JP2007245825A - 車両の操舵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置において、操舵ハンドルと転舵輪とを選択的に接続する断続器の異常を簡単かつ的確に検出する。
【解決手段】 チェック用ECU45は、転舵用電動モータ22が停止している状態で、ステップS11にて電磁クラッチ31を切断状態に制御し、ステップS12にて操舵角θ、操舵トルクTを入力する。ステップS13にて、操舵トルクTが目標トルクTo以下であるか否かを判定し、トルクTがトルクTo以下であればステップS14に進む。そして、異常フラグMBFをクラッチ31に異常の正常を表す”0”に設定する。一方、ステップS13にて、トルクTがトルクToよりも大きければステップS15に進む。そして、フラグMBFをクラッチ31の異常を表す”1”に設定する。ステップS16の処理により、この異常判定は操舵角θが所定の操舵角θo以下であるときに実行される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置に関する。
従来から、操舵ハンドルと転舵輪とを機械的に分離し、操舵ハンドルの操舵操作に応じて転舵輪側に設けた電気アクチュエータを作動制御して転舵輪を転舵すると同時に、操舵ハンドルの操舵操作に応じて操舵ハンドル側に設けた電気アクチュエータを作動制御して操舵反力を付与するようにしたステアリングバイワイヤ方式を採用した車両の操舵装置はよく知られている。そして、この種の操舵装置においては、例えば、下記特許文献1に示されているように、転舵用の電気アクチュエータの異常時にも操舵ハンドルの操舵操作に応じた転舵輪の転舵を確保するために、操舵ハンドル側に接続された入力部材と転舵輪側に接続された出力部材との間に電磁クラッチを配置して、通常は電磁クラッチを切断状態に設定して入力部材と出力部材とを切り離し、転舵用の電気アクチュエータの異常時には電磁クラッチを接続状態に設定して入力部材と出力部材とを連結するようにしている。また、下記特許文献1には、入力部材と出力部材との間に中間部材を設け、入力部材と中間部材との間に第1電磁クラッチを設けるとともに、中間部材と出力部材の間に第2電磁クラッチを設けるようにすることも記載されている。
特開2001−301639号公報
上記特許文献1には、電気アクチュエータの異常の検出に関しては言及されているが、電磁クラッチの異常に対しては言及されていない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、操舵ハンドル側の入力部材と転舵輪側の出力部材とを選択的に切断および接続する断続器の異常を簡単かつ的確に検出することができるようにしたステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、操舵ハンドルに接続されて同操舵ハンドルと連動して変位する入力部材と、転舵輪に接続されて同転舵輪と連動して変位する出力部材と、前記入力部材に接続されて同入力部材の変位を制御する第1電気アクチュエータと、前記出力部材に接続されて同出力部材の変位を制御する第2電気アクチュエータと、前記入力部材と前記出力部材との間に介装されて、切断状態にて前記入力部材と前記出力部材とを動力伝達不能に切り離し、接続状態にて前記入力部材と前記出力部材とを動力伝達可能に連結する断続器とを備えたステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置において、運転者による前記操舵ハンドルの操作に伴って前記入力部材に入力される操作量であって、前記入力部材と前記出力部材との相対的な変位の関係に応じて変化する所定の操作量に基づいて、前記断続器の異常を検出する異常検出手段を設けたことにある。
この場合、前記異常検出手段は、例えば、運転者によって前記操舵ハンドルを介して前記入力部材に入力される操作量であって、前記入力部材と前記出力部材との相対的な変位の関係に応じて変化する前記操舵ハンドルを操作するための操作力に基づいて、前記断続器の異常を検出するとよい。そして、この場合、前記異常検出手段を、例えば、運転者による前記操舵ハンドルの操作に応じて変位する前記入力部材の変位量を検出する変位量検出手段と、運転者によって前記操舵ハンドルを介して前記入力部材に入力された操作力を検出する操作力検出手段と、前記変位量検出手段によって検出された変位量が予め設定された所定の変位量以下であるか否かを判定する変位量判定手段と、前記変位量判定手段によって前記入力された変位量が前記所定の変位量以下であるときに、前記出力部材に接続された第2電気アクチュエータの作動を停止する停止制御手段と、前記停止制御手段によって前記第2電気アクチュエータの作動が停止されている状態で、前記操作力検出手段によって検出された操作力が、前記入力部材と前記出力部材との相対的な変位の関係に応じて、予め設定された目標操作力よりも大きいか否かを判定する操作力判定手段と、前記操作力判定手段による判定結果に基づいて、前記断続器の異常を判定する異常判定手段とで構成するとよい。
このように構成した本発明の特徴によれば、断続器が切断状態にあれば、運転者による操舵ハンドルの操作と第1電気アクチュエータの作動により入力部材が変位し、第2電気アクチュエータの作動により出力部材は変位する。すなわち、断続器が切断状態にあれば、入力部材と出力部材とはそれぞれ独立して変位する。一方、断続器が接続状態にあれば、入力部材と出力部材とは一体的に変位する。この状態において、運転者が操舵ハンドルを操作するときには入力部材と出力部材とを一体的に変位させる必要があり、運転者が入力する操作量(例えば、操舵ハンドルを操作するための操作力)は、断続器が切断状態にあるときの操作量(操作力)と異なる。したがって、断続器の切断状態または接続状態に対する入力部材と出力部材との相対的な変位の関係より変化する操作量に基づいて、断続器が切替制御に無関係に切断状態を維持し続ける誤切断状態、および接続状態を維持し続ける誤接続状態すなわち断続器に発生した異常を簡単に検出できるようになる。
また、上記のように、異常検出手段を、変位量検出手段、操作力検出手段、変位量判定手段、停止制御手段、操作力判定手段および異常判定手段で構成した場合において、第2電気アクチュエータの作動を停止した状態における操作力を判定することによって、より的確にかつ簡単に断続器に発生した異常を検出することができる。また、この異常判定は、入力部材(操舵ハンドル)の変位量が所定の変位量以下であるときに行われる。このため、異常判定中においても、操舵ハンドルを操作することができるため、運転者に違和感を与えることがなく、断続器の異常を判定することができる。また、この異常判定は、通常、イグニッションスイッチの投入直後で、運転者が最初に操舵ハンドルを操作するときに行われる。
また、本発明の他の特徴は、操舵ハンドルに接続されて同操舵ハンドルと連動して変位する入力部材と、転舵輪に接続されて同転舵輪と連動して変位する出力部材と、前記入力部材に接続されて同入力部材の変位を制御する第1電気アクチュエータと、前記出力部材に接続されて同出力部材の変位を制御する第2電気アクチュエータと、前記入力部材と前記出力部材との間に介装されて、切断状態にて前記入力部材と前記出力部材とを動力伝達不能に切り離し、接続状態にて前記入力部材と前記出力部材とを動力伝達可能に連結する断続器とを備えたステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置において、前記第2電気アクチュエータの作動に伴う動力が前記出力部材を介して前記入力部材に伝達された状態を表す状態量に基づいて、前記断続器の異常を検出する異常検出手段を設けたことにもある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、断続器が切断状態にあれば、第2電気アクチュエータの作動に伴う動力が出力部材から入力部材へ伝達されない。このため、入力部材は運転者による操舵ハンドルの操作および第1電気アクチュエータの作動によって変位に関連する独立した状態量(例えば、変位量、変位速度、変位加速度、外力など)を有し、出力部材や同出力部材に接続された転舵輪は第2電気アクチュエータの作動によって変位に関する独立した状態量(例えば、転舵量、転舵速度、転舵加速度など)を有する。一方、断続器が接続状態にあれば、第2電気アクチュエータの作動に伴う動力が出力部材から入力部材へ伝達される。このため、入力部材と出力部材とは、第2電気アクチュエータの作動を反映した変位に関連する共通の状態量を有する。したがって、断続器の切断状態または接続状態に対する入力部材と出力部材の変位に関する状態量により、断続器が切替制御に無関係に誤切断状態を維持する異常、および誤接続状態を維持する異常を簡単に検出できるようになる。また、この異常判定は、通常、車両の走行時に行われる。したがって、常に、断続器に発生した異常を検出することができる。
この場合、前記異常検出手段を、例えば、前記入力部材の変位量を検出する変位量検出手段と、前記変位量検出手段によって検出した変位量を用いて、同変位量を時間微分することによって表される前記入力部材の変位速度および同変位速度を時間微分することによって表される前記入力部材の変位加速度のうちの少なくとも一方を前記状態量として計算する演算手段と、前記演算手段によって計算した変位速度および変位加速度のうちの少なくとも一方が予め設定された所定値以上であるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果に基づいて、前記断続器の異常を判定する異常判定手段とで構成するとよい。これによれば、入力部材の変位速度および変位加速度のうちの少なくとも一方と、所定値(例えば、所定の変位速度や所定の変位加速度)とを比較することにより、断続器の異常を簡単にかつ早急に判定することができる。
また、前記異常検出手段を、例えば、前記入力部材に入力された外力を前記状態量として検出する外力検出手段と、前記外力検出手段によって検出した外力が急激に減少して変化したか否かを判定する外力変化判定手段と、前記外力変化判定手段による判定結果に基づいて、前記断続器の異常を判定する異常判定手段とで構成するとよい。また、前記異常検出手段を、前記入力部材の変位量を検出する変位量検出手段と、運転者によって前記操舵ハンドルを介して前記入力部材に入力された操作力を前記状態量として検出する操作力検出手段と、前記入力部材の変位方向と前記検出した操作力の入力方向とが異なるか否かを判定する入力方向判定手段と、前記入力方向判定手段による判定結果に基づいて、前記断続器の異常を判定する異常判定手段とで構成するとよい。
これらによれば、入力部材に入力される外力(例えば、運転者によって入力される操作力や第2電気アクチュエータの作動によって入力される動力の合力など)の急減や、運転者によって入力される操作力の入力方向の変化に基づいて、断続器の異常を判定することができる。すなわち、運転者が操舵ハンドルを介して入力部材に操作力を入力している状態で、断続器が誤接続状態となった場合には、第2電気アクチュエータによる動力が入力される。このとき、入力部材に入力される外力は、前記動力の入力によって急激に減少(所謂、トルク抜け)したり、運転者が外力の減少に応じて操作力の入力方向を変更したりする。このため、入力部材に入力される外力や操作力の入力方向の変化に基づくことによって、断続器の異常を簡単に判定することができ、同異常判定に要する時間を大幅に低減することができる。
また、前記異常検出手段を、例えば、前記入力部材の変位量を前記状態量として検出する変位量検出手段と、前記転舵輪の転舵量を前記状態量として検出する転舵量検出手段と、前記変位量検出手段によって検出した前記入力部材の変位量と前記転舵量検出手段によって検出した前記転舵輪の転舵量とに基づいて、前記断続器の異常を判定する異常判定手段とで構成するとよい。また、前記異常検出手段を、前記入力部材の変位量を検出する変位量検出手段と、前記変位量検出手段によって検出した前記入力部材の変位量を用いて、同変位量を時間微分することによって表される前記入力部材の変位速度を前記状態量として計算する変位速度演算手段と、前記転舵輪の転舵量を検出する転舵量検出手段と、前記転舵量検出手段によって検出した前記転舵輪の転舵量を用いて、同転舵量を時間微分することによって表される前記転舵輪の転舵速度を前記状態量として計算する転舵速度演算手段と、前記変位速度演算手段によって計算した前記入力部材の変位速度と前記転舵速度演算手段によって計算した前記転舵輪の転舵速度とに基づいて、前記断続器の異常を判定する異常判定手段とで構成するとよい。また、前記異常検出手段を、前記入力部材の変位量を検出する変位量検出手段と、前記変位量検出手段によって検出した前記入力部材の変位量を用いて、同変位量を2回時間微分することによって表される前記入力部材の変位加速度を前記状態量として計算する変位加速度演算手段と、前記転舵輪の転舵量を検出する転舵量検出手段と、前記転舵量検出手段によって検出した前記転舵輪の転舵量を用いて、同転舵量を2回時間微分することによって表される前記転舵輪の転舵加速度を前記状態量として計算する転舵加速度演算手段と、前記変位加速度演算手段によって計算した前記入力部材の変位加速度と前記転舵加速度演算手段によって計算した前記転舵輪の転舵加速度とに基づいて、前記断続器の異常を判定する異常判定手段とで構成するとよい。
これらによれば、入力部材の変位量、変位速度および変位加速度と、転舵輪の転舵量、転舵速度および転舵加速度とをそれぞれ比較することによって、断続器の異常を判定することができる。すなわち、上述したように、断続器が切断状態にあるときには、入力部材と出力部材に接続された転舵輪とはそれぞれ独立して変位することができる。このため、入力部材の変位量、変位速度および変位加速度と、転舵輪の転舵量、転舵速度および転舵加速度もそれぞれ独立の値を有する。一方、断続器が接続状態にあるときには、入力部材と出力部材に接続された転舵輪とは機械的に連結されるため、入力部材の変位量、変位速度および変位加速度と、転舵輪の転舵量、転舵速度および転舵加速度とは独立した値を有しない。したがって、入力部材の変位量、変位速度および変位加速度と、転舵輪の転舵量、転舵速度および転舵加速度とをそれぞれ比較すれば、断続器の異常を簡単に判定することができるとともに、判定に要する時間を短縮することができる。
さらに、前記異常検出手段を、例えば、前記入力部材の変位量を検出する変位量検出手段と、同変位量検出手段によって検出した変位量を用いて、前記転舵輪の目標転舵量を計算する目標転舵量計算手段と、前記転舵輪の実転舵量を検出する転舵量検出手段と、前記目標転舵量計算手段によって計算した目標転舵量と前記転舵量検出手段によって検出した実転舵量との差分量を前記状態量として計算する差分量演算手段と、前記差分量演算手段によって計算した差分量に基づいて、前記断続器の異常を判定する異常判定手段とで構成するとよい。これによれば、転舵輪の目標転舵量と実転舵量との差分量に基づいて、断続器の異常を判定することができる。すなわち、ステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置においては、運転者が操舵ハンドルを持ち替えることなく車両を旋回させることができるように、入力部材の変位量に対して、目標転舵量を例えば非線形的に大きく計算することができる。このため、断続器が誤接続状態にあるときには、入力部材と出力部材に接続された転舵輪とが機械的に連結されるため、計算された目標転舵量と実転舵量との間の差分量が大きくなる。したがって、目標転舵量と実転舵量との差分量に基づけば、断続器の異常を簡単に判定することができ、異常判定に要する時間を短縮することができる。
さらに、本発明の他の特徴は、前記異常検出手段によって前記断続器に接続状態を維持する異常が検出されると、前記第2電気アクチュエータの作動を停止制御するとともに、運転者による前記操舵ハンドルの操作を補助するために前記第1電気アクチュエータを作動制御するアクチュエータ作動制御手段を備えたことにもある。
これによれば、断続器が誤接続状態を維持しているときには、第2電気アクチュエータの作動が停止されるとともに、第1電気アクチュエータを運転者による操舵ハンドルの操作を補助するように制御することができる。これにより、第2電気アクチュエータの作動に伴う動力が入力部材を介して操舵ハンドルに伝達される現象、所謂、セルフステアの発生を抑制することができる。また、第1電気アクチュエータの補助作動により、第2電気アクチュエータの作動が停止している状況であっても、運転者は、操舵ハンドルを軽快に操作でき、転舵輪を容易に転舵させることができる。
a.第1実施形態
以下、本発明の第1実施形態に係る車両の操舵装置ついて図面を用いて説明する。図1は、本第1実施形態に係る車両の操舵装置を概略的に示した全体概略図である。
この車両の操舵装置は、運転者によって操舵操作される操舵操作装置10と、転舵輪としての左右前輪FW1,FW2を運転者の操舵操作に応じて転舵する転舵装置20とを機械的に分離したステアリングバイワイヤ方式を採用している。操舵操作装置10は、運転者によって回動操作される操作部としての操舵ハンドル11を備えている。操舵ハンドル11は、操舵入力軸12の上端に固定され、操舵入力軸12の下端には操舵反力用電動モータ(電気アクチュエータ)13が組み付けられている。操舵反力用電動モータ13は、減速機構14を介して操舵入力軸12を軸線周りに回転駆動する。
転舵装置20は、車両の左右方向に延びて配置されたラックバー21を備えている。このラックバー21の両端部には、図示省略したタイロッドおよびナックルアームを介して、左右前輪FW1,FW2が転舵可能に接続されている。左右前輪FW1,FW2は、ラックバー21の軸線方向の変位により左右に転舵される。ラックバー21の外周上には、図示しないハウジングに組み付けられた転舵用電動モータ(電気アクチュエータ)22が設けられている。転舵用電動モータ22の回転は、ねじ送り機構23により減速されるとともにラックバー21の軸線方向の変位に変換される。また、転舵装置20は、軸線周りに回転可能な転舵出力軸24も有している。転舵出力軸24の下端にはピニオンギア25が固定されており、同ピニオンギア25はラックバー21に設けたラック歯21aに噛み合っていて、転舵出力軸24の軸線周りの回転によりラックバー21が軸線方向に変位する。
また、操舵操作装置10の操舵入力軸12と転舵装置20の転舵出力軸24との間には、断続器としての電磁クラッチ31が配置されている。電磁クラッチ31は、通電状態にて切断状態に設定されて、操舵入力軸12と転舵出力軸24との間の動力の伝達を禁止する。また、電磁クラッチ31は、非通電状態にて接続状態に設定されて、操舵入力軸12と転舵出力軸24との間で動力の伝達を許可する。
次に、操舵反力用電動モータ13、転舵用電動モータ22および電磁クラッチ31の作動を制御する電気制御装置40について説明する。電気制御装置40は、操舵角センサ41、操舵トルクセンサ42、転舵角センサ43および車速センサ44を備えている。
操舵角センサ41は、操舵入力軸12に組み付けられていて、操舵入力軸12すなわち操舵ハンドル11の中立位置からの回転角を検出して操舵角θ(変位量)として出力する。操舵トルクセンサ42も、操舵入力軸12に組み付けられていて、運転者によって操舵ハンドル11に入力されたトルクを検出して操舵トルクT(操作力)として出力する。転舵角センサ43は、ラックバー21に組み付けられていて、ラックバー21の軸線方向の変位量を検出して左右前輪FW1,FW2の実転舵角δ(実転舵量)として出力する。車速センサ44は、車速Vを検出して出力する。
なお、上述した中立位置とは、車両を直進状態に維持するための操舵ハンドル11、操舵入力軸12、転舵出力軸24および左右前輪FW1,FW2の位置をいう。そして、操舵角θおよび実転舵角δは、中立位置にて「0」として出力され、右方向の回転角を正の値で表すとともに左方向の回転角を負の値で表す。また、操舵トルクTは、右方向に付与されるトルクを正の値で表すとともに左方向に付与されるトルクを負の値で表す。
また、電気制御装置40は、互いに接続されたチェック用電子制御ユニット(以下、チェック用ECUという)45、操舵反力用電子制御ユニット(以下、操舵反力用ECUという)46、および転舵用電子制御ユニット(以下、転舵用ECUという)47を備えている。チェック用ECU45には、操舵角センサ41および操舵トルクセンサ42が接続されている。操舵反力用ECU46には、操舵角センサ41、操舵トルクセンサ42および車速センサ44が接続されている。転舵用ECU47には、操舵角センサ41、転舵角センサ43および車速センサ44が接続されている。
これらのECU45〜47は、それぞれ、CPU、ROM、RAMなどからなるマイクロコンピュータを主要構成部品とする。チェック用ECU45は、駆動回路51を介して、電磁クラッチ31の切断状態または接続状態を切替制御するとともに、図2のチェックプログラムを実行することによって電磁クラッチ31の異常を検出する。操舵反力用ECU46は、図4の操舵反力制御プログラムを実行して、駆動回路52を介して操舵反力用電動モータ13を駆動制御する。転舵用ECU47は、図5の転舵制御プログラムを実行して、駆動回路53を介して転舵用電動モータ22を駆動制御する。
次に、上記のように構成した第1実施形態の動作について説明する。運転者によってイグニッションスイッチが投入されると、チェック用ECU45は、同イグニッションスイッチの投入後においてチェックプログラムを1回だけ実行する。より具体的には、チェックプログラムは、イグニッションスイッチの投入後、最初の運転者による操舵ハンドル11の回動操作中に1回だけ実行される。また、イグニッションスイッチの投入により、操舵反力用ECU46および転舵用ECU47は、操舵反力制御プログラムおよび転舵制御プログラムを所定の短時間ごとに繰り返し実行し始める。
チェックプログラムの実行は、図示しない初期化処理の実行後、図2のステップS10にて開始され、チェック用ECU45は、ステップS11にて、駆動回路51との協働により電磁クラッチ31に通電して、電磁クラッチ31を切断状態に制御する。なお、このチェックプログラムの実行に際して、転舵用ECU47は、後述するように、異常フラグMBFを取得するまで転舵用電動モータ22の作動を制御しないため、転舵用電動モータ22は停止状態を維持している。
前記ステップS11の処理後、チェック用ECU45は、ステップS12にて、操舵角センサ41および操舵トルクセンサ42によってそれぞれ検出された操舵角θおよび操舵トルクTを入力し、ステップS13に進む。ステップS13においては、チェック用ECU45は、入力した操舵トルクTの大きさに基づいて電磁クラッチ31が正常に切断状態であるか否かを判定する。以下、この判定について具体的に説明する。
まず、電磁クラッチ31が正常に作動している場合について説明する。この場合、電磁クラッチ31はステップS11の切断制御処理に従い切断状態にあるため、転舵用電動モータ22が停止状態であっても、運転者は操舵ハンドル11を容易に回動操作することができる。すなわち、この状態において、操舵ハンドル11が回動されると、例えば、図示を省略するバネ機構による弾性力や摩擦力、慣性力あるいは粘性力などに起因する適度なトルクが発生し、運転者はこのトルクを反力として知覚する。このため、運転者は、この知覚した反力に略等しい操舵トルクTを入力して、操舵ハンドル11を回動操作する。
したがって、電磁クラッチ31が正常に切断状態にあるときには、図3にて実線で示すような変化特性を有するトルク(以下、このトルクを目標トルクToという)が操舵トルクTとして操舵トルクセンサ42によって検出される。これにより、チェック用ECU45は、操舵トルクセンサ42によって検出された操舵トルクTが目標トルクTo以下であれば、電磁クラッチ31が正常に作動しているため、ステップS13にて「Yes」と判定してステップS14に進む。ステップS14においては、チェック用ECU45は、電磁クラッチ31の正常および異常状態を表す異常フラグMBFを、電磁クラッチ31の正常を表す値”0”に設定する。
一方、電磁クラッチ31の作動に異常が発生している場合、具体的には、前記ステップS11における切断制御処理にもかかわらず電磁クラッチ31が接続状態を維持している場合には、操舵トルクセンサ42によって検出される操舵トルクTが目標トルクToよりも大きくなる。すなわち、前記切断制御に反して、電磁クラッチ31が接続状態を維持しているときには、操舵入力軸12と転舵出力軸24とが機械的に連結された状態となる。なお、以下の説明においては、電磁クラッチ31が切断制御に反して接続状態を維持している場合を誤接続状態という。
ところで、転舵用電動モータ22は停止状態であるため、転舵出力軸24は操舵入力軸12から伝達された動力、言い換えれば、運転者が操舵ハンドル11を介して入力した操舵トルクTによって回動する。これにより、運転者が操舵ハンドル11を介して入力する操舵トルクTは、例えば、操舵入力軸12の捩り剛性などに起因するトルクが付加されて、図3にて破線で示すように大きくなる。したがって、チェック用ECU45は、操舵トルクセンサ42によって検出された操舵トルクTが目標トルクToに比して大きければ、電磁クラッチ31の作動に異常が発生しているため、ステップS13にて「No」と判定してステップS15に進む。ステップS15においては、チェック用ECU45は、異常フラグMBFを、電磁クラッチ31の異常を表す値”1”に設定する。
前記ステップS14または前記ステップS15の処理後、チェック用ECU45は、ステップS16にて、操舵角センサ41によって検出された操舵角θが予め設定された所定の小さな操舵角θo以下であるか否かを判定する。上述したように、このチェックプログラムは、イグニッションスイッチが投入された後、運転者による操舵ハンドル11の最初の回動操作中に実行されるものである。そして、このチェックプログラムは、転舵用電動モータ22が停止状態にあるときに実行されるものである。言い換えれば、このチェックプログラムが実行されている間は、運転者が操舵ハンドル11を回動操作しても、転舵用電動モータ22によって左右前輪FW1,FW2が転舵されない。したがって、電磁クラッチ31の作動をチェックするために必要な操舵ハンドル11の回動操作量(すなわち、操舵角θ)を小さくして、運転者が覚える違和感を抑制する必要がある。
このため、チェック用ECU45は、運転者による操舵ハンドル11の回動操作量すなわち操舵角θが、違和感を覚えない程度に設定された小さな操舵角θo以下であれば、「Yes」と判定して、上述したステップS11からステップS15までの各処理を繰り返し実行する。一方、操舵角θが操舵角θoよりも大きければ、「No」と判定して、ステップS17に進む。ステップS17においては、チェック用ECU45は、前記ステップS14またはステップS15にて設定した異常フラグMBFを操舵反力用ECU46および転舵用ECU47に対して出力して、ステップS18に進む。そして、チェック用ECU45は、ステップS18にてチェックプログラムの実行を終了する。
また、操舵反力用ECU46は、前記イグニッションスイッチの投入後、図4の操舵反力制御プログラムを所定の短時間ごとに繰り返し実行している。この操舵反力制御プログラムの実行は、ステップS30にて開始され、操舵反力用ECU46は、ステップS31にて異常フラグMBFをチェック用ECU45から取得済みか否かを判定する。イグニッションスイッチの投入後、異常フラグMBFが未だ取得できていなければ、操舵反力用ECU46は、ステップS31にて「No」と判定して、ステップS36にて操舵反力制御プログラムの実行を一旦終了する。この状態では、操舵反力用ECU46は実質的な処理を実行せず、チェック用ECU45による異常フラグMBFの出力を待つ。
一方、チェック用ECU45から異常フラグMBFを取得すると、操舵反力用ECU46はステップS31にて「Yes」と判定して、ステップS32以降の処理を実行し始める。ステップS32においては、操舵反力用ECU46は、操舵角センサ41から操舵角θ、および車速センサ44から車速Vを入力して、ステップS33に進む。
ステップS33においては、操舵反力用ECU46は、チェック用ECU45から取得した異常フラグMBFの値が、電磁クラッチ31の異常を表す”1”に設定されているか否かを判定する。すなわち、操舵反力用ECU46は、異常フラグMBFの値が”0”に設定されていれば、電磁クラッチ31が正常に作動しているため、「No」と判定する。そして、操舵反力用ECU46は、ステップS34およびステップS35を実行し、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に対して、適切な反力を付与するように操舵反力用電動モータ13を駆動制御(以下、この駆動制御を通常反力制御という)する。以下、この通常反力制御について詳細に説明する。
ステップS34においては、操舵反力用ECU46は、ROM内に設けられている操舵反力テーブルを参照して、操舵角θおよび車速Vに応じて変化する目標操舵反力Th*を計算する。この操舵反力テーブルは、図6に示すように、複数の代表的な車速値ごとに、操舵角θの増加に従って非線形増加する複数の目標操舵反力Th*を記憶している。なお、この操舵反力テーブルを利用するのに代えて、操舵角θおよび車速Vに応じて変化する目標操舵反力Th*を関数により予め定義しておき、同関数を利用して目標操舵反力Th*を計算するようにしてもよい。
次に、操舵反力用ECU46は、ステップS35にて、駆動回路52と協働して前記計算した目標操舵反力Th*に対応した駆動電流を操舵反力用電動モータ13に流して、ステップS36にてこの操舵反力制御プログラムの実行を一旦終了する。これにより、操舵反力用電動モータ13は、操舵入力軸12を目標操舵反力Th*に対応した回転トルクで駆動する。その結果、操舵ハンドル11の回動操作に対して、操舵反力用電動モータ13による目標操舵反力Th*が付与され、運転者は、適度な操舵反力を感じながら、操舵ハンドル11を回動操作できる。
一方、操舵反力用ECU46は、チェック用ECU45から取得した異常フラグMBFの値が”1”に設定されていれば、電磁クラッチ31に異常が発生しているため、前記ステップS33において、「Yes」と判定する。そして、操舵反力用ECU46は、ステップS37およびステップS38を実行し、後述する転舵制御プログラムの実行により転舵用電動モータ22の作動が停止された状態において、運転者による操舵ハンドル11の回動操作を補助するように、操舵反力用電動モータ13を駆動制御(以下、この駆動制御をアシスト制御という)する。以下、このアシスト制御について詳細に説明する。
ステップS37においては、操舵反力用ECU46は、ROM内に設けられているアシスト指令値テーブルを参照して、操舵角θおよび車速Vに応じて変化する目標アシストトルクTa*を計算する。このアシスト指令値テーブルは、図7に示すように、複数の代表的な車速値ごとに、操舵角θの増加に従って非線形増加する複数の目標アシストトルクTa*を記憶している。なお、このアシスト指令値テーブルを利用するのに代えて、操舵角θおよび車速Vに応じて変化する目標アシストトルクTa*を関数により予め定義しておき、同関数を利用して目標アシストトルクTa*を計算するようにしてもよい。
次に、操舵反力用ECU46は、ステップS38にて、駆動回路52と協働して前記計算した目標アシストトルクTa*に対応した駆動電流を操舵反力用電動モータ13に流して、ステップS36にてこの操舵反力制御プログラムの実行を一旦終了する。これにより、操舵反力用電動モータ13は、操舵入力軸12を目標アシストトルクTa*に対応した回転トルクで駆動する。その結果、転舵用電動モータ22の作動が停止された状態では、操舵ハンドル11の回動操作による左右前輪FW1,FW2の転舵が目標アシストトルクTa*によって補助されるため、運転者は、操舵ハンドル11を軽快に回動操作できる。
また、転舵用ECU47は、前記イグニッションスイッチの投入後、図5の転舵制御プログラムを所定の短時間ごとに繰り返し実行している。この転舵制御プログラムの実行はステップS50にて開始され、転舵用ECU47は、ステップS51にて異常フラグMBFをチェック用ECU45から取得済みか否かを判定する。イグニッションスイッチの投入後、異常フラグMBFが未だ取得できていなければ、転舵用ECU47は、ステップS51にて「No」と判定して、ステップS58にて転舵制御プログラムの実行を一旦終了する。この状態では、転舵用ECU47は実質的な処理を実行せず、チェック用ECU45による異常フラグMBFの出力を待つ。
一方、チェック用ECU45から異常フラグMBFを取得すると、転舵用ECU47はステップS51にて「Yes」と判定して、ステップS52以降の各処理を実行し始める。ステップS52においては、転舵用ECU47は、操舵角センサ41から操舵角θ、転舵角センサ43から実転舵角δ、および車速センサ44から車速Vを入力して、ステップS53に進む。
ステップS53においては、転舵用ECU47は、チェック用ECU45から取得した異常フラグMBFの値が、電磁クラッチ31の異常を表す”1”に設定されているか否かを判定する。すなわち、転舵用ECU47は、異常フラグMBFの値が”0”に設定されていれば、電磁クラッチ31が正常に作動しているため、「No」と判定する。そして、転舵用ECU47は、ステップS54からステップS57の各ステップを実行し、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に対して、左右前輪FW1,FW2を適切に転舵するように転舵用電動モータ22を駆動制御(以下、この駆動制御を通常転舵制御という)する。以下、この通常転舵制御について詳細に説明する。
ステップS54においては、転舵用ECU47は、ROM内に記憶されている転舵角テーブルを参照して、操舵角θに応じて変化する目標転舵角δ*を計算する。この転舵角テーブルは、図8に示すように、操舵角θの増加に伴って非線形に増加する目標転舵角δ*を記憶している。この目標転舵角δ*の操舵角θに対する変化率は、操舵角θの絶対値|θ|の小さな範囲内で小さく、操舵角θの絶対値|θ|が大きくなると大きくなるように設定されている。なお、この転舵角テーブルを利用するのに代えて、操舵角θと目標転舵角δ*との関係を示す関数を予め用意しておき、同関数を利用して目標転舵角δ*を計算するようにしてもよい。
次に、転舵用ECU47は、ステップS55にて、ROM内に記憶されている車速係数テーブルを参照して、車速Vに応じて変化する車速係数Kを計算する。この車速係数テーブルは、図9に示すように、車速Vの小さな範囲内で「1」よりも大きく、車速Vの大きな範囲内で「1」よりも小さく、車速Vの増加に従って「1」を挟んで非線形に減少する車速係数Kを記憶している。なお、この車速係数テーブルを利用するのに代えて、車速Vと車速係数Kとの関係を示す関数を予め用意しておき、同関数を利用して車速係数Kを計算するようにしてもよい。
これらの目標転舵角δ*および車速係数Kの決定後、転舵用ECU47は、ステップS56にて、下記式1の演算の実行により、目標転舵角δ*を車速係数Kで補正して最終的な目標転舵角δ*を計算する。
δ*=K・δ* …式1
そして、ステップS57にて、実転舵角δが最終的に目標転舵角δ*に等しくなるように、両転舵角δ*,δの差分δ*−δを用いて駆動回路53を介して転舵用電動モータ22の回転を制御する。これにより、転舵用電動モータ22は回転駆動され、ねじ送り機構23を介してラックバー21を軸線方向に駆動して、左右前輪FW1,FW2を目標転舵角δ*に転舵する。
このような転舵制御により、図8に示すように、左右前輪FW1,FW2は、操舵角θの小さな範囲で同操舵角θの変化に対して小さく転舵され、操舵角θの大きな範囲で同操舵角θの変化に対して大きく転舵される。その結果、操舵ハンドル11の持ち替えなしで左右前輪FW1,FW2は大きな転舵角まで転舵される。また、図9に示すように、左右前輪FW1,FW2は、車速Vが小さいときには操舵角θに対して大きく転舵され、車速Vが大きくなると操舵角θに対して小さく転舵される。前記ステップS57の処理後、転舵用ECU47は、ステップS58にて、転舵制御プログラムの実行を終了する。
一方、転舵用ECU47は、チェック用ECU45から取得した異常フラグMBFの値が”1”に設定されていれば、ステップS53において「Yes」と判定し、ステップS59にて転舵用電動モータ22の作動を停止制御する。このことを、具体的に説明する。
チェック用ECU45から値が”1”に設定された異常フラグMBFが出力された状態においては、電磁クラッチ31は誤接続状態にある。このように、電磁クラッチ31が誤接続状態にあるときに転舵用電動モータ22を駆動させると、同電動モータ22の回転駆動力が、ラックバー21、ピニオンギア25、転舵出力軸24、電磁クラッチ31および操舵入力軸12を介して、操舵ハンドル11に伝達される。
ところで、電磁クラッチ31の作動が正常であるときに実行される通常転舵制御においては、上述したように、例えば、操舵ハンドル11の操舵角θの絶対値|θ|がある程度大きくなると目標転舵角δ*が非線形的に大きく計算され、左右前輪FW1,FW2の実転舵角δが目標転舵角δ*となるように、転舵用電動モータ22が駆動制御される。このため、誤接続状態で転舵用電動モータ22が通常転舵制御された場合には、運転者が操舵ハンドル11を介して入力した操舵角θと計算された目標転舵角δ*との差分だけ、操舵ハンドル11が運転者の意図に反して自動的に回動されて、所謂、セルフステアが発生することになる。
そして、セルフステアが発生した状況においては、操舵ハンドル11が自動的に回動することによって操舵角θが大きくなり、その結果、計算される目標転舵角δ*もより大きくなる。これにより、操舵角θと目標転舵角δ*との差分がより大きくなって操舵ハンドル11がさらに回動しやすくなるため、運転者が意図する旋回態様で車両を旋回させることが難しくなる。このように、セルフステアが発生した状況では、運転者は、自身が意図する旋回態様で車両を旋回させるために、自動的に回動する操舵ハンドル11の回動方向とは逆方向により大きなトルク(逆方向の操舵トルクT)を付与して操舵ハンドル11の自動的な回動を止めて、適正な操舵角θを維持する必要がある。
したがって、転舵用ECU47は、チェック用ECU45から”1”に設定された異常フラグMBFを取得すると、ステップS59にて、転舵用電動モータ22の作動を停止制御し、セルフステアの発生を防止する。ここで、電磁クラッチ31が誤接続状態にあり、転舵用電動モータ22に作動が停止された状況においては、運転者による操舵ハンドル11の回動操作量すなわち操舵角θに対して、実転舵角δが線形的に変化するように左右前輪FW1,FW2が転舵される。言い換えれば、電磁クラッチ31の作動が正常であり、転舵用電動モータ22が通常転舵制御されている場合に比して、運転者は、車両を旋回させるために、より大きな操舵ハンドル11の回動操作量が必要となる。
ところで、このように、電磁クラッチ31の作動に異常が発生している状況においては、上述した操舵反力制御プログラムステップS37およびステップS38で説明したように、操舵反力用ECU46は、操舵反力用電動モータ13をアシスト制御する。したがって、車両を旋回させるために操舵ハンドル11の回動操作量が増大した場合であっても、操舵ハンドル11を軽快に回動操作することができ、運転者の負担を軽減することができる。
このように、転舵用ECU47は、前記ステップS59にて転舵用電動モータ22の作動を停止制御すると、ステップS58にて転舵制御プログラムの実行を終了する。
以上の説明からも理解できるように、この第1実施形態においては、電磁クラッチ31に発生した異常を的確に検出することができる。そして、この異常検出は、運転者による操舵ハンドル11の回動操作中に行うことができる。このため、例えば、チェック用ECU45による電磁クラッチ31の異常検出中において、運転者が操舵ハンドル11を回動操作できないなど、回動操作に対して運転者が覚える違和感を抑制することができる。また、操舵ハンドル11の回動操作中に異常検出を行うことによって、別途、異常検出に要する時間を設ける必要がなく、効率よく電磁クラッチ31の作動状態をチェックすることができる。
また、電磁クラッチ31の作動状態に応じて、操舵反力用電動モータ13および転舵用電動モータ22の作動を切り替えることができる。すなわち、電磁クラッチ31の作動が正常であるときには、操舵反力用電動モータ13は、操舵反力用ECU46によって、運転者の操舵ハンドル11の回動操作に対して所定の反力を付与するように、通常反力制御される。また、転舵用電動モータ22は、転舵用ECU47によって、左右前輪FW1,FW2が運転者によって入力された操舵角θに対して非線形的に変化する目標転舵角δ*となるように、通常転舵制御される。これにより、運転者は操舵ハンドル11を持ち替えることなく車両を良好に旋回させることができる。
一方、電磁クラッチ31の作動に異常が発生しているときには、操舵反力用電動モータ13は、操舵反力用ECU46によって、運転者の操舵ハンドル11の回動操作を補助するように、アシスト制御される。また、転舵用電動モータ22は、転舵用ECU47によって停止制御される。これにより、セルフステアの発生を未然に確実に防止することができ、電磁クラッチ31の作動に異常が発生している場合であっても、運転者の意図に合わせて、車両を旋回させることができる。
b.第2実施形態
上記第1実施形態においては、イグニッションスイッチの投入後、最初に操舵ハンドル11が回動操作されたときに、電磁クラッチ31の作動状態をチェックするチェックプログラムを1回だけ実行するように実施した。しかし、これに加えてまたは代えて、車両の走行中において、常に電磁クラッチ31の作動状態をチェックするように実施することができる。以下、この第2実施形態について詳細に説明するが、操舵反力制御プログラムおよび転舵制御プログラムの実行に関しては、上記第1実施形態と同一であるため、その説明を省略する。また、第2実施形態における構成に関しても、図1に示した上記第1実施形態と同一であるため、その説明を省略する。
この第2実施形態においては、イグニッションスイッチが投入された後、チェック用ECU45は、図10に示すチェックプログラムを所定の短時間ごとに繰り返し実行し始める。なお、この第2実施形態においては、イグニッションスイッチが投入されると、ステアリングバイワイヤ方式の操舵装置とするべく、電磁クラッチ31が切断状態に制御されるものとして説明する。
チェック用ECU45は、図示しない初期化処理の実行後、ステップS70にてチェックプログラムの実行を開始し、ステップS71にて、操舵角センサ41によって検出された操舵角θを入力して、ステップS72に進む。ステップS72においては、チェック用ECU45は、前記入力した操舵角θを用いて、同操舵角θを時間微分した時間微分値dθ/dt(以下、この微分値を操舵角速度θ'という)と、操舵角速度θ'をさらに時間微分した時間微分値dθ'/dt(以下、この微分値を操舵角加速度θ''という)とを、それぞれ計算する。
前記ステップS72の演算処理後、チェック用ECU45は、電磁クラッチ31が切断状態に制御されているにもかかわらず誤接続状態となっているか否かを判定するために、ステップS73およびステップS74の各処理を実行する。具体的に説明すると、チェック用ECU45は、ステップS73において、前記ステップS72にて計算した操舵角速度θ'の絶対値|θ'|が予め実験的に決定された所定の操舵角速度θa'以下であるか否かを判定する。また、チェック用ECU45は、ステップS74において、前記ステップS72にて計算した操舵角加速度θ''の絶対値|θ''|が予め実験的に決定された所定の操舵角加速度θa''以下であるか否かを判定する。ここで、所定の操舵角速度θa'および所定の操舵角加速度θa''は、電磁クラッチ31の誤接続状態により発生したセルフステアによって、操舵ハンドル11が回動しているか否かを判定できる程度に決定されるものである。
そして、チェック用ECU45は、ステップS73およびステップS74における判定処理にてそれぞれ「Yes」と判定、すなわち、操舵角速度θ'の絶対値|θ'|の値が所定の操舵角速度θa'以下であり、操舵角加速度θ''の絶対値|θ''|の値が所定の操舵角加速度θa''以下であれば、セルフステアが発生しておらず、電磁クラッチ31の作動が正常であると判定する。具体的に説明すると、電磁クラッチ31の作動が正常である場合には、操舵入力軸12と転舵出力軸24の機械的な連結が解除されているため、転舵用電動モータ22の回転駆動力(動力)が操舵入力軸12を介して操舵ハンドル11に伝達されない。このため、操舵角速度θ'の絶対値|θ'|の値および操舵角加速度θ''の絶対値|θ''|の値は、運転者による回動操作に基づくものであり、所定の操舵角速度θa'および所定の操舵角加速度θa''よりも小さくなる。したがって、チェック用ECU45は、ステップS75にて、異常フラグMBFの値を、電磁クラッチ31の正常を表す値”0”に設定する。
一方、チェック用ECU45は、ステップS73における判定処理にて「No」と判定、すなわち、操舵角速度θ'の絶対値|θ'|が所定の操舵角速度θa'よりも大きければ、電磁クラッチ31の作動が異常であると判定する。また、チェック用ECU45は、ステップS73における判定処理にて「Yes」と判定し、かつ、ステップS74における判定処理にて「No」と判定、すなわち、操舵角速度θ'の絶対値|θ'|は所定の操舵角速度θa'以下であり、かつ、操舵角加速度θ''の絶対値|θ''|が所定の操舵角加速度θa''よりも大きければ、電磁クラッチ31の作動が異常であると判定する。この判定について、図11を用いて詳細に説明する。
図11は、操舵角θ、操舵角速度θ'および操舵角加速度θ''の時間推移を概略的に示したものである。電磁クラッチ31の作動に異常が発生しておらず、操舵入力軸12と転舵出力軸24との機械的な連結が解除された状態では、セルフステアが発生しない。このため、運転者による操舵ハンドル11の回動操作量すなわち操舵角θの時間推移は、図11(a)に示すように、運転者による回動操作に基づいて、ある程度小さな変化量で推移する。また、このときの操舵角速度θ'および操舵角加速度θ''の時間推移も、それぞれ、図11(b),(c)に示すように、ある程度小さな変化量で推移する。
ところが、ある時間にて電磁クラッチ31の作動に異常が発生し、同クラッチ31が誤接続状態となると、セルフステアが発生するようになる。このように、セルフステアが発生した状況では、図11(a)に示すように、操舵角θが一様に増加する。そして、操舵角θの増加に伴って、図11(b)に示すように、操舵角速度θ'も一様に増加し、その後、所定の操舵角速度θa'を超えるようになる。したがって、チェック用ECU45は、ステップS73にて、操舵角速度θ'の絶対値|θ'|と所定の操舵角速度θa'とを比較することによって、セルフステアの発生、言い換えれば、電磁クラッチ31の異常発生を判定することができる。
ところで、セルフステアが発生した後、操舵角速度θ'が所定の操舵角速度θ'を超えるまでには、図11(b)からも明らかなように、ある程度の時間を要する場合がある。すなわち、例えば、転舵用電動モータ22が大きな回転駆動力を発生しており、操舵ハンドル11が大きな操舵角速度θ'で回動した場合には、急峻に所定の操舵角速度θa'よりも大きくなり、ステップS73にて「No」と判定することができる。しかし、操舵ハンドル11が比較的急峻に回動している場合には、セルフステアが発生しているにもかかわらず、ステップS73の処理実行時点で精度よく判定できない可能性がある。
これに対して、操舵角加速度θ''の時間推移は、図11(c)からも明らかなように、操舵角速度θ'の時間推移に比して、セルフステアの発生に対して鋭敏に変化する。したがって、チェック用ECU45は、ステップS74の判定処理を実行することにより、セルフステアの発生、言い換えれば、電磁クラッチ31の異常発生を短時間にかつ確実に判定することができる。すなわち、チェック用ECU45は、ステップS73にて「Yes」と判定した場合であっても、ステップS74を実行することによって「No」と判定することができる。これにより、セルフステアの発生を確実に検出できて、電磁クラッチ31の異常を的確に判定することができる。このように、チェック用ECU45は、ステップS73およびステップS74を実行することによって、電磁クラッチ31の異常発生を確実に判定することができる。そして、チェック用ECU45は、前記ステップS73および前記ステップS74の判定処理のうちの一方で「No」と判定すると、ステップS76に進み、異常フラグMBFの値を、電磁クラッチ31の異常を表す値”1”に設定する。
前記ステップS75または前記ステップS76の処理後、チェック用ECU45は、ステップS77にて、設定した異常フラグMBFを操舵反力用ECU46および転舵用ECU47に対して出力する。このように、異常フラグMBFを出力すると、チェック用ECU45は、ステップS78にて、チェックプログラムの実行を一旦終了し、所定の短時間経過後、ふたたび、チェックプログラムの実行を開始する。一方で、操舵反力用ECU46は図4に示した操舵反力制御プログラムを上記第1実施形態と同様に実行し、転舵用ECU47は図5に示した転舵制御プログラムを上記第1実施形態と同様に実行する。したがって、上記第1実施形態と同様に、異常フラグMBFの設定値に応じて、操舵反力制御と転舵制御が適切に行われる。
以上の説明からも理解できるように、この第2実施形態によれば、車両が走行中であっても、電磁クラッチ31の異常を的確に検出することができる。また、セルフステアの発生に基づいて電磁クラッチ31の異常を検出し、同異常に適切に対応して、上記第1実施形態と同様に操舵反力用電動モータ13および転舵用電動モータ22の作動を制御することができる。したがって、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に対する発生したセルフステアの影響を極めて小さくすることができて、運転者の意図に合わせて、車両を旋回させることができる。
c.第2実施形態の第1変形例
次に、操舵角θの入力方向に対する操舵トルクTの入力方向の変化に基づいて、的確かつ早急に、セルフステアの発生、すなわち、電磁クラッチ31の異常発生を判定する上記第2実施形態の第1変形例について詳細に説明する。この第1変形例においては、イグニッションスイッチが投入された後、チェック用ECU45は、図12に示すチェックプログラムを所定の短時間ごとに繰り返し実行し始める。なお、この第1変形例においても、イグニッションスイッチが投入されると、電磁クラッチ31が切断状態に制御されるものとして説明する。
チェック用ECU45は、図示しない初期化処理の実行後、ステップS90にてチェックプログラムの実行を開始し、ステップS91にて、操舵角センサ41によって検出された操舵角θを入力するとともに、操舵トルクセンサ42によって検出された操舵トルクTを入力する。そして、チェック用ECU45は、操舵角θおよび操舵トルクTを入力すると、ステップS92にて、検出された操舵角θの入力方向と操舵トルクTの入力方向が一致しているか否かを判定する。以下、この判定を、図13を用いて詳細に説明する。
上記第1実施形態で説明したように、電磁クラッチ31が正常に作動している状況では、操舵反力用ECU46は操舵反力用電動モータ13を通常反力制御し、転舵用ECU47は転舵用電動モータ22を通常転舵制御する。この状況においては、運転者は、操舵ハンドル11を介して、操舵反力用電動モータ13の駆動によって付与される操舵反力を知覚しながら操舵ハンドル11を回動操作する。すなわち、運転者は、操舵反力と略等しい操舵トルクTを操舵ハンドル11に入力し、操舵ハンドル11を操舵トルクTの入力方向に回動操作する。したがって、電磁クラッチ31が正常に作動しており、操舵反力用ECU46によって操舵反力用電動モータ13が通常反力制御されている場合には、図13に示すように、操舵角θの入力方向と操舵トルクTの入力方向が一致する。一方、電磁クラッチ31が正常に作動している状況においては、左右前輪FW1,FW2は、通常転舵制御された転舵用電動モータ22によって、目標転舵角δ*となるように転舵される。
ところが、電磁クラッチ31の作動に異常が発生した場合、より詳しくは、電磁クラッチ31が誤接続状態となった場合には、操舵角θの入力方向と操舵トルクTの入力方向が一致しなくなる。具体的に説明すると、今、操舵反力用ECU46が通常反力制御し、転舵用ECU47が通常転舵制御しており、車両が旋回している状況を考える。この状況において、電磁クラッチ31が誤接続状態になると、上述したように、セルフステアが発生し、操舵ハンドル11が自動的に回動を開始する状態となる。このようにセルフステアが発生した状態においては、運転者は、自身が意図した車両の旋回状態を維持するために、操舵ハンドル11の自動的な回動を止めるべく、これまで入力していた方向とは逆方向に操舵トルクTを付与するようになる。すなわち、操舵角θの入力方向と操舵トルクTの入力方向とが一致せず、操舵角θと操舵トルクTとの関係を図示すれば、図13に示す領域Aに包含される関係となる。
このことに基づき、チェック用ECU45は、ステップS92にて、検出された操舵角θの入力方向と操舵トルクTの入力方向、より具体的には、検出された操舵角θと操舵トルクTの符号を比較する。そして、操舵角θと操舵トルクTの符号が一致していれば、セルフステアが発生していない、言い換えれば、電磁クラッチ31の作動に異常が発生していないため、「Yes」と判定してステップS93に進む。そして、チェック用ECU45は、ステップS93にて、異常フラグMBFの値を、電磁クラッチ31の正常を表す値”0”に設定する。
一方、チェック用ECU45は、操舵角θと操舵トルクTの符号が一致していなければ、セルフステアが発生している、言い換えれば、電磁クラッチ31の作動に異常が発生しているため、「No」と判定してステップS94に進む。そして、チェック用ECU45は、ステップS94にて、異常フラグMBFの値を、電磁クラッチ31の異常を表す値”1”に設定する。
前記ステップS93または前記ステップS94の処理後、チェック用ECU45は、ステップS95にて、設定した異常フラグMBFを操舵反力用ECU46および転舵用ECU47に対して出力する。このように、異常フラグMBFを出力すると、チェック用ECU45は、ステップS96にて、チェックプログラムの実行を一旦終了し、所定の短時間経過後、ふたたび、チェックプログラムの実行を開始する。一方で、操舵反力用ECU46は図4に示した操舵反力制御プログラムを上記第1実施形態と同様に実行し、転舵用ECU47は図5に示した転舵制御プログラムを上記第1実施形態と同様に実行する。したがって、上記第1実施形態と同様に、異常フラグMBFの設定値に応じて、操舵反力制御と転舵制御が適切に行われる。
以上の説明からも理解できるように、この第2実施形態の第1変形例によれば、操舵角θの入力方向に対する操舵トルクTの入力方向の変化に基づき、セルフステアの発生すなわち電磁クラッチ31の異常発生を判定することができる。これにより、上述した第2実施形態に比して、より早急にかつ的確に、電磁クラッチ31の異常発生を検出することができる。
すなわち、上記第2実施形態においては、操舵ハンドル11の操舵角θを入力し、同入力した操舵角θに基づく操舵角速度θ'および操舵角加速度θ''を所定の操舵角速度θa'および操舵角加速度θa''と比較することにより、セルフステアの発生、すなわち、電磁クラッチ31の異常発生を判定するようにした。しかしながら、この場合には、セルフステア発生時における操舵角速度θ'や操舵角加速度θ''は、転舵用電動モータ22が発生する回転駆動力に依存するものであり、例えば、バッテリー電圧や路面の状態、車速などによって変化する可能性がある。また、このように変化する操舵角速度θ'や操舵角加速度θ''に応じて所定の操舵角速度θa'や所定の操舵角加速度θa''を適切に設定しておく必要もある。そして、このように変化する要素を用いてセルフステアの発生、すなわち、電磁クラッチ31の異常発生を判定する場合には、判定処理における時間遅れも懸念される。
これに対して、第1変形例においては、操舵角θの入力方向に対する操舵トルクTの入力方向の変化に基づいて電磁クラッチ31の異常発生を判定することができる。これにより、上述したような異常判定に影響を及ぼす外的な要素がなく、判定処理における時間遅れを低減することができる。したがって、電磁クラッチ31の異常発生を、より早急にかつ的確に判定することができる。
d.第2実施形態の第2変形例
次に、操舵角速度θ'と実転舵角δの時間微分値dδ/dt(以下、この微分値を転舵角速度δ'という)とに基づいて、セルフステアの発生、すなわち、電磁クラッチ31の異常発生を判定する第2変形例を説明する。この第2変形例においては、図1にて破線で示すように、チェック用ECU45に対して、転舵角センサ43が接続されて構成される。そして、この第2変形例においては、イグニッションスイッチが投入された後、チェック用ECU45は、図14に示すチェックプログラムを所定の短時間ごとに繰り返し実行し始める。なお、この第2変形例においても、イグニッションスイッチが投入されると、電磁クラッチ31が切断状態に制御されるものとして説明する。
チェック用ECU45は、図示しない初期化処理の実行後、ステップS110にてチェックプログラムの実行を開始し、ステップS111にて、操舵角センサ41によって検出された操舵角θを入力するとともに、転舵角センサ43によって検出された実転舵角δを入力する。そして、チェック用ECU45は、続くステップS112にて、前記入力した操舵角θを用いて操舵角速度θ'を計算するとともに、前記入力した転舵角δを用いて転舵角速度δ'を計算する。
前記ステップS112の演算処理後、チェック用ECU45は、操舵角速度θ'の絶対値|θ'|と転舵角速度δ'の絶対値|δ'|の大きさを比較することによって、セルフステアの発生、すなわち、電磁クラッチ31の異常発生を判定する。以下、この判定を、図15を用いて詳細に説明する。
上記第1実施形態で説明したように、電磁クラッチ31が正常に作動している状況では、転舵用ECU47は転舵用電動モータ22を通常転舵制御する。この状況においては、運転者による操舵ハンドル11の回動操作量(すなわち操舵角θ)に対して、非線形的に大きく計算された目標転舵角δ*まで左右前輪FW1,FW2を転舵させるため、図15に示すように、操舵角速度θ'に比して転舵角速度δ'が大きくなる。ところが、電磁クラッチ31が誤接続状態となった場合には、操舵角速度θ'と転舵角速度δ'が一致する、または、ラックバー21とピニオンギア25との間の減速比を考慮すれば転舵角速度δ'が操舵角速度θ'よりも小さくなる。すなわち、操舵角速度θ'と転舵角速度δ'との関係を図示すれば、図15に示す領域Bに包含される関係となる。
このことに基づき、チェック用ECU45は、ステップS113にて、計算した転舵角速度δ'が計算した操舵角速度θ'よりも大きければ、セルフステアが発生していない、言い換えれば、電磁クラッチ31の作動に異常が発生していないため、「Yes」と判定してステップS114に進む。そして、チェック用ECU45は、ステップS114にて、異常フラグMBFの値を、電磁クラッチ31の正常を表す値”0”に設定する。
一方、計算した転舵角速度δ'が計算した操舵角速度θ'以下であれば、セルフステアが発生している、言い換えれば、電磁クラッチ31の作動に異常が発生しているため、「No」と判定してステップS115に進む。そして、チェック用ECU45は、ステップS115にて、異常フラグMBFの値を、電磁クラッチ31の異常を表す値”1”に設定する。
前記ステップS114または前記ステップS115の処理後、チェック用ECU45は、ステップS116にて、設定した異常フラグMBFを操舵反力用ECU46および転舵用ECU47に対して出力する。このように、異常フラグMBFを出力すると、チェック用ECU45は、ステップS117にて、チェックプログラムの実行を一旦終了し、所定の短時間経過後、ふたたび、チェックプログラムの実行を開始する。一方で、操舵反力用ECU46は図4に示した操舵反力制御プログラムを上記第1実施形態と同様に実行し、転舵用ECU47は図5に示した転舵制御プログラムを上記第1実施形態と同様に実行する。したがって、上記第1実施形態と同様に、異常フラグMBFの設定値に応じて、操舵反力制御と転舵制御が適切に行われる。
以上の説明からも理解できるように、この第2変形例によれば、操舵トルクセンサ42を採用することなく、的確かつ早急に、セルフステアの発生、すなわち、電磁クラッチ31の異常発生を判定することができる。したがって、特に、ステアリングバイワイヤ方式の操舵装置においては、操舵入力軸12と転舵出力軸24とが分離されているため、操舵トルクセンサ42の配置が制限される場合があるが、この第2変形例によれば、操舵トルクセンサ42を設置するためのスペースを確保する必要がなく、操舵装置の搭載自由度を十分に確保することができる。その他の効果については、上記第1変形例と同様の効果が期待できる。
ここで、上記第2変形例においては、操舵角速度θ'の絶対値|θ'|と転舵角速度δ'の絶対値|δ'|の大きさを比較することによって、セルフステアの発生、言い換えれば、電磁クラッチ31の異常発生を判定するようにした。この場合、操舵角θの絶対値|θ|と実転舵角δの絶対値|δ|の大きさを比較するようにしてもよい。このように、操舵角センサ41によって検出された操舵角θおよび転舵角センサ43によって検出された転舵角δを採用することにより、操舵角速度θ'および転舵角速度δ'の計算を省略することができる。また、操舵角加速度θ''の絶対値|θ''|と、転舵角速度δ'の時間微分値dθ'/dt(以下、この微分値を転舵角加速度δ''という)の絶対値|δ''|の大きさを比較するようにしてもよい。このように、操舵角加速度θ''および転舵角加速度δ''を採用することにより、セルフステアの発生を鋭敏に検出することができる。そして、これらの場合においても、上記第2変形例と同様の効果が期待できる。
e.第2実施形態の第3変形例
次に、操舵トルクセンサ42によって検出される操舵トルクTの大きさの変化に基づいて、セルフステアの発生、すなわち、電磁クラッチ31の異常発生を判定する第2実施形態の第3変形例を説明する。
この第3変形例においては、イグニッションスイッチが投入された後、チェック用ECU45は、図16に示すチェックプログラムを所定の短時間ごとに繰り返し実行し始める。なお、この第3変形例においても、イグニッションスイッチが投入されると、電磁クラッチ31が切断状態に制御されるものとして説明する。
チェック用ECU45は、図示しない初期化処理の実行後、ステップS130にてチェックプログラムの実行を開始し、ステップS131にて、操舵トルクセンサ42によって検出された操舵トルクTを入力する。そして、チェック用ECU45は、ステップS132にて、入力した操舵トルクTの大きさが急激に変化しているか否かを判定する。以下、この判定を、図17を用いて詳細に説明する。
上述した第2実施形態の第1変形例で説明したように、操舵反力用ECU46によって操舵反力用電動モータ13が通常反力制御されている状況では、運転者は、付与される操舵反力に抗して操舵トルクTを入力する。しかし、セルフステアが発生すると、運転者が回動操作している方向へ操舵ハンドル11が自動的に回動するため、運転者は急激に操舵トルクTが小さくなる感覚、所謂、トルク抜けを知覚する。すなわち、図17に示すように、破線で示す通常反力制御時に知覚する操舵トルクTの変化特性が、セルフステアが発生することによって実線で示すように急激に小さく変化する。
このことに基づき、チェック用ECU45は、ステップS132にて、入力した操舵トルクTが通常反力制御時における変化特性で推移していれば、セルフステアが発生していない、言い換えれば、電磁クラッチ31の作動に異常が発生していないため、「Yes」と判定してステップS133に進む。そして、チェック用ECU45は、ステップS133にて、異常フラグMBFの値を、電磁クラッチ31の正常を表す値”0”に設定する。
一方、入力した操舵トルクTが通常反力制御時における変化特性から急激に変化していれば、セルフステアが発生している、言い換えれば、電磁クラッチ31の作動に異常が発生しているため、「No」と判定してステップS134に進む。そして、チェック用ECU45は、ステップS134にて、異常フラグMBFの値を、電磁クラッチ31の異常を表す値”1”に設定する。
前記ステップS133または前記ステップS134の処理後、チェック用ECU45は、ステップS135にて、設定した異常フラグMBFを操舵反力用ECU46および転舵用ECU47に対して出力する。このように、異常フラグMBFを出力すると、チェック用ECU45は、ステップS136にて、チェックプログラムの実行を一旦終了し、所定の短時間経過後、ふたたび、チェックプログラムの実行を開始する。一方で、操舵反力用ECU46は図4に示した操舵反力制御プログラムを上記第1実施形態と同様に実行し、転舵用ECU47は図5に示した転舵制御プログラムを上記第1実施形態と同様に実行する。したがって、上記第1実施形態と同様に、異常フラグMBFの設定値に応じて、操舵反力制御と転舵制御が適切に行われる。
以上の説明からも理解できるように、この第3変形例によれば、操舵トルクTの大きさの変化に基づいて電磁クラッチ31の異常発生を判定することができる。これにより、この第3変形例においても、上記第2実施形態における異常判定に影響を及ぼす外的な要素がなく、判定処理における時間遅れを低減することができる。したがって、電磁クラッチ31の異常発生を、より高速にかつ的確に判定することができる。
f.第2実施形態の第4変形例
次に、目標転舵角δ*と実転舵角δとの差分値の変化に基づいて、セルフステアの発生、すなわち、電磁クラッチ31の異常発生を判定する第4変形例を説明する。
この第4変形例においては、イグニッションスイッチが投入された後、チェック用ECU45は、図18に示すチェックプログラムを所定の短時間ごとに繰り返し実行し始める。なお、この第4変形例においても、イグニッションスイッチが投入されると、電磁クラッチ31が切断状態に制御されるものとして説明する。
チェック用ECU45は、図示しない初期化処理の実行後、ステップS150にてチェックプログラムの実行を開始し、ステップS151にて、転舵角センサ43によって検出された実転舵角δを入力する。そして、チェック用ECU45は、ステップS152にて、入力した実転舵角δと転舵用ECU47によって計算された目標転舵角δ*との差分値の変化比率が一定の比率で変化しているか否かを判定する。以下、この判定を、図19を用いて詳細に説明する。
上述した第1実施形態で説明したように、電磁クラッチ31が正常に作動している状況では、転舵用ECU47は、転舵制御プログラムのステップS54〜S56の各処理を実行することによって、非線形的に変化する目標転舵角δ*を計算する。そして、転舵用ECU47は、転舵制御プログラムのステップS57にて、検出した実転舵角δが目標転舵角δ*と一致するように、転舵用電動モータ22の回転を制御する。この状況において、電磁クラッチ31が誤接続状態になると、上述したように、操舵入力軸12と転舵出力軸24とが機械的に連結され、運転者による操舵ハンドル11の回動操作によって、操舵角θに対して実転舵角δが線形的に変化するように左右前輪FW1,FW2が転舵される。ここで、通常転舵制御時の実転舵角δ(目標転舵角δ*)とセルフステア発生時すなわち電磁クラッチ31が誤接続状態にある時の実転舵角δとの差分値を考えると、図19に示すように、操舵角θの変化に対して差分値が一定の比率で増加する。
このことに基づき、チェック用ECU45は、ステップS152にて、計算された目標転舵角δ*と入力した実転舵角δとの差分値が一定の比率で増加していなければ、すなわち、目標転舵角δ*と実転舵角δとが略一致した状態で変化していれば、セルフステアが発生していない、言い換えれば、電磁クラッチ31の作動に異常が発生していないため、「Yes」と判定してステップS153に進む。そして、チェック用ECU45は、ステップS153にて、異常フラグMBFの値を、電磁クラッチ31の正常を表す値”0”に設定する。
一方、計算された目標転舵角δ*と入力した実転舵角δとの差分値が一定の比率で増加していれば、セルフステアが発生している、言い換えれば、電磁クラッチ31の作動に異常が発生しているため、「No」と判定してステップS154に進む。そして、チェック用ECU45は、ステップS154にて、異常フラグMBFの値を、電磁クラッチ31の異常を表す値”1”に設定する。
前記ステップS153または前記ステップS154の処理後、チェック用ECU45は、ステップS155にて、設定した異常フラグMBFを操舵反力用ECU46および転舵用ECU47に対して出力する。このように、異常フラグMBFを出力すると、チェック用ECU45は、ステップS156にて、チェックプログラムの実行を一旦終了し、所定の短時間経過後、ふたたび、チェックプログラムの実行を開始する。一方で、操舵反力用ECU46は図4に示した操舵反力制御プログラムを上記第1実施形態と同様に実行し、転舵用ECU47は図5に示した転舵制御プログラムを上記第1実施形態と同様に実行する。したがって、上記第1実施形態と同様に、異常フラグMBFの設定値に応じて、操舵反力制御と転舵制御が適切に行われる。
以上の説明からも理解できるように、この第4変形例によれば、目標転舵角δ*と実転舵角δとの差分値の変化比率に基づいて電磁クラッチ31の異常発生を判定することができる。これにより、この第4変形例においても、上記第2実施形態における異常判定に影響を及ぼす外的な要素がなく、判定処理における時間遅れを低減することができる。したがって、電磁クラッチ31の異常発生を、より高速にかつ的確に判定することができる。
また、この第4変形例においても、操舵トルクセンサ42を採用することなく、的確かつ早急に、セルフステアの発生、すなわち、電磁クラッチ31の異常発生を判定することができる。したがって、特に、ステアリングバイワイヤ方式の操舵装置においては、操舵入力軸12と転舵出力軸24とが分離されているため、操舵トルクセンサ42の配置が制限される場合があるが、この第4変形例によれば、操舵トルクセンサ42を設置するためのスペースを確保する必要がなく、操舵装置の搭載自由度を十分に確保することができる。その他の効果については、上記第1変形例と同様の効果が期待できる。
g.その他の変形例
上記第1実施形態、第2実施形態およびその各変形例においては、車両の操舵装置をステアリングバイワイヤ方式で作動させるべく、チェック用ECU45が電磁クラッチ31の誤接続状態を検出するように実施した。しかしながら、ステアリングバイワイヤ方式の操舵装置においては、必要に応じて、操舵入力軸12と転舵出力軸24とを連結した状態で作動させる場合もある。この場合には、電磁クラッチ31が接続状態に確実に移行している必要があり、チェック用ECU45は、電磁クラッチ31が接続状態に制御されているにもかかわらず切断状態を維持する(以下、この状態を誤切断状態という)しているか否かを判定する必要がある。このように、チェック用ECU45が電磁クラッチ31の誤切断状態を判定する場合であっても、上述した各チェックプログラムを実行することによって、簡単にかつ的確に判定することができる。以下、具体的に説明しておく。
まず、上記第1実施形態におけるチェックプログラムを用いて、運転者による最初の回動操作時に電磁クラッチ31の誤切断状態を判定する場合から説明する。この場合、チェック用ECU45は、図2におけるチェックプログラムにおける前記ステップS12に代えて、電磁クラッチ31を接続状態に制御する。そして、チェック用ECU45は、前記ステップS14に代えて、操舵トルクTが目標トルクToよりも大きいか否かを判定する。これにより、チェック用ECU45は、電磁クラッチ31が誤切断状態であるか否かを判定することができる。すなわち、この判定において、操舵トルクTが目標トルクToよりも大きければ、電磁クラッチ31が正常に作動しているため、異常フラグMBFの値を”0”に設定する。一方、操舵トルクTが目標トルクTo以下であれば、電磁クラッチ31が誤切断状態を維持しているため、異常フラグMBFを”1”に設定する。このように、電磁クラッチ31の誤切断状態を判定する場合であっても、簡単にかつ的確に判定することができる。
次に、上記第2実施形態および各変形例におけるチェックプログラムを用いて、走行中において電磁クラッチ31の誤切断状態を判定する場合を説明する。この場合においては、チェック用ECU45は、敢えて僅かなセルフステアを発生させて、電磁クラッチ31の誤切断状態を判定する。すなわち、チェック用ECU45は、上記第2実施形態におけるチェックプログラムのステップS73,74、第1変形例におけるチェックプログラムのステップS92、第2変形例におけるチェックプログラムのステップS113、第3変形例におけるチェックプログラムのステップS132、および第4変形例におけるチェックプログラムのステップS152の判定処理にて、セルフステアの発生が認められれば、電磁クラッチ31が正常であると判定する。そして、チェック用ECU45は、異常フラグMBFを”0”に設定する。一方、セルフステアの発生が認められなければ、電磁クラッチ31が誤切断状態を維持していると判定し、異常フラグMBFを”1”に設定する。そして、この場合においても、電磁クラッチ31の誤切断状態を簡単にかつ的確に判定することができる。
なお、上述ように、電磁クラッチ31の誤切断状態を判定するようにした場合、言い換えれば、上記各実施形態および各変形例における電磁クラッチ31の正常と異常とが逆転する場合には、操舵反力用ECU46による操舵反力用電動モータ13の制御内容と転舵用ECU47による転舵用電動モータ22の制御内容も逆転する。すなわち、チェック用ECU45が電磁クラッチ31の誤切断状態を判定する場合において、異常フラグMBFが”0”に設定されていれば、操舵反力用ECU46は操舵反力制御プログラムを実行することによって操舵反力用電動モータ13をアシスト制御し、転舵用ECU47は転舵制御プログラムを実行することによって転舵用電動モータ22を停止制御する。一方、異常フラグMBFが”1に設定されていれば、操舵反力用ECU46は操舵反力制御プログラムを実行することによって操舵反力用電動モータ13を通常反力制御し、転舵用ECU47は転舵制御プログラムを実行することによって転舵用電動モータ22を通常転舵制御する。
また、上記各実施形態および各変形例においては、図1に示したように、操舵入力軸12と転舵出力軸24とを電磁クラッチ31が直接連結する構造を採用して実施した。しかしながら、操舵装置の車両搭載性を考慮して、例えば、図20に示すように、操舵入力軸12と転舵出力軸24との間に中間部材としてのケーブル32を配置して実施することもできる。
この構成において、ケーブル32は、操舵入力軸12の軸線周りの回転を転舵出力軸24に伝達する。したがって、ケーブル32の上端の固定部材32aと操舵入力軸12の下端との間には電磁クラッチ31が配置される。また、ケーブル32の下端の固定部材32bと転舵出力軸24の上端との間には電磁クラッチ33が配置される。なお、電磁クラッチ33は、電磁クラッチ31と同様に、非通電状態にて接続状態に設定されて、ケーブル32と転舵出力軸24とを動力伝達可能に連結し、通電状態にて切断状態に設定されて、ケーブル32と転舵出力軸24とを動力伝達不能に切り離す。
そして、このように構成された操舵装置においては、チェック用ECU45は、電磁クラッチ31および電磁クラッチ33の両方に作動異常が発生して誤接続状態にあるときに、異常フラグMBFの値を”1”に設定して出力する。これは、両電磁クラッチ31,33が誤接続状態にあるときには、操舵入力軸12、ケーブル32および転舵出力軸24が機械的に連結された状態であり、セルフステアを発生するからである。一方、電磁クラッチ31および電磁クラッチ33のいずれか一方、または、両電磁クラッチ31,33が正常に作動しているときに、異常フラグMBFの値を”0”に設定して出力する。これは、電磁クラッチ31および電磁クラッチ33のいずれか一方、または、両電磁クラッチ31,33が切断状態にあれば、操舵入力軸12、ケーブル32および転舵出力軸24が少なくとも機械的に(一体的に)連結されておらず、セルフステアを発生しないからである。
そして、このように構成した操舵装置においても、上述した各実施形態および各変形例と同様の効果を期待できる。さらに、操舵装置を車両に搭載するときの自由度を良好に確保することができる。
さらに、本発明の実施にあたっては、上記各実施形態および各変形例に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記各実施形態および各変形例においては、チェック用ECU45が電磁クラッチ31の作動に異常が発生したと判定したとき、運転者に対して、電磁クラッチ31の作動異常を報知するように実施することも可能である。具体的には、チェック用ECU45は、電磁クラッチ31の作動に異常が発生したと判定した後、異常フラグMBFを”1”に設定するとともに、例えば、警報器に警報を発生させるようにするとよい。これにより、運転者は、電磁クラッチ31の作動異常を知ることができる。
また、上記各実施形態および各変形例においては、車両を操舵するために回動操作される操舵ハンドル11を用いるようにした。しかし、これに代えて、例えば、直線的に変位するジョイスティックタイプの操舵ハンドルを用いてもよいし、その他、運転者によって操作されるとともに車両に対する操舵を指示できるものであれば、いかなるものを用いてもよい。
また、上記各実施形態および各変形例においては、転舵用電動モータ22がラックバー21をリニアに変位させて、左右前輪FW1,FW2を転舵するようにした。これに代えて、転舵用電動モータ22が転舵出力軸24を回転させることにより、左右前輪FW1,FW2を転舵するようにしてもよい。
本発明の各実施形態に係る共通の車両の操舵装置の全体概略図である。 図1のチェック用ECUにより実行されるチェックプログラムのフローチャートである。 操舵角と操舵トルクとの関係を示すグラフであって、電磁クラッチの正常または異常時における操舵トルクの変化を説明するための図である。 図1の操舵反力用ECUにより実行される操舵反力制御プログラムのフローチャートである。 図1の転舵用ECUにより実行される転舵制御プログラムのフローチャートである。 操舵角と目標操舵反力との関係を示すグラフである。 操舵角と目標アシストトルクとの関係を示すグラフである。 操舵角と目標転舵角との関係を示すグラフである。 車速と車速係数との関係を示すグラフである。 本発明の第2実施形態に係り、図1のチェック用ECUにより実行されるチェックプログラムのフローチャートである。 (a)〜(c)は、操舵角、操舵角速度および操舵角加速度の時間推移を概略的に示すものあって、セルフステアの発生前後における操舵角、操舵角速度および操舵角加速度の変化を説明するための図である。 上記第2実施形態の第1変形例に係るチェックプログラムのフローチャートである。 セルフステア発生時における操舵角と操舵トルクの関係を説明するための図である。 上記第2実施形態の第2変形例に係るチェックプログラムのフローチャートである。 セルフステア発生時における操舵角速度と転舵角速度との関係を説明するための図である。 上記第2実施形態の第3変形例に係るチェックプログラムのフローチャートである。 セルフステア発生時における操舵角と操舵トルクの関係を説明するための図である。 上記第2実施形態の第4変形例に係るチェックプログラムのフローチャートである。 操舵角と転舵角の関係を示すものであって、通常転舵制御時と電磁クラッチ接続時における転舵角の変化を説明するための図である。 本発明のその他の変形例に係る車両の操舵装置の全体概略図である。
符号の説明
FW1,FW2…前輪、11…操舵ハンドル、12…操舵入力軸、13…操舵反力用電動モータ、21…ラックバー、22…転舵用電動モータ、24…転舵出力軸、31…電磁クラッチ、41…操舵角センサ、42…操舵トルクセンサ、43…転舵角センサ、44…車速センサ、45…チェック用ECU、46…操舵反力用ECU、47…転舵用ECU

Claims (12)

  1. 操舵ハンドルに接続されて同操舵ハンドルと連動して変位する入力部材と、転舵輪に接続されて同転舵輪と連動して変位する出力部材と、前記入力部材に接続されて同入力部材の変位を制御する第1電気アクチュエータと、前記出力部材に接続されて同出力部材の変位を制御する第2電気アクチュエータと、前記入力部材と前記出力部材との間に介装されて、切断状態にて前記入力部材と前記出力部材とを動力伝達不能に切り離し、接続状態にて前記入力部材と前記出力部材とを動力伝達可能に連結する断続器とを備えたステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置において、
    運転者による前記操舵ハンドルの操作に伴って前記入力部材に入力される操作量であって、前記入力部材と前記出力部材との相対的な変位の関係に応じて変化する所定の操作量に基づいて、前記断続器の異常を検出する異常検出手段を設けたことを特徴とするステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置。
  2. 請求項1に記載したステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置において、
    前記異常検出手段は、
    運転者によって前記操舵ハンドルを介して前記入力部材に入力される操作量であって、前記入力部材と前記出力部材との相対的な変位の関係に応じて変化する前記操舵ハンドルを操作するための操作力に基づいて、前記断続器の異常を検出することを特徴とするステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置。
  3. 請求項2に記載したステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置において、
    前記異常検出手段を、
    運転者による前記操舵ハンドルの操作に応じて変位する前記入力部材の変位量を検出する変位量検出手段と、
    運転者によって前記操舵ハンドルを介して前記入力部材に入力された操作力を検出する操作力検出手段と、
    前記変位量検出手段によって検出された変位量が予め設定された所定の変位量以下であるか否かを判定する変位量判定手段と、
    前記変位量判定手段によって前記入力された変位量が前記所定の変位量以下であるときに、前記出力部材に接続された第2電気アクチュエータの作動を停止する停止制御手段と、
    前記停止制御手段によって前記第2電気アクチュエータの作動が停止されている状態で、前記操作力検出手段によって検出された操作力が、前記入力部材と前記出力部材との相対的な変位の関係に応じて、予め設定された目標操作力よりも大きいか否かを判定する操作力判定手段と、
    前記操作力判定手段による判定結果に基づいて、前記断続器の異常を判定する異常判定手段とで構成したことを特徴とするステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置。
  4. 操舵ハンドルに接続されて同操舵ハンドルと連動して変位する入力部材と、転舵輪に接続されて同転舵輪と連動して変位する出力部材と、前記入力部材に接続されて同入力部材の変位を制御する第1電気アクチュエータと、前記出力部材に接続されて同出力部材の変位を制御する第2電気アクチュエータと、前記入力部材と前記出力部材との間に介装されて、切断状態にて前記入力部材と前記出力部材とを動力伝達不能に切り離し、接続状態にて前記入力部材と前記出力部材とを動力伝達可能に連結する断続器とを備えたステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置において、
    前記第2電気アクチュエータの作動に伴う動力が前記出力部材を介して前記入力部材に伝達された状態を表す状態量に基づいて、前記断続器の異常を検出する異常検出手段を設けたことを特徴とするステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置。
  5. 請求項4に記載したステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置において、
    前記異常検出手段を、
    前記入力部材の変位量を検出する変位量検出手段と、
    前記変位量検出手段によって検出した変位量を用いて、同変位量を時間微分することによって表される前記入力部材の変位速度および同変位速度を時間微分することによって表される前記入力部材の変位加速度のうちの少なくとも一方を前記状態量として計算する演算手段と、
    前記演算手段によって計算した変位速度および変位加速度のうちの少なくとも一方が予め設定された所定値以上であるか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段による判定結果に基づいて、前記断続器の異常を判定する異常判定手段とで構成したことを特徴とするステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置。
  6. 請求項4に記載したステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置において、
    前記異常検出手段を、
    前記入力部材に入力された外力を前記状態量として検出する外力検出手段と、
    前記外力検出手段によって検出した外力が急激に減少して変化したか否かを判定する外力変化判定手段と、
    前記外力変化判定手段による判定結果に基づいて、前記断続器の異常を判定する異常判定手段とで構成したことを特徴とするステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置。
  7. 請求項4に記載したステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置において、
    前記異常検出手段を、
    前記入力部材の変位量を検出する変位量検出手段と、
    運転者によって前記操舵ハンドルを介して前記入力部材に入力された操作力を前記状態量として検出する操作力検出手段と、
    前記入力部材の変位方向と前記検出した操作力の入力方向とが異なるか否かを判定する入力方向判定手段と、
    前記入力方向判定手段による判定結果に基づいて、前記断続器の異常を判定する異常判定手段とで構成したことを特徴とするステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置。
  8. 請求項4に記載したステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置において、
    前記異常検出手段を、
    前記入力部材の変位量を前記状態量として検出する変位量検出手段と、
    前記転舵輪の転舵量を前記状態量として検出する転舵量検出手段と、
    前記変位量検出手段によって検出した前記入力部材の変位量と前記転舵量検出手段によって検出した前記転舵輪の転舵量とに基づいて、前記断続器の異常を判定する異常判定手段とで構成したことを特徴とするステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置。
  9. 請求項4に記載したステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置において、
    前記異常検出手段を、
    前記入力部材の変位量を検出する変位量検出手段と、
    前記変位量検出手段によって検出した前記入力部材の変位量を用いて、同変位量を時間微分することによって表される前記入力部材の変位速度を前記状態量として計算する変位速度演算手段と、
    前記転舵輪の転舵量を検出する転舵量検出手段と、
    前記転舵量検出手段によって検出した前記転舵輪の転舵量を用いて、同転舵量を時間微分することによって表される前記転舵輪の転舵速度を前記状態量として計算する転舵速度演算手段と、
    前記変位速度演算手段によって計算した前記入力部材の変位速度と前記転舵速度演算手段によって計算した前記転舵輪の転舵速度とに基づいて、前記断続器の異常を判定する異常判定手段とで構成したことを特徴とするステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置。
  10. 請求項4に記載したステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置において、
    前記異常検出手段を、
    前記入力部材の変位量を検出する変位量検出手段と、
    前記変位量検出手段によって検出した前記入力部材の変位量を用いて、同変位量を2回時間微分することによって表される前記入力部材の変位加速度を前記状態量として計算する変位加速度演算手段と、
    前記転舵輪の転舵量を検出する転舵量検出手段と、
    前記転舵量検出手段によって検出した前記転舵輪の転舵量を用いて、同転舵量を2回時間微分することによって表される前記転舵輪の転舵加速度を前記状態量として計算する転舵加速度演算手段と、
    前記変位加速度演算手段によって計算した前記入力部材の変位加速度と前記転舵加速度演算手段によって計算した前記転舵輪の転舵加速度とに基づいて、前記断続器の異常を判定する異常判定手段とで構成したことを特徴とするステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置。
  11. 請求項4に記載したステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置において、
    前記異常検出手段を、
    前記入力部材の変位量を検出する変位量検出手段と、
    同変位量検出手段によって検出した変位量を用いて、前記転舵輪の目標転舵量を計算する目標転舵量計算手段と、
    前記転舵輪の実転舵量を検出する転舵量検出手段と、
    前記目標転舵量計算手段によって計算した目標転舵量と前記転舵量検出手段によって検出した実転舵量との差分量を前記状態量として計算する差分量演算手段と、
    前記差分量演算手段によって計算した差分量に基づいて、前記断続器の異常を判定する異常判定手段とで構成したことを特徴とするステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置。
  12. 請求項1または請求項4に記載したステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置において、さらに、
    前記異常検出手段によって前記断続器に接続状態を維持する異常が検出されると、前記第2電気アクチュエータの作動を停止制御するとともに、運転者による前記操舵ハンドルの操作を補助するために前記第1電気アクチュエータを作動制御するアクチュエータ作動制御手段を備えたことを特徴とするステアリングバイワイヤ方式の車両の操舵装置。
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