収容室61Aの内部を同時に、または独立して排気できる。
アンテナ63は、高周波電源65から電力の供給を受けて、真空容器11の内部(反応プロセス領域60A)に誘導電界を発生させ、反応プロセス領域60Aにプラズマを発生させるためのものである。本実施形態のアンテナ63は、銅で形成された円管状の本体部と、本体部の表面を被覆する銀で形成された被覆層を備えている。アンテナ63のインピーダンスを低下するためには、電気抵抗の低い材料でアンテナ63を形成するのが好ましい。そこで、高周波の電流がアンテナ63の表面に集中するという特性を利用して、アンテナ63の本体部を安価で加工が容易な、しかも電気抵抗も低い銅で円管状に形成し、アンテナ63の表面を銅よりも電気抵抗の低い銀で被覆している。このように構成することで、高周波に対するアンテナ63のインピーダンスを低減して、アンテナ63に電流を効率よく流すことによりプラズマを発生させる効率を高めている。
本実施形態の薄膜形成装置1では、高周波電源65からアンテナ63に周波数1〜27MHzの交流電圧を印加して、反応プロセス領域60Aに反応性ガスのプラズマを発生させるように構成されている。
アンテナ63は、マッチング回路を収容するマッチングボックス64を介して高周波電源65に接続されている。マッチングボックス64内には、図示しない可変コンデンサが設けられている。
アンテナ63は、導線部を介してマッチングボックス64に接続されている。導線部はアンテナ63と同様の素材からなる。ケース体61には、導線部を挿通するための挿通孔が形成されており、アンテナ収容室61A内側のアンテナ63と、アンテナ収容室61A外側のマッチングボックス64とは、挿通孔に挿通される導線部を介して接続される。導線部と挿通孔との間にはシール部材が設けられ、アンテナ収容室61Aの内外で気密が保たれる。
アンテナ63と回転ドラム13との間には、イオン消滅手段としてのグリッド66が設けられている。グリッド66は、アンテナ63で発生したイオンの一部や電子の一部を消滅させるためのものである。グリッド66は、導電体からなる中空部材であり、アースされている。中空部材からなるグリッド66の内部に冷却媒(例えば冷却水)を流すために、グリッド66の端部には冷却媒を供給するホース(不図示)が接続されている。なお、グリッド66の詳細な説明は、本発明の趣旨とは異なるため省略する。
また、反応プロセス領域60Aの周辺には反応性ガス供給手段70が設けられている。反応性ガス供給手段70は、窒素ガスを貯蔵する窒素ガスボンベ71と、窒素ガスボンベ71より供給される窒素ガスの流量を調整するマスフローコントローラ72と、酸素ガスを貯蔵する酸素ガスボンベ73と、酸素ガスボンベ73より供給される酸素ガスの流量を調整するマスフローコントローラ74と、窒素ガス,酸素ガス,または窒素ガスと酸素ガスの混合ガスを反応プロセス領域60Aに導入する配管75aを主要な構成要素として具備している。
なお、窒素ガスボンベ71と酸素ガスボンベ73は、成膜プロセス領域20Aのスパッタガスボンベ32と同様の装置とすることが可能である。また、マスフローコントローラ72とマスフローコントローラ74は、成膜プロセス領域20Aのマスフローコントローラ31と同様の装置を採用することが可能である。
窒素ガスボンベ71や酸素ガスボンベ73から配管75aを通じて窒素ガスや酸素ガスが反応プロセス領域60Aに導入された状態で、アンテナ63に高周波電源65から電力が供給されると、反応プロセス領域60A内のアンテナ63に面した領域にプラズマが発生し、基板Sの表面に形成された膜原料物質がプラズマ処理されて膜原料物質の反応物となる。
反応性ガス供給手段70から窒素ガスのみが供給される場合は、基板Sの表面に形成された膜原料物質の窒化物が形成され、酸素ガスのみが供給される場合は、酸化物が形成される。また、窒素ガスと酸素ガスの混合ガスが供給される場合は、膜原料物質の酸窒化物が形成される。
具体的には、ターゲット22a,22bの材料がケイ素の場合、膜原料物質の窒化物は窒素ケイ素(Si)、酸化物は酸化ケイ素(SiO)、酸窒化物は酸窒化ケイ素(SiOx1y1)である。また、ターゲット22a,22bの材料がアルミニウムの場合、膜原料物質の窒化物は窒化アルミニウム(AlN)、酸化物は酸化アルミニウム(Al)、酸窒化物は酸窒化アルミニウム(AlOx2y2)である。
この薄膜形成装置1を用いて酸化ケイ素からなる薄膜と酸窒化ケイ素からなる薄膜を交互に積層した光学物品Pを製造する場合について説明する。この場合、酸化ケイ素(SiO)からなる薄膜を形成する場合、反応プロセス領域60Aには酸素ガスのみを供給して、窒素ガスは供給しない。
まず、回転ドラム13を回転して基板Sを成膜プロセス領域20Aに、そして、成膜プロセス領域20Aでターゲット22a,22bをスパッタして基板Sの表面にケイ素を付着させる(第1のスパッタ工程)。次に、回転ドラム13を回転して、基板Sを反応プロセス領域60Aに搬送する(第1の基体搬送工程)。続いて、反応プロセス領域60Aに酸素ガスを導入する(第1の反応性ガス供給工程)。そして、反応プロセス領域60Aにて酸素ガスのプラズマを発生させて基板Sの表面に付着したケイ素を酸化ケイ素(SiO)に変換する(第1のプラズマ処理工程)。この工程を所定回数繰り返して酸化ケイ素(SiO)からなる薄膜を形成する(以上、第1の薄膜形成工程)。
続いて、回転ドラム13を停止して一旦成膜工程を停止して、第2の薄膜形成工程の準備を行う。具体的には、第2の薄膜の原料となる金属で形成されたターゲット22a,22bを、成膜プロセス領域20Aに設置する。また、第2の薄膜の材料に応じた酸素ガスと窒素ガスからなる混合ガスを反応プロセス領域60Aに導入する(第2の反応性ガス供給工程)。酸素ガスと窒素ガスの流量が安定した後で、再度回転ドラム13の回転を開始して成膜工程を再開する。
まず、第1の薄膜が形成された基板Sを成膜プロセス領域20Aに再度搬送する(再搬送工程)。次に、成膜プロセス領域20Aでターゲット22a,22bをスパッタしてすでに基板S上に形成されている酸化ケイ素薄膜の表面にケイ素を付着させる(第2のスパッタ工程)。次に、回転ドラム13を回転して、基板Sを反応プロセス領域60Aに搬送する(第2の基体搬送工程)。そして、反応プロセス領域60Aにて酸素ガスと窒素ガスのプラズマを発生させてこのケイ素を酸窒化ケイ素(SiOx1y1)に変換する(第2のプラズマ処理工程)。この工程を所定回数繰り返して酸窒化ケイ素(SiOx1y1)からなる薄膜を形成する(以上、第2の薄膜形成工程)。
以下、酸化ケイ素薄膜を形成する第1の薄膜形成工程と酸窒化ケイ素薄膜を形成する第2の薄膜形成工程を順次繰り返して被覆層Fを形成し、所望の光学物品Pを製造する。
なお、ケイ素の反応物ではなくアルミニウムの反応物を被覆とする場合は、ターゲットをケイ素ではなくアルミニウムに換えて上記の手順で成膜を行えばよい。
本実施形態の薄膜形成装置1は成膜プロセス領域20Aと反応プロセス領域60Aをそれぞれ一つずつ設けて成膜をおこなうよう構成されているが、成膜プロセス領域20A以外の別の領域にもうひとつ成膜プロセス領域を更に設けて、2種類のターゲットを用いて成膜を行ってもよい。このような薄膜形成装置では、異なる金属材料からなる被覆層Fを形成するのに特に好適である。
以下に、この薄膜形成装置について説明する。
図8は他の実施形態の薄膜形成装置を上面から見た説明図である。この図に示すように、回転ドラム13の回転軸を中心として成膜プロセス領域20Aと対称となる真空容器11の内部の領域には、第2の成膜プロセス領域としての成膜プロセス領域40Aが形成されている。そして、成膜プロセス領域40Aには、第2のスパッタ手段としてのスパッタ手段40が配設されている。
なお、このスパッタ手段40は、第1のスパッタ手段としてのスパッタ手段20と同様の構成であるため、詳細な説明はここでは省略する。
このスパッタ手段40にはターゲット42a,42bが配設されている。ターゲット42a,42bは、第1のスパッタ手段であるスパッタ手段20のターゲット22a,22bとは異なる材料で形成されている。
この薄膜形成装置1を用いて酸窒化ケイ素からなる薄膜と酸窒化アルミニウムからなる薄膜を交互に積層した光学物品Pを製造する場合は、ターゲット22a,22bとしてケイ素、ターゲット42a,42bとしてアルミニウムを用いる。そして、反応プロセス領域60Aには酸素ガスと窒素ガスの混合ガスを所定の流量比で供給する。
まず、成膜プロセス領域20Aでターゲット22a,22bをスパッタして基板Sの表面にケイ素を付着させ、次に反応プロセス領域60Aにて酸素ガスと窒素ガスのプラズマを発生させてケイ素を酸窒化ケイ素に変換する。この工程を所定回数繰り返して酸窒化ケイ素(SiOx1y1)からなる薄膜を形成する。
続いて、回転ドラム13を停止して一旦成膜工程を停止し、反応プロセス領域60A内に酸素ガスと窒素ガスの混合ガスを所定の流量比で供給する。酸素ガスと窒素ガスの流量がいずれも安定した後で、再度回転ドラム13の回転を開始して成膜工程を再開する。そして、今度は成膜プロセス領域40Aでターゲット42a,42bをスパッタして上記酸窒化ケイ素薄膜の表面にアルミニウムを付着させ、続いて反応プロセス領域60Aにて酸素ガスと窒素ガスのプラズマを発生させてこのアルミニウムを酸窒化アルミニウム(AlOx2y2)に変換する。
以下、酸窒化ケイ素薄膜を形成する工程と酸窒化アルミニウム薄膜を形成する工程を順次繰り返して、光学物品を製造する。
<耐熱性試験>
次に、実際に光学物品を製造した実施例について説明する。更に、この光学物品Pを使用して耐熱性試験を行った結果について示す。
なお、光学物品の一種である可視光領域の光を反射する光学リフレクタを作成して耐熱性試験を行った。
(実施例1)
まず、光学リフレクタとして、窒化ケイ素(Si)と酸化ケイ素(SiO)を交互に積層した例について説明する。
光学リフレクタの製造は、真空容器11の内部に成膜プロセス領域20Aおよび反応プロセス領域60Aをそれぞれ1つずつ備えた薄膜形成装置1を用いて行った(図8参照)。基板Sとして、直径4cm、厚さ1mmの円板状の石英ガラス基板を使用した。スパッタのターゲット22a,22bとしてケイ素を使用し、反応プロセス領域60A内には酸素ガスと窒素ガスを供給できるようにした。反応プロセス領域60Aには、窒化ケイ素(Si)を積層する場合には窒素ガスのみ、酸化ケイ素を積層する場合には酸素ガスのみを供給して、石英ガラス基板上に堆積したケイ素をプラズマ処理した。石英ガラス基板上に窒化ケイ素(Si)と酸化ケイ素(SiO)を交互に積層して合計13層とした。
窒化ケイ素(Si)の成膜条件は以下のとおりである。なお、成膜レートは0.4nm/sである。
<成膜プロセス領域20A>
スパッタ電力:5kW
周波数:40kHz
アルゴンガスの流量:150sccm
<反応プロセス領域60A>
アンテナに印加される電力:5kW
周波数:13.56MHz
窒素ガスの流量:100sccm
また、酸化ケイ素(SiO)の成膜条件は以下のとおりである。なお、成膜レートは0.5nm/sである。
<成膜プロセス領域20A>
スパッタ電力:5kW
周波数:40kHz
アルゴンガスの流量:150sccm
<反応プロセス領域60A>
アンテナに印加される電力:5kW
周波数:13.56MHz
酸素ガスの流量:120sccm
熱安定性試験は、製造した光学リフレクタを純水中で約1時間煮沸して、煮沸前と煮沸後の吸収スペクトルを比較することで行った。
図9は窒化ケイ素(Si)と酸化ケイ素(SiO)からなる複合膜の熱安定性を示すグラフである。複合膜として反射防止膜(AR膜)を被覆した光学物品を試験に用いた。グラフの縦軸は光学リフレクタの反射率(%)を示し、横軸は測定波長(nm)を示している。グラフ中の点線が煮沸前、実線が煮沸後の結果を示している。
このグラフからわかるように、煮沸前および煮沸後で光学リフレクタの吸収スペクトルがほとんど変化していないことがわかる。特に可視光領域では、両グラフがほぼ一致している。すなわち、煮沸前と煮沸後で光学リフレクタの光学的特性がほとんど変化していないことがわかる。
(実施例2)
次に、光学リフレクタとして酸化アルミニウム(Al)と酸化ケイ素(SiO)を交互に積層した例について説明する。本実施例の光学リフレクタは、図8で示した薄膜形成装置1、すなわち、真空容器11の内部に2箇所の成膜プロセス領域20A,40Aと1箇所の反応プロセス領域60Aを備えた薄膜形成装置1を用いて作成した。基板Sは実施例1で使用した石英ガラス基板と同じものを用いた。成膜プロセス領域20Aに設置するターゲット22a,22bとしてアルミニウム、成膜プロセス領域60Aに設置するターゲット44a,44bとしてケイ素を用い、反応プロセス領域60Aの内部には酸素ガスを供給してプラズマ処理を行った。上記成膜を順次繰り返し、石英ガラス基板上に酸化アルミニウム(Al)と酸化ケイ素(SiO)を交互に積層して合計28層とした。
酸化アルミニウム(Al)の成膜条件は以下のとおりである。なお、成膜レートは0.4nm/sである。
<成膜プロセス領域20A>
スパッタ電力:6kW
周波数:40kHz
アルゴンガスの流量250sccm
<反応プロセス領域60A>
アンテナに印加される電力:2kW
周波数:13.56MHz
酸素ガスの流量:100sccm
また、酸化ケイ素(SiO)の成膜条件は以下のとおりである。なお、成膜レートは0.5nm/sである。
<成膜プロセス領域40A>
スパッタ電力:5kW
周波数:40kHz
アルゴンガスの流量:150sccm
<反応プロセス領域60A>
アンテナに印加される電力:5kW
周波数:13.56MHz
酸素ガスの流量:120sccm
熱安定性試験は、実施例1と同様に、作成した光学リフレクタを純水中で約1時間煮沸して煮沸前と煮沸後の吸収スペクトルを比較することで行った。
図10は酸化アルミニウム(Al)と酸化ケイ素(SiO)からなる複合膜の熱安定性を示すグラフである。複合膜として反射防止膜(AR膜)を被覆した光学物品を試験に用いた。グラフの縦軸は光学リフレクタの反射率(%)を示し、横軸は測定波長(nm)を示している。グラフ中の点線が煮沸前、実線が煮沸後の結果を示している。
このグラフから、実施例1と同様に煮沸前と煮沸後で光学リフレクタの吸収スペクトルがほとんど変化していないことがわかる。すなわち、可視光の全領域で吸収スペクトルがほぼ一致している。すなわち、煮沸前と煮沸後で光学リフレクタの光学的特性がほとんど変化していないことがわかる。
このように、実施例2の光学リフレクタは、上述したように可視光の全領域においても吸収スペクトルがほぼ一致している。一方で、実施例1(酸化ケイ素と窒化ケイ素からなる光学リフレクタ)の場合には可視光のうち低波長側(380〜450nm)では、煮沸前と煮沸後で吸収スペクトルに多少の差が生じている。従って、酸化ケイ素と窒化ケイ素からなる光学リフレクタと比較して、実施例2の酸化アルミニウムと窒化アルミニウムからなる光学リフレクタの方が安定した光学的特性を備えていることがわかる。これは、酸化アルミニウムの方が窒化ケイ素よりも耐熱性が高いためと考えられる(表3参照)。
<紫外線照射試験>
次に、上の実施例1で作成した光学リフレクタについて紫外線耐性試験を行った結果について示す。
紫外線耐性試験は、実施例1で作成した光学リフレクタに紫外線光源からの紫外線を照射して、照射前および照射後の光学リフレクタの吸収スペクトルを比較することで行った。
紫外線光源として、高圧水銀ランプ(セン特殊光源株式会社製HL400B)を使用し、紫外領域における波長が253.7nmと365.0nm、ランプ入力パワーが400Wで、照射なし,10分照射,30分照射,60分照射,180分照射の5つの条件で試験を行い、試験後の光学リフレクタの吸収スペクトルをそれぞれ測定した。以下のその結果を示す。
図11は窒化ケイ素(Si)と酸化ケイ素(SiO)を積層した光学リフレクタの紫外線に対する安定性を示すグラフである。複合膜として反射防止膜(AR膜)を被覆した光学物品を試験に用いた。グラフの縦軸は光学リフレクタの反射率(%)を示し、横軸は測定波長(nm)を示している。グラフの点線が紫外線照射前、一点鎖線が紫外線照射後の結果を示している。
このグラフから、紫外線照射によって光学リフレクタの吸収スペクトルがほとんど変化していないことがわかる。すなわち、紫外線照射前と紫外線照射後で光学リフレクタの光学的特性がほとんど変化していないことがわかる。
従って、このような光学リフレクタは、紫外線を大量に放射するメタルハライドランプや超高圧水銀ランプ,キセノンランプ等のプロジェクター用ランプに使用しても、紫外線による光学的特性の変化が生じにくいため好ましい。
<破壊試験>
次に、実施例1および実施例2で作成した光学リフレクタの破壊試験を行った結果について示す。
光学リフレクタの破壊試験は、実施例1および実施例2で作成した光学リフレクタに対して、DLC(Diamond Like Carbon)コーティングしたカッターを用いて1kgの力を加えて表面をスクラッチすることで行った。このスクラッチ後の光学リフレクタの表面を光学顕微鏡にて撮影した。
また、比較例として、酸化ニオブ(Nb)と酸化ケイ素(SiO)を積層した光学リフレクタについて上記と同様の破壊試験を行った。
酸化ニオブ(Nb)は以下の通りである。なお、成膜レートは0.4nm/sである。
<成膜プロセス領域20A>
スパッタ電力:4kW
周波数:40kHz
アルゴンガスの流量:100sccm
<反応プロセス領域60A>
アンテナに印加される電力:4kW
周波数:13.5MHz
酸素ガスの流量:120sccm
また、酸化ケイ素(SiO)の成膜条件は以下のとおりである。なお、成膜レートは0.4nm/sである。
<成膜プロセス領域40A>
スパッタ電力:4kW
周波数:40kHz
アルゴンガスの流量:200sccm
<反応プロセス領域60A>
アンテナに印加される電力:4kW
周波数:13.56MHz
酸素ガスの流量:120sccm
図12は実施例1,実施例2と比較例の光学フィルタを用いて破壊試験を行った結果を示す写真であって、(a)は実施例1の光学リフレクタ(SiO/Si)について、(b)は実施例2の光学リフレクタ(Al/SiO)について、(c)は比較例の光学リフレクタ(Nb/SiO)の破壊試験後の断面を撮影した写真である。
この図に示すように、比較例のNb/SiO(図のc)の場合では、薄膜に深い傷が形成され、一部の薄膜が基板から剥離して基板の表面が露出している状態が観察された。一方、本発明の実施例であるSiO/Si(図のa)とAl/SiO(図のb)の場合は、いずれも表面に浅い傷が形成されたのみであり、基板表面が露出するほど深い傷が形成されている形跡は見当たらない。
この実験結果から、本発明の実施例の薄膜は、比較例に示す従来の薄膜よりも硬度が高く、傷や磨耗に対して耐久性が高いことが示された。
本発明の一実施形態に係る光学物品の横断面形状を模式的に示した説明図である。 酸窒化ケイ素(SiOx1y1)を構成する酸素および窒素の組成比と、酸窒化ケイ素を材料とする薄膜の融点および硬度の関係を示したグラフである。 酸窒化アルミニウム(AlOx2y2)を構成する酸素および窒素の組成比と、酸窒化アルミニウムを材料とする薄膜の融点および硬度の関係を示したグラフである。 薄膜形成装置を上面から見た説明図である。 図4の薄膜形成装置を側面から見た説明図である。 図4の薄膜形成装置の成膜プロセス領域周辺を拡大して示した説明図である。 図4の薄膜形成装置の反応プロセス領域周辺を拡大して示した説明図である。 他の実施形態の薄膜形成装置を上面から見た説明図である。 窒化ケイ素(Si)と酸化ケイ素(SiO)からなる複合膜の熱安定性を示すグラフである。 酸化アルミニウム(Al)と酸化ケイ素(SiO)からなる複合膜の熱安定性を示すグラフである。 窒化ケイ素(Si)と酸化ケイ素(SiO)を積層した光学リフレクタの紫外線に対する安定性を示すグラフである。 実施例1,実施例2と比較例の光学フィルタを用いて破壊試験を行った結果を示す写真である。
符号の説明
1 薄膜形成装置
11 真空容器
11a 開口
11A 薄膜形成室
11B ロードロック室
11C 扉
11D 扉
12 仕切壁
13 回転ドラム
13a 基板保持板
13b フレーム
13c 締結具
14 仕切壁
15a 真空ポンプ
15b 真空ポンプ
16a−1 配管
16a−2 配管
16b 配管
17 モータ
17a モータ回転軸
18 ドラム回転軸
20 スパッタ手段
20A 成膜プロセス領域
21a マグネトロンスパッタ電極
21b マグネトロンスパッタ電極
22a ターゲット
22b ターゲット
23 トランス
24 交流電源
30 スパッタガス供給手段
31 マスフローコントローラ
32 スパッタガスボンベ
35a 配管
35b 導入口
35c 配管
40 スパッタ手段
40A 成膜プロセス領域
42a ターゲット
42b ターゲット
60 プラズマ発生手段
60A 反応プロセス領域
61 ケース体
61A アンテナ収容室
62 誘電体板
63 アンテナ
64 マッチングボックス
65 高周波電源
66 グリッド
70 反応性ガス供給手段
71 窒素ガスボンベ
72 マスフローコントローラ
73 酸素ガスボンベ
74 マスフローコントローラ
75a 配管
S 基板(基体)
V1 バルブ
V2 バルブ
V3 バルブ
Z 回転軸線
P 光学物品
F 被覆層
F1 第1の薄膜
F2 第2の薄膜

Claims (6)

  1. 異なる材料からなる2種類以上の薄膜を積層した被覆層が基体の表面に形成された光学物品であって、前記薄膜は、酸窒化ケイ素,酸窒化アルミニウム,窒化ケイ素,窒化アルミニウム,酸化アルミニウム,および酸化ケイ素からなる群より選択される材料で形成されたことを特徴とする光学物品。
  2. 前記薄膜のうち少なくとも1つが、酸窒化アルミニウム,窒化アルミニウム,および酸化アルミニウムからなる群より選択される材料からなることを特徴とする請求項1に記載の光学物品。
  3. 前記薄膜のうち少なくとも1つが、次の一般式:SiOx1y1(ここで、0<x1≦0.5、1≦y1<1.33であり、x1=0のときy1=1.33、x1=2のときy1=0である)で示される酸窒化ケイ素,または窒化ケイ素からなることを特徴とする請求項1に記載の光学物品。
  4. 前記光学物品は、赤外線領域の光を透過する性質を有するフィルタであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の光学物品。
  5. 前記フィルタは光学リフレクタであることを特徴とする請求項4に記載の光学物品。
  6. 異なる材料からなる第1の薄膜および第2の薄膜を交互に積層した被覆層が基体の表面に形成された光学物品の製造方法であって、
    真空容器内の成膜プロセス領域内でアルミニウムまたはケイ素からなるターゲットをスパッタして前記基体の表面にアルミニウムまたはケイ素からなる第1の膜原料物質を付着させる第1のスパッタ工程と、
    前記成膜プロセス領域と離間した位置に形成された反応プロセス領域に前記基体を搬送する第1の基体搬送工程と、
    前記反応プロセス領域に少なくとも窒素ガスおよび酸素ガスから選択される少なくとも1種類の反応性ガスを供給する第1の反応性ガス供給工程と、
    前記反応プロセス領域内で前記反応性ガスのプラズマを発生させて前記第1の膜原料物質の反応物を生成させる第1のプラズマ処理工程と、からなる第1の薄膜形成工程により第1の薄膜を形成し、
    前記成膜プロセス領域に前記基体を再度搬送する再搬送工程と、
    前記成膜プロセス領域内でアルミニウムまたはケイ素からなるターゲットをスパッタして前記基体の表面にアルミニウムまたはケイ素からなる第2の膜原料物質を付着させる第2のスパッタ工程と、
    前記反応プロセス領域に前記基体を搬送する第2の基体搬送工程と、
    前記反応プロセス領域内で前記反応性ガスのプラズマを発生させて前記第2の膜原料物質の反応物を生成させる第2のプラズマ処理工程と、からなる第2の薄膜形成工程により第2の薄膜を形成し、
    前記第1の薄膜形成工程と前記第2の薄膜形成工程を順次繰り返すことにより前記被覆層を形成することを特徴とする光学物品の製造方法。
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