JP4222282B2 - 車両の操舵装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ステアバイワイヤ方式の車両の操舵装置に関する。
従来から、操舵ハンドルと転舵輪とを機械的に分離し、操舵ハンドルの操舵操作に応じて転舵輪側に設けた電気アクチュエータを作動制御して転舵輪を転舵すると同時に、操舵ハンドルの操舵操作に応じて操舵ハンドル側に設けた電気アクチュエータを作動制御して操舵反力を付与するようにしたステヤバイワイヤ方式を採用した車両の操舵装置はよく知られている。そして、この種の操舵装置においては、例えば下記特許文献1に示されているように、操舵ハンドルに接続された入力部材と転舵輪に接続された出力部材との間に中間部材を設け、入力部材と中間部材の間に第1電磁クラッチを設けるとともに、中間部材と出力部材の間に第2電磁クラッチを設け、また中間部材には第1電動モータを接続するとともに、出力部材には第2電動モータを接続するようにしている。そして、通常時には第1電磁クラッチを接続状態に設定するとともに第2電磁クラッチを切断状態に設定して、第1電動モータによって操舵反力を操舵ハンドルに付与するとともに、第2電動モータによって転舵輪を転舵するようにしている。また、第2電動モータの異常時には、第1電磁クラッチを切断状態に設定するとともに、第2電磁クラッチを接続状態に設定して、第1電動モータによって転舵輪を転舵するようにしている。
特開2001−301639号公報
上記特許文献1には、電動モータの異常の検出に関しては言及されているが、電磁クラッチの異常に対する対処方法については言及されていない。
本発明は、上記問題に対処するためになされたもので、本発明の目的は、操舵ハンドル側の入力部材、転舵輪側の出力部材、およびそれらの中間の中間部材の各間に設けた第1および第2断続器の異常時に的確に対処するようにしたステアバイワイヤ方式の車両の操舵装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、操舵ハンドルに接続されて操舵ハンドルと連動して変位する入力部材と、転舵輪に接続されて転舵輪と連動して変位する出力部材と、入力部材と出力部材との間に設けられた中間部材と、入力部材と中間部材との間に介装されるとともに切断状態および接続状態に選択的に切換えられて、切断状態にて入力部材と中間部材を動力伝達不能に切り離し、接続状態にて入力部材と中間部材を動力伝達可能に連結する第1断続器と、中間部材と出力部材との間に介装されるとともに切断状態および接続状態に選択的に切換えられて、切断状態にて中間部材と出力部材を動力伝達不能に切り離し、接続状態にて中間部材と出力部材を動力伝達可能に連結する第2断続器と、入力部材または中間部材に接続されて同入力部材または同中間部材を変位させる第1電気アクチュエータと、出力部材に接続されて同出力部材を変位させる第2電気アクチュエータと、操舵ハンドルの操舵操作に応じて第1電気アクチュエータの作動を制御して操舵ハンドルの操舵操作に対して反力を付与する反力付与制御手段と、操舵ハンドルの操舵操作に応じて第2電気アクチュエータの作動を制御して転舵輪を転舵する転舵制御手段とを備えたステアバイワイヤ方式の車両の操舵装置において、第1および第2断続器の異常を検出する異常検出手段と、異常検出手段によって第1および第2断続器の一方が常時接続状態となる異常が検出されたとき、転舵制御手段を制御して、操舵ハンドルの操舵操作に応じた転舵輪の転舵特性を、第1および第2断続器を接続することによって操舵ハンドルから転舵輪まで機械的に連結された場合の操舵ハンドルの操舵操作に応じた転舵輪の転舵特性に変更する転舵特性変更手段とを設けたことにある。
この場合、反力付与制御手段は、例えば、操舵ハンドルの操舵角に応じた大きさの操舵反力を操舵ハンドルの操舵操作に付与するように第1電気アクチュエータの作動を制御するとよい。さらに、反力付与制御手段は、車速に応じて前記操舵反力を変更するようにしてもよい。また、転舵制御手段は、例えば、操舵ハンドルの操舵角に応じた大きさの転舵角に転舵輪を転舵するように第2電気アクチュエータを制御するとよい。さらに、転舵制御手段は、車速に応じて前記転舵角を変更するようにしてもよい。
第1および第2断続器の一方に常時接続状態となる異常が発生した状態で、他方の断続器にも常時接続状態となる異常が発生すると、操舵ハンドルから転舵輪までが機械的に連結される。そして、この状態では、転舵制御手段が第2電気アクチュエータを制御して転舵輪を転舵する転舵特性と、前記機械的な連結による操舵ハンドルの操舵操作に応じた転舵輪の転舵特性との相違により、操舵ハンドルが運転者の操舵操作とは無関係または運転者の意に反して第2電気アクチュエータによって駆動されるので、運転者は操舵ハンドルの操舵操作に違和感を覚える。しかし、前記本発明によれば、第1および第2断続器の両方に常時接続異常が発生する前に、転舵制御手段による転舵輪に対する転舵特性が、操舵ハンドルから転舵輪まで機械的に連結された場合の操舵ハンドルの操舵操作に応じた転舵輪の転舵特性に変更される。したがって、第1および第2断続器の両方に常時接続異常が発生して、操舵ハンドルが入力部材、中間部材および出力部材を介して転舵輪に機械的に連結されるような事態が発生しても、運転者は、操舵ハンドルの操舵感覚に違和感を覚えることなく、安全に車両を操縦できる。しかも、転舵特性変更手段による転舵輪の転舵特性は徐々に変更されるので、運転者による操舵ハンドルの操舵操作に対する転舵輪の転舵特性の変化が緩和され、操舵ハンドルの操舵操作に対する運転者の違和感が緩和される。
また、本発明の他の特徴は、転舵特性変更手段による転舵輪の転舵特性の変更は、転舵特性の変更前と変更後とにおいて転舵輪の転舵角が同じであることを条件に実行されるようにしたことにある。これによれば、運転者による操舵ハンドルの操舵操作とは無関係かつ急に、転舵輪の転舵状態が変更されることがなくなるので、運転者は、操舵ハンドルの操舵操作に対して違和感を覚えなくて済む。
さらに、本発明の他の特徴は、異常検出手段により第1および第2断続器の一方が常時切断状態となる異常が検出されたとき、車両の走行速度を制限または車両の走行を不可とする走行制限手段を、さらに設けたことにある。この場合、第1電気アクチュエータが入力部材に接続されていれば、第2電気アクチュエータに異常が発生すると、転舵輪の転舵が全く不可になる。また、第1電気アクチュエータが中間部材に接続されていても、第2断続器に常時切断状態となる異常が発生すれば、第2電気アクチュエータに異常が発生した時点で、転舵輪の転舵が全く不可になる。しかし、この本発明の他の特徴によれば、第1および第2断続器の一方が常時切断状態となる異常が検出されたとき、車両の走行速度が制限され、または車両の走行が不可とされるので、車両の走行安定性が確保される。
以下、本発明の一実施形態について図面を用いて説明すると、図1は、同第1実施形態に係る車両の操舵装置の全体概略図である。
この車両の操舵装置は、運転者によって操舵操作される操舵操作装置10と、転舵輪としての左右前輪FW1,FW2を前記運転者の操舵操作に応じて転舵する転舵装置20とを機械的に分離したステアバイワイヤ方式を採用している。操舵操作装置10は、運転者によって回動操作される操作部としての操舵ハンドル11を備えている。操舵ハンドル11は操舵入力軸12の上端に固定され、操舵入力軸12の下部には操舵反力用電動モータ(電気アクチュエータ)13が組み付けられている。操舵反力用電動モータ13は、減速機構14を介して操舵入力軸12を軸線周りに回転駆動する。
転舵装置20は、車両の左右方向に延びて配置されたラックバー21を備えている。このラックバー21の両端部には、図示省略したタイロッドおよびナックルアームを介して、左右前輪FW1,FW2が転舵可能に接続されている。左右前輪FW1,FW2は、ラックバー21の軸線方向の変位により左右に転舵される。ラックバー21の外周上には、図示しないハウジングに組み付けられた転舵用電動モータ(電気アクチュエータ)22が設けられている。転舵用電動モータ22の回転は、ねじ送り機構23により減速されるとともにラックバー21の軸線方向の変位に変換される。また、転舵装置20は、軸線周りに回転可能な操舵出力軸24も有している。操舵出力軸24の下端にはピニオンギヤ25が固定されており、同ピニオンギヤ25はラックバー21に設けたラック歯21aに噛み合っていて、操舵出力軸24の軸線周りの回転によりラックバー21が軸線方向に変位する。
操舵入力軸12と操舵出力軸24との間には中間部材としてのケーブル31が配置されている。ケーブル31は、操舵入力軸12の軸線周りの回転を操舵出力軸24に伝達するものである。このケーブル31の上端の固定部材31aと操舵入力軸12の下端との間には第1電磁クラッチ32が配置されている。第1電磁クラッチ32は、非通電状態にて切断状態に設定されてケーブル31と操舵入力軸12とを動力伝達不能に切り離し、通電状態にて接続状態に設定されてケーブル31と操舵入力軸12とを動力伝達可能に連結する。ケーブル31の下端の固定部材31bと操舵出力軸24の上端との間には第2電磁クラッチ33が配置されている。第2電磁クラッチ33は、非通電状態にて切断状態に設定されてケーブル31と操舵出力軸24とを動力伝達不能に切り離し、通電状態にて接続状態に設定されてケーブル31と操舵出力軸24とを動力伝達可能に連結する。
次に、操舵反力用電動モータ13、転舵用電動モータ22および電磁クラッチ32,33を検査するとともに制御する電気制御装置40について説明する。電気制御装置40は、操舵角センサ41、転舵角センサ42、回転角センサ43,44および車速センサ45を備えている。操舵角センサ41は、操舵入力軸12に組み付けられて、操舵入力軸12の軸線周りの回転を測定することにより、操舵ハンドル11の中立位置からの回転角を検出してハンドル操舵角θhとして出力する。なお、ハンドル操舵角θhは、操舵ハンドル11の中立位置を「0」とし、右方向の操舵角を正の値で表し、左方向の操舵角を負の値で表す。転舵角センサ42は、ラックバー21に組み付けられて、ラックバー21の軸線方向の変位を測定することにより、左右前輪FW1,FW2の実転舵角δを検出して出力する。なお、実転舵角δは、左右前輪FW1,FW2の中立位置を「0」とし、左右前輪FW1,FW2の右方向の転舵角を正の値で表し、左右前輪FW1,FW2の左方向の転舵角を負の値で表す。
回転角センサ43,44は、操舵反力用電動モータ13および転舵用電動モータ22にそれぞれ組み付けられ、これらの電動モータ13,24の基準位置からの回転角θm1,θm2をそれぞれ検出する。なお、これらの回転角θm1,θm2も、中立位置を「0」とし、操舵ハンドル11の右方向の操舵および左右前輪FW1,FW2の右方向の転舵に対応した方向の回転角を正の値でそれぞれ表し、操舵ハンドル11の左方向の操舵および左右前輪FW1,FW2の左方向の転舵に対応した方向の回転角を負の値でそれぞれ表す。なお、本実施形態では、回転角センサ43は操舵入力軸12の回転変位を検出するセンサとして機能し、回転角センサ44は操舵出力軸24の回転変位およびラックバー21の軸線方向の変位を検出するセンサとして機能する。車速センサ45は、車速Vを検出して出力する。
また、電気制御装置40は、互いに接続された検査用電子制御ユニット(以下、検査用ECUという)46、操舵反力用電子制御ユニット(以下、操舵反力用ECUという)47、および転舵用電子制御ユニット(以下、転舵用ECUという)48を備えている。検査用ECU46には、回転角センサ43,44が接続されている。操舵反力用ECU47には、操舵角センサ41および車速センサ45が接続されている。転舵用ECU48には、操舵角センサ41、転舵角センサ42および車速センサ45が接続されている。
これらのECU46〜48は、それぞれCPU,ROM,RAMなどからなるマイクロコンピュータを主要構成部品とする。検査用ECU46は、図2の検査プログラムを実行することにより、電磁クラッチ32,33の異常を検出する。検査用ECU46は、この検査プログラムに実行中、駆動回路51を介して第1および第2電磁クラッチ32,33を切換え制御するとともに、駆動回路52,53を介して操舵反力用電動モータ13および転舵用電動モータ22を駆動制御する。また、検査用ECU46は、第1または第2電磁クラッチ32,33の異常検出時には、警報器54に警報を発生させる。操舵反力用ECU47は、図3の操舵反力制御プログラムを実行して、駆動回路52を介して操舵反力用電動モータ13を駆動制御する。転舵用ECU48は、図4の転舵制御プログラムを実行して、駆動回路53を介して転舵用電動モータ22を駆動制御する。
また、ECU46〜48には、エンジン制御装置55も接続されている。エンジン制御装置55はCPU,ROM,RAMなどからなるマイクロコンピュータを内蔵しており、車速センサ45からの車速Vを入力し、検査用ECU46からの指示によりエンジンを制御して車両の走行速度を制御する。
次に、上記のように構成した実施形態の動作について説明する。イグニッションスイッチの投入により、検査用ECU46は、同イグニッションスイッチの投入直後において検査プログラムを1回だけ実行する。また、イグニッションスイッチの投入により、操舵反力用ECU47および転舵用ECU48は、操舵反力制御プログラムおよび転舵制御プログラムを所定の短時間ごとに繰り返し実行し始める。
検査プログラムの実行は図2のステップS10にて開始され、検査用ECU46は、ステップS11にて操舵反力用電動モータ13をロック状態に制御する。具体的には、検査用ECU46が、駆動回路52との協働により操舵反力用電動モータ13に静止磁界を発生させるための制御電流を流し、操舵反力用電動モータ13のロータを回転しない状態に保つ。なお、この操舵反力用電動モータ13のロック制御は、操舵入力軸12の軸線周りの回転変位を禁止したことを意味するもので、後述する転舵用電動モータ22の回転力によって操舵反力用電動モータ13が回転されないように、前記静止磁界を発生するための制御電流は大きな値に設定される。次に、検査用ECU46は、ステップS12にて、駆動回路51との協働により第1および第2電磁クラッチ32,33に通電して、第1および第2電磁クラッチ32,33を接続状態にそれぞれ制御する。
前記ステップS12の処理後、検査用ECU46は、ステップS13にて駆動回路53との協働により所定の短時間だけ転舵用電動モータ22に回転させるための駆動電流を流して、転舵用電動モータ22を駆動制御する。また、同ステップS13においては、前記転舵用電動モータ22の駆動制御に並行して、検査用ECU46は回転角センサ44から回転角θm2を表す信号を入力して、転舵用電動モータ22の回転の有無を検査する。次に、検査用ECU46は、ステップS14にて、前記ステップS13の検査により、転舵用電動モータ22の回転が検出されたか否かを判定する。なお、この転舵用電動モータ22の回転検出および後述する同種の処理は、操舵出力軸24の軸線周りの回転変位およびラックバー21の軸線方向の変位の検出に相当する。
まず、第1および第2電磁クラッチ32,33が共に正常である場合について説明する。この場合、第1および第2電磁クラッチ32,33はステップS12の処理によって接続状態にあり、前記ステップS11の操舵反力用電動モータ13のロック制御によって操舵入力軸12の回転変位は禁止されているので、操舵出力軸24の回転変位およびラックバー21の変位もケーブル31を介して禁止されている。したがって、転舵用電動モータ22は回転することはなく、ステップS14にて「No」と判定され、プログラムはステップS15に進められる。
これらのステップS12〜S14の処理は、第1または第2電磁クラッチ32,33が制御とは無関係に常時切断状態に保持され続ける異常(第1または第2電磁クラッチ32,33の誤切断異常)を検出するものである。そして、前記ステップS14の「No」との判定は、第1および第2電磁クラッチ32,33に誤切断異常が発生していないことを意味する。
ステップS15においては、検査用ECU46は、駆動回路51との協働により、第1電磁クラッチ32に通電して第1電磁クラッチ32を接続状態に制御するとともに、第2電磁クラッチ33の通電を解除して、第2電磁クラッチ33を切断状態に制御する。次に、検査用ECU46は、前記ステップS13の処理と同様なステップS16の処理により、所定の短時間だけ転舵用電動モータ22を駆動制御した状態で、転舵用電動モータ22の回転の有無を検査する。そして、検査用ECU46は、ステップS17にて、前記ステップS16の検査により、転舵用電動モータ22の回転が検出されたか否かを判定する。この場合、第2電磁クラッチ33は切断状態にあって、転舵用電動モータ22は回転するので、ステップS17にて「Yes」と判定してプログラムをステップS18に進める。
これらのステップS15〜S17の処理は、第2電磁クラッチ33が制御とは無関係に常時接続状態に保持され続けるような異常(第2電磁クラッチ33の誤接続異常)を検出するものである。そして、前記ステップS17の「Yes」との判定は、第2電磁クラッチ33に誤接続異常が発生していないことを意味する。
ステップS18においては、検査用ECU46は、駆動回路51との協働により、第1電磁クラッチ32の通電を解除して第1電磁クラッチ32を切断状態に制御するとともに、第2電磁クラッチ33を通電して、第2電磁クラッチ33を接続状態に制御する。次に、検査用ECU46は、前記ステップS13の処理と同様なステップS19の処理により、所定の短時間だけ転舵用電動モータ22を駆動制御した状態で、転舵用電動モータ22の回転の有無を検査する。そして、検査用ECU46は、ステップS20にて、前記ステップS19の検査により、転舵用電動モータ22の回転が検出されたか否かを判定する。この場合、第1電磁クラッチ32は切断状態にあって、転舵用電動モータ22は回転するので、ステップS20にて「Yes」と判定する。
これらのステップS18〜S20の処理は、第1電磁クラッチ32が制御とは無関係に常時接続状態に保持され続けるような異常(第1電磁クラッチ32の誤接続異常)を検出するものである。そして、前記ステップS20の「Yes」との判定は、第2電磁クラッチ33に誤接続異常が発生していないことを意味する。
次に、検査用ECU46は、ステップS21にて、第1および第2電磁クラッチ32,33の正常および異常状態を表す異常フラグMBFを両電磁クラッチ32,33の正常を表す値“0”に設定して、ステップS22〜S24の処理後、ステップS25にてこの検査プログラムの実行を終了する。
ステップS22においては、検査用ECU46は、駆動回路52との協働により操舵反力用電動モータ13に対する通電を解除して操舵反力用電動モータ13のロック状態を解除する。ステップS23においては、検査用ECU46は、駆動回路51との協働により第1および第2電磁クラッチ32,33の通電を解除して、両電磁クラッチ32,33を切断状態に設定する。ステップS24においては、検査用ECU46は、前記“0”に設定された異常フラグMBFを転舵用ECU48に出力するとともに、検査終了信号を操舵反力用ECU47および転舵用ECU48にそれぞれ出力する。
一方、操舵反力用ECU47は、前記イグニッションスイッチの投入後、図3の操舵反力制御プログラムを所定の短時間ごとに繰り返し実行している。この操舵反力制御プログラムの実行はステップS40にて開始され、操舵反力用ECU47は、ステップS41にて検査終了信号を検査用ECU46から入力済みかを判定する。イグニッションスイッチの投入後、前記検査終了信号が未だ入力されていなければ、操舵反力用ECU47は、ステップS41にて「No」と判定して、ステップS46にて操舵反力制御プログラムの実行を一旦終了する。この状態では、操舵反力用ECU47は実質的な処理を実行せず、検査終了信号の入力を待つ。
前述のように、検査用ECU46が第1および第2電磁クラッチ32,33の検査を終了して検査終了信号を出力すると、操舵反力用ECU47はステップS41にて「Yes」と判定して、ステップS42以降の処理を実行し始める。ステップS42においては、操舵反力用ECU47は、操舵角センサ41からのハンドル操舵角θh、車速センサ45からの車速Vおよび転舵用ECU48からの転舵フェイルフラグSTFを入力する。この転舵フェイルフラグSTFは、詳しくは後述するように転舵用ECU48にて設定されるもので、“0”により転舵用電動モータ22および駆動回路53からなる転舵制御系の正常状態を表し、“1”により転舵制御系の異常状態を表す。
この場合も、転舵制御系が正常である場合について説明を続ける。したがって、操舵反力用ECU47は、ステップS43にて「Yes」すなわち転舵フェイルフラグSTFが“0”であると判定して、プログラムをステップS44に進める。
ステップS44においては、操舵反力用ECU47は、ROM内に設けられている操舵反力テーブルを参照して、ハンドル操舵角θhおよび車速Vに応じて変化する目標操舵反力Th*を計算する。この操舵反力テーブルは、図6に示すように、複数の代表的な車速値ごとに、ハンドル操舵角θhの増加に従って非線形増加する複数の目標操舵反力Th*を記憶している。なお、この操舵反力テーブルを利用するのに代えて、ハンドル操舵角θhおよび車速Vに応じて変化する目標操舵反力Th*を関数により予め定義しておき、同関数を利用して目標操舵反力Th*を計算するようにしてもよい。
次に、操舵反力用ECU47は、ステップS45にて、駆動回路52と協働して前記計算した目標操舵反力Th*に対応した駆動電流を操舵反力用電動モータ13に流して、ステップS46にてこの操舵反力制御プログラムの実行を一旦終了する。操舵反力用電動モータ13は、操舵入力軸12を目標操舵反力Th*に対応した回転トルクで駆動する。これにより、操舵ハンドル11の回動操作に対して、操舵反力用電動モータ13による目標操舵反力Th*が付与され、運転者は、適度な操舵反力を感じながら、操舵ハンドル11を回動操作できる。
また、転舵用ECU48は、前記イグニッションスイッチの投入後、図4の転舵制御プログラムを所定の短時間ごとに繰り返し実行している。この転舵制御プログラムの実行はステップS50にて開始され、転舵用ECU4は、ステップS51にて検査終了信号を検査用ECU46から入力済みかを判定する。イグニッションスイッチの投入後、前記検査終了信号が未だ入力されていなければ、転舵用ECU48は、ステップS51にて「No」と判定して、ステップS63にて転舵制御プログラムの実行を一旦終了する。この状態では、転舵用ECU48は実質的な処理を実行せず、検査終了信号の入力を待つ。
前述のように、検査用ECU46が第1および第2電磁クラッチ32,33の検査を終了して検査終了信号を出力すると、転舵用ECU48はステップS51にて「Yes」と判定して、ステップS52にて転舵フェイルフラグSTFが“0”であるかを判定する。前述のように、いま転舵フェイルフラグSTFは“0”に設定されているので、転舵用ECU48は、ステップS52にて「Yes」と判定して、プログラムをステップS53に進める。
ステップS53においては、転舵用ECU48は、転舵用電動モータ22および駆動回路53からなる転舵制御系がフェイルしているかを検査する。この場合、転舵用ECU48は、電動モータ22の断線、短絡、その他の異常を駆動回路53からの信号を入力して、転舵制御系に異常が発生しているかを検査する。次に、転舵用ECU48は、ステップS54にて前記ステップS53の処理によってフェイルが検出されたかを判定する。この場合も、ステップS53,S54の判定処理によってフェイルが検出されなかった場合について説明を続ける。すなわち、ステップS54での「No」との判定後、転舵用ECU48はステップS55にて転舵フェイルフラグSTFを“0”に設定して、ステップS56以降の処理を実行する。なお、この転舵フェイルフラグSTFは、イグニッションスイッチがオフされても、その値が保持されるように、転舵用ECU48の非作動時には不揮発性のメモリ領域に記憶保持されるものである。
ステップS56においては、転舵用ECU48は、操舵角センサ41からのハンドル操舵角θh、転舵角センサ42からの実転舵角δ、車速センサ45からの車速V、および検査用ECU46からの異常フラグMBFをそれぞれ入力する。次に、ステップS57にて、前記入力した異常フラグMBFが“2”であるかを判定する。この場合も、前述のように、異常フラグMBFは“0”に設定されているものとして説明を続ける。
したがって、転舵用ECU48は、ステップS57にて「No」と判定して、ステップS58以降の処理を実行する。ステップS58においては、ROM内に記憶されている第1転舵角テーブルを参照して、ハンドル操舵角θhに応じて変化するステヤバイワイヤ用の目標転舵角δa*を計算し、同計算したステヤバイワイヤ用の目標転舵角δa*を目標転舵角δ*として設定する。第1転舵角テーブルは、図8に実線で示すように、ハンドル操舵角θhの増加に従って非線形に増加するステヤバイワイヤ用の目標転舵角δa*を記憶している。このステヤバイワイヤ用の目標転舵角δa*のハンドル操舵角θhに対する変化率は、ハンドル操舵角θhの絶対値|θh|の小さな範囲内で小さく、ハンドル操舵角θhの絶対値|θh|が大きくなると大きくなるように設定されている。なお、この第1転舵角テーブルを利用するのに代えて、ハンドル操舵角θhとステヤバイワイヤ用の目標転舵角δa*との関係を示す関数を予め用意しておき、同関数を利用してステヤバイワイヤ用の目標転舵角δa*を計算するようにしてもよい。
次に、転舵用ECU48は、ステップS59にて、ROM内に記憶されている車速係数テーブルを参照して、車速Vに応じて変化するステヤバイワイヤ用の車速係数Kaを計算し、同計算したステヤバイワイヤ用の車速係数Kaを車速係数Kとして設定する。車速係数テーブルは、図9に実線で示すように、車速Vの小さな範囲内で「1」よりも大きく、車速Vの大きな範囲内で「1」よりも小さく、車速Vの増加に従って「1」を挟んで非線形に減少するステヤバイワイヤ用の車速係数Kaを記憶している。なお、この車速係数テーブルを利用するのに代えて、車速Vとステヤバイワイヤ用の車速係数Kaとの関係を示す関数を予め用意しておき、同関数を利用してステヤバイワイヤ用の車速係数Kaを計算するようにしてもよい。
これらの目標転舵角δ*および車速係数Kの決定後、転舵用ECU48は、ステップS60にて、下記式1の演算の実行により、目標転舵角δ*を車速係数Kで補正して最終的な目標転舵角δ*を計算する。
δ*=K・δ* …式1
そして、ステップS61にて、実転舵角δが最終的な目標転舵角δ*に等しくなるように、両転舵角δ*,δの差δ*−δを用いて駆動回路53を介して転舵用電動モータ22の回転を制御する。これにより、転舵用電動モータ22は回転駆動され、ねじ送り機構23を介してラックバー21を軸線方向に駆動して、左右前輪FW1,FW2を目標転舵角δ*に転舵する。
このような転舵制御により、図8の実線で示すように、左右前輪FW1,FW2は、ハンドル操舵角θhの小さな範囲で同操舵角θhの変化に対して小さく転舵され、ハンドル操舵角θhの大きな範囲で同操舵角θhの変化に対して大きく転舵される。その結果、操舵ハンドル11の持ち替えなしで左右前輪FW1,FW2は大きな転舵角まで転舵される。また、図9の実線で示すように、左右前輪FW1,FW2は、車速Vが小さいときにはハンドル操舵角θhに対して大きく転舵され、車速Vが大きくなるとハンドル操舵角θhに対して小さく転舵される。前記ステップS61の処理後、転舵用ECU48は、ステップS62にて転舵フェイルフラグSTFを操舵反力用ECU47に出力して、ステップS63にて転舵制御プログラムの実行を終了する。
次に、転舵制御系にフェイルが発生した場合について説明する。この場合、転舵用ECU48は、図4のステップS54にて「Yes」と判定して、ステップS64にて転舵フェイルフラグSTFを“1”に設定し、ステップS65にて転舵用電動モータ22の作動制御を中止して転舵用電動モータ22の作動を停止させる。次に、転舵用ECU48は、ステップS66にて、駆動回路51との協働により、第1および第2電磁クラッチ32,33に通電して第1および第2電磁クラッチ32,33を接続状態に制御する。そして、ステップS62にて“1”に設定された転舵フェイルフラグSTFを操舵反力用ECU47に出力して、ステップS63にてこの転舵制御プログラムの実行を一旦終了する。
そして、このように転舵フェイルフラグSTFが一旦“1”に設定されると、以降、転舵用ECU48はステップS52にて「No」と判定して、前述したステップS65,S66、S62の処理を実行する。したがって、転舵用電動モータ22は左右前輪FW1,FW2を転舵制御しなくなる。一方、操舵入力軸12は第1電磁クラッチ32、ケーブル31および第2電磁クラッチ33を介して操舵出力軸24に動力伝達可能に接続されるので、操舵ハンドル11の回動力は、操舵入力軸12、ケーブル31、操舵出力軸24およびラックバー21を介して左右前輪FW1,FW2に伝達され、左右前輪FW1,FW2が操舵ハンドル11の回動操作力によって転舵されるようになる。
一方、この状態では、操舵反力用ECU47は、前記図3のステップS42の処理により“1”に設定されている転舵フェイルフラグSTFを入力し、ステップS43にて「No」と判定して、プログラムをステップS47に進めるようになる。ステップS47においては、操舵反力用ECU47は、ROM内に設けられているアシスト指令値テーブルを参照して、ハンドル操舵角θhおよび車速Vに応じて変化する目標アシストトルクTa*を計算する。このアシスト指令値テーブルは、図7に示すように、複数の代表的な車速値ごとに、ハンドル操舵角θhの増加に従って非線形増加する複数の目標アシストトルクTa*を記憶している。なお、このアシスト指令値テーブルを利用するのに代えて、ハンドル操舵角θhおよび車速Vに応じて変化する目標アシストトルクTa*を関数により予め定義しておき、同関数を利用して目標アシストトルクTa*を計算するようにしてもよい。
次に、操舵反力用ECU47は、ステップS48にて、駆動回路52と協働して前記計算した目標アシスト力Ta*に対応した駆動電流を操舵反力用電動モータ13に流す。これにより、操舵反力用電動モータ13は、操舵入力軸12を目標アシスト力Ta*に対応した回転トルクで駆動する。その結果、この転舵用電動モータ22による左右前輪FW1,FW2の転舵不能状態では、操舵ハンドル11の回動操作による左右前輪FW1,FW2の転舵が目標アシスト力Ta*によってアシストされるので、運転者は、操舵ハンドル11を軽快に回動操作できる。
次に、第1および第2電磁クラッチ32,33のいずれか一方に誤切断異常が発生している場合について説明する。この場合、検査用ECU46の図2のステップS12の処理により、第1および第2電磁クラッチ32,33が接続状態に制御されても、第1および第2電磁クラッチ32,33のうち、誤切断異常が発生している電磁クラッチは切断状態に保たれる。したがって、操舵入力軸12と操舵出力軸24は動力伝達不能に切り離されており、ステップS13,S14の処理によって転舵用電動モータ22の回転すなわち操舵出力軸24の回転変位が検出される。したがって、検査用ECU46は、ステップS14にて「Yes」と判定して、プログラムをステップS26以降に進める。
ステップS26においては、検査用ECU46は、異常フラグMBFを“1”に設定する。そして、この“1”に設定された異常フラグMBFは、前述したステップS24の処理により転舵用ECUに出力される。前記ステップS26の処理後、検査用ECU46は、ステップS27にて警報器54を制御して、第1および第2電磁クラッチ32,33のうちの少なくとも一方に誤切断異常が発生している旨の警報を警報器54に発生させる。次に、検査用ECU46は、ステップS28にて、エンジン制御装置55に速度制御信号を出力する。
この場合、転舵用ECU48は、図4のステップS56の処理によって“1”に設定された異常フラグMBFを入力する。しかし、転舵用ECU48は、ステップS57にて「No」と判定して、前述したステップS58〜S61の処理により左右前輪FW1,FW2を転舵制御する。これにより、この場合には、左右前輪FW1,FW2は、前述した第1および第2電磁クラッチ32,33が正常である場合と同様に、ステアバイワイヤ用の目標転舵角δa*(図8の実線)および車速係数Ka(図9の実線)に従った目標転舵角δ*(=Ka・δa*)に転舵される。
一方、検査用ECU46の図2のステップS28の処理により、速度制限信号を入力したエンジン制御装置55は、車速センサ45からの車速信号Vを用いてエンジン装置を制御して、車両の走行速度を所定車速以下に制限する。すなわち、第1および第2電磁クラッチ32,33のうちの少なくとも一方に誤切断異常が発生した場合には、車両の走行速度が所定車速以下に制限される。
これは、将来、転舵用電動モータ22による左右前輪FW1,FW2の転舵が不可になった場合に、操舵ハンドル11と左右前輪FW1,FW2とをケーブル31を介して動力伝達可能に接続するフェイルセーフ機能を果たせなくなるために、車両の走行に制限を加えるようにするためである。なお、この車両の走行速度の制限のための所定車速は比較的小さな値に設定するとよい。また、この所定車速を「0」にして、車両の走行を禁止するようにして、車両の走行安定性を確保するようにしてもよい。また、車両を安全な場所に移動させるための所定時間だけ、車両の走行速度を所定車速以下に制限して、その後に車両の走行を禁止するようにしてもよい。その結果、車両の走行安定性が確保されることになる。
次に、第2電磁クラッチ33に誤接続異常が発生している場合について説明する。この場合、検査用ECU46の図2のステップS15の処理により、第1電磁クラッチ32が接続状態に制御されるとともに、第2電磁クラッチ33が切断状態に制御されても、誤接続異常が発生している第2電磁クラッチ33は接続状態に保たれる。したがって、操舵入力軸12と操舵出力軸24は動力伝達可能に連結されることになり、ステップS16,S17の処理によって転舵用電動モータ22の回転すなわち操舵出力軸24の回転変位が検出されない。したがって、検査用ECU46は、ステップS17にて「No」と判定して、プログラムをステップS29以降に進める。
ステップS29においては、検査用ECU46は、異常フラグMBFを“2”に設定する。そして、この“2”に設定された異常フラグMBFは、前述したステップS24の処理により転舵用ECUに出力される。前記ステップS29の処理後、検査用ECU46は、ステップS30にて警報器54を制御して、第2電磁クラッチ33に誤接続異常が発生している旨の警報を警報器54に発生させる。
また、第1電磁クラッチ32に誤接続異常が発生している場合には、図2のステップS18の処理により、第1電磁クラッチ32が切断状態に制御されるとともに、第2電磁クラッチ33が接続状態に制御されても、誤接続異常が発生している第1電磁クラッチ32は接続状態に保たれる。したがって、この場合も、操舵入力軸12と操舵出力軸24は動力伝達可能に連結されることになり、ステップS19,S20の処理によって転舵用電動モータ22の回転すなわち操舵出力軸24の回転変位が検出されない。したがって、検査用ECU46は、ステップS20にて「No」と判定して、前記第2電磁クラッチ33に誤接続異常が発生している場合と同様に、前述したステップS29,S30の処理を実行する。ただし、ステップS30の処理においては、第2電磁クラッチ33に誤接続異常が発生している旨の警報が発せられる。
一方、この場合、転舵用ECU48は、図4のステップS56にて“2”に設定された異常フラグMBFを入力する。そして、ステップS57にて「Yes」と判定されて、プログラムはステップS67に進められる。ステップS67においては、転舵用ECU48は、切換え制御ルーチンを実行する。
切換え制御ルーチンは図5に詳細に示されているように、その実行がステップS70にて開始される。そして、転舵用ECU48は、ステップS71にて操舵ハンドル11が所定操舵角以上に操舵されたか、すなわちハンドル操舵角θhの絶対値|θh|が所定値よりも小さな値から所定値以上に変化したかを判定する。より具体的には、前回の切換え制御ルーチンの実行時のハンドル操舵角θhの絶対値|θh|が所定値未満であり、今回の切換え制御ルーチンの実行時のハンドル操舵角θhの絶対値|θh|が所定値以上であることを判定する。この条件が成立すれば、転舵用ECU48は、ステップS71にて「Yes」と判定して、ステップS72〜S76の処理の実行後、プログラムをステップS77以降に進める。一方、前記条件が成立しなければ、ステップS71にて「No」と判定してプログラムをステップS77以降に直接進める。
ステップS72においては変数mに「1」を加算し、ステップS73にて変数mが予め決められた所定値M以上であるかを判定する。変数mは、操舵ハンドル11が所定操舵角以上に操舵された回数をカウントするもので、初期には「0」に設定されている。所定値Mは、後述する左右前輪FW1,FW2のハンドル操舵角θhに対する転舵特性を更新する速さを規定するもので、予め決められた正の整数値に設定されている。いま、変数mが所定値M以上でなければ、ステップS73にて「No」と判定してプログラムをステップS77に進める。変数mが所定値M以上であれば、ステップS73にて「Yes」と判定して、ステップS74にて変数mを「0」に初期設定し、ステップS75にて変数nが所定値N以上であるかを判定する。変数nは、左右前輪FW1,FW2のハンドル操舵角θhに対する転舵特性を変更するための変数で、初期には「1」に設定されている。所定値Nは、左右前輪FW1,FW2のハンドル操舵角θhに対する転舵特性の変更量を規定するもので、予め決められた正の整数値に設定されている。
いま、変数nが所定値N以上であれば、ステップS75にて「Yes」と判定してプログラムをステップS77に進める。変数nが所定値N以上でなければ、ステップS75にて「No」と判定して、ステップS76にて変数nに「1」を加算して、プログラムをステップS77に進める。これらのステップS71〜76の処理により、操舵ハンドル11が所定操舵角以上に操舵された回数がM回になるごとに、変数nが「1」から順次「1」ずつ所定値Nまで増加する。なお、この場合、所定値Mを「1」に設定すれば、変数nは操舵ハンドル11が所定操舵角以上に操舵されるごとに「1」ずつ増加する。
ステップS77においては、転舵用ECU48が、前記図4のステップS58の処理と同様にして、ROM内に記憶されている第1転舵角テーブルを参照して、ハンドル操舵角θhに応じて変化するステヤバイワイヤ用の目標転舵角δa*を計算し、同計算したステヤバイワイヤ用の目標転舵角δa*を第1目標転舵角δ1*として設定する。また、同ステップS77においては、ROM内に記憶されている第2転舵角テーブルを参照して、ハンドル操舵角θhに応じて変化する機械連結ステア用の目標転舵角δb*を計算し、同計算した機械連結ステア用の目標転舵角δb*を第2目標転舵角δ2*として設定する。第2転舵角テーブルは、図8に破線で示すように、ハンドル操舵角θhの増加に従って線形に増加する機械連結ステア用の目標転舵角δb*を記憶している。なお、この第2転舵角テーブルを利用するのに代えて、ハンドル操舵角θhと機械連結ステア用の目標転舵角δb*との関係を示す関数を予め用意しておき、同関数を利用して機械連結ステア用の目標転舵角δb*を計算するようにしてもよい。
次に、転舵用ECU48は、ステップS78にて、前記ステップS59の処理と同様にして、ROM内に記憶されている車速係数テーブルを参照して、車速Vに応じて変化するステヤバイワイヤ用の車速係数Kaを計算し、同計算したステヤバイワイヤ用の車速係数Kaを第1車速係数K1として設定する。また、同ステップS78においては、第2車速係数K2を定数Kbに設定する。この定数Kbは、図8に破線で示されているように、「1.0」に設定されている。
これらの第1および第2目標転舵角δ1*,δ2*ならびに第1および第2車速係数K1,K2の決定後、転舵用ECU48は、ステップS79にて、下記式2の演算の実行により最終的な目標転舵角δ*を計算して、ステップS80にてこの切換え制御ルーチンの実行を終了する。
δ*={K1+n・(K2−K1)/N}・{δ1*+n・(δ2*−δ1*)/N} …式2
この式2の演算の実行により、変数nが「1」から所定値Nまで変化するに従って、第1目標転舵角δ1*から第2目標転舵角δ2*まで徐々に変化する目標転舵角δ*が計算される。
前記切換え制御ルーチンの実行終了後、転舵用ECU48は、前述した図4のステップS61の処理により、実転舵角δが前記目標転舵角δ*に等しくなるように、左右前輪FW1,FW2を目標転舵角δ*に転舵する。この場合、前述のように、変数nは操舵ハンドル11の所定操舵角以上の操舵回数の増加に従って「1」から所定値Nまで増加し、変数nの「1」から所定値Nまでの増加に従って、目標転舵角δ*は第1目標転舵角δ1*から第2目標転舵角δ2*まで徐々に変化するので、左右前輪FW1,FW2はステヤバイワイヤ用の第1目標転舵角δ1*から機械連結ステア用の第2目標転舵角δ2*まで徐々に変化する。
これは、第1および第2電磁クラッチ32,33のうちの一方に誤接続異常が発生した場合には、将来、他方の電磁クラッチにも誤接続異常が発生した場合を想定したものである。この場合、操舵入力軸12と操舵出力軸24がケーブル31を介して動力伝達可能に接続され、操舵ハンドル11は左右前輪FW1,FW2に機械連結されることになる。一方、前記切換え制御ルーチンを実行しなければ、第1および第2電磁クラッチ32,33の両方に誤接続異常が発生した時点で、左右前輪FW1,FW2は、ハンドル操舵角θhに対して図8の破線で示すような転舵特性で転舵されるようになる。この転舵特性は、ステアバイワイヤ方式による転舵特性とは異なるものである。そして、この状態では、転舵用電動モータ22による左右前輪FW1,FW2の転舵特性と、前記ケーブル31を介した操舵ハンドル11と左右前輪FW1,FW2との機械連結による転舵特性との相違により、操舵ハンドル11が運転者の操舵操作とは無関係または運転者の意に反して転舵用電動モータ22によって駆動されるので、運転者はセルフステア、ハンドルロックなどの操舵ハンドル11の操舵操作に違和感を覚える。
これに対して、前記ステップS67の切換え制御ルーチンを実行することにより、第1および第2電磁クラッチ32,33のうちの一方の誤接続異常の検出時から、操舵ハンドル11の回動操作に対する左右前輪FW1,FW2の転舵特性は、ステヤバイワイヤ用の第1目標転舵角δ1*から機械連結ステア用の第2目標転舵角δ2*に従った転舵特性まで徐々に変化するとともに、車速Vによる第1目標転舵角δ1*の補正についても徐々に変化する。したがって、第1および第2電磁クラッチ32,33の両方に誤接続異常が発生した時点では、左右前輪FW1,FW2の転舵特性がステヤバイワイヤ方式から機械連結方式の転舵特性に切換えられており、操舵ハンドル11の操舵操作に対する左右前輪FW1,FW2の転舵特性が変化することはないので、運転者は違和感を覚えない。また、転舵特性を徐々に変更したことにより、転舵特性の変更時にも運転者は違和感を覚えない。
なお、第1および第2電磁クラッチ32,33の異常を表す異常フラグMBF、および左右前輪FW1,FW2の転舵特性を徐々に変更させるための変数m,nに関しては、イグニッションスイッチがオフされてECU46〜48を含む電気制御装置の作動の停止時には保存されないようにしても、第1および第2電磁クラッチ32,33の異常が一旦検出された後には、転舵フェイルフラグSTFと同様に不揮発性のメモリ領域に記憶保持されるようにしてもよい。前者によれば、イグニッションスイッチの投入ごとに、第1および第2電磁クラッチ32,33の異常が判定され、左右前輪FW1,FW2の転舵特性はイグニッションスイッチの投入ごとに新たに徐々に変更されることになる。後者によれば、第1および第2電磁クラッチ32,33の異常が一旦検出されると、その後、左右前輪FW1,FW2の転舵特性は継続的に徐々に変更され続ける。
上記作動説明からも理解できるように、上記実施形態によれば、第1および第2電磁クラッチ32,33の一方に異常が発生した時点で、左右前輪FW1,FW2の転舵特性が変更されたり、車両の走行が制限されたりする。したがって、第1および第2電磁クラッチ32,33の両方に異常が発生して車両の操縦を安定して行うことが不可になる前に、車両の運動が制限され、車両の走行安定性が確保される。
次に、上記実施形態の左右前輪FW1,FW2の転舵特性の変更が、転舵特性の変更前と変更後とにおいて転舵角δが同じであることを条件に実行されるようにした上記実施形態の変形例について説明する。この変形例においては、転舵用ECU48は、図5の切換え制御ルーチンに代えて図10の切換え制御ルーチンを実行する。その他の部分に関しては、上記実施形態と同様である。
この図10の切換え制御ルーチンにおいては、図5のステップS75,S76間に、変更禁止フラグNCGを“1”に設定するためのステップS101の処理が追加されている。この変更禁止フラグNCGは、“1”により左右前輪FW1,FW2の転舵特性の変更を禁止することを表し、“0”により同転舵特性の変更を許容することを表すものであり、初期には“0”に設定されている。そして、このステップS101の処理は、ステップS71〜S76の処理によって指定される左右前輪FW1,FW2の転舵特性の変更タイミングであっても、後述する条件が成立するまで前記転舵特性の変更を一時的に禁止するための処理である。
また、図10の切換え制御ルーチンにおいては、図5のステップS79の処理がステップS79’として一部変更されるとともに、ステップS102〜S107の処理が追加されている。ステップS79’においては、前記式2の演算の実行により計算される目標転舵角が新目標転舵角δnew*として設定される。また、ステップS102においては、変更禁止フラグNCGが“1”であるかが判定される。この場合、変更禁止フラグNCGが“0”であって左右前輪FW1,FW2の転舵特性の変更許容状態を表していれば、ステップS102にて「No」と判定して、プログラムをステップS106に進める。ステップS106においては、最終的な目標転舵角δ*が前記新目標転舵角δnew*に設定され、ステップS80にてこの切換え制御ルーチンの実行が終了される。したがって、この場合には、上記実施形態の場合と同様に動作する。
変更禁止フラグNCGが“1”であって左右前輪FW1,FW2の転舵特性の変更禁止状態を表していれば、ステップS102にて「Yes」と判定して、プログラムをステップS107に進める。ステップS103においては、下記式3の演算の実行により、旧目標転舵角δold*を計算する。
δold*={K1+(n−1)・(K2−K1)/N}
・{δ1*+(n−1)・(δ2*−δ1*)/N} …式3
前記式3においては、値(n−1)は、前記ステップS76の処理によって変数nが変更される直前の左右前輪FW1,FW2の転舵特性を決定する変数値であるので、前記式3に従ってステップS103にて計算される旧目標転舵角δold*は変更される直前の転舵特性に従った目標転舵角δ*を表す。
そして、ステップS104においては、転舵用ECU48は、新目標転舵角δnew*と旧目標転舵角δold*とが等しいか否かを判定する。新目標転舵角δnew*と旧目標転舵角δold*とが等しくなければ、ステップS104にて「No」と判定して、最終的な目標転舵角δ*を旧目標転舵角δold*に設定する。したがって、この場合には、前記ステップS76の処理によって変数nが変更されても、直前の転舵特性に従って最終的な目標転舵角δ*(=δold*)が決定される。
一方、新目標転舵角δnew*が旧目標転舵角δold*に等しくなると、転舵用ECU48は、ステップS104にて「Yes」と判定して、ステップS105にて変更禁止フラグNCGを“0”に戻して、前述したステップS106の処理によって最終的な目標転舵角δ*を新目標転舵角δnew*に設定する。そして、これ以降は、ステップS76の処理によって変数nが新たに変更されるまで、前述したステップS102にて「No」と判定されてステップS106の処理が実行されるので、最終的な目標転舵角δ*は新目標転舵角δnew*に設定される。
このような追加したステップS101〜S107の処理により、変更される転舵特性に従った新目標転舵角δnew*と変更前の転舵特性に従った旧目標転舵角δold*とが等しくなるまで、転舵特性は変更されない。そして、新目標転舵角δnew*と旧目標転舵角δold*とが等しくなった時点で、転舵特性は変更される。したがって、この変形例によれば、運転者による操舵ハンドル11の操舵操作とは無関係かつ急に、左右前輪FW1,FW2の転舵状態が変更されることがなくなるので、運転者は、操舵ハンドル11の操舵操作に対して違和感を覚えなくて済む。特に、転舵特性の変更度合いを大きくしても、運転者は大きな違和感を覚えなくて済む。
また、前記図10の切換え制御ルーチンは、簡略化されて図11の切換え制御ルーチンのようにも変形される。図11の切換え制御ルーチンでは、前述した図10のステップS79’,S102〜S107の処理が、ステップS111〜115の処理に変更されている。すなわち、前記ステップS102と同様なステップS111の処理により、変更禁止フラグNCGが“1”であるかが判定される。そして、変更禁止フラグNCGが“0”であって左右前輪FW1,FW2の転舵特性の変更許容状態を表していれば、ステップS114にて、前記ステップS79’の処理と同様な式2に従った演算の実行により、最終的な目標転舵角δ*が計算される。
変更禁止フラグNCGが“1”であって左右前輪FW1,FW2の転舵特性の変更禁止状態を表していれば、ステップS112にてハンドル操舵角θhが「0」であるかが判定される。そして、ハンドル操舵角θhが「0」であれば、転舵用ECU48は、ステップS112にて「Yes」と判定して、ステップS113にて変更禁止フラグNCGを“0”に設定して、前記ステップS114の処理を実行する。一方、ハンドル操舵角θhが「0」でなければ、転舵用ECU48は、ステップS112にて「No」と判定して、ステップS115の処理により、前記ステップS103の処理と同様な式3に従った演算の実行により、最終的な目標転舵角δ*を計算する。
すなわち、ステップS76の処理によって左右前輪FW1,FW2の転舵特性を変更するための変数nが変更された時点では、ハンドル操舵角θhが「0」になるまで、左右前輪FW1,FW2の転舵特性は変更されない。そして、ハンドル操舵角θhが「0」になった時点、左右前輪FW1,FW2の転舵特性が変更される。これは、ハンドル操舵角θhが「0」であれば、ステップS77の処理によって計算される第1および第2目標転舵角δ1*,δ2*は共に「0」であり、上記式2,3による計算結果は必ず「0」になるからである。言い換えれば、ハンドル操舵角θhが「0」であれば、変数nすなわち左右前輪FW1,FW2の転舵特性とは無関係に、ステップS114,S115の処理によって計算される目標転舵角δ*は共に「0」になる。
したがって、この変形例によれば、ハンドル操舵角θhが「0」である場合に限られるが、転舵特性の変更前後の目標転舵角δ*とが等しくなった時点で初めて、転舵特性が変更される。したがって、この変形例によっても、運転者による操舵ハンドル11の操舵操作とは無関係かつ急に、左右前輪FW1,FW2の転舵状態が変更されることがなくなるので、運転者は、操舵ハンドル11の操舵操作に対して違和感を覚えなくて済む。また、前述のように、転舵特性の変更量を大きくしても問題ない。
さらに、本発明は上記実施形態およびその変形例に限定されることなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。
例えば、上記実施形態およびその変形例においては、検査プログラムをイグニッションスイッチの投入直後に1回だけ行うようにした。しかし、これに代えて、シフトレバーをパーキング位置に切換えたり、運転者がパーキングブレーキを操作したり、車速Vが「0」に変化したことを条件に、検査用ECUが図2の検査プログラムを実行して、第1および電磁クラッチ32,33の検査が実行されるようにしてもよい。また、イグニッションスイッチの投入直後、前記シフトレバーがパーキング位置に切換えられた直後、パーキングブレーキの作動開始後、車速「0」の条件を適宜組み合わせて、第1および第2電磁クラッチ62が検査されるようにしてもよい。
また、前記切換え制御ルーチンの処理のように、左右前輪FW1,FW2のステヤバイワイヤ用の転舵特性から機械連結用の転舵特性への転舵特性の変更量を、操舵ハンドル11が所定角以上に操舵された回数の増加に従って増加させるのに代えて、操舵ハンドル11が所定角以上に操舵されている時間が増加するに従って、前記転舵特性の変化量を増加するようにしてもよい。この場合、図5の切換え制御ルーチンにおけるステップS71〜S76の処理を、操舵ハンドル11が所定角以上に操舵されている累算時間が増加するに従って変数nが大きな値になるように変更すればよい。
また、前記転舵特性が、単純に時間の経過に従って変更されるようにしてもよい。この場合も、ステップS71〜S76の処理を、切換え制御ルーチンが実行されるようになってからの累算時間が増加するに従って、変数nが増加するような処理に変更すればよい。また、前記転舵特性が、イグニッションスイッチのオン操作の回数に応じて徐々に変更されるようにしてもよい。この場合も、ステップS71〜S76の処理を、切換え制御ルーチンが実行されるようになった後、イグニッションスイッチがオン操作されるごとに、またはイグニッションスイッチが所定回数だけオン操作されるごとに、変数nを増加させる処理に変更すればよい。
また、上記実施形態およびその変形例においては、回転角センサ43によって検出される回転角θm1に基づいて操舵反力用電動モータ13、操舵ハンドル11および操舵入力軸12の回転を検出するとともに、回転角センサ44によって検出される回転角θm2に基づいて転舵用電動モータ22および操舵出力軸24の回転、ラックバー21の軸線方向の変位、ならびに左右前輪FW1,FW2の転舵を検出するようにした。しかし、これらの回転角θm1,θm2に代えて、操舵角センサ41および転舵角センサ42によってそれぞれ検出されるハンドル操舵角θhおよび実転舵角δを用いるようにしてもよい。
また、上記実施形態およびその変形例においては、操舵入力軸12と操舵出力軸24とを接続する中間部材としてケーブル31を採用して、操舵入力軸12と操舵出力軸24との動力伝達をケーブル31の回転(またはねじれ)によって実現するようにした。しかし、これに代えて、操舵入力軸12と操舵出力軸24の軸線回りの回転力を引っ張り力に変換する変換機構を操舵入力軸12と操舵出力軸24の各接続端側にそれぞれ設け、両変換機構を引っ張力を伝達可能とするケーブルを中間部材として採用するようにしてもよい。また、操舵入力軸12および操舵出力軸24と同軸回りに回転可能な回転シャフトを操舵入力軸12および操舵出力軸24との間に配置して、同回転シャフトを中間部材として採用するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、操舵反力用電動モータ13を操舵入力軸12に接続して操舵入力軸12を回転駆動するようにした。しかし、これに代えて、中間部材としてのケーブル31の固定部材31a,31bに電動モータ13を接続して、ケーブル31を回転駆動するようにしてもよい。また、前記ケーブル31に代えて中間部材として回転シャフトを採用した場合には、回転シャフトに操舵反力用電動モータ13を接続して、回転シャフトを回転駆動するようにしてもよい。
この場合、操舵反力用および転舵用電動モータ13,22およびその駆動制御系が正常であるとともに、第1および第2電磁クラッチ32,33が正常であれば、第1電磁クラッチ32を接続状態に設定するとともに、第2電磁クラッチ33を切断状態に設定して、操舵反力用電動モータ13によって操舵ハンドル11に操舵反力を付与し、転舵用電動モータよって左右前輪FW1,FW2を転舵するようにする。また、第2電磁クラッチ33に誤接続異常が発生したときには、操舵反力用電動モータ13を左右前輪FW1,FW2の転舵アシスト用に切換えるか、その作動を停止するとよい。そして、その他の制御は上記実施形態と同様にすればよい。
さらに、上記実施形態および変形例においては、操舵ハンドル11として回動操作されるものを採用した。しかし、この操舵ハンドル11に代えて、例えばジョイスティックなどのように直線的な操作により左右前輪FW1,FW2を転舵させる操舵ハンドルを利用した車両の操舵装置にも本発明は適用される。
本発明の一実施形態に係る車両の操舵装置の全体概略図である。 図1の検査用ECUにより実行される検査プログラムのフローチャートである。 図1の操舵反力用ECUにより実行される操舵反力制御プログラムのフローチャートである。 図1の転舵用ECUにより実行される転舵制御プログラムのフローチャートである。 図4の切換え制御ルーチンの詳細を示すフローチャートである。 ハンドル操舵角と目標操舵反力との関係を示すグラフである。 ハンドル操舵角と目標アシストトルクとの関係を示すグラフである。 ハンドル操舵角と目標転舵角との関係を示すグラフである。 車速と車速係数との関係を示すグラフである。 上記実施形態の変形例に係る切換え制御ルーチンを示すフローチャートである。 上記実施形態の他の変形例に係る切換え制御ルーチンを示すフローチャートである。
符号の説明
11…操舵ハンドル、12…操舵入力軸、13…操舵反力用電動モータ、21…ラックバー、22…転舵用電動モータ、24…操舵出力軸、31…ケーブル、32,33…電磁クラッチ、41…操舵角センサ、42…転舵角センサ、43,44…回転角センサ、45…車速センサ、46…検査用ECU,47…操舵反力用ECU、48…転舵用ECU、55…エンジン制御装置

Claims (3)

  1. 操舵ハンドルに接続されて操舵ハンドルと連動して変位する入力部材と、
    転舵輪に接続されて転舵輪と連動して変位する出力部材と、
    前記入力部材と前記出力部材との間に設けられた中間部材と、
    前記入力部材と前記中間部材との間に介装されるとともに切断状態および接続状態に選択的に切換えられて、切断状態にて前記入力部材と前記中間部材を動力伝達不能に切り離し、接続状態にて前記入力部材と前記中間部材を動力伝達可能に連結する第1断続器と、
    前記中間部材と前記出力部材との間に介装されるとともに切断状態および接続状態に選択的に切換えられて、切断状態にて前記中間部材と前記出力部材を動力伝達不能に切り離し、接続状態にて前記中間部材と前記出力部材を動力伝達可能に連結する第2断続器と、
    前記入力部材または前記中間部材に接続されて同入力部材または同中間部材を変位させる第1電気アクチュエータと、
    前記出力部材に接続されて同出力部材を変位させる第2電気アクチュエータと、
    操舵ハンドルの操舵操作に応じて前記第1電気アクチュエータの作動を制御して操舵ハンドルの操舵操作に対して反力を付与する反力付与制御手段と、
    操舵ハンドルの操舵操作に応じて前記第2電気アクチュエータの作動を制御して転舵輪を転舵する転舵制御手段とを備えたステアバイワイヤ方式の車両の操舵装置において、
    前記第1および第2断続器の異常を検出する異常検出手段と、
    前記異常検出手段によって前記第1および第2断続器の一方が常時接続状態となる異常が検出されたとき、前記転舵制御手段を制御して、操舵ハンドルの操舵操作に応じた転舵輪の転舵特性を、前記第1および第2断続器を接続することによって操舵ハンドルから転舵輪まで機械的に連結された場合の操舵ハンドルの操舵操作に応じた転舵輪の転舵特性に徐々に変更する転舵特性変更手段とを設けたことを特徴とする車両の操舵装置。
  2. 前記転舵特性変更手段による転舵輪の転舵特性の変更は、転舵特性の変更前と変更後とにおいて転舵輪の転舵角が同じであることを条件に実行されるものである請求項1に記載した車両の操舵装置。
  3. 記異常検出手段により前記第1および第2断続器の一方が常時切断状態となる異常が検出されたとき、車両の走行速度を制限または車両を走行不可とする走行制限手段を、さらに設けた請求項1または2に記載した車両の操舵装置。
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