JP2017075090A - 改善された清浄化性を示す引掻抵抗の被覆、改善された清浄化性を示す耐引掻性の被覆を備えた基材及びその製造方法 - Google Patents

改善された清浄化性を示す引掻抵抗の被覆、改善された清浄化性を示す耐引掻性の被覆を備えた基材及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】改善された清浄化性を示し、耐引掻性を高め、るための被覆を備えた基材、及びその製造方法の提供。【解決手段】少なくとも1つの高屈折性の透明な硬質物質層を含み、かつ窒化アルミニウムを含む被覆であって、水に対して>75°の接触角を示し、該被覆は、<1.3nm、好ましくは<1.2nm、特に好ましくは<1nmの平均粗さ及び/又は<2nm、好ましくは<1.5nm、特に好ましくは<1.3nmの粗さRmsを示し、該被覆は、<0.3、好ましくは<0.24、特に好ましくは<0.2の静止摩擦係数及び/又は<0.2、好ましくは<0.15、特に好ましくは<0.12のすべり摩擦係数を示す被覆を備えた基材、及び該被覆はスパッタリング法として、マグネトロンスパッタリング法又はHiPIMS(高出力インパルスマグネトロンスパッタリング)法を使用して成膜される製造方法。【選択図】図4

Description

本発明は、一般に改善された清浄化性を示す引掻抵抗の被覆、容易に清浄化される、耐引掻性の被覆を備えた基材並びにその製造方法に関する。特に、本発明は、いわゆる「清浄化しやすい(easy to clean)」引掻抵抗の被覆及び窒化アルミニウムを基礎とする硬質物質層を備えた、相応して被覆された基材並びにその製造、特にスパッタリングによる製造に関する。
発明の分野
先行技術からは、耐引掻性を高めるための多様な被覆は公知である。このように、特許出願明細書の独国特許出願公開102011081234号(DE 102 011 081 234 A1)は、ガラスセラミック基材上の2種の異なる材料相を含む硬質物質被覆を記載している。しかしながら、この被覆の熱膨張係数と基材の熱膨張係数とは互いに最大で20%も相違することが欠点である。更に、ガラスセラミックは極めて低い熱膨張係数を示すために、このことが適切な被覆の数を著しく制限する。このように、例えば窒化物又は酸化物、例えば窒化ホウ素を基礎とする硬質物質層は極めて大きな熱膨張係数を示すため、これらはガラスセラミック基材を被覆するためには適していない。
耐引掻性を高めるための被覆は、高い硬度を示すことが好ましいばかりでなく、むしろ弾性(弾性率)、表面粗さ、基材と被覆との異なる熱膨張係数による層応力並びに基材の表面状態を決定するファクターが、耐引掻性の被覆並びに相応して被覆された基材の品質にとって重要である。更に、相応して被覆された表面、例えばガラス表面又はガラスセラミック表面は、高い耐引掻性の他に、製造の間にも後の使用の間にも生じるような摩耗負荷及び研磨負荷に対して高い耐久性を示すことが望ましい。
耐引掻性を高める他に、被覆の清浄化性の改善も重要である。これは、特に、例えば毎日の利用で部分的に激しい汚れが見込まれる調理面のような適用分野に当てはまる。この汚れは、被覆を損なうことなく表面から除去されなければならない。更に、汚れを簡単に引き離すことができることが使用者にとっても望ましい。相応して仕上げられた表面は、この場合に、いわゆる「清浄化しやすい」表面とも言われる。この表面は、未被覆の基材と比べて、大きな接触角を示す。
発明の課題
本発明の課題は、高い耐引掻性、摩耗負荷及び研磨負荷に対して、並びに環境負荷に対して高められた耐久性の他に、改善された清浄化性を示す被覆並びに相応して被覆された基材を提供することである。本発明の別の課題は、相応する製造方法を提供することにある。
本発明の課題は、意外な方法様式で、独立請求項の主題により解決される。好ましい実施態様及び実施形態は、従属請求項の主題である。
発明の簡単な説明
本発明による被覆は、窒化アルミニウム(AlN)を基礎とする透明で高屈折性の硬質物質層を含み、つまり硬質物質層は主成分としてAlNを含む。本発明の場合に、硬質物質層中のAlNの割合は、50質量%より多い。
硬質物質層は摩耗保護層としても作用する。硬質物質層は、この場合、非晶質の構造を示しても、結晶質又は部分結晶質の構造を示してもよい。この場合、発明者は、意外にも、硬質物質層のAlNが、結晶質であるか又は少なくとも十分に結晶質であり、かつ六方晶の結晶構造を示す場合に、特に引掻抵抗でかつ摩耗負荷及び研磨負荷に対して耐久性の被覆を得ることができることを確認した。特に、AlN層は、少なくとも50%の結晶化度を示す。
これは、通常では、非晶質の被覆はクリスタリットを含まないため、相応する結晶質の被覆よりも低い表面粗さを示すことを前提とする点では意外である。この場合、低い層粗さは、例えば被覆の表面での異物の摩擦により引き起こされる欠陥の発生のしにくさと関連づけられている。それにもかかわらず、相応する結晶質又は部分結晶質の被覆は、高い引掻抵抗ばかりでなく、環境の影響並びに研磨負荷及び摩耗負荷に対して高い耐久性も示す。この場合、硬質物質層は、一実施形態の場合に、平均粗さRa<1.3nm、好ましくは<1.2nm、特に好ましくは<1nmを示す。本発明の一実施態様の場合に、粗さプロフィールの縦座標の平均実効値Rmsは<2nm、好ましくは<1.5nm、特に好ましくは<1.3nmである。
更に、この被覆はその結晶質の構造にもかかわらず、可視スペクトル領域及び赤外線スペクトル領域中の波長を有する光に対して透過性であるため、この被覆は光学的に目立たず、例えば光学部材中で例えば調理面の被覆としても使用することができる。このように、この被覆は、特に標準光源の種類Cを基準として、可視光に対して少なくとも50%、好ましくは少なくとも80%の透過率を示しかつ赤外線に対して少なくとも50%、好ましくは少なくとも80%の透過率を示す。
硬質物質層は、高屈折性の層である。よって、この硬質物質層は、一実施形態の場合に、550nmの波長で1.8〜2.3の範囲内の、好ましくは1.95〜2.1の範囲内の屈折力を示す。
部分結晶質及び結晶質の被覆の高い透明性は、特に個々のクリスタリットの小さいサイズにより達成することができる。このように、小さいサイズにより、例えば散乱効果は避けられる。本発明の一実施形態の場合に、平均結晶サイズは、最大でも20nm、好ましくは最大でも15nm、特に好ましくは5〜15nmである。小さな結晶サイズの別の利点は、クリスタリットを含む層のより高い機械的耐久性にある。このように、大きなクリスタリットは、頻繁にその結晶構造中に転位を有し、このことが機械的耐久性に不利な影響を及ぼす。
本発明の一実施形態の場合に、硬質物質層中のAlNクリスタリットは、(001)方向の、つまり基材表面に対して平行の優先方位を示す六方晶結晶構造を示す。優先方位を示す結晶構造の場合に、クリスタリットの結晶構造の対称方向の一つが優位を占めている。本発明の意味範囲で、(001)方向に優先方位を示すAlN結晶構造とは、特にX線回折法による測定の際に相応するXRDスペクトルにおいて34°〜37°の範囲内に最大の反射を示す結晶構造であると解釈される。この範囲内の反射は、この場合、(001)優先方位を示すAlN結晶構造に分類することができる。
意外にも、(001)方向に優先方位を示す本発明による硬質物質層の実施形態は、(001)優先方位を示さない同様の又は同等の組成を有する硬質物質層よりも高い弾性率を示すばかりか、高い硬度も示すことが確認できた。
大部分が(001)優先方位を示す被覆の高い弾性率は、結晶質物質の弾性率が、この結晶質物質の優先方位に依存することによって説明することができる。従って、弾性率は、硬質物質層のこの実施形態の場合に、基材表面に対して平行である場合が最大である。本発明の一実施態様の場合に、硬質物質層は、基材表面に対して平行で10mNの試験荷重で90〜250GPaの範囲内、好ましくは110〜200GPaの範囲内の弾性率を示す。
本発明による被覆は、水に対して>75°の接触角を示す。意外にも、本発明による被覆の場合に表面に付着する汚れは容易に引き離すことができ、つまりこの清浄化性(「清浄化しやすい」効果とも言われる)は、特に良好に際立っていることを確認することができた。
これは、一方で、被覆の粗さが低いことに起因することができる。この被覆の相対的に平坦な表面に基づいて、その表面に付着する粒子との間で、その表面と機械的な噛み合いが行われないかわずかな程度で行われる。被覆とその上に存在する表面との間には、極めてわずかな静止摩擦力が作用するだけである。このように、静止摩擦係数μは好ましくは<0.24、特に好ましくは<0.2である。示されるすべり摩擦力も低く、すべり摩擦係数μは、好ましくは<0.2、特に好ましくは<0.15、特に好ましくは<0.12である。これらのわずかな摩擦力は、本発明による被覆された表面の場合、汚れが被覆の表面に付着しづらいか又は比較的わずかな力をかけることにより汚れを除去できることを引き起こすことができる。
更に、わずかな摩擦に基づいて、対象物、例えば液滴を表面上で容易に動かすことができる。これは、特に本発明により被覆された基材を料理面として使用する場合に好ましい。
本発明による被覆は、低い表面エネルギーを示す。このように、この被覆は、一実施形態の場合に、<50mN/m、好ましくはそれどころか40mN/m未満又はそれどころか30mN/m未満の分散成分の及び/又は極性成分の表面エネルギーを示す。
低い表面エネルギーに基づいて、本発明による被覆は、極性化合物により濡らすことができないか又は濡らすことが極めて困難である。この場合、この被覆は、水性の液体並びに無極性の有機液体、例えばジヨードメタン又はエチレングリコールに対しても、悪い濡れ性を示す。従って、相応する汚れは、被覆の表面から容易に除去できる。本発明の一実施形態の場合に、この被覆は、水に対して>75°、好ましくは>80°、特に好ましくは>85°の接触角を示し、及び/又は極性の有機溶媒、例えばエチレングリコール又はヨードメタンに対して>55°、好ましくは>60°の接触角を示す。一実施形態の場合に、エチレングリコールに対する接触角は、≧70°、好ましくは≧75°であり、ジヨードメタンに対する接触角は、≧55°、好ましくは≧60°である。従って、低い表面エネルギー又は大きな接触角は、被覆の容易な清浄化性を可能にし、それにより被覆は、「清浄化しやすい」効果を示す。
固体の表面エネルギーは、その方位に依存する。従って、結晶質又は部分結晶質の被覆の場合に(001)優先方位が低い表面エネルギーに寄与することを予想することができる。
被覆の耐引掻性は、硬度の他に、基材上に被覆がどの程度好ましく付着するのかにも依存する。被覆と基材とが更に異なる熱膨張係数を示す場合には、これは、被覆中に応力を構築しかつ被覆の剥離を引き起こすことがある。比較的高い弾性率を示す被覆では、この場合に生じる応力をより良好に受け止めることができるため、この被覆は基材上により良好に付着する。
摩耗に対する被覆の耐久性は、更に、それぞれの層の硬度の弾性率に対する比率にも依存している。本発明の一実施態様の場合、結晶質又は部分結晶質の被覆は、少なくとも0.08、好ましくは0.1の、硬度の弾性率に対する比率を示す。これは、(001)優先方位により達成することができる。その組成に関して同等で、優先方位が相違する層は、この場合、0.06〜0.08の範囲内の比較的低い値を示す。
上述の特性は、特に、結晶構造の(001)優先方位が、(100)及び(101)方位と比べて最も強く際立っている場合に達成される。更に、本発明の一実施態様の場合には、更に(100)方位の結晶構造の割合が、(101)方位の結晶構造の割合よりも多い。
(001)優先方位を示す結晶構造の割合の決定のために、次のように行うことができる:
− 浅い入射角の下での相応する層のXRDスペクトルの撮影、つまり薄膜X線回折(GIXRD)
− 34°〜37°の範囲内での相応する(001)反射の最大強度I(001)の決定
− 32°〜34°の範囲内での(100)反射の最大強度I(100)の決定
− 37°〜39°の範囲内での(101)反射の最大強度I(101)の決定
(001)優先方位x(001)とy(001)を示す結晶構造の割合を次のように算出する:
0.5より大、好ましくは0.6より大、特に好ましくは0.75より大の割合x(001)及び/又はy(001)が、特に好ましいことが判明した。
AlNを基礎とする層の別の利点は、その比較的高い熱伝導率にある。これは、本発明による被覆が、調理面上の引掻保護として施される場合に特に好ましい。
本発明による一実施形態の場合に、AlNを基礎とする層中の酸素の割合は、最大で10原子%、好ましくは最大で5原子%、特に好ましくは最大で2原子%である。
被覆中の低い酸素含有率により、結晶成長に関して、特に結晶構造の優先方位の形成に関して不利な影響を及ぼす酸窒化物の形成が抑制される。
硬質物質層の上述の特徴は、特に、被覆がスパッタ法によって施された場合に達成することができる。
本発明による層の硬度及び引掻保護効果の性能は、この層の製造に引き続く処理により改善することもできる。炉中での簡単な熱処理の他に、更に、フラッシュランプ加熱又はレーザーによる処理を適用することができる。イオン又は電子の注入も考えられる。それにより、結晶構造の(001)優先方向を得ることができるか又は結晶構造中でのその割合x(001)及び/又はy(001)を更に高めることができる。
AlNを基礎とする層又は硬質物質層は、純粋な窒化アルミニウム層であることができるか又はこの硬質物質層は窒化アルミニウムの他に別の成分、例えば1種以上の別の窒化物、炭化物及び/又は炭窒化物を含むことができる。好ましくは、窒化物、炭化物又は炭窒化物は、ケイ素、ホウ素、ジルコニウム、チタン、ニッケル、クロム又は炭素の元素の相応する化合物である。それにより、硬質物質層の特性、例えば硬度、弾性率又は摩耗に対する抵抗性、例えば研磨抵抗性を更に変更することができる。
結晶質の窒化アルミニウム相を形成させるために、硬質物質層のアルミニウム含有率は、それぞれ付加的な元素のケイ素、ホウ素、ジルコニウム、チタン、ニッケル、クロム及び/又は炭素に対して>50質量%、好ましくは>60質量%、特に好ましくは>70質量%であるのが特に好ましい。
相応する混合層は、本発明の意味範囲で、ドープされたAlNを基礎とする層と言うこともできる。AlNに対して付加的に含まれる化合物は、本発明の意味範囲でドーパントと言われ、この場合、ドーパントの含有率は50質量%までであることができる。この場合、ドープされた層とは、本発明の意味範囲で、ドーパントの50質量%までの含有率を含む層であるとも解釈される。
混合層又はドープされたAlNを基礎とする層の場合、AlNクリスタリットはドーパントの母相中に埋め込まれている。層の結晶化度は、従って、混合層中のドーパントの割合によって調節することができる。更に、クリスタリットのサイズは母相によって制限される。この場合、最大20nm、好ましくは最大15nmのクリスタリットのサイズが特に好ましいことが判明した。特に、AlNクリスタリットの平均サイズは、5〜15nmの範囲内にある。このクリスタリットのサイズは、硬質物質層の高い透明性及び高い機械的耐久性を保証する。
本発明の一実施形態の場合に、硬質物質層は、窒化アルミニウムの他に窒化ホウ素を含む、つまりこの層は窒化ホウ素でドープされている。窒化ホウ素を含むことにより、この層の摩擦係数は低下し、これが特に、研磨プロセスに対する層のより高い抵抗性を生じさせる。これが、エンドユーザーによる使用の際に相応して被覆された基材の耐久性の観点でも、被覆された基材の後続加工の際の場合による方法工程の観点でも好ましい。
本発明による他の実施形態の場合に、この硬質物質層は窒化ケイ素でドープされている、つまりAlN:SiN材料系であり、これにより、例えば、付着、硬度、粗さ、摩擦係数及び/又は耐熱性のような個々の特性に影響を及ぼすことができる。この実施形態の一実施態様の場合には、硬質物質層は、少なくとも1種の他のドーパントを含む。
更に、硬質物質層の熱膨張係数は、使用されたドーパントの種類及び量により影響されるか又は基材に適合させることができる。
本発明の一実施態様は、この被覆が硬質物質層に対して付加的に少なくとも1つの他の層を含むことを予定する。本発明の一実施態様の場合に、この被覆は定着材層を含んでいてよい。この定着材層は、基材と硬質物質層との間に配置され、かつ基材上での硬質物質層の付着を改善する。これは、特に、基材と硬質物質層との熱膨張係数が明らかに異なる場合に好ましい。この場合、アルミニウム、ケイ素、ホウ素、ジルコニウム、チタン、ニッケル、クロム及び/又は炭素の元素の窒化物、酸化物、炭化物、炭窒化物及び/又は酸窒化物から形成される定着材層が特に好ましいことが判明した。
この場合、定着材層は、生じる応力を低下させることができ、少なくともこの定着材層は基材との強い化学結合を生じさせる。従って、基材と硬質物質層との熱膨張係数を相応してぴったりと適合させることはもはや必要ない。これは、適切な基材材料の広範囲な選択を可能にする。堆積は、例えばPVD、CVD又はゾルゲル法によって行うことができる。
従って、基材として、特にガラス、好ましくはサファイアガラス、ホウケイ酸塩ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス、石灰ソーダガラス、合成石英ガラス(いわゆる溶融シリカガラス)、リチウムアルミノケイ酸塩ガラス又は光学ガラスを使用することができる。光学用途のための結晶、例えばフッ化カリウム結晶又はガラスセラミックも、基材として使用することができる。これらの基材は、透明、半透明又は不透明、無色又は有色であってよい。
好ましい実施形態の場合に、基材は、ガラスセラミック、特に2×10-6-1未満の熱膨張係数α20-300を示すガラスセラミックである。相応するガラスセラミックは、例えば調理面として使用することができる。本発明による被覆は、更に少なくとも300℃、好ましくは少なくとも400℃の温度に対して持続的に安定であるため、この被覆は、調理面の高熱領域に施すこともできる。特に、被覆された基材を調理面として使用する場合に、この調理面はもちろんしばしば、例えば調理面上に存在する鍋の吹きこぼれによって汚れる。高い温度に基づいて、この汚れは部分的に分解されるか又は焼き付くことがあるため、特に頑固な汚れを生じることがある。しかしながら、本発明による被覆によって、このような汚れを機械的に容易に除去することができる。
高い温度安定性に基づき、この被覆又は相応して被覆されたガラス基材は、他の高温領域で、例えばオーブン用覗き窓板として使用することができる。
特に、調理面の場合には、頻繁にガラスセラミック表面上に装飾が印刷される。従って、一実施態様は、この基材が少なくとも部分的に装飾層を備え、かつこの装飾層は基材と被覆との間に配置されていることが予定される。本発明による被覆の高い透明性に基づいて、この装飾は被覆を通して良好に知覚可能である。更に、この装飾層は硬質物質層によって機械的負荷から保護されるので、装飾層について、機械的負荷に関して低い要求を課すことができる。更に、このように、硬質物質層の「清浄化しやすい」特性、つまり良好な清浄化性は、全体の被覆に転用することができる。
本発明による硬質物質層で被覆された基材は、特に光学部材、調理面、乗り物用覗き窓板、時計用ガラス、家事用品中のガラス部材又はガラスセラミック部材、オーブン用覗き窓板として又は、ディスプレーとして、例えばタブレットPC又は携帯電話用のディスプレーとして、特にタッチパネルディスプレーとして使用することができる。
(001)優先方位を示す結晶質又は部分結晶質の構造を示す硬質物質層又は被覆された基材は、この場合、特に、少なくとも次の工程を含む方法を用いて製造することができる:
a) 金属製のアルミニウム含有ターゲットを備えたスパッタ装置中に基材を準備する
b) 反応ガス雰囲気中で、ターゲット面積当たり8〜1000W/cm2、好ましくは10〜100W/cm2の範囲内の出力で、スパッタされた粒子を放出させる。
工程b)での基材の被覆は、この場合、2×10-2mbar以下のプロセス圧力で行われる。
プロセスガスとして、好ましくは窒素含有の反応ガスを使用する。窒素含有の反応ガスとは、この場合、スパッタ条件下で窒素を脱離するガスであると解釈される。窒素又はアンモニアの使用が、特に好ましいことが判明した。本発明の一実施態様の場合に、特にターゲットが付加的に窒化物を含む場合、反応ガスとして、これとは別に又は付加的に、アセチレンを使用することができる。
反応ガスは、少なくとも99.999%の純度を示す場合に、特に好ましいことが判明した。それにより、特に純粋な層、特に極めてわずかな窒素含有率を示す層を得ることができる。これは、特に、結晶質又は部分結晶質の実施形態の場合に(001)優先方向の形成の観点で好ましい。
工程b)での被覆は、高いスパッタ出力で行われる。本発明による方法の場合のスパッタ出力は、この場合少なくとも8〜1000W/cm2、好ましくは少なくとも10〜100W/cm2である。本発明の一実施形態の場合に、マグネトロンスパッタリング又は高出力インパルスマグネトロンスパッタリング法(HiPIMS)が適用される。これとは別に又は付加的に、ターゲットと基材との間に負電圧又は交番電圧を保持することができる。この被覆は、これとは別に又は付加的に、イオン衝撃の支援で、好ましくはイオンビーム源からのイオン衝撃で及び/又は基材への電圧の印加により行うことができる。
スパッタリングにより発生する粒子は、既に50℃から又はそれどころか20℃からの堆積温度で既に堆積することができる。本発明の一実施形態の場合に、堆積温度は20〜100℃の範囲内にある。しかしながら、より高い堆積温度、例えば100℃より高い、又は200℃より高い堆積温度も可能である。この場合、より高い堆積温度は、堆積する層の温度安定性に好ましい作用を及ぼすことがある。
更に、堆積する層の(001)優先方位の形成の観点で、ターゲットが少なくとも99.5%又はそれどころか少なくとも99.9%の最低純度を示す場合が、特に好ましいことが判明した。相応するターゲットは、特に酸素を含まないか又はわずかな量だけの酸素を含む。このようにして、酸素の組み込みによる酸窒化物の形成は避けられる。これは、特にAlNクリスタリットの結晶成長の観点で重要である、というのも、この結晶成長は酸窒化物により妨害されるためである。好ましくは、これにより、最大10原子%の、特に好ましくは最大5原子%の、それどころか最大2原子%の酸素含有率を有する被覆を得ることができる。
スパッタプロセスは、基材上での連続的な堆積であってよい。これとは別に、スパッタ過程は、堆積する層が、被覆領域基から出発する際のプロセス過程に基づき生じる境界面を有するか又は境界面からなるように実施することもできる。
工程a)の場合に、基材として例えばガラスセラミック、サファイアガラス、ホウケイ酸塩ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス、石灰ソーダガラス、合成石英ガラス、リチウムアルミノケイ酸塩ガラス、光学ガラス及び/又は光学目的用の結晶を準備することができる。
好ましい実施形態の場合に、金属製のターゲットは、アルミニウムの他に、ケイ素、ホウ素、ジルコニウム、チタン又は炭素の元素の少なくとも1種を含む。アルミニウムの他のこの付加的な元素は、本発明の意味範囲で、ドーパントとも言われる。好ましくは、ターゲット中のアルミニウムの割合は、50質量%より多く、特に好ましくは60質量%より多く、更に特に好ましくは70質量%より多い。
本発明の一実施態様の場合、工程a)において、装飾及び/又は定着材層を備えた基材が準備される。
このように、例えば少なくとも部分的に装飾された領域の被覆が可能であり、かつこれは高い適用温度の場合であっても耐久性のままである。平坦なファセット(Flachfacetten)も、光学的に変化させずに被覆可能であり、かつ良好な機械的耐久性を示しかつ、容易に、つまり特に力をかけずに又はわずかな力で、及び/又は溶剤を使用して清浄化することができる。この被覆は、従って、良好な「清浄化しやすい」効果を示す。
本発明の別の実施形態は、本発明による被覆上に施された、例えばロゴ/字体としての装飾を含む。
本発明の一実施形態の場合に、定着材層は、アルミニウム、ケイ素、ホウ素、ジルコニウム、チタン、ニッケル及び炭素を含む群から選択される1種以上の元素の窒化物、酸化物、炭化物、炭窒化物及び/又は酸窒化物を含む。
好ましくは、定着材層は、スパッタプロセスによって施される。
本発明の詳細な説明
次に、本発明を、図面及び実施例を用いて詳細に説明する。
本発明による被覆された基材の略図を示す。 付加的な定着材層を備えた本発明の一実施態様の略図を示す。 実施例のEDXスペクトルを示す。 別の実施例のXRDスペクトルを示す。 比較例として(100)と(101)の優先方位を示す2つのAlNを基礎とする層のXRDスペクトルを示す。 2つの結晶質の実施例並びに非晶質AlNを基礎とする層を備えた1つの実施例のXRDスペクトルを示す。 図6で示されたAlNを基礎とする試料の接触角をグラフで示す図を示す。 図6で示されたAlNを基礎とする試料の表面エネルギーをグラフで示す図を示す。 図6で示されたAlNを基礎とする試料の静止摩擦係数及びすべり摩擦係数をグラフで示す図を示す。 静止摩擦係数を測定するための試験装置の略図を示す。 a及びbは、多様な実施例及び比較例として未被覆の基材の焦げ付き試験をグラフで示す図を示す。 a〜cは、図6で示されたAlNを基礎とする試料のAFM写真を示す。 a〜cは、砂による機械的負荷後の多様な優先方位を示す多様な被覆された基材の写真を示す。
図1には、本発明により被覆された基材が図式的に示されている。この場合、基材2は、硬質物質層1で被覆されている。硬質物質層1は、結晶質AlNを含み、この場合、AlNクリスタリットは、(001)優先方位を示す。硬質物質層1の層特性、特に大きな硬度並びに大きな弾性率に基づいて、「清浄化しやすい」効果を達成するため及び基材2を機械的負荷及び引掻から保護するために、既に硬質物質層の層厚は<100nm、好ましくはそれどころか50nmだけで十分である。2000nmまでのより厚い層も同様に考えられる。
図2は、基材2と硬質物質層1との間に他の層3が配置されている別の実施例を図式的に示す。この付加的な層3は、例えば装飾層又は定着材層であってもよい。例えば装飾層及び定着材層の複数の部分層からなる層3も可能である。この場合、基材の全体に又は部分的にだけ、層3が設けられていてもよい。この場合、硬質物質層は、付加的な層3を介して配置されていて、つまり付加的な層3は、従って基材2と硬質物質層1との間に配置されている。
付加的な層3として定着材層を備えた実施形態の場合に、この層3は、好ましくはドープされたAlN層又は混合層である。定着材層の組成に依存して、この定着材層は、例えば基材2の熱膨張係数と硬質物質層1の熱膨張係数との間にある熱膨張係数を示すことができる。従って、基材2と硬質物質層1との間の応力を、定着材層3により低減することができる。好ましくは、この定着材層3は、1〜900nmの範囲内、特に好ましくは1〜500nmの範囲内、特に好ましくは1〜50nmの範囲内の厚さを示す。
一実施例の場合に、被覆された基材は、ガラス基材2と硬質物質層1との間に、定着材層3として50nmの層厚を示すAl23被覆を含む。
図3は、本発明による硬質物質層の一実施例のEDX分析(エネルギー分散型X線分光法、energy dispersive X-ray spectroscopy)のスペクトルを示す。この実施例の場合に、硬質物質層は、ケイ素と合金化された又はケイ素でドープされたAlN層である。
図4は、本発明による被覆された基材の一実施例のXRDスペクトル(X線回折、X-ray diffraction)を示す。この実施例の場合に、SiO2基材を、AlNを基礎とする硬質物質層で被覆し、被覆された基材のXRDスペクトルを記録した。この場合、スペクトル4は、3つの反射を示し、これらの反射は、AlNの六方晶結晶構造の3つの方位(100)、(001)及び(101)に分類することができる。この場合、この硬質物質層は、主に(001)優先方位を示すことが明らかである。この場合、36°での相応する反射は、(100)方位(33.5°)及び(101)方位(38°)の反射よりも著しく強く際立っている。
(001)優先方位を示す結晶構造の割合は、この場合、スペクトル4から次のように決定することができる:
割合x(001)は、この実施例の場合に0.76であり、割合y(001)は0.82である。
図5は、図4で示された実施例と同等の組成を有するが、結晶構造の優先方位が異なる硬質物質層のXRDスペクトルを示す。このように、スペクトル5は、(100)優先方位を示す比較例に分類され、スペクトル6は、(101)優先方位を示す比較例に分類される。
(100)優先方位を示す硬質物質層(曲線6)は、この場合、長いターゲット基材距離(>15cm)でかつ13W/cm2の低いスパッタ出力で堆積された。このプロセス温度は、約100℃であった。(101)優先方位を示す硬質物質層(曲線5)は、9.5W/cm2の更に低いスパッタ出力で堆積された。ターゲット基材距離並びにプロセス温度は、この場合、(100)優先方位を示す硬質物質層の堆積条件と一致する。
図6は、2つの結晶質の実施例4及び7並びに1つの非晶質の試料8のXRDスペクトル(X線回折、X-ray diffraction)を示す。実施例7は、AlNを基礎とする硬質物質層であり、この場合、割合x(001)は0.6及び割合y(001)は0.73である。従って、この(001)方位の割合は、実施例4の場合よりも低い。この比較例7は、この場合、>15W/cm2の範囲内のスパッタ出力で、10〜12cmの範囲内の短いターゲット基材距離で堆積された。プロセス温度は250℃であった。
実施例8は、非晶質AlN硬質物質層である。
実施例4、7及び8について、水、エチレングリコール、ジヨードメタン及びn−ヘキサデカンに対する接触角を測定した。接触角の決定のために、これらの試料をまず清浄化し、室温で12時間貯蔵して、洗浄剤を完全に蒸発させた。引き続き、第1表に記載した液体それぞれ3.5μlを試料表面に載せ、接触角をDIN55660−2に従って決定した。この結果を図7に示す。
硬質物質層4、7及び8は、極性の物質の水、エチレングリコール及びジヨードメタンに対して比較的大きな接触角を示すので、被覆は上述の液体により濡らされないか又はわずかにしか濡らされない。
図8は、表面エネルギーOWRK極性成分及びOWRK分散成分をグラフで示す。表面エネルギーOWRK極性成分は、水に対する接触角から計算し、分散成分の表面エネルギーは、表1にまとめて記載された接触角から計算した。
図9は、試料4、7、8並びに未被覆の基材のすべり摩擦値及び静止摩擦値を示す。基材は、ガラスセラミックであり、つまり極めて平滑な表面である。すべり摩擦値は、摩擦相手として1mmの直径の金属球を用いて決定した。静止摩擦係数は、傾斜面でかつ50gの質量の貴金属板を用いて決定した。静止摩擦係数を決定するための図式的な試験装置を図10に示す。試験体は、勾配抵抗(Hangabtriebskraft)が最大付着力(maximale Haftkraft)と同じ大きさになるとすべり始める。角度αで付着力は克服され、静止摩擦係数は、tanαによって算出することができる。
意外にも、試料4及び7では、すべり摩擦値及び静止摩擦値は、未被覆のガラスセラミック(基材)の場合よりも低い。特に、静止摩擦は、この被覆によって低減することができる。試料8は、最も低いすべり摩擦値及び静止摩擦値を示す。
図11a及び11bは、いわゆる焦げ付き試験の結果を示す。この場合、焦げ付き試験によって、相応して被覆された基材の、実際に例えば被覆された基材を調理面として使用する場合に生じるような汚れに対する清浄化性を調査する。このために、調査されるべき試料をまず清浄化する。引き続き、多様な成分からなる混合物の定義された量を試料表面に置く。この混合物は、この場合、著しく糖を含有する成分、高い卵白割合を有する成分並びに高い脂肪含有率を示す成分を含む。このように処理された試料をホットプレートで加熱し、この混合物を試料に焼き付ける。冷却した試料において、洗浄液を含浸させたスポンジ布を、4.25kgの荷重で試料表面上で引き動かし、この清浄化往復行程で汚れ面の減少を測定する。
図11aは、試料7、8及び4に関する並びに比較例としての未被覆の基材13に関する相応する焦げ付き試験の結果を示す。試料7、8及び4では、汚れ面は既に15回の往復行程で既に明らかに減少させることができ、50回の往復行程での清浄化後に、汚れ面はほぼ半分になった。それに対して、未被覆のガラス基材の場合には、汚れ面は50回の往復行程後でも10%未満減少させることができただけであった。
図11bでは、本発明による被覆14の、その層厚に依存した焦げ付き試験の結果が示される。相応する値は、第2表に示されている。
試料14aは、この場合、50nmだけの層厚を示し、試料14bの層厚は1.5μmである。比較試料として、ここでも、未被覆のガラスセラミック基材を用いる。図11bからは、試料14a及び14bの両方が、良好な清浄化性を示すことが明らかとなる。この場合、清浄化性の尺度としての清浄化プロセス当たりの汚れの除去は、試料14a及び14bにおいて、試料14bの層厚が著しく厚いにも係わらず、意外にも同等である。両方の試料において、15回の往復行程の後の汚れ度合いは出発値のほぼ1/3に減少させることができる。従って、50nmの層厚を示すだけの試料14aも、極めて良好な清浄化性を示す。
図12a〜cは、試料4、7及び8のAFM写真を示す。これらの被覆に関して、AFMを用いて表面構造の特性決定及び粗さの決定を行った。調査されるべき試料は、測定の直前に吹き払いかつ放電させた。試料作製は、ASTM E 1829 2009−01及びASTM E 1078 2009−01の規格に従って行った。粗さ値の測定は、ASTM E 2382 2004−01、AAW_OF_0002及びISO TR 14187 2011−08の規格に従って行った。測定領域のサイズは、2μm×2μmであった。こうして測定された粗さ値は第3表に記載されている。
図13a〜13cに基づいて、それぞれの硬質物質層の機械的耐久性についての結晶構造の優先方位の影響を認識することができる。図13a〜13cは、砂による負荷試験の後の多様な被覆された基材の写真である。この場合、それぞれ砂を被覆された基材上に置き、これを、重りを使用して、容器内で100回振動させた。図13aは、この場合、(101)優先方位を示す被覆を備えた試料の負荷試験後の写真を示し、図13bは、(100)優先方位を示す試料の相応する写真を示し、図13cは、本発明による(001)優先方位を示す試料の写真を示す。図13a〜13cから明らかとなるように、負荷試験後に(101)優先方位及び(100)優先方位を示す試料は、(001)優先方位を示す試料よりも、引掻傷の数が明らかに多い。
上述のように、本発明が、特に、改善された清浄化性を示す、耐引掻性を高めるための被覆を備えた基材に関することが開示された。この被覆は、好ましくは、少なくとも1つの高屈折性の透明な硬質物質層を含み、かつ特に窒化アルミニウムを含む。この被覆は、この場合、水に対して>75°の接触角を示す。更に、本発明は、相応する被覆の製造方法に関する。

Claims (29)

  1. 改善された清浄化性を示す、耐引掻性を高めるための被覆を備えた基材において、前記被覆は、少なくとも1つの高屈折性の透明な硬質物質層を含み、前記硬質物質層は窒化アルミニウムを含み、かつ前記被覆は水に対して>75°の接触角を示す、被覆を備えた基材。
  2. 前記硬質物質層は、主に(001)優先方位を示す六方晶結晶構造を示す結晶質の窒化アルミニウムを含む、請求項1に記載の基材。
  3. 前記被覆のXRD測定により決定された(001)優先方位x(001)を示す結晶構造の割合
    が、0.5より大、好ましくは0.6より大、特に好ましくは0.75より大である、請求項2に記載の基材。
  4. 前記被覆は、<1.3nm、好ましくは<1.2nm、特に好ましくは<1nmの平均粗さ及び/又は<2nm、好ましくは<1.5nm、特に好ましくは<1.3nmの粗さRmsを示す、請求項1から3までのいずれか1項に記載の基材。
  5. 前記被覆は、<0.3、好ましくは<0.24、特に好ましくは<0.2の静止摩擦係数及び/又は<0.2、好ましくは<0.15、特に好ましくは<0.12のすべり摩擦係数を示す、請求項1から4までのいずれか1項に記載の基材。
  6. 前記被覆は、水に対して≧80°、好ましくは≧85°の接触角、エチレングリコールに対して≧70°、好ましくは≧75°の接触角及び/又はジヨードメタンに対して≧55°、好ましくは≧60°の接触角を示す、請求項1から5までのいずれか1項に記載の基材。
  7. 前記被覆は、<50mN/m、好ましくは<40mN/m、特に好ましくは<30mN/mの極性成分の及び/又は分散成分の表面エネルギーを示す、請求項1から6までのいずれか1項に記載の基材。
  8. 前記被覆の弾性率は、10mNの試験荷重で、80〜250GPa、好ましくは110〜200GPaであり、及び/又は硬度の弾性率に対する比率は、少なくとも0.08、好ましくは少なくとも0.1、特に好ましくは>0.1である、請求項1から7までのいずれか1項に記載の基材。
  9. 平均結晶サイズは、最大で25nm、好ましくは最大で15nm、特に好ましくは5〜15nmである、請求項2から8までのいずれか1項に記載の基材。
  10. 前記硬質物質層の窒化アルミニウムは、ケイ素、ホウ素、ジルコニウム、チタン、ニッケル、クロム又は炭素の元素の群から選択される1種以上の窒化物、炭化物及び/又は炭窒化物でドープされている、請求項1から9までのいずれか1項に記載の基材。
  11. 前記硬質物質層中のアルミニウム含有率は、ドーパント材料に対して、50質量%より大、好ましくは60質量%より大、特に好ましくは70質量%より大である、請求項1から10までのいずれか1項に記載の基材。
  12. 前記硬質物質層中の酸素の割合は、最大で10原子%、好ましくは5原子%未満、特に好ましくは2原子%未満である、請求項1から11までのいずれか1項に記載の基材。
  13. 前記硬質物質層の厚さは、1〜2000nm、好ましくは1〜100nm、特に好ましくは≦50nmである、請求項1から12までのいずれか1項に記載の基材。
  14. 前記基材は、ガラスセラミック、好ましくはLASガラスセラミック、ガラス、好ましくはサファイアガラス、ホウケイ酸塩ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス、石灰ソーダガラス、合成石英ガラス、リチウムアルミノケイ酸塩ガラス、光学ガラス又は光学用途の結晶である、請求項1から13までのいずれか1項に記載の基材。
  15. 前記基材は、ガラスセラミック、好ましくは2×10-6-1未満の熱膨張係数α20-300を示すガラスセラミックである、請求項14に記載の基材。
  16. 前記基材は、少なくとも部分的に装飾された領域を含み、かつ前記装飾された領域は、前記基材と前記被覆との間に配置されている、請求項1から15までのいずれか1項に記載の基材。
  17. 次の
    a) 金属製のアルミニウム含有ターゲットを備えたスパッタ装置中に基材を準備する工程
    b) 最大2×10-2mbarのプロセス圧力で、窒素含有の反応ガス雰囲気中で、ターゲット面積当たり8〜1000W/cm2、好ましくは10〜100W/cm2の範囲内の出力密度で、スパッタされた粒子を放出させる工程
    を含む、基材上に結晶質の窒化アルミニウム含有の硬質物質層を備えた耐引掻性の被覆の製造方法。
  18. スパッタリング法として、マグネトロンスパッタリング法又はHiPIMS(高出力インパルスマグネトロンスパッタリング)法を使用する、請求項17に記載の方法。
  19. ターゲットと基材との間で負電圧又は交番電圧を保持する、請求項17又は18に記載の方法。
  20. 前記粒子を<100℃、好ましくは20〜100℃の範囲内の堆積温度で堆積させる、請求項17から19までのいずれか1項に記載の方法。
  21. 反応ガスとして、窒素、アンモニア、アセチレン及び/又はこれらの混合物を使用し、かつ前記反応ガスは好ましくは少なくとも99.999%の純度を示す、請求項17から20までのいずれか1項に記載の方法。
  22. 前記被覆を、イオン衝撃の支援で、好ましくはイオン放射源からのイオン衝撃で及び/又は基材に電圧を印加することにより行う、請求項17から21までのいずれか1項に記載の方法。
  23. 工程a)において、基材として、ガラス、好ましくはサファイアガラス、ホウケイ酸塩ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス、石灰ソーダガラス、合成石英ガラス、リチウムアルミノケイ酸塩ガラス、光学ガラス、光学用途の結晶又はガラスセラミックを準備する、請求項17から21までのいずれか1項に記載の方法。
  24. ターゲットとして、ケイ素、ホウ素、ジルコニウム、チタン、ニッケル、クロム又は炭素の元素の少なくとも1種によりドーピングされたアルミニウムターゲットを使用する、請求項17から23までのいずれか1項に記載の方法。
  25. 前記ターゲットは、50質量%より大、好ましくは60質量%より大、特に好ましくは70質量%より大のアルミニウム含有率を示す、請求項24に記載の方法。
  26. 前記ターゲットは、少なくとも99.5%、好ましくは少なくとも99.9%の純度を示す、請求項17から25までのいずれか1項に記載の方法。
  27. 工程a)で準備された前記基材は、装飾層及び/又は定着材層を含む、請求項17から26までのいずれか1項に記載の方法。
  28. 前記定着材層は、アルミニウム、ケイ素、ホウ素、ジルコニウム、チタン、ニッケル、クロム又は炭素の元素の群から選択された窒化物、酸化物、炭化物、炭窒化物及び/又は酸窒化物からなる層である、請求項27に記載の方法。
  29. 光学部材、調理面、ディスプレー又は乗り物用覗き窓板、時計用ガラス、炉用覗き窓板、家事用品中のガラス部材又はガラスセラミック部材として、又はディスプレーとして、例えばタブレットPC又は携帯電話用のディスプレーとして、特にタッチスクリーンディスプレーとしての、請求項1から16までのいずれか1項に記載の被覆された基材の使用。
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