JP2005173340A - 表面凹凸形成方法、それにより得られる光学フィルム及び拡散反射板並びに液晶分子配向機能膜 - Google Patents
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Abstract
【課題】 完便にかつ安易に表面凹凸の断面形状が、非線対称である凹凸形状を形成できる方法及びそれを用いた液晶分子配向機能膜、拡散反射板、光学フィルムを提供する。
【解決手段】 少なくとも一種類以上の重合可能なモノマー又はオリゴマーを含有する感エネルギー性ネガ型樹脂組成物質を形成する工程、3値以上の階調パターン形成されたマスクを介して活性エネルギー線を放射する工程、エッチング操作を行うことなく後加熱する工程により得られる表面凹凸の断面形状が、非線対称である表面凹凸形成方法。
【選択図】 図1
【解決手段】 少なくとも一種類以上の重合可能なモノマー又はオリゴマーを含有する感エネルギー性ネガ型樹脂組成物質を形成する工程、3値以上の階調パターン形成されたマスクを介して活性エネルギー線を放射する工程、エッチング操作を行うことなく後加熱する工程により得られる表面凹凸の断面形状が、非線対称である表面凹凸形成方法。
【選択図】 図1
Description
本発明は、感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層を使用する表面凹凸形成方法、それを用いた液晶分子配向機能膜、拡散反射板、光学フィルムに関する。
樹脂表面に凹凸形状を形成する場合、従来の技術では、パターン形成されたマスクを介して感光性樹脂層に紫外線を照射し、樹脂層の露光部分又は未露光部分を現像液で除去する方法が用いられてきた。
しかし、従来の方法では所望の凹凸形状を得るために、感光性樹脂の膜厚、感光性樹脂の受光感度、マスクの開口比、露光量、現像液濃度、現像液温度あるいは現像時間の調整が必要であるため、製造プロセス上の変動因子が多く、同一の条件で同一の凹凸形状を得ることは困難であり、比較的高価でもある。
一方本発明者らは、上記課題を解決するため、現像液で除去することなく凹凸形状を形成する方法を開発し、製造プロセスの簡略化を具現化した。しかし、この方法でも、表面凹凸の断面形状の凸部が左右に線対称となるため、拡散反射板としての用途が限定された。また、本発明者らは液晶分子配向機能膜として用いた場合、プレチルト角の制御やディスクリネーション欠陥の抑制について、より改善することを検討していた。
本発明は、簡便にかつ安価に表面凹凸の断面形状が、非線対称である凹凸形状を形成できる方法及びそれを用いた液晶分子配向機能膜、拡散反射板、光学フィルムを提供するものである。
本発明は、簡便にかつ安価に表面凹凸の断面形状が、非線対称である凹凸形状を形成できる方法及びそれを用いた液晶分子配向機能膜、拡散反射板、光学フィルムを提供するものである。
本発明は、[1]少なくとも一種類以上の重合可能なモノマー又はオリゴマーを含有する感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層を形成する工程、3値以上の階調パターン形成されたマスクを介して活性エネルギー線を照射する工程、エッチング操作を行うことなく後加熱する工程により得られる表面凹凸の断面形状が、非線対称である表面凹凸形成方法であり、
[2]少なくとも一種類以上の重合可能なモノマー又はオリゴマーを含有する感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層を形成する工程、活性エネルギー線を少なくとも二回以上、照射し、感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層に活性エネルギー線の曝露量の3階調以上の潜像(以下階調潜像と記載)を形成する工程、エッチング操作を行うことなく後加熱する工程により得られる表面凹凸の断面形状が、非線対称である表面凹凸形成方法であり、
[3]感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層が、(a)バインダ樹脂、(b)エチレン性不飽和基を少なくとも一つ以上有する一種類以上の重合可能なモノマー又はオリゴマー、(c)活性エネルギー線の照射により遊離ラジカルを生成する重合開始剤を含む上記[1]または上記[2]に記載の表面凹凸形成方法であり、
[4]階調パターンが、活性エネルギー線遮断部、活性エネルギー線半透過部、活性エネルギー線透過部、活性エネルギー線遮断部が順次並んでなる規則的あるいは不規則的な繰り返しパターンを有し、活性エネルギー線透過部と活性エネルギー線透過部との距離が、3〜100μmである上記[1]または上記[3]のいずれかに記載の表面凹凸形成方法であり、
[5]階調潜像が、活性エネルギー線遮光部、活性エネルギー線半曝露部、活性エネルギー線曝露部、活性エネルギー線遮光部が順次並んでなる規則的あるいは不規則的な繰り返しパターンを有し、活性エネルギー線曝露部と活性エネルギー線曝露部、又は、活性エネルギー線半曝露部と活性エネルギー線半曝露部との距離が、3〜100μmである上記[2]または上記[3]のいずれかに記載の表面凹凸形成方法であり、
[6]後加熱が、50〜250℃の加熱である上記[1]〜[5]に記載の凹凸形成方法であり、
[7]活性エネルギー線が紫外光線である上記[1]または上記[2]のいずれかに記載の凹凸形成方法であり、
[8]上記[1]〜[7]のいずれかに記載の凹凸形成方法を用いて形成された光学フィルムであり、
[9]上記[8]に記載の光学フィルムに反射膜を設けた拡散反射板であり、
[10]上記[1]〜[7]のいずれかに記載の凹凸形成方法を用いて形成された液晶分子配向機能膜である。
[2]少なくとも一種類以上の重合可能なモノマー又はオリゴマーを含有する感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層を形成する工程、活性エネルギー線を少なくとも二回以上、照射し、感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層に活性エネルギー線の曝露量の3階調以上の潜像(以下階調潜像と記載)を形成する工程、エッチング操作を行うことなく後加熱する工程により得られる表面凹凸の断面形状が、非線対称である表面凹凸形成方法であり、
[3]感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層が、(a)バインダ樹脂、(b)エチレン性不飽和基を少なくとも一つ以上有する一種類以上の重合可能なモノマー又はオリゴマー、(c)活性エネルギー線の照射により遊離ラジカルを生成する重合開始剤を含む上記[1]または上記[2]に記載の表面凹凸形成方法であり、
[4]階調パターンが、活性エネルギー線遮断部、活性エネルギー線半透過部、活性エネルギー線透過部、活性エネルギー線遮断部が順次並んでなる規則的あるいは不規則的な繰り返しパターンを有し、活性エネルギー線透過部と活性エネルギー線透過部との距離が、3〜100μmである上記[1]または上記[3]のいずれかに記載の表面凹凸形成方法であり、
[5]階調潜像が、活性エネルギー線遮光部、活性エネルギー線半曝露部、活性エネルギー線曝露部、活性エネルギー線遮光部が順次並んでなる規則的あるいは不規則的な繰り返しパターンを有し、活性エネルギー線曝露部と活性エネルギー線曝露部、又は、活性エネルギー線半曝露部と活性エネルギー線半曝露部との距離が、3〜100μmである上記[2]または上記[3]のいずれかに記載の表面凹凸形成方法であり、
[6]後加熱が、50〜250℃の加熱である上記[1]〜[5]に記載の凹凸形成方法であり、
[7]活性エネルギー線が紫外光線である上記[1]または上記[2]のいずれかに記載の凹凸形成方法であり、
[8]上記[1]〜[7]のいずれかに記載の凹凸形成方法を用いて形成された光学フィルムであり、
[9]上記[8]に記載の光学フィルムに反射膜を設けた拡散反射板であり、
[10]上記[1]〜[7]のいずれかに記載の凹凸形成方法を用いて形成された液晶分子配向機能膜である。
本発明により、簡便にかつ安価に表面凹凸の断面形状が、非線対称である凹凸形状を形成できる方法及びそれを用いた液晶分子配向機能膜、拡散反射板、光学フィルムを提供することができる。
本発明における(a)バインダ樹脂としては、ビニル共重合体が好ましく、ビニル共重合体に用いられるビニル単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−プロピル、アクリル酸iso−プロピル、メタクリル酸iso−プロピル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、メタアクリル酸iso−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、アクリル酸ペンチル、メタクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、メタクリル酸ヘプチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、メタクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、メタクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸テトラデシル、メタクリル酸テトラデシル、アクリル酸ヘキサデシル、メタクリル酸ヘキサデシル、アクリル酸オクタデシル、メタクリル酸オクタデシル、アクリル酸エイコシル、メタクリル酸エイコシル、アクリル酸ドコシル、メタクリル酸ドコシル、アクリル酸シクロペンチル、メタクリル酸シクロペンチル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸シクロヘプチル、メタクリル酸シクロヘプチル、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸フェニル、アクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸メトキシエチル、アクリル酸メトキシジエチレングリコール、メタクリル酸メトキシジエチレングリコール、アクリル酸メトキシジプロピレングリコール、メタクリル酸メトキシジプロピレングリコール、アクリル酸メトキシトリエチレングリコール、メタクリル酸メトキシトリエチレングリコール、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、アクリル酸ジメチルアミノプロピル、メタクリル酸ジメチルアミノプロピル、アクリル酸2−クロロエチル、メタクリル酸2−クロロエチル、アクリル酸2−フルオロエチル、メタクリル酸2−フルオロエチル、アクリル酸2−シアノエチル、メタクリル酸2−シアノエチル、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、塩化ビニル、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
また、本発明における、少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する重合可能な化合物(b)としては、光重合性多官能モノマーとして従来より公知のモノマーおよびそのオリゴマーを全て用いることができる。これらのラジカル重合性化合物は、単独で、または2種類以上を組み合わせて使用され、これらのモノマーとオリゴマーを混合して使用してもよい。この他に、ラジカルにより重合する官能基を有する化合物として、マレイミド樹脂、シトラコンイミド樹脂、ナジイミド樹脂などがあり、これらも単独で、あるいは2種類以上を混合して使用することができる。
具体的には、一個の不飽和結合を有する単量体としては、例えば、アクリル酸又はメタクリル酸のエステル系モノマ(アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−プロピル、アクリル酸iso−プロピル、メタクリル酸iso−プロピル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、メタクリル酸iso−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、アクリル酸ペンチル、メタクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、メタクリル酸ヘプチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、メタクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、メタクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸テトラデシル、メタクリル酸テトラデシル、アクリル酸ヘキサデシル、メタクリル酸ヘキサデシル、アクリル酸オクタデシル、メタクリル酸オクタデシル、アクリル酸エイコシル、メタクリル酸エイコシル、アクリル酸ドコシル、メタクリル酸ドコシル、アクリル酸シクロペンチル、メタクリル酸シクロペンチル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸シクロヘプチル、メタクリル酸シクロヘプチル、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸フェニル、アクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸メトキシエチル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジメチルアミノプロピル、メタクリル酸ジメチルアミノプロピル、アクリル酸2−クロロエチル、メタクリル酸2−クロロエチル、アクリル酸2−フルオロエチル、メタクリル酸2−フルオロエチル、アクリル酸2−シアノエチル、メタクリル酸2−シアノエチル、アクリル酸メトキシジエチレングリコール、メタクリル酸メトキシジエチレングリコール、アクリル酸メトキシジプロピレングリコール、メタクリル酸メトキシジプロピレングリコール、アクリル酸メトキシトリエチレングリコール、メタクリル酸メトキシトリエチレングリコール等)、スチレン系モノマ(スチレン、α−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン等)、ポリオレフィン系モノマ(ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等)、ビニル系モノマ(塩化ビニル、酢酸ビニル等)、ニトリル系モノマ(アクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、1−(メタクリロイロキシエトキシカルボニル)−2−(3′−クロロ−2′−ヒドロキシプロポキシカルボニル)ベンゼンなどが挙げられる。
二個の不飽和結合を有する単量体としては、例えば、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ヘキサプロピレングリコールジアクリレート、ヘキサプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、ブチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールAジメタクリレート、2,2−ビス(4−アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジメタクリレート、ウレタンジアクリレート化合物等が挙げられる。
三個の不飽和結合を有する単量体としては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリアクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリメタクリレート等が挙げられる。
四個の不飽和結合を有する単量体としては、例えば、テトラメチロールプロパンテトラアクリレート、テトラメチロールプロパンテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート等が挙げられる。
四個の不飽和結合を有する単量体としては、例えば、テトラメチロールプロパンテトラアクリレート、テトラメチロールプロパンテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート等が挙げられる。
五個の不飽和結合を有する単量体としては、例えば、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート等が挙げられる。
六個の不飽和結合を有する単量体としては、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート等が挙げられる。
これらの不飽和結合を有する単量体は、いずれにしても、光照射によりラジカル重合するものであればよく、また、これらの不飽和結合を有する単量体は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
六個の不飽和結合を有する単量体としては、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート等が挙げられる。
これらの不飽和結合を有する単量体は、いずれにしても、光照射によりラジカル重合するものであればよく、また、これらの不飽和結合を有する単量体は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
本発明における、(c)活性エネルギー線の照射により遊離ラジカルを生成する重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトン(ベンゾフェノン、N,N′−テトラメチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパノン−1、2,4−ジエチルチオキサントン、2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン等)、ベンゾインエーテル(ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等)、ベンゾイン(メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等)、ベンジル誘導体(ベンジルジメチルケタール等)、2−メルカプトベンズイミダゾール、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、(2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等)、アクリジン誘導体(9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等)などが挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。本成分の使用量は、感エネルギー性ネガ型樹脂組成物中の固形分総量の0.01〜25重量%とすることが好ましく、1〜20重量%とすることがより好ましい。
必要に応じプラスチック添加剤として、分子量10000以下の低融点物質を添加してもよい。例えば「プラスチックス配合剤」(遠藤 昭定、須藤 眞編、大成社発行、平成8年11月30日発行)記載の可塑剤や、感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層に加熱による流動性やガラス基材との密着性を与えるシラン化合物等が挙げられる。本成分の使用量は、ネガ型組成物中の固形分総量の1〜70重量%とすることが好ましい。
以上のネガ型樹脂組成物を必要に応じ適当な溶剤に溶解ないし分散させ、混合する。混合物の溶解成分は、透明で均一な溶液となるまで十分に混合し、常法により濾過され、塗液とする。溶剤は、好ましくは50〜250℃の範囲に沸点を有するものである。そのような溶剤の例として、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、トルエン、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ニトロベンゼン等が挙げられる。
感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層の塗布方法としては、ロールコータ塗布、スピンコータ塗布、スプレー塗布、ディップコータ塗布、カーテンフローコータ塗布、ワイヤバーコータ塗布、グラビアコータ塗布、エアナイフコータ塗布等がある。仮支持体上等に上記の方法で感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層を塗布する。塗布した感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層の厚みは、0.1〜1000μmが好ましく、0.1〜100μmがより好ましく、1〜50μmが特に好ましい。塗布する基材としては、ガラス板、クロムやITOなどの無機化合物を成膜したガラス板、シリコン基板、ポリカーボネート系樹脂フィルム、メタアクリル樹脂シート、ポリエチレンテレフタートフィルム、フッ素系樹脂フィルム、PESフィルムなどを用いることができる。
塗布した感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層は、40〜150℃で1〜30分間プリベークする。プリベークした感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層は、以下に示す方法で活性エネルギー線に照射される。
(1)3値以上の階調パターン形成されたマスクを介して活性エネルギー線に照射される。
(2)透過部と遮断部で形成されたマスクを介し、遮光部または曝露部を照射の途中でそれぞれ曝露部または遮光部へ変更することで、半曝露部を設け、曝露量階調潜像を形成しながら活性エネルギー線に照射される。
(3)透過部と遮断部で形成されたマスクを介し、照射の途中で曝露部の位置を変更しながら、かつ、曝露部の位置の変更毎に照射量を変化させることで、実質的に、曝露部の照射量に階調を設け、曝露量の階調潜像を形成しながら活性エネルギー線に照射される。
(4)直接描画法で、活性エネルギー線の照射照度量を変え、曝露量の階調潜像を形成しながら活性エネルギー線に照射される。
(5)直接描画法で、活性エネルギー線の照射回数を変え、曝露量の階調潜像を形成しながら活性エネルギー線に照射される。
(6)2つのレーザー等の活性エネルギー線を干渉させる際、一方の活性エネルギー線を感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層へ斜めに照射される。
(2)透過部と遮断部で形成されたマスクを介し、遮光部または曝露部を照射の途中でそれぞれ曝露部または遮光部へ変更することで、半曝露部を設け、曝露量階調潜像を形成しながら活性エネルギー線に照射される。
(3)透過部と遮断部で形成されたマスクを介し、照射の途中で曝露部の位置を変更しながら、かつ、曝露部の位置の変更毎に照射量を変化させることで、実質的に、曝露部の照射量に階調を設け、曝露量の階調潜像を形成しながら活性エネルギー線に照射される。
(4)直接描画法で、活性エネルギー線の照射照度量を変え、曝露量の階調潜像を形成しながら活性エネルギー線に照射される。
(5)直接描画法で、活性エネルギー線の照射回数を変え、曝露量の階調潜像を形成しながら活性エネルギー線に照射される。
(6)2つのレーザー等の活性エネルギー線を干渉させる際、一方の活性エネルギー線を感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層へ斜めに照射される。
上記の活性エネルギー線の照射の内、マスクの数を減らせる点でマスクを要しない(4)、(5)、(6)が大きく優れ、マスク1枚を要す(1)、(3)が優れる。また、露光回数または描画回数を減らせる点で、(1)、(4)が優れる。マスク設計の容易さの点で、(2)、(3)が優れる。マスクアライメントの容易さの点で、(2)が優れる。一方、広い面積に一括照射しやすい点で、(1)、(2)、(3)が優れる。
上記の活性エネルギー線の照射方法は、例であり、実質的に曝露量の階調潜像を形成すればよく、活性エネルギー線に照射される方法は限定されない。
3値以上の階調パターン形成されたマスクのパターンは、活性エネルギー線遮断部、活性エネルギー線半透過部、活性エネルギー線透過部、活性エネルギー線遮断部が順次並んでなる規則的あるいは不規則的な繰り返しパターンを有し、活性エネルギー線透過部と活性エネルギー線透過部との距離が、3〜100μmが好ましく、5〜70μmがより好ましい。活性エネルギー線半透過部は、透過率を2%〜98%、好ましくは10%〜90%とすることで得られる。また、活性エネルギー線半透過部は、遮断性の物質を極薄くして半遮断半透過とするか、4μm未満の大きさの領域に活性エネルギー線遮断部と活性エネルギー線透過部をディザ法や濃度パターン法や誤差拡散法で配置しても得られる。これらの中でも特にディザ法や濃度パターン法や誤差拡散法による方法が、3値以上の階調パターン形成されたマスクの製造コストを低減できる。パターン形状は、特に限定されないが、例として、円形、楕円形、円輪形、多角形、曲線、直線、あるいは各形の集合形などがある。活性エネルギー線の曝露量階調潜像は、3値以上の階調マスクを介した活性エネルギー線の照射の他、2値マスクを介した照射を複数回行う際、照射位置に応じて照射量を変えるか曝露部の一部を多重照射等して照射積算量を3値以上、感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層に与えることで得られる。直接描画法による照射においても同様である。また、活性エネルギー線量は、従来のエッチング工程を含む表面凹凸形成方法の中で照射する紫外線量に比べて少なくて済み、0.01〜1J/cm2が好ましく、0.01〜0.5J/cm2がより好ましく、0.05〜0.1J/cm2が特に好ましい。
パターン形成されたマスクを介して、あるいは、直接描画法で活性エネルギー線を照射された感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層の膜厚は、活性エネルギー線を照射されていない部分の膜厚に比べ最終的に増加する。活性エネルギー線を少なくとも一回以上照射する工程の後、後加熱として、50〜250℃の加熱を行うことが好ましく、活性エネルギー線を照射された部分と照射されない部分との膜厚差を顕著にする。さらに必要に応じ、感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層の凹凸形状保持が必要な箇所すべてを一括して熱硬化や活性エネルギー線照射して、形状を固定する。
本発明では、上記のネガ型樹脂組成物層を形成する工程、活性エネルギー線を照射する工程、エッチング操作を行うことなく後加熱する工程により表面に凹凸が形成されたものを得ることができる。
本発明では、凹凸形成方法を用いて形成したものを光学フィルムとすることができる。また、この光学フィルムに反射膜を設けて拡散反射板とすることができる。
この反射膜としては、反射したい波長領域によって材料を適切に選択すれば良く、例えば反射型LCD表示装置では、可視光波長領域である300nmから800nmにおいて反射率の高い金属、例えばアルミニウムや金、銀等を真空蒸着法またはスパッタリング法等によって形成する。また反射増加膜(光学概論2、辻内順平、朝倉書店、1976年発行)を上記の方法で積層してもよい。屈折率差を利用して反射させる場合、金属単体だけでなく、ITOや五酸化タンタル、酸化チタン等の膜とシリコンやアルミニウム等の酸化膜や窒化膜、酸窒化膜を真空蒸着法またはスパッタリング法等によって積層形成する。反射膜の厚みは、0.01〜50μmが好ましい。また反射膜は、必要な部分だけフォトリソグラフィー法、マスク蒸着法等によりパターン形成してもよい。
本発明では、凹凸形成方法を用いて形成したものを光学フィルムとすることができる。また、この光学フィルムに反射膜を設けて拡散反射板とすることができる。
この反射膜としては、反射したい波長領域によって材料を適切に選択すれば良く、例えば反射型LCD表示装置では、可視光波長領域である300nmから800nmにおいて反射率の高い金属、例えばアルミニウムや金、銀等を真空蒸着法またはスパッタリング法等によって形成する。また反射増加膜(光学概論2、辻内順平、朝倉書店、1976年発行)を上記の方法で積層してもよい。屈折率差を利用して反射させる場合、金属単体だけでなく、ITOや五酸化タンタル、酸化チタン等の膜とシリコンやアルミニウム等の酸化膜や窒化膜、酸窒化膜を真空蒸着法またはスパッタリング法等によって積層形成する。反射膜の厚みは、0.01〜50μmが好ましい。また反射膜は、必要な部分だけフォトリソグラフィー法、マスク蒸着法等によりパターン形成してもよい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
下記の感エネルギー性ネガ型樹脂組成物の塗液をガラス基板上に毎分1800回転で10秒間スピンコートし、ホットプレート上、90℃で4分間加熱し、膜厚6μmの感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層を得た。この感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層の上に紫外線透過部、紫外線半透過部、紫外線遮断部がそれぞれ直線で順に64μm周期で繰り返し並んだ、パターニングされたマスクを置き、マスク面垂直上方より0.06J/cm2の紫外線を照射した後、230℃で30分間の加熱により硬化したところ、感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層の紫外線照射部から紫外線半照射部を経て紫外線遮光部にいたる断面が、64μm周期の鋸刃状の形状を得た。詳細には、照射部凸、遮光部凹、半照射部がなだらかな傾き、照射部と遮光部の境が急な傾きであり、線対称な断面形状ではなかった。得られた段差は、1.1μmであった。ガラス基板上に得た凹凸形状膜を光学フィルムとして、さらに、スパッタによりAl金属膜0.1μmを成膜し拡散反射板を作製した。図2に拡散反射板サンプルの表面凹凸形状の顕微鏡写真を示す。図3に断面の凹凸段差を示す。図4にマスクの顕微鏡像を示す。
(感エネルギー性ネガ型樹脂組成物の塗液):
表1に示す各化合物を使用した。ポリマーとしてスチレン、メタクリル酸、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート、グリシジルメタクリレート共重合樹脂を用いた(ポリマーA)。分子量は約70000、酸価は約75である。
下記の感エネルギー性ネガ型樹脂組成物の塗液をガラス基板上に毎分1800回転で10秒間スピンコートし、ホットプレート上、90℃で4分間加熱し、膜厚6μmの感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層を得た。この感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層の上に紫外線透過部、紫外線半透過部、紫外線遮断部がそれぞれ直線で順に64μm周期で繰り返し並んだ、パターニングされたマスクを置き、マスク面垂直上方より0.06J/cm2の紫外線を照射した後、230℃で30分間の加熱により硬化したところ、感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層の紫外線照射部から紫外線半照射部を経て紫外線遮光部にいたる断面が、64μm周期の鋸刃状の形状を得た。詳細には、照射部凸、遮光部凹、半照射部がなだらかな傾き、照射部と遮光部の境が急な傾きであり、線対称な断面形状ではなかった。得られた段差は、1.1μmであった。ガラス基板上に得た凹凸形状膜を光学フィルムとして、さらに、スパッタによりAl金属膜0.1μmを成膜し拡散反射板を作製した。図2に拡散反射板サンプルの表面凹凸形状の顕微鏡写真を示す。図3に断面の凹凸段差を示す。図4にマスクの顕微鏡像を示す。
(感エネルギー性ネガ型樹脂組成物の塗液):
表1に示す各化合物を使用した。ポリマーとしてスチレン、メタクリル酸、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート、グリシジルメタクリレート共重合樹脂を用いた(ポリマーA)。分子量は約70000、酸価は約75である。
(実施例2)
紫外線透過部、紫外線半透過部、紫外線遮断部がそれぞれ直線で順に100μm周期で繰り返し並んだ、パターニングされたマスクを用いた点以外、実施例1と同様に光学フィルムを得た。得られた光学フィルムの紫外線照射部から紫外線半照射部を経て紫外線遮光部にいたる断面が、100μm周期の鋸刃状の形状を得た。詳細には、照射部凸、遮光部凹、半照射部がなだらかな傾き、照射部と遮光部の境が急な傾きであり、線対称な断面形状ではなかった。得られた段差は、1.1μmであった。図5に断面の凹凸段差を示す。
紫外線透過部、紫外線半透過部、紫外線遮断部がそれぞれ直線で順に100μm周期で繰り返し並んだ、パターニングされたマスクを用いた点以外、実施例1と同様に光学フィルムを得た。得られた光学フィルムの紫外線照射部から紫外線半照射部を経て紫外線遮光部にいたる断面が、100μm周期の鋸刃状の形状を得た。詳細には、照射部凸、遮光部凹、半照射部がなだらかな傾き、照射部と遮光部の境が急な傾きであり、線対称な断面形状ではなかった。得られた段差は、1.1μmであった。図5に断面の凹凸段差を示す。
(実施例3)
透過光量が同心円状に中心に向かって連続して減少するマスク(米国、CANYON MATERIALS,INC.製)を用いた点以外、実施例1と同様に光学フィルムを得た。より詳細には、マスクは、67階調を備え、直径134μm、OD値0.223〜1.019である。得られた光学フィルムは、レンズの機能を有していた。
透過光量が同心円状に中心に向かって連続して減少するマスク(米国、CANYON MATERIALS,INC.製)を用いた点以外、実施例1と同様に光学フィルムを得た。より詳細には、マスクは、67階調を備え、直径134μm、OD値0.223〜1.019である。得られた光学フィルムは、レンズの機能を有していた。
(実施例4)
実施例1の感エネルギー性ネガ型樹脂組成物の塗液をガラス基板上に毎分1800回転で10秒間スピンコートし、ホットプレート上、90℃で4分間加熱し、膜厚6μmの感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層を得た。この感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層の上に紫外線透過部4μm幅、紫外線遮断部6μm幅がそれぞれ直線で順に10μm周期で繰り返し並んだ、パターニングされたマスクを置き、マスク面垂直上方より0.03J/cm2の紫外線を照射(A)をした。さらに、紫外線透過部7μm幅、紫外線遮断部3μm幅がそれぞれ直線で順に10μm周期で繰り返し並んだ、パターニングされたマスクを図6に示される関係で位置あわせして置き、マスク面垂直上方より0.03J/cm2の紫外線を照射(B)をした。この結果、図7に示される関係の紫外線曝露部潜像を得た。その後、230℃で30分間の加熱により硬化したところ、感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層の断面が、10μm周期の鋸刃状の形状を得た。得られた段差は、0.6μmであった。ガラス基板上に得た凹凸形状膜を液晶分子配向機能膜として、液晶を塗布し、90℃で加熱した後、クロスニコルの偏光板間に挿入し、透過光を観察した結果、ディスクリネーションなく液晶分子が配向していることを確認できた。図8に配向膜サンプルの表面凹凸形状の断面の凹凸段差を示す。
実施例1の感エネルギー性ネガ型樹脂組成物の塗液をガラス基板上に毎分1800回転で10秒間スピンコートし、ホットプレート上、90℃で4分間加熱し、膜厚6μmの感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層を得た。この感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層の上に紫外線透過部4μm幅、紫外線遮断部6μm幅がそれぞれ直線で順に10μm周期で繰り返し並んだ、パターニングされたマスクを置き、マスク面垂直上方より0.03J/cm2の紫外線を照射(A)をした。さらに、紫外線透過部7μm幅、紫外線遮断部3μm幅がそれぞれ直線で順に10μm周期で繰り返し並んだ、パターニングされたマスクを図6に示される関係で位置あわせして置き、マスク面垂直上方より0.03J/cm2の紫外線を照射(B)をした。この結果、図7に示される関係の紫外線曝露部潜像を得た。その後、230℃で30分間の加熱により硬化したところ、感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層の断面が、10μm周期の鋸刃状の形状を得た。得られた段差は、0.6μmであった。ガラス基板上に得た凹凸形状膜を液晶分子配向機能膜として、液晶を塗布し、90℃で加熱した後、クロスニコルの偏光板間に挿入し、透過光を観察した結果、ディスクリネーションなく液晶分子が配向していることを確認できた。図8に配向膜サンプルの表面凹凸形状の断面の凹凸段差を示す。
(比較例1)
実施例1の感エネルギー性ネガ型樹脂組成物の塗液をガラス基板上に毎分1000回転で10秒間スピンコートし、ホットプレート上90℃で4分間加熱し、膜厚6μmの感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層を得た。この感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層の上に紫外線照射部と紫外線遮光部の境界線が不規則的な曲線でパターニングされたマスクを置き、マスク面垂直上方より0.06J/cm2の紫外線を照射した後、室温(25℃)で1時間放置したところ、感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層の表面に表面凹凸段差が観測されなかった。
実施例1の感エネルギー性ネガ型樹脂組成物の塗液をガラス基板上に毎分1000回転で10秒間スピンコートし、ホットプレート上90℃で4分間加熱し、膜厚6μmの感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層を得た。この感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層の上に紫外線照射部と紫外線遮光部の境界線が不規則的な曲線でパターニングされたマスクを置き、マスク面垂直上方より0.06J/cm2の紫外線を照射した後、室温(25℃)で1時間放置したところ、感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層の表面に表面凹凸段差が観測されなかった。
(比較例2)
実施例1の感エネルギー性ネガ型樹脂組成物の塗液をガラス基板上に毎分1000回転で10秒間スピンコートし、ホットプレート上90℃で4分間加熱し、膜厚6μmの感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層を得た。この感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層の上に紫外線照射部と紫外線遮光部の境界線が不規則的な曲線でパターニングされたマスクを置き、マスク面垂直上方より0.2J/cm2の紫外線を照射した後、室温(25℃)で1時間放置したところ、感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層の表面に表面凹凸段差が観測されなかった。
実施例では,反射特性に極めて優れた表面凹凸が形成されるが,後加熱する工程のない比較例では、表面凹凸段差が生じなかった。
実施例1の感エネルギー性ネガ型樹脂組成物の塗液をガラス基板上に毎分1000回転で10秒間スピンコートし、ホットプレート上90℃で4分間加熱し、膜厚6μmの感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層を得た。この感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層の上に紫外線照射部と紫外線遮光部の境界線が不規則的な曲線でパターニングされたマスクを置き、マスク面垂直上方より0.2J/cm2の紫外線を照射した後、室温(25℃)で1時間放置したところ、感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層の表面に表面凹凸段差が観測されなかった。
実施例では,反射特性に極めて優れた表面凹凸が形成されるが,後加熱する工程のない比較例では、表面凹凸段差が生じなかった。
1 感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層
2 基板
3 活性エネルギー線
4 マスク
5 活性エネルギー線遮断部
6 活性エネルギー線半透過部
7 活性エネルギー線透過部
8 曝露量階調潜像を形成した感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層
9 表面凹凸を形成した感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層
41 紫外線透過部
42 紫外線半透過部
43 紫外線遮断部
4(A) 実施例4の照射(A)に用いたマスク
4(B) 実施例4の照射(B)に用いたマスク
5(A) 実施例4の照射(A)に用いたマスクの紫外線遮断部
5(B) 実施例4の照射(B)に用いたマスクの紫外線遮断部
71 紫外線照射部
72 紫外線半照射部
73 紫外線遮光部
2 基板
3 活性エネルギー線
4 マスク
5 活性エネルギー線遮断部
6 活性エネルギー線半透過部
7 活性エネルギー線透過部
8 曝露量階調潜像を形成した感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層
9 表面凹凸を形成した感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層
41 紫外線透過部
42 紫外線半透過部
43 紫外線遮断部
4(A) 実施例4の照射(A)に用いたマスク
4(B) 実施例4の照射(B)に用いたマスク
5(A) 実施例4の照射(A)に用いたマスクの紫外線遮断部
5(B) 実施例4の照射(B)に用いたマスクの紫外線遮断部
71 紫外線照射部
72 紫外線半照射部
73 紫外線遮光部
Claims (10)
- 少なくとも一種類以上の重合可能なモノマー又はオリゴマーを含有する感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層を形成する工程、3値以上の階調パターン形成されたマスクを介して活性エネルギー線を照射する工程、エッチング操作を行うことなく後加熱する工程により得られる表面凹凸の断面形状が、非線対称である表面凹凸形成方法。
- 少なくとも一種類以上の重合可能なモノマー又はオリゴマーを含有する感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層を形成する工程、活性エネルギー線を照射し、感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層に活性エネルギー線の曝露量の3階調以上の潜像を形成する工程、エッチング操作を行うことなく後加熱する工程により得られる表面凹凸の断面形状が、非線対称である表面凹凸形成方法。
- 感エネルギー性ネガ型樹脂組成物層が、(a)バインダ樹脂、(b)エチレン性不飽和基を少なくとも一つ以上有する一種類以上の重合可能なモノマー又はオリゴマー、(c)活性エネルギー線の照射により遊離ラジカルを生成する重合開始剤を含む請求項1または請求項2に記載の表面凹凸形成方法。
- 階調パターンが、活性エネルギー線遮断部、活性エネルギー線半透過部、活性エネルギー線透過部、活性エネルギー線遮断部が順次並んでなる規則的あるいは不規則的な繰り返しパターンを有し、活性エネルギー線透過部と活性エネルギー線透過部との距離が、3〜100μmである請求項1と請求項3のいずれかに記載の表面凹凸形成方法。
- 3階調以上の潜像が、活性エネルギー線遮光部、活性エネルギー線半曝露部、活性エネルギー線曝露部、活性エネルギー線遮光部が順次並んでなる規則的あるいは不規則的な繰り返しパターンを有し、活性エネルギー線曝露部と活性エネルギー線曝露部、又は、活性エネルギー線半曝露部と活性エネルギー線半曝露部との距離が、3〜100μmである請求項2と請求項3のいずれかに記載の表面凹凸形成方法。
- 後加熱が、50〜250℃の加熱である請求項1〜5のいずれかに記載の表面凹凸形成方法。
- 活性エネルギー線が紫外光線である請求項1または請求項2に記載の凹凸形成方法。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の凹凸形成方法を用いて形成された光学フィルム。
- 請求項8に記載の光学フィルムに反射膜を設けた拡散反射板。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の凹凸形成方法を用いて形成された液晶分子配向機能膜。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003414766A JP2005173340A (ja) | 2003-12-12 | 2003-12-12 | 表面凹凸形成方法、それにより得られる光学フィルム及び拡散反射板並びに液晶分子配向機能膜 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003414766A JP2005173340A (ja) | 2003-12-12 | 2003-12-12 | 表面凹凸形成方法、それにより得られる光学フィルム及び拡散反射板並びに液晶分子配向機能膜 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005173340A true JP2005173340A (ja) | 2005-06-30 |
Family
ID=34734473
Family Applications (1)
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JP2003414766A Pending JP2005173340A (ja) | 2003-12-12 | 2003-12-12 | 表面凹凸形成方法、それにより得られる光学フィルム及び拡散反射板並びに液晶分子配向機能膜 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005173340A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007248562A (ja) * | 2006-03-14 | 2007-09-27 | Shincron:Kk | 光学物品およびその製造方法 |
JP2009002983A (ja) * | 2007-06-19 | 2009-01-08 | Mitsubishi Electric Corp | 反射板の製造方法及び液晶表示装置の製造方法並びに反射板及び液晶表示装置 |
KR101625229B1 (ko) * | 2009-06-09 | 2016-05-27 | 스미또모 가가꾸 가부시키가이샤 | 방현 필름의 제조 방법, 방현 필름 및 금형의 제조 방법 |
-
2003
- 2003-12-12 JP JP2003414766A patent/JP2005173340A/ja active Pending
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---|---|---|---|---|
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