JP2006062473A - 車両の操舵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ステヤバイワイヤ方式の操舵装置において、フェイルによりステヤバイワイヤ方式を機械連結方式に切り換える場合でも、運転者が違和感を覚えないようにするとともに車両の操縦安定性を良好に保つ。
【解決手段】 車両の操舵装置は、電磁クラッチ15の切断状態にてステヤバイワイヤ方式に設定され、操舵ハンドル11の操舵操作に応答して、左右前輪FW1,FW2は電動モータ21,22の作動により転舵される。電動モータ21,22をそれぞれ含む第1および第2転舵制御系統の一方のフェイル時に、操舵ハンドル11の操舵操作に対する左右前輪FW1,FW2の転舵特性を、ステヤバイワイヤ用の転舵特性から機械連結式の転舵特性に徐々に変更する。第1および第2転舵制御系統のフェイル時、または前記転舵特性の変更処理後に、電磁クラッチ15を接続状態に設定して、操舵装置を機械連結式に切り換える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、操舵ハンドルの操舵操作に応じて転舵輪を転舵する車両の操舵装置に関する。
従来から、操舵ハンドルと転舵輪とを機械的に分離し、操舵ハンドルの操舵操作時に転舵輪側に設けた転舵アクチュエータを電気的に制御して、操舵ハンドルの操舵操作に応じて転舵輪を転舵するステヤバイワイヤ方式を採用した車両の操舵装置はよく知られている。そして、この種の操舵装置においては、例えば下記特許文献1に示されているように、転舵アクチュエータによる転舵輪の転舵が不能になる場合を想定し、操舵ハンドルと転舵輪とを機械的に連結する操舵伝達機構を設けるとともに、同操舵伝達機構内にこの機械的な連結および非連結を選択的に切換え制御可能な電磁クラッチを介装しておき、この電磁クラッチを切断状態に設定した状態で、前記転舵アクチュエータによる転舵輪の転舵を可能としている。そして、転舵アクチュエータによる転舵輪の転舵が不能になった場合には、電磁クラッチを接続状態に切り換え、操舵ハンドルの操舵操作を転舵輪に機械的に伝達して、操舵ハンドルの操舵操作に応じて転舵輪が転舵されるようにしている。
また、下記特許文献1には、2個の転舵アクチュエータを設けておき、一方の転舵アクチュエータによる転舵が不能になったとき、電磁クラッチを接続状態に切り換えると同時に、操舵ハンドルの操舵操作に応じた転舵輪の転舵をアシストするように他方の転舵アクチュエータの作動を切り換えることも記載されている。
特開2002−145098号公報
しかし、上記従来の装置にあっては、ステヤバイワイヤ方式時の転舵アクチュエータによる操舵ハンドルの操舵操作に対する転舵輪の転舵特性は、操舵伝達機構を介した機械的連結による操舵ハンドルの操舵操作に対する転舵輪の転舵特性とは異なる。例えば、ステヤバイワイヤ方式の場合、通常、操舵ハンドルを持ち替えずに転舵輪を大転舵角まで転舵できるように、ハンドル操舵角に対する転舵輪の転舵角特性を設定している。また、ステヤバイワイヤ方式の場合、操舵ハンドルと転舵輪とが機械的に連結されていない特長を利用して、操縦性、走行安定性などの向上のために、ハンドル操舵角に対する転舵輪の転舵角特性を車速に応じて変化させるような、機械的連結方式で実現することは困難なことも行っている。したがって、上記従来装置のように、転舵アクチュエータによる転舵輪の転舵が不能になったとき、ステヤバイワイヤ方式から機械連結方式に急に切り換えてしまうと、運転者は転舵特性の変化に対して違和感を覚えるとともに、運転者の不慣れな運転操作のために車両の操縦安定性が悪化することもある。
本発明は、上記問題に対処するためになされたもので、本発明の目的は、ステヤバイワイヤ方式から機械連結方式に切り換える場合でも、運転者が違和感を覚えないようにするとともに車両の操縦安定性が良好に保たれる車両の操舵装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、操舵ハンドルと転舵輪とを機械的に連結して操舵ハンドルの操舵操作を機械的に転舵輪に伝達し、操舵ハンドルの操舵操作に対して所定の第1特性で転舵輪を転舵する操舵伝達機構と、接続状態にて操舵ハンドルと転舵輪とを機械的に連結するとともに切断状態にて前記機械的な連結を解除する断続器と、操舵伝達機構内において断続器に対して転舵輪側に設けられ、断続器が切断状態にあるとき転舵輪を転舵する第1および第2転舵アクチュエータと、操舵ハンドルの操舵操作に応じて第1および第2転舵アクチュエータの作動を制御し、操舵ハンドルの操舵操作に対して第1特性とは異なる所定の第2特性で転舵輪を転舵する転舵制御手段と、第1および第2転舵アクチュエータのうちのいずれか一方の転舵アクチュエータによる転舵輪の転舵が不能になったことを検出するフェイル検出手段と、フェイル検出手段によって一方の転舵アクチュエータによる転舵輪の転舵が不能になったことが検出されたとき、操舵ハンドルの操舵操作に対する転舵輪の転舵特性が第2特性から第1特性に徐々に近づくように、第1および第2転舵アクチュエータのうちの他方の転舵アクチュエータの作動を制御する転舵特性切換え制御手段とを設けたことにある。
この場合、転舵特性切換え制御手段を、例えば、操舵ハンドルの操舵操作に対する転舵輪の転舵特性が、操舵ハンドルの操舵操作に関係して徐々に変更されるように構成するとよい。より具体的には、操舵ハンドルの操舵角が所定舵角以上に操舵された回数が増加するに従って、または所定角以上に操舵されている時間が増加するに従って、操舵ハンドルの操舵操作に対する転舵輪の転舵特性の変化量が増加するようにする。また、これに加えて、操舵されたときの操舵ハンドルの操舵角が大きいほど、操舵ハンドルの操舵操作に対する転舵輪の転舵特性の変化量が大きくなるようにする。また、転舵特性切換え制御手段を、操舵ハンドルの操舵操作に対する転舵輪の転舵特性が、時間経過に従って徐々に変更されるように構成してもよい。さらに、転舵特性切換え制御手段を、操舵ハンドルの操舵操作に対する転舵輪の転舵特性が、イグニッションスイッチがオン操作された回数に関係して徐々に変更されるよう構成してもよい。より具体的には、イグニッションスイッチがオン操作するごとに、またはイグニッションスイッチが所定回数だけオン操作されるごとに、操舵ハンドルの操舵操作に対する転舵輪の転舵特性を変更するようにする。
これによれば、他方のアクチュエータによる転舵輪の転舵制御が不能になったときに断続器が接続状態に設定される場合でも、後述のように転舵特性切換え制御手段による他方の転舵アクチュエータの制御後に自動的に断続器が接続状態に設定される場合でも、操舵ハンドルの操舵操作に対する転舵輪の転舵特性が第2特性から第1特性に徐々に近づく。したがって、断続器が接続状態に設定された状態では、運転者は徐々に変化する転舵特性に慣れてきており、運転者は転舵特性の変化に対して違和感を覚えることがなくなるとともに、車両の操縦安定性も良好に保たれる。また、この徐々に変化する転舵特性により、運転者は転舵アクチュエータの異常を認識できるという効果も期待される。
また、本発明の他の特徴は、前記車両の操舵装置において、さらに、転舵特性切換え制御手段による他方の転舵アクチュエータの制御後に、断続器を接続状態に設定する接続制御手段を設けたことにある。これによれば、他方のアクチュエータのみの過酷な使用によって同他方のアクチュエータに異常が発生する前に、操舵ハンドルが操舵伝達機構を介して転舵輪に自動的に機械連結されるので、車両の良好なフェイルセーフが確保される。
また、本発明の他の特徴は、さらに、接続制御手段によって断続器が接続状態に設定された後、操舵ハンドルの操舵操作に応じた転舵輪の転舵をアシストするように、他方の転舵アクチュエータの作動を制御するアシスト制御手段を設けたことにある。これによれば、操舵ハンドルが操舵伝達機構を介して転舵輪に自動的に機械連結された後には、運転者による操舵ハンドルの操舵操作が他方のアクチュエータの作動によりアシストされるので、運転者は操舵ハンドルを軽快に操舵操作することができるようになる。
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明すると、図1は、本発明に係る車両の操舵装置の全体概略図である。
この車両の操舵装置は、操舵ハンドル11に上端を一体回転するように接続したステアリングシャフト12を備え、同シャフト12の下端にはピニオンギヤ13が一体回転するように接続されている。ピニオンギヤ13は、ラックバー14に形成されたラック歯と噛み合ってラックアンドピニオン機構を構成する。ラックバー14の両端には左右前輪FW1,FW2が転舵可能に接続されており、左右前輪FW1,FW2はステアリングシャフト12の軸線回りの回転に伴うラックバー14の軸線方向の変位に応じて左右に転舵される。これらのステアリングシャフト12、ピニオンギヤ13、ラックバー14などが、本発明の操舵伝達機構を構成する。
ステアリングシャフト12には、断続器としての電磁クラッチ15が介装されている。電磁クラッチ15は、非通電状態にて切断状態に設定され、ステアリングシャフト12を上部と下部とに切り離す。また、電磁クラッチ15は、通電状態にて接続状態に設定され、ステアリングシャフト12の上部と下部とを機械的に連結する。また、ステアリングシャフト12には、電磁クラッチ15と操舵ハンドル11との間にて操舵反力用の電動モータ16も組み付けられている。この電動モータ16は、電磁クラッチ15の切断状態にて、操舵ハンドル11の操舵操作に対して操舵反力を付与する。ラックバー14には、転舵アシスト用の電動モータ21,22が組み付けられている。電動モータ21,22の回転は、ねじ送り機構24,25によって減速されるとともにラックバー14の直線運動に変換される。
次に、電磁クラッチ15および電動モータ16,21,22の作動を制御する電気制御装置30について説明する。電気制御装置30は、操舵角センサ31、転舵角センサ32および車速センサ33を備えている。操舵角センサ31は、ステアリングシャフト12の上部である操舵ハンドル11と電動モータ16との間に組み付けられて、操舵ハンドル11の中立位置からの軸線周りの回転角を検出してハンドル操舵角θとして出力する。転舵角センサ32は、ラックバー14の外周上にて図示しないハウジングに組み付けられ、ラックバー14の中立位置からの軸線方向の変位量を検出して左右前輪FW1,FW2の実転舵角δとして出力する。なお、これらのハンドル操舵角θおよび実転舵角δは、中立位置を「0」とし、右方向の角度を正の値で、左方向の角度を負の値でそれぞれ表す。車速センサ33は、車速Vを検出して出力する。
また、電気制御装置30は、互いに接続された第1転舵用電子制御ユニット(以下、第1転舵用ECUという)34、第2転舵用電子制御ユニット(以下、第2転舵用ECUという)および操舵反力用電子制御ユニット(以下、操舵反力用ECUという)36を備えている。第1転舵用ECU34および第2転舵用ECU35には、操舵角センサ31、転舵角センサ32および車速センサ33がそれぞれ接続されている。操舵反力用ECU36には、操舵角センサ31および車速センサ33が接続されている。これらのECU34〜36は、いずれもCPU,ROM、RAMなどからなるマイクロコンピュータを主要構成部品としている。
第1転舵用ECU34は、図2の第1系統制御プログラム(図4の切換え制御ルーチンを含む)を所定の短時間ごとに繰り返し実行することにより、駆動回路37を介して電動モータ21の作動を制御するとともに、スイッチ回路41を制御する。第2転舵用ECU35は、図3の第2系統制御プログラム(図4の切換え制御ルーチンを含む)を所定の短時間ごとに繰り返し実行することにより、駆動回路38を介して電動モータ22の作動を制御するとともに、スイッチ回路42を制御する。操舵反力用ECU36は、図示しない操舵反力制御プログラムを所定の短時間ごとに繰り返し実行することにより、駆動回路39を介して電動モータ16の作動を制御する。駆動回路37〜39は、ECU34〜36により制御されて、電動モータ21,22,16を駆動制御する。スイッチ回路41,42は、図示しない電源回路と電磁クラッチ15との間に直列接続されていて、電源回路から電磁クラッチ15への通電および非通電を制御する。
次に、上記のように構成した実施形態の動作について説明する。第1および第2転舵用ECU34,35は、イグニッションスイッチの投入により、第1および第2系統制御プログラムを所定の短時間ごとに繰り返し実行し始める。また、操舵反力用ECU36は、図示しない操舵反力制御プログラムを所定の短時間ごとに繰り返し実行し始める。
第1系統制御プログラムの実行は図2のステップS10にて開始され、第1転舵用ECU34は、ステップS11にて第1フェイルフラグFAL1が“0”であるかを判定する。この第1フェイルフラグFAL1は、“0”により電動モータ21および駆動回路37を含む第1転舵制御系統による左右前輪FW1,FW2の転舵が可能状態にあることを表し、“1”により同第1転舵制御系統による左右前輪FW1,FW2の転舵が不能状態にあること(すなわち第1転舵制御系統のフェイル状態)を表している。なお、この第1フェイルフラグFAL1は、イグニッションスイッチがオフされても、その値が保持されるように、第1転舵用ECU34の非作動時には不揮発性のメモリ領域に記憶保持されるものである。
まず、第1フェイルフラグFAL1が“0”である状態について説明すると、第1転舵用ECU34は、ステップS11にて「Yes」と判定して、ステップS12にて第1転舵制御系統がフェイルしているかを判定する。この場合、第1転舵用ECU34は、電動モータ21の断線、短絡、その他の異常を駆動回路37からの信号を入力して、電動モータ21および駆動回路37を含む第1転舵制御系統に異常が発生しているかを判定する。次に、第1転舵用ECU34は、ステップS13にて前記ステップS12の処理によってフェイルが検出されたかを判定する。この場合も、ステップS12,S13の判定処理によってフェイルが検出されなかった場合について説明を続ける。このステップS13での「No」との判定後、第1転舵用ECU34はステップS14にて第1フェイルフラグFAL1を“0”に設定して、ステップS15以降の処理を実行する。なお、このように第1フェイルフラグFAL1が“0”に設定されている状態、すなわち第1転舵制御系統にフェイルが発生していない状態では、スイッチ回路41はオフ状態に初期設定されていて、電磁クラッチ15は非通電状態にある。したがって、電磁クラッチ15は切断状態にあり、ステアリングシャフト12の上部と下部とは切り離されている。
ステップS15においては、第1転舵用ECU34は、操舵角センサ31、転舵角センサ32および車速センサ33から、ハンドル操舵角θ、実転舵角δおよび車速Vをそれぞれ入力するとともに、後述するように第2転舵用ECU35から出力される第2フェイルフラグFAL2を入力する。次に、ステップS16にて、前記入力した第2フェイルフラグFAL2が“0”であるかを判定する。この第2フェイルフラグFAL2は、“0”により電動モータ22および駆動回路38を含む第2転舵制御系統による左右前輪FW1,FW2の転舵が可能状態にあることを表し、“1”により同第2転舵制御系統による左右前輪FW1,FW2の転舵が不能状態にあること(すなわち第2転舵制御系統のフェイル状態)を表している。なお、この第2フェイルフラグFAL2も、イグニッションスイッチがオフされても、その値が保持されるように、第2転舵用ECU35の非作動時には不揮発性のメモリ領域に記憶保持されるものである。そして、この場合も、第2転舵制御系統がフェイルしておらず、第2フェイルフラグFAL2が“0”であるとして説明を続ける。
したがって、第1転舵用ECU34は、ステップS16にて「Yes」と判定して、ステップS17以降の処理を実行する。ステップS17においては、ROM内に記憶されている第1転舵角テーブルを参照して、ハンドル操舵角θに応じて変化するステヤバイワイヤ用の目標転舵角δa*を計算し、同計算したステヤバイワイヤ用の目標転舵角δa*を目標転舵角δ*として設定する。第1転舵角テーブルは、図5に実線で示すように、ハンドル操舵角θの増加に従って非線形に増加するステヤバイワイヤ用の目標転舵角δa*を記憶している。このステヤバイワイヤ用の目標転舵角δa*のハンドル操舵角θに対する変化率は、ハンドル操舵角θの絶対値|θ|の小さな範囲内で小さく、ハンドル操舵角θの絶対値|θ|が大きくなると大きくなるように設定されている。なお、この第1転舵角テーブルを利用するのに代えて、ハンドル操舵角θとステヤバイワイヤ用の目標転舵角δa*との関係を示す関数を予め用意しておき、同関数を利用してステヤバイワイヤ用の目標転舵角δa*を計算するようにしてもよい。
次に、第1転舵用ECU34は、ステップS18にて、ROM内に記憶されている車速係数テーブルを参照して、車速Vに応じて変化するステヤバイワイヤ用の車速係数Kaをを計算し、同計算したステヤバイワイヤ用の車速係数Kaを車速係数Kとして設定する。車速係数テーブルは、図6に実線で示すように、車速Vの小さな範囲内で「1」よりも大きく、車速Vの大きな範囲内で「1」よりも小さく、車速Vの増加に従って「1」を挟んで非線形に減少するステヤバイワイヤ用の車速係数Kaを記憶している。なお、この車速係数テーブルを利用するのに代えて、車速Vとステヤバイワイヤ用の車速係数Kaとの関係を示す関数を予め用意しておき、同関数を利用してステヤバイワイヤ用の車速係数Kaを計算するようにしてもよい。
これらの目標転舵角δ*および車速係数Kの決定後、第1転舵用ECU34は、ステップS19にて、下記式1の演算の実行により、目標転舵角δ*を車速係数Kで補正して最終的な目標転舵角δ*とする。
δ*=K・δ* …式1
そして、ステップS20にて、実転舵角δが最終的な目標転舵角δ*に等しくなるように、両転舵角δ*,δの差δ*−δに応じて駆動回路37を介して電動モータ21の回転を制御する。これにより、電動モータ21は回転駆動され、ねじ送り機構24を介してラックバー14を軸線方向に駆動して、左右前輪FW1,FW2を目標転舵角δ*に転舵する。
このような転舵制御により、図5の実線で示すように、左右前輪FW1,FW2は、ハンドル操舵角θの小さな範囲で同操舵角θの変化に対して小さく転舵され、ハンドル操舵角θの大きな範囲で同操舵角θの変化に対して大きく転舵される。その結果、操舵ハンドル11の持ち替えなして左右前輪FW1,FW2は大きな転舵角まで転舵される。また、図6の実線で示すように、左右前輪FW1,FW2は、車速Vが小さいときにはハンドル操舵角θに対して大きく転舵され、車速Vが大きくなるとハンドル操舵角θに対して小さく転舵される。前記ステップS20の処理後、第1転舵用ECU34は、ステップS21にて第1フェイルフラグFAL1を第2転舵用ECU35に出力して、ステップS26にて第1系統制御プログラムの実行を終了する。
一方、この第1系統制御プログラムの実行に並行して、第2転舵用ECU35は、図3の第2系統制御プログラムを所定の短時間ごとに繰り返し実行している。この第2系統制御プログラムは、前記第1系統制御プログラムと同様に構成されており、ステップS31〜S41の処理は前述したステップS11〜S21の処理にそれぞれ対応している。また、第2転舵用ECU35には、前述した第1転舵角テーブル(図5の実線参照)および車速係数テーブル(図6の実線参照)も記憶されている。
そして、ステップS31〜S41の処理においては、第2転舵用ECU34は、電動モータ22の断線、短絡、その他の異常を駆動回路38からの信号を入力して、電動モータ22および駆動回路38を含む第2転舵制御系統に異常が発生しているかを判定する。そして、ステップS33,S34の処理により、第2フェイルフラグFAL2の設定処理を実行する。また、ステップS35〜S40の処理により、第1転舵制御系統にフェイルが発生していなくて第1フェイルフラグFAL1が“0”であることを条件に、第2転舵用ECU35は、駆動回路38との協働により、左右前輪FW1,FW2を目標転舵角δ*に転舵する。なお、第2フェイルフラグFAL2が“0”に設定されている場合には、スイッチ回路42は、前記スイッチ回路41の場合と同様に、オフ状態に初期設定されたままである。したがって、左右前輪FW1,FW2は、第1および第2転舵制御系統の両者によって並列的に転舵制御される。そして、ステップS41においては、第2転舵用ECU35は、第1転舵用ECU34に対して第2フェイルフラグFAL2を出力する。
また、このように電磁クラッチ15が切断状態にある場合には、操舵反力用ECUは、図示しないプログラムの実行によりハンドル操舵角θおよび車速Vに応じて操舵反力用の電動モータ16の作動を駆動回路39を介して制御する。したがって、この状態では、操舵ハンドル11の回動操作に対して、電動モータ16による駆動力が操舵反力として付与される。その結果、運転者は、適度な操舵反力を感じながら、操舵ハンドル11を回動操作できる。
次に、第1および第2転舵制御系統のうちのいずれか一方、例えば第2転舵制御系統にフェイルが発生した場合について説明する。この場合、第2転舵用ECU35は、図3のステップS33にて「Yes」と判定して、ステップS42にて第2フェイルフラグFAL2を“1”に設定し、ステップS43にて電動モータ22の作動制御を中止して電動モータ22の作動を停止させる。次に、第2転舵用ECU35は、ステップS44にてスイッチ回路42をオン状態に切り換える。前記ステップS44の処理後、第2転舵用ECU35は、ステップS41にて、前記“1”に設定された第2フェイルフラグFAL2を第1転舵用ECU34に出力して、ステップS46にてこの第2系統制御プログラムの実行を一旦終了する。
そして、第2系統制御プログラムが次に実行された際には、第2転舵用ECU35は、ステップS31にて「No」すなわち第2フェイルフラグFAL2が“0”でないと判定し、前述したステップS43、S44,S41の処理を実行して、ステップS46にてこの第2系統制御プログラムの実行を終了する。なお、車両停止後のイグニッションスイッチの新たな投入により、第2転舵用ECU35が第2系統制御プログラムを実行する場合にも、第2フェイルフラグFAL2は“1”に設定されているので、ステップS43,S44,S41の処理が実行される。したがって、これ以降、左右前輪FW1,FW2は、第1転舵制御系統のみによって転舵制御されるようになるとともに、スイッチ回路42がオン状態に維持される。
一方、図2の第1制御プログラムにおいては、第1転舵用ECU34は、ステップS15の処理により“1”に設定されている第2フェイルフラグFAL2を入力し、ステップS16にて同第2フェイルフラグFAL2に基づいて「No」と判定して、ステップS25の切換え制御ルーチンを実行し始める。
切換え制御ルーチンは図4に詳細に示されているように、その実行がステップS50にて開始される。そして、第1転舵用ECU34は、ステップS51にて操舵ハンドル11が所定操舵角以上に操舵されたか、すなわちハンドル操舵角θの絶対値|θ|が所定値よりも小さな値から所定値以上に変化したかを判定する。より具体的には、前回の切換え制御ルーチンの実行時のハンドル操舵角θの絶対値|θ|が所定値未満であり、今回の切換え制御ルーチンの実行時のハンドル操舵角θの絶対値|θ|が所定値以上であることを判定する。この条件が成立すれば、第1転舵用ECU34は、ステップS51にて「Yes」と判定して、ステップS52〜S56の処理の実行後、プログラムをステップS57以降に進める。一方、前記条件が成立しなければ、ステップS51にて「No」と判定してプログラムをステップS57以降に直接進める。
ステップS52においては変数mに「1」を加算し、ステップS53にて変数mが予め決められた所定値M以上であるかを判定する。変数mは、操舵ハンドル11が所定操舵角以上に操舵された回数をカウントするもので、初期には「0」に設定されている。所定値Mは、後述する左右前輪FW1,FW2のハンドル操舵角θに対する転舵特性を更新する速さを規定するもので、予め決められた正の整数値に設定されている。いま、変数mが所定値M以上でなければ、ステップS53にて「No」と判定してプログラムをステップS57に進める。変数mが所定値M以上であれば、ステップS53にて「Yes」と判定して、ステップS54にて変数mを「0」に初期設定し、ステップS55にて変数nが所定値N以上であるかを判定する。変数nは、左右前輪FW1,FW2のハンドル操舵角θに対する転舵特性を変更するための変数で、初期には「1」に設定されている。所定値Nは、左右前輪FW1,FW2のハンドル操舵角θに対する転舵特性の変更量を規定するもので、予め決められた正の整数値に設定されている。
いま、変数nが所定値N以上であれば、ステップS55にて「Yes」と判定してプログラムをステップS57に進める。変数nが所定値N以上でなければ、ステップS55にて「No」と判定して、ステップS56にて変数nに「1」を加算して、プログラムをステップS57に進める。これらのステップS51〜56の処理により、操舵ハンドル11が所定操舵角以上に操舵された回数がM回になるごとに、変数nが「1」から順次「1」ずつ所定値Nまで増加する。なお、この場合、所定値Mを「1」に設定すれば、変数nは操舵ハンドル11が所定操舵角以上に操舵されるごとに「1」ずつ増加する。
ステップS57においては、第1転舵用ECU34が、前記ステップS17の処理と同様にして、ROM内に記憶されている第1転舵角テーブルを参照して、ハンドル操舵角θに応じて変化するステヤバイワイヤ用の目標転舵角δa*を計算し、同計算したステヤバイワイヤ用の目標転舵角δa*を第1目標転舵角δ1*として設定する。また、同ステップS57においては、ROM内に記憶されている第2転舵角テーブルを参照して、ハンドル操舵角θに応じて変化する機械連結ステア用の目標転舵角δb*を計算し、同計算した機械連結ステア用の目標転舵角δb*を第2目標転舵角δ2*として設定する。第2転舵角テーブルは、図5に破線で示すように、ハンドル操舵角θの増加に従って線形に増加する機械連結ステア用の目標転舵角δb*を記憶している。なお、この第2転舵角テーブルを利用するのに代えて、ハンドル操舵角θと機械連結ステア用の目標転舵角δb*との関係を示す関数を予め用意しておき、同関数を利用して機械連結ステア用の目標転舵角δb*を計算するようにしてもよい。
次に、第1転舵用ECU34は、ステップS58にて、前記ステップS18の処理と同様にして、ROM内に記憶されている車速係数テーブルを参照して、車速Vに応じて変化するステヤバイワイヤ用の車速係数Kaを計算し、同計算したステヤバイワイヤ用の車速係数Kaを第1車速係数K1として設定する。また、同ステップS58においては、第2車速係数K2を定数Kbに設定する。この定数Kbは、図6に破線で示されているように、「1.0」に設定されている。
これらの第1および第2目標転舵角δ1*,δ2*ならびに第1および第2車速係数K1,K2の決定後、第1転舵用ECU34は、ステップS59にて、下記式2の演算の実行により最終的な目標転舵角δ*を計算する。
δ*={K1+n・(K2−K1)/N}・{δ1*+n・(δ2*−δ1*)/N} …式2
この式2の演算の実行により、変数nが「1」から所定値Nまで変化するに従って、第1目標転舵角δ1*から第2目標転舵角δ2*まで徐々に変化する目標転舵角δ*が計算される。
そして、ステップS60にて、前記ステップS20の処理と同様にして、実転舵角δが前記目標転舵角δ*に等しくなるように、両転舵角δ*,δの差δ*−δに応じて駆動回路37を介して電動モータ21の回転を制御する。したがって、左右前輪FW1,FW2は目標転舵角δ*に転舵される。この場合、前述のように、変数nは操舵ハンドル11の所定操舵角以上の操舵回数の増加に従って「1」から所定値Nまで増加し、変数nの「1」から所定値Nまで増加に従って、目標転舵角δ*は第1目標転舵角δ1*から第2目標転舵角δ2*まで徐々に変化するので、第2転舵制御系統にフェイルが発生した場合には、左右前輪FW1,FW2は第1制御系統によってステヤバイワイヤ用の第1目標転舵角δ1*から機械連結ステア用の第2目標転舵角δ2*まで徐々に変化する。
このような転舵制御により、第1転舵制御系統の負荷が大きくなり、第1制御系統にフェイルが発生した場合には、第1転舵用ECU34は、ステップS13にて「Yes」と判定して、ステップS22にて第1フェイルフラグFAL1を“1”に設定し、ステップS23にて電動モータ21の作動制御を中止して電動モータ21の作動を停止させる。次に、第1転舵用ECU35は、ステップS24にてスイッチ回路41をオン状態に切り換える。前記ステップS24の処理後、第1転舵用ECU35は、ステップS21にて、前記“1”に設定された第1フェイルフラグFAL1を第2転舵用ECU34に出力した後、ステップS26にてこの第1系統制御プログラムの実行を一旦終了する。
そして、第1系統制御プログラムが次に実行された際には、第1転舵用ECU34は、ステップS11にて「No」すなわち第1フェイルフラグFAL1が“0”でないと判定し、前述したステップS23,S24,S21の処理を実行して、ステップS26にてこの第1系統制御プログラムの実行を終了する。なお、車両停止後のイグニッションスイッチの新たな投入により、第1転舵用ECU34が第1系統制御プログラムを実行する場合にも、第1フェイルフラグFAL1は“1”に設定されているので、ステップS23,S24,S21の処理が実行される。したがって、これ以降、左右前輪FW1,FW2は、第1および第2転舵制御系統によって転舵制御されなくなるとともに、スイッチ回路41がオン状態に維持される。
そして、スイッチ回路41,42が共にオン状態に設定されるので、電磁クラッチ15は通電制御されて接続状態に設定される。これにより、ステアリングシャフト12の上部と下部とは機械的に連結され、操舵ハンドル11の回動操作は、ステアリングシャフト12を介してピニオンギヤ13およびラックバー14に機械的に伝達されるようになる。その結果、左右前輪FW1,FW2は、操舵ハンドル11の回動操作により機械的に操舵され、その転舵角δはハンドル操舵角θに対して線形変化する。
このハンドル操舵角θに対する転舵角δの変化特性、すなわち操舵ハンドル11の操舵操作に対する左右前輪FW1,FW2の転舵特性は、図5の破線で示すものと同じである。したがって、第1および第2転舵制御系統のフェイルにより、電磁クラッチ15が切断状態から接続状態に切り換えられて、左右前輪FW1,FW2の転舵がステヤバイワイヤ方式から機械連結方式の転舵に切り換えられても、操舵ハンドル11の操舵操作に対する左右前輪FW1,FW2の転舵特性が変化することはないので、運転者は違和感を覚えない。また、この転舵特性は、第2転舵制御系統にフェイルが発生してから、ステヤバイワイヤ方式の転舵特性から機械連結方式の転舵特性に徐々に近づくように変更されるので、運転者は徐々に変化する転舵特性に慣れてきており、運転者は転舵特性の変化に違和感を覚えることがなくなるとともに、車両の操縦安定性も良好に保たれる。また、この徐々に変化する操舵特性により、運転者は転舵アクチュエータの異常を認識できるという効果も期待される。
また、このとき、操舵反力用ECU36は、操舵反力用の電動モータ16の作動制御を中止して、電動モータ16による反力付与を停止する。さらに、この電動モータ16の反力付与の停止に代えて、図示しないプログラムの実行により操舵ハンドル11の回動操作による左右前輪FW1,FW2の転舵をアシストするように電動モータ16の作動を制御するようにしてもよい。
一方、第1転舵制御系統に先にフェイルが発生した場合には、第1転舵用ECU34が、図3のステップS13にて「Yes」と判定して、ステップS22,S21の処理により第1フェイルフラグFAL1を“1”に設定して第2転舵用ECU35に出力するとともに、ステップS23の処理により電動モータ21による左右前輪FW1,FW2の転舵を中止する。また、ステップS24の処理により、電磁クラッチ15用のスイッチ回路41をオン状態に設定する。
そして、第2転舵用ECU34は、ステップS35,S36の処理により、ステップS45の切換え制御ルーチンの実行を開始する。この第2転舵用ECU34による切換え制御ルーチンは、電動モータ22の作動を制御することを除けば、前記第1転舵用ECU34が実行する図4の切換え制御ルーチンと同じである。したがって、左右前輪FW1,FW2は、第2転舵用ECUにより、ステヤバイワイヤ用の第1目標転舵角δ1*から機械連結ステア用の第2目標転舵角δ2*まで徐々に変化する転舵角に転舵される。
また、このような第2転舵用ECU35の転舵制御により、第2転舵制御系統の負荷が大きくなり、第2制御系統にフェイルが発生した場合には、第2転舵用ECU35は、ステップS33にて「Yes」と判定し、ステップS43の処理により電動モータ21の作動を停止させとともに、ステップS44の処理によりスイッチ回路42をオン状態に切り換える。したがって、この場合も、第1および第2転舵制御系統のフェイルにより、電磁クラッチ15が切断状態から接続状態に切り換えられ、左右前輪FW1,FW2の転舵がステヤバイワイヤ方式から機械連結方式の転舵に切り換えられる。このように作動する結果、第1転舵制御系統に先にフェイルが発生した場合にも、上述した第2転舵制御系統に先にフェイルが発生した場合と同様な効果が期待される。
次に、上記切換え制御ルーチンの一部を変形した変形例について説明する。この変形例に係る切換え制御ルーチンは図7に示されており、上述した図4の切換え制御ルーチンに比べて、ステップS71〜S75の処理が追加されている。この変形例に係る切換え制御ルーチンにおいては、その実行開始後、第1転舵用ECU34(または第2転舵用ECU35)は、ステップS71にてアシストフラグASTが“0”であるか否かを判定する。このアシストフラグASTは、“0”により非アシスト状態を表すとともに“1”によりアシスト状態を表し、初期には“0”に設定されている。なお、このアシストフラグASTも、イグニッションスイッチがオフされても消去されないように、第1転舵用ECU34(または第2転舵用ECU35)の非作動時には不揮発性メモリに記憶されている。アシスト状態とは、第1および第2転舵制御系統の一方の系統にフェイルが発生した場合に、フェイルの発生していない他方の系統の電動モータ21または22を、操舵ハンドル11の回動操作による左右前輪FW1,FW2の転舵のアシストに利用することを意味する。
いま、アシストフラグASTが“0”であれば、ステップS51以降の処理が実行される。第1転舵制御系統(または第2転舵制御系統)にフェイルが発生した時点から、第1転舵用ECU34(または第2転舵用ECU35)がステップS51〜S61の処理を実行して、操舵ハンドル11の操舵操作に対する左右前輪FW1,FW2の転舵特性を、ステヤバイワイヤ方式の転舵特性から機械連結ステア式の転舵特性に徐々に変更する点については上記実施形態と同じである。この場合、変数nが所定値Nになると、ステップS55にて「Yes」と判定され、第1転舵用ECU34(または第2転舵用ECU35)がステップS72,S73の処理を実行する。
ステップS72においては、第1転舵用ECU34(または第2転舵用ECU35)が、電磁クラッチ15用のスイッチ回路41(またはスイッチ回路42)をオン状態に切り換える。この場合、第1転舵用ECU34(または第2転舵用ECU35)が切換え制御ルーチンを実行し始めた時点で、他方の転舵制御系統に係るスイッチ回路42(またはスイッチ回路41)は既にオン状態に設定されている。したがって、この変形例では、左右前輪FW1,FW2の転舵特性をステヤバイワイヤ方式の転舵特性から機械連結ステア式の転舵特性に変更処理した後、電磁クラッチ15が通電されてステアリングシャフト12の上部と下部とが機械的に連結される。その結果、この変形例では、第1および第2転舵制御系統の両者にフェイルが発生する前に機械連結式の転舵態様に変更される。
前記ステップS72の処理後、ステップS73にてアシストフラグASTが“1”に設定される。そして、以降の切換え制御ルーチンの実行時には、ステップS71にて「No」と判定されて、ステップS74,S75の処理を実行し始める。ステップS74においては、第1転舵用ECU34(または第2転舵用ECU35)は、ROM内に設けられているアシスト指令値テーブルを参照して、ハンドル操舵角θおよび車速Vに応じて変化する目標アシストトルクAT*を計算する。このアシスト指令値テーブルは、図8に示すように、複数の代表的な車速値ごとに、ハンドル操舵角θの増加に従って非線形増加する複数の目標アシストトルクAT*を記憶している。なお、このアシスト指令値テーブルを利用するのに代えて、ハンドル操舵角θおよび車速Vに応じて変化する目標アシストトルクTA*を関数により予め定義しておき、同関数を利用して目標アシストトルクTA*を計算するようにしてもよい。
そして、第1転舵用ECU34(または第2転舵用ECU35)は、ステップS75にて、駆動回路37(または駆動回路38)を介して電動モータ21(または電動モータ22)を制御して、前記計算した目標アシストトルクAT*が発生されるように電動モータ21(または電動モータ22)を作動させる。これにより、操舵ハンドル11の回動操作が電動モータ21(または電動モータ22)によりアシストされるようになる。なお、この場合も、電磁クラッチ15が接続状態に切り換えられた時点で、操舵反力用の電動モータ16の作動を停止制御するか、電動モータ16に操舵アシスト力を発生させるようにその作動を制御する。
このように変形例に係る車両の操舵装置においては、一方の転舵制御系統のフェイル時には、他方の転舵制御系統により、操舵ハンドル11の操舵操作に対する左右前輪FW1,FW2の転舵特性を、ステヤバイワイヤ方式の転舵特性から機械連結方式の転舵特性に徐々に変更した後、左右前輪FW1,FW2の転舵が機械連結式に切り換えられる。そして、前記切り換えられた操舵ハンドルの操舵操作による左右前輪FW1,FW2の転舵が他方の転舵制御系統によってアシストされる。これによれば、他方の転舵制御系統に属する電動モータ21(または電動モータ22)の過酷な使用によって他方の転舵制御系統にフェイルが発生する前に、機械連結式の転舵態様に切り換えられるので、車両の良好なフェイルセーフが確保される。また、運転者による操舵ハンドル11の操舵操作が他方の転舵制御系統によってアシストされるので、運転者は操舵ハンドル11を軽快に操舵操作することができるようになる。
さらに、本発明は上記実施形態および変形例に限定されることなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。
例えば、上記実施形態および変形例においては、左右前輪FW1,FW2のステヤバイワイヤ用の転舵特性から機械連結用の転舵特性への転舵特性の変更量を、操舵ハンドル11が所定角以上に操舵された回数の増加に従って増加させるようにした。しかし、これに代えて、操舵ハンドル11が所定角以上に操舵されている時間が増加するに従って、前記転舵特性の変化量を増加するようにしてもよい。この場合、図4および図7の切換え制御ルーチンにおけるステップS51〜S56の処理を、操舵ハンドル11が所定角以上に操舵されている累算時間が増加するに従って変数nが大きな値になるように変更すればよい。また、この場合にも、上記実施形態および変形例の場合にも、操舵されたときの操舵ハンドル11の操舵角が大きいほど前記変数nの増加速度が速くなるようにして、操舵されたときの操舵ハンドル11の操舵角が大きいほど前記転舵特性が速く変更されるようにしてもよい。
また、前記転舵特性が、単純に時間の経過に従って変更されるようにしてもよい。この場合も、ステップS51〜S56の処理を、切換え制御ルーチンが実行されるようになってからの累算時間が増加するに従って、変数nが増加するような処理に変更すればよい。また、前記転舵特性が、イグニッションスイッチのオン操作の回数に応じて徐々に変更されるようにしてもよい。この場合も、ステップS51〜S56の処理を、切換え制御ルーチンが実行されるようになった後、イグニッションスイッチがオン操作されるごとに、またはイグニッションスイッチが所定回数だけオン操作されるごとに、変数nを増加させる処理に変更すればよい。
さらに、上記実施形態および変形例においては、操舵ハンドル11として回動操作されるものを採用した。しかし、この操舵ハンドル11に代えて、例えばジョイスティックなどのように直線的な操作により左右前輪FW1,FW2を転舵させる操舵ハンドルを利用した車両の操舵装置にも本発明は適用される。
本発明の一実施形態に係る車両の操舵装置の全体概略図である。 図1の第1転舵用ECUにより実行される第1系統制御プログラムのフローチャートである。 図1の第2転舵用ECUにより実行される第2系統制御プログラムのフローチャートである。 図2,3の切換え制御ルーチンの詳細を示すフローチャートである。 ハンドル操舵角と目標転舵角との関係を示すグラフである。 車速と車速係数との関係を示すグラフである。 上記実施形態の変形例に係る切換え制御ルーチンの詳細を示すフローチャートである。 同変形例に係り、ハンドル操舵角、車速および目標アシストトルクの関係を示すグラフである。
符号の説明
11…操舵ハンドル、12…ステアリングシャフト、13…ピニオンギヤ、14…ラックバー、15…電磁クラッチ、16,21,22…電動モータ、31…操舵角センサ、32…転舵角センサ、33…車速センサ、34,35…転舵用ECU、36…操舵反力用ECU、41,42…スイッチ回路。

Claims (6)

  1. 操舵ハンドルと転舵輪とを機械的に連結して操舵ハンドルの操舵操作を機械的に転舵輪に伝達し、操舵ハンドルの操舵操作に対して所定の第1特性で転舵輪を転舵する操舵伝達機構と、
    接続状態にて操舵ハンドルと転舵輪とを機械的に連結するとともに切断状態にて前記機械的な連結を解除する断続器と、
    前記操舵伝達機構内において前記断続器に対して転舵輪側に設けられ、前記断続器が切断状態にあるとき転舵輪を転舵する第1および第2転舵アクチュエータと、
    操舵ハンドルの操舵操作に応じて前記第1および第2転舵アクチュエータの作動を制御し、操舵ハンドルの操舵操作に対して前記第1特性とは異なる所定の第2特性で転舵輪を転舵する転舵制御手段と、
    前記第1および第2転舵アクチュエータのうちのいずれか一方の転舵アクチュエータによる転舵輪の転舵が不能になったことを検出するフェイル検出手段と、
    前記フェイル検出手段によって前記一方の転舵アクチュエータによる転舵輪の転舵が不能になったことが検出されたとき、操舵ハンドルの操舵操作に対する転舵輪の転舵特性が前記第2特性から前記第1特性に徐々に近づくように、前記第1および第2転舵アクチュエータのうちの他方の転舵アクチュエータの作動を制御する転舵特性切換え制御手段とを設けたことを特徴とする車両の操舵装置。
  2. 前記転舵特性切換え制御手段は、操舵ハンドルの操舵操作に対する転舵輪の転舵特性を、操舵ハンドルの操舵操作に関係して徐々に変更するものである請求項1に記載した車両の操舵装置。
  3. 前記転舵特性切換え制御手段は、操舵ハンドルの操舵操作に対する転舵輪の転舵特性を、時間経過に従って徐々に変更するものである請求項1に記載した車両の操舵装置。
  4. 前記転舵特性切換え制御手段は、操舵ハンドルの操舵操作に対する転舵輪の転舵特性を、イグニッションスイッチがオン操作された回数に関係して徐々に変更するものである請求項1に記載した車両の操舵装置。
  5. 請求項1ないし4のうちのいずれか一つに記載した車両の操舵装置において、さらに、
    前記転舵特性切換え制御手段による前記他方の転舵アクチュエータの制御後に、前記断続器を接続状態に設定する接続制御手段を設けたことを特徴とする車両の操舵装置。
  6. 請求項5に記載した車両の操舵装置において、さらに、
    前記接続制御手段によって前記断続器が接続状態に設定された後、操舵ハンドルの操舵操作に応じた転舵輪の転舵をアシストするように、前記他方の転舵アクチュエータの作動を制御するアシスト制御手段を設けたことを特徴とする車両の操舵装置。
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